【解決手段】封筒用紙給紙部と、封筒用紙を折り畳む折り部と、封筒用紙の両端辺を圧着する圧着部(4)と、を備え、さらに、ナット部(81La、81Lb、81Ra、81Rb)及びねじ軸(82La、82Lb、82Ra、82Rb)からなり、左右の圧着ローラ対(41L、41R)を個々に給紙幅方向に移動させる移動機構と、封筒用紙の少なくとも給紙幅方向の寸法情報が入力される操作パネル(8) 等の入力部と、入力部からの寸法情報に基づき、各圧着ローラ対(41L、41R)の給紙幅方向の位置を決定し、決定位置まで圧着ローラ対を移動させるように、前記移動機構を制御する制御部(9)と、を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1の実施の形態]
図1乃至
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る封入封緘装置(「封緘装置」が含まれる)、
図13は圧着工程の斜視説明図、
図14及び
図15は封入工程の説明図、
図16及び
図17は封筒用紙を示しており、これらの図面に基づいて、第1の実施の形態を説明する。
【0029】
(封筒用紙の構成)
図16により、まず折り畳み前のV型折り用の封筒用紙Pの構成を説明する。封筒用紙Pの一方の長さ方向(後述する第1給紙方向F1)の中間部に、折り目q3が設定され、該折り目q3と直角な各端辺q1に沿って、第1の接着剤層A1がそれぞれ形成され、前記折り目q3と平行な各端辺q2に沿って、第2の接着剤層A2が形成されている。各接着剤層A1、A2には、加熱せずに、大きな加圧力のみで、接着可能な感圧接着剤が予め塗布されている。また、各接着剤層A1、A2の内側(端辺q1、q2と反対側)には、各端辺q1、q2と平行なミシン目Mが形成されている。
【0030】
なお、接着剤層A1、A2は、折り目q3により分けられた第1の折り片P1と第2の折り片P2の一方のみに形成することも可能である。
【0031】
図17は、封入用紙Nを封入し、封緘した後の封書(封筒用紙P)であり、折り目q3以外の端辺q1、q2の近傍は、接着剤層A1、A2によりそれぞれ封止されており、ミシン目Mに沿って切り取ることにより、開封できるようになっている。
【0032】
(封入封緘装置の全体の概要)
封入封緘装置の簡略平面図である
図1において、封入封緘装置全体は、平面視でL字状に構成されており、給紙元側から順に、封筒用紙Pを多数積載して、一枚ずつ供給する封筒用紙給紙部1と、封入用紙Nを多数積載して一枚ずつあるいは複数枚ずつ供給する封入用紙給紙部2と、封筒用紙Pを二つ折り又は三つ折りにすると共に折り片間に封入用紙Nを挿入する折り部3と、該折り部3から排出される封筒用紙Pを第1給紙方向F1に搬送しつつ、第1給紙方向F1に沿う封筒用紙Pの両端辺q1(
図16)を上下から圧着する第1圧着部4と、該第1圧着部4から第1給紙方向F1で排出される封筒用紙Pを、第1給紙方向F1と略直交する第2給紙方向F2に方向変換する方向変換部5と、該方向変換部5から搬送される封筒用紙Pを、第2給紙方向F2に搬送しつつ、封筒用紙Pの第2給紙方向F2に沿う端辺q2(
図16)を上下から圧着する第2圧着部6と、該第2圧着部6の第2給紙方向F2の下流側に配置された紙受け部7と、を備えている。給紙部1、2、折り部3及び第1圧着部4の第2給紙方向F2側(第1給紙方向F1に見て右側)が装置の操作側となっており、折り部3及び第1圧着部4の操作側に、操作パネル8が設けられている。また、操作パネル8の近傍に制御部9(
図3)が設けられている。
【0033】
折り部3は、第1給紙方向F1の上流側に配置された封入用紙挿入機構11と、下流側に配置された折り機12とを備えている。
【0034】
第1圧着部4は、2対の第1圧着ローラ対41L、41Rを備えており、一方の第1圧着ローラ対41Lは、第1給紙方向F1と直交する第1の給紙幅方向の非操作側に配置され、他方の第1圧着ローラ対41Rは、第1給紙方向F1と直交する第1の給紙幅方向の操作側に配置されている。
【0035】
方向変換部5は、第2給紙方向F2に等間隔おいて配置された複数の搬送ローラ51と、各搬送ローラ51の第1圧着部4側と反対側の端部の上に配置された複数の押さえボール52と、第1圧着部4側と反対側に配置されて第2給紙方向F2に沿って延びるガイド板53と、から構成されている。各搬送ローラ51は、第1圧着部4側の端部がガイド板53側の端部よりも第2給紙方向F2の下流側に位置するように傾斜している。
【0036】
第2圧着部6は、第2給紙方向F2と直交する第2の給紙幅方向の操作パネル8側の端部に、第2圧着ローラ対62が配置されている。
【0037】
(封筒用紙給紙部1及び封入用紙給紙部2の構成)
図1の縱断面展開図である
図2において、封筒用紙給紙部1は、昇降可能な給紙台1aと、該給紙台1aの第1給紙方向F1の下流側に配置された給紙ローラ1bと、該給紙ローラ1bに下方から対設された捌き台1c等から構成されている。給紙ローラ1b及び捌き台1cにより、最上位の封筒用紙Pから一枚ずつ、折り部3に向かって給紙する。また、給紙台1aには、給紙台1a上の封筒用紙Pの給紙幅方向の寸法を検出する複数の光反射式の寸法センサー15等が配置されている。
【0038】
封入用紙給紙部2は、昇降可能な給紙台2aと、該給紙台2aの第1給紙方向F1の下流側に配置された給紙ローラ2bと、該給紙ローラ2bに下方から対設された捌き台2c等から構成されている。給紙ローラ2b及び捌き台2cにより、最上位の封入用紙Nから一枚ずつ、折り部3の封入用紙挿入機構11に向かって給紙される。
【0039】
(折り部3の構成)
図2において、折り部3の折り機12は、バックル式の折り機であって、封筒用紙搬送経路に沿って配置された第1から第5の折りローラ31、32、33、34、35と、封筒用紙搬送経路から上方に突出すると共にスイッチバック式に封筒用紙Pが逆行可能な2台の折りトレー36、37と、封筒用紙搬送経路に沿って配置された複数のガイド部材等と、から構成されている。
【0040】
5つの折りローラ31、32、33、34、35は、この順序で第1給紙方向F1の下流側に向かって並んでおり、第1、第3及び第5の折りローラ31、33、35は、第2及び第4の折りローラ32、34よりも高い位置に配置されている。第5の折りローラ35と第4の折りローラ34との間、第4の折りローラ34と第3の折りローラ33との間、第3の折りローラ33と第2の折りローラ32との間、並びに第2の折りローラ32と第1の折りローラ31との間で、それぞれ封筒用紙Pを挟持搬送するためのニップ部を形成している。
【0041】
第1給紙方向F1の上流側に配置された折りトレー36は、第1の折りローラ31と第3の折りローラ33との間から上方に延びており、一対のトレー板間の隙間により、封筒用紙通路を形成している。また、折りトレー36には、トレー長さ方向に位置変更自在なストッパー36aが設けられている。第1給紙方向F1の下流側に配置された折りトレー37は、第3の折りローラ33と第5の折りローラ35との間から上方に延びており、一対のトレー板間の隙間により、封筒用紙通路を形成している。また、折りトレー37には、トレー長さ方向に位置変更自在なストッパー37aが設けられている。なお、V型折りの場合は、上流側の折りトレー36のみを使用する。
【0042】
封入用紙挿入機構11は、封入用紙給紙部2の給紙ローラ2bから、折り機12の第1の折りローラ31と第3の折りローラ33との間に至るガイド通路を形成する複数のガイド板11aと、複数の搬送ローラ対11bと、給紙ローラ2bの近傍に配置されたタイミングローラ11cと、から構成されている。
【0043】
封入用紙給紙部2の給紙ローラ2bとタイミングローラ11cとの間には、封入用紙給紙部2から供給される封入用紙Nの先端を検出する光センサー11dが設けられ、また、タイミングローラ11cには、タイミングローラ11cの回転量及び回転数を検出するエンコーダ(図示せず)が設けられている。このタイミングローラ11cのエンコーダは、前記光センサー11dで封入用紙Nの先端を検出することにより、カウントを開始し、予め設定されたカウント数だけカウントし、ガイド板11aの途中の所定位置まで封入用紙Nの先端が位置した時に、タイミングローラ11cを一時的に停止させる信号を送るように設定されている。
【0044】
封筒用紙給紙部1の給紙ローラ1bと第1及び第2の折りローラ31、32との間には、封筒用紙給紙部1から供給される封筒用紙Pの先端を検出する光式センサー1dが設けられ、また、第2の折りローラ32には、該第2の折りローラ32の回転量及び回転数を検出するエンコーダ(図示せず)が設けられている。この第2の折りローラ32のエンコーダは、前記光センサー1dで封筒用紙Pの先端を検出することにより、カウントを開始し、予め設定されたカウント数だけカウントし、封筒用紙Pの折り目q3が第2の折りローラ32と第3の折りローラ33とのニップ部に挟持され始める時点で、封入用紙Nが封筒用紙Pの第1の折り片P1と第2の折り片P2(
図13参照)との間に挿入されるように、タイミングローラ11cを、再度駆動させるタイミング信号を制御部に送るように設定されている。
【0045】
(方向変換部5)
図1において、方向変換部5のガイド板53は、押さえボール52の第1圧着部4側とは反対側に、第2給紙方向F2に沿って延びるガイド面53aを有すると共に、第1圧着部4側に張り出す張り出し部53bを有している。この方向変換部5では、第1圧着部4から供給される封筒用紙Pの折り目q3側の端部を、張り出し部53bの傾斜下面により下方にガイドして、押さえボール52と搬送ローラ51との間で挟持し、かつ、ガイド面53aに当接させ、搬送ローラ51の回転により、封筒用紙Pを第2給紙方向F2に搬送し、第2圧着部6へ供給する。なお、搬送ローラ51が傾斜していることにより、搬送中に、封筒用紙Pはガイド面53aに押し付けられ、第2給紙方向F2と直交する方向の位置決めがなされる。
【0046】
(第2圧着部6)
図2において、第2圧着部6の第2圧着ローラ対62は、いずれも金属製の第2上圧着ローラ62aと、該第2上圧着ローラ62aに下方から対向する金属製の第2下圧着ローラ62bと備えている。
【0047】
(第1圧着部4)
図4乃至
図8は、それぞれ第1圧着部4の正面図、平面図、底面図、操作側から見た側面図、非操作側から見た側面図、
図9及び
図10は、それぞれニップ部の隙間が0及び「有り」の場合の
図4のIX-IX断面拡大図、
図11及び
図12はそれぞれ第1圧着部の左側部分の平面図及び正面図である。ここで、説明を簡明にするために、第1給紙方向F1の下流側を第1圧着部4の「前側」、第1給紙方向F1の上流側から下流側を見て、左側(非操作側)を第1圧着部4の「左側」、第1給紙方向F1の上流側から下流側を見て、右側(操作側)を第1圧着部4の「右側」と称して、以下説説明する。
【0048】
図4において、左右の第1圧着ローラ対41L、41Rは、金属製の第1上圧着ローラ41La、41Raと、各第1上圧着ローラ41La、41Raにそれぞれ下方から対向する金属製の第1下圧着ローラ41Lb、41Rbと、を備えている。
【0049】
各第1下圧着ローラ41Lb、41Rbの軸方向(左右方向)の幅は、各第1上圧着ローラ41La、41Raの軸方向の幅よりも広く(例えば1.5倍〜3倍程度)形成されている。なお、各第1下圧着ローラ41Lb、41Rbの給紙幅方向の幅と各第1上圧着ローラ41La、41Raの給紙幅方向の幅を同じくすることも可能であるが、前記の通り、各第1下圧着ローラ41Lb、41Rbの給紙幅方向の幅を広くすると、封筒用紙Pを支持する幅が広くなり、搬送安定性が向上する。各第1上圧着ローラ41La、41Raは、二股状の支持アーム42L、42Rに、それぞれ軸受及び支持軸を介して回転自在に支持されている。各第1下圧着ローラ41Lb、41Rbは、それぞれ軸方向の両方に延びるボス43L、43Rを一体に有しており、各ボス43L、43Rは、上向きU字状の下支持台44L、44Rに、軸受を介して回転自在に支持されている。各ボス43L、43Rは内周にキー溝を有しており、共通のキー溝を有する回転軸45に、キーを介してキー嵌合している。すなわち、各ボス43L、43R及び各第1下圧着ローラ41Lb、41Rbは、回転軸45に対して、軸方向移動可能、かつ、一体回転可能となっている。なお、キー溝の代わりに、各ボス43L、43R及び回転軸45にスプライン歯を形成し、軸方向移動可能にスプライン嵌合する構造を採用することもできる。
【0050】
図9は左側の第1圧着ローラ対41Lを示しており、第1上圧着ローラ41Laを支持する支持アーム42Lは、前端部(第1給紙方向F1の下流端部)が、上支持台46Lにピボット軸47Lを介して上下方向揺動自在に支持されている。支持アーム42Lには、第1圧着ローラ対41Lのニップ部の隙間を調整するため、コイルばね48L及びカム49L等からなる隙間調整機構が設けられている。
【0051】
隙間調整機構を詳しく説明すると、支持アーム42Lの前端部には、上方に突出する係合突起71Lが形成されており、この係合突起71Lと上支持台46Lに形成されたばね受け部72Lとの間に、前述のコイルばね48Lが縮設されている。このコイルばね48Lの弾性力により、支持アーム42Lをピボット軸47L回りに上方に付勢している。すなわち、コイルばね48Lにより、第1上圧着ローラ41Laを、第1下圧着ローラ41Lbから上方に離すように、支持アーム42Lを付勢している。
【0052】
一方、カム49Lは、支持アーム42Lの後端部のカムフォロアー面74Lに上方から当接すると共に、左右共通のカム軸49aに、軸方向(左右方向)移動可能、かつ、一体回転可能に、キーにより結合されている。
図9は、カム49Lのカム山の頂部がカムフォロアー面74Lに当接している状態であり、ニップ部の隙間は0となっている。上記カム49Lが
図9の状態から回転すると、第1上圧着ローラ41Laはコイルばね48Lの作用により上昇し、ニップ部に隙間が生じ始め、
図10のように180°回転すると、ニップ部は最大隙間となる。
【0053】
図11及び
図12において、左側用のカム49L、コイルばね48L及びばね受け部72Lは、支持アーム42Lが左右に分割されていることに対応して、それぞれ一対ずつ配置されている。
【0054】
左側の第1圧着ローラ対41Lの移動機構について説明する。
図9において、上支持台46Lの上面の前端部及び下支持台44Lの下面の前端部に、上下の移動ナット部81La、81Lbがそれぞれ設けられており、各ナット部81La、81Lbは、左右方向に延びる上下のねじ軸82La、82Lbにそれぞれ螺合している。すなわち、上側のねじ軸82Laを回転すると、ねじ送り作用により、上側のナット部81La、上支持台46L、支持アーム42L及び第1上圧着ローラ41Laは、一体的に軸方向(左右方向)に移動し、下ねじ軸82Lbを回転すると、ねじ送り作用により、下ナット部81Lb、下支持台44L及び第1下圧着ローラ41Lbは、一体的に軸方向(左右方向)に移動する。
【0055】
また、上支持台46Lの上面及び下支持台44Lの下面には、上支持台46L及び下支持台44Lの軸方向の基準位置をそれぞれ検知するためのL字状の検知片83La、83Lbが設けられている。これらに対し、
図4乃至
図6に示すように、フレーム10には、上下の検知片83La、83Lbの軸方向(左右方向)の端縁をそれぞれ検出する光透過式の位置センサー84La、84Lbが設けられている。各位置センサー84La、84Lbは、断面コの字形に形成されており、上検知片83Laの上端部及び下検知片83Lbの下端部が、それぞれ上側の位置センサー84La及び下側の位置センサー84Lb内に突入可能となっている。
【0056】
すなわち、
図4に示す左側の第1上圧着ローラ41La及び上支持台46Lに関しては、
図5の状態から、上支持台46Lが左方に移動して、上支持片83Laが上位置センサー84Laの透過光を遮った位置を、基準位置として検知する。また、
図4に示す左側の第1下圧着ローラ41Lb及び下支持台44Lに関しては、
図6の状態から、下支持台44Lが左方に移動して、下検知片83Lbが下位置センサー84Lbの透過光を遮った位置を、基準位置として検知する。
【0057】
図4乃至
図6に示す右側の第1圧着ローラ対41Rの構造は、上下のナット部81Ra、81Rbの前後方向の位置及び上下のねじ軸82Ra、82Rbの前後方向の位置を除いては、前述の左側の第1圧着ローラ41Lと同様であり、対応する部品には、「L」に代えて「R」を付記した同番号(符号)を記載してある。すなわち、右側の第1圧着ローラ対41Rは、主たる部材として、第1上圧着ローラ41Ra、第1下圧着ローラ41Rb、上下の支持台46R、44R、上側の支持アーム42R、隙間調整用のカム49R、コイルばね48R、上下のナット部81Ra、81Rb、上下のねじ軸82Ra、82Rb等を備えており、さらに、左右方向の位置検知用に、上下の検出片83Ra、83Rb及び位置センサー84Ra、84Rbを備えている。
【0058】
なお、
図9に示すように、第1圧着部4の前端部には、第1圧着部4から封筒用紙Pを排出するための搬送ローラ対9が配置されている。搬送ローラ対9は上下一対の搬送ローラ9a、9bを備えている
【0059】
第1圧着ローラ対41L、41Rを回転するための駆動部、各圧着ローラ41La、41Lb、41Ra、41Rbを駆動するための駆動部、並びに各カム49L、49Rを駆動するための駆動部について説明する。
【0060】
図7において、第1圧着部4の前下端部の右側には、搬送ローラ対9及び左右の第1下圧着ローラ41Lb、41Rbを駆動するためのメイン駆動モータ101が配置されている。該メイン駆動モータ101は、ベルト伝動機構102を介して上方の中間伝動軸103に連動連結しており、該中間動軸103は伝動ギヤ組105を介して下側の搬送ローラ軸95bに連動連結し、下側搬送ローラ9bを回転させる。上側の搬送ローラ9aは下側の搬送ローラ9bに従動する。符号95aは、上側の搬送ローラ軸である。
【0061】
図8において、下側の搬送ローラ軸95bの左端部は、ベルト伝動機構108を介して下側圧着ローラ駆動用の回転軸45に連動連結しており、回転軸45が回転することにより、
図4の左右の第1下圧着ローラ41Lb、41Rbが一体的に回転する。左右の第1上圧着ローラ41La、41Raは第1の下圧着ローラ41Lb、41Rbに従動する。
【0062】
図7において、第1圧着部4の右側面の後上端部と後下端部には、右側の第1上圧着ローラ41Ra及び右側の第1下圧着ローラ41Rbをそれぞれ軸方向に移動させるために、上下の右側用の駆動モータ110Ra、110Rbが設けられており、それぞれギヤ組111Ra、111Rbを介して右側第1圧着ローラ41R用の上下のねじ軸82Ra、82Rbに連動連結されている。
【0063】
図8において、第1圧着部4の左側面の前上端部と前下端部には、左側の第1上圧着ローラ41Laと左側の第1下圧着ローラ41Lbをそれぞれ軸方向に移動させるために、上下の駆動モータ110La、110Lbが設けられており、それぞれギヤ組111La、111Lbを介して左側第1圧着ローラ41L用のねじ軸82La、82Lbに連動連結されている。
【0064】
さらに、第1圧着部4の左側面の後端部の上部には、カム用の駆動モータ120が設けられており、このカム用の駆動モータ120は、ベルト伝動機構121を介して前述のカム軸49aに連動連結している。
【0065】
カム軸49aの端部には、カム回転角度を検知する半円径の検知板122が固着されており、該検知板122の外周端部に対応する位置には、検知板122の周方向の端縁を検知する光透過式の回転角度センサー123が設けられている。回転角度センサー123が、検知板122の周方向の各端縁を検知することにより、
図9に示すニップ部の隙間0の状態と、
図10に示すニップ部の隙間が最大の時の状態を、検知することができる。また、駆動モータ120にステッピングモータ等のパルスモータを採用すると、検知板122の周方向の各端縁の間の領域であっても、カムの回転角度を正確に検出することができ、ニップ部の隙間の微調節することができる。
【0066】
各ねじ軸82La、82Lb、82Ra、82Raの端部あるいは各ねじ軸駆動用の駆動モータ110La、110Lb、110Ra、110Rbに、ステッピングモータ等のパルスモータを採用することにより、ねじ軸82La、82Lb、82Ra、82Rbの回転角度あるいは、駆動モータ110La、110Lb、110Ra、110Rbの出力部の回転角を検出し、各圧着ローラ41La、41Lb、41Ra、41Rbの基準位置からの移動量を検出できるようになっている。
【0067】
図3は、制御系の概要を示すブロック図であり、封筒用紙Pの寸法情報及び厚み等の各種情報を入力する入力部として、操作パネル8あるいは封筒用紙寸法センサー15等が用いられる。各第1圧着ローラ41La、41Lb、41Ra、41Rb用の駆動モータ110La、110Lb、110Ra、110Rbは、制御部9に電気的に接続されており、制御部9からの指令により、各圧着ローラ41La、41Lb、41Ra、41Rbを、個々に左右方向(軸方向)に移動調節する。
【0068】
(各種調節並びに設定)
(1)まず、
図1において、所望する折り型により、折りトレー36、37のうち、折り畳みに必要な折りトレーを決定すると共に、封筒用紙Pの大きさに合わせて、折りトレー36、37のストッパー36a、37aの位置を調節する。たとえば、V型折りの場合は、第1給紙方向F1の上流側の折りトレー36のみを使用し、折りトレー36のストッパー36aは、第2の折りローラ32と第3の折りローラ33のニップ部の入口端からの距離が、封筒用紙Pの第1給紙方向F1の長さの略半分となるように調節する。
【0069】
(2)第1圧着部4の各圧着ローラ対41L、41Rの軸方向(左右方向)の位置、並びに第2圧着部6の第2圧着ローラ対62の軸方向(前後方向)の位置を、封筒用紙Pの寸法に応じて、調節する。たとえば、入力部として操作パネル8を利用する場合には、「A4封筒」「縦向き」、あるいは「A4封筒」「横向き」等を選択することにより、寸法情報を入力することができ、その他に、直接、封筒の各種寸法を入力することも可能である。一方、操作パネル8を使用せずに、封筒用紙給紙部2の寸法センサー15等にて第1の給紙幅方向の寸法、第1の給紙方向F1の寸法を自動的に検出し、制御部9に入力することも可能である。
【0070】
図3において、入力部からの封筒用紙Pの寸法情報は、制御部9によって、入力寸法に応じたパルスカウント信号に演算処理され、各駆動モータ110La、110Lb、110Ra、110Rbに送られる。各駆動モータ110La、110Lb、110Ra、110Rbは、指令カウント数に応じた回転角(回転量)だけ回転し、停止する。これにより、第1圧着部4の各圧着ローラ41La、41Lb、41Ra、41Rbは、各々の基準位置から、使用封筒用紙Pの寸法に対応する軸方向位置まで移動し、停止する。
【0071】
(3)また、操作パネル8から、封筒の被圧着部分の厚み情報も制御部9に入力する。なお、操作パネル8を使用せずに、封筒用紙の被圧着部分の厚みを直接的又は間接的に検出する厚み検出手段(図示せず)により、前記厚みを自動的に検出し、制御部9に入力することも可能である。入力された厚み情報は、制御部9により、厚みに応じたパルスカウント信号に演算処理され、カム用の駆動モータ120に送られる。カム用駆動モータ120は、
図9に示す隙間0の状態から、カム軸49aを所定角度だけ回転させる。これにより、封筒用紙P及び封入用紙Nの厚みや、所望の接着強度に対応するように隙間調整される。紙厚が厚い場合や、接着強度を弱くした場合には、各第1圧着ローラ対41L、41Rのニップ部の隙間を大きくし、紙厚が薄い場合や、接着強度を強くしたい場合には、各角第1圧着ローラ対41L、41Rのニップ部の隙間を小さくする。なお、カム49L、49Rを
図9のような隙間0の状態から回転することにより、次第に隙間が増加する。
【0072】
(4)その他に、折り部3における封入用紙Nの送り出しタイミング等、方向変換部5におけるストッパー位置の調節、第2圧着部6における第2圧着ローラ対62の軸方向の位置も調節する。
【0073】
(封入封緘作業)
図2及び
図13により、封入封緘作業の全体の流れを簡単に説明する。
【0074】
(1)封筒用紙給紙部1及び封入用紙給紙部2から、封筒用紙P及び封入用紙Nが一枚ずつ、折り部3に供給される。
【0075】
(2)折り部3において、封筒用紙Pは、折り目q3により二つ折りにされ、この二つ折り作業の途中において、封入用紙Nが、封筒用紙Pの二つの折り片P1、P2間に挿入される。
【0076】
(3)封入後、第1圧着部4において、左右の第1圧着ローラ対41L、41Rにより、封筒用紙Pを第1給紙方向F1に搬送しつつ、封筒用紙Pの各端辺q1に沿う第1の接着剤層A1に対応する箇所を挟圧し、圧着する。
【0077】
(4)方向変換部5で第1給紙方向F1から第2給紙方向F2に変換した後、第2圧着部6において、第2圧着ローラ対62により、第2給紙方向F2に搬送しつつ、封筒用紙Pの残りの端辺q2に沿う第2の接着剤層A2に対応する箇所を挟圧し、圧着する。
【0078】
次に、
図14及び
図15により、折り作用及び封入作用について、簡単に説明する。
図14のように、封筒用紙Pは、第1乃至第4の折りローラ31、32、33、34で形成される封筒用紙搬送経路内を第1給紙方向F1に蛇行しながら進み、先行する一方の折り片P1が折りトレー36内に侵入し、折りトレー36内を上昇する。
【0079】
次に
図15のように、封筒用紙Pの先行する端辺q2がストッパー37aに当接し、更に第1給紙方向F1への封筒用紙Pの搬送が継続されることにより、封筒用紙Pの折り目q3が、第2の折りローラ32と第3の折りローラ33のニップ部に押し込まれる。これと同時に、封入用紙挿入機構から封入用紙が封筒用紙内に挿入される。
【0080】
上記のように、二つ折りに折り畳まれる封筒用紙Pの開放側の三つの端辺q1、q1、q2を、第1圧着部4と、該第1圧着部4の第1給紙方向F1と直交する第2給紙方向F2を有する第2圧着部6とにより、2段階に分けて圧着する。封筒用紙Pの折り目と直交する二つの端辺q1、q1に対しては、2対の第1圧着ローラ対41L、41Rにより端辺q1毎に圧着するので、各端辺q1、q1を、接着力不足が生じることなく、所望の圧力で、確実に圧着することができる。
【0081】
しかも、第1圧着部4の各第1圧着ローラ41La、41Lb、41Ra、41Rbは、個々に、駆動モータ110La、110Lb、110Ra、110Rbを有する移動機構を利用して、それぞれ軸方向の位置が調節可能となっているので、封筒用紙Pで作成される封書の縦横の各寸法が変更されたり、封筒用紙Pの第1接着剤層A1の塗布位置が変更された場合であっても、各第1圧着ローラ41La、41Lb、41Ra、41Rbの位置を、前記変更に応じて容易にかつ正確に変更することができる。勿論、第2圧着部6の各圧着ローラ62a、62bの軸方向(前後方向)の位置についても、第1圧着部4と同様に、封筒用紙Pの寸法の変更に応じて、容易にかつ正確に調節することができる。
【0082】
さらに、第1圧着部4の各圧着ローラ対41L、41Rは、ニップ部の隙間が調整可能であるので、必要に応じて、接着強度を調節することができる。第2圧着部6についても、同様である。
【0083】
封筒用紙Pの左右の端部の一方だけを圧着する場合、たとえば、左端部のみを圧着する場合には、右側の第1上圧着ローラ41Raを、右方退避位置まで移動し、退避させておく。右方退避位置まで移動させるには、右側の上ねじ軸82Raを回転することにより、右側の上支持台46Rを、封筒用紙Pの右端縁から右方にはずれる位置まで移動する。また、右側の下支持台44Rを移動させて右側の第1下圧着ローラ41Rbを右方退避位置に退避させても良く、また、右側の、第1上圧着ローラ41Raと第1下圧着ローラ41Rbとを右方の退避位置に退避させても良いが、右側の第1上圧着ローラRaのみを退避させれば、右側の第1下圧着ローラ41Rbによって封筒用紙Pを下方から支持することができ、搬送安定性が向上する。
【0084】
本実施の形態によると、封筒用紙Pの厚さ情報に加え、V型、Z型及びC型等の折り方の情報を、たとえば操作パネル8で入力することにより、圧着する際の封書の厚みに対応するように、各第1圧着ローラ対41L、41Rのニップ部の隙間の調整することで、ユーザの熟練度に関係なく、一律の圧着力を付与でき、ユーザの手間を省くことができるのである。第2の圧着部6についても、同様である。
【0085】
[第1の実施の形態の変形例]
図18乃至
図23は、本発明の第1の実施の形態の変形例であり、前記
図1乃至
図12の構造と異なる点は、左右の第1圧着ローラ対41L、41Rのニップ部の隙間調整が、個々に行えるようにしたことである。すなわち、右側の第1上圧着ローラ41Raと左側の第1上圧着ローラ41Laとを、左右別々のカム軸49La、49Ra並びに左右別々のカム用の駆動モータ120L、120Rにより、駆動させる構造としている。その他の構造は、
図1乃至
図12の構造と同様であり、対応する部品には同じ符号を付してある。
【0086】
詳しく説明すると、第1圧着部4の平面図である
図19において、フレーム10の前上部に左側カム用の左側カム軸49Laを配置し、フレーム10の後上部に右側カム用の右側カム軸49Raを配置してある。
【0087】
図18において、右側カム軸49Raは、右端部が右ベルト伝動機構121Rを介して右側駆動モータ120Rに連動連結している。左側カム軸49Laは、左端部が左ベルト伝動機構121Lを介して左側駆動モータ120Lに連動連結している。
【0088】
左側カム軸49Laと右側カム軸49Raとは、略同一高さに配置されており、また、右側面図である
図20に示すように、右側駆動モータ120Rと右側カム軸49Raとは、前後に間隔を置いて略同一高さに配置されている。
【0089】
左側面図である
図21において、左側駆動モータ120Lは、前述の
図8と同様に、左側カム軸49Laの下方に配置されている。
【0090】
図22及び
図23は、それぞれ
図18のXXII-XXII、XXIII-XXIII断面図(右側第1圧着ローラ対41Rの右側面図及び左側面図)であり、支持アーム42Rは、前端部のばね受け用の係合突起71Rの上端に延長部71Raを一体に有しており、該延長部71Raの前面が、カムフォロアー面74Rとなっている。したがって、カムフォロアー面74Rの前側に、右側カム49Rが配置され、コイルばね48Rの弾性力により、カムフォロアー面74Rがカムに当接している。
【0091】
なお、
図21の左側の第1上圧着ローラ41Laの支持構造及び隙間調整機構は、前述の
図9及び
図10と同様である。
【0092】
本変形例によると、左側の第1圧着ローラ対41Lのニップ部の隙間調整と、右側の第1圧着ローラ対41Rのニップ部の隙間調整とが、たとえば
図1の操作パネル8のキー操作により、個々に行えるので、封筒用紙Pの左右端部の厚みが異なる場合でも、各厚みに応じた適切な圧着力で、封筒用紙Pの左右の端部を圧着することができる。また、接着剤が異なる場合等でも、必要な圧着力で圧着することができる。
【0093】
また、P左右の端部の一方を強く圧着して剥離不可能な状態に接着し、他方を弱く圧着して剥離可能な状態に接着することにより、剥離可能な弱圧着箇所を開封することにより、内容物を容易に取り出すことができ、封書そのものは、その内容物の保管のための封筒として開封後も利用できる。また、封筒用紙Pの左右の端部の一方だけを圧着する場合、前記
図1乃至
図12の場合のように、たとえば右側の圧着ローラ対41Rの、第1の上圧着ローラ41Raと第1の下圧着ローラ41Rbのうち少なくともいずれかを、封筒用紙Pの右端縁から右方に外れる位置まで移動させるほか、右側の第1の上圧着ローラ41Raを、圧着不可能な上方退避位置に移動し、退避させておくことも可能である。上方退避位置に移動させるには、前記右側カム49Rを回転して、右側の上支持アーム42Rを最高位置まで上昇させる。
【0094】
その他の作用及び効果については、前記
図1乃至
図12の場合と同様である。
【0095】
[第2の実施の形態]
図24及び
図25は、本発明の第2の実施の形態であり、封入封緘装置全体が、L字型配置ではなく、I字型(直線型)に配置されている。すなわち、縱断面略図である
図24において、給紙方向は、第1給紙方向F1のみとなり、第1圧着部4の給紙方向F1の下流側に、方向変換部の代わりに、複数の搬送ローラを有する直送型の搬送部5aを配置してある。
【0096】
また、前記第1の実施の形態の第2圧着部の代わりに、接着剤の塗布、フラップ部の折り込み及び挟圧作用を行う、接着部6aを配置している。具体的構造を簡単に説明すると、接着部6aは、昇降可能で第1給紙幅方向に移動可能な接着剤塗布手段63と、該接着剤塗布手段63の第1給紙方向F1の下流側に配置されて昇降可能な折り込み板64と、該折り込み板64に下方から対向する溝部65とを備え、また、接着剤塗布手段63の第1給紙方向F1の上流側には、正逆回転可能な複数の補助搬送ローラ対66、67が配置されている。
【0097】
搬送部5a及び補助搬送ローラ対66を経て供給される封筒用紙Pは、まず、接着剤塗布手段63によりフラップ部に接着剤が塗布され、続いて、フラップ部と封筒本体部との境界が、下降する折り込み板64と溝部65との間で折り込まれる。そして、補助搬送ローラ66、67が逆回転することにより、第1給紙方向F1の上流側に搬送され、補助搬送ローラ対66でフラップ部が挟持されることにより、封緘され、搬送部5aの下側の紙受け部7に放出される。
【0098】
上記のように、全体の配置、搬送部5a、接着部6a及び紙受け部7の構造が異なっていること以外は、前記第1の実施の形態と同様であり、同じ部品には、同じ符号を付してある。
【0099】
[第3の実施の形態の変形例]
図26は、本発明の第3の実施の形態であり、封筒用紙給紙部1の給紙ローラ1bと、折り部3の第1及び第2折りローラ31、32のニップ部との間に、封筒用紙Pを第1給紙方向F1に沿って切断するスリッター200を配置している。スリッター200は、左側の上下一対の回転刃201L、202L及び右側の上下一対回転刃201R、202Rを備えており、それぞれ第1の給紙幅方向に移動調節可能となっている。
【0100】
該実施の形態によると、規格寸法の封筒用紙Pは、折り機12に挿入する前段階で、給紙幅方向の所望の幅に切り揃えられる。また、操作パネル8(
図1参照)又は手動により、スリッター200の回転刃201L、202L、201R、202Rの第1の給紙幅方向の位置を調整すると、その位置変更作動に連動して、第1圧着部4の左右の圧着ローラ対41L、41Rの給紙幅方向の位置が、切断位置に対応するように、自動的に調節される。
【0101】
本第3の実施の形態では、スリッター200を備えていることにより、定形サイズの封書に限らず、定形外の封書を簡単に作成することができ、たとえば、ダイレクトメールを作成する場合には、定形外の封書を作成することにより、郵便物中で目立たせることができ、開封者の開封意欲をかき立てることができる。
【0102】
本第3の実施の形態において、上記スリッター200以外は、前記第1の実施の形態と同様であり、同じ部品には、同じ符号を付してある。なお、前記第2の実施の形態のように、封入封緘装置全体が、直線型に配置されている装置にも、適用可能である。
【0103】
[第4の実施の形態の変形例]
図27及び
図28は、本発明の第4の実施の形態であり、折り部3と第1圧着部4との間に、封筒用紙Pを第1給紙方向F1に沿って切断するスリッター200を配置している。
【0104】
縦断面図である
図27において、スリッター200の基本構成は前記第3の実施の形態と同様であるが、スリッター200を第1圧着部4の後側(第1給紙方向F1の上流側)に配置していることに伴い、スリッター200と第1圧着部4との間に、次のような相対位置決め機構を設けている。
【0105】
すなわち、上側の左右の回転刃201L、201Rの支持台205L、205Rと、下側の左右の回転刃202L、202Rの支持台206L、206Rには、それぞれ前方に突出する検知片211La、211Ra、211Lb、211Rbを設け、上記各検知片211La、211Ra、211Lb、211Rbの左右方向の端縁を検出可能な光透過式位置センサー212La、212Ra、212Lb、212Rbを、第1圧着部4の左右の上支持台46L、46R及び下支持台46L、46Rの後面にそれぞれ設けている。
【0106】
図28は、スリッター200及び第1圧着部4の簡略平面図であり、左側の上下の回転刃201L、202Lの切断線と、左側の上側検出片21lLaの右端縁と、左側の上位置センサー212Laの検出部と、左側の第1上圧着ローラ41Laの左端縁が、第1給紙方向F1と平行な左側の直線ALに一致するように位置決めされている。一方、右側については、右側の上下の回転刃201R、202Rの切断線と、右側の上側検出片21lRaの左端縁と、右側の上位置センサー212Raの検出部と、右側の第1上圧着ローラ41Raの右端縁が、第1給紙方向F1と平行な右側の直線ARに一致するように、位置決めされる。
【0107】
左右の第1下圧着ローラ41Lb、41Rbの左右幅の中心線は、それぞれ左右の第1上圧着ローラ41La、41Raの左右幅の中心線と一致している。また、左側の上下の回転刃201L、202Lの切断線は、左側の第1上圧着ローラ41Laの左右方向の外側面(左側面)と一致し、右側の上下の回転刃201R、202Rの切断線は、右側の第1上圧着ローラ41Raの左右方向の外側面(右側面)と一致している。
【0108】
該実施の形態によると、規格寸法の封筒用紙Pは、折り部3において、封入用紙Nが挿入され、折り機12で折り畳まれた状態で、スリッター200により、給紙幅方向の所望の幅に切り揃えられる。また、操作パネル8(
図1参照)又は手動により、スリッター200の回転刃201L、202L、201R、202Rの第1の給紙幅方向の位置を調整すると、第3の実施の形態と同様に、その位置変更作動に連動して、第1圧着部4の左右の圧着ローラ対41L、41Rの給紙幅方向の位置が、切断位置に対応するように、自動的に調節される。
【0109】
特に、
図28に示すように、第1圧着部4の第1圧着ローラ対41L、41Rの左右方向の位置が設定されることにより、切断後の封筒用紙Pの左右の端縁に、左右の第1上圧着ローラ41La、41Raの左右方向の端縁が一致した状態で、封筒用紙Pの左右端部が圧着され、それにより、封筒用紙Pの左右の端縁に限界まで、適切に圧着することができる。
【0110】
なお、第1圧着部4の左右の第1圧着ローラ対41L、41Rの左右方向の位置決めは、
図28のような方法の他に、左側の上下の回転刃201L、202Lの切断線に対し、左側の第1上圧着ローラ41Lの左端縁が、左右方向の内方(右方)に所定量ずれた位置に設定され、かつ、右側の上下の回転刃201R、202Rの切断線に対し、右側の第1上圧着ローラ41Raの右端縁が、左右方向の内方(左方)に所定量ずれた位置に設定されることもある。この設定方法は、たとえば、
図16において、封筒用紙Pの左右の端部に形成される接着剤層A1、A1が、左右の端縁q1、q1よりも、所定量だけ左右方向の内方に形成されている場合に、接着剤層A1の領域に対し、適切に圧着作用を及ぼすことができる。
【0111】
[第5の実施の形態の変形例]
図29及び
図30は、本発明の第5の実施の形態であり、第1圧着部4の第1給紙方向F1の下流側に、封筒用紙Pを第1給紙方向F1に沿って切断するスリッター200を配置している。
【0112】
縦断面図である
図29において、スリッター200の基本構成は前記第4の実施の形態と同様であり、また、スリッター200を第1圧着部4の前側(第1給紙方向F1の下流流側)に配置していることに伴い、スリッター200と第1圧着部4との間に、前記第4の実施の形態と同様な相対位置決め機構を設けている。
【0113】
第4の実施の形態と同じ部品には、同じ符号を付している。
【0114】
該実施の形態によると、圧着後に、封筒用紙Pの左右両端部を切断すること以外は、第4の実施の形態と同様である。
【0115】
また、スリッター200に対する第1圧着部4の第1圧着ローラ対41L、41Rの左右方向の相対位置の設定についても、
図30に示すように、左側の上下の回転刃201L、202Lの切断線と、左側の上側検出片21lLaの右端縁と、左側の上位置センサー212Laの検出部と、左側の第1上圧着ローラ41Lの左端縁が、第1給紙方向F1と平行な左側の直線ALに一致するように位置決めされる。一方、右側については、右側の上下の回転刃201R、202Rの切断線と、右側の上側検出片21lRaの左端縁と、右側の上位置センサー112Raの検出部と、右側の第1上圧着ローラ41Raの右端縁が、第1給紙方向F1と平行な右側の直線ARに一致するように、位置決めされる。
【0116】
左右の第1下圧着ローラ41Lb、41Rbの左右幅の中心線は、それぞれ左右の第1上圧着ローラ41La、41Raの左右幅の中心線と一致している。また、左側の上下の回転刃201L、202Lの切断線は、左側の第1上圧着ローラ41Laの左右方向の外側面(左側面)と一致し、右側の上下の回転刃201R、202Rの切断線は、右側の第1上圧着ローラ41Raの左右方向の外側面(右側面)と一致している。
【0117】
勿論、第4の実施の形態で説明した別の方法と同様に、左側の上下の回転刃201L、202Lの切断線に対し、左側の第1上圧着ローラ41Lの左端縁が、左右方向の内方(右方)に所定量ずれた位置に設定され、かつ、右側の上下の回転刃201R、202Rの切断線に対し、右側の第1上圧着ローラ41Raの右左端縁が、左右方向の内方(左方)に所定量ずれた位置に設定されることもある。この設定方法は、第1圧着部4の第1給紙方向F1の下流側にスリッター200を配置している構造においては、切断前の接着剤層A1の左右方向の端縁に接着剤が十分に塗布されていない場合には、その十分に塗布されていない領域を切断し、除去することになり、特に有効である。
【0118】
[その他の実施の形態]
(1)封筒用紙Pの寸法を制御部に入力する入力部としては、操作パネル8、給紙部1の寸法センサー及び第4及び第5の実施の形態で説明した相対位置検出機構の他に、給紙部1、2から第1圧着部4までの搬送経路の適所に、封筒用紙の左右の端縁を検出する位置センサーを配置してもよい。
【0119】
(2)
図16において、折り目q3と平行な各端辺q2に沿って形成される第2の接着剤層A2として、アラビア糊等の再湿糊を塗布しておくこともできる。この場合、
図1及び
図2の第2の圧着部6の代わりに、たとえば、第2の接着剤層A2の全長に亘る長さを有する加水ローラを配置しておく。また、加水機構として、
図2の折り部3の折り機12の折りトレー36、37あるいは折りローラ31、32、33、34に加水機構を設けておくこともできる。
【0120】
(3)封筒用紙の厚さ情報に加え、V型、Z型及びC型等の折り方の情報を、たとえば操作パネル8で入力することにより、圧着する際の封書の厚みに対応するように、各第1圧着ローラ対のニップ部の隙間の調整することで、ユーザの熟練度に関係なく、一律の圧着力を付与でき、ユーザの手間を省くことができるのである。
【0121】
(4)前記各実施例では、
図2、
図24及び
図26等に示される装置全体の縦断面図において、給紙方向F1、F2を水平方向としたので、圧着ローラ対の各圧着ローラを、両圧着ローラの軸芯線を含む面が垂直となるように上下に配置し、上圧着及び下圧着ローラと称したが、給紙方向F1、F2が、水平に対して所定角度傾斜した場合には、傾斜した給紙方向F1、F2に合わせて、圧着ローラ対の各圧着ローラを、両圧着ローラの軸芯線を結ぶ面が垂直に対して前記所定角度だけ傾斜するように、配置することも可能である。