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特開2015-51493工作機械および工作機械の回転軸の測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-51493(P2015-51493A)
(43)【公開日】2015年3月19日
(54)【発明の名称】工作機械および工作機械の回転軸の測定方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/00 20060101AFI20150220BHJP
   G01B 21/22 20060101ALI20150220BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20150220BHJP
   B23Q 1/48 20060101ALI20150220BHJP
   G01B 5/00 20060101ALI20150220BHJP
   G01B 5/24 20060101ALI20150220BHJP
【FI】
   B23Q17/00 A
   G01B21/22
   G01B21/00 A
   B23Q1/48 F
   G01B5/00 A
   G01B5/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-186728(P2013-186728)
(22)【出願日】2013年9月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 正義
(72)【発明者】
【氏名】秋山 知広
(72)【発明者】
【氏名】長屋 昌史
【テーマコード(参考)】
2F062
2F069
3C029
3C048
【Fターム(参考)】
2F062AA04
2F062AA76
2F062AA81
2F062BC56
2F062CC30
2F062DD03
2F062DD23
2F062DD33
2F062EE07
2F062EE47
2F062FF17
2F062FF27
2F062MM03
2F062NN01
2F069AA01
2F069AA13
2F069AA71
2F069BB01
2F069CC08
2F069DD15
2F069FF07
2F069GG01
2F069GG07
2F069GG62
2F069HH01
2F069JJ04
2F069JJ08
2F069JJ10
2F069MM02
3C029EE02
3C048DD09
3C048DD15
(57)【要約】
【課題】短時間に回転軸の測定を実施できる工作機械を提供する。
【解決手段】工作機械11は、互いに直交する3つの直動軸に沿って相対移動し、更に、C軸方向に回転するテーブル35と、テーブル35を支持し、Y軸方向に移動する移動体27と、移動体27の傾きを調整する角度調整装置とを備える。YZ平面に対してC軸の軸線が平行に延びる状態になるように移動体27の傾きを調整する。テーブル35に取り付けた測定球の中心位置をC軸方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、2箇所の測定球の中心位置に基づいてC軸の軸線の傾きおよび位置を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルとを有する工作機械において、
前記テーブルを支持し、前記第1直動軸の方向に移動する移動体と、
前記移動体が前記第1直動軸の方向に移動している期間中に、前記第2直動軸または前記第3直動軸の一方と前記第1直動軸とを含む平面に対して前記第1軸線が平行になる基準状態になるように、前記移動体の傾きを調整する調整手段と、
前記調整手段により前記移動体を前記基準状態にした状態において、前記テーブルに取り付けた測定球の中心位置を前記第1回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、2箇所の測定球の中心位置に基づいて前記第1軸線の傾きおよび位置を算出する測定手段と、を備えることを特徴とした、工作機械。
【請求項2】
前記第1軸線は、前記第1直動軸、前記第2直動軸および前記第3直動軸のそれぞれの直動軸に対して傾斜する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記テーブルは、3つの前記直動軸に対して傾斜する第2軸線の周りの第2回転方向に更に回転するように形成されており、
前記第1軸線は、前記第2回転方向のテーブルの予め定められた角度位置にて前記第2直動軸と平行になるように形成されており、
前記調整手段は、前記テーブルが前記予め定められた角度位置にある時の前記第1軸線および前記第2軸線が、前記第1直動軸の方向に前記移動体が移動する期間中に前記第1直動軸と前記第2直動軸とを含む平面に対して平行になるように調整可能に形成されており、
前記測定手段は、更に前記テーブルに取り付けた測定球の中心位置を前記第2回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、前記第1回転方向に回転させて測定した前記測定球の中心位置、および前記第2回転方向に回転させて測定した前記測定球の中心位置に基づいて、前記第2軸線の傾きおよび位置と、前記第1軸線に対する前記第2軸線の相対位置とを算出する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項4】
前記測定手段は、前記第1回転方向に180度回転させて測定する前記測定球の2箇所の位置のいずれかを、前記第2回転方向に180度回転させて測定する前記測定球の2箇所の位置のいずれかと同一にすることにより、合計3箇所の位置にて測定した前記測定球の中心位置に基づいて、前記第1軸線および前記第2軸線の傾きおよび位置を算出する、請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルと、前記テーブルを支持し、前記第1直動軸の方向に移動する移動体とを備える工作機械の回転軸の測定方法であって、
前記移動体が前記第1直動軸の方向に移動する期間中に、前記第1軸線が前記第2直動軸または前記第3直動軸の一方と前記第1直動軸とを含む平面と平行になるように前記移動体の傾きを調整する工程と、
前記工作機械の主軸に装着したセンサにて前記テーブルに取り付けた測定球の中心位置を前記第1回転方向に前記テーブルを180度回転させた2箇所にて測定する工程と、
前記測定球の2箇所の中心位置に基づいて前記第1軸線の傾きおよび位置を算出する工程とを含むことを特徴とした、工作機械の回転軸の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械および工作機械の回転軸の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、ワークに対して工具を相対移動させて切削等の加工を行う工作機械が知られている。また、このような工作機械において工具の経路を所定の軸の座標等により指定し、ワークに対して工具を自動的に移動させながら加工を行う数値制御式の工作機械が知られている。ワークおよび工具のうち少なくとも一方を移動することにより、ワークに対する工具の相対位置を変更することができる。ワークに対する工具の相対位置を変更する方法としては、直動軸に沿ってワークまたは工具を移動させる制御の他に回転軸の周りにワークまたは工具を回転させることが知られている。
【0003】
ワークに対して工具を相対移動するための回転軸は、ワークを取り付けるテーブルの表面に対して任意の傾斜角度に設定することができる。たとえば、テーブルの表面に対して垂直な方向やテーブルの表面に対して傾斜する方向に延びるように回転軸を設定することができる。このようなテーブルの表面に対する回転軸の角度は、設計時に予め設定されている。ところが、回転軸の角度は、工作機械の製造時に生じる製造誤差や使用時の経年変化等により、設計時の角度から僅かにずれる場合がある。また、回転軸の位置、すなわち回転軸が通る点についても、設計時の位置から僅かにずれる場合がある。特許文献1から特許文献3には、このような回転軸の傾斜角度のずれ量および回転軸の位置を測定する方法が開示されている。
【0004】
たとえば、特許文献1においては、組付誤差や加工誤差による回転軸の傾き誤差又は位置誤差を正確に算出する誤差算出方法が開示されている。この誤差算出方法では、ワークテーブルを主軸に対して回転軸周りに相対回転させて少なくとも回転角度の異なる3箇所の測定位置に位置決めする。次に、それぞれの測定位置におけるワークテーブル上に配設された測定球の中心位置を主軸に装着したタッチセンサにより測定する。次に、測定されたそれぞれの測定位置における測定球の中心位置に基づき、所定回転軸の実方向ベクトルを算出する。最終的に、所定回転軸の基準方向ベクトルに対する実方向ベクトルの傾き誤差等を算出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−61834号公報
【特許文献2】特開2006−231509号公報
【特許文献3】特開2007−44802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
製造誤差や使用時の経年変化等に起因する回転軸のずれは小さいが、加工精度を維持するためには、回転軸の測定を所定の期間ごとに行うことが好ましい。または、高い加工精度が要求される加工を行う直前に回転軸の測定を行うことが好ましい。
【0007】
このような所定の期間ごとに繰り返し行う回転軸の測定では、回転軸の傾きおよび回転軸の位置を短時間に測定できることが好ましい。ところが、従来の技術による回転軸の測定では、時間や手間がかかるという問題があった。たとえば、特許文献1に記載の方法では、1つの回転軸の傾き誤差および位置誤差を算出するために、回転角度が互いに異なる3箇所において測定球の測定が必要であり、時間がかかるという問題があった。また、回転軸の傾き誤差や位置誤差を算出する計算が複雑であるという問題があった。
【0008】
本発明は、短時間に回転軸の測定を実施することができる工作機械および回転軸の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の工作機械は、互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルとを有する工作機械であって、テーブルを支持し、第1直動軸の方向に移動する移動体と、移動体が第1直動軸の方向に移動している期間中に、第2直動軸または第3直動軸の一方と第1直動軸とを含む平面に対して第1軸線が平行になる基準状態になるように、移動体の傾きを調整する調整手段と、調整手段により移動体を基準状態にした状態において、テーブルに取り付けた測定球の中心位置を第1回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、2箇所の測定球の中心位置に基づいて第1軸線の傾きおよび位置を算出する測定手段とを備える。
【0010】
上記発明においては、第1軸線は、第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸のそれぞれの直動軸に対して傾斜することができる。
【0011】
上記発明においては、テーブルは、3つの直動軸に対して傾斜する第2軸線の周りの第2回転方向に更に回転するように形成されており、第1軸線は、第2回転方向のテーブルの予め定められた角度位置にて第2直動軸と平行になるように形成されており、調整手段は、テーブルが予め定められた角度位置にある時の第1軸線および第2軸線が、第1直動軸の方向に移動体が移動する期間中に第1直動軸と第2直動軸とを含む平面に対して平行になるように調整可能に形成されており、測定手段は、更にテーブルに取り付けた測定球の中心位置を第2回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、第1回転方向に回転させて測定した測定球の中心位置、および第2回転方向に回転させて測定した測定球の中心位置に基づいて、第2軸線の傾きおよび位置と、第1軸線に対する第2軸線の相対位置とを算出することができる。
【0012】
上記発明においては、測定手段は、第1回転方向に180度回転させて測定する測定球の2箇所の位置のいずれかを、第2回転方向に180度回転させて測定する測定球の2箇所の位置のいずれかと同一にすることにより、合計3箇所の位置にて測定した測定球の中心位置に基づいて、第1軸線および第2軸線の傾きおよび位置を算出することができる。
【0013】
本発明の工作機械の回転軸の測定方法は、互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルと、テーブルを支持し、第1直動軸の方向に移動する移動体とを備える工作機械の回転軸の測定方法であって、移動体が第1直動軸の方向に移動する期間中に、第1軸線が第2直動軸または第3直動軸の一方と第1直動軸とを含む平面と平行になるように移動体の傾きを調整する工程と、工作機械の主軸に装着したセンサにてテーブルに取り付けた測定球の中心位置を第1回転方向にテーブルを180度回転させた2箇所にて測定する工程と、測定球の2箇所の中心位置に基づいて第1軸線の傾きおよび位置を算出する工程とを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、短時間に回転軸の測定を実施することができる工作機械および回転軸の測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態における工作機械の概略斜視図である。
図2】実施の形態における工作機械のベッド、移動体および主軸ヘッドの部分の概略側面図である。
図3】実施の形態におけるY軸移動装置の概略斜視図である。
図4】実施の形態におけるキャリッジの部分の拡大斜視図である。
図5】移動体の傾きの調整を説明する模式図である。
図6】実施の形態におけるB軸の軸線とC軸の軸線との関係を説明する概略図である。
図7】実施の形態における回転軸を測定する測定制御のフローチャートである。
図8】テーブルを測定開始位置に配置した状態のテーブルの部分の概略斜視図である。
図9】テーブルを測定開始位置からC軸方向に180°回転した状態のテーブルの部分の概略斜視図である。
図10】テーブルを測定開始位置からB軸方向に180°回転した状態のテーブルの部分の概略斜視図である。
図11】実施の形態における工作機械のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1から図11を参照して、実施の形態における工作機械および工作機械の回転軸の測定方法について説明する。本実施の形態においては、数値制御式の工作機械を例示して説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態における工作機械の概略斜視図である。図2は、工作機械のベッド、移動体および主軸ヘッドの部分の概略側面図である。図1および図2を参照して、工作機械11は、基台となるベッド13と、ベッド13の上面に立設されたコラム15とを備える。ベッド13の上面には、移動体27が配置されている。移動体27は、傾斜旋回台28を介してワーク1を回転させるテーブル35を支持している。テーブル35の上面には、ワーク1が固定される。
【0018】
コラム15の前面には、サドル17が配置されている。さらに、サドル17の前面には、主軸ヘッド21が配置されている。主軸ヘッド21には主軸25が取り付けられている。主軸25には、ワーク1を加工する工具41が取り付けられる。工具41は、主軸25と共に回転しながらワーク1を加工する。
【0019】
本実施の形態における工作機械11は、工具41とワーク1との相対位置を変更する移動装置を備えている。本実施の形態においては、工作機械における所定の位置を原点とした機械座標系が設定されている。機械座標系について互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が予め定められている。工作機械の設計時において、主軸25の軸線が延びる方向(図1において上下方向)をZ軸と称する。また、移動体27が移動する水平方向に延びる軸をY軸と称する。また、サドル17が移動する水平方向、すなわちZ軸およびY軸に垂直な方向に延びる軸をX軸と称する。
【0020】
移動装置は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に工具41とワーク1とを相対的に移動させることができる。さらに、移動装置は、傾斜旋回台28の軸線52の周りのB軸方向およびテーブル35の軸線53の周りのC軸方向に、工具41に対してワーク1を相対的に回転移動させることができる。
【0021】
移動装置は、ワーク1に対して工具41をX軸方向に相対移動させるX軸移動装置を含む。X軸移動装置は、コラム15の前面に形成されている一対のX軸レール19a,19bを含む。サドル17は、X軸レール19a,19bに沿って往復移動が可能に形成されている。X軸移動装置は、ボールねじ機構によりサドル17を移動する。X軸移動装置は、ボールねじ機構のねじ軸を回転させるX軸サーボモータ20を含む。X軸移動装置は、X軸サーボモータ20を駆動することにより、サドル17を移動させる。主軸ヘッド21および工具41は、サドル17と共にX軸方向に移動する。
【0022】
移動装置は、ワーク1に対して工具41をZ軸方向に相対移動させるZ軸移動装置を含む。Z軸移動装置は、サドル17の前面に形成されている一対のZ軸レール23a,23bを含む。主軸ヘッド21は、Z軸レール23a,23bに沿って往復移動が可能に形成されている。Z軸移動装置は、ボールねじ機構により主軸ヘッド21を移動する。Z軸移動装置は、ボールねじ機構のねじ軸を回転させるZ軸サーボモータ24を含む。Z軸移動装置は、Z軸サーボモータ24を駆動することにより、主軸ヘッド21を移動させる。工具41は、主軸ヘッド21と共にZ軸方向に移動する。更に、主軸ヘッド21の内部には、主軸25を軸線周りに回転する駆動モータが配置されている。
【0023】
図3に、本実施の形態の形態におけるY軸移動装置の概略斜視図を示す。図1から図3を参照して、移動装置は、ワーク1に対して工具41をY軸方向に相対移動させるY軸移動装置を含む。Y軸移動装置は、ベッド13の上面に配置されている一対のY軸レール29a,29bを含む。移動体27は、Y軸レール29a,29bに沿って往復移動が可能に形成されている。コラム15には、移動体27がY軸方向に移動可能なように空洞部15aが形成されている。
【0024】
Y軸移動装置は、ボールねじ機構30により移動体27を移動させる。Y軸移動装置は、ボールねじ機構のねじ軸を回転させるY軸サーボモータ32を含む。Y軸移動装置は、Y軸サーボモータ32を駆動することにより、移動体27を移動させる。傾斜旋回台28およびテーブル35は、移動体27と共にY軸方向に移動する。
【0025】
移動装置は、ワーク1に対して工具41をB軸方向に相対的に回転させるB軸回転移動装置を含む。本実施の形態におけるB軸の軸線52は、X軸、Y軸およびZ軸のいずれの軸に対しても平行ではない。すなわち、B軸の軸線52は、3つの直動軸のそれぞれの軸に対して傾斜している。B軸回転移動装置は、傾斜旋回台28を含む。移動体27の内部には、傾斜旋回台28を回転させるためのサーボモータが配置されている。傾斜旋回台28のサーボモータを駆動することにより、B軸の軸線52の周りに傾斜旋回台28が回転する。ワーク1は、傾斜旋回台28およびテーブル35と共にB軸方向に回転する。
【0026】
本実施の形態における移動装置は、ワーク1に対して工具41をC軸方向に相対的に回転させるC軸回転移動装置を含む。傾斜旋回台28がB軸方向の予め定められた角度位置にあるときに、C軸の軸線53がZ軸と平行になるように設計されている。C軸回転移動装置は、テーブル35を含む。傾斜旋回台28の内部にはサーボモータが配置されている。このサーボモータを駆動することにより、C軸の軸線53の周りにテーブル35が回転する。ワーク1は、テーブル35と共にC軸方向に回転する。
【0027】
このように、工作機械11は、ワーク1に対して主軸25が相対的に移動する3つの直動軸を有する。すなわち、工作機械11は、直動軸としてのX軸、Y軸およびZ軸を有する。本実施の形態では、第1直動軸をY軸、第2直動軸をZ軸、および第3直動軸をX軸として説明する。また、工作機械11は、ワーク1に対して主軸25が相対的に回転移動する2つの回転軸を有する。すなわち、工作機械11は、回転軸としてのB軸の軸線52およびC軸の軸線53を有する。本実施の形態では、第1回転方向をC軸方向とし、第2回転方向をB軸方向として説明する。また、第1軸線をC軸の軸線53とし、第2軸線をB軸の軸線52として説明する。
【0028】
本実施の形態における工作機械は、制御装置70を備える。制御装置70は、移動装置のサーボモータや駆動モータに接続されている。制御装置70は、移動装置のサーボモータを制御することによりワーク1に対して工具41を相対的に移動させることができる。
【0029】
図1および図2を参照して、工作機械11は、それぞれの回転軸に関する回転角度が0°の時に、テーブル35の表面が機械座標系のX軸とY軸とを含む平面、すなわちXY平面と厳密に平行になり、かつ、B軸の軸線52とC軸の軸線53とが交差するように製造することが好ましい。しかしながら製造誤差や経年変化等により、テーブル35の表面が僅かに傾いたり、軸線52と軸線53とが僅かに離れたりする場合がある。
【0030】
工作機械11は、移動体27の傾きを調整する調整手段として角度調整装置を備える。本実施の形態においては、移動体27のY軸ストロークに渡って、YZ平面に対してB軸の軸線52およびC軸の軸線53が平行に延びるように、移動体27の傾きを調整する。本実施の形態においては、移動体27をY軸方向に移動している期間中に、YZ平面に対してB軸の軸線52およびC軸の軸線53がそれぞれ平行に延びる状態を基準状態と称する。
【0031】
図3を参照して、角度調整装置は、Y軸レール29a,29bに係合し、Y軸レール29a,29bに沿って移動する複数のキャリッジ31を含む。移動体27は、キャリッジ31を介してY軸レール29a,29bに支持されている。
【0032】
図4に、本実施の形態のキャリッジの拡大斜視図を示す。キャリッジ31の側面には平板状のエッジロケータ36が配置されている。エッジロケータ36には、複数の押しボルト33が取り付けられている。また、キャリッジ31の表面には、調整座金34が配置されている。厚さの互いに異なる複数の調整座金34が予め準備されている。調整座金34は、取り替え可能に形成されている。調整座金34は、キャリッジ31に固定される。
【0033】
キャリッジ31には、移動体27をキャリッジ31に固定する固定ボルトを挿入するボルト挿入穴31aが形成されている。また、調整座金34には、固定ボルトを通すための穴部34aが形成されている。調整座金34の表面に移動体27を配置し、固定ボルトをボルト挿入穴31aに固定することにより、移動体27がキャリッジ31に固定される。図3を参照して、本実施の形態においては、押しボルト33および調整座金34が取り付けられたキャリッジ31が4箇所に配置されている。複数のキャリッジ31は、移動体27における移動方向の両側の端部を支持するように配置されている。
【0034】
図5に、本実施の形態の角度調整装置にて移動体の傾きを調整するときの模式図を示す。図5においては、移動体27を平板状に模式的に示している。角度調整装置は、調整座金34の厚さを変更することにより、移動体27を底面から支持する高さを調整することができる。移動体27をY軸方向に移動した時の矢印102に示す移動体27の厚さ方向の傾き、すなわちY軸に平行な軸92の周りの傾き(ロール)を調整する。軸92の周りの傾きは、一方のY軸レール29aに係合するキャリッジ31に配置される調整座金34の厚さと、他方のY軸レール29bに係合するキャリッジ31に配置される調整座金34の厚さとを変更することにより調整することができる。
【0035】
角度調整装置は、押しボルト33の挿入深さを調整することにより、移動体27を側方から支持する位置を調整することができる。4個のキャリッジ31のそれぞれに取り付けられている押しボルト33は個別に押し込み量を調整することができる。移動体27をY軸方向に移動した時の矢印101に示す移動体27の傾き、すなわち、Z軸に平行な軸91の周りの傾き(ヨー)を調整することができる。
【0036】
移動体27の傾きの調整においては、例えば、主軸25にダイヤルインジケータを取り付ける。テーブル35の表面に、ストレッチ(真直ゲージ)を配置する。ダイヤルインジケータをストレッチに当接させながら、移動体27を最大ストロークにてY軸方向に移動させる。なお、この時の移動体27の移動量は、最大ストロークに限られず、頻繁に使用する移動範囲に減縮しても良い。
【0037】
移動体27の移動期間中のダイヤルインジケータの値を検出し、軸92の周りに回転する誤差が最小になるように、調整座金34の厚さの調整を行う。また、軸91周りに回転する誤差が最小になるように、押しボルト33の押し込み量を調整する。このように、移動体27の傾きの誤差が最小になるように設定し、移動体27を基準状態に設定する。移動体27の傾きの調整が終了したら、固定ボルトにて移動体27をキャリッジ31に固定する。なお、調整座金34は、種々の厚さのものを用意するものではなく、1枚の調整座金34の厚みを少しずつ研削して調整しても良い。
【0038】
角度調整装置により移動体27の傾きを調整することによって、移動体27のZ軸に平行な軸91周りの傾きおよびY軸に平行な軸92周りの傾きを実質的に零とみなすことができる。すなわち、移動体27のローリング動作およびヨーイング動作を無視することができる。この結果、移動体27は、ピッチング動作のみを行うことになる。また、工作機械のB軸の軸線52およびC軸の軸線53は、YZ平面と平行に延びるようになる。換言すると、第1軸線および第2軸線は、第1直動軸と第2直動軸とを含む平面と平行に延びるようになる。
【0039】
図6に、工作機械において、B軸の軸線およびC軸の軸線を説明する概略図を示す。第1平面61は、B軸の軸線52を含む平面であり、第2平面62は、C軸の軸線53を含む平面である。角度調整装置により移動体27の傾きを調整することにより、第1平面61および第2平面62は、YZ平面と平行になっている。第3平面66は、X軸とY軸とを含むXY平面に平行な平面である。
【0040】
第3平面66に対するB軸の軸線52の角度α、および第3平面66に対するC軸の軸線53の角度βは、設計値で予め定められている。しかしながら角度αおよび角度βは、設計値から僅かにずれる場合がある。例えば、角度βは、90°にて設計されるが、実際の工作機械においては90°から僅かにずれている。
【0041】
さらに、工作機械の設計では、B軸の軸線52とC軸の軸線53とが交わっている。ところが、製造誤差等により、B軸の軸線52とC軸の軸線53とは僅かに離れている場合がある。この場合には、B軸の軸線52とC軸の軸線53とが、ねじれの関係になっている。
【0042】
本実施の形態の工作機械11は、測定球の中心位置を測定し、測定した測定球の位置に基づいて回転軸の傾きおよび位置を算出する測定手段としての測定装置を備える。本実施の形態の測定装置は、C軸の軸線53の傾きと位置とを測定する。また、B軸の軸線52の傾きと位置とを測定する。さらに、C軸の軸線53に対するB軸の軸線52の相対位置を算出する。このように、本実施の形態の測定装置は、2つの回転軸を測定する。
【0043】
図7に、本実施の形態の工作機械にて回転軸を測定する測定制御のフローチャートを示す。本実施の形態の測定制御は、製造時や使用中の予め定められた期間ごとに実施することができる。または、高い寸法精度が要求される加工を行う直前に実施することができる。前述のように移動体27の傾きを予め調整して基準状態にする。
【0044】
ステップ111において、測定球44を用いてテーブル35を回転させたときの測定球44の中心位置を測定する。本実施の形態においては、テーブル35をC軸方向およびB軸方向に回転させたときの測定球44の中心位置P1,P2,P3の測定を行う。すなわち、3箇所の測定球の中心位置の測定を実施する。
【0045】
図8に、測定球の第1の中心位置P1を測定するときのテーブルの部分の概略斜視図を示す。測定球44の中心位置の測定を開始する為のテーブル35の測定開始位置が予め設定されている。図8は、テーブル35を測定開始位置に配置した状態を示している。C軸方向およびB軸方向のそれぞれには、回転角度が0°となる基準角度位置が予め定められている。測定開始位置では、たとえば、C軸方向の回転角度が0°であり、B軸方向の回転角度が0°の状態であり、テーブル35の表面がXY平面とほぼ平行になっている状態である。
【0046】
測定球44は、テーブル35の表面の端部に配置される。測定球44は、テーブル35の表面からの高さおよび直径が正確に知られている。測定球44を用いて測定することにより、高い精度で正確な位置の測定を行うことができる。主軸25には、タッチセンサ42が取り付けられている。タッチセンサ42には、プローブ43が取り付けられている。タッチセンサ42の出力信号は、制御装置70に入力される。なお、測定具は、タッチセンサ42に限られず、変位測定器でもレーザを用いた非接触式のセンサ等でも良い。
【0047】
測定球44の中心位置の測定では、例えば、測定球44の周りの複数の位置にプローブ43を当接させる。測定球44にプローブ43が当接したときの機械座標系の位置を、X軸、Y軸、およびZ軸の各軸に設けられている位置読み取り装置にて検出する。測定球44にプローブ43が当接したときの複数の位置に基づいて、測定球44の中心位置を算出することができる。本実施の形態においては、測定開始位置にて測定球44の第1の中心位置P1を検出する。次に、矢印103に示すように、テーブル35をC軸方向に180°回転させる。
【0048】
図9に、測定球の第2の中心位置P2を測定するときのテーブルの部分の概略斜視図を示す。テーブル35を測定開始位置からC軸方向に180°回転させることにより、測定球44もC軸方向に180°回転した位置に配置される。この状態において、第2の中心位置P2を測定する。図8を参照して、次に、矢印104に示すように、傾斜旋回台28を測定開始位置からB軸方向に180°回転させる。
【0049】
図10に、測定球の第3の中心位置P3を測定するときのテーブルの部分の概略斜視図を示す。傾斜旋回台28を測定開始位置からB軸方向に180°を回転させることにより、テーブル35および測定球44もB軸方向に180°回転した位置に配置される。この状態において、第3の中心位置P3を測定する。このように、第1の中心位置P1、第2の中心位置P2、および第3の中心位置P3を測定する。それぞれの中心位置P1,P2,P3は機械座標系の座標にて次式になる。
【0050】
【数1】
【0051】
図7を参照して、次に、ステップ112においては、C軸の軸線53の方向ベクトルを算出する。また、ステップ113において、C軸の軸線53をYZ平面に投影したときの直線の式を算出する。図6図8および図9を参照して、第1の中心位置P1と、第2の中心位置P2との垂直二等分線がC軸の軸線53になる。C軸の軸線53が通る中点Ccを算出する。中点Ccは、第1の中心位置P1からの距離と第2の中心位置P2からの距離とが等しい点である。中点Ccの座標を(Xcc,Ycc,Zcc)にて表すと、中点Ccは次式になる。
【0052】
【数2】
【0053】
次に、第1の中心位置P1から第2の中心位置P2に向かうベクトルP1P2を算出する。ベクトルP1P2を(P1P2x,P1P2y,P1P2z)にて表すと、ベクトルP1P2は、以下のように計算できる。
【0054】
【数3】
【0055】
ここで、X軸の周りに90°回転させる回転行列を行列Rxとすると、行列Rxは以下のように表すことができる。
【0056】
【数4】
【0057】
ここで、テーブル35の表面に垂直な方向を、C軸の軸線53の延びる方向と定義する。C軸方向の回転角度が0°であり、B軸方向の回転角度が0°であるのとき(図8参照)のC軸の軸線53の方向ベクトルは、第1の中心位置P1から第2の中心位置P2に向かうベクトルP1P2をX軸の周りに90°回転させたベクトルである。C軸の軸線53の方向ベクトルVCを(VCx,VCy,VCz)とすると、方向ベクトルVCは以下のように表すことができる。
【0058】
【数5】
【0059】
このように、C軸の軸線53の方向ベクトルVCを算出することができる。また、C軸の軸線53をYZ平面上に投影したときの直線55の式は、中点Ccおよび方向ベクトルVCに基づいて、次式にて表すことができる。
【0060】
【数6】
【0061】
図7を参照して、次に、B軸の軸線52に対しても同様の計算を行う。ステップ114においては、B軸の軸線52の方向ベクトルを算出する。ステップ115においては、B軸の軸線52をYZ平面に投影した直線の式を算出する。図6図8および図10を参照して、第1の中心位置P1と第3の中心位置P3との垂直二等分線がB軸の軸線52になる。B軸の軸線52を通る中点Bcを算出する。中点Bcは、第1の中心位置P1からの距離と第3の中心位置P3からの距離とが等しい点である。中点Bcの座標を(Xbc,Ybc,Zbc)にて表すと、中点Bcは、次式になる。
【0062】
【数7】
【0063】
次に、B軸の軸線52の方向ベクトルを算出する。B軸の軸線52の方向ベクトルは、第1の中心位置P1から第3の中心位置P3に向かう方向ベクトルをX軸の周りに90°回転させたベクトルである。第1の中心位置P1から第3の中心位置P3に向かうベクトルP1P3を(P1P3x,P1P3y,P1P3z)にて表すと、ベクトルP1P3は、次式のように表すことができる。
【0064】
【数8】
【0065】
さらに、X軸周りに90°回転させる行列Rxを用いて、ベクトルP1P3を90°回転させる。B軸の軸線52の延びる方向を、移動体27の傾斜旋回台28が回転する回転面に垂直な方向と定義する。B軸の軸線52の方向ベクトルVBを(VBx,VBy,VBz)にて表すと、方向ベクトルVBは次のように表すことができる。
【0066】
【数9】
【0067】
また、B軸の軸線52をYZ平面上に投影したときの直線54は、中点Bcおよび方向ベクトルVBに基づいて、次式で表すことができる。
【0068】
【数10】
【0069】
図7を参照して、次に、ステップ116においては、B軸の軸線52の位置を示すB軸中心と、C軸の軸線53の位置を示すC軸中心を算出する。ここで、B軸中心およびC軸中心は、工作機械の設計上のB軸の軸線52とC軸の軸線53との交点であり、本来両者は一致する。しかし、前述のように通常はB軸の軸線52とC軸の軸線53とはねじれの関係になっているので、この場合、B軸の軸線52とC軸の軸線53とが最接近する位置をB軸中心およびC軸中心としている。ステップ117においては、B軸の軸線52とC軸の軸線53との距離を算出する。図6を参照して、B軸中心QおよびC軸中心Rのそれぞれは、B軸の軸線52とC軸の軸線53とが最も接近する位置に設定されている。B軸の軸線52とC軸の軸線53との距離は、B軸中心QとC軸中心Rとの距離に相当する。
【0070】
B軸中心QおよびC軸中心Rを算出する。C軸中心RのX座標は、前述の式(2−1)に示されるX座標Xccになる。また、B軸中心のX座標は、前述の式(7−1)に示されるX座標Xbcになる。B軸中心QおよびC軸中心RのY座標およびZ座標は、B軸の軸線52およびC軸の軸線53をYZ平面に投影したときの2つの直線の交点56のY座標およびZ座標になる。前述のC軸の軸線53の式(6−1)と、B軸の軸線52の式(10−1)により交点56を算出する。B軸中心QおよびC軸中心RのY座標YiおよびZ座標Ziは、次式になる。
【0071】
【数11】
【0072】
ここで、定数AA、定数BBおよび定数CCは、次式になる。
【0073】
【数12】
【0074】
また、B軸中心QからC軸中心Rまでの距離ΔBCxは、B軸中心QとC軸中心RとのX軸方向の距離になる。距離ΔBCxは、次式で表される。
【0075】
【数13】
【0076】
図7を参照して、次に、ステップ118においては、B軸の軸線52の傾きおよびC軸の軸線53の傾きを算出する。ここでは、B軸の軸線52およびC軸の軸線53のそれぞれの軸線と、XY平面とのなす角度を求める。YZ平面におけるY方向の単位ベクトル(1,0)と、B軸の軸線52の方向ベクトルVBとの内積によって表される角度を角度θbとする。また、YZ平面におけるY方向の単位ベクトル(1,0)と、C軸の軸線53の方向ベクトルVCとの内積により表される角度を角度θcとする。角度θbおよび角度θcは、次式により表すことができる。
【0077】
【数14】
【0078】
上記の式(14−1)および式(14−2)により、角度θbおよび角度θcは次式になる。
【0079】
【数15】
【0080】
ここで、角度θbはB軸の軸線52の傾きの角度αに対応し、角度θcはC軸の軸線53の傾きの角度βに対応する。このように、本実施の形態の工作機械11では、それぞれの回転軸の位置を算出することができる。また、回転軸の傾きを算出することができる。より詳細には、B軸の軸線52については、B軸中心Qの位置と角度αとを算出することができる。C軸の軸線53については、C軸中心Rの位置と角度βとを算出することができる。さらに、B軸の軸線52に対するC軸の軸線53との距離ΔBCxを算出することができる。すなわち、B軸の軸線52に対するC軸の軸線53の相対位置を算出することができる。そして、これらの値を用いて、B軸の任意の角度位置におけるテーブル35の表面とC軸の軸線53との交点の位置も求めることができる。
【0081】
図11に、本実施の形態における工作機械のブロック図を示す。工作機械11は、回転軸の測定を行う測定制御を実施可能に形成されている。また、工作機械11は、回転軸の測定制御の結果に基づいて、ワーク1の加工を行う加工制御を実施可能に形成されている。
【0082】
使用者は、加工制御のための入力プログラム71を作成する。入力プログラム71には、加工制御のプログラムおよび他の入力情報が入力される。他の入力情報には、工具の情報等の機械パラメータが含まれる。本実施の形態においては、測定制御の入力プログラムは、予め作成されて制御装置70に記憶されている。なお、測定制御のプログラムについても使用者が作成し、入力プログラム71に入力しても構わない。
【0083】
工作機械11は、制御装置70を備える。制御装置70は、読取解釈部72、補間演算部73、およびサーボモータ制御部74を含む。読取解釈部72は、入力プログラム71を読取って、プログラムされた移動指令を補間演算部73に送出する。補間演算部73は、補間周期毎の位置指令値を演算し、位置指令値をサーボモータ制御部74に送出する。たとえば、補間演算部73は、移動指令に基づいて設定された時間間隔ごとの移動量を算出する。サーボモータ制御部74は、位置指令値に基づいて各軸サーボモータ75を駆動する。
【0084】
工作機械11において、回転軸を測定する場合には、手動または入力プログラム71の指令にて図8に示すように測定開始位置までテーブル35を移動する。また、プローブ43が測定球44の上方に配置されるように主軸25と移動体27とを移動する。
【0085】
次に、測定制御により自動的に回転軸の傾きおよび位置を測定する。使用者が測定制御の開始を工作機械に指示する。読取解釈部72は、測定制御を実施するための入力プログラム71を読み取る。補間演算部73およびサーボモータ制御部74の機能により、プローブ43およびテーブル35を所定の位置に配置する。測定球44の表面にプローブ43が接触する位置に移動する。タッチセンサ42は、プローブ43が測定球44に接触した信号を回転軸演算部76に送出する。回転軸演算部76は、プローブ43が測定球44に接触した時の座標を検出し、測定球44の中心位置を算出する。
【0086】
回転軸演算部76は、テーブルが測定開始位置になった状態、C軸方向に回転させた状態、およびB軸方向に回転させた状態にて、第1の中心位置P1、第2の中心位置P2、および第3の中心位置P3を算出する。回転軸演算部76は、第1の中心位置P1、第2の中心位置P2、および第3の中心位置P3に基づいて、B軸の軸線52の傾きおよび位置と、C軸の軸線53の傾きおよび位置を算出する。これらの算出した回転軸の測定結果は、記憶部77に記憶される。
【0087】
工作機械が加工制御を実施する場合に、読取解釈部72は、入力プログラム71に加えて、記憶部77に記憶された回転軸の傾きおよび位置を読み込む。読取解釈部72は、回転軸の傾きおよび位置に基づいて位置指令を作成し、位置指令を補間演算部73に送出する。本実施の形態では、読取解釈部72は、B軸中心Qを通り角度αのB軸の軸線52の周りに傾斜旋回台28が回転し、C軸中心Rを通り角度βのC軸の軸線53の周りにテーブル35が回転するとして位置指令を算出する。このように、設計値とは別の実際の回転軸の傾きおよび回転軸中心を用いて各軸の移動を制御することにより、ワークの正確な加工を行うことができる。
【0088】
本実施の形態では、傾斜した軸線を有するB軸上にC軸が載る形態の回転軸について説明したが、B軸の軸線とC軸の軸線とが直交する通常の形態の回転軸についても、同様に2つの回転軸の位置および傾きを算出することができる。また、2つの回転軸の組み合わせは、A軸とB軸やA軸とC軸であっても良い。工作機械は、主軸が立形でも横形でも良いし、マシニングセンタに限られずフライス盤、中ぐり盤、研削盤、放電加工機等のテーブルに回転軸を有し、そのテーブルがX軸、Y軸またはZ軸のいずれか1つの直動軸に沿って移動するものであれば、本発明を適用することができる。
【0089】
本実施の形態の加工制御は、少なくとも1つの回転軸にてワークに対する工具の相対位置を変更する工作機械の制御に適用することができる。このような加工制御としては、工具先端点制御を例示することができる。工具先端点制御では、ワークの所定の位置を原点とし、この原点に対する工具の先端の位置を示した座標系を用いる。使用者は、入力プログラムとして、工具の長さ等の工具の情報と、ワーク上の原点に対する工具の相対位置とを入力する。たとえば、使用者は、ワークに対する工具の傾きおよびワークに対する工具の先端の位置を入力する。制御装置は、入力プログラムに基づいて各軸の移動量を算出し、各軸サーボモータを駆動する。工具先端点制御では、使用者がテーブルや主軸の機械座標系の位置を入力する必要がなく、容易に入力プログラムを作成することができる。
【0090】
工具先端点制御を実施するためには、回転軸中心および傾きが必要になる。本実施の形態においては、測定制御において算出した回転軸中心および傾きを用いて工具先端点制御を実施することができる。実際に検出した回転軸の情報を用いるために、高精度の加工を行うことができる。また、その他の加工制御としては、傾斜面加工指令および切削点指令等を例示することができる。
【0091】
本実施の形態においては、回転軸中心と傾きとを直接的に用いて各軸サーボモータを駆動するための位置指令を算出しているが、この形態に限られず、設計時の回転軸中心と傾きに対する誤差を算出し、算出した誤差に基づいて、補間演算部に送出する位置指令を算出しても構わない。
【0092】
本実施の形態においては、2つの回転軸を有する工作機械を例示して説明したが、この形態に限られず、回転軸が1つの工作機械に対しても、本発明を適用することができる。例えば、回転軸がC軸の軸線53の1軸である場合に、移動体27を基準状態に調整した後に、C軸方向に180°回転させた2箇所の測定球44の中心位置を測定する。測定した測定球44の中心位置に基づいて、C軸の軸線53の傾きおよび位置を算出しても構わない。このときの位置とは、通常、テーブル35の表面とC軸の軸線53との交点である。なお、回転軸は、C軸に限られず、A軸またはB軸でも良い。
【0093】
または、回転軸が傾斜したB軸の軸線52の1軸である工作機械にも本発明を適用することができる。すなわち、第1軸線としてB軸の軸線52を採用することができる。この場合には、第1軸線は、第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸のそれぞれの直動軸に対して平行とはならずに傾斜する。第1軸線としてB軸の軸線52を採用しても、同様の制御により、B軸の軸線52の傾きおよび位置を算出することができる。このときの位置とは、B軸方向に回転するテーブルの表面とB軸の軸線52の交点のことである。なお、回転軸は傾斜したA軸またはB軸でも良い。
【0094】
本実施の形態の工作機械では、角度調整装置を用いて回転軸の軸線がYZ平面と平行な平面上に存在するとみなし、この平面からの誤差が0とみなせる程度まで移動体の傾きの調整を行っている。そして、1つの回転軸の傾きおよび位置を測定する場合に、2箇所の測定球の中心位置の測定を実施すればよく、容易かつ短時間に回転軸の測定を行うことができる。また、本実施の形態のように、2つの回転軸を有する工作機械の場合には、測定開始位置にて測定球の第1の中心位置を測定する。測定開始位置からテーブルを第1回転方向に180°回転させて、測定球の第2の中心位置を測定する。更に、測定開始位置から第2回転方向に180°回転させて、測定球の第3の中心位置を測定する。測定開始位置における測定球の中心位置を2つの回転軸の測定に共用することができる。このために、3回の中心位置の測定値に基づいて、2つの回転軸の位置および傾きを算出することができる。なお、共用するのは、測定球の第1の中心位置に限られず、第2の中心位置または第3の中心位置でも良い。
【0095】
本実施の形態においては、B軸の軸線がYZ平面と平行に延びるように移動体の傾きを調整したが、この形態に限られず、Y軸およびX軸を含むXY平面と平行に延びる状態を基準状態としても構わない。すなわち、第1軸線が、第3直動軸と第1直動軸とを含む平面に対して平行に延びるように、移動体の傾きに調整しても構わない。
【0096】
本実施の形態における回転軸の測定方法は、第1軸線が第2直動軸または第3直動軸の一方と第1直動軸とを含む平面と平行に延びるように移動体の傾きを調整する工程を含む。工作機械の主軸に装着したプローブにてテーブルに取り付けた測定球の中心位置を第1回転方向に180度回転させた2箇所にて測定する工程を含む。更に、測定球の2箇所の中心位置に基づいて第1軸線の傾きおよび位置を算出する工程を含む。この方法により、容易かつ短時間に回転軸の測定を行うことができる。このために、加工制御の前に行う測定制御の時間を短縮することができる。
【0097】
本発明の工作機械の回転軸の測定方法を実施する場面は、工作機械の製造時および工作機械の使用現場における定期点検時やオーバホール時である。このときは、調整手段を用いて移動体の直動軸方向の移動に伴う傾きを調整した後に、測定手段を用いて回転軸の軸線の傾きおよび位置を算出する。移動体の傾きを調整してあるので、1つの回転軸についてテーブルを180度回転させた2箇所における測定球の中心位置を測定するだけで、短時間に容易に回転軸の測定を行うことができる。測定値は、加工工程における送り軸の位置補正に用いられ、ワークの加工精度を高めることに寄与している。工作機械は、本来、幾何学的誤差を補正に頼るのではなく、製作工程で幾何学的誤差が少なくなるようにできるだけ調整し、補正をしないことが好ましい。本発明の調整手段による移動体の傾きの調整は、回転軸の測定を短時間に容易に行えるばかりでなく、できるだけ補正項目を少なくすることにも貢献している。
【0098】
本発明の回転軸の測定方法で測定した回転軸の軸線の傾きおよび位置の値は、工作機械の出荷時に制御装置70の記憶部77のパラメータに初期値として設定される。工作機械の使用現場で高精度の加工を行う前等には、調整手段による移動体の傾き調整は既に行われているので、測定球の測定工程と回転軸の軸線の傾きおよび位置の算出工程を行えば足りる。こうして求めた回転軸の軸線の傾きおよび位置の測定結果によりパラメータを書き換えれば良い。
【0099】
本実施の形態における調整手段としての角度調整装置は、調整座金および押しボルトを用いているが、この形態に限られず、移動体の傾きを調整可能な任意の装置を採用することができる。
【0100】
上述のそれぞれの制御においては、機能および作用が変更されない範囲において適宜ステップの順序を変更することができる。上述のそれぞれの図において、同一または相等する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に示される形態の変更が含まれている。
【符号の説明】
【0101】
1 ワーク
11 工作機械
25 主軸
27 移動体
28 傾斜旋回台
31 キャリッジ
33 押しボルト
34 調整座金
35 テーブル
36 エッジロケータ
41 工具
43 プローブ
44 測定球
52 B軸の軸線
53 C軸の軸線
70 制御装置
72 読取解釈部
76 回転軸演算部
77 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2014年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の工作機械は、互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルとを有する工作機械であって、テーブルを支持し、第1直動軸の方向に移動する移動体と、第2直動軸または第3直動軸の一方と第1直動軸とを含む平面に対して第1軸線が平行になる基準状態になるように、移動体の傾きを調整する調整手段と、調整手段により移動体を基準状態にした状態において、テーブルに取り付けた測定球の中心位置を第1回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、2箇所の測定球の中心位置に基づいて第1軸線の第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸からなる座標系における傾きおよび第1軸線の位置を算出する測定手段とを備える。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記発明においては、テーブルは、3つの直動軸に対して傾斜する第2軸線の周りの第2回転方向に更に回転するように形成されており、第1軸線は、第2回転方向のテーブルの予め定められた角度位置にて第2直動軸と平行になるように形成されており、調整手段は、テーブルが予め定められた角度位置にある時の第1軸線および第2軸線が、第1直動軸と第2直動軸とを含む平面に対して平行になるように調整可能に形成されており、測定手段は、更にテーブルに取り付けた測定球の中心位置を第2回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、第1回転方向に回転させて測定した測定球の中心位置、および第2回転方向に回転させて測定した測定球の中心位置に基づいて、第2軸線の第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸からなる座標系における傾きおよび第2軸線の位置と、第1軸線に対する第2軸線の相対位置とを算出することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記発明においては、測定手段は、第1回転方向に180度回転させて測定する測定球の2箇所の位置のいずれかを、第2回転方向に180度回転させて測定する測定球の2箇所の位置のいずれかと同一にすることにより、合計3箇所の位置にて測定した測定球の中心位置に基づいて、第1軸線および第2軸線の第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸からなる座標系における傾きと、第1軸線および第2軸線の位置を算出することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明の工作機械の回転軸の測定方法は、互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルと、テーブルを支持し、第1直動軸の方向に移動する移動体とを備える工作機械の回転軸の測定方法であって、第1軸線が第2直動軸または第3直動軸の一方と第1直動軸とを含む平面と平行になるように移動体の傾きを調整する工程と、工作機械の主軸に装着したセンサにてテーブルに取り付けた測定球の中心位置を第1回転方向にテーブルを180度回転させた2箇所にて測定する工程と、測定球の2箇所の中心位置に基づいて第1軸線の第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸からなる座標系における傾きおよび第1軸線の位置を算出する工程とを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルとを有する工作機械において、
前記テーブルを支持し、前記第1直動軸の方向に移動する移動体と、
前記第2直動軸または前記第3直動軸の一方と前記第1直動軸とを含む平面に対して前記第1軸線が平行になる基準状態になるように、前記移動体の傾きを調整する調整手段と、
前記調整手段により前記移動体を前記基準状態にした状態において、前記テーブルに取り付けた測定球の中心位置を前記第1回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、2箇所の測定球の中心位置に基づいて前記第1軸線の前記第1直動軸、前記第2直動軸および前記第3直動軸からなる座標系における傾きおよび前記第1軸線の位置を算出する測定手段と、を備えることを特徴とした、工作機械。
【請求項2】
前記第1軸線は、前記第1直動軸、前記第2直動軸および前記第3直動軸のそれぞれの直動軸に対して傾斜する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記テーブルは、3つの前記直動軸に対して傾斜する第2軸線の周りの第2回転方向に更に回転するように形成されており、
前記第1軸線は、前記第2回転方向のテーブルの予め定められた角度位置にて前記第2直動軸と平行になるように形成されており、
前記調整手段は、前記テーブルが前記予め定められた角度位置にある時の前記第1軸線および前記第2軸線が、前記第1直動軸と前記第2直動軸とを含む平面に対して平行になるように調整可能に形成されており、
前記測定手段は、更に前記テーブルに取り付けた測定球の中心位置を前記第2回転方向に180度回転させた2箇所の位置にて測定し、前記第1回転方向に回転させて測定した前記測定球の中心位置、および前記第2回転方向に回転させて測定した前記測定球の中心位置に基づいて、前記第2軸線の前記第1直動軸、前記第2直動軸および前記第3直動軸からなる座標系における傾きおよび前記第2軸線の位置と、前記第1軸線に対する前記第2軸線の相対位置とを算出する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項4】
前記測定手段は、前記第1回転方向に180度回転させて測定する前記測定球の2箇所の位置のいずれかを、前記第2回転方向に180度回転させて測定する前記測定球の2箇所の位置のいずれかと同一にすることにより、合計3箇所の位置にて測定した前記測定球の中心位置に基づいて、前記第1軸線および前記第2軸線の前記第1直動軸、前記第2直動軸および前記第3直動軸からなる座標系における傾きと、前記第1軸線および前記第2軸線の位置を算出する、請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
互いに直交する第1直動軸、第2直動軸および第3直動軸から構成された3つの直動軸と、第1軸線の周りの第1回転方向に回転するテーブルと、前記テーブルを支持し、前記第1直動軸の方向に移動する移動体とを備える工作機械の回転軸の測定方法であって、
前記第1軸線が前記第2直動軸または前記第3直動軸の一方と前記第1直動軸とを含む平面と平行になるように前記移動体の傾きを調整する工程と、
前記工作機械の主軸に装着したセンサにて前記テーブルに取り付けた測定球の中心位置を前記第1回転方向に前記テーブルを180度回転させた2箇所にて測定する工程と、
前記測定球の2箇所の中心位置に基づいて前記第1軸線の前記第1直動軸、前記第2直動軸および前記第3直動軸からなる座標系における傾きおよび前記第1軸線の位置を算出する工程とを含むことを特徴とした、工作機械の回転軸の測定方法。