特開2015-57962(P2015-57962A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-57962ベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-57962(P2015-57962A)
(43)【公開日】2015年3月30日
(54)【発明の名称】ベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤
(51)【国際特許分類】
   A21D 2/16 20060101AFI20150303BHJP
【FI】
   A21D2/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-192583(P2013-192583)
(22)【出願日】2013年9月18日
(71)【出願人】
【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中森 慶祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 孝朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 倫江
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 直也
【テーマコード(参考)】
4B032
【Fターム(参考)】
4B032DB01
4B032DB02
4B032DB06
4B032DK09
4B032DK14
4B032DK15
4B032DK18
4B032DL06
4B032DL08
4B032DP16
(57)【要約】
【課題】ベーカリー製品の製造において簡便に使用でき、ベーカリー製品の生地調整効果及び焼成したベーカリー製品の品質改良効果に優れたベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤を提供する。
【解決手段】ステアロイル乳酸ナトリウム及び賦形剤を含有する液状組成物を乾燥して粉末化することにより得られることを特徴とするベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアロイル乳酸ナトリウム及び賦形剤を含有する液状組成物を乾燥して粉末化することにより得られることを特徴とするベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤。
【請求項2】
下記の測定方法により測定される分散度が1.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤。
[測定方法]
1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアロイル乳酸ナトリウム(以下、「SSL」とも記載する)は、ステアリン酸と乳酸が反応したステアロイル乳酸のナトリウム塩であり、ベーカリー用の乳化剤として特に海外で広く使用されている。その効果としては、生地の粘着性を低減して機械への付着を抑制する効果(生地調整効果)、澱粉と複合体を形成して焼成したベーカリー製品の老化を防止する効果(老化防止効果)等がある(非特許文献1)。
【0003】
一方、ベーカリー製品の製造では、SSLそのものを原材料としてそのまま使用するのではなく、ベーカリー用に特別に調製したSSL製剤を使用することも行われている。そのような製剤としては、例えば、油相(A)及び水相(B)からなる乳化油脂組成物であって、(A)は、トリアシルグリセロール5〜55質量%、ジアシルグリセロール5〜50質量%、ステアロイル乳酸カルシウム及び/又はステアロイル乳酸ナトリウム1〜50質量%、モノアシルグリセロール(有機酸モノアシルグリセロールを除く)5〜40質量%及びリン脂質0.5〜12質量%を含有し、(B)は、糖類39〜70重量%、水20〜60重量%及びHLB11以上の乳化剤1〜10重量%を含有し、(B)/(A)(質量比)が1.5〜4である乳化油脂組成物(特許文献1)等が知られている。
【0004】
しかし、上記乳化油脂組成物は、SSLを油相中に分散させて製造されるが、SSLは油脂への分散性が低いため、SSLの含有量を低くせざるを得ず、SSLの効果を十分に発揮することは困難である。また、仮にSSLを水相中に分散させたとしても、水相がゲル化して粘度が上昇し流動性を失うため、ベーカリー製品の製造に簡便に使用できる形態の組成物が得られない。
【0005】
従って、ベーカリー製品の製造において簡便に使用でき、ベーカリー製品の生地調整効果及び焼成したベーカリー製品の品質改良効果に優れたベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−072272号公報、請求項1
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】日高徹著「食品用乳化剤 第2版」、幸書房、1991年3月1日発行、P154〜168
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ベーカリー製品の製造において簡便に使用でき、ベーカリー製品の生地調整効果及び焼成したベーカリー製品の品質改良効果に優れたベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法により得られる粉末状のSSL製剤は、非加熱の水に対する分散性に優れ、かつベーカリー製品の生地調整効果及び焼成したベーカリー製品の品質改良効果に優れていることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)から成っている。
(1)ステアロイル乳酸ナトリウム及び賦形剤を含有する液状組成物を乾燥して粉末化することにより得られることを特徴とするベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤。
(2)下記の測定方法により測定される分散度が1.0以下であることを特徴とする前記(1)に記載のベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤。
[測定方法]
1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤は、ステアロイル乳酸ナトリウムそのものを添加するよりも、ベーカリー製品の生地調整効果及び焼成したベーカリー製品の品質改良効果に優れている。
本発明のベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤は粉末状であるためベーカリー製品の製造において他の粉末の原料とともに簡便に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で用いられるSSLは、ステアロイル基を親油性基、乳酸のカルボニウムイオンを親水性基とするナトリウム塩を主成分とするものであって、SSLとして公知のものであれば特に制限はない。例えば、ステアロイル基を主たるアシル基とするアシル化乳酸及びアシル化ラクトイル乳酸(ステアロイル乳酸等)とこれらのナトリウム塩、ステアリン酸を主成分とする脂肪酸及びそのナトリウム塩、縮合乳酸類及びそのナトリウム塩を含む混合物がSSLとして市販されており、本発明ではこれを用いることができる。
【0013】
本発明のベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤は、SSL及び賦形剤を含有する液状組成物を乾燥して粉末化することにより製造できる。その好ましい方法の概略を以下の1)〜4)の工程に示す。
1)水100質量部に賦形剤(粉末化基材)として加工澱粉2〜30質量部及び加工澱粉以外の賦形剤10〜50質量部を加え、これを60〜90℃に加熱しながら溶解して水溶液を得る。
2)SSL10〜100質量部を60〜80℃に加熱しながら溶融して溶融液を得る。
3)1)の水溶液に2)の溶融液を加え、70〜90℃に加熱しながら攪拌機を用いて撹拌・分散して液状組成物を得る。
4)3)の液状組成物を乾燥し、粉末状のベーカリー用ステアロイル乳酸ナトリウム製剤(以下、単に「SSL製剤」ともいう)を得る。
【0014】
なお、上記2)の工程において、SSLと共に「SSL以外の乳化剤及び/又は食用油脂」を使用しても良い。
【0015】
上記加工澱粉としては、例えば澱粉とコハク酸のアルケニル誘導体とのエステルであるアルケニルコハク酸エステル化澱粉が好ましく用いられる。アルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、例えばオクテニルコハク酸エステル化澱粉、デセニルコハク酸エステル化澱粉、ドデセニルコハク酸エステル化澱粉、テトラデセニルコハク酸エステル化澱粉、ヘキサデセニルコハク酸エステル化澱粉、及びオクタデセニルコハク酸エステル化澱粉、並びにこれら澱粉をα化又は加水分解等の処理をしたものが挙げられる。これらの中でも、とりわけα化オクテニルコハク酸エステル化澱粉又はその塩が好ましい。
【0016】
アルケニルコハク酸エステル化澱粉は、加水分解の度合いにより、また加水分解をする時期、即ちエステル化反応の前か後かにより、水溶液としたときの粘度が異なる。上記製造方法においては、粉末状のSSL製剤に流動性を付与するため、例えば(a)15質量%に調整した水溶液の粘度(以下、単に「粘度」ともいう)が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉と(b)粘度が100〜250ミリパスカル秒の範囲内となるアルケニルコハク酸エステル化澱粉を選択して用いることが好ましい。(a)のアルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、粘度が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のオクテニルコハク酸エステル化澱粉が好ましい。具体的には、例えば市販品のカプシュールST(商品名;粘度7ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)、ハイキャップ100(商品名;粘度7ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)、ピュリティーガムBE(商品名;粘度24ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)等を挙げることができる。また、(b)のアルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、粘度が100〜250ミリパスカル秒のオクテニルコハク酸エステル化澱粉が好ましい。具体的には、例えば市販品のエヌクリーマー46(商品名;粘度245ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)等を挙げることができる。
【0017】
上記粘度は、第8版食品添加物公定書記載「28.粘度測定法」の「第2法回転粘度計法」に準じて測定される。
【0018】
上記(a)及び(b)のアルケニルコハク酸エステル化澱粉の使用比率(質量比)には特に制限はなく、1:99〜99:1の任意の比率で使用してよい。
【0019】
上記加工澱粉以外の賦形剤としては、例えば、乳蛋白(例えば酸カゼイン、カゼインナトリウム等)、植物性蛋白(例えば大豆蛋白、小麦蛋白、エンドウ蛋白等)又はこれらの分解物、糖類、澱粉類、増粘多糖類・ガム質等が挙げられる。糖類としては、例えばブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、デキストリン、コーンシロップ等が挙げられる。また、澱粉類としては、例えばコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等が挙げられる。また、増粘多糖類・ガム質としては、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、アラビアガム、ペクチン、大豆多糖類等が挙げられる。これらの中でも、特にデキストリンが好ましい。
【0020】
デキストリンとしては、例えば、DE(Dextrose equivalent)値が3〜28のデキストリンが好ましく用いられる。このようなデキストリンとしては、パインデックス#2(商品名;DE値11;松谷化学工業社製)、パインデックス#3(商品名;DE値25;松谷化学工業社製)、パインデックス#4(商品名;DE値19;松谷化学工業社製)、M.P.D(商品名;DE値25;松谷化学工業社製)、サンデック#30(商品名;DE値3;三和澱粉工業社製)、サンデック#150(商品名;DE値17;三和澱粉工業社製)、サンデック#300(商品名;DE値28;三和澱粉工業社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
【0021】
上記2)の工程においてSSL以外の乳化剤を使用する場合、その種類に特に制限はないが、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びレシチン等が挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの他、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル等が含まれる。グリセリン有機酸脂肪酸エステルには、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が含まれる。
【0022】
また、上記2)の工程において食用油脂を使用する場合、その種類に特に制限はないが、食用に適する動物性、植物性の油脂及びそれらの硬化油、エステル交換油、分別油等が挙げられる。植物性油脂としては、例えばサフラワー油、大豆油、綿実油、コメ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油等が挙げられる。
【0023】
上記攪拌機としては、例えばTKホモミクサー(商品名;プライミクス社製)又はクレアミックス(商品名;エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機、もしくは、ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ社製)等の均質化・湿式微細粒化装置が好ましく用いられる。該分散・乳化機の操作条件としては、例えば実験室用の小型機では、回転数2000〜20000rpm、攪拌時間1〜30分間を例示できる。
【0024】
上記液状組成物の乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、ベルト乾燥、真空乾燥あるいは真空凍結乾燥等が挙げられ、中でも、乾燥及び粉末化が同時に実施可能な噴霧乾燥が好ましい。
【0025】
噴霧乾燥を行うための装置に特に制限は無く、噴射式噴霧乾燥装置又は回転円盤式噴霧乾燥装置等、公知の装置を使用することができる。また、噴霧乾燥装置の操作条件としては、例えば分散液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置に供給し、熱風入口温度120〜200℃、好ましくは140〜190℃、排気温度60〜140℃、好ましくは70〜90℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、粉末状のSSL製剤を得ることができる。
【0026】
上記製造方法により製造されるSSL製剤100質量%中の各成分の含有量に特に制限はないが、例えばSSLが10〜60質量%、好ましくは25〜55質量%、加工澱粉が3〜30質量%、好ましくは5〜15質量%、加工澱粉以外の賦形剤が5〜60質量%、好ましくは25〜50質量%となるように調製するのが好ましい。
【0027】
また、上記2)の工程において「SSL以外の乳化剤及び/又は食用油脂」を使用する場合、SSL製剤100質量%中のSSL以外の乳化剤及び食用油脂の含有量に特に制限はないが、例えばSSL以外の乳化剤が1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%、食用油脂が1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%となるように調整するのが好ましい。
【0028】
本発明のSSL製剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分を含んでも良い。そのような成分としては、例えば、酸化防止剤、調味料、香辛料、増粘剤、安定剤、pH調整剤(例えばクエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、リン酸及びこれらの塩)等が挙げられる。
【0029】
また、本発明のSSL製剤は、非加熱の水に対する分散性に優れている。具体的には、本発明のSSL製剤は、下記方法により測定される分散度が1.0以下である。
【0030】
[測定方法]
1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
【0031】
本発明のSSL製剤をベーカリー製品の製造に使用すると、例えば、生地に機械耐性を付与する効果(生地調整効果)、焼成したベーカリー製品について、内相をきめ細かくする効果、ソフトで口どけの良い食感を付与する効果、老化防止効果等が得られる。従って、本発明のSSL製剤は、ベーカリー製品の製造において、生地調整剤(dough conditioner)、ソフナー(softener)、老化防止剤(antistaling agent)等として使用することができる。
【0032】
本発明のSSL製剤を使用する対象であるベーカリー製品としては、パン類、ケーキ類、焼き菓子類が含まれる。パン類としては、食パン、特殊パン、調理パン(惣菜パン)、菓子パン等が挙げられる。具体的には、食パンとしては、白パン、黒パン、バラエティーブレット、ロール(例えばテーブルロール、バターロール、バンズ等)等が挙げられる。特殊パンとしては、マフィン等が挙げられる。調理パン(惣菜パン)としては、ホットドッグ、ハンバーガー等、菓子パンとしては、あんぱん、ジャムパン、クリームパン、メロンパン、スイートロール等が挙げられる。ケーキ類としては、スポンジケーキ、シフォンケーキ、ロールケーキ、ブッセ、パウンドケーキ、スナックケーキ等が挙げられる。焼き菓子類としては、クッキー、ビスケット等が挙げられる。
【0033】
本発明のSSL製剤を使用したベーカリー製品の製造方法に特に制限はなく、一般に行われている製造方法をそのまま適用することができる。例えば、パン類であれば、直捏法(ストレート法)、中種法、液種法等が挙げられる。また、ケーキ類であれば、オールインミックス法、別立て法、後粉法等が挙げられる。
【0034】
本発明のSSL製剤をベーカリー製品に添加する方法に特に制限はなく、ベーカリー製品の製造工程において他の原材料と共に使用することができる。具体的には、例えばパン類であれば、SSL製剤を混合した小麦粉をミキシング(混捏)に供することが、生地にミキシング耐性を付与する観点から好ましい。
【0035】
本発明のSSL製剤の添加量に特に制限はないが、例えば、パン類であれば、小麦粉100質量部に対し通常0.05〜1.0質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部であることが、生地の機械耐性の付与と、ソフトで口どけの良い食感を付与することの両立を図る観点から好ましい。また、ケーキ類であれば、小麦粉100質量部に対して約0.01〜10質量部であることが、ケーキ類の内相をきめ細かくする効果と、ソフトで口どけの良い食感を付与することの両立を図る観点から好ましい。
【0036】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
[実施例1]
[ベーカリー用SSL製剤の調製]
1L容ビーカーに水600gを仕込み、これにオクテニルコハク酸エステル化澱粉(商品名:ピュリティーガムBE;日本エヌエスシー社製)20g、オクテニルコハク酸エステル化澱粉(商品名:エヌクリーマー46;日本エヌエスシー社製)20g及びデキストリン(商品名:パインデックス#2;DE値11;松谷化学工業社製)140gを加え、80℃で加熱溶解して水溶液を得た。
次いで、500mL容ビーカーにSSL(商品名:ポエムSSL−100;理研ビタミン社製)220gを仕込み、80℃で加熱溶解した溶融液を上記1L容ビーカー中の水溶液に加え、80℃で加熱しながら、攪拌機(商品名:TKホモミクサー;プライミクス社製)を用いて10000rpmで10分攪拌し、液状組成物1000gを得た。
その後、上記液状組成物を噴霧乾燥機(商品名:スプレードライヤーL−8i型;大川原化工機社製)を用いて熱風入口温度175℃、排気温度80℃の条件で噴霧乾燥し、粉末状のSSL製剤300g(実施品1)を作製した。
【0038】
[実施例2]
[ベーカリー用SSL製剤の調製]
実施例1のSSL220gに替えて、SSL(商品名:ポエムSSL−100;理研ビタミン社製)160g、パーム油(商品名:RPO;植田製油社製)20g及びグリセリンコハク酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムB−10;理研ビタミン社製)40gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、粉末状のSSL製剤300g(実施品2)を作製した。
【0039】
[試験例1]
[20℃の水に対する分散度の測定]
上述した実施例1及び2で作製したSSL製剤(実施品1及び2)について、下記測定方法により20℃の水に対する分散度を測定した。なお、対照として、市販のSSL(市販品A;商品名:ポエムSSL−100;理研ビタミン社製)についても同様に分散度を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
[測定方法]
1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
【0041】
【表1】
【0042】
ここで、上記分散度は、その値が低い程、20℃の水に対する分散性が高いことを意味する。従って、表1の結果から、実施例のSSL製剤(実施品1及び2)は、市販のSSLに比べて非加熱の水に対する分散性に優れていることが明らかである。
[試験例2]
[70%加糖中種法菓子パンによる評価試験]
(1)原材料
1)強力粉(商品名:カメリア;日清製粉社製)
2)上白糖(フジ日本精糖社製)
3)液全卵(商品名:エクセルエッグHV;キューピータマゴ社製)
4)マーガリン(商品名:パンテオンDX;ミヨシ油脂社製)
5)グルコース(商品名:無水結晶ブドウ糖;サンエイ糖化社製)
6)イースト(商品名:レギュラーイースト;オリエンタル酵母工業社製)
7)脱脂粉乳(高梨乳業社製)
8)食塩(商品名:赤穂塩R;日本海水社製)
9)イーストフード(商品名:C・オリエンタルフード;オリエンタル酵母工業社製)
10)SSL製剤及びSSL(実施品1、実施品2及び市販品A)
【0043】
(2)使用機材
1)ミキサー(型式:HPI−20M;20Lミキサーボール及びステンレスフック使用;関東混合機工業社製)
2)中種発酵槽(型式:PNM−32F2;共立プラント工業社製)
3)分割機(型式:DQE;オシキリ社製)
4)ラウンダー(型式:RQ;オシキリ社製)
5)モルダー(型式:WFS;オシキリ社製)
6)ホイロ(型式:サンキャビネットTCH−2660N;三幸機械社製)
7)オーブン(型式:ニューコンポオーブンTMC−GGG−31S;三幸機械社製)
【0044】
(3)原材料の配合及び使用量
上記原材料及び機材を用いて作製した菓子パン1〜4の配合割合を表2に示した。ここで、表2の配合割合は、使用する小麦粉の全量(即ち、中種及び本捏の合計量)を100質量%に換算する「ベーカーズパーセント」により表記した。また、使用した小麦粉(強力粉)の全量は2kgとした。また、対照として、菓子パン4はSSLを使用せずに作製した。
【0045】
【表2】
【0046】
(4)製パン工程
表2に示した中種原材料をミキサーに入れ、捏上温度が26℃となるように低速3分、中速1分で混捏し、中種生地とした。なお、SSL製剤及びSSL(実施品1、2及び市販品A)は、強力粉に均一に混合して用いた。
次に、得られた生地を下記の条件で1次発酵(中種発酵)させた。
<1次発酵条件>
発酵温度:27℃
相対湿度:86%
発酵時間:2時間30分
発酵終了時温度:30℃
【0047】
次に、発酵した中種生地及び表2に示した本捏原材料(マーガリンを除く)をミキサーに入れ、低速3分、中速3分、高速1分で混捏した後、これに残りの本捏原材料(マーガリン)を加えて低速1分、中速2分、高速4分で混捏した。本捏生地の捏上温度は27〜28℃とした。
【0048】
次に、混捏でダメージを受けた生地を回復させるために、庫内温度27℃相対湿度80%の発酵槽にてフロアータイムを30分とった後、その生地を分割機で80gに分割した。分割した生地をラウンダーで丸め、生地のダメージを回復させるため、室温(約25℃)にてベンチタイムを20分とり、その後モルダーで葉巻型に成型した。天板に成型した生地をのせ、庫内温度38℃、相対湿度85%の発酵槽で60分発酵(ホイロ)を行った。
【0049】
次いで、ホイロ後の生地を上火200℃、下火180℃のオーブンで8分間焼成し、菓子パン1〜4を得た。
【0050】
(5)伸展性の評価
(4)の製パン工程において、パン生地の分割・成型時にその状態を観察することによりその伸展性を評価し、以下の基準にしたがって記号化した。結果を表4に示す。
○:生地の伸展性が良く、機械分割・成型で生地に荒れが生じない。
△:生地の伸展性は普通だが、機械分割・成型で生地に荒れが生じない。
×:生地の伸展性が悪く、機械分割・成型で生地に荒れが生じる。
【0051】
(6)食感の評価
(4)で得た菓子パンを室温で1時間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存した。保存後の菓子パンを喫食し、その食感(口どけ感)について官能試験を行った。官能試験では、下記表3に示す評価基準に従い15名のパネラーで評価を行ない、評点の平均点を求め、以下の基準にしたがって記号化した。結果を表4に示す。
○:良好 平均点2.5以上
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
【0052】
【表3】
【0053】
(7)老化防止の評価
(4)で得た菓子パンを室温で1時間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存した。保存後の菓子パンを厚さ2cmにスライスして試験片とし、その厚さが1cmになるまで圧縮した時の荷重(gf)をレオメーター(型式:RT−2002D・D;レオテック社製)により測定した。測定は、プランジャー(型式:アダプターNO.10 応力緩和用;底部直径約30mm;レオテック社製)を装着し、試料台上昇速度を20cm/minとして、7個の試験片について行い、その平均値を採用した。この数値が高い程、パンが硬く老化が進行していることを意味する。結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
表4の結果から、本発明のSSL製剤(実施品1及び2)を添加した菓子パン1及び2は、伸展性及び食感の評価がいずれも「○」であり、老化防止評価では比較的少ない荷重を示し、焼成3日後においても柔らかさが持続していた。これに対し、市販のSSL(市販品A)を添加した菓子パン3及びSSL無添加の菓子パン4では、伸展性及び食感の評価が「△」以下であり、また菓子パン4の老化防止評価では比較的大きな荷重を示し、満足できる結果が得られなかった。従って、本発明のSSL製剤を添加すると、SSLそのものを添加するよりも優れた効果を発揮することが明らかである。
【0056】
[試験例3]
[70%無糖中種法食パンによる評価試験]
(1)原材料
1)強力粉(商品名:カメリア;日清製粉社製)
2)イーストフード(商品名:C・オリエンタルフード;オリエンタル酵母工業社製)
3)イースト(商品名:レギュラーイースト;オリエンタル酵母工業社製)
4)SSL製剤及びSSL(実施品1、実施品2及び市販品A)
5)食塩(商品名:赤穂塩R;日本海水社製)
6)上白糖(フジ日本精糖社製)
7)脱脂粉乳(高梨乳業社製)
8)ショートニング(商品名:スーパーアトランタ;J−オイルミルズ社製)
【0057】
(2)使用機材
1)ミキサー(型式:HPI−20M;20Lミキサーボール及びステンレスフック使用;関東混合機工業社製)
2)中種発酵槽(型式:PNM−32F2;共立プラント工業社製)
3)分割機(型式:DQE;オシキリ社製)
4)ラウンダー(型式:RQ;オシキリ社製)
5)モルダー(型式:WFS;オシキリ社製)
6)ホイロ(型式:サンキャビネットTCH−2660N;三幸機械社製)
7)オーブン(型式:ニューコンポオーブンTMC−GGG−31S;三幸機械社製)
【0058】
(3)原材料の配合及び使用量
上記原材料及び機材を用いて作製した食パン1〜4の配合割合を表5に示した。ここで、表5の配合割合は、使用する小麦粉の全量(即ち、中種及び本捏の合計量)を100質量%として換算する「ベーカーズパーセント」により表記した。また、使用した小麦粉(強力粉)の全量は2kgとした。また、対照として、菓子パン4はSSLを使用せずに作製した。
【0059】
【表5】
【0060】
(4)製パン工程
表5に示した中種原材料をミキサーに入れ、捏上温度が24℃となるように低速3分、中速2分で混捏し、中種生地とした。なお、SSL製剤及びSSL(実施品1、2及び市販品A)は、中種の強力粉に均一に混合して用いた。
次に、得られた生地を下記の条件で1次発酵(中種発酵)させた。
<1次発酵条件>
発酵温度:27℃
相対湿度:80%
発酵時間:2時間30分
発酵終了時温度:約30℃
【0061】
次に、ミキサーに、発酵した中種生地及び表5に示した本捏原材料(ショートニングを除く)を添加し、低速3分、中速2分、高速1分で混捏後、残りの本捏原材料(ショートニング)を加えて低速1分、中速2分、高速5分で混捏を行い、本捏生地とした。本捏生地の捏上温度は27〜28℃とした。
【0062】
次に、混捏でダメージを受けた生地を回復させるために、庫内温度27℃相対湿度80%の発酵槽にてフロアータイムを20分とった後、その生地を分割機で250gに生地を分割した。分割した生地をラウンダーで丸め、生地のダメージを回復させるため、室温(約25℃)にてベンチタイムを20分とり、更にモルダーで6本のU字に成型して3斤プルマン型に入れ、38℃、相対湿度85%で50分発酵(ホイロ)を行った。
【0063】
次いで、ホイロ後の生地を上火200℃、下火210℃のオーブンで35分間焼成し、食パン1〜4を得た。
【0064】
(5)伸展性の評価
(4)の製パン工程において、パン生地の分割・成型時にその状態を観察することによりその伸展性を評価し、以下の基準にしたがって記号化した。結果を表7に示す。
○:生地の伸展性が良く、機械分割・成型で生地に荒れが生じない。
△:生地の伸展性は普通だが、機械分割・成型で生地に荒れが生じない。
×:生地の伸展性が悪く、機械分割・成型で生地に荒れが生じる。
【0065】
(6)食感の評価
(4)で得た食パンを室温で1時間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存した。保存後の食パンを喫食し、その食感(口どけ感)について官能試験を行った。官能試験では、下記表6に示す評価基準に従い15名のパネラーで評価を行ない、評点の平均点を求め、以下の基準にしたがって記号化した。結果を表7に示す。
○:良好 平均点2.5以上
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
【0066】
【表6】
【0067】
(7)老化防止の評価
(4)で得た食パンを室温で1時間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存した。保存後の食パンを厚さ2cmにスライスした後、縦5cm×横5cmの試験片とし、その厚さが1cmになるまで圧縮した時の荷重(gf)をレオメーター(型式:RT−2002D・D;レオテック社製)により測定した。測定は、プランジャー(特注品;底部の形状:5cm×5cmの正方形;底部の厚み:1cm;レオテック社製)を装着し、試料台上昇速度を20cm/minとして、7個の試験片について行い、その平均値を採用した。この数値が高い程、パンが硬く老化が進行していることを意味する。結果を表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】
表7の結果から、本発明のSSL製剤(実施品1及び2)を添加した食パン1及び2は、伸展性及び食感の評価がいずれも「○」であり、老化防止評価では比較的少ない荷重を示し、焼成3日後においても柔らかさが持続していた。これに対し、市販のSSL(市販品A)を添加した食パン3及びSSL無添加の食パン4では、伸展性及び食感の評価が「△」以下であり、また食パン4の老化防止評価では比較的大きな荷重を示し、満足できる結果が得られなかった。従って、本発明のSSL製剤を添加すると、SSLそのものを添加するよりも優れた効果を発揮することが明らかである。
【0070】
[試験例4]
[スポンジケーキによる評価試験]
(1)原材料
1)薄力粉(商品名:バイオレット;日清製粉社製)
2)液全卵(商品名:エクセルエッグHV;キューピータマゴ社製)
3)上白糖(商品名:フジ日本精糖社製)
4)製菓用サラダ油(日清オイリオ社製)
5)製菓用起泡性乳化油脂(商品名:パティグラース500;理研ビタミン社製)
6)ベーキングパウダー(オリエンタル酵母社製)
7)SSL製剤及びSSL(実施品1、実施品2及び市販品A)
【0071】
(2)原材料の配合及び使用量
上記原材料及び機材を用いて作製したスポンジケーキ1〜4の配合割合を表8に示した。ここで、表8の配合割合は、使用する小麦粉の全量を100質量%に換算する「ベーカーズパーセント」により表記した。また、使用した小麦粉(薄力粉)の全量は200gとした。また、対照として、スポンジケーキ4はSSLを使用せずに作製した。
【0072】
【表8】
【0073】
(3)スポンジケーキの製造工程
ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;ワイヤーホイッパー装着;品川工業所社製)に上白糖、液全卵、製菓用起泡性乳化油脂及びSSLを入れ、低速にて攪拌し、軽く混合した。これに製菓用サラダ油、水及び薄力粉とベーキングパウダーを篩に通したものを加え、低速で1分間攪拌し、次いで高速で5分間ホイップし、ケーキ生地を得た。
側面と底面に紙を敷いた6号丸型にケーキ生地を300g採り、その型を約20cmの高さから2〜3回落として生地中の大きな気泡を抜き、これをオーブン(型式:南蛮バッケンBKS−622TFSOND;七洋製作所社製)を用いて180℃で35分間焼成し、スポンジケーキを得た。
【0074】
(4)評価方法
(3)で得たスポンジケーキを室温で1時間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、室温にて3日間保存した。保存後のスポンジケーキを切り分け、その内相及び食感(ソフトさ及び口どけ感)について官能試験を行った。官能試験では、下記表9に示す評価基準に従い15名のパネラーで評価を行ない、評点の平均点を求め、以下の基準にしたがって記号化した。結果を表10に示す。
○:良好 平均点2.5以上
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
【0075】
【表9】
【0076】
【表10】
【0077】
表10の結果から、本発明のSSL製剤(実施品1及び2)を添加したスポンジケーキ1及び2は、いずれも全ての評価が「○」であった。これに対し、市販のSSL(市販品A)を添加したスポンジケーキ3及びSSL無添加のスポンジケーキ4では、いずれかの評価が「△」以下であり、満足できる結果が得られなかった。従って、本発明のSSL製剤を添加すると、SSLそのものを添加するよりも優れた効果を発揮することが明らかである。