【解決手段】一実施形態において、空気浄化装置は、空気流入口及び空気排出口を有するケースと、ケース内で空気の流路に沿って配置される空気浄化部とを備える。空気浄化部は、通気孔を有する印刷回路基板、印刷回路基板上に配置される紫外線発光ダイオード、及び紫外線発光ダイオードの周りに配置される光反射構造物を有する紫外線光源部を備える。紫外線発光ダイオードは、通気孔を通過した空気に対して紫外線を照射する。
前記光反射構造物は、前記印刷回路基板を覆うように配置され、前記印刷回路基板との接続部材及び前記ケースの内壁により支持されることを特徴とする請求項13に記載の空気浄化装置。
前記光反射構造物は、前記光反射構造物の高さが増加するにつれて前記ケースの内壁方向に延在するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の空気浄化装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態の記載において、「第1」及び「第2」のような記載は部材を区分するためのものであり、部材自体を限定し、特定の順序を意味するものとして使用されたものではない。また、ある部材の「上」に位置するか、「上部」または「下部」、「側面」に位置するという記載は相対的な位置関係を意味するものであり、その部材に直接接触したり、あるいは中間の界面に他の部材がさらに導入されたりする特定の場合を限定するものではない。また、ある一構成要素が他の構成要素に「接続されている」、または「設置されている」という記載は、他の構成要素に直接連結されているか、あるいは接続されていることができ、若しくは、中間に他の別の構成要素等が介在されて連結関係または接続関係を構成することもできる。明細書の全体にわたって同じ参照符号は実質的に同じ構成要素を意味することができる。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した図である。
図2は、
図1の空気浄化装置の概略的な断面図である。
図1及び
図2に示すように、空気浄化装置100は、ケース110及び空気浄化部20を備える。空気浄化部20は、紫外線光源部210及びフィルタ部220を有する。
【0019】
ケース110は、空気流入口112及び空気排出口114を備え、空気浄化装置100の本体部を形成する。図面に示すように、紫外線光源部210の上端から空気排出口114までの空気の流路上の断面積が実質的に同一であって、十分な風量の空気が流動できるようにすることができる。しかし、他の実施形態においては、空気の流路に沿って形成される断面積は互いに異なってもよく、様々な変形例が存在し得る。
【0020】
空気流入口112に隣接したケース110の内部には送風機130が配置され得る。送風機130は、一例としてブロワ(blow)ファンまたは軸流(axial)ファンを有することができる。図面では具体的な一実施形態としてブロワファンを例示しているが、必ずこれに限定されるものではない。送風機130は、空気流入口112に隣接した流入口132と、流入した空気を排出する吐出口134とを備えることができる。
【0021】
図面のように、送風機130としてブロワファンが適用される場合、吐出口134の断面積はケース110内部の断面積より小さい場合がある。この場合、吐出口134から排出される空気が吐出口134近傍の領域で停滞されたり、ケース110下部方向に進んでしまったりするなどの問題が発生し得る。したがって、図面のように、吐出口134からケース110の内壁方向に延在するように流体制御構造物140を配置し、吐出口134から排出される空気がケース110の内部空間に均一に進むようにすることができる。図示されたように、流体制御構造物140は、空気の流れを制御する空気導管でありうる。流体制御構造物140は、吐出口134からケース110内壁方向に配置される以外に、空気流入口112と空気浄化部20との間の適切な位置に配置されることができる。
【0022】
送風機130の上端部には空気浄化部20が配置され得る。図示されたように、紫外線光源部210及びフィルタ部220が順次配置され得る。
【0023】
紫外線光源部210は、印刷回路基板211、印刷回路基板211上に配置される紫外線発光ダイオード212、213、及び光反射構造物214を備える。印刷回路基板211は、内部に空気が流動できる通気孔を備える。光反射構造物214は、紫外線発光ダイオード212、213の周りに配置されて、紫外線発光ダイオード212、213から放出される紫外線を反射して、流路に沿って移動する空気が紫外線と接触する時間を増加させることができる。例えば、光反射構造物214は、紫外線発光ダイオード212、213の側面で紫外線発光ダイオード212、213より大きい高さを有するように配置される。光反射構造物214は、光反射構造物214の高さが増加するにつれてケース110の内壁方向に延在するように構成される。いくつかの他の実施形態において、印刷回路基板211は、光反射構造物214の内部に配置されてもよい。
【0024】
紫外線発光ダイオード212、213は、通気孔を通過した空気に対して紫外線を照射する。紫外線発光ダイオード212、213は一例として、殺菌用の紫外線発光ダイオード212及び光触媒用の紫外線発光ダイオード213を含む。紫外線発光ダイオード212、213は、空気流路に沿って流れる空気の流れ方向と紫外線の照射方向とが一致するように配置される。すなわち、一例として、空気の流れは、ケース110の下部から上部方向になされ、紫外線発光ダイオード212、213は、上部方向に紫外線を照射するように印刷回路基板211上に配置される。
【0025】
殺菌用の紫外線発光ダイオード212は、200ないし300nmの紫外線を放出し、光触媒用の紫外線発光ダイオード213は、300ないし400nmの紫外線を放出する。
【0026】
紫外線光源部210の上部には、紫外線発光ダイオード212、213と対向するようにフィルタ部220が配置される。例えば、紫外線発光ダイオード212、213側から順に光触媒フィルタ222、捕集フィルタ224が配置される。
【0027】
光触媒フィルタ222は、光触媒物質として光触媒反応を提供する物質を含む。一例として、光触媒物質は、酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、または酸化ジルコニウム(ZrO
2)を含む。光触媒フィルタ222は、酸化チタン(TiO
2)を含む層状構造で形成されてもよい。光触媒フィルタ222は、発泡金属(metal foam)や多孔性金属材のように空気が流れ得る材質に、光触媒物質がコーティングされて製造される。
【0028】
光触媒フィルタ222は、光触媒用の紫外線発光ダイオード213から放出される約300ないし400nmの紫外線と光触媒反応をすることができる。光触媒物質に紫外線が吸収されると、表面に電子(e−)と正孔(+)が生じるようになり、電子は、光触媒物質の表面にある酸素と反応してスーパーオキシドアニオン(・O
2−)を生成することができる。また、正孔は、空気中に存在する水分と反応してヒドロキシルラジカル(・OH)を生成するようになり、このときに生成されたヒドロキシルラジカルは有機物質を酸化分解することができる。これにより、空気浄化装置内部に流入した空気内の汚染物質及び悪臭物質を分解して水と二酸化炭素に変換させることができる。また、ヒドロキシルラジカルは、強い酸化剤として作用することにより、殺菌作用を実現することもできる。これにより、光触媒フィルタ222は、光触媒用の発光ダイオード213と協働して、流入した空気に対して脱臭及び殺菌作用を実現することができる。
【0029】
捕集フィルタ224は、流入した空気中の細菌を捕集する機能を果たす。このために、捕集フィルタ224は、細菌が容易に通過できないように微細な細孔を備えることができる。捕集フィルタ224は、表面積を増加させて単位面積当たりの捕集量を高めるために、フィルタ物質が空気流れ方向に対して曲げられている形状を有することができる。捕集フィルタ224に捕集された細菌は、殺菌用の紫外線発光ダイオード212から放出される約200ないし300nmの紫外線により殺菌され得る。捕集フィルタ224は、空気中の細菌が殺菌用の紫外線に暴露される時間を増加させることにより、殺菌用の紫外線発光ダイオード212の殺菌効率を増加させる機能を果たすことができる。いくつかの実施形態において、捕集フィルタ224は、殺菌剤を有してもよい。殺菌剤は、殺菌効率をさらに増加させることができる。
【0030】
いくつかの他の実施形態においては、空気浄化装置100は、炭素フィルタをさらに有してもよい。炭素フィルタは、送風機130と紫外線光源部210との間またはフィルタ部220の後端(空気の流れの下流側)に配置されてもよい。炭素フィルタが活性炭及び触媒を含むことにより、空気中の有機化学物質が炭素フィルタを通過する間、漉されるようになる。これにより、流入した空気に対して脱臭作用を実現することができる。
【0031】
いくつかの他の実施形態において、ケース110の内壁の少なくとも一部は光反射物質で塗布されてもよい。例えば、紫外線光源部210上部の内壁に対して光反射効率の高いアルミニウムまたは銀のコーティング層が形成されてもよい。これにより、流路に沿ってケース110の内部を流動する空気が紫外線と接触する時間をさらに増加させることができる。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態に係る紫外線光源部を概略的に示した平面図である。
図3に示すように、紫外線光源部210は、内部に通気孔216を有する印刷回路基板211を備える。印刷回路基板211上には、殺菌用の紫外線発光ダイオード212及び光触媒用の紫外線発光ダイオード213が配置される。殺菌用の紫外線発光ダイオード212及び光触媒用の紫外線発光ダイオード213は、図示されたように、互いに交差するように印刷回路基板214上に配列されるが、必ずこれに限定されるものではなく、様々な配列が可能である。
【0033】
殺菌用の紫外線発光ダイオード212及び光触媒用の紫外線発光ダイオード213の周りには光反射構造物214が配置される。光反射構造物214の内壁は、光反射効率の高いアルミニウムまたは銀のコーティング層を有してもよい。他には、光反射構造物214はアルミニウムまたは銀で製造されてもよい。光反射構造物214は、印刷回路基板211との接続部材215及びケース110の内壁により構造的に支持される。接続部材215の形態及び構成は、公知の様々な支持構造物の形態をしたがうことができる。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した図である。
図4に示すように、空気浄化装置300は、空気浄化部として第1の空気浄化部40及び第2の空気浄化部50を有し、第1の空気浄化部40及び第2の空気浄化部50が空気の流路に沿って順に配列されるという点を除き、第1の実施形態に係る空気浄化装置100とその構成が実質的に同様である。したがって、重複を排除するために、空気浄化装置300のうち第1の実施形態と異なる構成を中心として説明する。
【0035】
図4に示すように、第1の空気浄化部40は、殺菌用の紫外線発光ダイオード412を有する第1の紫外線光源部410及び捕集フィルタ222を備えることができる。第1の紫外線光源部410は、印刷回路基板411、印刷回路基板411上に配置される殺菌用の紫外線発光ダイオード412、及び殺菌用の紫外線発光ダイオード412の周りに配置される光反射構造物414を備えることができる。
【0036】
第2の空気浄化部50は、光触媒用の紫外線発光ダイオード512を有する第2の紫外線光源部510及び光触媒用フィルタ224を備えることができる。第2の紫外線光源部510は、印刷回路基板511、印刷回路基板511上に配置される光触媒用の紫外線発光ダイオード512、及び光触媒用の紫外線発光ダイオード512の周りに配置される光反射構造物514を備えることができる。
【0037】
空気導管140を介して流動する空気に対し、第1の空気浄化部40が1次的に殺菌作用を実現し、第1の空気浄化部40を通過した空気に対して第2の空気浄化部50が脱臭及び殺菌作用を実現することができる。
【0038】
いくつかの他の実施形態において、第1の空気浄化部40及び第2の空気浄化部50の配置は互いに置換してもよい。したがって、空気導管140を介して流動する空気に対して、先に第2の空気浄化部50が1次的に脱臭及び殺菌作用を実現し、次に、第2の空気浄化部50を通過した空気に対して第1の空気浄化部40が殺菌作用を実現することもできる。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に係る紫外線光源部を概略的に示した図である。一実施形態として、紫外線光源部は、
図4と関連して上述した第1の紫外線光源部410でありうる。
【0040】
図5に示すように、第1の紫外線光源部410は、内部に通気孔416を有する印刷回路基板411を備える。印刷回路基板411上には、殺菌用の紫外線発光ダイオード412が配置される。殺菌用の紫外線発光ダイオード412は、図示されたように、複数の列をなすように配列されるが、必ずこれに限定されるものではなく、様々な形態の配置が可能である。
【0041】
殺菌用の紫外線発光ダイオード412の周りには光反射構造物414が配置され得る。光反射構造物414の内壁は、光反射効率の高いアルミニウムまたは銀のコーティング層を有してもよい。他には、光反射構造物414は、アルミニウムまたは銀で製造されてもよい。光反射構造物414は、印刷回路基板411と接続部材415により接続されて構造的に支持される。接続部材415の形態及び構成は、公知の様々な支持構造物の形態をしたがうことができる。
【0042】
他の実施形態として、紫外線光源部は、
図4と関連して上述した第2の紫外線光源部510でありうる。第2の紫外線光源部510の構成は、印刷回路基板511上に光触媒用の紫外線発光ダイオード512が実装されるという点を除き、第1の紫外線光源部410の構成と実質的に同様である。
【0043】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した図である。
図7は、
図6の空気浄化装置の概略的な断面図である。
図6及び
図7に示すように、空気浄化装置600は、ケース610、送風機620、及びフィルタ部630を備える。
【0044】
ケース610は、空気流入口612及び空気排出口614を備え、内部に空気流入口612から空気排出口614への空気流路を備える。ケース610は、空気浄化装置600のフレームを構成する。
【0045】
空気流入口612に隣接したケース610内部には送風機620が配置される。送風機620は、一例としてブロワ(blow)ファンを有する。送風機620は、空気流入口612に隣接した流入口622と流入した空気を排出する吐出口624とを備える。図示されたように、送風機620は、吸入流動が回転軸方向(すなわち、y方向)であることに対し、吐出流動は回転軸の直角方向(すなわち、z方向)に空気流動を発生させることができる。
【0046】
このように、ブロワファンを有する送風機を適用する場合、送風機620の吐出口624の断面積は、ケース610内部の空気流路の断面積より小さい。また、送風機620の吐出口624の中心軸は、ケース610内部の中心軸から一側方向に偏って位置してもよい。すなわち、
図6のように、送風機620の吐出口624の中心軸は、ケース610内部の中心軸からx方向またはy方向に所定の距離の分だけ外れて位置してもよい。
【0047】
上述した構成により、吐出口624から排出される空気が吐出口624近傍の領域で停滞したり、ケース610の下部方向に進んだりするなどの問題が発生する。また、吐出口624から排出される空気の流れが一方向に偏重されることにより、フィルタ部630の表面のうち、一部領域を介してのみ空気がフィルタ部630に流入するという問題が発生する。
【0048】
このような問題点を解決するために、本発明では、流体制御構造物640を送風機620とフィルタ部630との間に配置させる。流体制御構造物640は、送風機620の吐出口624からフィルタ部630までの間での空気の流動形態を制御することができる。流体制御構造物640は、流体制御構造物640近傍での空気流れの速度、方向、密度などを変化させることができるように配置される。
【0049】
本実施形態では、流体制御構造物640として、送風機620の吐出口624からケース610の内壁方向に延在するように流体導管640を配置することができる。流体導管640は、吐出口624とフィルタ部630との間で空気の流れを制御することができる。
【0050】
図示されたように、流体導管640は、送風機620の吐出口624からケース610の内壁方向に延在する第1の導管部641、第1の導管部641と接続され、ケース610の内壁の反対方向に延在する第2の導管部643、及び第1の導管部641及び第2の導管部643と接続され、ケース610の内壁と平行な方向に延在する第3の導管部642を備えることができる。
【0051】
第1の導管部641は、吐出口624から放出される空気が吐出口624近傍の領域で停滞されるか、ケース610の下部方向に進むことを抑制させる機能を果たし、ケース610内部の広い空間に空気を拡散させる機能を果たすことができる。第2の導管部643は、ケース610の長さ方向に対して所定の角度を有するように配置されることができる。すなわち、第2の導管部643は、ケース610内部方向に所定の角度で曲げられるように構成されることができ、空気がケース610内部の中央領域にまとめられて進むように制御することができる。第3の導管部642は、隣接するケース610の内壁と垂直な断面(
図7の水平方向断面)を基準としてケース610の全体領域(当該断面の領域全体)に空気を拡散させた状態で空気の流れが進むように制御することができる。いくつかの実施形態において、第3の導管部642は省略されてもよい。
【0052】
流体制御構造物640の上部にはフィルタ部630が配置される。フィルタ部630は、第1のフィルタ632及び第2のフィルタ634を有することができる。一例として、第1のフィルタ632は脱臭フィルタ、第2のフィルタ634は殺菌フィルタである。他の例として、第1のフィルタ632はろ過フィルタ、第2のフィルタ634は脱臭フィルタであってもよい。このように、フィルタ部630は、各種フィルタが空気の流路に沿って順に配置される形態を有し、第1のフィルタ632及び第2のフィルタ634が有する機能は、脱臭、殺菌、ろ過を含み様々な種類の機能を実現してもよく、その制限がない。また、図面では、フィルタ部630として、第1のフィルタ632及び第2のフィルタ634の2種類を例示しているが、必ずこれに限定されず、フィルタ部630を構成するフィルタの個数にも制限がない。
【0053】
上述したように、流体制御構造物640として流体導管を適用することにより、送風機620の吐出口624から排出される空気をより均一な分布でフィルタ部630に流入させることができる。流動する空気をフィルタ部630のフィルタ表面積に均等に分散させることにより、フィルタ部630による空気浄化効率を向上させることができる。
【0054】
いくつかの他の実施形態において、図示されていないが、フィルタ部630の下部に紫外線発光ダイオード部が配置されてもよい。紫外線発光ダイオード部は、一例として
図1と関連して説明した第1の実施形態の紫外線光源部210の構成と実質的に同様であってもよい。すなわち、紫外線発光ダイオード部は、上述した光触媒用の紫外線発光ダイオードまたは上述した殺菌用の紫外線発光ダイオードを有してもよい。
【0055】
紫外線発光ダイオード部が光触媒用の紫外線発光ダイオードを有する場合、紫外線発光ダイオード部と隣接して配置されるフィルタ部630は光触媒フィルタを備えてもよい。紫外線発光ダイオード部が殺菌用の紫外線発光ダイオードを有する場合、フィルタ部630は、細菌を捕集する捕集フィルタを備えてもよい。
【0056】
図8は、本発明の第4の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した断面図である。
図8に示すように、空気浄化装置700は、流体制御構造物として板状構造物644が追加されるということを除き、
図6及び
図7と関連して説明した空気浄化装置600とその構成が実質的に同様である。したがって、重複を排除するために、空気浄化装置700のうち、空気浄化装置600とは異なる構成を中心として説明する。
【0057】
板状構造物644は、流体導管640内部に配置される。板状構造物644の一表面は流路方向と対向するように配置されることにより、ケース610内の空気の流れを妨げることができる。一例として、板状構造物644の一表面は、空気の流路方向と実質的に垂直方向に配置される。他の例として、板状構造物644の一表面は、空気の流路方向と所定の角度で傾斜を有するように配置されてもよい。
【0058】
図示されたように、板状構造物644が配置される領域は空気の流れが妨げられることができ、空気の流れはこの領域を回避するように発生する。板状構造物644と流体導管640とを適用することにより、フィルタ部630に向かう空気の流れを適宜制御することができる。すなわち、送風機620の構造により生じるフィルタ部630の特定領域に偏重する空気の流れを調節することができ、板状構造物644を通過する間、空気の流速が遅くなることにより、空気がフィルタ部630と反応できる時間を増加させることができる。
【0059】
上述した板状構造物644及び流体導管640の構成及び配置は、送風機620の吐出口624の構造、送風機620の吐出性能(すなわち、吐出流量及び吐出流速)、及びケース610の内部構造により決定されてもよい。
【0060】
いくつかの他の実施形態において、図示されていないが、フィルタ部630の下部に紫外線発光ダイオード部が配置されてもよい。紫外線発光ダイオード部は、一例として
図1と関連して説明した第1の実施形態の紫外線光源部210の構成と実質的に同様でありうる。すなわち、紫外線発光ダイオード部は、上述した光触媒用の紫外線発光ダイオードまたは上述した殺菌用の紫外線発光ダイオードを有してもよい。
【0061】
紫外線発光ダイオード部が光触媒用の紫外線発光ダイオードを有する場合、紫外線発光ダイオード部と隣接して配置されるフィルタ部630は光触媒フィルタを備えてもよい。紫外線発光ダイオード部が殺菌用の紫外線発光ダイオードを有する場合、フィルタ部630は、細菌を捕集する捕集フィルタを備えてもよい。
【0062】
図9aは、本発明の第5の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した断面図である。
図9bは、
図9aに適用される流体制御構造物を概略的に示した平面図である。
図9a及び
図9bに示すように、空気浄化装置800は、流体制御構造物として内部に通気孔を有する板状構造物645をさらに備えるということを除き、
図6及び
図7と関連して上述した空気浄化装置600とその構成が実質的に同様である。また、板状構造物645が内部に通気孔を有するという点を除き、
図8と関連して説明した空気浄化装置700の板状構造物644とその構成が実質的に同様である。したがって、重複を排除するために、空気浄化装置800のうち空気浄化装置700とは異なる構成を中心として説明する。
【0063】
図9bに示すように、板状構造物645は、空気の流れを妨げることができるフレーム部645a及びフレーム部645a内部の通気孔部645bを備える。板状構造物645に流動する空気は、通気孔部645bを介して板状構造物645bを通過することができる。板状構造物645は、通気孔部645bを適宜形成することにより、フィルタ部630に向かう空気の流れを制御することができる。すなわち、送風機620の構造により生じるフィルタ部630の特定領域に偏重する空気の流れを調節することができ、板状構造物645を通過する間、空気の流速が遅くなることにより、空気がフィルタ部630と反応できる時間を増加させることができる。このような、通気孔部645bの大きさ及び配置は、送風機620の吐出口624の構造、送風機620の吐出性能(すなわち、吐出流量及び吐出流速)、及びケース610の内部構造により決定されてもよい。
【0064】
いくつかの他の実施形態において、図示されていないが、フィルタ部630の下部に紫外線発光ダイオード部が配置されてもよい。紫外線発光ダイオード部は、一例として
図1と関連して説明した第1の実施形態の紫外線光源部210の構成と実質的に同様であってもよい。すなわち、紫外線発光ダイオード部は、上述した光触媒用の紫外線発光ダイオードまたは上述した殺菌用の紫外線発光ダイオードを有してもよい。
【0065】
紫外線発光ダイオード部が光触媒用の紫外線発光ダイオードを有する場合、紫外線発光ダイオード部と隣接して配置されるフィルタ部630は光触媒フィルタを備えてもよい。紫外線発光ダイオード部が殺菌用の紫外線発光ダイオードを有する場合、フィルタ部630は、細菌を捕集する捕集フィルタを備えてもよい。
【0066】
図10aは、本発明の第6の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した断面図である。
図10bは、
図10aに適用される流体制御構造物を概略的に示した平面図である。
【0067】
図10a及び10bに示すように、空気浄化装置900は、流体制御構造物として球形構造物647をさらに備えるということを除き、
図6及び
図7と関連して上述した空気浄化装置600とその構成が実質的に同様である。したがって、重複を排除するために、空気浄化装置900のうち空気浄化装置600とは異なる構成を中心として説明する。
【0068】
球形構造物647は、流動する空気が球形構造物647の外周面を通るとき、圧力差によりうず巻きを発生させることができる。このようなうず巻きは、流動する空気を互いに混合させる役割を果たすことにより、空気をより均一な状態でフィルタ部630に到達させることができる。
【0069】
図10bに示すように、球形構造物647は、球形構造体647a、球形構造体647aを互いに接続するフレーム部647c、及びフレーム部647c内部の通気孔647bを備えてもよい。球形構造体647aは、球形構造体647aの周辺に空気のうず巻きが発生する程度の大きさを有してもよい。このような、球形構造体647aの大きさ及び配置は、送風機620の吐出口624の構造、送風機620の吐出性能(すなわち、吐出流量及び吐出流速)、及びケース610の内部構造により決定されてもよい。
【0070】
いくつかの他の実施形態において、図示されていないが、フィルタ部630の下部に紫外線発光ダイオード部が配置されてもよい。紫外線発光ダイオード部は、一例として
図1と関連して上述した第1の実施形態の紫外線光源部210の構成と実質的に同様でありうる。すなわち、紫外線発光ダイオード部は、上述した光触媒用の紫外線発光ダイオードまたは上述した殺菌用の紫外線発光ダイオードを有してもよい。
【0071】
紫外線発光ダイオード部が光触媒用の紫外線発光ダイオードを有する場合、紫外線発光ダイオード部と隣接して配置されるフィルタ部630は光触媒フィルタを備えてもよい。紫外線発光ダイオード部が殺菌用の紫外線発光ダイオードを有する場合、フィルタ部630は、細菌を捕集する捕集フィルタを備えてもよい。
【0072】
図11aは、本発明の第7の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した断面図である。
図11bは、
図11aの空気浄化装置の流体制御構造物として適用される紫外線発光ダイオード部を概略的に示した平面図である。
【0073】
図11a及び11bに示すように、空気浄化装置1000は、流体制御構造物として紫外線発光ダイオード部648を適用するということを除き、
図6及び
図7と関連して上述した空気浄化装置600とその構成が実質的に同様である。したがって、重複を排除するために、空気浄化装置1000のうち空気浄化装置600とは異なる構成を中心として説明する。
【0074】
紫外線発光ダイオード部648は、内部に通気孔648bを有する印刷回路基板648a及び印刷回路基板648a上に配置される紫外線発光ダイオード648c、648dを備えることができる。
【0075】
一実施形態によれば、紫外線発光ダイオード648c、648dは、フィルタ部630と反応して殺菌または脱臭作用を実現するように設置されてもよい。一例として、紫外線発光ダイオード648cが光触媒用の発光ダイオードである場合、フィルタ部630の第1のフィルタまたは第2のフィルタは光触媒用フィルタであってもよい。光触媒用の発光ダイオードは、約700ないし800nmの波長を有する紫外線を放出させて、光触媒用フィルタの光触媒物質と反応させてもよい。光触媒反応により強い酸化力を有するヒドロキシルラジカルが生成されて、殺菌または脱臭作用を実現することができる。他の例として、紫外線発光ダイオード648cが殺菌用の発光ダイオードである場合、フィルタ部630の第1のフィルタまたは第2のフィルタは捕集フィルタであってもよい。捕集フィルタは、流動する空気中の細菌を捕集し、捕集された細菌に対して殺菌用の発光ダイオードが約200ないし700nmの波長を有する紫外線を放出させて殺菌することができる。他の実施形態において、紫外線発光ダイオード648c、648dは、光触媒用の発光ダイオードまたは殺菌用の発光ダイオードの単独で構成されてもよい。
【0076】
本実施形態では、紫外線発光ダイオード648c、648dが実装される印刷回路基板648aを流体制御構造物として適用することができる。通気孔648bを用いて流動する空気を通過させることができ、通気孔648bを除いた印刷回路基板648aの残りの部分を用いて流動する空気の流れを妨げることができる。このように、通気孔648bを有する印刷回路基板648aを適用することにより、送風機620の構造により生じるフィルタ部630の特定領域に偏重する空気の流れを調節することができ、印刷回路基板648aを通過する間、空気の流速が遅くなることにより、空気がフィルタ部630と反応できる時間を増加させることができる。このとき、通気孔648bの大きさ及び配置は、送風機620の吐出口624の構造、送風機620の吐出性能(すなわち、吐出流量及び吐出流速)、及びケース610の内部構造により決定されてもよい。
【0077】
いくつかの他の実施形態においては、フィルタ部630の後端(空気の流れの下流側)に空気の流速を遅らせることができる構造物をさらに配置してもよい。このような構造物は、一例として前後端間(空気の流れの上流側と下流側との間)の差圧が大きいキャビンフィルタを備える。キャビンフィルタにより空気の流れが遅くなることにより、フィルタ部630に流動する空気が留まる時間が十分に確保され、フィルタ部630による殺菌または脱臭効率が増加される。
【0078】
図12は、本発明の第8の実施形態に係る空気浄化装置を概略的に示した断面図である。
図13aは、
図12の空気浄化装置をA方向から見た断面図である。
図13bは、
図12の空気浄化装置をB方向から見た断面図である。
【0079】
図12、
図13a、及び
図13bに示すように、空気浄化装置1100は、第1の空気流入口712及び空気排出口714を有するケース710を備える。ケース710は、空気浄化装置1100の外観を構成するフレームである。
図12及び
図13aに示すように、第1の空気流入口712は、ケース710の側面方向に形成されることができ、第1の空気流入口712を介してケース710内部に流入した空気は、第2の空気流入口713を経て送風機720に流入する。送風機720は、一例としてブロワ(blow)ファンを備えてもよい。
【0080】
第2の空気流入口713を介して流入した空気は、第1のフィルタ部730を経て送風機流入口722に流入することができる。第1のフィルタ部730は、一例として埃フィルタ、捕集フィルタ、カーボンフィルタなど、様々な機能性ろ過フィルタを備えることができる。送風機流入口722に流入した空気は、送風機720の動作によって吐出口724を介して排出されることができる。
【0081】
送風機720の吐出口724の中心軸は、ケース710内部の中心軸から一側方向に偏って位置してもよい。すなわち、
図13aのように、送風機720の吐出口724の中心軸は、ケース710内部の中心軸からy方向に所定の距離の分だけ外れて位置してもよい。
【0082】
吐出口724の上部には、第1の流体制御構造物740が配置されてもよい。第1の流体制御構造物740は、第1の導管内壁部741及び第2の導管内壁部742を有する導管を備えてもよい。第1の導管内壁部741及び第2の導管内壁部742は、ケース710の高さ方向に沿って導管の中心軸に対して互いに非対称的な形態であってもよい。一例として、第1の導管内壁部741及び第2の導管内壁部742は、曲線形、直線形など、様々な形態をであってもよい。また、第1の導管内壁部741及び第2の導管内壁部742の形態は、
図6及び
図7と関連して上述した第3の実施形態に示した流体制御構造物640の構成と実質的に同様であってもよい。
【0083】
第1の流体制御構造物740は、導管内に制御構造体743をさらに備えてもよい。制御構造物743は、一例として
図8と関連して説明した第4の実施形態の板状構造物644、
図9a及び
図9bと関連して説明した第5の実施形態の通気孔を有する板状構造物645、
図10a及び
図10bと関連して説明した第6の実施形態の球形構造物647を備えることができる。制御構造物743の形態は、一例として直線形、曲線形など、様々な形状であってもよい。上述したように、第1の流体制御構造物740は、吐出口724から排出されてフィルタ部760に流動する空気の流れを制御することができる。
【0084】
第1の流体制御構造物740と隣接して紫外線発光ダイオード部750が配置されてもよい。第1の流体制御構造物740が導管の形態を有する場合、紫外線発光ダイオード部750は、導管である第1の流体制御構造物740内部に配置されてもよい。
【0085】
紫外線発光ダイオード部750は、印刷回路基板752及び印刷回路基板752上に実装される紫外線発光ダイオード754を有することができる。紫外線発光ダイオード754は、上述した殺菌用の発光ダイオード及び上述した光触媒用の発光ダイオードを備えることができる。
【0086】
紫外線発光ダイオード部750の上部にはフィルタ部760が配置される。図示されたように、フィルタ部760は、光触媒用フィルタ762及び捕集フィルタ764を備えてもよい。光触媒用フィルタ762は、紫外線発光ダイオード部750の光触媒用の発光ダイオードとともに機能してもよい。また、捕集フィルタ764は、殺菌用の発光ダイオードとともに機能してもよい。
【0087】
図13aに示されるように、紫外線発光ダイオード部750の印刷回路基板752は、フィルタ部760と所定の角度で傾斜するように配置されることができる。すなわち、印刷回路基板752の表面は、フィルタ部760の表面と平行にならないように配置されることができる。これにより、紫外線発光ダイオード754から放出される光がフィルタ部760のメッシュと衝突する頻度を増加させ、メッシュにコーティングされた光触媒物質との光触媒反応、あるいはメッシュに捕集された細菌に対する殺菌反応の効率を増加させることができる。
【0088】
フィルタ部760の上部には、第2の流体制御構造物770が配置される。第2の流体制御構造物770は、空気排出口714に延在するように配置されることができる。第2の流体制御構造物770は、第1の導管内壁部771及び第2の導管内壁部772を有する導管を備えることができる。第1の導管内壁部771及び第2の導管内壁部772は、ケース710の高さ方向に沿って導管の中心軸に対して互いに非対称的な形態を有してもよい。一例として、第1の導管内壁部771及び第2の導管内壁部772は、曲線形、直線形など、様々な形態であってもよい。また、第1の導管内壁部771及び第2の導管内壁部772の形態は、
図6及び
図7と関連して上述した第3の実施形態に示した流体制御構造物640の構成と実質的に同様であってもよい。
【0089】
第2の流体制御構造物770は、導管内に制御構造体773をさらに備えることができる。制御構造体773は、一例として
図8と関連して説明した第4の実施形態の板状構造物644、
図9a及び
図9bと関連して説明した第5の実施形態の通気孔を有する板状構造物645、
図10a及び
図10bと関連して説明した第6の実施形態の球形構造物647を備えてもよい。制御構造体773の形態は、一例として直線形、曲線形など、様々な立体形状であってもよい。第2の流体制御構造物770は、フィルタ部760を介して排出され、空気排出口714に流動する空気の流れを制御することができる。
【0090】
上述したように、本発明の各実施形態について図面を例示して説明したが、これは、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、詳細に説明した形状に本発明を限定しようとするものではない。本出願で提示した技術的思想が反映される限り、様々な他の変形例が可能であろう。