【解決手段】自動包装機の超音波しごき装置12には、超音波を励起した超音波ホーン101と、この超音波ホーン先端部分に相対する受け部材111と、この超音波ホーン先端部分と受け板が互いに筒状包装袋の斜め下方を向いて押圧もしくは斜め上方に離反するように動作するしごき駆動機構と、を備えており、この受け部材は、形状が円筒状又は略円柱状で、その両端が回転可能に軸支されているため、表面の摩擦抵抗が高い包装フィルムを使用した場合であっても、しごき作業による傷痕付与の問題発生を防止しつつ、しごき動作時間も包装フィルムや内容物に合わせて最適化されている。
連続移送される包装フィルムに対して縦シールと横シールを施して上部が開口した筒状包装袋を形成し、この筒状包装袋内に充填ノズルを用いて内容物を充填し、充填後の筒状包装袋開口部分に対して上部横シールを施して封止された包装体を形成し、この横シール中央付近をカッター装置によって切り離して個別包装体を作り上げるロールタイプ自動包装機であって、
前記ロールタイプ自動包装機には、充填動作の際に筒状包装袋内部に付着した内容物を除去する超音波しごき装置が横シールを施す横シールロール装置の直前に付設されており、
前記超音波しごき装置は、超音波を励起した超音波ホーンと、この超音波ホーン先端部分に相対する受け部材と、この超音波ホーン先端部分と受け板が互いに筒状包装袋の斜め下方を向いて押圧もしくは斜め上方に離反するように動作するしごき駆動機構と、を備え、
前記受け部材は、形状が円筒状又は円柱状で、その両端が回転可能に軸支されていることを特徴とするロールタイプ自動包装機の超音波しごき装置。
前記超音波しごき装置のしごき駆動機構には、超音波ホーン先端部分と受け板が互いに筒状包装袋の斜め下方を向いて押圧、もしくは、斜め上方に離反するように動作するためのサーボモータと、このサーボモータを制御することで、超音波ホーン先端部分と受け板の押圧時間を自由に設定できるしごき時間入力手段と、を備え、
前記しごき駆動機構は、フィルム表面の摩擦耐性が弱い場合や、粘度が高い内容物の場合は、しごき動作時間を短く設定し、固形物等を含む場合や、粘度の低い、あるいは、浸透性の高いしごき難い内容物の場合は、しごき動作時間を長く設定することを特徴とする請求項1に記載のロールタイプ自動包装機のしごき装置。
前記超音波しごき装置の受け部材の形状が円筒状又は円柱状を成し、周面には回転方向に沿って多数の細溝が並設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロールタイプ自動包装機の超音波しごき装置。
前記超音波しごき装置の回転可能に軸支された受け部材が、モータによって駆動できるように成っていることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のロールタイプ自動包装機の超音波しごき装置。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なロールタイプ自動包装機では、後述する先行技術文献欄にて例示した各特許文献に見られる如く、ロール状に巻き取られた包装フィルムを繰出しロール等で引き出しながら、フィルム折り畳み装置によって断面略U字状に折り返し、次いで、この折り返したフィルムを縦ヒートシールロールと横ヒートシールロールから成るシール装置に送って、一端(上端)に横シールが成されていない充填口が開口形成されている有底の筒状包装袋をシール形成する。そして、このようにシール形成された筒状包装袋の上記シールされていない充填口から、袋内に充填ノズルを入れ込んで内容物(原料)を充填し、その後、当該充填口を横ヒートシールロールによる横シールによって封止して連続包装体と成し、次いで、カッター装置によってこの連続包装体を上記横シールの中央部分で切り離すことによって、内容物が充填された個別包装体を自動的に、且つ、連続的に造っていた。
【0003】
ここで、上記内容物が充填された筒状包装袋の開口されている充填口を、横ヒートシールロールによって封止する際に、この筒状包装袋の内側面、具体的には、当該充填口の内側面に、充填された内容物が付着してしまう場合があった。
【0004】
特に、袋内に入れる内容物の充填量が多く設定されている場合や、液体内容物の粘度等の性質によって、充填ノズル出口で液だれ現象が発生している場合には、横シールされる充填口部分の筒状包装袋の内側面に内容物が付着してしまい、その結果、横ヒートシールロールによる横シール時に、これ等内容物の挟み込み(噛み込み)が発生するケースが、多く見られていた。
【0005】
通常、粘性の低い液体のみが内容物の場合は、横ヒートシール動作に伴う前後(表裏)二つの横ヒートシールロールの押圧力(加圧力)によって、包装袋の横シール予定部分が表裏両側よりしごかれるため、挟み込まれた内容物がこのしごきを受けて充填口から押し出されて、内容物が噛み込むこと無く正常に横シールすることができる。しかし、包装する内容物が固形物を含有する液体の場合には、横ヒートシールロールによる押圧動作(しごき動作)だけでは、内容物の排除が充分に達成出来ず、内容物噛み込みによる充填口の横シール不良の問題が多く発生していた。
【0006】
この問題の発生を解決するために、本件出願人は、下記の先行技術文献欄に記載されているように、しごき装置を用いて横シール部分、即ち、充填口の内側面部分に付着した内容物を排除する技術や、内容物充填機構において液だれしない間歇充填装置等の開発を、優先して取り組んできた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、例えば上記特許文献3の
図8乃至
図14に記載の超音波しごき装置を用いた自動包装機では、超音波ホーン102の先端部分110と受け板100〜410とによって、包装フィルムFを挟み込んでしごく工程で、使用する包装フィルムの性質(材質)によっては、以下の如き問題が発生していた。
【0009】
即ち、使用する包装フィルムとして、例えば表面の摩擦抵抗が非常に高い包装フィルムを用いて充填包装を行った場合には、前記超音波しごき装置との間に高い摩擦抵抗が生じて、包装フィルムの移送に支障が生じたり、若しくは、詰まったりすることがあった。
【0010】
一方、上述した問題は、横ヒートシーラ以下の機構部分に、包装フィルムを移送方向に強制的に引っ張る引っ張り装置を設けることによっても、一応の対応が可能であったが、しかし、包装フィルムを強制的に引っ張ると、包装フィルムの表面が当該引っ張り装置や超音波ホーン、或いは、ホーンの受け板等に接触することよって削られてしまって、外装印刷に傷がついたり、外装印刷が剥離してしまう等の各種問題が発生していた。
【0011】
そこで本発明の技術的課題は、包装フィルムの移送を妨げること無く、また、包装フィルムに対するしごき作業を、比較的低い(少ない)摩擦抵抗の基で極めて円滑に、且つ、確実に行うことを可能にして、表面の摩擦抵抗が高い包装フィルムを用いた充填包装の場合であっても、包装フィルムの表面を滑り易くしたり、フィルム引っ張り装置を設けるといった従前の対応策をわざわざ講じること無く、容易に且つ確実にしごき効果を発揮して、内容物の噛み込みによる充填口の横シール不良の問題の発生を防止できるように工夫した、ロールタイプ自動包装機の超音波しごき装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記の課題を解決するためになされた本発明は、連続移送される包装フィルムに対して縦シールと横シールを施して上部が開口した筒状包装袋を形成し、この筒状包装袋内に充填ノズルを用いて内容物を充填し、充填後の筒状包装袋開口部分に対して上部横シールを施して封止された包装体を形成し、この横シール中央付近をカッター装置によって切り離して個別包装体を作り上げるロールタイプ自動包装機であって、 前記ロールタイプ自動包装機には、充填動作の際に筒状包装袋内部に付着した内容物を除去する超音波しごき装置が横シールを施す横シールロール装置の直前に付設されており、前記超音波しごき装置は、超音波を励起した超音波ホーンと、この超音波ホーン先端部分に相対する受け部材と、この超音波ホーン先端部分と受け板が互いに筒状包装袋の斜め下方を向いて押圧もしくは斜め上方に離反するように動作するしごき駆動機構と、を備え、前記受け部材は、形状が円筒状又は円柱状で、その両端が回転可能に軸支されている。
【0013】
(2)本発明の超音波しごき装置のしごき駆動機構には、超音波ホーン先端部分と受け板が互いに筒状包装袋の斜め下方を向いて押圧、もしくは、斜め上方に離反するように動作するためのサーボモータと、このサーボモータを制御することで、超音波ホーン先端部分と受け板の押圧時間を自由に設定できるしごき時間入力手段と、を備え、前記しごき駆動機構は、フィルム表面の摩擦耐性が弱い場合や、粘度が高い内容物の場合は、しごき動作時間を短く設定し、固形物等を含む場合や、粘度の低い、あるいは、浸透性の高いしごき難い内容物の場合は、しごき動作時間を長く設定している。
【0014】
(3)本発明の超音波しごき装置の受け部材の形状が円筒状又は円柱状を成し、周面には回転方向に沿って多数の細溝が並設されている。
【0015】
(4)本発明の超音波しごき装置の回転可能に軸支された受け部材が、モータによって駆動できるように成っている。
【0016】
上記(1)、(3)、(4)で述べた自動包装機の超音波しごき装置によれば、超音波しごき装置の受け部材の形状を回転可能に軸支された円柱状又は円筒形とすることにより、包装袋外表面に対し、受け部材が転動するため、しごきによって包装フィルムに傷を付けることなく、確実に内容物をしごき出すことができる。
【0017】
上記(2)で述べた自動包装機の超音波しごき装置によれば、しごき動作時間タイミングを包装フィルムの性質や充填量、内容物の性質等に合わせて最適値にすることにより、しごき作業を確実に実施できる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明に係るロールタイプ自動包装機の超音波しごき装置によれば、超音波しごき装置の受け部材の形状を回転可能に支持された円柱状又は円筒形とすることにより、包装袋外表面に対し、受け部材が転動するため、しごきによって包装フィルムに傷を付けることなく、確実に内容物をしごき出すことができるため、表面の摩擦抵抗が高い包装フィルムを使用した場合であっても、しごき作業による傷痕付与の問題発生を防止しつつ、しごき作業を円滑に、且つ、安全、確実に進めることができるという、優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
先ず、
図1を用いて本発明で用いるロールタイプ自動包装機の全体構成について説明する。
図1は、本発明に係るロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。
【0021】
図1に示すように、ロールタイプ自動包装機1(以下、単に自動包装機1と略す)の正面右側には、リールが設けられている。このリールには包装フィルムFを巻回した原反ロールFXが脱着交換可能に装着されている。原反ロールFXから繰り出し装置2により引き出された包装フィルムFは、自動包装機1の上部に設けられたフィルム折り返しロール3により下方に折り返される。
【0022】
以上の様にして下方に折り返された包装フィルムFは、製袋機構4によって長手方向に二つ折りされて下側の縦ヒートシール機構6に送り込まれる。この縦ヒートシール機構6と下段の第一横ヒートシール機構7とによって、シール成形される有底の筒状包装フィルム内に内容物を送り込むために、充填ノズル5が配備されており、この充填ノズル5には、ポンプ装置(図示省略)が接続されている。そして、このポンプ装置には内容物(充填物)が入れられたホッパー(図示省略)が接続されている。
【0023】
図示した如く、上記縦ヒートシール機構6の下側には、上述した第一横ヒートシール機構7と、第二横ヒートシール機構8、切断カッター機構9、切り離された個別包装体を滑らかに搬出するためのすべり台10が配備されている。更に、自動包装機1の正面右側には、自動包装機1を操作並びに制御するためのコントロールボックス11が設けられている。
【0024】
そして、
図1に示されている縦ヒートシール機構6は、前後二つの縦シールロールで構成され、
図1中に表記されているのは前面側の縦シールロール(移動側シールロール)である。これに対して背面側(フィルム面裏側)の縦シールロールは、前面側縦シールロールとフィルム面に対して垂直方向に対向した状態で設けられていて、自動包装機1のフレーム側に回転自在に装着されている(固定側シールロール)。
【0025】
横ヒートシール機構は、第一横ヒートシール機構7と、第二横ヒートシール機構8とによって構成されている。これら二つの横ヒートシール機構7と8は、上述した縦ヒートシール機構6と同様に、
図1中に表記されているのは前面側の上下二つの横シールロール(移動側シールロール)であり、背面側(紙面裏側)にはそれぞれ対になる上下二つの横シールロールを有している。これら背面側の二つの横シールロールは、紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、夫々自動包装機1の機台側に回転自在に軸支されている(固定側シールロール)。
【0026】
また、包装フィルムFは、例えば、PET等のベースフィルムや、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成されていて、自動包装機1の右側に設けたリールFX’に巻装されている。また、包装フィルムFは、図示はしていないが、例えば、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造を有していてもよい。
【0027】
前記製袋機構4によって長手方向に二つ折りされて下方に向けて送られてくる包装フィルムFは、上述した縦ヒートシール機構6によって、包装フィルムFの長手方向両端同士が熱シール(縦シール)されて、筒状包装フィルムと成って直下の超音波しごき装置12と第一横ヒートシール機構7に向けて送り出される。
【0028】
そして、筒状包装フィルムは第一横ヒートシール機構7の横シールロールにより、筒状包装フィルムの横方向(幅方向)に横シールが成され、この横シールにより筒状包装フィルムの底部が形成される。このように有底筒状にシール形成された包装袋内には、横シールされていない上部の開口部(充填口)より充填ノズル5の先端部5’が挿入されて、この充填ノズル5に接続されている前記ポンプ装置(図示省略)によって、前記ホッパー内に収容されている内容物が充填される。
【0029】
そして、充填ノズル5による内容物の充填が完了したら、その後、前記繰り出し装置2が新たな包装フィルムFを、リールFX’に巻装した原反ロールFXから袋一個分繰り出す。また、この内容物充填動作の際において、筒状包装フィルム内に内容物が付着する事が発生するが、超音波しごき機装置12によって、この筒状包装フィルム内に付着した内容物が除去される。
【0030】
続いて、第一横ヒートシール機構7は、付着した内容物が除去された包装袋の開口側、即ち、充填口を横シールし、これにより、有底筒状の包装袋に充填された内容物は封止されて包装体形態となる。そして、この包装体は直下の第二横ヒートシール機構8の横シールロールの間に送られる。第二横ヒートシール機構8は、第一横ヒートシール機構7によって形成された横シールの部分を再度横シールして、その横シール部分の強度をより強固にするための線条シールが実行される。
【0031】
尚、図面には横ヒートシール機構として第一と第二の2台の横ヒートシール機構7,8が記載されているが、これは実施の一例であって、横ヒートヒール機構は一台であってもよく、その選択は任意とする。
【0032】
その後、切断カッター機構9によって横シールの中央部分を上下横方向に切断(両断)する切断加工が成されて個別包装体になり、すべり台10から搬出される。
【0033】
図2は、本発明に係る自動包装機における超音波しごき装置がしごき動作を行っている際の構成と動作を示した概略側面図である。この
図2では、図示はしていないが、筒状包装袋の横ヒートシール予定部分が上記超音波しごき装置を通過中であり、これは超音波ホーンと受け部材との間による「しごき動作」を行っている図である。
【0034】
一方、
図3は、本発明に係る自動包装機における超音波しごき装置がしごき動作を中止し、離間動作を行っている際の構成と動作を示した概略側面図である。この
図3では、図示はしていないが、筒状包装袋の横ヒートシール予定部以外の部分が超音波しごき装置を通過中であり、これは超音波ホーンと受け部材とによるしごき動作が停止している状態を示した図である。尚、これ等
図2と
図3に示した概略側面図では、図視左側を自動包装機1の前面側とし、図示右側を自動包装機1の背面側としている。
【0035】
図2、
図3に示すように、超音波しごき装置12は、超音波振動を励起する超音波駆動器102と、この超音波駆動器102の先端部に設けられていて、超音波駆動器102からの超音波を受けて振動を拡大する超音波ホーン101と、この超音波ホーン101の先端口と相対する受け部材111と、この受け部材111が取り付けられている支持アーム121、122と、これら超音波駆動器102と超音波ホーン101と受け部材111と支持アーム121、122とを押し下げる若しくは押し上げるように駆動するしごき駆動機構と、で構成されている。
【0036】
なお、この超音波しごき装置12に下方には、
図1で説明した第一横ヒートシール機構7が配置され、超音波しごき装置12の動きに伴う背面側横シールロール70と前面側横ヒートシールロール71の回転状況が示されている。
【0037】
ここで、上記しごき駆動機構の構成について、
図2と
図3に従って説明する。超音波駆動器102と超音波ホーン101は、作動部材100に取り付けられ、この作動部材100の一端にはカムフォロア104があり、作動部材100の他端には摺動溝100’が設けられ、作動板109の一端に設けられたカムフォロア107がこの摺動溝100’に嵌め込まれている。
【0038】
一方、受け部材111と支持アーム121、122は、連動部材110に取り付けられ、この連動部材110の一端には摺動溝110’が設けられ、連動板119の一端に設けられたカムフォロア117がこの摺動溝110’に嵌め込まれている。
【0039】
また、作動板109の他端には作動伝達ギヤ108が回転可能に軸支され、連動板119の他端には連動伝達ギヤ118が回転可能に軸支され、これら作動伝達ギヤ108と連動伝達ギヤ118は、常時噛合し合っている。
【0040】
この作動部材100は、自動包装機1本体に固定されている作動側ブラケット105に取り付けられている作動側ガイドレール106に添ってスライド可能に保持されており、連動部材110は、自動包装機1本体に固定されている連動側ブラケット115に取り付けられている連動側ガイドレール116に添ってスライド可能に保持されている。
【0041】
そして、作動部材100の一端に取り付けられているカムフォロア104には、サーボモータで回転駆動されている開閉駆動カム盤103が常接しており、このサーボモータが超音波しごき装置12の開閉動作を司っている。
【0042】
ここで、上記超音波しごき装置12の開閉動作について、
図2と
図3に従って説明する。
図2に示すように、サーボモータが回転駆動することにより、開閉駆動カム盤103が図示の位置になると、カムフォロア104は矢印のように押し下げられ、これに伴って作動部材100も作動側ガイドレール106に添って押し下がる。
【0043】
この作動部材100の押し下がりにより、取り付けられている超音波駆動器102と超音波ホーン101は矢印のように押し下がり、同時にこの動きは摺動溝100’とカムフォロア107を通して作動板109に伝わり、作動伝達ギヤ108を右回転させる。
【0044】
この作動伝達ギヤ108の右回転駆動は、常時噛合し合っている連動伝達ギヤ118と連動板119を左回転させ、同時にこの動きは摺動溝110’とカムフォロア117を通して連動部材110を連動側ガイドレール116に添って押し下げている。
【0045】
この連動動部材110の押し下がりにより、取り付けられている支持アーム121、122と受け部材111は矢印のように押し下がり、超音波ホーン101と受け部材111によるしごき動作が実行されることになる。
【0046】
次に、
図3に示すように、サーボモータが回転駆動することにより、開閉駆動カム盤103が図示の位置になると、カムフォロア104は矢印のように押し上げられ、これに伴って作動部材100も作動側ガイドレール106に添って押し上げられる。
【0047】
この作動部材100の押し上がりにより、取り付けられている超音波駆動器102と超音波ホーン101は矢印のように押し上がり、同時にこの動きは摺動溝100’とカムフォロア107を通して作動板109に伝わり、作動伝達ギヤ108を左回転させる。
【0048】
この作動伝達ギヤ108の左回転駆動は、常時噛合し合っている連動伝達ギヤ118と連動板119を右回転させ、同時にこの動きは摺動溝110’とカムフォロア117を通して連動部材110を連動側ガイドレール116に添って押し上げている。
【0049】
この連動部材110の押し上がりにより、取り付けられている支持アーム121、122と受け部材111は矢印のように押し上がり、超音波ホーン101と受け部材111によるしごき動作が中止し、離間動作が行われることになる。
【0050】
図4は、本発明に係る自動包装機における横シール直前の製袋動作としごき動作を合わせて説明している概略側面図である。
図4に示すように、筒状包装フィルムFY内には前述した充填ノズル5(
図1参照)の先端部5’が挿入されており、内容物200が連続的に投入されている。この
図4では、筒状包装フィルムFYに対して第一横シール機構7における背面側横シールロール70のシール刃72と、前面側横ヒートシールロール71のシール刃73が横シールFVを施す直前の状態を表している。
【0051】
この時、超音波しごき装置12は、サーボモータを
図2で示した位置に回転駆動しており、作動部材100とこれに取り付けられている超音波駆動器102と超音波ホーン101は、矢印のように作動側ブラケット105と作動側ガイドレール106に添って押し下がっている。同時に連動部材110とこれに取り付けられている支持アーム121、122と受け部材111は、矢印のように連動側ブラケット115と連動側ガイドレール116に添って押し下がっている。
【0052】
この様に、超音波しごき装置12は、超音波励起されている超音波ホーン101と回転可能に取り付けられている受け部材111が筒状包装フィルムFYの横シール予定部分を挟み込んで内容物を除去することにより、しごき動作を実施している。この際、受け部材111は回転しながら筒状包装フィルムFYを挟み込んでいるため、筒状包装フィルムFYの表面を傷付けることがない。
【0053】
図5は、本発明に係る自動包装機における横シール実施中の製袋動作としごき動作を合わせて説明している概略側面図である。
図5に示すように、筒状包装フィルムFY内には前述した充填ノズル5の先端部5’が挿入されており、内容物200が連続的に投入されている。この
図5では、筒状包装フィルムFYに対して第一横シール機構7における背面側横シールロール70のシール刃72と、前面側横ヒートシールロール71のシール刃73が横シールFVを施している最中の状態を表している。
【0054】
この時、超音波しごき装置12は、サーボモータを
図2で示した位置に回転駆動を維持しており、作動部材100とこれに取り付けられている超音波駆動器102と超音波ホーン101は、矢印のように作動側ブラケット105と作動側ガイドレール106に添って押し下がっている。同時に連動部材110とこれに取り付けられている支持アーム121、122と受け部材111は、矢印のように連動側ブラケット115と連動側ガイドレール116に添って押し下がっている。
【0055】
この様に、超音波しごき装置12は、超音波励起されている超音波ホーン101と回転可能に取り付けられている受け部材111が筒状包装フィルムFYの横シール予定部分を挟み込んで内容物を除去し続けることにより、しごき動作を継続している。その際、受け部材111は回転しながら筒状包装フィルムFYを挟み込み続けるため、筒状包装フィルムFYの表面を傷付けることがない。
【0056】
図6は、本発明に係る自動包装機における横シール終了後の製袋動作としごき動作を合わせて説明している概略側面図である。
図6に示すように、筒状包装フィルムFY内には、前述した充填ノズル5の先端部5’が挿入されており、内容物200が連続的に投入されている。この
図6では、筒状包装フィルムFYに対して第一横シール機構7における背面側横シールロール70のシール刃72と、前面側横ヒートシールロール71のシール刃73が横シールFVを施し終わった状態を表している。
【0057】
この時、超音波しごき装置12は、サーボモータを
図3で示した位置に回転駆動しており、作動部材100とこれに取り付けられている超音波駆動器102と超音波ホーン101は、矢印のように作動側ブラケット105と作動側ガイドレール106に添って押し上がっている。同時に連動部材110とこれに取り付けられている支持アーム121、122と受け部材111は、矢印のように連動側ブラケット115と連動側ガイドレール116に添って押し上がっている。
【0058】
この様に、超音波しごき装置12は、超音波励起されている超音波ホーン101と回転可能に取り付けられている受け部材111が筒状包装フィルムFYに対して離間することにより、しごき動作を中止している。
【0059】
以上、
図2乃至
図6に示すように、本発明の超音波しごき装置12は、自動包装機1の製袋動作タイミングに合わせながら、独自のしごき動作タイミングが設定できるように、独立したサーボモータが駆動源として配置されており、また、このサーボモータの制御手段として、しごき時間と、しごき始めるタイミングを自由に設定できる入力手段が配置されている。
【0060】
このため、超音波しごき装置12は、
図4に示す横シール直前のしごき動作開始から、
図5に示す横シール実施中のしごき動作継続を経て、
図6に示す横シール終了後のしごき動作中止までの時間タイミング等を自由に設定制御することができる。
【0061】
このしごき動作時間タイミングは、包装フィルムの性質や充填量、内容物の性質等によって、最適値が変わってくるため、これらのしごき動作に関連する条件設定を任意に選択設定できという事は、しごき動作の最適化が図れることを意味する。
【0062】
例えば、包装フィルムの材質や印刷状況からフィルム表面の摩擦耐性が弱い場合や粘度が高い内容物の場合は、しごき動作時間を短く設定する。逆に、固形物等を含み、粘度の低い、あるいは、浸透性の高いしごき難い内容物の場合は、しごき動作時間を長く設定する。
【0063】
図7は、本発明に係る超音波しごき装置の超音波ホーンと受け部材がしごき動作を行っている部分を拡大した概略斜視図である。
図8は、本発明に係る超音波しごき装置の受け部材における第一の例を拡大した部分概略図である。
【0064】
図7、
図8に示すように、受け部材111は、円筒状又は円柱状に形成され、その両端軸112は軸受123、124によって支持部材121、122に回転可能に軸支されている。
【0065】
この結果、超音波ホーン101と受け部材111によるしごき動作は、筒状包装フィルムFYの移送動作に合わせて受け部材111が回転することにより、しごき動作に伴う摩擦抵抗が少なくなっている。
【0066】
図9は、本発明に係る超音波しごき装置の受け部材における第二の例を拡大した部分概略図である。
図9に示すように、受け部材111は、円筒状又は円柱状に形成され、その両端軸112は軸受123、124によって支持部材121、122に回転可能に軸支されている。そして、両端軸112の一端には回転プーリ131が取り付けられ、この回転プーリ131には、モータ134に取り付けられた回転プーリ132との間に駆動ベルト133が掛け渡されている。
【0067】
この結果、受け部材111には、筒状包装フィルムFYの移送動作に合わせたモータ134の回転駆動が積極的に付与され、しごき動作に伴う摩擦抵抗をより少なくしている。
【0068】
図10は、本発明に係る超音波しごき装置の受け部材における第三の例を拡大した部分概略図である。
図11は、
図10のW部分を拡大した部分概略図である。
【0069】
図10、
図11に示すように、この円筒状又は円柱状に形成された受け部材111には、受け部材111の周面に沿った細い溝111Zが彫り込まれており、その両端軸112は軸受123、124によって支持部材121、122に回転可能に軸支されている。
【0070】
この結果、細溝ありの受け部材111では、挟み込んだ筒状包装フィルムとの接触面積が少なくなり、しごき動作に伴う摩擦抵抗がより少なくなっている。
【0071】
以上、
図2乃至
図11によって説明された本発明は、超音波しごき装置の受け部材の形状を回転可能に軸支された円柱状又は円筒形等にすることにより、表面の摩擦抵抗が高い包装フィルムを使用した場合であっても、しごき作業による傷痕付与の問題発生を防止しつつ、しごき動作時間も包装フィルムや内容物に合わせて最適化された超音波しごき装置を提供できる。
【0072】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。