【解決手段】情報処理装置は、選択された時間帯において売り場内に存在した販売接客者の位置と、顧客の位置と、に基づいて、選択された時間帯において販売接客者が接客できたのに接客していなかった総接客可能時間を算出し(S10〜S30)、該総接客可能時間と、選択された時間帯において売り場内に存在していた顧客の数とに基づいて、販売機会ロス期待値を算出する(S32)。
前記処理装置は、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した顧客の数を前記接客可能時間で除した値に基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行うことを特徴とする請求項1に記載の評価システム。
前記処理装置は、前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置に基づいて、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析し、出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の評価システム。
前記処理装置は、前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において、前記販売接客者がレジ近傍に位置した時間、前記販売接客者がカウンター近傍に位置した時間、及び前記販売接客者がバックヤードに位置した時間を算出し、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析することを特徴とする請求項3に記載の評価システム。
所定の時間帯において店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の店舗内位置と、に基づいて、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者が接客できたのに接客していなかった接客可能時間を算出し、
前記接客可能時間と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の数とに基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行う、処理をコンピュータに実行させる評価プログラム。
所定の時間帯において店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の店舗内位置と、に基づいて、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者が接客できたのに接客していなかった接客可能時間を算出する工程と、
前記接客可能時間と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の数とに基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行う工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする評価方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態にかかる評価システムについて、
図1〜
図13に基づいて詳細に説明する。
図1には、一実施形態にかかる評価システム100の構成が概略的に示されている。なお、評価システム100は、デパートなどの店舗の売り場内における販売接客者及び顧客の位置を検出し、当該検出結果や商品の売上の情報などに基づいて、販売接客者による販売機会損失に関する評価を実行するシステムである。販売接客者による販売機会損失に関する評価には、販売機会を損失した度合い(販売機会ロス期待値)の算出や、該販売機会ロス期待値が高い要因の分析が含まれる。
【0012】
評価システム100は、
図1に示すように、販売接客者位置検出装置20と、顧客位置検出装置30と、レジ端末40と、処理装置としての情報処理装置10と、利用者端末50と、管理端末60とを備える。評価システム100の各部は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワーク80に接続されている。
【0013】
販売接客者位置検出装置20は、売り場内における販売接客者の位置を検出する装置である。販売接客者位置検出装置20は、一例として、売り場内に複数設けられたWiFi基地局と、販売接客者それぞれが保持する端末と、を有し、WiFi基地局と端末との間の通信強度に基づいて、販売接客者の売り場内における位置を検出する。なお、販売接客者位置検出装置20による検出結果は情報処理装置10に送信される。
【0014】
顧客位置検出装置30は、売り場内における顧客の位置を検出する装置であり、一例として複数のレーザセンサを有するものとする。顧客位置検出装置30は、ある顧客が売り場の領域に入ってから出るまでの位置の変化を追跡することができる。なお、顧客位置検出装置30による検出結果は、情報処理装置10に送信される。
【0015】
なお、販売接客者位置検出装置20及び顧客位置検出装置30は、上記構成に限らず、その他の位置検出可能な装置(例えば、カメラを利用した装置など)を採用することとしてもよい。
【0016】
レジ端末40は、商品の売上に関するデータを蓄積し、情報処理装置10に送信する。商品の売上に関するデータには、商品の情報(商品名や価格)の他、売上時刻や商品を販売した販売接客者の情報(氏名等)などが含まれる。
【0017】
情報処理装置10は、販売接客者位置検出装置20、顧客位置検出装置30及びレジ端末40からデータを取得し、該データを処理して販売接客者による販売機会損失に関する評価を実行する装置である。
【0018】
図2には、情報処理装置10のハードウェア構成が概略的に示されている。この
図2に示すように、情報処理装置10は、CPU90、ROM92、RAM94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えており、情報処理装置10の構成各部は、バス98に接続されている。情報処理装置10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(評価プログラム)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(評価プログラム)をCPU90が実行することにより、
図3の各部の機能が実現される。
【0019】
図3は、情報処理装置10の機能ブロック図を示している。
図3に示すように、情報処理装置10においては、CPU90がプログラムを実行することで、データ収集部12と、解析部14と、出力部16としての機能が実現されている。なお、
図3には、HDD96等に格納されている記憶装置としての売上実績テーブル72、販売接客者移動軌跡テーブル74、顧客移動軌跡テーブル76、作業状況時系列テーブル78も図示されている。
【0020】
データ収集部12は、販売接客者位置検出装置20、顧客位置検出装置30及びレジ端末40からデータを収集し、売上実績テーブル72、販売接客者移動軌跡テーブル74、及び顧客移動軌跡テーブル76に格納する。
【0021】
ここで、売上実績テーブル72は、
図4(a)に示すような、データ構造を有している。具体的には、売上実績テーブル72は、「領収書No.」、「レジNo.」、「商品分類」、「商品コード」、「商品名」、「売上時刻」、「売上金額」、「売上者」の各フィールドを有する。「領収書No.」のフィールドには、領収書の識別番号(通し番号)が格納され、「レジNo.」のフィールドには、レジの識別番号が格納される。「商品分類」のフィールドには、顧客が購入した商品の分類(Yシャツ、ネクタイなど)が格納され、「商品コード」のフィールドには、商品の識別コードが格納され、「商品名」のフィールドには、商品の名称が格納される。また、「売上時刻」のフィールドには、顧客が商品を購入した時刻(売上者が商品の情報を入力した時刻)が格納され、「売上金額」のフィールドには、売り上げた商品の金額が格納され、「売上者」のフィールドには、売り上げた販売接客者の氏名が格納される。
【0022】
販売接客者移動軌跡テーブル74は、
図4(b)に示すような、データ構造を有している。具体的には、
図4(b)に示すように、販売接客者移動軌跡テーブル74は、「時刻」及び「位置」の各フィールドを有しており、各時刻における各販売接客者の位置(X,Y座標で表される位置)を格納する。なお、販売接客者移動軌跡テーブル74は、販売接客者ごとに用意されているものとする(
図4(b)は、販売接客者Pのテーブルを示している)。
【0023】
顧客移動軌跡テーブル76は、
図4(c)に示すような、データ構造を有している。具体的には、
図4(c)に示すように、顧客移動軌跡テーブル76は、「時刻」及び「位置」の各フィールドを有しており、各時刻における各顧客の位置(X,Y座標で表される位置)を格納する。なお、顧客移動軌跡テーブル76は、販売接客者ごとに用意されているものとする(
図4(c)は、顧客Kのテーブルを示している)。
【0024】
図3に戻り、解析部14は、売上実績テーブル72、販売接客者移動軌跡テーブル74、及び顧客移動軌跡テーブル76に格納されているデータを用いて、販売接客者による販売機会損失に関する評価を行う。なお、解析部14の具体的な処理については、後述する。
【0025】
出力部16は、解析部14の評価結果を利用者端末50に対して出力する。
【0026】
利用者端末50は、例えば、店舗において販売接客者の管理を行っている人が利用するPC(Personal Computer)などの端末、あるいは販売接客者が利用する端末である。利用者端末50は、解析部14の評価結果を閲覧するために利用される。
【0027】
管理端末60は、評価システム100の管理者が利用する端末であり、解析部14の処理において用いる各種閾値などを設定する端末である。
【0028】
次に、本実施形態の評価システム100の処理について、
図5〜
図13に基づいて説明する。
【0029】
(販売機会ロス期待値の算出処理)
まず、解析部14が実行する販売機会ロス期待値の算出処理について、
図5に基づいて説明する。なお、店舗内には、
図6に示すような売り場とバックヤードが存在し、売り場には、レジ及びカウンターが設置されているものとする。
【0030】
なお、
図5の処理は、例えば、店舗が閉店している夜間において、1日の間に取得されたデータを用いて実行される処理である。
【0031】
図5の処理では、まず、ステップS10において、解析部14が、1日のうちの最初の時間帯を選択する。なお、時間帯とは、30分や1時間単位の時間幅を意味する。
【0032】
次いで、ステップS12では、解析部14が、売り場やバックヤード内に存在していた販売接客者のうち、最初の販売接客者を選択する。
【0033】
次いで、ステップS14では、解析部14が、選択された時間帯に関する選択された販売接客者の作業状況時系列テーブル78を作成する。ここで、作業状況時系列テーブル78は、
図7に示すようなデータ構造を有している。具体的には、作業状況時系列テーブル78には、「接客」を行っていた時間の情報(開始時刻、終了時刻、時間)、及び「レジ」、「カウンター」、「バックヤード」で作業を行っていた時間の情報(開始時刻、終了時刻、時間)が格納される。また、「レジ」で作業を行っていた場合には、そのときに売り上げた商品の商品分類も格納される。
【0034】
ここで、解析部14は、販売接客者移動軌跡テーブル74の販売接客者の位置と、顧客移動軌跡テーブル76の顧客の位置とに基づいて、販売接客者が顧客と所定距離以内に接近した状態を所定時間以上維持した場合に「接客」を行っていたと判断する。具体的には、解析部14は、
図8(a)に示すように、各時刻における販売接客者と顧客の位置関係から、販売接客者・顧客間の距離を求め、
図8(b)に示すように、グラフ化する。そして、解析部14は、販売接客者・顧客間の距離が所定距離(一点鎖線のライン)以内の状態を接客判定時間閾値以上維持した場合に、「接客」を行っていたと判断する。
【0035】
また、解析部14は、販売接客者移動軌跡テーブル74の販売接客者の位置に基づいて、
図9(a)に示すように、バックヤード中心の位置からの距離の変化を求め、当該距離が所定の閾値(一点鎖線で示すライン)よりも小さい状態が所定時間継続した場合に、販売接客者がバックヤード内に存在していると判断する。また、解析部14は、販売接客者移動軌跡テーブル74の販売接客者の位置に基づいて、
図9(b)に示すように、カウンターからの距離の変化を求め、当該距離が所定の閾値(一点鎖線で示すライン)よりも小さい状態が所定時間継続した場合に、販売接客者がカウンターで作業をしていると判断する。また、解析部14は、販売接客者移動軌跡テーブル74の販売接客者の位置に基づいて、
図9(c)に示すように、レジからの距離の変化を求め、当該距離が所定の閾値(一点鎖線で示すライン)よりも小さい状態が所定時間継続した場合に、販売接客者がレジで作業をしていると判断する。そして、解析部14は、各状態の開始時刻、終了時刻を作業状況時系列テーブル78に格納するとともに、各状態の継続時間(=終了時刻−開始時刻)を算出して、作業状況時系列テーブル78の「時間」の欄に格納する。更に、解析部14は、選択されている販売接客者が「レジ」で作業していた時間内において売り上げた商品を売上実績テーブル72から取得し、作業状況時系列テーブル78の「売上商品分類」の欄に格納する。
【0036】
次いで、ステップS16では、解析部14が、作業状況時系列テーブル78に基づいて、接客時間(=SL)を集計する。この場合、接客時間(SL)の集計結果として、SL=L1+L2+L3+L4+L5+L6+…が得られる。
【0037】
次いで、ステップS18では、解析部14が、作業状況時系列テーブル78に基づいて、レジ時間(R)、カウンター時間(C)、バックヤード時間(B)を集計する。この場合も、レジ時間(R)の集計結果として、R=R1+R2+R3+…が得られ、カウンター時間(C)の集計結果として、C=C1+C2+C3+…が得られ、バックヤード時間(B)の集計結果として、B=B1+…が得られる。
【0038】
次いで、ステップS20では、解析部14が、接客可能時間を算出する。ここで、解析部14は、次式(1)に基づいて接客可能時間を算出する。
接客可能時間=総作業時間−(SL+R+C+B) …(1)
【0039】
なお、接客可能時間は、販売接客者が接客できたはずであるのに接客していなかった時間を意味する。
【0040】
次いで、ステップS24では、解析部14が、全ての販売接客者を処理済か否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS26に移行し、解析部14が、次の販売接客者を選択し、ステップS14に戻る。以降、ステップS14〜S26の処理・判断を繰り返し、ステップS24の判断が肯定された段階で、ステップS30に移行する。
【0041】
なお、ステップS30に移行した段階では、選択された時間帯における、全販売接客者の接客可能時間が集計されている。
【0042】
次いで、ステップS30では、解析部14が、選択された時間帯について、全販売接客者の接客可能時間を集計する。なお、ここでの集計結果を、以下においては、「総接客可能時間」と呼ぶものとする。
【0043】
次いで、ステップS32では、解析部14が、販売機会ロス期待値を算出する。なお、販売機会ロス期待値は、次式(2)に基づいて算出する。
販売機会ロス期待値=顧客数÷総接客可能時間 …(2)
【0044】
ここで、販売機会ロス期待値は、総接客可能時間が一定の場合、顧客数が多いほど大きい値となり、顧客数が一定の場合、総接客可能時間が少ないほど大きい値となる。すなわち、販売機会ロス期待値は、より多くの時間を接客に割いていれば増やすことができた販売機会の多さを意味している。
【0045】
次いで、ステップS34では、解析部14が、全時間帯の処理が終了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS36に移行し、解析部14が、次の時間帯を選択した後、ステップS12に戻る。その後は、ステップS12以降の処理・判断を繰り返し、全時間帯の処理が終了した段階で、
図5の全処理を終了する。
【0046】
なお、本実施形態では、
図5の全処理を終了した段階で、
図10(a)に示すような販売機会ロス期待値の変化が得られたとする。また、顧客数、バックヤード滞留時間、カウンター時間、レジ時間は、
図10(b)〜
図10(e)に示すような時間変化を示したものとする。
【0047】
(要因分析処理)
次に、
図11のフローチャートに沿って、要因分析処理について説明する。本処理は、販売機会ロス期待値が大きい時間帯において、販売機会ロス期待値を大きくした要因を分析する処理である。
【0048】
図11の処理では、まず、ステップS50において、解析部14が、最初の時間帯を選択する。次いで、ステップS52では、解析部14が、選択した時間帯の販売機会ロス期待値を取得する。
【0049】
次いで、ステップS54では、解析部14が、取得した販売機会ロス期待値が閾値を超えているか否かを判断する。なお、販売機会ロス期待値が閾値を超えている時間帯とは、販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯であるといえる。ここでの判断が否定された場合には、ステップS74に移行し、解析部14は、全時間帯の処理が終了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、解析部14は、ステップS76において次の時間帯を選択した後、ステップS52に戻る。すなわち、ステップS54、S74が否定されている間は、販売機会ロス期待値が閾値を超えている時間帯を探索しているともいえる。
【0050】
販売機会ロス期待値が閾値を超えている時間帯があった場合、ステップS54の判断は肯定され、ステップS56に移行する。
【0051】
ステップS56に移行した場合、解析部14は、最初の販売接客者を選択する。次いで、ステップS58では、解析部14が、販売機会ロス期待値が閾値を超えている時間帯に関する、選択された販売接客者の作業状況時系列テーブル78を作成する。なお、本ステップS58の処理は、
図5のステップS14と同様の処理である。
【0052】
次いで、ステップS60では、解析部14が、最初の商品を選択する。なお、本ステップでは、解析部14は、「C1コート」や「S2スーツ」などの商品分類を選択する。
【0053】
次いで、ステップS62では、解析部14が、選択された商品に紐づくレジ時間(R)、カウンター時間(C)、バックヤード時間(B)を集計する。ここでは、
図7に示すように、ある商品を売り上げた後、次の商品を売り上げるまでの時間が当該次の商品に関する作業を行った時間に相当する。したがって、解析部14は、選択した商品に関する作業を行った時間のうちの、レジ時間(R)、カウンター時間(C)、バックヤード時間(B)を、選択された商品に紐づくレジ時間(R)、カウンター時間(C)、バックヤード時間(B)として集計する。
【0054】
次いで、ステップS64では、解析部14が、作業状況時系列テーブルにある全ての商品を処理を終了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS66に移行し、解析部14は、次の商品を選択した後、ステップS62、S64の処理・判断を上記と同様にして実行する。そして、ステップS64の判断が肯定された段階で、ステップS68に移行する。
【0055】
ステップS68に移行すると、解析部14は、全ての販売接客者についての処理が終了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS70に移行し、解析部14は、次の販売接客者を選択した後、ステップS58に戻る。その後は、ステップS58〜S70の処理・判断を繰り返し、全販売接客者の処理が終了した段階(ステップS68の判断が肯定された段階)で、ステップS72に移行する。
【0056】
ステップS72に移行すると、解析部14は、商品単位で、レジ時間、カウンター時間、バックヤード時間を集計する。
図12は、ステップS72の集計結果の一例を示すグラフである。
【0057】
次いで、ステップS74では、解析部14が、全時間帯の処理が終了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、解析部14は、ステップS76に移行し、次の時間帯を選択した後、ステップS52に戻る。
【0058】
一方、全時間帯の処理が終了し、ステップS74の判断が肯定された場合には、
図11の全処理を終了する。
【0059】
本実施形態では、
図11の処理の後、出力部16が、
図13に示すような情報を利用者端末50に対して出力する。
図13の情報の中には、販売機会ロス期待値が所定の閾値(一点鎖線のライン)を超えた時間帯の情報が含まれているとともに、当該時間帯において各商品の売上のために費やした時間(レジ時間(R)、カウンター時間(C)、バックヤード時間(B))が含まれている。
図13の情報を閲覧した人(販売接客者や販売接客者を管理する管理者)は、商品「J2ジャケット」のカウンター時間やバックヤード時間が長いため、改善の余地がある、ということを知ることができる。これにより、店舗の売り上げの向上のための販売接客者に対する施策を講じることが可能になるとともに、バックヤード内における商品配置などの施策を講じることも可能となる。
【0060】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、情報処理装置10は、選択された時間帯において売り場内に存在した販売接客者の位置と、顧客の位置と、に基づいて、選択された時間帯において販売接客者が接客できたのに接客していなかった総接客可能時間を算出し、該総接客可能時間と、選択された時間帯において売り場内に存在していた顧客の数とに基づいて、販売機会ロス期待値を算出する。このように、販売接客者の位置と顧客の位置とに基づいて算出される総接客可能時間から販売機会ロス期待値を算出することで、販売機会損失に関する評価を適切に行うことができる。
【0061】
また、本実施形態によると、情報処理装置10は、販売機会ロス期待値を、選択された時間帯において売り場内に存在した顧客の数を総接客可能時間で除して算出するので、簡易な計算により販売機会損失に関する評価を適切に行うことができる。
【0062】
また、本実施形態によると、情報処理装置10は、販売機会ロス期待値が所定の閾値を超えている時間帯において売り場内に存在した販売接客者の位置に基づいて、販売接客者の行動を分析し、出力する(
図13)。これにより、販売機会ロス期待値が所定の閾値を超えた要因を分析し、出力することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態によると、情報処理装置10は、販売機会ロス期待値が所定の閾値を超えている時間帯において、売上商品に紐づく販売接客者のレジ時間(R)、カウンター時間(C)、及びバックヤード時間(B)を算出し、販売接客者の行動を分析するので、販売機会ロス期待値が所定の閾値を超えた要因がどの商品に対するどの作業であるかを分析することが可能となる。
【0064】
なお、上記実施形態では、
図13に示すように、販売機会ロス期待値が閾値を超えた時間帯において、各商品に紐づくレジ時間、カウンター時間、及びバックヤード時間を算出し、出力する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、商品を考慮せずに、該時間帯におけるレジ時間、カウンター時間、及びバックヤード時間を算出し、出力するようにしてもよい。このようにしても、どの作業に時間を費やしているかを分析することが可能となる。
【0065】
また、上記実施形態では、販売機会ロス期待値を上式(2)に基づいて算出する場合について説明したが、これに限らず、顧客数と総接客可能時間を用いたその他の式に基づいて算出することとしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、
図13の情報において、比較対象として、販売機会ロス期待値が閾値を超えていない時間帯における、各商品に紐づくレジ時間、カウンター時間、及びバックヤード時間を出力するようにしてもよい。
【0067】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0068】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0069】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0070】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0071】
なお、以上の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 販売接客者の店舗内位置を検出する販売接客者位置検出装置と、
顧客の店舗内位置を検出する顧客位置検出装置と、
所定の時間帯において店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の店舗内位置と、に基づいて、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者が接客できたのに接客していなかった接客可能時間を算出し、該接客可能時間と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の数とに基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行う処理装置と、を備える評価システム。
(付記2) 前記処理装置は、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した顧客の数を前記接客可能時間で除した値に基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行うことを特徴とする付記1に記載の評価システム。
(付記3) 前記処理装置は、前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置に基づいて、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析し、出力することを特徴とする付記1又は2に記載の評価システム。
(付記4) 前記処理装置は、前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において、前記販売接客者がレジ近傍に位置した時間、前記販売接客者がカウンター近傍に位置した時間、及び前記販売接客者がバックヤードに位置した時間を算出し、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析することを特徴とする付記3に記載の評価システム。
(付記5) 売上商品と、売上時刻と、前記売上商品を売り上げた販売接客者の情報と、を関連付けて記憶する記憶装置を更に備え、
前記処理装置は、前記記憶装置を参照して、売上商品ごとに、該売上商品を売り上げるために前記売上商品を売り上げた販売接客者がレジ近傍に位置した時間、該販売接客者がカウンター近傍に位置した時間、及び該販売接客者がバックヤードに位置した時間を算出し、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析することを特徴とする付記4に記載の評価システム。
(付記6) 所定の時間帯において店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の店舗内位置と、に基づいて、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者が接客できたのに接客していなかった接客可能時間を算出し、
前記接客可能時間と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の数とに基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行う、処理をコンピュータに実行させる評価プログラム。
(付記7) 前記評価を行う処理では、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した顧客の数を前記接客可能時間で除した値に基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行うことを特徴とする付記6に記載の評価プログラム。
(付記8) 前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置に基づいて、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析し、出力する処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする付記6又は7に記載の評価プログラム。
(付記9) 前記分析し、出力する処理では、前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において、前記販売接客者がレジ近傍に位置した時間、前記販売接客者がカウンター近傍に位置した時間、及び前記販売接客者がバックヤードに位置した時間を算出し、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析することを特徴とする付記8に記載の評価プログラム。
(付記10) 売上商品と、売上時刻と、前記売上商品を売り上げた販売接客者の情報と、を関連付けて記憶する処理を前記コンピュータが更に実行し、
前記分析し、出力する処理では、売上商品ごとに、該売上商品を売り上げるために前記売上商品を売り上げた販売接客者がレジ近傍に位置した時間、該販売接客者がカウンター近傍に位置した時間、及び該販売接客者がバックヤードに位置した時間を算出し、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析することを特徴とする付記9に記載の評価プログラム。
(付記11) 所定の時間帯において店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の店舗内位置と、に基づいて、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者が接客できたのに接客していなかった接客可能時間を算出する工程と、
前記接客可能時間と、前記所定の時間帯において店舗内に存在した顧客の数とに基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行う工程と、をコンピュータが実行することを特徴とする評価方法。
(付記12) 前記評価を行う工程では、前記所定の時間帯において前記店舗内に存在した顧客の数を前記接客可能時間で除した値に基づいて、前記所定の時間帯における販売機会損失に関する評価を行うことを特徴とする付記11に記載の評価方法。
(付記13) 前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において前記店舗内に存在した販売接客者の店舗内位置に基づいて、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析し、出力する工程を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする付記11又は12に記載の評価方法。
(付記14) 前記分析し、出力する工程では、前記販売機会損失に関する評価が予め定めた基準よりも悪い時間帯において、前記販売接客者がレジ近傍に位置した時間、前記販売接客者がカウンター近傍に位置した時間、及び前記販売接客者がバックヤードに位置した時間を算出し、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析することを特徴とする付記13に記載の評価方法。
(付記15) 売上商品と、売上時刻と、前記売上商品を売り上げた販売接客者の情報と、を関連付けて記憶する工程を前記コンピュータが更に実行し、
前記分析し、出力する工程では、売上商品ごとに、該売上商品を売り上げるために前記売上商品を売り上げた販売接客者がレジ近傍に位置した時間、該販売接客者がカウンター近傍に位置した時間、及び該販売接客者がバックヤードに位置した時間を算出し、前記店舗内に存在した販売接客者の行動を分析することを特徴とする付記14に記載の評価方法。