【解決手段】ポジ型感光性樹脂組成物は、アルデヒド化合物とキシレノール化合物を重縮合させて合成されたキシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)を含むノボラック樹脂(A)と、ポリシロキサン(B)と、オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)と、溶媒(D)と、を備える。
前記ノボラック樹脂(A)は、アルデヒド化合物と、少なくともキシレノール化合物からなる芳香族ヒドロキシ化合物を重縮合させて形成されたキシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)を含む
請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
前記ノボラック樹脂(A)100重量部に基づいて、前記ポリシロキサン(B)の量は、1重量部〜20重量部であり、前記オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)の量は、5重量部〜60重量部であり、前記溶媒(D)の量は、100重量部〜1000重量部である
請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物に対して塗布プロセス、プリベークプロセス、露光プロセス、現像プロセス及びポストベークプロセスを順次に行って基板にパターンを形成する、
パターンを形成する方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願は、本明細書に参照として組み込まれる2013年9月10日にて出願された台湾出願第102132614号の優先権を主張する。
【0014】
本発明の上記方面によると、ノボラック樹脂(A)と、ポリシロキサン(B)と、オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)と、溶媒(D)と、を備えるポジ型感光性樹脂組成物を提供し、ノボラック樹脂(A)、ポリシロキサン(B)、オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)及び溶媒(D)については、下文で詳しく説明する。
[ノボラック樹脂(A)]
本発明におけるノボラック樹脂(A)は、キシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)及び他のノボラック樹脂(A‐2)を含み得る。
〈キシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)〉
キシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)は、酸性触媒の存在下で、アルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ化合物を重縮合させて形成されたものである。芳香族ヒドロキシ化合物は、少なくともキシレノール化合物からなる。
【0015】
上記アルデヒド化合物の例としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレイン、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α‐フェニルプロピオンアルデヒド、β‐フェニルプロピオンアルデヒド、o‐トルアルデヒド、m‐トルアルデヒド、p‐トルアルデヒド、o‐クロロベンズアルデヒド、m‐クロロベンズアルデヒド、p‐クロロベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等を含む。上記アルデヒド化合物は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。好ましくは、アルデヒド化合物は、ホルムアルデヒド又はベンズアルデヒドであってよい。
【0016】
上記芳香族ヒドロキシ化合物の例としては、フェノール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、o‐クレゾール等のようなクレゾール化合物、2,3‐キシレノール、2,5‐キシレノール、3,5‐キシレノール、3,4‐キシレノール等のようなキシレノール化合物、m‐エチルフェノール、p‐エチルフェノール、o‐エチルフェノール、2,3,5‐トリメチルフェノール、2,3,5‐トリエチルフェノール、4‐t‐ブチルフェノール、3‐t‐ブチルフェノール、2‐t‐ブチルフェノール、2‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、2‐t‐ブチル‐5‐メチルフェノール、6‐t‐ブチル‐3‐メチルフェノール等のようなアルキルフェノール化合物、p‐メトキシフェノール、m‐メトキシフェノール、p‐エトキシフェノール、m‐エトキシフェノール、p‐プロポキシフェノール、m‐プロポキシフェノール等のようなアルコキシフェノール化合物、o‐イソプロペニルフェノール、p‐イソプロペニルフェノール、2‐メチル‐4‐イソプロペニルフェノール、2‐エチル‐4‐イソプロペニルフェノール等のようなイソプロペニルフェノール化合物、フェニルフェノールのようなアリールフェノール化合物、4,4’‐ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール等のようなポリヒドロキシフェノール化合物を含む。この芳香族ヒドロキシ化合物は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0017】
好ましくは、この芳香族ヒドロキシ化合物は、3,5‐キシレノール、3,4‐キシレノール、2,5‐キシレノール、o‐クレゾール、m‐クレゾール又はp‐クレゾールであってよい。
【0018】
キシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)において、キシレノール化合物の量は、芳香族ヒドロキシ化合物1モルに基づいて、0.05モル〜0.2モルであり、好ましくは0.06モル〜0.18モルであり、より好ましくは0.07モル〜0.15モルである。
【0019】
上記酸性触媒の例としては、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、p‐トルエンスルホン酸等を含む。
【0020】
キシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0021】
キシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)の量は、ノボラック樹脂(A)100重量部に基づいて、0重量部〜50重量部であり、好ましくは2重量部〜50重量部であり、より好ましくは5重量部〜40重量部である。
【0022】
ノボラック樹脂(A)がキシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)を含む場合、得られたポジ型感光性樹脂組成物は、良好なパターンの断面形状を有するようになる。
〈他のノボラック樹脂(A‐2)〉
上記他のノボラック樹脂(A‐2)は、上記酸性触媒の存在下で、上記アルデヒド化合物と上記芳香族ヒドロキシ化合物を重縮合させて形成されたものであり、ただし、この芳香族ヒドロキシ化合物には、キシレノール化合物を含まない。
【0023】
好ましくは、アルデヒド化合物は、ホルムアルデヒド又はベンズアルデヒドであってよく、芳香族ヒドロキシ化合物は、o‐クレゾール、m‐クレゾール又はp‐クレゾールであってよい。
【0024】
他のノボラック樹脂(A‐2)の量は、ノボラック樹脂(A)100重量部に基づいて、50重量部〜100重量部であり、好ましくは55重量部〜98重量部であり、より好ましくは60重量部〜95重量部である。
【0025】
上記他のノボラック樹脂(A‐2)は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0026】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物がノボラック樹脂(A)を備えなければ、得られたポジ型感光性樹脂組成物は、不良な剥離能力及び不良なパターンの断面形状という欠陥を有するようになる。
[ポリシロキサン(B)]
本発明におけるポリシロキサン(B)は、シランモノマー、シロキサンプレポリマー又はこれらの組み合わせを重合(即ち、加水分解・部分縮合)させて形成されてよい。
【0027】
本発明におけるポリシロキサン(B)は、化学式(I)の構造を有する化合物を重合させて形成できる。
【0028】
Si(R
1)
a(OR
2)
4−a (I) 化学式(I)中、R
1は、水素原子、1〜10個の炭素のアルキル基、2〜10個の炭素のアルケニル基、6〜15個の炭素の芳香族基、酸無水物基を有するアルキル基、エポキシ基を有するアルキル基又はエポキシ基を有するアルコキシ基を示してよく、R
2は、水素原子、1〜6個の炭素のアルキル基、1〜6個の炭素のアシル基又は6〜15個の炭素の芳香族基を示してよく、aは、0〜3の整数を示してよい。
【0029】
上記R
1は、1〜10個の炭素のアルキル基を示す場合、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、t‐ブチル、n‐ヘキシル又はn‐デシルであってよい。R
1は、トリフルオロメチル、3,3,3‐トリフルオロプロピル、3‐アミノプロピル、3‐メルカプトプロピル又は3‐イソシアナトプロピルのような他の置換基を有するアルキル基を示してもよい。
【0030】
上記R
1は、2〜10個の炭素のアルケニル基である場合、ビニル基であってよい。R
1は、3‐アクリロイルオキシプロピル又は3‐メチルアクリロイルオキシプロピルのような他の置換基を有するアルケニル基であってもよい。
【0031】
R
1は、6〜15個の炭素の芳香族基を示す場合、フェニル、トリル又はナフチルであってよい。R
1は、o‐ヒドロキシフェニル、1‐(o‐ヒドロキシフェニル)エチル、2‐(o‐ヒドロキシフェニル)エチル又は4‐ヒドロキシ‐5‐(p‐ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルのような他の置換基を有する芳香族基であってもよい。
【0032】
R
1は、酸無水物基を有するアルキル基を示す場合、アルキル基の炭素原子数として、1〜10個が好ましい。R
1は、以下の化学式(II)〜(IV)の構造を有してよい。
【0033】
【化2】
上記酸無水物基は、ジカルボン酸化合物を分子内脱水させて形成された官能基である。このジカルボン酸化合物は、コハク酸又はグルタル酸であってよい。
【0034】
R
1は、エポキシ基を有するアルキル基を示す場合、アルキル基の炭素数として、1〜10個が好ましい。エポキシ基を有するアルキル基の例としては、オキセタニルペンチル又は2‐(3,4‐エポキシシクロへキシル)エチルを含む。上記エポキシ基は、ジオールを分子内脱水させて形成された官能基である。このジオールは、プロパンジオール、ブタンジオール又はペンタンジオールであってよい。
【0035】
R
1は、エポキシ基を有するアルコキシ基を示す場合、アルコキシ基の炭素数として、1〜10個が好ましい。エポキシ基を有するアルコキシ基の例としては、グリシドキシプロピル又は2‐オキセタニルブトキシを含む。
【0036】
化学式(I)における上記R
1の少なくとも1つは、酸無水物基を有するアルキル基、エポキシ基を有するアルキル基又はエポキシ基を有するアルコキシ基を含むと、得られたポジ型感光性樹脂組成物は、好適な剥離能力を有するようになる。
【0037】
R
2は、1〜6個の炭素のアルキル基を示す場合、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル又はn‐ブチルであってよい。R
2は、1〜6個の炭素のアシル基を示す場合、フェニル基であってよい。
【0038】
化学式(I)中、aは、0〜3の整数を示してよい。aが2又は3を示す場合、複数のR
1は、同一であっても異なってもよい。aが1又は2を示す場合、複数のR
2は、同一であっても異なってもよい。
【0039】
化学式(I)におけるシランモノマーは、上記aが0である場合、4官能性シランモノマーを示し、即ち、4つの加水分解性基を含み、aが1である場合、3官能性シランモノマーを示し、即ち、3つの加水分解性基を含み、aが2である場合、2官能性シランモノマーを示し、即ち、2つの加水分解性基を含み、aが3である場合、単官能性シランモノマーを示し、即ち、1つの加水分解性基を含む。上記加水分解性基とは、ケイ素に対して加水分解及び結合を行うことのできる基を指す。この加水分解性基としては、アルコキシ基、アシロキシ基又はフェノキシ基であってよい。
【0040】
上記シランモノマーの例としては、(1)テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラフェノキシシラン等のような4官能性シランモノマー、(2)メチルトリメトキシシラン(MTMS)、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ‐n‐ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリ‐n‐ブトキシシラン、n‐プロピルトリメトキシシラン、n‐プロピルトリエトキシシラン、n‐ブチルトリメトキシシラン、n‐ブチルトリエトキシシラン、n‐ヘキシルトリメトキシシラン、n‐ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3‐アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3‐メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、3‐メチルアクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)、フェニルトリエトキシシラン(PTES)、p‐ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、1‐(p‐ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2‐(p‐ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4‐ヒドロキシ‐5‐(p‐ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3‐トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2‐オキセタニルブトキシプロピルトリフェノキシシラン、2‐オキセタニルブトキシプロピルトリメトキシシラン(東亞合成株式会社製、商品名TMSOX‐D)、2‐オキセタニルブトキシプロピルトリエトキシシラン(東亞合成株式会社製、商品名TESOX‐D)、3‐トリフェノキシシリルプロピルコハク酸無水物(信越化学工業株式会社製、商品名X‐12‐967)、3‐(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物(ワッカーケミー社製、商品名GF‐20)、3‐(トリメトキシシリル)プロピルグルタル酸無水物(TMSG)、3‐(トリエトキシシリル)プロピルグルタル酸無水物、3‐(トリフェノキシシリル)プロピルグルタル酸無水物等のような3官能性シランモノマー、(3)ジメチルジメトキシシラン(DMDMS)、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシラン、ジ‐n‐ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジイソプロポキシ‐ジ(2‐オキセタニルブトキシプロピル)シラン(DIDOS)、ジ(3‐オキセタニルペンチル)ジメトキシシラン、(ジ‐n‐ブトキシシリル)ジ(プロピルコハク酸無水物)、(ジメトキシシリル)ジ(エチルコハク酸無水物)等のような2官能性シランモノマー、(4)トリメチルメトキシシラン、トリ‐n‐ブチルエトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、ジ(2‐オキセタニルブトキシペンチル)‐2‐オキセタニルペンチルエトキシシラン、トリ(2‐オキセタニルペンチル)メトキシシラン、フェノキシシリルトリプロピルコハク酸無水物、メトキシシリルジエチルコハク酸無水物等のような単官能性シランモノマーを含む。上記シランモノマーは、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0041】
好ましくは、本発明におけるポリシロキサン(B)は、化学式(V)の構造を有するポリシロキサンプレポリマーを含む。
【0042】
【化3】
化学式(V)中、R
4、R
5、R
7及びR
8は、それぞれ独立して水素原子、1〜10個の炭素のアルキル基、2〜6個の炭素のアルケニル基又は6〜15個の炭素の芳香族基を示す。R
3及びR
6は、それぞれ独立して水素原子、1〜6個の炭素のアルキル基、1〜6個の炭素のアシル基又は6〜15個の炭素原子の芳香族基を示す。bは、1〜1000の整数を示してよい。
【0043】
R
4、R
5、R
7及びR
8は、それぞれ独立して1〜10個の炭素のアルキル基を示す場合、R
4、R
5、R
7及びR
8の各々は、メチル、エチル又はn‐プロピルであってよい。R
4、R
5、R
7及びR
8は、それぞれ2〜6個の炭素のアルケニル基を示す場合、R
4、R
5、R
7及びR
8の各々は、ビニル、アクリロイルオキシプロピル又はメチルアクリロイルオキシプロピルであってよい。R
4、R
5、R
7及びR
8は、それぞれ独立して6〜15個の炭素の芳香族基を示す場合、R
4、R
5、R
7及びR
8の各々は、フェニル、トリル又はナフチルであってよい。上記アルキル基、アルケニル基又は芳香族基は、いずれも置換基を任意に有することができる。
【0044】
R
3及びR
6は、それぞれ独立して1〜6個の炭素のアルキル基を示す場合、R
3及びR
6の各々は、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル又はn‐ブチルであってよい。R
3及びR
6は、それぞれ独立して1〜6個の炭素のアシル基を示す場合、ビニル基であってよい。R
3及びR
6は、それぞれ独立して6〜15個の炭素の芳香族基を示す場合、フェニル基であってよい。上記アルキル基、アシル基又は芳香族基は、いずれも置換基を任意に有することができる。
【0045】
化学式(V)中、bは、1〜1000の整数であり、好ましくは3〜300の整数であり、より好ましくは5〜200の整数である。bが2〜1000の整数である場合、複数のR
4は、それぞれ同じ又は異なる基であり、複数のR
8は、上記と同様である。
【0046】
化学式(V)の構造を有するポリシロキサンプレポリマーの例としては、1,1,3,3‐テトラメチル‐1,3‐ジエトキシジシロキサン、1,1,3,3‐テトラメチル‐1,3‐ジメトキシジシロキサン、1,1,3,3‐テトラエチル‐1,3‐ジエトキシジシロキサン、Gelest社製のシラノール末端ポリジメチルシロキサン、商品名DMS‐S12(分子量:400〜700)、DMS‐S15(分子量:1500〜2000)、DMS‐S21(分子量:4200)、DMS‐S27(分子量:18000)、DMS‐S31(分子量:26000)、DMS‐S32(分子量:36000)、DMS‐S33(分子量:43500)、DMS‐S35(分子量:49000)、DMS‐S38(分子量:58000)、DMS‐S42(分子量:77000)又はPDS‐9931(分子量:1000〜1400)を含む。化学式(V)の構造を有する上記ポリシロキサンプレポリマーは、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0047】
上記シランモノマー及びポリシロキサンプレポリマーは、組み合わせて用いることができ、両者の組み合わせ比率には特に制限がない。好ましくは、シランモノマーにおけるケイ素原子とポリシロキサンプレポリマーにおけるケイ素原子のモル比が100:0.01〜50:50である。
【0048】
また、ポリシロキサン(B)は、上記シランモノマー及び/又はポリシロキサンプレポリマーを共重合させ、或いはシリカ粒子と共重合して調製されてよい。
【0049】
シリカ粒子の平均粒径は、特に制限されなく、2nm〜250nmであってよく、好ましくは5nm〜200nmであり、より好ましくは10nm〜100nmである。
【0050】
上記シリカ粒子の例としては、日揮触媒化成株式会社製の製品である商品名OSCAL 1132(粒径12nm、分散剤がメタノールである)、OSCAL 1332(粒径12nm、分散剤がn‐プロパノールである)、OSCAL 105(粒径60nm、分散剤がγ‐ブチロラクトンである)、OSCAL 106(粒径120nm、分散剤がジアセトンアルコールである)、扶桑化学工業株式会社製の製品である商品名Quartron PL‐1‐IPA(粒径13nm、分散剤がイソプロピルケトンである)、Quartron PL‐1‐TOL(粒径13nm、分散剤がトルエンである)、Quartron PL‐2L‐PGME(粒径18nm、分散剤がプロピレングリコールモノメチルエーテルである)、Quartron PL‐2L‐MEK(粒径18nm、分散剤がメチルエチルケトンである)、及び日産化学工業株式会社製の製品である商品名IPA‐ST(粒径12nm、分散剤がイソプロパノールである)、EG‐ST(粒径12nm、分散剤がエチレングリコールである)、IPA‐ST‐L(粒径45nm、分散剤がイソプロパノールである)、IPA‐ST‐ZL(粒径100nm、分散剤がイソプロパノールである)を含む。上記シリカ粒子は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0051】
上記シリカ粒子は、シランモノマー及び/又はポリシロキサンプレポリマーと組み合わせて用いることができ、組み合わせ比率には特に制限がない。好ましくは、シランモノマーにおけるケイ素原子のモル比を100%とし、シリカ粒子におけるケイ素原子のモル比は、1%〜50%である。
【0052】
シランモノマー、ポリシロキサンプレポリマー及び/又はシリカ粒子は、以下の方法によって重合反応、即ち加水分解・部分縮合させる。溶媒及び水をシランモノマー、ポリシロキサンプレポリマー及び/又はシリカ粒子の混合物に添加し、触媒を任意に添加することができる。その後、混合物を50℃〜150℃で0.5時間〜120時間攪拌し、更に蒸留を行って副生成物(例えば、アルコール及び水)を除去することができる。
【0053】
上記重合反応における溶媒は、特に制限されなく、本発明のポジ型感光性樹脂組成物における溶媒(D)と同一であっても異なってもよい。溶媒の量は、シランモノマー、ポリシロキサンプレポリマー及び/又はシリカ粒子の総量100gに基づいて、15g〜1200gであり、好ましくは20g〜1100gであり、より好ましくは30g〜1000gである。
【0054】
上記重合反応で用いる水(即ち、加水分解に用いる水)は、シランモノマー、ポリシロキサンプレポリマー及び/又はシリカ粒子における加水分解性基の総量1モルに基づいて、0.5モル〜2モルである。
【0055】
上記触媒は、特に制限されなく、好ましくは酸性触媒又は塩基性触媒から選ばれたものである。酸性触媒の例としては、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、蟻酸、多価カルボン酸、それらの酸無水物又はイオン交換樹脂等を含む。塩基性触媒の例としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン基を有するアルコキシシラン又はイオン交換樹脂等を含む。
【0056】
触媒の量は、シランモノマー、ポリシロキサンプレポリマー及び/又はシリカ粒子の総量100gに基づいて、0.005g〜15gであり、好ましくは0.01g〜12gであり、より好ましくは0.05g〜10gである。
【0057】
安定性を考えて、ポリシロキサン(B)は、副生成物(例えば、アルコール及び水)及び触媒を含まないことが好ましい。従って、ポリシロキサン(B)を得るための重合反応後、反応混合物に対して精製を選択的に行うことができる。上記精製は、特に制限されなく、好ましくは疎水性溶媒によって反応混合物を希釈して行われる。その後、上記疎水性溶媒及び反応混合物を分液漏斗に移す。その後、水によって分液漏斗における有機層を数回抽出し、回転蒸発器によって上記有機層を濃縮してアルコール又は水を除去する。また、イオン交換樹脂によって触媒を除去することができる。
【0058】
ポリシロキサン(B)の量は、ノボラック樹脂(A)の量100重量部に基づいて、1重量部〜20重量部であり、好ましくは2重量部〜15重量部であり、より好ましくは3重量部〜10重量部である。
【0059】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物がポリシロキサン(B)を備えなければ、得られたポジ型感光性樹脂組成物は、不良な剥離能力及び不良なパターンの断面形状という欠陥を有するようになる。
[オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)]
オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)は、特に制限されなく、従来のオルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを用いることができる。このオルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)は、完全にエステル化又は部分的にエステル化されたエステル系化合物であってよい。
【0060】
このオルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)は、o‐ナフトキノンジアジドスルホン酸又はその塩とヒドロキシ化合物を反応させて得られることが好ましく、o‐ナフトキノンジアジドスルホン酸又はその塩とポリヒドロキシ化合物を反応させて得られることがより好ましい。
【0061】
o‐ナフトキノンジアジドスルホン酸の例としては、o‐ナフトキノンジアジド‐4‐スルホン酸、o‐ナフトキノンジアジド‐5‐スルホン酸、o‐ナフトキノンジアジド‐6‐スルホン酸等を含む。o‐ナフトキノンジアジドスルホン酸の塩の例としては、ジアゾナフトキノンスルホニルハライドを含む。
【0062】
上記ヒドロキシ化合物の例としては、(1)ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、(2)ヒドロキシアリール系化合物、(3)(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物、(4)他の芳香族ヒドロキシ化合物を含む。
【0063】
上記ヒドロキシベンゾフェノン系化合物は、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,2’,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6,3’,4’‐ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’‐ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,5’‐ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,4,5,3’,5’‐ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’,4’,5’‐ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等を含んでよいが、これらに制限されない。
【0064】
上記ヒドロキシアリール系化合物は、化学式(VI)の構造を有するヒドロキシアリール系化合物を含むことができる。
【0065】
【化4】
化学式(VI)中、R
9及びR
10は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は1〜6個の炭素のアルキル基を示し、R
11、R
12及びR
15は、それぞれ独立して水素原子又は1〜6個の炭素のアルキル基を示し、R
13、R
14、R
16、R
17、R
18及びR
19は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、1〜6個の炭素のアルキル基、1〜6個の炭素のアルコキシ基、1〜6個の炭素原子のアルケニル基又は1〜6個の炭素のシクロアルキル基を示し、c、e、fは、それぞれ独立して1〜3の整数を示し、dは、0又は1を示す。
【0066】
化学式(VI)の構造を有するヒドロキシアリール系化合物の例としては、トリス(4‐ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐3,4‐ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐3,4‐ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐2,4‐ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐2,4‐ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)‐3‐メトキシ‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐4‐ヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐4‐ヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐4‐ヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐4‐ヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐3,4‐ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐6‐ヒドロキシフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐6‐ヒドロキシフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐6‐ヒドロキシフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐6‐ヒドロキシ‐4‐メチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐6‐ヒドロキシ‐4‐メチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロへキシル‐6‐ヒドロキシ‐4‐メチルフェニル)‐3,4‐ジヒドロキシフェニルメタン、1‐[1‐(4‐ヒドロキシフェニル)イソプロピル]‐4‐[1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1‐[1‐(3‐メチル‐4‐ヒドロキシフェニル)イソプロピル]‐4‐[1,1‐ビス(3‐メチル‐4‐ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等を含む。
【0067】
上記(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物は、化学式(VII)の構造を有する(ヒドロキシフェニル)アルキル化合物を含むことができる。
【0068】
【化5】
化学式(VII)中、R
20及びR
21は、それぞれ独立して水素原子又は1〜6個の炭素のアルキル基を示し、g及びhは、それぞれ独立して1〜3の整数を示す。
【0069】
化学式(VII)の構造を有する(ヒドロキシフェニル)アルキル化合物の例としては、2‐(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)‐2‐(2’,3’,4’‐トリヒドロキシフェニル)プロパン、2‐(2,4‐ジヒドロキシフェニル)‐2‐(2’,4’‐ジヒドロキシフェニル)プロパン、2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐(4’‐ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)メタン等を含む。
【0070】
上記他の芳香族ヒドロキシ化合物の例としては、フェノール、p‐メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ナフトール、カテコール、ピロガロールエーテル、ピロガロール‐1,3‐ジメチルエーテル、3,4,5‐トリヒドロキシ安息香酸、部分的にエステル化された3,4,5‐トリヒドロキシ安息香酸、部分的にエーテル化された3,4,5‐トリヒドロキシ安息香酸等を含む。
【0071】
上記ヒドロキシ化合物は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。好ましくは、このヒドロキシ化合物は、1‐[1‐(4‐ヒドロキシフェニル)イソプロピル]‐4‐[1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン又は2,4,4’‐トリヒドロキシベンゾフェノンであってよい。
【0072】
o‐ナフトキノンジアジドスルホン酸又はその塩とヒドロキシ化合物との反応は、一般的に有機溶媒、例えば、ジオキサン、N‐ピロリドン及びアセトアミドの中で行われる。好ましくは、アルカリ性縮合剤、例えば、トリエタノールアミン、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属の重炭酸塩の中で反応を行う。
【0073】
オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)のエステル化度は、50%以上が好ましく、即ち、ヒドロキシ化合物におけるヒドロキシル基の総量を100モル%とし、ヒドロキシ化合物及びo‐ナフトキノンジアジドスルホン酸又はその塩における50モル%以上のヒドロキシル基によってエステル化反応を行う。より好ましくは、オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)のエステル化度は、60%以上である。
【0074】
オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)の量は、ノボラック樹脂(A)100重量部に基づいて、5重量部〜60重量部であり、好ましくは8重量部〜50重量部であり、より好ましくは10重量部〜40重量部である。
[溶媒(D)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物で用いる溶媒(D)とは、他の有機成分と混和できるが、上記成分と相互に作用しない有機溶媒である。
【0075】
本発明における溶媒(D)の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ‐n‐プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ‐n‐プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のような(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のような(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のような他のエーテル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2‐ヘプタノン、3‐ヘプタノン、4‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐2‐ペンタノン等のようなケトン、2‐ヒドロキシプロパン酸メチル、2‐ヒドロキシプロパン酸エチル(乳酸エチルともいう)等のような乳酸アルキルエステル、2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン酸メチル、2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン酸エチル、3‐ヒドロキシプロパン酸メチル、3‐メトキシプロパン酸メチル、3‐メトキシプロパン酸エチル、3‐エトキシプロパン酸メチル、3‐エトキシプロパン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2‐ヒドロキシ‐3‐メチル酪酸メチル、3‐メチル‐3‐メトキシブチルアセテート、プロパン酸3‐メチル‐3‐メトキシブチル、酢酸エチル、酢酸n‐プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n‐ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n‐ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n‐ブチル、ブタン酸エチル、ブタン酸n‐プロピル、ブタン酸イソプロピル、ブタン酸n‐ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n‐プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2‐オキソプロパン酸エチル等のような他のエステル、トルエン、キシレン等のような芳香族炭化水素、N‐メチルピロリドン、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド等のようなカルボン酸アミドを含む。溶媒(D)は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。好ましくは、溶媒(D)は、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート又は乳酸エチルであってよい。
【0076】
溶媒(D)の量は、ノボラック樹脂(A)の量100重量部に基づいて、一般的に100重量部〜1000重量部であり、好ましくは100重量部〜900重量部であり、より好ましくは150重量部〜800重量部である。
[添加剤(E)]
ポジ型感光性樹脂組成物は、添加剤(E)を選択的に備えてよい。添加剤(E)は、接着助剤、表面レベリング剤、希釈剤、増感剤等を含んでよいが、これらに制限されない。
【0077】
上記接着助剤は、ポジ型感光性樹脂組成物と基板との間の接着性を向上させるために、メラミン化合物及びシラン化合物を含んでよいが、これらに制限されない。上記メラミン化合物の例としては、日本サイテックインダストリーズ株式会社製の市販品である商品名Cymel‐300又はCymel‐303、サンワ化学株式会社製の市販品である商品名MW‐30MH、MW‐30、MS‐11、MS‐001、MX‐750及びMX‐706を含む。上記シラン化合物の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル‐トリス(2‐メトキシエトキシ)シラン、N‐(2‐アミノエチル)‐3‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N‐(2‐アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3‐グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、2‐(3,4‐エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3‐クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3‐クロロプロピルトリメトキシシラン、3‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び1,2‐ビス(トリメトキシシリル)エタンを含む。
【0078】
本発明の一例において、ノボラック樹脂(A)100重量部に基づいて、接着助剤としての上記メラミン化合物の量は、0重量部〜20重量部であり、好ましくは0.5重量部〜18重量部であり、より好ましくは1.0重量部〜15重量部であり、接着助剤としての上記シラン化合物の量は、0重量部〜2重量部であり、好ましくは0.001重量部〜1重量部であり、より好ましくは0.005重量部〜0.8重量部である。
【0079】
上記表面レベリング剤は、フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を含んでよいが、これらに制限されない。フッ素系界面活性剤の例としては、住友スリーエム株式会社製の市販品である商品名Fluorad FC‐430又はFC‐431、株式会社トーケムプロダクツ製の製品である商品名F top EF122A、122B、122C、126又はBL20を含む。シリコーン系界面活性剤の例としては、東レ・ダウコーニング株式会社製の製品である商品名SF8427又はSH29PAを含む。
【0080】
本発明の一例において、上記界面活性剤の量は、ノボラック樹脂(A)100重量部に基づいて、一般的に0重量部〜1.2重量部であり、好ましくは0.025重量部〜1.0重量部であり、より好ましくは0.050重量部〜0.8重量部である。
【0081】
上記希釈剤の例としては、帝国インキ製造株式会社製の製品である商品名RE801又はRE802を含む。
【0082】
上記増感剤の例としては、本州化学工業株式会社製の製品である商品名TPPA‐1000P、TPPA‐100‐2C、TPPA‐1100‐3C、TPPA‐1100‐4C、TPPA‐1200‐24X、TPPA‐1200‐26X、TPPA‐1300‐235T、TPPA‐1600‐3M6C又はTPPA‐MFを含み、好ましくはTPPA‐1600‐3M6C又はTPPA‐MFである。増感剤は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0083】
上記添加剤(E)は、単独で又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
【0084】
本発明の一例において、上記増感剤の量は、ノボラック樹脂(A)100重量部に基づいて、一般的に0重量部〜20重量部であり、好ましくは0.5重量部〜18重量部であり、より好ましくは1.0重量部〜15重量部である。また、本発明は、実際の需要に応じて、例えば、可塑剤、安定剤等の他の添加剤を任意に含んでよい。
[ポジ型感光性樹脂組成物を調製するための方法]
このポジ型感光性樹脂組成物を調製するには、一般的に、従来の攪拌器で上記ノボラック樹脂(A)、ポリシロキサン(B)、オルトナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(C)及び溶媒(D)を均一に攪拌して溶液が得られ、また、必要があれば各種の添加剤(E)を添加して、ポジ型感光性樹脂組成物を得ることができる。
[パターンを形成するための方法]
上記ポジ型感光性樹脂組成物に対して塗布プロセス、プリベークプロセス、露光プロセス、現像プロセス及びポストベークプロセスを行って、基板にパターンを形成する。
【0085】
また、上記ポジ型感光性樹脂組成物は、スピンコート、キャストコート、ロールコートなどの塗布方法のようなパターンを形成するための方法による塗布プロセスによって、基板に塗布される。塗布プロセスが行われた後、プリベークプロセスによって溶媒を除去して、プリベークされた塗膜を形成する。様々な組成物及びその比率によって、一般的に70℃〜110℃でプリベークプロセスを1分〜15分行う。
【0086】
プリベークプロセスが行われた後、プリベークされた塗膜に対して所定のフォトマスクで露光プロセスを行う。その後、プリベークされた塗膜を21℃〜25℃で現像液に25秒〜5分浸して不要な部分を除去して、所定のパターンを形成する。露光プロセスで用いる光線は、g線、h線及びi線のような紫外線が好ましい。紫外線照射装置は、(超)高圧水銀灯及びメタルハライドランプであってよい。
【0087】
本発明で用いる現像液の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、メチルケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ‐7‐エン等のような塩基性化合物である。
【0088】
現像液の濃度は、0.001重量%〜10重量%が好ましく、0.005重量%〜5重量%がより好ましく、0.01重量%〜1重量%が特に好ましい。
【0089】
上記塩基性化合物を用いて現像液を形成する場合、現像プロセスの後で水で塗膜を洗浄し、圧縮空気又は窒素によってパターンを風乾する。その後、例えばホットプレート及びオーブンのような加熱装置によって塗膜に対してポストベークプロセスを行う。ポストベークは、一般的に150℃〜250℃でホットプレートで5分〜60分又はオーブンで15分〜150分実施される。以上の工程の結果、基板にブラックマトリックスを形成することができる。
[薄膜トランジスタアレイ基板]
本発明の薄膜トランジスタアレイ基板は、上記方法によって形成されたものである。略言すれば、塗布プロセスによって、薄膜を含むガラス基板又はプラスチック基板に本発明のポジ型感光性樹脂組成物を塗布して、ポジ型フォトレジスト層を形成することができる。上記薄膜は、アルミニウム膜、クロム膜、窒化ケイ素膜、非晶質ケイ素膜等であってよく、塗布プロセスは、スピンコート、キャストコート、ロールコートなどの塗布方法であってよい。次に、プリベークプロセス、露光プロセス、現像プロセス及びポストベークプロセスを順次に行って感光性樹脂パターンを形成する。その後、エッチングプロセス及びフォトレジスト剥離プロセスを行う。上記工程を繰り返して、複数の薄膜トランジスタ又は電極を有する薄膜トランジスタアレイ基板が得られる。
【0090】
本発明の一実施例による液晶ディスプレー(LCD)素子の薄膜トランジスタアレイ基板の部分断面図を示す
図1を参照する。まず、ガラス基板101のアルミニウム膜にゲート102a及び保持容量Cs電極102bを配置する。次に、ゲート102aに酸化シリコン(SiO
x)103及び窒化シリコン(SiN
x)104を覆って、絶縁膜を形成し、絶縁層にアモルファスシリコン層(a‐Si)105を半導体能動層として形成する。その後、接合抵抗を小さくするために、アモルファスシリコン層105に窒素不純物がドーピングされたアモルファスシリコン層106を形成することができる。その後、例えばアルミニウム等の金属によってドレイン107a及びソース107bを形成する。ドレイン107aは、データ信号線(不図示)に接続され、ソース107bは、画素電極(又はサブ画素電極)109に接続される。その後、半導体能動層としてのアモルファスシリコン層105、ドレイン107a、ソース107b等を保護するために、窒化ケイ素膜を保護膜108として形成する。
[液晶ディスプレー(LCD)素子]
本発明のLCD素子は、少なくとも上記薄膜トランジスタアレイ基板を含み、必要があれば他の部品を含んでよい。
【0091】
上記LCD素子の基本構造の例としては、(1)それぞれ反対の方向に配置された、薄膜トランジスタ等の駆動素子及び画素電極(導電層)が配列されて形成された上記薄膜トランジスタ基板アレイ(駆動基板)と、カラーフィルター及び対電極(導電層)により形成されたカラーフィルター基板との間にスペーサを差し込み、その後、薄膜トランジスタ基板アレイとカラーフィルター基板との間の隙間に液晶材料を注入して、LCD素子を得る場合、(2)それぞれ反対の方向に配置された、上記薄膜トランジスタ基板アレイにカラーフィルターを直接に配置することで形成されたカラーフィルター統合型薄膜トランジスタアレイ基板と、対向電極(導電層)が配置された対向基板との間にスペーサを差し込み、その後、カラーフィルター統合型薄膜トランジスタアレイ基板と対向基板との間の隙間に液晶材料を注入して、LCD素子を得る場合を含む
。上記液晶材料は、本発明では特に制限されなく、任意の液晶化合物又は液晶組成物であってよい。
【0092】
上記導電層の例としては、インジウムスズ酸化物膜、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン等のような金属膜、シリカ等のような金属酸化物膜を含んでよいが、これらに制限されない。好ましくは、導電層は、透明膜であり、より好ましくはインジウムスズ酸化物膜である。
【0093】
本発明の薄膜トランジスタアレイ基板、カラーフィルター基板及び対向基板で用いる基板の例としては、ソーダ石灰ガラス、低膨張ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のような従来のガラス基板を含んでよいが、これらに制限されない。更に、上記基板は、プラスチックフィルムからなる基板であってもよい。
【0094】
以下、いくつかの実施例を記述して本発明の適用を説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明を制限するためのものではない。当業者であれば、本発明の精神や範囲から逸脱せずに、各種の変更や修正を加えることができる。
【実施例】
【0095】
[ノボラック樹脂(A)の調製]
表1に従って、調製例A‐1‐1〜A‐2‐3の下記ノボラック樹脂(A)を調製した。
〈調製例A‐1‐1〉
1000mlの四つ口フラスコに窒素導入口、攪拌器、ヒーター、凝縮器及び温度計を設け、窒素を導入した後、0.4モルのm‐クレゾール、0.5モルのp‐クレゾール、0.1モルの3,4‐キシレノール、0.65モルのホルムアルデヒド及び0.02モルのシュウ酸を添加した。反応液を緩やかに攪拌し100℃に加熱し、当該温度で6時間重縮合反応させた。その後、反応液を180℃に加熱し、10mmHgの減圧で乾燥させた。溶媒が蒸発されると、キシレノール系ノボラック樹脂(A‐1‐1)が得られた。
〈調製例A‐1‐2〜A‐1‐4〉
調製例A‐1‐2〜A‐1‐4における調製方法としては、調製例A‐1‐1と同じ方法を用いてキシレノール系ノボラック樹脂を調製したが、調製例A‐1‐2〜A‐1‐4において、ノボラック樹脂を得るために用いられた原料のタイプ、量及び重合条件が変わることで異なり、その配合と重合条件は、表1に示されているため、ここで繰り返して説明しない。
〈調製例A‐2‐1〉
1000mlの四つ口フラスコに窒素導入口、攪拌器、ヒーター、凝縮器及び温度計を設け、窒素を導入した後、0.7モルのm‐クレゾール、0.3モルのp‐クレゾール、0.7モルのホルムアルデヒド及び0.015モルのシュウ酸を添加した。反応液を緩やかに攪拌し100℃に加熱し、当該温度で6時間重縮合反応させた。その後、反応液を180℃に加熱し、10mmHgの減圧で乾燥させた。溶媒が蒸発されると、ヒドロキシ型ノボラック樹脂(A‐2‐1)が得られた。
〈調製例A‐2‐2及びA‐2‐3〉
調製例A‐2‐2〜A‐2‐3における調製方法としては、調製例A‐2‐1と同じ方法を用いてヒドロキシ型ノボラック樹脂を調製したが、調製例A‐2‐2〜A‐2‐3において、ノボラック樹脂を得るために用いられた原料のタイプ、量及び重合条件が変わることで異なり、その配合と重合条件は、表1に示されているため、ここで繰り返して説明しない。
【0096】
【表1】
[ポリシロキサン(B)の調製]
表2に従って、調製例B‐1〜B‐4の下記ポリシロキサン(B)を調製した。
〈調製例B‐1〉
0.3モルのメチルトリメトキシシラン(MTMS)、0.65モルのフェニルトリメトキシシラン(PTMS)、0.05モルの3‐(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物(GF‐20)及び200gのプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)を500mlの三つ口フラスコに添加し、室温で攪拌して、反応液を形成した。シュウ酸溶液(0.4gのシュウ酸/75gの水)を30分以内に添加した。次に、このフラスコを30℃で油浴に浸し、30分攪拌した。その後、油浴を30分以内に120℃に加熱した。反応液の温度が105℃まで下がった場合、溶液を加熱し攪拌し続け、6時間重縮合反応させた。その後、蒸留によって溶媒を除去して、ポリシロキサン(B‐1)を得た。
〈調製例B‐2〜B‐4〉
調製例B‐2〜B‐4における調製方法としては、調製例B‐1と同じ方法を用いてポリシロキサンを調製したが、調製例B‐2〜B‐4において、ポリシロキサンを得るために用いられた原料のタイプ、量および重合条件が変わることで異なり、その配合と重合条件は、表2に示されているため、ここで繰り返して説明しない。
【0097】
【表2】
[ポジ型感光性樹脂組成物の調製]
表3に従って、実施例1〜8及び比較例1〜4の下記ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
〈実施例1〉
100重量部の調製例A‐2‐1の上記ノボラック樹脂、1重量部の調製例B‐2の上記ポリシロキサン、10重量部の2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン及び(1,2‐ナフトキノン‐2‐ジアジド)‐5‐スルホン酸エステル(以下、C‐1という)を100重量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;以下、D‐1という)に添加した。スイング式攪拌器によって上記混合物を攪拌して溶媒に溶解し、本発明のポジ型感光性樹脂組成物が得られた。以下の評価方法でポジ型感光性樹脂組成物を評価し、結果を表3に示した。剥離能力及びパターンの断面形状の評価方法については以下に説明する。
〈実施例2〜8及び比較例1〜4〉
実施例2〜8及び比較例1〜4における調製方法としては、実施例1と同じ方法を用いてポジ型感光性樹脂組成物を調製したが、実施例2〜8及び比較例1〜4において、ポジ型感光性樹脂組成物を得るために用いられた原料のタイプ及び量が変わることで異なり、その配合及び評価結果は、表3に示されているため、ここで繰り返して説明しない。
[評価方法]
1.剥離能力
スピンコートによって、寸法100mm×100mm×0.7mmの空白のガラス基板に実施例1〜8及び比較例1〜4のポジ型感光性樹脂組成物を塗布した。ポジ型感光性樹脂組成物が塗布された後、100℃で基板を2分プリベークして、約3μmの厚さを有するプリベークされた塗膜を得た。上記プリベークされた塗膜をそれぞれラインアンドスペースマスク(日本フイルコン株式会社製)の下で配置し、紫外線によって150mJ/cm
2のエネルギー強度でプリベークされた薄膜を露光させた(M&R Nano Technology製の露光機、商品名AG500‐4N)。次に、露光された塗膜を2.38%の濃度のTMAH溶液に入れ、23℃で塗膜に対して現像プロセスを1分行って、基板上の塗膜の露光された部分を除去した。その後、純水で塗膜を洗浄し、230℃で塗膜を30分ポストベークして、パターン化された塗膜を有するガラス基板を得た。
【0098】
上記ガラス基板を剥離溶液(奇美実業製、商品名ST897)に浸漬した。ガラス基板上のパターンが剥離される時間を測定し、以下の基準によって評価を行った。
【0099】
◎:剥離時間<3分
○:3分≦剥離時間<8分
×:8分≦剥離時間
2.パターンの断面形状
スピンコートによって、寸法100mm×100mm×0.7mmの空白のガラス基板に実施例1〜8及び比較例1〜4のポジ型感光性樹脂組成物を塗布した。ポジ型感光性樹脂組成物が塗布された後、100℃で基板を2分プリベークして、約3μmの厚さを有するプリベークされた塗膜を得た。上記プリベークされた塗膜をそれぞれラインアンドスペースマスク(日本フイルコン株式会社製)の下で配置し、紫外線によって150mJ/cm
2のエネルギー強度でプリベークされた薄膜を露光させた(M&R Nano Technology製の露光機、商品名AG500‐4N)。次に、露光された塗膜を2.38%の濃度のTMAH溶液に入れ、23℃で塗膜に対して現像プロセスを1分行って、基板上の塗膜の露光された部分を除去した。その後、純水で塗膜を洗浄し、異なる温度で塗膜を2分ポストベークして、パターン化された塗膜を有するガラス基板を得た。その後、走査型電子顕微鏡によってガラス基板上のパターンの断面形状を撮影し観察した。断面形状は、
図2に示した垂直状断面201及びテーパー状断面203が好ましい。以下の基準及び
図2に示した断面形状によってパターンの断面形状の評価を行った。
【0100】
◎:130℃<ポストベーク温度
○:120℃<ポストベーク温度≦130℃
×:ポストベーク温度≦120℃、あるいは断面形状が、
図2に示した垂直状断面201及びテーパー状断面203ではない。
【0101】
表3には、上記実施例及び比較例によって調製されたポジ型感光性樹脂組成物の剥離能力及びパターンの断面形状の評価結果を示す。
【0102】
【表3】
表3の結果として、ポジ型感光性樹脂組成物は、ノボラック樹脂(A)及びポリシロキサン(B)を備える場合、得られたポジ型感光性樹脂組成物は、より好適な剥離能力及びより好適なパターンの断面形状を有するようになる。
【0103】
次に、ポジ型感光性樹脂組成物におけるノボラック樹脂(A)がキシレノール系ノボラック樹脂(A‐1)を含む場合、より好適なパターンの断面形状を有するポジ型感光性樹脂組成物が得られる。また、化学式(I)の構造を有する化合物におけるR
1の少なくとも1つは、酸無水物基を有するアルキル基、エポキシ基を有するアルキル基又はエポキシ基を有するアルコキシ基を含む場合、得られたポジ型感光性樹脂組成物は、より好適な剥離能力を有するようになる。
【0104】
注意すべきなのは、本発明は、所定の化合物、組成、反応条件、製造プロセス、分析方法及び装置を例にして、本発明のポジ型感光性樹脂組成物及びそれを用いてパターンを形成する方法を説明したが、当業者にとっては、本発明は、本文に含まれる実施例の記述に制限されるものではないことが明らかである。本発明の範囲や精神から逸脱せずに、本発明のポジ型感光性樹脂組成物及びそれを用いてパターンを形成する方法は、他の化合物、組成、反応条件、製造プロセス、分析方法及び装置を用いてよい。
【0105】
特定の実施例を参照して本発明を相当に詳しく説明したが、他の実施例が可能である。従って、添付の特許請求の範囲の精神や範囲は、本文に含まれる実施例の記述に制限されない。
【0106】
当業者にとっては、本発明の範囲や精神から逸脱せずに、本発明の構造に各種の変更や修正を加えることができることが明らかである。上記にかんがみて、本発明は、下記特許請求の範囲に含まれた各種の変更や修正を包括しようとする。