(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-5718(P2015-5718A)
(43)【公開日】2015年1月8日
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/06 20120101AFI20141205BHJP
【FI】
H01L31/04 Y
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-265749(P2013-265749)
(22)【出願日】2013年12月24日
(31)【優先権主張番号】特願2013-109707(P2013-109707)
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】502379505
【氏名又は名称】久保 征治
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100182877
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 抄太郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 征治
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 忠
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151AA03
5F151CB19
5F151CB20
5F151DA03
5F151DA16
5F151FA10
5F151FA14
5F151GA15
5F151HA03
(57)【要約】
【課題】電変換効率の向上を阻害する事情を低減させた太陽電池を提供することを課題とする。
【解決手段】第一導電型の半導体基板101と、半導体基板101の光透過面に形成されていて中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層102Aと、半導体基板101の光入射面に形成されていて短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層102Aに到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層102Bとを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の光透過面に形成されていて中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基板の光入射面に形成されていて短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層と、
を備える太陽電池。
【請求項2】
前記半導体基板の光透過面では、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出すための電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層が全面的に接する態様で形成されている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第二半導体層から出力される電流と前記第一半導体層から出力される電流とを加算して出力する、請求項1記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第一半導体層と前記第二半導体層とは、同一工程によって製造されている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項5】
前記半導体基板は、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出す電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層と前記第二半導体層とによって覆われている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第一半導体層から出力される電流の値が、前記第二半導体層から出力される電流の値よりも大きい、請求項1記載の太陽電池。
【請求項7】
第一導電型の光透過面に中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の光入射面に短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層を形成するステップと、
を含む太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置、それを備えた太陽電池に関し、特に、単結晶シリコン及びもしくは多結晶シリコン等の結晶系半導体を用いた、太陽電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、キャリアの取出し効率に優れ、特性の向上した太陽電池を提供するための技術が開示されている。この太陽電池は、光の入射により結晶系半導体層内で生成される光生成キャリアのうち、少数キャリアの取出しを前記結晶系半導体層の両側から行うものである。換言すると、この太陽電池は、一導電型を有する結晶系半導体層の光入射面側に他導電型を有する第一の半導体層を備えた太陽電池であって、前記結晶系半導体層の光透過面側に他導電型を有する第二の半導体層を備えている。
【0003】
【特許文献1】公開平11−224954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、太陽電池の性能向上のためには、光生成キャリア及び注入キャリアの再結合を低減させることが必要であるが、特許文献1に開示されている太陽電池は、この種の対応がなされていない。このため、特許文献1に開示されている太陽電池の性能向上には限界があった。
【0005】
そればかりか、特許文献1に開示されている太陽電池は、それを構成する半導体基板が相対的に厚いため、少数キャリアの大半は第一の半導体層又は第二の半導体層に到達できない。このため、結果的には、光生成キャリアが再結合することになり、第一の半導体層又は第二の半導体層から取り出せる電流は僅かであった。また、再結合電流の増加は、開放電圧の低下を招くという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、光電変換効率の向上を阻害する事情を低減させた太陽電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の太陽電池は、
第一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の光透過面に形成されていて中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基板の光入射面に形成されていて短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層と、
を備える。
【0008】
本発明によれば、第二半導体層を備えることから、第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集することが可能となるので、光生成キャリアの再結合を防止することができる。
【0009】
なお、前記半導体基板の光透過面では、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出すための電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層が全面的に接する態様で形成されていると、半導体基板の光透過面における開放電圧の低下を防止できるので好ましい。
【0010】
また、前記第一半導体層と前記第二半導体層とを、同一工程によって製造されていると、製造工程を簡易なものとすることができるので、製造コストを低廉化できるという利点もある。
【0011】
さらに、前記半導体基板は、前記第一半導体層で収集されたキャリアに基づく電気信号を取り出す電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層と前記第二半導体層とによって覆われているとよい。半導体基板の側面においても、少なからず、第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集することが可能となるので、光生成キャリアの再結合を更に防止することができる。
【0012】
また、前記第一半導体層から出力される電流の値が、前記第二半導体層から出力される電流の値よりも大きくしてもよい。
【0013】
また、本発明の太陽電池の製造方法は、
第一導電型の半導体基板の光透過面に中長波長の太陽光線に基づいて発生するキャリアを収集する第二導電型の第一半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の光入射面に短波長の太陽光線に基づいて発生するキャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づいて発生するキャリアのうち第一半導体層に到達しないキャリアを収集する第二導電型の第二半導体層を形成するステップと、
を含む。
【0014】
本発明によれば、半導体基板に第二半導体層を形成していることから、第一半導体層に到達しない光生成キャリアを、第二半導体層において収集することが可能となるので、光生成キャリアの再結合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態1の太陽電池を構成する太陽電池セル100の光入射面側から見た模式的な斜視図である。
【
図2】
図1の裏面側である光透過面側から見た模式的な斜視図である。
【
図4】
図3に示す太陽電池セル100の製造工程図である。
【
図5】本発明の実施形態2の太陽電池セル100の模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0016】
31 反射防止膜
32 酸化膜
100 太陽電池セル
101 単結晶N型半導体基板
102A P型第一半導体層
102B P型第二半導体層
143 N
+型半導体層
170 バスバー配線
171 第一の電極
172 第二の電極
173 側面電極
174 光入射面メイン・バスバー
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の太陽電池を構成する太陽電池セル100の光入射面側から見た模式的な斜視図である。
図1に示すように、太陽電池セル100は、以下説明する、単結晶N型半導体基板101と、バスバー配線170と、光入射面メイン・バスバー174と、側面電極173とを備えている。
【0019】
なお、
図1には、太陽光線130と、バスバー配線170間のピッチ175とを付記している。一例としては、太陽電池セル100は、X方向、Y方向の長さともに150mm〜160mm程度、厚さは150μm〜200μm程度とすればよい。
【0020】
単結晶N型半導体基板101は、その比抵抗が例えば0.1Ω・cm〜1Ω・cmであり、その厚さが例えば150μm〜200μmであり、その不純物濃度が10
17cm
−3〜6×10
16cm
−3である。もっとも、単結晶N型半導体基板101に代えて、多結晶のN型半導体基板を用いてもよく、以後、説明する半導体の導電型を逆型にすることで、単結晶又は多結晶のP型半導体基板を用いてもよい。本実施形態では、単結晶N型半導体基板101の厚さを相対的に薄くしており、これも、光生成キャリアの再結合を防止することに寄与するため、光電変換効率の向上させることができる。
【0021】
バスバー配線170は、Y方向に沿って、単結晶N型半導体基板101の光入射面に形成されている配線である。ここでは、例えば、合計12本のバスバー配線170を模式的に示しているが、実際には、約1000本の配線が形成されている。もっとも、バスバー配線170の数は、これよりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0022】
バスバー配線170は、一例を示すと、電極長を約75mm、電極幅を約3μm、厚さを約3μmとしている。この条件の場合、太陽電池セル100の開口率は、約99%である。また、バスバー配線170は、比抵抗が2.5×10
−6Ω・cm〜3.0×10
−6Ω・cm程度の材料を選択するとよい。
【0023】
このような材料としては、例えば、アルミニウム、銀又は銅を用いることができる。これらの材料は、例えばこれらをペースト状にして用いてもよいし、単独で用いるだけでなく混合させて用いてもよい。バスバー配線170間のピッチ175は、300μm程度とすることができる。
【0024】
光入射面メイン・バスバー174は、X方向に沿って形成されていて、各バスバー配線170が接続されている。光入射面メイン・バスバー174のサイズは、例えば、幅が約150mm、長さが約20μm、厚さが約3μmのものとすることができる。
【0025】
側面電極173は、単結晶N型半導体基板101の側面に形成されていて、光入射面メイン・バスバー174及び後述する第二の電極172(
図2)に接続されている。側面電極173のサイズは、例えば、X方向の長さが約150mm、X方向及びY方向に直交するZ方向(図示せず)の長さが約150μm〜200μm、厚さが約3μmのものを採用することができる。
【0026】
なお、側面電極173の材料としてアルミニウムを用いた場合には、バスバー配線170に比して、光入射面メイン・バス・バー174の配線抵抗は無視できるので、上記のサイズの場合には、光入射面メイン・バスバー174の抵抗値は約250mΩとなる。
【0027】
図2は、
図1の裏面側である光透過面側から見た模式的な斜視図である。
図2には、
図1に示した部分のほかに、以下説明する、第一の電極171と、第二の電極172とを示している。
【0028】
第一の電極171は、後述するN
+型半導体層143(
図3)に接続されていて、N
+型半導体層143を通じて、太陽光線130によって生成された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出すための電極である。第一の電極171は、例えば、中央部分がY方向に延びる軸部分と、当該軸部分に対して直交するX方向に一体的に延びる複数の櫛歯状部分とによって構成されている。
【0029】
また、第一の電極171の材料は、これに限定されるものではないが、例えば、アルミニウムから構成することができ、その厚さは10μm程度とすればよい。
【0030】
第二の電極172は、後述するP型第一半導体層102A(
図3)に接続されていて、P型第一半導体層102Aを通じて太陽光線130によって生成された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出すための電極である。
【0031】
第二の電極172は、第一の電極171の周辺を、例えば10μmといった所定の電極間ギャップ177をもって形成されている。第二の電極172は、これに限定されるものではないが、例えば、アルミニウムから構成することができ、その厚さは10μm程度とすることができる。
【0032】
図3は、
図1及び
図2の破線Aに沿った断面図である。
図3には、
図1又は
図2に示した部分のほかに、以下説明する、P型第一半導体層102Aと、P型第二半導体層102Bと、N
+型半導体層143と、反射防止膜31と、酸化膜32とを示している。
【0033】
P型第一半導体層102Aは、単結晶N型半導体基板101の光透過面のうち、N
+型半導体層143を除く領域に形成されている。P型第一半導体層102Aは、単結晶N型半導体基板101とともに、太陽光線130のうち主として中長波長の光線に基づいて光生成キャリアを生成させるものである。P型第一半導体層102Aは、そのシート抵抗が例えば10Ω/□〜200Ω/□、その不純物濃度が例えば10
20cm
−3〜10
18cm
−3のものとすればよい。
【0034】
P型第一半導体層102Aは、後述の製造工程によって形成してもよいが、これに代えて、単結晶N型半導体基板101に溝を形成して、或いは、単結晶N型半導体基板101の厚さ200μmとほぼ等しい厚さの太陽電池セルの半導体基板を用意して、それをX,Y方向に適宜区切ってマイクロセル構造とし、マイクロセル間の側面に壁状の溝を形成して、当該溝に第二の電極172とともに形成してもよい。係る場合には、第二の電極172の面積を大きくできるので、太陽電池セル100の光電変換特性を更に改善できる。
【0035】
P型第二半導体層102Bは、単結晶N型半導体基板101の光入射面及び側面を覆う態様で形成されている。なお、P型第二半導体層102Bは、光生成キャリアの再結合防止の観点からすれば、僅かな面積でしかない単結晶N型半導体基板101の側面までをも覆う態様で形成することは必須ではないが、後述する製造工程によれば側面も一体的に覆うように製造することになる。
【0036】
P型第二半導体層102Bは、単結晶N型半導体基板101とともに、太陽光線130のうち主として短波長の太陽光線により光生成キャリアを生成させるものである。P型第二半導体層102Bは、そのシート抵抗は例えば100Ω/□、その不純物濃度は例えば10
20cm
−3〜10
18cm
−3、その厚さは太陽光線100のうち、例えば波長λが0.45μm以下、更には0.3μm以下の太陽光線に基づいて光生成キャリアを生成できる条件とすればよい。
【0037】
なお、波長λが0.45μm以下という条件は、太陽光線130の全体のうち光生成キャリアを生成させる光子の数が全体の光子数のほぼ5%〜10%となること、波長λが0.3μm以下という条件は、太陽光線130の全体のうち光生成キャリアを生成させる光子の数が全体の光子数のほぼ0%となることと、それぞれ同義である。
【0038】
ここで、本実施形態では、単結晶N型半導体基板101の表面につき、第一の電極171に対応するN
+型半導体層143の形成箇所を除いて、P型第二半導体層102B又はP型第一半導体層102Aを全面的に形成している。
【0039】
そして、単結晶N型半導体基板101とP型第一半導体層102Aとによる光入射面側のPN接合のビルトイン・ポテンシャルを、単結晶N型半導体基板101とP型第二半導体層102Bとによる光透過面側のPN接合のビルトイン・ポテンシャルと同様としている。
【0040】
各ビルトイン・ポテンシャルは、単結晶N型半導体基板10に対するP型第二半導体層102B及びP型第一半導体層102Aの濃度を調整すればよい。具体的には、ビルトイン・ポテンシャルは、P型第二半導体層102B及びP型第一半導体層102Aのアクセプタ密度に比例するので、これらの濃度を同様とすればよい。
【0041】
N
+型半導体層143は、光透過側に設けられていて、第一の電極171に接続されている電気信号を取り出すための半導体層である。N
+型半導体層143の不純物濃度は、例えば3×10
20cm
−3〜3×10
18cm
−3とすればよい。なお、
図3には、P型第一半導体層102A及びN
+型半導体層143の形状としてストライプ状のものを示しているが、これに代えて、グリッド状又はそれらのうち片方をドット状としてP型第一半導体層102Aに対するN
+型半導体層143面積比率を例えば10%程度に小さくしてもよい。
【0042】
反射防止膜31は、P型第二半導体層102Bの光入射面側であって、バスバー配線170間に形成されている。反射防止膜31は、これに限定されるものではないが、窒化膜(SiN)等を用いることができる。なお、ここでは、反射防止膜31の形状を簡略化しているが、実際には、例えば、逆ピラミッド型をしたテクスチャ構造としている。
【0043】
酸化膜32は、既知のように、光透過面での再結合電流を抑制するために、光透過面側に設けられたパッシベーション膜である。
【0044】
図4は、
図3に示す太陽電池セル100の製造工程図である。まず、単結晶N型半導体基板101のダメージを除去するために、例えば弗酸を用いて単結晶N型半導体基板101の両面を約10μmエッチングする。つぎに、単結晶N型半導体基板101の少なくとも光入射面に対して、アルカリ性溶液(例えば、KOH液)に浸せるなどして異方性エッチングを行う。こうして、単結晶N型半導体基板101の少なくとも光入射面に、例えば、底辺が約30μm、高さが約20μmとなる条件で、逆ピラミッド形状のテクスチャ構造(図示せず)を形成する(ステップS1)。
【0045】
その後、後工程によって単結晶N型半導体基板101の裏面にリン注入を行うために、単結晶N型半導体基板101の裏面に例えばリンガラスを塗布して、リンガラス層231を形成する。それから、ホトリソグラフィでリンガラスの必要部分を残す態様で他の部分を除去する(ステップS2)。
【0046】
つづいて、単結晶N型半導体基板101を、例えばボロン雰囲気下において、約900℃の温度下で熱処理を行う。熱処理時間は、単結晶N型半導体基板101へのボロンのデポジション量が例えば約10
20cm
−3となる条件とすればよい。この結果、ボロンが単結晶N型半導体基板101内に、拡散深さが約0.1μmの場合にシート抵抗が100Ω/□となる態様で拡散する。これにより、単結晶N型半導体基板101内にはP型第一半導体層102A及びP型第二半導体層102BとなるP型半導体層102領域が形成され、かつ、単結晶N型半導体基板101の表面は全面的にボロンガラス層232で覆われる。なお、
図3では、説明の都合上、リンガラス層231表面にボロンガラス層232が積層状態となるように図示していないが、実際には、リンガラス層231表面に僅かにボロンガラス層232が積層状態となる。また、この熱処理によって、ステップS3において塗布したリンガラス層231のリンが単結晶N型半導体基板101内に拡散し、単結晶N型半導体基板101内にN
+型半導体層143が形成される(ステップS3)。
【0047】
つぎに、単結晶N型半導体基板101を、例えば酸化雰囲気下において、約950℃の温度下で熱処理を行う。熱処理時間は、ボロンガラス層232が酸化膜32に置換されるのに十分な時間とすればよい(ステップS4)。
【0048】
それから、単結晶N型半導体基板101の光入射面側の酸化膜32を除去してから、又は、当該酸化膜32を除去することなく、反射防止膜31を、例えば低温CVD法によって形成する(ステップS5)。
【0049】
つづいて、単結晶N型半導体基板101の光入射面側にバスバー配線170を、単結晶N型半導体基板101の光透過面側に第一の電極171及び第二の電極172を、それぞれ形成するために、単結晶N型半導体基板101の光入射面側の反射防止膜31の対応位置と、光透過面側の酸化膜32及びリンガラス層231の対応位置とに、それぞれ開口部251を形成する(ステップS6)。
【0050】
その後、単結晶N型半導体基板101の光入射面側の反射防止膜31の表面と、光透過面側の酸化膜32及びリンガラス層231の表面とに、例えば液相のアルミニウムを被着させてから、各開口部251にもアルミニウムを拡散させるために、例えば、約800℃の温度で熱処理を行う。その後、アルミニウムをスパッタ若しくは蒸着法で光入射面には約3μmの厚さ、光透過面は約10μmの厚さとした後に、ホトリソグラフィ法等を用いて露光する。この露光は、光入射面と光透過面との両面露光が好ましい。その後、バスバー配線170、第一の電極171及び第二の電極172となる部分を除くアルミニウムを、所要の薬品を用いたウエット・エッチング若しくはドライ・エッチング化学エッチングなどによって除去する。もっとも、バスバー配線170、第一の電極171及び第二の電極172は、上記手法に代えてペースト法を用いて形成してもよい(ステップS7)。
【0051】
それから、こうして製造した太陽電池セル100の中間生成物を複数用意し、それらを重ね合わせる。そして、それらの側面に向けてアルミニウムを溶射することなどにより、側面電極173を形成する。
【0052】
なお、太陽電池セル100の中間生成物を、側面電極173の形成面が段状となるようにややずらして重ね合わせ、さらに、それらをチルト回転させれば、側面電極173のみならず、これと一体的に光入射面メイン・バスバー174も形成することができ、さらには、光入射面メイン・バスバー174と各バスバー配線170との接続、及び、側面電極173と第二の電極172との接続も可能となる。
【0053】
もっとも、側面電極173等の形成には、既知のように、アルミニウムペーストのような金属ペーストを採用してもよいし、金属蒸着(スパッタを含む)を採用してもよいし、メッキ法を採用してもよい。以上の工程により、
図1に示す太陽電池セルが複数枚完成する。
【0054】
つづいて、本実施形態の太陽電池セル100の動作について説明する。太陽電池セル100に、太陽光線130が照射されると、太陽光線100のうち波長λが0.45μm以下の紫外光線領域以下の太陽光線、つまり、短波長の太陽光線が、単結晶N型半導体基板101とP型第二半導体層102Bとの光照射面のPN接合に到達すると、当該太陽光線に基づく光生成キャリアが生成される。
【0055】
これによって生じた正孔は、単結晶N型半導体基板101とP型第二半導体層102Bとの光照射面のPN接合付近に形成される空乏層に向けてドリフトし、当該空乏層に到達すれば、バスバー配線170及びこれに接続されている光入射面メイン・バスバー174から電気信号を取り出すことができる。
【0056】
一方、太陽電池セル100に照射された太陽光線130のうち波長λが0.45μmを超える可視光領域以上の太陽光線、つまり、中長波長の太陽光線が、単結晶N型半導体基板101とP型第一半導体層102Aとの光透過面のPN接合に到達すると、当該太陽光線に基づく光生成キャリアが生成される。
【0057】
これによって生じた正孔は、主として、単結晶N型半導体基板101とP型第一半導体層102Aとの光透過面のPN接合付近に形成される空乏層に向けてドリフトし、当該空乏層に到達すれば、第二の電極172から電気信号を取り出すことができる。
【0058】
換言すると、太陽電池セル100に太陽光線130が照射されることで生じた正孔は、上記各PN接合付近に形成される空乏層のいずれかに到達すればよいから、正孔の拡散長は短くて済む。このため、本実施形態では、既述のように、単結晶N型半導体基板101の厚さを相対的に薄くすることができる。そして、正孔の拡散長が短いとなれば、光生成キャリアの再結合を低減できるので、太陽電池セル100の光電変換効率が向上する。
【0059】
また、光生成キャリアの再結合を低減することができるということは、その再結合前の光生成キャリアに基づく電気信号を光入射面メイン・バスバー174から取り出せていることになるので、この電気信号も、太陽電池セル100全体の出力に加算できるので、太陽電池セル100全体の光電変換効率の向上につながる。
【0060】
つぎに、簡単に、本実施形態の太陽電池セル100の光電変換効率を、電圧降下(IR降下)の観点からシミュレーションしてみる。まず、単結晶N型半導体基板101とP型第二半導体層102Bとの光入射面側のPN接合に係る電流が200mAで、単結晶N型半導体基板101とP型第一半導体層102Aとの透過面側のPN接合に係る電流が12Aあると仮定する。この場合、単結晶N型半導体基板101におけるIR降下は、約66mV(≒5.4mΩ×12.2A)となる。
【0061】
つづいて、P型第二半導体層102Bの抵抗値は、既述の条件の場合には約37mΩであるから、P型第二半導体層102BでのIR降下は7.4mV(=37.0mΩ×200mA)となる。同様に、バスバー配線170の抵抗値は、既述の条件の場合には約250mΩであるから、光入射面メイン・バスバー174でのIR降下は50mV(=250mΩ×200mA)となる。
【0062】
そして、側面電極173の抵抗値が小さいので、これらでの電圧降下は無視できるくらい小さいため、太陽電池セル100に入射した太陽光線130のうち、短波長の光線に基づく電流が、単結晶N型半導体基板101とP型第二半導体層102Bとの光入射面側のPN接合、バスバー配線170、光入射面メイン・バスバー174、及び、側面電極173を通る際に受ける電圧降下の総計は、約126mV(≒66mV+57.4mV)となる。
【0063】
同様に、光透過面側の電圧降下について見てみると、P型第一半導体層102AにおけるIR降下は、約65mV(≒5.4mΩ×12A)となる。したがって、太陽電池セル100に入射した太陽光線130のうち、中長波長の光線に基づく電流が単結晶N型半導体基板101とP型第一半導体層102Aとの光透過面側のPN接合、及び、第二の電極172を通る際に受ける電圧降下の総計は、約131mV(=66mV+65mV)となる。
【0064】
この場合、光入射面側及び光透過面側の各PN接合での開放電圧をいずれも750mVと仮定すると、太陽電池セル100の動作状態での両PN接合の電圧は、それぞれ、624mV(=750mV−126mV)及び619mV(=750mV−131mV)となる。
【0065】
この時の両PN接合でのパワーは、それぞれ0.12W(≒624mV×200mA)及び7.43W(≒619mV×12A)であり、これらの合計は7.55W(=0.12W+7.43W)となる。これを1平方メートルあたりのパワーに換算すると378Wとなるので、光電変換効率は、約37.8%ということになる。
【0066】
以上のシミュレーションによれば、本実施形態の太陽電池セル100は、P型第一半導体層102Aを形成することにより中長波長の太陽光線に基づく電気信号を、また、P型第二半導体層102Bを形成することにより、P型第一半導体層102Aに到達しない光生成キャリアを収集することが可能となるので、光生成キャリアの再結合を防止することができる。
【0067】
なお、バスバー配線170につき、そのサイズを、幅約10μm、厚さ約10μm、長さ約75mmと変更し、かつ、本数を3,000本に変更することで太陽電池セル100の、開口率を約90%に変更し、その他の条件は上記と同じとした場合、その光電変換効率は、約46.2%にまで向上することになる。
【0068】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2の太陽電池セル100の模式的な断面図であり、
図3に対応するものである。
図5に示す太陽電池セル100は、
図3に示したバスバー配線170、光入射面メイン・バスバー174及び側面電極173が設けられていないタイプのものである。なお、
図5において、
図3に示した部分と同様の部分には、同一符号を付している。
【0069】
図5に示す太陽電池セル100は、バスバー配線170等を設けていないため、P型第二半導体層102Bのシート抵抗値が、P型第二半導体層102Bと単結晶N型半導体基板101との光入射面側のPN接合で生成される電気信号の上限値を規定することになる。
【0070】
この上限値はできるだけ大きい値がよいが、P型第二半導体層102Bは半導体で構成されるために、P型第二半導体層102Bのシート抵抗値は1Ω/□以上の値とすると、P型第二半導体層102Bと単結晶N型半導体基板101との光入射面側のPN接合で生成される電気信号は、P型第一半導体層102Aと単結晶N型半導体基板101との光透過面側のPN接合で生成される電気信号よりも常に小さい(ゼロを含む)。
【0071】
そして、P型第二半導体層102Bと単結晶N型半導体基板101との光入射面側のPN接合で生成される電気信号には上限があるから、それ以上の電気信号は、P型第一半導体層102Aと単結晶N型半導体基板101との光透過面側のPN接合で得られることになり、具体的には、上記及び下記諸条件で製造した太陽電池セルの場合には、総生成電流の99.9%以上をP型第一半導体層102Aと単結晶N型半導体基板101との光透過面側のPN接合から取得することができる。
【0072】
本実施形態では、P型第二半導体層102Bを、例えば、イオン打ち込み法によって形成することができる。単結晶N型半導体基板101の光入射面に形成されるP型第二半導体層102Bについては、ボロンを不純物として選択し、その拡散深さは実施形態1と同様で例えば約0.1μmとすることができる。
【0073】
また、単結晶N型半導体基板101の側面を覆うP型第二半導体層102B及びP型第一半導体層102Aは、例えば、液相からの拡散法によって形成することができる。これらについては、アルミニウムもしくはアルミニウムとボロンの複層構造を不純物として選択し、各拡散深さは例えば0.5μmとすることができる。
【0074】
もっとも、P型第一半導体層102Aと単結晶N型半導体基板101との光透過面側のPN接合によって太陽光スペクトラムの過半の光子に基づく光生成キャリアを収集できる条件であれば、P型第二半導体層102B及びP型第一半導体層102Aの双方の製法、各不純物及び各拡散深さは、上記のものに限定されるものではない。
【0075】
したがって、例えば、イオン打ち込み法に代えて固体、液体の不純物源又は気体ガスの不純物源からのドーピングを採用したり、P型第二半導体層102B及びP型第一半導体層102Aの双方をボロンのみを不純物として選択して、各拡散深さは例えば0.2μmとしたりといった対応も可能である。
【0076】
なお、実施形態1同様に、P型第二半導体層102Bのうち単結晶N型半導体基板101の側面を覆うP型第二半導体層102Bを形成することは必須ではないが、これを形成しておく利点も存在する。
【0077】
具体的には、本実施形態の太陽電池セル100は、実施形態1と異なり、バスバー配線170、光入射面メイン・バスバー174及び側面電極173が設けられていないことから、P型第二半導体層102Bに到達したキャリアに基づく電流を、太陽電池セル100の外部に取り出さなければならず、このためには、別途、P型第二半導体層102Bをプラス電源接続するなどの対策が考えられるが、P型半導体層102Bを設けていれば、これがP型第二半導体層102Bに流れる経路として機能するから、プラス電源接続などが不要となるという利点が存在する。
【0078】
さらに、本実施形態では、単結晶N型半導体基板101とP型第一半導体層102Aとによる光入射面側のPN接合のビルトイン・ポテンシャルを、単結晶N型半導体基板101とP型第二半導体層102Bとによる光透過面側のPN接合のビルトイン・ポテンシャルよりも高くする。或いは、単結晶N型半導体基板101の中央部から接合方向に向けて、半導体基板101のイオン濃度を高くするといった濃度勾配を設けてもよい。このためには、実施形態1で説明した製造方法に対して、ボロン雰囲気下での処理に先だって、リン又はアンチモンをデポジションすることで、単結晶N型半導体基板101よりも高濃度(例えば、10
17cm
−3〜10
18cm
−3)のN層を単結晶N型半導体基板101内のボロン層の内側に形成できる。もっとも、濃度勾配を設けるという対応は、実施形態1の太陽電池セル100において両ビルトイン・ポテンシャルを同様にする際にも採用することができる。
【0079】
例えば、P型第二半導体層102Bのアクセプタ密度を、P型第一半導体層102Aのアクセプタ密度に比して2ケタほど大きくすると、ビルトイン・ポテンシャルには、約120mVの差が生じる。具体的には、P型第二半導体層102Bのアクセプタ密度を例えば10
20cm
−3、P型第一半導体層102Aのアクセプタ密度を、例えば10
18cm
−3、単結晶N型半導体基板101のドナー密度を、例えば10
16cm
−3とすればよい。このような設定とすれば、単結晶N型半導体基板101で生じた少数キャリアの電子は、障壁の低い光透過面のPN接合から障壁を超えて流れるようにことになる。
【0080】
付言すると、P型第二半導体層102Bのアクセプタ密度を、P型第一半導体層102Aのアクセプタ密度に比して小さくすれば、単結晶N型半導体基板101で生じた少数キャリアの電子は、反対に、障壁の低い光入射面のPN接合から障壁を超えて流れるようにことになるし、両アクセプタ密度を等しくすれば、その光スペクトラムの波長に対応したPN接合に向かって移動することになる。
【0081】
本実施形態の太陽電池セル100は、実施形態1のものに比して、簡易な構造とすることで製造コストを安価にしたにも拘わらず、光透過面のPN接合の開放電圧を実施形態1のものと同等の値とすることができる。その結果、本実施形態の太陽電池セル100の光電変換効率は、約37.8%ということになる。
【手続補正書】
【提出日】2014年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の光透過面に形成されていて中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基板の光入射面に形成されていて短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層と、
を備え、
前記半導体基板の中央部から前記第一半導体層との接合方向に向けて当該半導体基板のイオン濃度が高い太陽電池。
【請求項2】
前記半導体基板の光透過面では、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出すための電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層が全面的に接する態様で形成されている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第二半導体層から出力される電流と前記第一半導体層から出力される電流とを加算して出力する、請求項1記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第一半導体層と前記第二半導体層とは、同一工程によって製造されている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項5】
前記半導体基板は、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出す電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層と前記第二半導体層とによって覆われている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第一半導体層から出力される電流の値が、前記第二半導体層から出力される電流の値よりも大きい、請求項1記載の太陽電池。
【請求項7】
第一導電型の光透過面に中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の光入射面に短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の中央部から前記第一半導体層との接合方向に向けて当該半導体基板のイオン濃度を高くするステップと、
を含む太陽電池の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
さらに、本実施形態では、単結晶N型半導体基板101とP型第
二半導体層102Aとによる光入射面側のPN接合のビルトイン・ポテンシャルを、単結晶N型半導体基板101とP型第
一半導体層102Bとによる光透過面側のPN接合のビルトイン・ポテンシャルよりも高くする。単結晶N型半導体基板101の中央部から接合方向に向けて、半導体基板101のイオン濃度を高くするといった濃度勾配を設けてもよい。このためには、実施形態1で説明した製造方法に対して、ボロン雰囲気下での処理に先だって、リン又はアンチモンをデポジションすることで、単結晶N型半導体基板101よりも高濃度(例えば、10
17cm
−3〜10
18cm
−3)のN層を単結晶N型半導体基板101内のボロン層の内側に形成できる。もっとも、濃度勾配を設けるという対応は、実施形態1の太陽電池セル100において両ビルトイン・ポテンシャルを同様にする際にも採用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2014年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の光透過面に形成されていて中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基板の光入射面に形成されていて短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層と、
を備え、
前記半導体基板の中央部から前記第一半導体層との接合方向に向けて当該半導体基板の不純物濃度が高く、
前記第二半導体層の不純物密度を前記第一半導体層の不純物密度に比して2ケタほど大きくしている太陽電池。
【請求項2】
前記半導体基板の光透過面では、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出すための電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層が全面的に接する態様で形成されている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第二半導体層から出力される電流と前記第一半導体層から出力される電流とを加算して出力する、請求項1記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第一半導体層と前記第二半導体層とは、同一工程によって製造されている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項5】
前記半導体基板は、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出す電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層と前記第二半導体層とによって覆われている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第一半導体層から出力される電流の値が、前記第二半導体層から出力される電流の値よりも大きい、請求項1記載の太陽電池。
【請求項7】
第一導電型の光透過面に中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の光入射面に短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の中央部から前記第一半導体層との接合方向に向けて当該半導体基板の不純物濃度を高くするステップと、
前記第二半導体層の不純物密度を前記第一半導体層の不純物密度に比して2ケタほど大きくするステップと、
を含む太陽電池の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2014年10月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の光透過面に形成されていて中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層と、
前記半導体基板の光入射面に形成されていて短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層と、
を備え、
前記半導体基板の中央部から前記第一半導体層との接合方向に向けて当該半導体基板の不純物濃度が高く、
前記第二半導体層の不純物濃度を前記第一半導体層の不純物濃度に比して2ケタほど大きくしている太陽電池。
【請求項2】
前記半導体基板の光透過面では、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出すための電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層が全面的に接する態様で形成されている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第二半導体層から出力される電流と前記第一半導体層から出力される電流とを加算して出力する、請求項1記載の太陽電池。
【請求項4】
前記半導体基板は、前記第一半導体層で収集された光生成キャリアに基づく電気信号を取り出す電極に接続される第一導電型の半導体層の形成箇所を除き、前記第一半導体層と前記第二半導体層とによって覆われている、請求項1記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第一半導体層から出力される電流の値が、前記第二半導体層から出力される電流の値よりも大きい、請求項1記載の太陽電池。
【請求項6】
第一導電型の光透過面に中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集する第二導電型の第一半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の光入射面に短波長の太陽光線に基づく光生成キャリアを収集するとともに前記中長波長の太陽光線に基づく光生成キャリアのうち第一半導体層に到達しない光生成キャリアを収集する第二導電型の第二半導体層を形成するステップと、
前記半導体基板の中央部から前記第一半導体層との接合方向に向けて当該半導体基板の不純物濃度を高くするステップと、
前記第二半導体層の不純物濃度を前記第一半導体層の不純物濃度に比して2ケタほど大きくするステップと、
を含む太陽電池の製造方法。