特開2015-51891(P2015-51891A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-51891多孔質炭素、調湿吸着材、吸着式ヒートポンプ、及び燃料電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-51891(P2015-51891A)
(43)【公開日】2015年3月19日
(54)【発明の名称】多孔質炭素、調湿吸着材、吸着式ヒートポンプ、及び燃料電池
(51)【国際特許分類】
   C01B 31/02 20060101AFI20150220BHJP
   B01D 53/28 20060101ALI20150220BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20150220BHJP
【FI】
   C01B31/02 101Z
   B01D53/28
   B01J20/20 B
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-184729(P2013-184729)
(22)【出願日】2013年9月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000222842
【氏名又は名称】東洋炭素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126963
【弁理士】
【氏名又は名称】来代 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100131864
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 正憲
(72)【発明者】
【氏名】河野 貴典
(72)【発明者】
【氏名】森下 隆広
(72)【発明者】
【氏名】折笠 広典
【テーマコード(参考)】
4D052
4G066
4G146
【Fターム(参考)】
4D052AA00
4D052GA04
4D052GB00
4D052GB14
4D052HA00
4G066AA04B
4G066BA23
4G066BA25
4G066BA36
4G066CA43
4G066DA01
4G146AA01
4G146AC04A
4G146AC04B
4G146AC28A
4G146AC28B
4G146AD11
4G146AD23
4G146AD24
4G146AD31
4G146BA13
4G146BB04
4G146BB10
4G146BC01
4G146BC03
4G146BC23
4G146BC33B
4G146BC37B
4G146BC43
4G146BC47
4G146BC48
4G146CA02
4G146CA11
4G146CA16
4G146CB28
(57)【要約】
【課題】本発明は、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる多孔質炭素を提供することを目的としている。
【解決手段】メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であることを特徴とする多孔質炭素であって、特に、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が2.0以上であることが好ましい。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であることを特徴とする多孔質炭素。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【請求項2】
上記水蒸気吸着量比率が2.0以上である、請求項1に記載の多孔質炭素。
【請求項3】
上記相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g以上である、請求項1又は2に記載の多孔質炭素。
【請求項4】
上記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が300mg/g以上700mg/g以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項5】
上記メソ孔の孔径が3nm以上50nm以下であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項6】
上記メソ孔の孔径が4.5nm以上50nm以下である、請求項5に記載の多孔質炭素。
【請求項7】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多孔質炭素に関し、特に、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる多孔質炭素に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用吸着式冷凍機をはじめとするヒートポンプ等においては、溶媒の吸着量の多さ、吸脱着速度の速さ、印加圧力に対する応答性の高さが求められている。また、高温化に暴露されるため、一定の化学的安定性も求められている。しかしながら、下記非特許文献1〜3に示されるように、一般的な吸着材として評価されている活性炭やシリカゲル等では、現状必要とされている吸着性能(吸着量、吸脱着速度)を十分に満たす材料はない。特に、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる材料がなかった。
【0003】
また、石油コークスを650〜800℃で乾留して得られる調湿材用炭素材であって、気孔を20容量%以上、30容量%以下の範囲で有することを特徴とする調湿材用炭素材が提案されている(下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−209844号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】デンソーテクニカルレビューVol.11 No.1 2006
【非特許文献2】Adsorption News Vol.10,NO.3、p12-16(July 1996)(日本吸着学会)
【非特許文献3】化学工学論文集15(1),p38-43
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示した調湿材用炭素材を用いた場合であっても、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができないという課題があった。
【0007】
そこで本発明は、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる多孔質炭素を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の多孔質炭素は、メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であることを特徴とする。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる多孔質炭素を提供できるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の製造工程を示す図であって、同図(a)はポリアミック酸樹脂と酸化マグネシウムとを混合した状態を示す説明図、同図(b)は混合物を熱処理した状態を示す説明図、同図(c)は多孔質炭素を示す説明図。
図2】炭素A1〜A3、Z1〜Z5における相対湿度と水蒸気吸着量との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の多孔質炭素は、メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であることを特徴とする。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
上記水蒸気吸着量比率が1.8未満の場合、相対湿度が70%の時点において、多孔質炭素の水蒸気吸着余力がほとんどない状態(具体的には、多孔質炭素の細孔に水が略充満している状態)となっている。このため、相対湿度が70%を超えた場合には、それ以上の水蒸気をほとんど吸着できず、水蒸気吸着量の制御が困難となる。これに対して、上記水蒸気吸着量比率が1.8以上の場合、相対湿度が70%の時点において、多孔質炭素の水蒸気吸着余力が十分にある状態(具体的には、多孔質炭素の細孔に水が充満していない状態)となっている。このため、相対湿度が70%を超えた場合であっても、それ以上の水蒸気を吸着でき、水蒸気吸着量の制御を十分に行うことが可能となる。
【0012】
上記水蒸気吸着量比率が2.0以上であることが望ましい。
水蒸気吸着量比率が2.0以上であると、高湿度雰囲気下で水蒸気を一層吸着できるので、吸着材としての機能をより発揮できる。
【0013】
上記相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g以上であることが望ましい。
相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g未満の場合には、吸着できる水蒸気量が少なくなる。このため、吸着材としての機能が十分に発揮されず、利用出来る分野が限定される場合がある。
【0014】
上記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が300mg/g以上700mg/g以下であることが望ましい。
相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が300mg/g未満の場合、吸着材としての機能が低く、利用出来る分野が限定される場合がある。一方、相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が700mg/gを超えている場合、主として吸着現象が生じるミクロ孔のほぼ全てが水蒸気によって満たされた状態となるため、吸着挙動の制御が困難となる場合がある。
尚、上述の如く、主として水蒸気の吸着現象が生じるのはミクロ孔であるが、高湿度側における水蒸気の吸着量はメソ孔容量に影響される。
【0015】
上記メソ孔の孔径が3nm以上50nm以下であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下であることが望ましく、特に、上記メソ孔の孔径が4.5nm以上50nm以下であることが望ましい。
上記メソ孔の孔径を3nm以上(特に、4.5nm以上)に規制するのは、それより小さな孔径のものを作製するのは、困難な場合がある。また、メソ孔の容量を0.9ml/g以上2.0ml/g以下に規制するのは、以下に示す理由による。メソ孔の容量が0.9ml/g未満の場合、比表面積が小さく、高湿度側で水蒸気を十分に吸着出来ない場合がある。一方、メソ孔の容量が2.0ml/gを超えると、全細孔におけるミクロ孔の容量(割合)が非常に小さくなるため、水蒸気を吸着するための十分な比表面積を確保できない場合がある。
【0016】
尚、全細孔容量と、ミクロ孔容量と、メソ孔容量との関係は下記(2)式に示す通りである。
ミクロ孔容量=全細孔容量−メソ孔容量・・・(2)
【0017】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下であることが望ましい。
ミクロ孔容量が0.3ml/g未満であると、比表面積を確保することが困難となって、水蒸気を十分に吸着出来ない場合がある。一方、ミクロ孔容量が0.7ml/gを超えると、ミクロ孔容量はミクロ孔への水蒸気拡散速度に影響を与えることに起因して、吸着材としての応答速度(吸着速度)が低下する場合がある。
【0018】
以下、具体的な実施形態を以下に説明する。
上記多孔質炭素は、例えば、以下のようにして作製できる。先ず、本発明の多孔質炭素は、有機質樹脂を含む流動性材料と酸化物(鋳型粒子)とを、溶液または粉末状態において湿式もしくは乾式混合して混合物を作製する。次に、この混合物を非酸化雰囲気或いは減圧雰囲気の下、例えば500℃以上の温度で炭化させる。最後に、洗浄処理することで鋳型粒子を取り除き、これによって、多孔質炭素を作製できる。このようにして作製した多孔質炭素は、多数の細孔(メソ孔とミクロ孔)を有している。但し、細孔の配置は規則的ではなく、ランダムに配置される構造となっている。
【0019】
ここで、鋳型粒子の径や有機質樹脂の種類を変えることによって、細孔径、多孔質炭素の細孔分布、及び、炭素質壁の厚みを調整することができる。したがって、鋳型粒子の径と有機質樹脂の種類とを適宜選択することによって、より大きな細孔容量を有する多孔質炭素を作製することも可能となる。
【0020】
具体的に、上記有機質樹脂としては、単位構造中に少なくとも一つ以上の窒素もしくはフッ素原子を含むポリイミドが好ましく用いられる。当該ポリイミドは、酸成分とジアミン成分との重縮合により得ることができる。但し、この場合、酸成分及びジアミン成分のいずれか一方又は両方に、一つ以上の窒素原子もしくはフッ素原子を含む必要がある。
具体的には、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を成膜し、溶媒を加熱除去することによりポリアミド酸膜を得る。次に、得られたポリアミド酸膜を200℃以上で熱イミド化することによりポリイミドを製造することができる。
【0021】
前記ジアミンとしては、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン〔2,2−Bis(4−aminophenyl)hexafluoropropane〕、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−ベンジジン〔2,2’−Bis(trifluoromethyl)−benzidine〕、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニルや、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン,3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’,5,5’−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4,6−トリフロオロー5−(パ−フルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−プブロモ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−3,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2一ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−3−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4一ジアミノ−2−プブロモ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メチル−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−クロロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−メチル−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−3,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メチル−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−クロロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−プロモ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼンやフッ素原子を含まないp−フェニレンジアミン(PPD)、ジオキシジアニリン等の芳香族ジアミンが例示できる。また、上記ジアミン成分は上記各芳香族ジアミンを2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0022】
一方、酸成分としては、フッ素原子を含む4,4−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物(6FDA)、及びフッ素原子を含まない3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)等が挙げられる。
また、ポリイミド前駆体の溶媒として用いる有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0023】
イミド化の手法としては公知の方法〔例えば高分子学会編「新高分子実験学」共立出版、1996年3月28日、第3巻高分子の合成・反応(2)158頁参照〕に示されるように、加熱あるいは化学イミド化のどちらの方法に従ってもよく、本発明はこのイミド化の方法には左右されない。
更に、ポリイミド以外の樹脂としては、石油系タールピッチ、アクリル樹脂などが使用できる。
【0024】
一方、上記酸化物として用いる原料はアルカリ土類金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化カルシウム等)の他に、熱処理により熱分解過程で酸化マグネシウムへと状態が変化する、金属有機酸(クエン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム等)、塩化物、硝酸塩、硫酸塩を使用することもできる。
また、酸化物を取り除く洗浄液としては、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酢酸、ギ酸など一般的な無機酸を使用し、2mol/l以下の希酸として用いるのが好ましい。また、80℃以上の熱水を使用することも可能である。
【0025】
更に、前記混合物の炭化は、非酸化雰囲気或いは減圧雰囲気で、500℃以上、1500℃以下の温度で行うことが好ましい。高炭素収率の樹脂は高分子であるため、500℃未満では炭素化が不十分で細孔の発達が十分でない場合がある一方、1500℃以上では収縮が大きく、酸化物が焼結し粗大化するため、細孔のサイズが小さくなって比表面積が小さくなるからである。非酸化性雰囲気とは、アルゴン雰囲気或いは窒素雰囲気等であり、減圧雰囲気とは133Pa(1torr)以下の雰囲気である。
【0026】
尚、上記多孔質炭素の嵩密度は0.1g/cc以上1.0g/cc以下であることが望ましい。嵩密度が0.1g/cc未満であると、比表面積を確保することが困難であり、炭素質壁の形状が保てなくなることがある一方、嵩密度が1.0g/cc以下を超えると、三次元網目構造を形成し難く、細孔の形成が不十分となることがある。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
先ず、図1(a)に示すように、鋳型粒子としての酸化マグネシウム粉末(MgO、平均粒径は5nm)2と、炭素前駆体としての有機物樹脂(ポリビニルアルコール)1とを、3:2の重量比で混合した。次に、図1(b)に示すように、この混合物を不活性雰囲気下900℃で2時間熱処理して、ポリビニルアルコールを熱分解させることにより、炭素質壁3を備えた焼成物を得た。次いで、図1(c)に示すように、得られた焼成物を1mol/lの割合で添加された硫酸溶液で洗浄して、MgOを完全に溶出させた。これにより多数の細孔4を有する非晶質の多孔質炭素5を得た。
このようにして作製した多孔質炭素材料を、以下、材料A1と称する。
【0028】
(実施例2)
鋳型粒子として、平均粒径が20nmの酸化マグネシウム粉末を用いた以外は、上記実施例1と同様にして多孔質炭素を作製した。
このようにして作製した多孔質炭素材料を、以下、材料A2と称する。
【0029】
(実施例3)
鋳型粒子としてマグネシウム塩(酢酸マグネシウム)を用い、炭素前駆体としての有機物樹脂(ポリビニルアルコール)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして多孔質炭素を作製した。
このようにして作製した多孔質炭素を、以下、材料A3と称する。
【0030】
(比較例1)
市販の活性炭(和光純薬工業株式会社製 活性炭(製品番号037−02115))を用いた。
このような活性炭を、以下、材料Z1と称する。
【0031】
(比較例2)
ポリイミドからなるフィルムを窒素雰囲気下、900℃で熱処理することにより炭素材料を作製した。
このようにして作製した材料を、以下、材料Z2と称する。
【0032】
(比較例3)
市販の合成ゼオライト系吸着材(和光純薬工業株式会社製 合成ゼオライトA−3(製品番号269−00555)を用いた。
このような材料を、以下、材料Z3と称する。
【0033】
(比較例4)
市販の合成ゼオライト系吸着材(和光純薬工業株式会社製 合成ゼオライトF−9(製品号261−00635))を用いた。
このような材料を、以下、材料Z4と称する。
【0034】
(比較例5)
市販の二酸化ケイ素(Sigma−Aldrich社製 MCM−41type 643645)を用いた。
このような材料を、以下、材料Z5と称する。
【0035】
(実験)
上記、材料A1〜A3、Z1〜Z5におけるBET比表面積等について、下記の方法で調べたので、それらの結果を表1に示す。
【0036】
(1)先ず、密閉された吸着測定用ガラスセル内に材料A1〜A3、Z1〜Z5を配置した後、真空下、300℃2時間の脱気処理を行った。
【0037】
(2)窒素を吸着ガスとして用い、77K(−196℃)で測定して窒素吸着等温線を求めた。当該測定には、日本ベル株式会社製の自動ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP−18を用いた。BET比表面積は、相対圧(P/P)=0.05〜2.20の範囲の測定点より算出した。
全細孔容量は相対圧(P/P)0.95における吸着量から求め、ミクロ孔の容量はDubinin−Radushkevitch(DR)法によって求めた。また、メソ孔容量は上記全細孔容量と上記ミクロ孔の容量との差から求めた。
【0038】
(3)メソ孔径及びミクロ孔径の導出
メソ孔径はBJH(Berret−Joyner−Halenda)法で求め、ミクロ孔径はHK(Horvath−Kawazoe)法で求めた。
【0039】
(4)水蒸気吸着測定
水蒸気吸着測定は日本ベル株式会社製の自動ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP−18を用いて行った。測定条件は,吸着温度を25℃とし相対圧(P/P)0〜0.9の範囲で行った。また、吸着質となる水としては、凍結および脱泡処理を4〜5回繰り返すことにより高純度化した蒸留水を用いた。得られた吸着等温線は横軸を水蒸気相対圧(P/P)とし、縦軸を試料1gあたりに吸着した水蒸気の量(mg/g)として描画した。その結果を、図2に示す。
【0040】
そして、図2から、25℃における水蒸気相対圧P/Pが0.70(相対湿度が70%であることを意味する。以下、RH70と称することがある)の時の水蒸気吸着量と、P/P=0.90(相対湿度が90%であることを意味する。以下、RH90と称することがある)の時の水蒸気吸着量とを調べ、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率を算出した。
水蒸気吸着量比率=RH90のときの水蒸気吸着量/RH70のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【0041】
【表1】
【0042】
表1及び図2から明らかなように、材料Z1〜Z5では、RH90のときの水蒸気吸着量/RH70のときの水蒸気吸着量(以下、RH90/RH70と称することがある)の値が1.0〜1.7であるのに対して、材料A1〜A3では、RH90/RH70の値が2.3〜7.8である。このことから、材料A1〜A3は材料Z1〜Z5に比べて、RH90/RH70の値が大きくなっていることが分かる。したがって、材料Z1〜Z5では、RH70の時点で多孔質炭素の水蒸気吸着余力がほとんどない状態となっているため、RH90となった場合に水蒸気をほとんど吸着できなくなる。これに対して、材料A1〜A3では、RH70の時点において、多孔質炭素の水蒸気吸着余力が十分にある状態となっているため、RH90となった場合であっても、水蒸気を十分に吸着できる。
【0043】
このような結果となったのは、高湿度における水蒸気吸着量はメソ孔容量に依存することによるものと考えられる。即ち、材料A1〜A3ではメソ孔容量が0.834〜1.861ml/gであって、非常に大きくなっているのに対して、材料Z1〜Z5ではメソ孔が存在しないか、存在していてもその容量が0.024〜0.455ml/gであって、非常に小さくなっている。このため、上述の実験結果となったものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は調湿・吸着材、吸着式ヒートポンプ、燃料電池用電極担体等として用いることができる。
【符号の説明】
【0045】
1:ポリアミック酸樹脂
2:酸化マグネシウム
3:炭素質壁
4:細孔
5:多孔質炭素
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2014年6月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であることを特徴とする多孔質炭素。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【請求項2】
上記水蒸気吸着量比率が2.0以上である、請求項1に記載の多孔質炭素。
【請求項3】
上記相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g以上である、請求項1又は
2に記載の多孔質炭素。
【請求項4】
上記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が300mg/g以上700mg/g以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項5】
上記メソ孔の孔径が3nm以上50nm以下であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項6】
上記メソ孔の孔径が4.5nm以上50nm以下である、請求項5に記載の多孔質炭素。
【請求項7】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の多孔質炭素を吸着材として用いることを特徴とする調湿吸着材。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか1項に記載の多孔質炭素を吸着材として用いることを特徴とする吸着式ヒートポンプ。
【請求項10】
請求項1〜7の何れか1項に記載の多孔質炭素を電極の炭素系担体として用いることを特徴とする燃料電池。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は多孔質炭素に関し、特に、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる多孔質炭素に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そこで本発明は、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる多孔質炭素を提供することを目的としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明によれば、高湿度側で水蒸気を十分に吸着することができる多孔質炭素を提供できるといった優れた効果を奏する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下であることが望ましい。
ミクロ孔容量が0.3ml/g未満であると、比表面積を確保することが困難となって、水蒸気を十分に吸着出来ない場合がある。一方、ミクロ孔容量が0.7ml/gを超えると、ミクロ孔容量はミクロ孔への水蒸気拡散速度に影響を与えることに起因して、吸着材としての応答速度(吸着速度)が低下する場合がある。
上述の多孔質炭素を調湿吸着材の吸着材として用いることを特徴とする。また、上述の多孔質炭素を吸着式ヒートポンプの吸着材として用いることを特徴とする。更に、上述の多孔質炭素を燃料電池用電極の炭素系担体として用いることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2014年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下であることを特徴とする多孔質炭素。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【請求項2】
上記メソ孔の孔径が3nm以上50nm以下である、請求項1に記載の多孔質炭素。
【請求項3】
上記メソ孔の孔径が4.5nm以上50nm以下である、請求項2に記載の多孔質炭素。
【請求項4】
上記水蒸気吸着量比率が2.0以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項5】
上記相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g以上である、請求項1〜4の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項6】
上記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が300mg/g以上700mg/g以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項7】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項8】
メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であり、下記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が400mg/g以上700mg/g以下であることを特徴とする多孔質炭素。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【請求項9】
上記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が500mg/g以上700mg/g以下である、請求項8に記載の多孔質炭素。
【請求項10】
上記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が512mg/g以上700mg/g以下である、請求項9に記載の多孔質炭素。
【請求項11】
上記水蒸気吸着量比率が2.0以上である、請求項8〜10の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項12】
上記相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g以上である、請求項8〜11の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項13】
上記メソ孔の孔径が3nm以上50nm以下であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下である、請求項8〜12の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項14】
上記メソ孔の孔径が4.5nm以上50nm以下である、請求項13に記載の多孔質炭素。
【請求項15】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下である、請求項8〜14の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載の多孔質炭素を吸着材として用いることを特徴とする調湿吸着材。
【請求項17】
請求項1〜15の何れか1項に記載の多孔質炭素を吸着材として用いることを特徴とする吸着式ヒートポンプ。
【請求項18】
請求項1〜15の何れか1項に記載の多孔質炭素を電極の炭素系担体として用いることを特徴とする燃料電池。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の多孔質炭素は、メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下であることを特徴とする。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の多孔質炭素は、メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下であることを特徴とする。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
上記水蒸気吸着量比率が1.8未満の場合、相対湿度が70%の時点において、多孔質炭素の水蒸気吸着余力がほとんどない状態(具体的には、多孔質炭素の細孔に水が略充満している状態)となっている。このため、相対湿度が70%を超えた場合には、それ以上の水蒸気をほとんど吸着できず、水蒸気吸着量の制御が困難となる。これに対して、上記水蒸気吸着量比率が1.8以上の場合、相対湿度が70%の時点において、多孔質炭素の水蒸気吸着余力が十分にある状態(具体的には、多孔質炭素の細孔に水が充満していない状態)となっている。このため、相対湿度が70%を超えた場合であっても、それ以上の水蒸気を吸着でき、水蒸気吸着量の制御を十分に行うことが可能となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
一方、上記酸化物として用いる原料はアルカリ土類金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化カルシウム等)の他に、熱処理により熱分解過程で酸化マグネシウムへと状態が変化する、金属有機酸(クエン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム等)、塩化物、硝酸塩、硫酸塩を使用することもできる。
また、酸化物を取り除く洗浄液としては、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酢酸、ギ酸など一般的な無機酸や有機酸を使用し、2mol/l以下の希酸として用いるのが好ましい。また、80℃以上の熱水を使用することも可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
参考例
鋳型粒子として、平均粒径が20nmの酸化マグネシウム粉末を用いた以外は、上記実施例1と同様にして多孔質炭素を作製した。
このようにして作製した多孔質炭素材料を、以下、材料A2と称する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
【表1】
【手続補正書】
【提出日】2015年1月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下であることを特徴とする多孔質炭素。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【請求項2】
上記メソ孔の孔径が3nm以上50nm以下である、請求項1に記載の多孔質炭素。
【請求項3】
上記メソ孔の孔径が4.5nm以上50nm以下である、請求項2に記載の多孔質炭素。
【請求項4】
上記水蒸気吸着量比率が2.0以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項5】
上記相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g以上である、請求項1〜4の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項6】
上記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が300mg/g以上700mg/g以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項7】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項8】
メソ孔とミクロ孔とを備え、下記(1)式に示す水蒸気吸着量比率が1.8以上であり、下記相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量が512mg/g以上700mg/g以下であることを特徴とする多孔質炭素。
水蒸気吸着量比率=相対湿度が90%のときの水蒸気吸着量/相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量・・・(1)
【請求項9】
上記水蒸気吸着量比率が2.0以上である、請求項8に記載の多孔質炭素。
【請求項10】
上記相対湿度が70%のときの水蒸気吸着量が50mg/g以上である、請求項8又は9に記載の多孔質炭素。
【請求項11】
上記メソ孔の孔径が3nm以上50nm以下であり、上記メソ孔の容量が0.9ml/g以上2.0ml/g以下である、請求項8〜10の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項12】
上記メソ孔の孔径が4.5nm以上50nm以下である、請求項11に記載の多孔質炭素。
【請求項13】
上記ミクロ孔容量が0.3ml/g以上0.7ml/g以下である、請求項8〜12の何れか1項に記載の多孔質炭素。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか1項に記載の多孔質炭素を吸着材として用いることを特徴とする調湿吸着材。
【請求項15】
請求項1〜13の何れか1項に記載の多孔質炭素を吸着材として用いることを特徴とする吸着式ヒートポンプ。
【請求項16】
請求項1〜13の何れか1項に記載の多孔質炭素を電極の炭素系担体として用いることを特徴とする燃料電池。