【解決手段】表示装置であって、複数の画素が配置された表示部と、複数の信号線を介して各画素に画素電圧を印加するソースドライバと、外部から入力される映像信号に基づきソースドライバを制御する制御部を有し、第1及び第2画素は、それぞれ第1及び第2副画素を有し、第1副画素は、光出射部と第1色相のカラーフィルタを有し、第2副画素は、光出射部と第2色相のカラーフィルタを有し、第1画素の第1副画素が有する光出射部の面積は、第2画素の第1副画素が有する光出射部の面積よりも小さく、制御部は、第1画素の第1副画素に入力される映像信号が所定値未満の場合に、第1画素の第1副画素に入力される映像信号を、該映像信号が表す輝度より高い輝度を表す映像信号に変換し、ソースドライバは、変換後の映像信号に基づいて第1画素の第1副画素に画素電圧を印加する、ことを特徴とする。
前記制御部は、前記所定値を超える映像信号と前記所定値との関係に応じて、前記第1画素の前記第2副画素及び第3副画素に入力される各映像信号を変換する、ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
前記制御部は、前記変換後の前記第1画素の前記第2及び第3副画素に入力される各映像信号のうち、前記第2または第3副画素に入力される一方の映像信号が所定値を超える場合に、前記第2または第3副画素に入力される他方の映像信号を、該他方の映像信号が表す輝度よりも高い輝度を表す映像信号に変換する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の表示装置。
前記制御部は、前記第2または第3副画素に入力される前記一方の映像信号と前記所定値との関係に応じて、前記第2または第3副画素に入力される前記他方の映像信号を変換することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
前記制御部は、前記第1乃至第3色相のカラーフィルタの視感度の比率に応じて、前記第1画素の前記第2及び第3副画素に入力される各映像信号を、該各映像信号の表す輝度よりも高い輝度を表す各映像信号に変換することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の表示装置。
前記表示装置は、さらに、第1基板と第2基板を有し、前記干渉部は、前記第1基板と前記第2基板の間に配置されたスペーサであることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置100を示す概略図である。
図1に示すように、例えば、表示装置100は、TFT(Thin film Transistor)等(図示せず)が形成されたTFT基板101と、当該TFT基板101に対向し、カラーフィルタ(図示せず)が設けられたフィルタ基板を有する。また、表示装置100は、TFT基板101及びカラーフィルタ基板102に挟まれた領域に封入された液晶層(図示せず)と、TFT基板101のフィルタ基板側と反対側に接して位置するバックライト103を有する。なお、
図1に示した表示装置100の概略は一例であって、本実施の形態はこれに限定されるものではない。
【0021】
図2は、
図1に示したTFT基板101上に形成された画素回路の概念図である。
図2に示すように表示装置100は、例えば、位置情報保持部200、制御部201、タイミング生成部202、ゲートドライバ203、ソースドライバ204、パネル205を含む。なお、位置情報保持部200は、表示装置100の外部にあってもよい。
【0022】
位置情報保持部200は、
図3に示すように、後述するスペーサが配置された副画素211の位置情報を保持する。具体的には、例えば、位置情報保持部200は、スペーサが配置された副画素211の、パネル205上の横及び縦方向の座標情報を保持する。
【0023】
制御部201は、映像信号選択部206と、映像信号変換部207を含む。制御部は、外部機器から入力される映像信号に基づいてソースドライバを制御する。
【0024】
映像信号選択部206は、位置情報保持部200が保持する位置情報に基づいて、1フレーム分の映像信号のうち、スペーサが配置された副画素211を含む画素210に対応する映像信号を選択する。具体的には、例えば、映像信号選択部206は、1フレーム分の映像信号の中から、位置情報保持部200が保持する座標の副画素211に対応する映像信号と、当該副画素211とともに1つの画素210に含まれる副画素211に対応する映像信号を選択する。
【0025】
映像信号変換部207は、例えば、映像信号選択部206が選択した映像信号を、当該映像信号が表す輝度よりも高い輝度を表す映像信号へ変換する。映像信号変換部207の詳細については後述する。
【0026】
タイミング生成部202は、後述するゲートドライバ203及びソースドライバ204のタイミングを制御する。具体的には、タイミング生成部202は、入力された映像信号の解像度に基づいて、ゲートドライバ203にゲートドライバ203制御信号を出力することにより、ゲートドライバ203を制御する。また、タイミング生成部202は、入力された映像信号の解像度に基づいて、ソースドライバ204にそれぞれソースドライバ204制御信号を出力することによりソースドライバ204を制御する。
【0027】
パネル205には、複数のゲート線208が配置され、当該ゲート線208はゲートドライバ203に接続される。また、パネル205には、複数の映像信号線209がゲート線208と交差して配置され、当該映像信号線209はソースドライバ204に接続される。さらに、パネル205は、ゲート線208及び映像信号線209によりマトリクス状に区画された画素210を有し、各画素210は複数の副画素211を含む。各副画素211には、それぞれ、TFT212と画素電極213と対向電極(図示なし)とカラーフィルタ(図示なし)が配置される。TFT212のゲートは、ゲート線208に接続され、ソース又はドレインの一方は、映像信号線209に接続され、他方は、画素電極213に接続される。
【0028】
ゲートドライバ203は、複数のゲート線208それぞれに対応する複数の基本回路(図示なし)を有する。なお、各基本回路は、複数のTFTや容量を含んで構成され、映像信号に応じて、1フレーム期間のうち、対応するゲート走査期間(信号ハイ期間)にはハイ電圧となり、それ以外の期間(信号ロー期間)にはロー電圧となるゲート信号を、対応するゲート線208に出力する。
【0029】
ソースドライバ204は、複数の映像信号線209信号線それぞれに対応する複数の基本回路(図示なし)を有する。各基本回路は、複数のTFTや容量を含んで構成され、複数の映像信号線209を介して、制御部201が制御する映像信号に応じて、各画素210に画素電圧を印加する。
【0030】
次に、上記のように構成された画素回路の動作の概要について説明する。ゲートドライバ203は、ゲート線208を介してTFT212のゲートにゲート信号を出力する。更に、ソースドライバ204は、ソースドライバ制御信号に基づいて、ゲート信号が出力されたTFT212に対し、映像信号線209を介して映像信号の電圧を供給する。そして、当該映像信号の電圧は、TFT212を介して、画素電極213に印加される。この際、画素電極213と対向電極との間に電位差が生じる。
【0031】
ソースドライバ204が当該電位差を制御することにより、画素電極213と対向電極412の間に挿入された液晶層(図示なし)の配光を制御する。ここで、液晶層には、バックライト103からの光が案内されていることから、上記のように液晶層の配光等を制御することにより、バックライト103からの光の量を調節し、結果として画像を表示する。
【0032】
次に、
図3を参照しながら、パネル205上の概略のレイアウトを示す平面図について説明する。
図3に示すように、パネル205は、マトリックス状に配置された第1乃至第3副画素211を含む複数の画素210を有する。具体的には、例えば、副画素211は、複数のゲート線208及び複数の映像信号線209によってマトリックス状に区画されて配置されている。そして、光出射部401及びカラーフィルタについては後述するが、パネル205は、光出射部401に相互に異なる色相のカラーフィルタが重なって配置された第1乃至第3副画素211を含む画素210を有している。なお、1個の画素210に含まれる副画素211の数は3個に限られず、1個、2個、または、4個以上であってもよい。
【0033】
各副画素211は、TFT212を有する。具体的には、例えば、各副画素211は、ゲート線208及び映像信号線209が交差する近傍に、TFT212を有する。そして、TFT212のゲートは、ゲート線208に接続され、ソース又はドレインの一方は、映像信号線209に接続され、他方は、ドレイン電極300を介して画素電極213に接続される。
【0034】
また、パネル205は、複数の副画素211につき、1つスペーサ301を有する。例えば、
図3に示すように、27個の副画素211のうち1個の副画素211がスペーサ301を有し、スペーサがなければ光出射部401である領域と重ねて配置される。
【0035】
なお、パネル200に配置されたスペーサの大きさは同じものに限らす、大きさの異なるスペーサが配置されていてもよい。具体的には、例えば、一部のスペーサ301は大きく、スペーサ301がなければ光出射部401である領域と重なるように配置され、それ以外のスペーサは小さく、光出射部401の面積を変えないように配置されていてもよい。
【0036】
次に、
図4(a)及び
図4(b)を参照しながら、パネル205の断面図について説明する。
図4(a)は、
図3におけるIII−III断面を示す図であり、スペーサ301が配置された一画素210のTFT212が配置された領域における断面を示している。同様に
図4(b)は、
図3におけるIII’−III’断面を示す図であり、スペーサ301が配置されていない一画素210のTFT212が配置された領域における断面を示している。
図4(a)に示すように、パネル205は、TFT基板101と、カラーフィルタ基板102と、TFT基板101とカラーフィルタ基板102の間に配置された液晶層400を含む。
【0037】
まず、光出射部401と境界部402について説明する。各副画素211は、光出射部401と境界部402とを有する。光出射部401は、カラーフィルタ基板102に赤色カラーフィルタ403、緑色カラーフィルタ404、青色カラーフィルタ405のいずれかが配置され、スペーサ301などの遮光物が配置されておらず、バックライトからの光が表示面側に透過する領域である。一方、境界部402は、遮光層406、または、スペーサ301が配置された領域である。
【0038】
つぎに、TFT基板101の断面の一例について説明する。TFT基板101は、第1基板411と、当該第1基板411に配置されたゲート線208、映像信号線209、ドレイン電極300、画素電極213、第1配向膜408、ゲート絶縁層409、及び、半導体層410を含む。各副画素211が有する光出射部401の領域では、TFT基板101には、主に、第1基板411のカラーフィルタ基板102側に向かって、順に、ゲート絶縁層409、画素電極213、第1配向膜408が配置される。一方、TFT基板101の境界部402のうち、カラーフィルタ基板102側に遮光層406が配置された領域では、第1基板411のカラーフィルタ基板102側に向かって、TFT212と第1配向膜408が配置される。そして、TFT212は、ゲート線208、ゲート絶縁層409、半導体層410、映像信号線209及びドレイン電極300を含んで形成される。
【0039】
次に、カラーフィルタ基板102の断面の一例について説明する。カラーフィルタ基板102は、第2基板407と、カラーフィルタ403,404,405と、遮光層406と、対向電極412と、第2配向膜413、及び、スペーサ301を含む。各副画素211が有する光出射部401の領域では、カラーフィルタ基板102には、TFT基板101側に向かって、順に、カラーフィルタ403,404,405、対向電極412、及び、第2配向膜413が配置される。また、カラーフィルタには、赤色カラーフィルタ403、緑色カラーフィルタ404、青色カラーフィルタ405が含まれる。
【0040】
なお、
図4(a)及び
図4(b)に示す実施形態では、カラーフィルタ403,404,405は、赤色、緑色、及び、青色の色相のカラーフィルタを示しているが、1個の画素210に含まれるカラーフィルタの色相は、赤緑青色の組み合わせに限られない。1個の画素210に含まれるカラーフィルタの色相には、赤緑青白色や赤緑青黄色などの4色の組み合わせや、他の組み合わせが含まれてもよい。
【0041】
また、各副画素211の境界部402のうち、遮光層406が配置された領域では、第2基板407のTFT基板101側に、順に、遮光層406、対向電極412、及び、第2配向膜413が順に配置される。また、各副画素211の境界部402のうち、スペーサ301が配置された境界部402には、第2基板407のTFT基板101側に、遮光層406もしくはカラーフィルタ403,404,405が配置され、遮光層406及びカラーフィルタ403,404,405に重ねて、順に、スペーサ301、対向電極412、及び、第2配向膜413が配置される。
【0042】
スペーサ301は、複数の副画素211のうち1つの副画素211について、スペーサ301が配置されていなければ光出射部401である領域と重ねて配置される。その為、スペーサ301が配置された副画素211が有する光出射部401の面積は、スペーサ301が配置されていない副画素211が有する光出射部401の面積よりも小さい。なお、スペーサ301が配置されていない第2副画素211及び第3副画素211が有する光出射部401の面積はいずれも略等しい。
【0043】
なお、スペーサ301は、複数の色相のカラーフィルタのうち、最も視感度の低い色相のカラーフィルタが配置された副画素211に配置することが望ましい。この場合、視感度の異なる各色相のカラーフィルタのうち、最も視感度の低い色相のカラーフィルタが配置された副画素211の光出射部401と重ねてスペーサ301を配置することで、スペーサ301による輝度の低下を軽減できる。
【0044】
例えば、本発明の実施形態では、赤緑青各色の視感度比率は、およそ、青:赤:緑=1.1:3:5であり、赤緑青各色のカラーフィルタ403,404,405の中で、青色カラーフィルタ405を通って光出射部401から出射される光の視感度が最も低い。従って、青色の副画素211の遮光物が配置されていない領域と重ねてスペーサ301を配置した場合は、赤色または緑色の副画素211の遮光物が配置されていない領域と重ねてスペーサ301を配置する場合よりも、画素210の輝度低下を軽減できる。なお、以下の説明において、第1副画素211はスペーサ301が配置され、光出射部401の面積が小さくなった副画素211とし、第2及び第3副画素211はスペーサ301が配置されていない副画素211とする。
【0045】
具体的には、
図4(a)に示すように、スペーサ301は、
図4(b)に示すスペーサ301が配置されていなければ光出射部401である領域と重ねて配置される。また、赤緑青色のカラーフィルタ403,404,405が配置された副画素211のうち、青色カラーフィルタ405を有する副画素211にスペーサ301が配置される。なお、
図4(b)に示すように、スペーサ301が配置されていない青色副画素211の平面及び断面は、赤色及び緑色カラーフィルタ403,404が配置された副画素211の平面及び断面と、カラーフィルタの色相を除いて同等である。なお、第1及び第2配向膜408,413、ゲート絶縁層409、偏光板、遮光層406、カラーフィルタ403,404,405、及び、液晶層400については、従来技術と同等であるため、説明を省略する。
【0046】
次に、
図5を用いて、映像信号変換部207の構成と各構成の動作を説明する。映像信号変換部207は、変換比率保持部500、視感度比率保持部501、所定値保持部502、経過情報保持部503、所定値変換部504、差分算出部505、判定部506、及び、増幅部507を有する。
【0047】
変換比率保持部500は、スペーサ301が配置されることによって低下した光出射部401の面積の低下した割合、すなわち光出射部401の面積の比率(以下、光出射面積比と呼ぶ)を保持する。具体的には、例えば、スペーサ301が配置されていない副画素211の光出射部401の面積を100とした場合に、スペーサ301が配置された副画素211の光出射部401の面積が80であれば、変換比率保持部500は、80%という光出射面積比を保持する。なお、変換比率保持部500は、スペーサ301が配置された複数の副画素211のうち、各々の副画素211の光出射面積比を個別に保持していてもよいし、全ての副画素211に共通の光出射面積比を保持していてもよい。
【0048】
視感度比率保持部501は、各カラーフィルタを通って光出射部401から出射される光の視感度の比率(以下、視感度比率と呼ぶ)を保持する。具体的には、例えば、1個の画素210に含まれる各副画素211に、赤緑青色のカラーフィルタ403,404,405がそれぞれ配置される場合、視感度比率保持部501は、青:赤:緑=1.1:3:5という視感度比率を保持する。
【0049】
所定値保持部502は、1つの画素210に含まれる各副画素211それぞれに対応する映像信号について、それぞれソースドライバ204が制御する上限である所定値を保持する。例えば、1個の画素210が第1乃至第3副画素211を含む場合は、所定値保持部502は、それぞれ対応する第1乃至第3所定値を保持する。なお、1個の画素210が1、2または4個以上の副画素211を含む場合は、それぞれ対応する所定値を保持する。具体的には、例えば、1個の画素210に赤緑青の3個の副画素211が含まれ、各副画素211に対応する各映像信号がそれぞれ8ビットである場合を一例として説明すると、各映像信号の範囲は0乃至255階調となる。そのため、第1乃至第3の映像信号の所定値はいずれも255階調となる。なお、映像信号の所定値は色ごとに異なっていてもよい。例えば、赤色、及び、青色の映像信号の所定値は32階調で、緑色映像信号の所定値は64階調であってもよい。
【0050】
経過情報保持部503は、1個の画素210に含まれる各副画素211に入力する各映像信号、及び、各副画素211に配置されたカラーフィルタの色相の組み合わせに関する情報(以下、色情報と呼ぶ)を保持する。具体的には、例えば、経過情報保持部503は、後述する増幅部507が増幅を行う各過程における、各映像信号と対応する映像信号が所定値未満である色情報を保持する。すなわち、経過情報保持部503は、各過程で変化する各映像信号及び色情報を一時的に保存する。また、経過情報保持部503の動作の具体例については後述する。
【0051】
所定値変換部504は、例えば、後述する判定部506が、第1乃至第3映像信号が所定値を超えると判定した場合、当該所定値を超えた映像信号を、それぞれ対応する第1乃至第3映像信号の所定値に変換する。具体的には、後述する増幅部507による変換後の青色映像信号が315階調であり、青色映像信号の所定値が255階調である場合、所定値変換部504は、青色映像信号を255階調に変換する。
【0052】
差分算出部505は、例えば、所定値変換部504が第1乃至第3映像信号を所定値に変換する場合に、第1乃至第3所定値を超えた映像信号と、それぞれ対応する第1乃至第3所定値との差分を算出する。例えば上記の例では、後述する増幅部507による変換後の青色映像信号が315階調であり、青色映像信号の所定値が255階調であるため、差分算出部505は、60階調という差分を算出する。
【0053】
判定部506は、後述する増幅部507によって変換された各色の副画素211に対応する各映像信号が、各所定値を超えるか判定を行う。具体的には、例えば、増幅部507による変換後の青色映像信号が300階調であり、青色映像信号の所定値が255階調である場合、判定部506は、変換後の青色映像信号は青色映像信号の所定値を超えると判定する。
【0054】
増幅部507は、入力された映像信号が表す輝度を増幅する。具体的には、例えば、映像信号選択部206が選択した映像信号を、当該映像信号が表す輝度よりも高い輝度を表す映像信号に変換する。この際、増幅部507は、光出射面積比、視感度比率、差分算出部505の算出結果、または、経過情報保持部503が保持する色情報に基づいて映像信号を変換する。増幅部507が映像信号を変換する際に用いる情報は状況に応じて異なるが、以下に、各状況において増幅部507が行う映像信号変換の具体例を、
図6を用いて説明する。
【0055】
図6は、1個の画素210に含まれる第1乃至第3副画素211にそれぞれ対応する第1乃至第3映像信号を増幅部507が増幅する各過程において、経過情報保持部503が保持する、各副画素211に対応する各映像信号、及び、色情報を示す。なお、上記具体例を説明するにあたって、1個の画素210は第1乃至第3副画素211を含み、第1副画素211には、青色カラーフィルタが配置され、第2副画素211には、赤色カラーフィルタが配置され、第3副画素211には、緑色カラーフィルタが配置されているものとする。また、青色副画素211にスペーサ301が配置され、光出射面積比は80%であるとする。また、視感度比率は、青:赤:緑=1.1:3:5であるとする。また、映像信号選択部206が選択した映像信号は、
図6の2行目に示すように(青,赤,緑)=(252,250,100)であり、赤色、緑色、青色の映像信号の所定値はいずれも255階調であるとする。さらに、映像信号と輝度は正比例する、すなわち、映像信号と輝度の相関関係を表すγ特性が1である、として以下の説明を行う。
【0056】
まず、映像信号選択部206が1個の画素210に対応する各映像信号を選択した際に、増幅部507は、当該各映像信号のうち、スペーサ301が配置された第1副画素211に対応する映像信号を変換する(第1の処理)。この際、増幅部507は、光出射面積比に応じて、当該第1副画素211に対応する第1の処理前の第1映像信号が表す輝度よりも高い輝度を表す第1映像信号に変換する。つまり、スペーサ301が配置された副画素211の輝度が、第1の処理前の第1映像信号がスペーサ301の配置されていない副画素211に入力された場合の輝度と略同一となるように、映像信号を変換する。これにより、増幅部507は、スペーサ301が配置されることによる当該副画素211の輝度の低下を補償する。
【0057】
上記具体例では、増幅部507は、青色映像信号252階調を、光出射面積比80%に基づいて変換する。つまり、増幅部507は、映像信号252階調を0.8で除算した315階調という映像信号に変換する。なお、増幅部507は、第1の処理において、赤色及び緑色映像信号の変換は行わない。従って、
図6で示すように、第1の処理後の経過情報保持部503は、(青,赤,緑)=(315,250,100)という各映像信号を保持する。なお、後にフローチャートを用いて説明するが、次の判定部506による判定の後で、第2の処理の前に、所定値変換部504は、第1の処理後に所定値を超えた青色映像信号315階調を青色映像信号の所定値255階調に変換する。
【0058】
また、上記具体例では、判定部506は、青色映像信号が青色映像信号の所定値を超えると判定しているため、経過情報保持部503は、初期状態から保持していた青色、赤色、および、緑色という色情報から、青色という情報を削除する。従って、
図6で示すように、第1の処理後の経過情報保持部503は、赤色及び緑色という色情報を保持する。
【0059】
次に、第1の処理後の第1副画素211に対応する第1映像信号について判定部506が判定を行い、判定部506が所定値を超えると判定した際、増幅部507は、第2及び第3副画素211に対応する第2及び第3映像信号を、第2及び第3映像信号が表す輝度よりも高い輝度を表す映像信号に変換する(第2の処理)。この際、増幅部507は、第1の処理による変換後の第1映像信号と第1所定値との関係、及び、視感度比率に応じて、第2及び第3映像信号を変換する。
【0060】
具体的には、例えば、増幅部507は、第1所定値と第1の処理後の第1映像信号の差分が表す輝度を第1副画素211以外の副画素211の数で等分する。その等分された輝度に対応して、第1副画素211以外の副画素211の輝度がそれぞれ増加されるように、第1副画素211以外の副画素211に入力する映像信号を変換する。これにより、スペーサ301が配置されることによる輝度の低下を、第1映像信号を変換するだけでは当該画素210の輝度を補償できない場合であっても、画素210単位で補償することができる。
【0061】
なお、第1所定値と第1映像信号の差分を等分する場合について説明したが、差分を等分する場合に限られず、特定の副画素の輝度を優先的に増幅させてもよい。例えば、1個の画素が、赤色、緑色、青色、白色の4色の副画素を含む場合であって、上記第2の処理を行う場合には、白色の副画素のみ、所定値を超えた青色映像信号と所定値の差分が表す輝度の量を増加させるようにしてもよい。この場合、赤色及び緑色映像信号の表す輝度を増加させる場合よりも、色相の変化を軽減できる。なお、判定部506が所定値を超えないと判定した場合、第2及び後述する第3の処理は行わない。
【0062】
上記具体例では、増幅部507は、赤色映像信号250と緑色映像信号100を変換する。この場合、青色映像信号315と第1所定値255の差は60階調であり、青色映像信号60階調が表す輝度の量に基づいて、赤色映像信号250階調が表す輝度と、緑色映像信号100階調が表す輝度を、増幅する。この時、赤色副画素211と緑色副画素211の輝度を均等に増幅するため、増幅部507は、赤色及び緑色副画素211の輝度に対して、それぞれ青色映像信号60階調が表す輝度を等分して加算する。
【0063】
ここで、赤色と青色の視感度比率は、赤:青=3:1.1であるため、青色映像信号60階調が表す輝度の1/2の輝度は、赤色映像信号11階調が表す輝度に相当する。従って、増幅部507は、赤色映像信号250階調を261階調に変換する。同様に、緑色と青色の視感度比率は、緑:青=5:1.1であるため、青色映像信号60階調が表す輝度の1/2の輝度は、緑色映像信号6.6階調が表す輝度に相当する。ここで、階調は整数値であるため、増幅部507は、適宜四捨五入等を行う。そのため、増幅部507は、緑色映像信号100階調を107階調に変換する。従って、
図6で示すように、第2の処理後の各映像信号は、(青,赤,緑)=(255,261,107)となる。なお、後にフローチャートを用いて説明するが、次の判定部506による判定の後で、第3の処理の前に、所定値変換部504は、第2の処理後に所定値を超えた赤色映像信号261階調を赤色映像信号の所定値255階調に変換する。
【0064】
また、上記具体例では、判定部506は、赤色映像信号が赤色映像信号の所定値を超えると判定しているため、経過情報保持部503は、第1の処理後に保持している赤色、および、緑色という色情報から、赤色という情報を削除する。従って、
図6で示すように、第2の処理後の経過情報保持部503は、緑色という色情報を保持する。
【0065】
次に、第2の処理後の第2及び第3映像信号について判定部506が判定を行い、判定部506が第2及び第3映像信号の一方が第2又は第3所定値を超えると判定した際、増幅部507は、他方の映像信号を、当該他方の映像信号が表す輝度よりも高い輝度を表す映像信号に変換する(第3の処理)。この際、増幅部507は、第2の処理による変換後の第2又は第3映像信号と第2又は第3所定値との関係、視感度比率、及び、経過情報保持部503が保持する色情報に応じて、第2又は第3映像信号を変換する。なお、判定部506が、第2及び第3映像信号が共に所定値を超えると判定した場合、及び、共に所定値を超えないと判定した場合は、第3の処理は行わない。
【0066】
上記具体例では、赤色映像信号261と赤色映像信号の所定値255の差は6階調であり、赤と緑の視感度比率は赤:緑=3:5であるため、赤色映像信号6階調が表す輝度は、緑色映像信号3.6階調が表す輝度に相当する。ここで、階調は整数値であるため、増幅部507は、適宜四捨五入等を行い、また、経過情報保持部503が緑色という色情報を保持していることから、緑色映像信号107階調を111階調に変換する。従って、
図6で示すように、第3の処理後の各映像信号は、(青,赤,緑)=(255,255,111)となる。
【0067】
なお、第3の処理の後に、所定値を超える映像信号がある場合、所定値変換部504は、当該所定値を超えた映像信号を所定値に変換する。上記具体例では、緑色映像信号は111階調であり、緑色映像信号の所定値255を超えない為、所定値変換部504は、緑色映像信号の変換を行わない。従って、ソースドライバは、変換後の(青,赤,緑)=(255,255,111)という映像信号によって、映像信号選択部206が選択した1個の画素に含まれる各副画素に画素電圧を印加する。
【0068】
次に、映像信号変換部207の動作を、
図7、
図8及び、上記と同じ具体例を用いて説明する。まず、映像信号選択部206には、例えば、外部機器から1フレーム分の映像信号が入力される(S701)。次に、映像信号選択部206は、位置情報保持部200が保持する位置情報に基づいて、1フレーム分の映像信号の中から、スペーサ301が配置された副画素211を含む画素210に対応する映像信号を選択する(S702)。上記具体例では、映像信号選択部206は、(青,赤,緑)=(252,250,100)という1画素分の映像信号を選択する。なお、選択されない映像信号は、外部機器から入力された状態のまま、ソースドライバ204へ出力される(S712)。
【0069】
次に、経過情報保持部503は、1個の画素210に含まれる各副画素211に配置されたカラーフィルタの色の組み合わせに関する色情報を保持する(S703)。上記具体例では、赤色、緑色、青色という組み合わせの色情報を保持する。
【0070】
次に、増幅部507は、映像信号選択部206が選択した映像信号のうち、スペーサ301が配置された第1副画素211に対応する第1映像信号を、光出射面積比に応じて変換する(S704)。上記具体例では、増幅部507は、252階調という青色映像信号を、80%という光出射面積比に基づいて、315階調という青色映像信号に変換する。
【0071】
次に、判定部506は、S704において増幅部507によって変換された映像信号が、所定値を超えるか、判定を行う(S705)。変換後の映像信号が所定値を超える場合はS706へ進み、超えない場合はS712へ進む。上記具体例では、315階調は255階調より大きい為、判定部506は、変換後の映像信号は所定値を超える、と判定する。なお、S705において、変換後の第1映像信号が第1所定値を超えないと判定された場合は、第1乃至第3映像信号は、ソースドライバ204へ出力される(S712)。
【0072】
次に、S705において判定部506が変換後の第1映像信号が第1所定値を超えると判定した場合、経過情報保持部503は、S705において第1映像信号に対応する副画素211に配置されたカラーフィルタの色情報を削除する(S706)。上記具体例では、青色映像信号が飽和したため、経過情報保持部503は、赤色、緑色、青色という色情報から青色という色情報を削除する。その結果、経過情報保持部503は、赤色及び緑色という色情報を保持する。
【0073】
次に、所定値変換部504は、所定値を超えた第1映像信号を、第1所定値に変換する(S707)。上記具体例では、S704において、判定部506が、青色映像信号は青色映像信号の所定値を超えると判定しているため、所定値変換部504は、青色映像信号315階調を、青色映像信号の所定値255階調に変換する。
【0074】
続いて、差分算出部505は、S707において所定値変換部504が変換する前の第1所定値を超えた第1映像信号と、第1所定値の差分を算出する(S708)。具体例では、差分算出部505は、青色映像信号315階調と青色映像信号の所定値255階調の差分60階調を算出する。
【0075】
次に、増幅部507は、S709前の第2及び第3映像信号を、S709前の第2及び第3映像信号が表す輝度よりも高い輝度を表す第2及び第3映像信号に変換する(S709、S710)。上記具体例では、増幅部507は、赤色映像信号250階調を261階調に変換し、緑色映像信号100階調を107階調に変換する。
【0076】
次に、判定部506は、S708及びS709において、増幅部507によって変換された第2及び第3映像信号が、第2及び第3所定値を超えるかどうか判定を行う(S711,S801)。なお、フローチャートを記載する都合上、S711とS801を分けて記載しているが、判定部506はS711とS801の処理を同時に行う。S708及びS709における変換後の第2及び第3映像信号が、ともに第2及び第3所定値を超えない場合はS712へ進み、第2及び第3映像信号がともに所定値を超える場合はS802へ進み、第2及び第3映像信号のうち一方の映像信号が対応する所定値を超える場合はS803へ進む。
【0077】
S712へ進んだ場合は、第1乃至第3映像信号は、ソースドライバ204へ出力される。S802へ進んだ場合は、第2及び第3映像信号は、それぞれ第2及び第3所定値に変換された上で、ソースドライバ204へ出力される。上記具体例では、赤色映像信号260階調は、赤色映像信号の所定値255を超え、緑色映像信号107階調は、緑色映像信号の所定値255を超えないため、判定部506は、第2及び第3の映像信号のうち一方の映像信号が対応する所定値を超えると判定する。従って、S803へ進む。
【0078】
次に、S711及びS801において、判定部506が、第2及び第3の映像信号のうち一方の映像信号が対応する所定値を超えると判定した場合、経過情報保持部503は、S711及びS801において所定値を超えると判定した映像信号に対応する色情報を削除する(S803)。上記具体例では、赤色映像信号が赤色映像信号の所定値を超えると判定されたため、経過情報保持部503は、S803の前に保持している赤色及び緑色という色情報から、赤色という色情報を削除する。
【0079】
次に、所定値変換部504は、S711及びS801において、所定値を超えたと判定された映像信号を、対応する所定値に変換する(S804)。上記具体例では、S711及びS801において、判定部506が、赤色映像信号が赤色映像信号の所定値を超えると判定しているため、所定値変換部504は、赤色映像信号261階調を、255階調に変換する。続いて、差分算出部505は、S804において、所定値変換部504が変換した映像信号の差分を算出する(S805)。上記具体例では、差分算出部505は、赤色映像信号261階調と255階調の差分6階調を算出する。
【0080】
次に、増幅部507は、S711及びS801において、経過情報保持部503の保持する情報と、S805における差分算出部505の算出結果に基づいて、所定値を超えていないと判定された第2又は第3映像信号の一方を変換する(S806)。上記具体例では、経過情報保持部503は緑色の色情報を保持しているため、緑色映像信号107階調を111階調に変換する。
【0081】
次に、判定部506は、S806において変換された第2または第3映像信号が、対応する所定値を超えるか判定する(S807)。S807において、第2または第3映像信号が、第2または第3所定値を超えると判定された場合は、所定値変換部504は、所定値を超えると判定された第2または第3映像信号を、対応する所定値に変換する(S808)。
【0082】
S807において、第2または第3映像信号が、対応する所定値を超えないと判定された場合は、第1乃至第3映像信号は、ソースドライバ204へ出力される(S809)。上記具体例では、変換後の映像信号はいずれも所定値を超えていない為、(青,赤,緑)=(255,255,111)という映像信号がソースドライバ204へ出力される。
【0083】
なお、上記の説明では、スペーサが配置された1個の画素について映像信号を変換する場合について説明を行ったが、スペーサが配置された他の画素についても、映像信号変換部は、上記と同様の映像信号の変換を行う。一方、スペーサが配置されていない画素に入力される映像信号は映像信号選択部206に選択されないため、映像信号変換部は、スペーサが配置されていない画素に入力される映像信号について、上記と同様の映像信号の変換を行わない。従って、スペーサが配置された画素とスペーサが配置されていない画素に、所定値未満の一定輝度を表す映像信号が入力される場合、スペーサが配置されていない画素よりもスペーサが配置された画素に対して、ソースドライバ204は高い輝度を表す映像信号を出力する。
【0084】
以上のように、映像信号変換部207は、スペーサ301による輝度低下および表示むらを、当該副画素211が属する画素210の映像信号を変換することによって、軽減する。本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【0085】
具体的には、例えば、上記においては、上記の具体例では、γ特性が1であるとして説明を行ったが、実際には、γ特性が2.2であってもよいし、その他の値であってもよい。ただし、γ特性が1でない場合は、増幅部507は、γ特性が1である場合と輝度の増幅の度合が同じとなるように、映像信号変換を行う。
【0086】
また、上記においては、青色副画素211にスペーサ301が配置される場合について説明したが、これに限られない。例えば、赤色や緑色副画素211にスペーサ301が配置される構成であってもよいし、
図9に示すように、スペーサ301が、青色副画素211と共に赤色副画素211に配置される構成、または、その他の組み合わせであってもよい。1つの画素210を形成する副画素211のうち、複数の副画素211にスペーサ301が配置される構成の場合は、増幅部507は、各々の副画素211に配置されたスペーサ301による光透過部の面積の低下比率に基づいて、各々の副画素211に対応する映像信号を変換する。
【0087】
さらに、上記説明では、1つの画素210が、赤緑青3色の副画素211から形成される構成される場合について説明した。しかしながら、本発明は、1つの画素210が赤緑青3色の副画素211から形成される構成される場合に限られず、白色や黄色の副画素211を加えた赤緑青白や赤緑青黄という4色の副画素211から形成される構成であってもよい。また、1つの画素210が、4色以上の副画素211から形成される構成であってもよい。
【0088】
また、特許請求の範囲に記載の干渉部は、例えば上記スペーサ301が相当する。しかしながら、干渉部は、スペーサに限られずセンサー等であってもよい。具体的には、例えば、パネル205に対して、バックライト103の反対側から入射する外光の強度を検知するフォトセンサーが、スペーサ301の代わりに配置されてもよい。なお、センサーは、フォトセンサーに限らず、静電容量の変化を検知するセンサーなど、他のセンサーであってもよい。
【0089】
また、以上の説明においては、液晶表示装置を想定して説明したが、有機EL素子、無機EL素子やFED(Field-Emission Device)など、各種の発光素子を用いた表示装置であってもよい。また、以上説明した表示装置100は、パソコン用ディスプレイ、TV放送受信用ディスプレイ、公告表示用ディスプレイ等の各種の情報表示用の表示装置として採用できる。また、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーションシステム、カーオーディオ、ゲーム機器、携帯情報端末など、各種の電子機器の表示部として利用することも可能である。