【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明の第一の目的は、
−4から18個の炭素原子を含む脂肪族ジアミンを、
−10から18個の炭素原子を含む脂肪族(脂環式)二酸、および
−連鎖停止剤としての2から12個の炭素原子を含む脂肪族モノカルボン酸
と一緒に縮合させることによって得られるポリアミドを、少なくとも70重量%含むポリアミド組成物から作製されたモノフィラメントを提供することである。
【0007】
一実施形態によれば、脂肪族モノカルボン酸は、酢酸および/またはラウリン酸である。
【0008】
一実施形態によれば、脂肪族ジアミンは、5から12個の炭素原子を含み、好ましくは6個の炭素原子を含む。
【0009】
一実施形態によれば、ポリアミドは、
−アセトアミド末端基を有するポリアミド6.10、または
−ラウラミド末端基を有するポリアミド6.10、または
−アセトアミド末端基を有するポリアミド6.12、または
−ラウラミド末端基を有するポリアミド6.12、または
−アセトアミド末端基を有するポリアミド10.12、または
−ラウラミド末端基を有するポリアミド10.12
である。
【0010】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は、少なくとも75重量%の該ポリアミドを含み、好ましくは少なくとも80重量%または少なくとも85重量%または少なくとも90重量%または少なくとも95重量%または少なくとも98重量%または少なくとも99重量%の該ポリアミドを含む。
【0011】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は、ポリエチレングリコールから誘導されたジアミンと10から18個の炭素原子を含む脂肪族(脂環式)二酸との縮合から生じるポリアミドを含まない。
【0012】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物が、縮合前にモノマーに添加されたアルキレンカーボネートを含まないことは、ポリアミド組成物がホモポリアミド変性エチレンカーボネートを含まないことを意味する。
【0013】
一実施形態によれば、ジアミンと脂肪族(脂環式)二酸の炭素原子数の和は12よりも大きい。
【0014】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は、ピペリドン化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリドンを含まない。
【0015】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は、オルト芳香族ジアミンと10から18個の炭素原子を含む脂肪族(脂環式)二酸との縮合から生じるポリアミドを含まない。
【0016】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は、ポリエチレングリコールから誘導されたジアミンと10から18個の炭素原子を含む脂肪族(脂環式)二酸との縮合から生じるポリアミド、および/またはホモポリアミド変性エチレンカーボネート、および/またはピペリドン化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリドン、および/またはオルト芳香族ジアミンと10から18個の炭素原子を含む脂肪族(脂環式)二酸との縮合から生じるポリアミドを含まない。
【0017】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は100重量%の該ポリアミドを含む。
【0018】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は、該ポリアミドに加えて、1種以上の蛍光増白剤および/または1種以上の酸化防止剤を含み、好ましくは1種以上の蛍光増白剤および/または1種以上の酸化防止剤からなる。
【0019】
本発明の別の目的は、ダイを通してポリアミド組成物を押し出すことを含むモノフィラメントを作製する方法であって、ポリアミド組成物が、
−4から18個の炭素原子を含む脂肪族ジアミンを、
−10から18個の炭素原子を含む脂肪族(脂環式)二酸、および
−連鎖停止剤としての2から12個の炭素原子を含む脂肪族モノカルボン酸
と一緒に縮合させることによって得られるポリアミドを、少なくとも70重量%含む、方法を提供することである。
【0020】
一実施形態によれば、脂肪族モノカルボン酸は、酢酸および/またはラウリン酸である。
【0021】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は上記に記載されたものである。
【0022】
好ましい一実施形態によれば、本発明の方法はバッチプロセスで行われる。
【0023】
本発明の別の目的は、
−4から18個の炭素原子を含む脂肪族ジアミンを、
−10から18個の炭素原子を含む脂肪族(脂環式)二酸
と一緒に縮合させることによって得られるポリアミドを、少なくとも70重量%含むポリアミド組成物から作製されるモノフィラメントを安定化させるための、連鎖停止剤としての2から12個の炭素原子を含む脂肪族モノカルボン酸の使用を提供することである。
【0024】
一実施形態によれば、脂肪族モノカルボン酸は、酢酸および/またはラウリン酸である。
【0025】
一実施形態によれば、ポリアミド組成物は上記に記載されたものである。
【0026】
本発明の別の目的は、1つ以上の上述したモノフィラメントを含む衛生用品、好ましくは歯ブラシを提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、1つ以上の上述したモノフィラメントを含むクレンジング用品、好ましくはブラシを提供することである。
【0028】
本発明は、従来技術の欠点を克服することを可能にする。特に、本発明は、いくつかの実施形態によれば、モノフィラメントに必要な機械的特性を維持しながら、または該機械的特性を改善しながら、改善された安定性(特に改善された加工安定性および/または改善された色安定性)を有するポリアミド組成物から作製されたモノフィラメントを提供することを可能にする。
【0029】
これは、ポリアミドのための連鎖停止剤として、ラウリン酸および/または酢酸(または2から12個の炭素原子を含む別の脂肪族モノカルボン酸)を使用することによって達成される。
【0030】
このタイプの連鎖停止剤は、モノフィラメントの機械的特性を維持(または改善)しながら、ポリアミドの安定性を改善することが見出された。
【0031】
また、このタイプの連鎖停止剤は、望ましくない副作用を誘発する傾向がある他の従来型の連鎖停止剤よりも優れていることが見出された。
【0032】
例えば、安息香酸は従来型の連鎖停止剤であるが、その存在は、さらに高い加工温度を必要とし、望ましくないベンゼン化合物を生成する。
【0033】
同様に、ステアリン酸は別の従来型の連鎖停止剤であるが、その存在は、ほとんどの用途に適さない、脂ぎった/油っぽい感触または手触りを持つモノフィラメントをもたらす。
【0034】
ラウリルアミンは別の可能な連鎖停止剤であるが、それは製品の望ましくない着色につながる。