特開2015-53860(P2015-53860A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 林物産発明研究所の特許一覧

<>
  • 特開2015053860-植物保護材 図000003
  • 特開2015053860-植物保護材 図000004
  • 特開2015053860-植物保護材 図000005
  • 特開2015053860-植物保護材 図000006
  • 特開2015053860-植物保護材 図000007
  • 特開2015053860-植物保護材 図000008
  • 特開2015053860-植物保護材 図000009
  • 特開2015053860-植物保護材 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-53860(P2015-53860A)
(43)【公開日】2015年3月23日
(54)【発明の名称】植物保護材
(51)【国際特許分類】
   A01G 13/00 20060101AFI20150224BHJP
【FI】
   A01G13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-186902(P2013-186902)
(22)【出願日】2013年9月10日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
(57)【要約】
【課題】本発明は、エラストマー製でなく、下部植物保護材と同じ材質でも突状部からの反圧を軽減する植物保護材の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、人や車の踏圧から植物を保護する上下2層構造からなる植物保護材であって、下部植物保護材は下部踏圧部と下部透水部からなり、下部踏圧部は間隔を隔て連結された複数の突状部から構成され、下部透水部は前記突状部で囲まれた空間であり、かつ下部踏圧部を構成する突状部の頂点には上部植物保護材を連結するための連結孔部が設けられ、上部植物保護材は、上部踏圧部と上部透水部とから構成され、上部踏圧部は下部踏圧部を構成する各突状部を覆う、連結した伏皿状部から構成され、上部透水部は伏皿状部で囲まれた空間であり、伏皿状部下部に爪部が設けられ、当該爪部が突状部の頂部に設けられた連結孔部に連結する上下2層構造からなる植物保護材である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人や車の踏圧から植物を保護する植物保護材であって、本植物保護材は、踏圧部と透水部とから構成され、踏圧部は間隔を隔てて連結された伏皿状部から構成され、透水部は伏皿状部で囲まれた空間であり、伏皿状部下部に爪部が設けられた植物保護材。
【請求項2】
人や車の踏圧から植物を保護する上下2層構造からなる植物保護材であって、下部植物保護材は下部踏圧部と下部透水部からなり、下部踏圧部は間隔を隔て連結された複数の突状部から構成され、下部透水部は前記突状部で囲まれた空間であり、かつ下部踏圧部を構成する突状部の頂点には上部植物保護材を連結するための連結孔部が設けられ、上部植物保護材は、上部踏圧部と上部透水部とから構成され、上部踏圧部は下部踏圧部を構成する各突状部を覆う、連結した伏皿状部から構成され、上部透水部は伏皿状部で囲まれた空間であり、伏皿状部下部に爪部が設けられ、当該爪部が突状部の頂部に設けられた連結孔部に連結する上下2層構造からなる植物保護材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芝生、クローバ等の匍匐植物を人や車の踏圧から保護する植物保護材に属する。
【背景技術】
【0002】
公園の緑地における立ち入り禁止処置を解除するため芝生やクローバ等の匍匐植物を人や車の踏圧から保護する植物保護材がある。
これらは突状部を、間隔を開けて連結し、突状部で囲まれた空間に芝生等を育成し、突状部で人や車からの踏圧を支え植物に直接伝わらないようにしており、広く使用されている。(例えば特開平07−227154)
しかし突状部からの反圧が人の脚に伝わるため、それを緩和するため前記ブロックの突状部を柔らかいエラストマー製のブロックで覆う方法が提案されている。(例えば特開平05−056724、特開2009−131233)
これらの方法は、下部植物保護材の突状部の肩部に設けた羽根でリング状に形成された上部植物保護材の踏圧部を支えるため、その大きさに制限があった。またリング状の踏圧部のためと材質がエラストマー製のため突状部に直接踏圧がかかる場合があった。
エラストマー製でなく、下部植物保護材と同じ材質でも突状部からの反圧を軽減する手段が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−227154
【特許文献2】特開平05−056724
【特許文献3】特開2009−131233
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、エラストマー製でなく、下部植物保護材と同じ材質でも突状部からの反圧を軽減する植物保護材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第1の発明は、人や車の踏圧から植物を保護する植物保護材であって、本植物保護材は、踏圧部と透水部とから構成され、踏圧部は間隔を隔てて連結された伏皿状部から構成され、透水部は伏皿状部で囲まれた空間であり、伏皿状部下部に爪部が設けられた植物保護材である。
踏圧部を伏皿状とすることで踏圧を分散し、その反力を軽減するとともに、伏皿状部下部に爪部を設けることで扁平な伏皿状部を土壌に固定できるようにした。
本第2の発明は、人や車の踏圧から植物を保護する上下2層構造からなる植物保護材であって、下部植物保護材は下部踏圧部と下部透水部からなり、下部踏圧部は間隔を隔て連結された複数の突状部から構成され、下部透水部は前記突状部で囲まれた空間であり、かつ下部踏圧部を構成する突状部の頂点には上部植物保護材を連結するための連結孔部が設けられ、上部植物保護材は、上部踏圧部と上部透水部とから構成され、上部踏圧部は下部踏圧部を構成する各突状部を覆う、連結した伏皿状部から構成され、上部透水部は伏皿状部で囲まれた空間であり、伏皿状部下部に爪部が設けられ、当該爪部が突状部の頂部に設けられた連結孔部に連結する上下2層構造からなる植物保護材の頂部に設けられた連結孔部に連結する上下2層構造からなる植物保護材である。
上部踏圧部を下部踏圧部の頂点を介し連結したことで上部踏圧部を構成する伏皿状部が突状部を広範囲に覆い、突状部からの半圧が直接足に伝わらないようにした。
【発明の効果】
【0006】
本第1の発明は、付皿状部を踏圧部として連結し、かつその下部に爪部を設けた構造としたため、以下の効果がある。(1)踏圧部を伏皿状部とすることでクッション性が向上し、踏圧からの反力が軽減する。(2)爪部を設けたことで土壌との固定が向上する。
本第2の発明の2層構造からなる植物保護材は、伏皿状の上部踏圧部を下部踏圧部の頂点を介し連結したことで、上部踏圧部を構成する伏皿状部が突状部を広く覆うので、以下の効果がある。(1)皿状部が大きくできるため踏圧からの反力が小さくなる。(2)従来のエラストマーでなく、下部植物保護材と同じ材質でも反力の軽減が可能となる。(3)伏皿状とすることで地表面を広く覆い、踏圧により植物保護部材が沈下することを防いでいる。(4)伏皿状とすることで人がその上を歩くとき障害物となることを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本第1発明を構成する植物保護材の概念図である。
図2】本第2発明を構成する下部植物保護材の概念図である。
図3】本第2発明を構成する上部植物保護材の概念図である。
図4】本第2発明を構成する植物保護材の断面の概念図である。
図5】従来の2層構造を有する植物保護材の下部植物保護材の概念図である。
図6図5に示す下部踏圧部と上部踏圧部の拡大図である。
図7】従来の2層構造を有する植物保護材の上部植物保護材の概念図である。
図8】従来の2層構造を有する植物保護材の下部植物保護材の断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下第1発明を図により詳細に説明する。
図1は、本第1発明を構成する植物保護材の概念図であり、平面図と断面図を示している。
図に示すように伏皿状部からなる踏圧部がリブにて連結されている。踏圧部の下部には土壌に契合させるための爪部が設けられている。本爪部は第2発明の2層構造である下部植物保護材と契合するためにも適用される。伏皿状部の形状も図に示す形状に限らず、断面が弓状となるものでもよい。平面形状も円である必要はない。透水部を確保できればその大きさ、形状に特に制限がない。
【0009】
以下本第2発明を図により詳細に説明する。
図2は、本発明を構成する下部植物保護材の概念図であり、平面図と断面図を示している。図5に示す従来の突状部を連結した植物保護材と特に変わることはない。違いは従来のそれは下部踏圧部を構成する突状部(以下、下部踏圧部、突状部併せて下部踏圧部という。)の側面に沿って羽根を設け、上部植物保護材の踏圧部を支えているが本図にはその羽根が存在しない(図6参照)。しかし、本発明においてはあっても何他問題はない。
【0010】
図に示したとおり、複数の突状部がその下方でリブにより連結されている。
突状部の頂点には上部踏圧部を構成する伏皿部に設けた連結用爪部が挿入される連結孔部が設けられている。また、底部には板状の縁部が透水部を囲むように設けられている。踏圧によって植物保護材が沈下するのを防ぐ役割を果たしている。さらに、下部植物保護材の側部には左右前後に互いに連結するための継手が設けられている。
【0011】
図3は、本発明を構成する上部植物保護材の概念図であり、平面図と断面図である。図に示すように上部踏圧部を構成する伏皿状部(以下、上部踏圧部、伏皿状部併せて上部踏圧部という。)がリブにて連結されている。上部踏圧部の下部には下部植物保護材と連結するための爪部が設けられている。上部植物保護材と下部植物保護材は伏皿状部に設けた爪部で下部踏圧部頂点に設けた連結孔に契合することで接続するため、上部踏圧部は上部透水部を確保できればその大きさ、形状に特に制限がない。
図7に示す従来の上部植物保護材が下部踏圧部の側面に沿って設けた羽根の上に載置され接続するため、その大きさは羽根の大きさに依存する。上述した方法で接続するため、上部踏圧部の表面積を大きくできるため地表面を覆う面積も広くすることができる。その結果、下部踏圧部からの反力を軽減できると共に、植物保護材が踏圧により沈下する程度を軽減することができる。
【0012】
図4は下部植物保護材上に上部植物保護材を載置し、連結した状態を示している。
上述したように、上部踏圧部下部に設けた爪部を下部踏圧部頂部に設けた連結孔部に挿入し、連結した。下部植物保護部材はその側面に設けた継手で持って前後左右に連結するが、上部植物保護材は前後左右に連結する必要はない。
【0013】
本植物保護材は熱可塑性のポリプロピレン樹脂等を射出成形して形成される。特に上部植物保護材は従来通りエラストマー等柔らかい素材でもよいが、下部植物保護材と同じ樹脂から製造可能である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
公園等の芝生広場等に使用し、人の立ち入りを許容する広場とすることができる。また緑の駐車場として利用することができる。
【符号の説明】
【0015】
1 植物保護材
2 下部植物保護材
21 下部踏圧部(突状部)
22 下部透水部
23 連結孔部
24 リブ
25 縁部
3 上部植物保護材
31 上部踏圧部(伏皿状部)
32 上部透水部
33 爪部
4 従来の植物保護材
5 従来の下部植物保護材
51 羽根
6 従来の上部植物保護材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8