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特開2015-57950遺伝子組み換えイネ科植物、その種子又は種子の加工品の生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-57950(P2015-57950A)
(43)【公開日】2015年3月30日
(54)【発明の名称】遺伝子組み換えイネ科植物、その種子又は種子の加工品の生産方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/00 20060101AFI20150303BHJP
【FI】
   A01G31/00 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-191472(P2013-191472)
(22)【出願日】2013年9月17日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度農林水産省「スギ花粉症治療薬候補となるコメの開発」委託事業に係わる、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】藤井 裕二
(72)【発明者】
【氏名】南藤 和也
(72)【発明者】
【氏名】大島 玲子
(72)【発明者】
【氏名】河岡 明義
【テーマコード(参考)】
2B314
【Fターム(参考)】
2B314MA01
2B314MA12
2B314MA17
(57)【要約】
【課題】本発明は、遺伝子組み換えイネ科植物の稔実率及び/又は登熟率を向上させることのできる品質の良好な遺伝子組み換えイネ科植物、その種子又は種子の加工品の生産方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、20〜30℃の水耕水を用いて遺伝子組み換えイネ科植物の水耕栽培を行う、遺伝子組み換えイネ科植物、その種子又は種子の加工品の生産方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
20〜30℃の水耕水を用いて遺伝子組み換えイネ科植物の水耕栽培を行う、遺伝子組み換えイネ科植物の生産方法。
【請求項2】
20〜30℃の水耕水を用いて遺伝子組み換えイネ科植物の水耕栽培を行う、遺伝子組み換えイネ科植物の種子又は種子の加工品の生産方法。
【請求項3】
水耕水のECが0.6mS/cm以上である、請求項1又は2に記載の生産方法。
【請求項4】
少なくとも登熟期の期間中水耕栽培を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子組み換えイネ科植物又はその種子の生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、イネの養分吸収の適水温は30℃前後であること、及び、出穂までの生育前半に水温の影響を強く受け、25℃より低くなると収量が減り、20℃以下ではほとんど稔実しないことが記載されている。
【0003】
非特許文献2には、水稲の生育において、水稲の生育及び収量は幼穂分化期ころまでは主として水温に、幼穂発育の後期ころまでは気温と水温の両方に、そして出穂直前から以降は主として気温に左右されることが記載されている。また、生育に対する適温は生育の時期によって異なり、移植直後では水温38℃くらいまでは高いほど良く、出穂後は出穂前より低い21〜23℃で登熟が良く収量も多いことも記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】高辻正基「植物工場の基礎と実際」裳華房、1996年3月30日出版
【非特許文献2】角田公正、星川清親、石井龍一「基礎シリーズ 作物入門」実教出版、1998年6月出版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし遺伝子組み換え植物は一般に非遺伝子組み換え植物よりも稔実させることが難しい。上記非特許文献1及び2はこのような遺伝子組み換え植物における稔実困難性の問題を考慮した記載がないことから非遺伝子組み換えイネを対象としていることが明らかである。通常のイネの生育条件で遺伝子組み換えイネを栽培すると、稔実率が非常に低く、効率のよい生産ができなかった。
【0006】
本発明は、遺伝子組み換えイネ科植物の稔実率及び/又は登熟率を向上させることのできる、品質の良好な遺伝子組み換えイネ科植物、その種子又は種子の加工品の生産方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の〔1〕〜〔4〕を提供する。
〔1〕20〜30℃の水耕水を用いて遺伝子組み換えイネ科植物の水耕栽培を行う、遺伝子組み換えイネ科植物の生産方法。
〔2〕20〜30℃の水耕水を用いて遺伝子組み換えイネ科植物の水耕栽培を行う、遺伝子組み換えイネ科植物の種子又は種子の加工品の生産方法。
〔3〕水耕水のECが0.6mS/cm以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の生産方法。
〔4〕少なくとも登熟期の期間中水耕栽培を行う、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の生産方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遺伝子組み換えイネ科植物の稔実率及び/又は登熟率を向上させることができ、品質の良好な遺伝子組み換えイネ、その種子又は種子の加工品の効率的な生産を可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の適用対象は、遺伝子組み換えイネ科植物である。イネ科(Poaceae)植物としてはイネ(Oryza sativa、Oryza glaberrima)、コムギ(Triticum)、オオムギ(Hordeum vulgare)、カラスムギ(Avena fatua)、ライムギ(Secale cereale)、キビ(Panicum miliaceum)、アワ(Setaria italica)、ヒエ(Echinochloa esculenta)、トウモロコシ(Zea mays)、シコクビエ(Eleusine esculenta)、モロコシ(Sorghum bicolor)、タケ(Bambuseae)、マコモ(Zizania latifolia)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ハトムギ(Coix lacryma−jobi var.ma−yuen)等が例示される。このうち、イネが好ましい。
【0010】
遺伝子は特に限定されない。また、遺伝子組み換えの目的は特に限定されず、品種改良であってもよいし、医薬又は食品としての遺伝子組み換えイネ科植物の生産であってもよく、後者であることが好ましい。
【0011】
本発明においては、20℃〜30℃の水耕水を用いて水耕栽培を行う。これにより、遺伝子組み換えイネ科植物の稔実率及び/又は登熟率を向上させることができる。水耕水の温度は20℃〜30℃の範囲であれば変動してもよいが(好ましくは温度差3℃以内)、水耕栽培の間を通じて20度未満および30℃を超えないように調整される。室外の日中最高気温が20℃以下又は日中最低気温が10℃以下のとき(例えば12月〜4月)は、水耕水の温度は20℃〜29℃の範囲を外れないように調節することが好ましく、21℃〜28℃の範囲を外れないように調節することがより好ましく、22℃〜27℃に調節することが更に好ましい。
【0012】
室外の日中最高気温が20℃を超える又は日中最低気温が10℃を超えるとき(例えば7月〜11月)は、水耕水の温度は21℃〜30℃の範囲を外れないように調節することが好ましく、22℃〜28℃の範囲を外れないように調節することがより好ましく、23℃〜27℃の範囲を外れないように調節することが更に好ましく、22℃〜27℃の範囲を外れないように調節することが更により好ましい。
【0013】
水耕水の温度調整は、冷やす場合はチラー(空冷式、水冷式等)、暖める場合はボイラー等の公知の装置で行えばよい。
【0014】
水耕水のEC値(電気伝導度)が0.6mS/cm以上であることが好ましい。これにより、遺伝子組み換えイネ科植物の稔実率及び/又は登熟率を顕著に向上させることができる。ECの上限は好ましくは1.5mS/cm以下である。EC値は、栽培機関を通じて一定である必要はなく、例えば、0.2mS/cm〜0.4mS/cmの範囲で変化してもよい。EC値はポータブル型のEC測定装置等の機器で測定することができる。
【0015】
水耕栽培の方式は特に問わない。水耕液にイネ科植物の根部を浸漬させる方式、水耕液を噴霧又は散水する方式が例示され、通常は前者である。
【0016】
水耕水のイネ科植物に対する適用量は特に限定されない。浸漬する場合には通常1株あたり1000cm3〜27000cm3であり、噴霧又は散水する場合には通常1株あたり1000cm3〜27000cm3である。
【0017】
水耕液は、無機成分、炭素源、ビタミン類、アミノ酸類および植物ホルモン類等の成分を含んでいてもよい。
【0018】
無機成分としては、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ヨウ素、コバルト、珪素等の元素、および、これらの元素から選ばれる1以上の元素を含む無機塩が例示される。該無機塩としては例えば、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ホウ酸、三酸化モリブデン、モリブデン酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化コバルト、珪酸等、これらの水和物が挙げられる。無機成分は、1種であってもよいし2種以上の組み合わせであってもよい。
【0019】
水耕液は、窒素、リン及びカリウムを必須元素として含むことが好ましい。よって、上述の無機成分の具体例のうち、窒素、リン、カリウム、窒素を含む無機塩、リンを含む無機塩、およびカリウムを含む無機塩が好ましく、窒素、リン、カリウム、および、窒素を含む無機塩がより好ましい。水耕液中の無機成分の濃度は、窒素の場合は10mg/L〜40mg/Lであることが好ましく、リンの場合20mg/L〜40mg/Lであることがより好ましい。カリウムの場合、それぞれの水耕液中の濃度が、30mg/L〜180mg/Lであることが好ましい。
【0020】
本発明においては、水耕液として公知の一般水田用配合肥料を用いてもよい。これらの水耕液は、必要に応じて適宜希釈等して用いてもよい。
【0021】
水耕液の組成は、イネ科植物の成長期に応じて変化させてもよい。また、栽培中は水耕液を適宜交換することが好ましい。
【0022】
水耕液の調製方法は特に限定されない。水耕液組成を混合し調製してそのまま用いてもよい。
【0023】
水耕栽培の際、通常は支持体を用いる。支持体は栽培中遺伝子組み換えイネ科植物を固定する(根を張る、挿し付ける)ことができる。支持体としては砂、赤玉土等の自然土壌;籾殻燻炭、ココナッツ繊維、バーミキュライト、パーライト、ピートモス、ガラスビーズ等の人工土壌;発泡フェノール樹脂、ロックウール等の多孔性成形品などが例示される。水耕栽培の際、支持体は水耕液にて湿潤させるか、又は支持体を水耕液中に浸漬させることが好ましい。
【0024】
本発明の生産方法において、水耕栽培を実施する期間は、苗の定植から収穫までの全期間(栄養成長期(播種から穂分化)、生殖成長期(出穂まで)及び登熟期(収穫まで))でもよいし一部の期間であってもよいが、全期間であることが好ましい。また、上記の通り水耕水の温度を調整して水耕栽培を実施する期間は、少なくとも登熟期を含むことが好ましく、短日処理時〜開花期を含むことがより好ましい。登熟期を含む場合には、収量が増加する。また、適用期間の季節は問わない。通常は冬季又は夏季である。
【0025】
水耕栽培は屋内外のいずれで実施してもよいが、栽培条件の制御が容易であるので、屋内で実施することが好ましい。屋内で水耕栽培を実施する場合の施設は特に限定されず、いわゆる植物工場の施設が例示される。施設は、室内温度制御手段、光照射量制御手段、水耕水温度制御手段等の水耕栽培条件制御手段を備えていてもよい。施設は地上でもよいし地下でもよいが、自然光による光照射を行う場合には、施設の壁面の少なくとも一部は地上に位置し、その一部に採光用の窓を有していることが好ましい。施設は密閉であってもよいし開放窓を有する開放型であってもよい。ただし、環境影響評価を終えていない場合は、カルタヘナ法に遵守し、花粉の飛散時は飛散を防止しした環境で栽培する。
【0026】
水耕栽培の施設は、循環扇などの送風装置を備えていてもよい。循環扇を用いる場合風速は通常2〜3m/秒に調整することができる。また運転時間は15〜30分/時間を24時間とすることもできる。植物に乾燥などのストレスがかからない程度の使用とすることが好ましい。
【0027】
水耕栽培の際の室内温度は、通常は20℃〜30℃の範囲を外れないように調節され、冬季は20℃〜26℃の範囲を外れないように調節することが好ましく、夏期は25℃〜35℃の範囲を外れないように調節することが好ましい。室外温度との差は通常1℃〜25℃であり、冬季は15℃〜25℃であることが好ましく、夏期は1℃〜3℃であることが好ましい。室内温度の最低値と最高値の差は5℃〜20℃であることが好ましく、5℃〜10℃であることがより好ましい。
【0028】
室内湿度は、通常は45%〜100%であり、冬季は45%〜90%であることが好ましく、夏期は70%〜100%であることが好ましい。室外湿度との差は通常5%〜20%であり、冬季は5%〜20%であることが好ましく、夏期は10%〜20%であることが好ましい。室内湿度の最低値と最高値の差は10%〜50%であることが好ましく、15%〜45%であることがより好ましい。
【0029】
植栽間隔は、通常は20本/m2〜100本/m2であり、20本/m2〜50本/m2であることが好ましい。
【0030】
光照射量は、24時間の平均値が通常0.1kw〜0.3kwであり、0.2kw〜0.3kwであることが好ましい。光源は白熱灯、蛍光灯、レーザー光、LED等の人工光でもよいし、太陽光などの自然光でもよい。人工光の場合光照射量の調整は、機器を操作すればよい。自然光の場合には採光窓、日よけ等で調節すればよい。
【0031】
本発明の生産方法により、遺伝子組み換えイネ科植物の稔実率及び/又は登熟率を向上させることができ、これにより遺伝子組み換えイネ科植物を効率よく収穫することができる。遺伝子組み換えイネ科植物からは種子(例えば、コメ)を効率よく得ることができ、さらに種子から加工品(米粉、うどん、ライスヌードル等の麺;ライスペーパー;酒、味噌、米酢;など)を効率よく得ることができる。
【実施例】
【0032】
実施例1及び比較例1〜3
遺伝子組み換えイネおよびコシヒカリ(非遺伝子組み換えイネ)の栽培を表1に示す条件で行った。栽培期間は比較例2及び3は平成22年12月〜平成23年4月であり、実施例1及び比較例1は平成23年12月〜平成24年4月であった。遺伝子組み換えイネはCry j 1遺伝子及びCry j 2遺伝子をアグロバクテリウム法でイネ(品種:コシヒカリ)に導入して得られ、遺伝的に固定されたイネ由来の籾を支持体に植え発芽させ苗とした。支持体の材料はウレタンで、サイズは3cm×3cm×3cmであった。水耕水に大塚化学製水耕栽培用肥料、M1、M2、M5を添加後、pHを5.5に調整した。開始時のN、P、K濃度は、それぞれ21mg/L、50mg/L、60mg/Lであった。水耕水量は2.2m3/栽培台であり、支持体を発泡スチロール製の水耕用パネルに定植した後、パネルを水耕水上に浮かべた。養液コントロール盤(M式水耕研究所)により水耕水の温度制御を行った。複合環境制御盤(グリーンマイコン)により、室内温度、日長、窓の開閉などの制御を行った。各群98株にて栽培を行った。実施例1の水耕水のEC値は、1.1〜1.4mS/cmであった。表1に開花以降1ヶ月間のデータの最低値および最高値を示す。表1中、稔実率は10株の平均値である。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示すとおり、比較例2の稔実率は25%であるのに対して、実施例1の稔実率は61%であった。この結果は、本発明の生産方法により遺伝子組み換えイネの稔実率を向上させることができることが明らかである。一方、比較例1及び3の稔実率はそれぞれ94%と88%であり、両者に差がなかった。この結果は、非遺伝子組み換えイネの稔実率と水耕水の水温との関連性は低いことを示している。
【0035】
実施例2及び比較例4〜5
遺伝子組み換えイネおよびコシヒカリの栽培を表2に示す条件で行ったこと、実施例2の水耕水のEC値が0.6〜0.8mS/cmであったことのほかは、実施例1と同様にして行った。栽培期間は比較例4および5は平成23年7月〜平成23年11月、実施例2は平成24年5月〜平成24年9月であった。各群196株にて栽培を行った。表2に開花以降1ヶ月間のデータの最低値および最高値を示す。表2中、稔実率は10株の平均値である。
【0036】
【表2】
【0037】
表2に示すとおり、比較例4の稔実率は68%であるのに対して、実施例1の稔実率は85%であった。この結果は、本発明の生産方法により遺伝子組み換えイネの稔実率を向上させることができることが明らかである。一方、比較例5の稔実率は94%であった。この結果は、非遺伝子組み換えイネの稔実率と水耕水の水温との関連性は低いことを示している。
【0038】
実施例3及び比較例6〜7
登熟期の室内温度及び水耕水温度を制御した場合(実施例3)としない場合(比較例6と比較例7)での玄米重量を測定し、比較した。実施例3及び比較例6では実施例1と同様の遺伝子組み換え米を用い、比較例7では比較例1と同様の非組み換え米を用いた。温度調整以外の栽培条件は、実施例3の水耕水のEC値が1.1〜1.5mS/cmであったこと以外は、実施例1と同様とした。表3に、登熟期の栽培条件及び玄米重量を示す。表3中の玄米重量は玄米300粒の平均値±標準偏差である。
【0039】
【表3】
【0040】
表3に示すとおり、登熟期間中の水耕水温度を22.3℃〜24.8℃に制御した実施例3での玄米重量は19.5±2.0mgであった。それに対して制御せず、登熟期間中の水耕水温度を17.5℃〜22.0℃に制御した比較例6での玄米重量は14.0±2.5mg、比較例7は19.4±1.7mgであった。実施例3および比較例6の結果は、遺伝子組み換え米が、登熟期の水耕水温度を制御することにより玄米重量を上昇させることができることを示している。実施例3および比較例7の結果は、遺伝子組換え米を、登熟期の水耕水温度を制御して栽培すると非組換え米と同等の重量の玄米を得ることができることを示している。