(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-54520(P2015-54520A)
(43)【公開日】2015年3月23日
(54)【発明の名称】パルス発生回路及びこれを用いたインクジェットヘッド駆動装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/045 20060101AFI20150224BHJP
【FI】
B41J2/045
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-60526(P2014-60526)
(22)【出願日】2014年3月24日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0110211
(32)【優先日】2013年9月13日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヒュン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、エウン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】リー、クワン ドゥ
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF99
2C057AM22
2C057AR04
2C057BA03
2C057BA14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】正確なパルス電圧を生成でき、装置サイズを最小限にすることができる圧電アクチュエータのパルス発生回路及びこれを用いたインクジェットヘッド駆動装置を提供する。
【解決手段】入力データから複数のパルス信号を生成し、生成された上記複数のパルス信号を並列に出力するパルス信号生成部110と、並列に入力された上記複数のパルス信号にそれぞれ対応する複数のパルス電圧を相互独立的に生成し、生成された上記複数のパルス電圧を複数のアクチュエータのそれぞれに並列に出力するパルス電圧生成部120と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの入力データから複数のパルス信号を生成し、生成された前記複数のパルス信号を並列に出力するパルス信号生成部と、
前記複数のパルス信号にそれぞれ対応する複数のパルス電圧を生成し、前記複数のパルス電圧を複数のアクチュエータのそれぞれに出力するパルス電圧生成部と、を含む、インクジェットヘッド駆動装置。
【請求項2】
前記入力データは、順に構成された複数のデジタル信号を含む、請求項1に記載のインクジェットヘッド駆動装置。
【請求項3】
前記パルス信号生成部は、前記複数のデジタル信号を所定単位に区分して前記複数のパルス信号を生成する、請求項2に記載のインクジェットヘッド駆動装置。
【請求項4】
前記パルス信号生成部は、順に配列された前記複数のデジタル信号を前記複数のパルス信号に相応する個数の並列形態で出力するシフトレジスタと、前記シフトレジスタの並列出力を同期化して出力するラッチと、を含む、請求項2または3に記載のインクジェットヘッド駆動装置。
【請求項5】
前記パルス電圧生成部は、前記複数のパルス信号の入力をそれぞれ受けて前記複数のパルス電圧をそれぞれ生成する複数のパルス電圧生成器を含む、請求項1から4の何れか1項に記載のインクジェットヘッド駆動装置。
【請求項6】
前記複数のパルス電圧生成器は、前記パルス信号生成部と並列に連結され、前記複数のアクチュエータとそれぞれ直列に連結される、請求項5に記載のインクジェットヘッド駆動装置。
【請求項7】
前記複数のパルス電圧生成器は、前記パルス信号の入力を受け、前記パルス信号のレベルに応じて第1経路または第2経路に前記パルス信号を出力するスイッチ回路部と、前記第1経路と連結され、ピーク電圧を用いることで前記パルス信号を増幅して前記パルス電圧を生成し、生成された前記パルス電圧をアクチュエータに出力する増幅回路部と、を含む、請求項5または6に記載のインクジェットヘッド駆動装置。
【請求項8】
前記複数のパルス電圧生成器は、前記第2経路と前記アクチュエータとの間に連結され、前記スイッチ回路部で出力された前記パルス信号を用いて前記アクチュエータに蓄電された所定の電荷を放電させる放電回路部をさらに含む、請求項7に記載のインクジェットヘッド駆動装置。
【請求項9】
パルス信号の入力を受け、前記パルス信号のレベルに応じて第1経路または第2経路に前記パルス信号を提供するスイッチ回路部と、
前記第1経路と連結され、前記パルス信号のレベルに応じて外部から入力されたピーク電圧を用いてパルス電圧を生成し、生成された前記パルス電圧をアクチュエータに出力する増幅回路部と、を含む、パルス生成回路。
【請求項10】
前記パルス信号は、所定レベルのハイレベルまたはローレベルを有するデジタル信号である、請求項9に記載のパルス生成回路。
【請求項11】
前記スイッチ回路部は、前記パルス信号が前記ハイレベルであると前記第1経路に前記パルス信号を出力し、前記パルス信号が前記ローレベルであると前記第2経路に前記パルス信号を出力する、請求項10に記載のパルス生成回路。
【請求項12】
前記パルス生成回路は、前記第2経路と前記アクチュエータとの間に連結され、前記スイッチ回路部で出力された前記パルス信号を用いて前記アクチュエータに蓄電された所定の電荷を放電させる放電回路部をさらに含む、請求項9から11の何れか1項に記載のパルス生成回路。
【請求項13】
前記放電回路部は、前記スイッチ回路部と連結され、前記パルス信号のレベルを反転して出力するインバータ回路部と、前記インバータ回路部の出力がハイレベルであると前記アクチュエータをグランド端子と連結して前記アクチュエータを放電させる放電スイッチ部と、を含む、請求項12に記載のパルス生成回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス発生回路及びこれを用いたインクジェットヘッド駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ技術の発展に伴い、多様なプリンタが開発されている。特に、ヘッドの精密駆動に対する技術が発展されるにつれ、インクジェットプリンタの開発が加速化されている。
【0003】
このようなインクジェットヘッド駆動技術の場合、複数の圧電アクチュエータをより精密に制御することが主な技術的争点となる。また、圧電アクチュエータは電圧制御素子であるため、より正確な電圧を効率的に提供することがインクジェットヘッド駆動技術の核心技術となっている。
【0004】
従来は、デジタル信号に応じたアナログ電圧を増幅してアクチュエータに供給することでインクジェットヘッドを駆動する技術が用いられていた。しかし、この場合、デジタル−アナログ変換によるエラーが発生し、アナログ増幅器などが必須となるためインクジェットヘッド制御装置のサイズが大きくなるという問題点があった。
【0005】
下記特許文献1は、インクジェット式プリントヘッドの駆動装置及びその制御方法並びに液滴吐出装置に関するものであるが、アクチュエータを制御するためには増幅電圧を生成する別途の構成を備えなければならないため、上述した限界点を依然として有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2004−0077461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決するためのもので、パルス電圧を個別に生成することができるパルス発生回路を用いてアクチュエータに提供されるパルス電圧を生成することにより、正確なパルス電圧を生成することができ、装置サイズを最小限にすることができるパルス発生回路及びこれを用いたインクジェットヘッド駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1技術的な側面は、インクジェットヘッド駆動装置を提案する。上記インクジェットヘッド駆動装置は、入力データから複数のパルス信号を生成し、生成された上記複数のパルス信号を並列に出力するパルス信号生成部と、並列に入力された上記複数のパルス信号にそれぞれ対応する複数のパルス電圧を相互独立的に生成し、生成された上記複数のパルス電圧をそれぞれの複数のアクチュエータに並列に出力するパルス電圧生成部と、を含む。
【0009】
一実施例において、上記入力データは、順に配列された複数のデジタル信号を含むことができる。
【0010】
一実施例において、上記パルス信号生成部は、順に配列された上記複数のデジタル信号を所定単位別に区分して上記複数のパルス信号を生成することができる。
【0011】
一実施例において、上記パルス信号生成部は、順に配列された上記複数のデジタル信号を上記複数のパルス信号に相応する個数の並列形態で出力するシフトレジスタと、上記シフトレジスタの並列出力を同期化して出力するラッチと、を含むことができる。
【0012】
一実施例において、上記パルス電圧生成部は、上記複数のパルス信号の入力をそれぞれ受けて上記複数のパルス電圧をそれぞれ生成する複数のパルス電圧生成器を含むことができる。
【0013】
一実施例において、上記複数のパルス電圧生成器は、上記パルス信号生成部と並列に連結され、上記複数のアクチュエータとそれぞれ直列に連結されることができる。
【0014】
一実施例において、上記パルス電圧生成器は、上記パルス信号の入力を受け、上記パルス信号のレベルに応じて第1経路または第2経路に上記パルス信号を出力するスイッチ回路部と、上記第1経路と連結され、ピーク電圧を用いて上記パルス信号を増幅して上記パルス電圧を生成し、生成された上記パルス電圧をアクチュエータに出力する増幅回路部と、を含むことができる。
【0015】
一実施例において、上記パルス電圧生成器は、上記第2経路と上記アクチュエータとの間に連結され、上記スイッチ回路部で出力された上記パルス信号を用いて上記アクチュエータに蓄電された所定の電荷を放電させる放電回路部をさらに含むことができる。
【0016】
本発明の第2技術的な側面は、パルス生成回路を提案する。上記パルス生成回路は、パルス信号の入力を受け、上記パルス信号のレベルに応じて第1経路または第2経路に上記パルス信号を提供するスイッチ回路部と、上記第1経路と連結され、上記パルス信号のレベルに応じて外部から入力されたピーク電圧を用いてパルス電圧を生成し、生成された上記パルス電圧をアクチュエータに出力する増幅回路部と、を含む。
【0017】
一実施例において、上記パルス信号は、所定レベルのハイレベルまたはローレベルを有するデジタル信号であることができる。
【0018】
一実施例において、上記スイッチ回路部は、上記パルス信号が上記ハイレベルであると上記第1経路に上記パルス信号を出力し、上記パルス信号が上記ローレベルであると上記第2経路に上記パルス信号を出力することができる。
【0019】
一実施例において、上記パルス生成回路は、上記第2経路と上記アクチュエータとの間に連結され、上記スイッチ回路部で出力された上記パルス信号を用いて上記アクチュエータに蓄電された所定の電荷を放電させる放電回路部をさらに含むことができる。
【0020】
一実施例において、上記放電回路部は、上記スイッチ回路部と連結され、上記パルス信号のレベルを反転して出力するインバータ回路部と、上記インバータ回路部の出力がハイレベルであると上記アクチュエータをグランド端子と連結して上記アクチュエータを放電させる放電スイッチ部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態によると、パルス電圧を個別に生成することができるパルス発生回路を用いてアクチュエータに提供されるパルス電圧を生成することにより、正確なパルス電圧を生成することができ、装置サイズを最小限にすることができるという効果がある。
【0022】
本発明の一実施形態によると、パルス発生回路及びこれを制御するパルス信号生成部を一つの集積回路として製作することができることにより、生産単価の節減及び装置の小型化を達成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一般のインクジェットヘッド駆動装置の一例を示す構成図である。
【
図2】本発明によるインクジェットヘッド駆動装置の一実施例を示す構成図である。
【
図3】本発明によるパルス生成回路の一実施例を示す回路図である。
【
図4】
図3のパルス生成回路の動作を説明するための参考回路図である。
【
図5】
図3のパルス生成回路の動作を説明するための参考回路図である。
【
図6】本発明の一実施例による出力電圧の特性を示すグラフである。
【
図7】本発明の一実施例による充放電特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0025】
図1は一般のインクジェットヘッド駆動装置の一例を示す構成図である。
【0026】
インクジェットヘッド駆動装置10は、インクジェットヘッドのアクチュエータ20に駆動電圧を提供することができる。
【0027】
図1を参照してより詳細に説明すると、インクジェットヘッド駆動装置10は、デジタル・アナログコンバータ11、増幅器12、及び高電圧スイッチ13を含むことができる。
【0028】
デジタル・アナログコンバータ11は、外部から提供される入力データをアナログ信号に変換して出力する。
【0029】
増幅器12は、入力されたアナログ信号を増幅して高電圧パルス信号を生成する。一般に、増幅器12は、このような高電圧を生成するために、多段増幅素子で構成される。
【0030】
増幅された高電圧パルス信号は、高電圧スイッチ13によって複数のアクチュエータに分けられて印加される。
【0031】
図1のインクジェットヘッド駆動装置には、デジタル−アナログ変換が必須であり、十分な増幅率を得るために多段の増幅素子が必要である。
【0032】
図2は本発明によるインクジェットヘッド駆動装置の一実施例を示す構成図である。
【0033】
図2に示されている本発明によるインクジェットヘッド駆動装置100は、
図1をもって上述したインクジェットヘッド駆動装置10とは異なって、別途のデジタル−アナログ変換及びアナログ多段増幅素子を必要としない。
【0034】
図2を参照すると、インクジェットヘッド駆動装置100は、パルス信号生成部110及びパルス電圧生成部120を含むことができる。
【0035】
パルス信号生成部110は、一つの入力データから複数のパルス信号を生成し、生成された複数のパルス信号を並列に出力することができる。
【0036】
一実施例において、入力データは、順に構成された複数のデジタル信号を含むことができる。ここで、パルス信号生成部110は、順に構成されたデジタル信号を所定単位に区分して複数のパルス信号を生成することができる。
【0037】
一実施例において、並列に出力された複数のパルス信号は、パルス電圧生成部120に含まれた複数のパルス電圧生成器121にそれぞれ印加されることができる。
【0038】
一実施例において、パルス信号生成部110は、シフトレジスタ及びラッチを含むことができる。シフトレジスタは、順に配列された複数のデジタル信号を複数のパルス信号に相応する個数の並列形態で出力することができる。また、ラッチは、シフトレジスタの並列出力を同期化して出力することができる。
【0039】
パルス電圧生成部120は、複数のパルス信号にそれぞれ対応する複数のパルス電圧を生成することができる。パルス電圧生成部120は、生成された複数のパルス電圧を複数のアクチュエータ200のそれぞれに提供することができる。
【0040】
一実施例において、パルス電圧生成部120は、複数のパルス信号の入力をそれぞれ受けて複数のパルス電圧をそれぞれ生成する複数のパルス電圧生成器121を含むことができる。
【0041】
一つのパルス電圧生成器121は、パルス信号生成部110で並列に出力される複数のパルス信号のうちいずれか一つの入力を受けることができる。パルス電圧生成器121は、入力されたパルス信号に応じてパルス電圧を生成することができ、生成されたパルス電圧を複数のアクチュエータのうちいずれか一つに提供することができる。
【0042】
複数のパルス電圧生成器121は、パルス信号生成部110と並列に連結され、複数のアクチュエータ120とそれぞれ直列に連結されることができる。
【0043】
本発明の一実施例では、パルス電圧生成器121を用いることにより、アクチュエータを駆動するための高電圧パルスを生成することができる。これを
図1に示された例と比較すると、
図1ではアナログ信号を多段増幅してスイッチングする必要があるが、本発明の一実施例ではパルス電圧生成器121を用いて高電圧パルスを容易に生成することができ、パルス信号生成部110を用いた別途のスイッチング動作を必要としない。
【0044】
以下では、
図3から
図5を参照し、本発明によるパルス生成回路の一実施例について説明する。
図2のパルス電圧生成器121は、
図3のパルス生成回路を用いることで具現されることができる。
【0045】
図3は本発明によるパルス生成回路の一実施例を示す回路図であり、
図4及び
図5は
図3のパルス生成回路の動作を説明するための参考回路図である。
【0046】
図3を参照すると、パルス生成回路は、スイッチ回路部310及び増幅回路部320を含むことができる。パルス生成回路は、実施例に応じて放電回路部330または保護回路部340をさらに含むことができる。
【0047】
以下では、スイッチ回路部310から保護回路部340を全て含む実施例を基準に説明する。
【0048】
スイッチ回路部310は、入力端子Vinによってパルス信号の入力を受け、パルス信号のレベルに応じて第1経路または第2経路にパルス信号を提供することができる。
【0049】
一実施例において、パルス信号は、所定レベルのハイレベルまたはローレベルを有するデジタル信号であることができる。スイッチ回路部310は、パルス信号がハイレベルであると第1経路にパルス信号を出力し、パルス信号がローレベルであると第2経路にパルス信号を出力することができる。
【0050】
増幅回路部320は、第1経路と連結され、スイッチ回路部310から提供されたパルス信号のレベルに応じて外部から入力されたピーク電圧Vppを用いることでパルス電圧を生成することができる。増幅回路部320は、生成された上記パルス電圧をアクチュエータに出力することができる。
【0051】
放電回路部330は、第2経路とアクチュエータとの間に連結され、スイッチ回路部310で出力されたパルス信号を用いることにより、アクチュエータに蓄電された所定の電荷を放電させることができる。
【0052】
一実施例において、放電回路部330は、インバータ回路部及び放電スイッチ部を含むことができる。
【0053】
インバータ回路部は、それぞれの一端がVDD及びGNDと連結されたM5及びM6で構成されることができる。このようなインバータ回路部は、スイッチ回路部310と連結され、パルス信号のレベルを反転して出力することができる。
【0054】
放電スイッチ部は、一端がVoutと連結され、多端はGNDと連結されるM4で構成されることができる。ここで、Voutはアクチュエータと連結される端子である。放電スイッチ部は、インバータ回路部の出力がハイレベルであると、アクチュエータをグランド端子と連結してアクチュエータに蓄電された電荷を放電させることができる。
【0055】
保護回路部340は、ミラー回路または出力端Voutと並列連結されることで、過電圧を防止することができる。図面ではスタックされた4個のツェナーダイオードで構成されているが、実施例に応じて1個のツェナーダイオードで構成されるなど、多様に変形されることができる。
【0056】
図4及び
図5は
図3のパルス生成回路の動作を説明するための参考回路図である。以下では、
図4及び
図5を参照してパルス生成回路の動作について説明する。
【0057】
図4はパルス生成回路の増幅動作を説明するための参考図である。
図4に示された太線は、増幅動作で用いられる経路で、上述した第1経路に対応する。
【0058】
入力端子Vinによって入力されたパルス信号がハイレベルであると、M1は、入力されたパルス信号を図示された第1経路に提供する。M2及びM3は、ミラー回路を構成して外部から入力されたピーク電圧VppをM7に提供する。ピーク電圧VppがM7のドレインに印加されるとM7はターンオンされる。M7は、ターンオンされた時間の分だけVppレベルを有する高電圧パルスをVoutに出力する。Voutがアクチュエータと連結されているため、このような充填動作はアクチュエータのキャパシタンスを充填させるようになる。
【0059】
図5はパルス生成回路の放電動作を説明するための参考回路図である。
図5に示された太線は、放電動作で用いられる経路で、上述した第2経路に対応する。
【0060】
入力端子Vinによって入力されたパルス信号がローレベルであると、M1は、入力されたパルス信号を図示された第2経路に提供する。M5及びM6は、インバータ回路を構成して入力されたパルス信号を反転してM4に提供する。これにより、M4にはハイ値が印加されるようになり、M4は導通してVoutをGNDと連結させる。
【0061】
その結果、アクチュエータに充填されていた電荷は、このような第2経路によって接地に抜け出すようになる。
【0062】
よって、アクチュエータは、等価的に所定のキャパシタンスを有するようになり、このようなキャパシタンスを充填して動作するようになる。一方、動作していない場合も、アクチュエータに蓄電された電荷が残っているため、これを迅速に放電させる必要がある。
図5ではこのようなアクチュエータの放電を迅速に行うことができる第2経路を提供するため、アクチュエータの制御がより正確かつ迅速に行われることができる。
【0063】
図6は本発明の一実施例による出力電圧の特性を示すグラフであり、
図7は本発明の一実施例による充放電特性を示すグラフである。
【0064】
図6には、パルス生成回路の入力パルスVinに対する出力パルスVoutが示されている。図面を参照すると、入力として5Vレベルの信号が印加されており、出力として40V高電圧パルスが出力されたことが分かる。また、出力信号は、入力信号の特性(幅や形状など)を維持しながらレベルのみが増幅されて出力されたことが分かる。
【0065】
また、
図7ではいかなる歪曲もなく充填及び放電が行われていることが分かる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
【符号の説明】
【0067】
10 インクジェットヘッド駆動装置
11 デジタル・アナログコンバータ
12 増幅器
13 高電圧スイッチ
20 アクチュエータ
100 インクジェットヘッド駆動装置
110 パルス信号生成部
120 パルス電圧生成部
121 パルス電圧生成器
200 アクチュエータ
310 スイッチ回路部
320 増幅回路部
330 放電回路部
340 保護回路部