【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静的ミキサーの加熱及び/又は冷却能力は、流体とチューブ壁との間の境界層がダブルジャケットの内部に配置されたミキサーインサートによって連続的に置換されるので、ダブルジャケットを備えた空のチューブに比べて高くなる。ダブルジャケットの内壁の熱交換に利用可能なチューブ表面は、それにより予め決定及び制限される。それは、内部空間の体積に対する大型化に伴って減少する。従って、静的ミキサーの冷却能力及び/又は加熱能力は、これらが熱交換器として使用される場合、より大きな処理量及びサイズを要するため、特に厳しく制限されている。この問題への取り組みとして、シェル及びチューブ熱交換器は、より大きな処理量のために用いることができる。互いに平行な複数のチューブは、シェル及びチューブ熱交換器内に配置されている。冷却又は加熱される流体は、これらチューブを通って循環する。特許文献4に説明するように、熱交換流体はチューブの外側を流れる。このようなシェル及びチューブ熱交換器でさえ、静的ミキサーは、熱交換を増加させるため、並列チューブに組み込むことができる。このような熱交換器は、流体の流れを個別のチューブに分配し、そのため、個別の流体線を断面全域(但し流体の流れ全体ではない)に亘って混合することについて不利となる。特に、冷却時に、高粘度の流体については、流体の流れの均一なパターンが全てのチューブにおいて観察される特許文献4の装置では保証できない。これは、チューブ内の流体の異なる滞留時間、チューブ壁に沿う流体の堆積、製品によっては流体の分散を引き起こすおそれがある。このような効果のため装置の冷却能力が低下する。
【0007】
特許文献5には、熱伝達流体が静的混合要素と同様に、流体の流れ中に配置されるチューブ内側を流れる熱交換器が記載されている。チューブは、ジャケットチューブに囲まれた混合空間におけるチューブ束として配置される。このような装置は、以下束熱交換器と称する。チューブの配置の方法によって、実質的熱伝達表面を比較的小型の装置(たとえより大きなサイズの装置であってもよい)容積内に収容することができ、それは高い冷却及び/又は加熱能力をもたらす。また、流体の流れは分割される必要がなく、熱交換器を通してストランド状に流れる。混合チャンバー内で横方向に配置されたチューブが混合するための理想的な配置として考慮されていないので、このような熱交換器の混合及び均質化能力は限られている。チューブは、ウェブに比べて効率的なクロスフローを生成するためには、過度に小さな抵抗を有する。
【0008】
混合効果は、円弧状のチューブによってジャケットチューブの内壁に隣接する周辺領域において低減され、それは、特にジャケットチューブに沿う境界層の非効率な更新により、ジャケットチューブの熱伝達面積の不十分な利用につながる。チューブ束が天板を介してジャケットチューブにのみ連結されているので、束熱交換器の許容される圧力損失も制限される。
【0009】
そのような熱交換器の製造コストは、プレート式熱交換器などの従来のミキサー又は従来の熱交換器に比べて非常に高い。特に粘性流体の冷却のための装置についての非理想的な混合性能により、熱交換器を通過する流体の流れの滞留時間差が観察される。その結果、熱交換器内で形成する堆積物のリスクがある。応答性ポリマーは、滞留時間差の結果として分解することができる。非理想的な混合性能及びチューブの相互干渉は、流体とチューブ壁との間の境界層が好適に更新されないので、熱伝達の効率の低減も導くチューブ充填密度の増加を導く。特許文献6には、装置内の混合効率を向上させるために可能な解決策が記載されている。このような解決策は特許文献5に記載されている。これは、流れ方向に対して直角をなすように側面に対して連結されている楕円形のチューブを使用することが提案される。代替的には、平行に、同一方向に向けて配置されたチューブを使用することが提案される。両変形例は、流体のための抵抗の増加を助け、それにより、より良好なクロス混合を達成する。チューブ束がヘッドプレート上に固定されている実施形態においては、特許文献5に関連して説明した場合と同様の不利益が生じる。特にジャケットチューブの内壁に近い周辺領域においては、混合効果は、ジャケットチューブの内壁に沿って延びている境界層が非効率に置換されるため、熱伝達面積としてのジャケットチューブの不十分な利用につながる円弧状のチューブによってさらに減少される。チューブ束がジャケットチューブに天板のみを介して連結されているため、結果として、束装置の許容圧力損失が制限される。
【0010】
また、特許文献6は楕円形のチューブがジャケットチューブに連結され、熱伝達流体がダブルジャケットを介して供給される実施形態を示している。この実施形態は、使用される円弧状チューブが存在しないため、ジャケットチューブのエッジ領域における混合効果を向上させる。このような楕円形のチューブを有する装置及びジャケットチューブの製造は、各チューブを正確にケーシングパイプに連結しなければならないため、非常に複雑であることが示されている。特に、隙間は、堆積物が流体の流れから形成され、チューブ材料の劣化の影響につながり得るという事実により、チューブ及びジャケットチューブ間の流体側を避けなければならない。また、洗浄のためのアクセス性が大幅に悪化する。
【0011】
市販の楕円形のチューブは、比較的大きな外部公差を有しており、従って、楕円形のチューブの複雑な再作業が要求されるような隙間の形成が防止できない。流体側に存在する隙間は、互いに後方に近接して配置されている特にチューブグループ内におけるチューブとジャケットチューブとの間の連結に対し再作業のためにアクセスすることができないため、溶接又ははんだ付けなどの続くプロセスによって不十分に除去される。
【0012】
また、流動性媒体から常に熱伝達媒体を封止することは技術的に複雑である。それは、媒体の汚染の危険性があることを意味する。漏れは、チューブへのアクセス性が不十分であるため、封止することが困難である。さらに、たとえ楕円形のチューブを使用する場合でも、大量の流体がチューブに亘って横方向に流れる傾向があり、少量の流体が装置の横断面を横切って輸送されることが示されている。横半径のみを有し、従って、流体のより良いクロスフローを可能にするフラットチューブの使用は、それらが流体室と熱伝達流体との間の圧力差に耐えられないおそれがある。従って、このようなフラットチューブは非常に厚壁で形成しなければならない。チューブの理想的でない幾何学的形状に加えて、混合効果は、流れ方向で見たときに、すべてのチューブが整列されているため、示された装置において制限されている。しかしながら、良好な混合効果を達成するため、例えば、第1のチューブグループに対して90°にオフセットされた少なくとも1つの第2のチューブグループが提供されるべきであることが示されている。
【0013】
特許文献7及び特許文献8は、流体の流れの中に配置されたチューブに熱伝達流体が平行に流れるチューブを含む熱交換器を開示する。また、これらのチューブには、流れ方向に対して一般的に45°の角度で取り付けられる邪魔板として構成されているウェブが設けられている。これらのウェブは、中央流体の流れと連続してチューブ壁に沿った流れとの間の境界層を交換するように構成されている。このような装置は、チューブウェブ熱交換器と呼ばれる。たとえ、このような装置において、比較的大きな熱交換表面積は、チューブの充填密度に依存して、比較的小さな装置体積内に収容することができる。このような装置に係る問題は、流体の流れに対して平行に配置されたチューブが流体のクロスフローを破壊し、従って、混合性能が低下するため、チューブ密度の増加に伴って混合効果が著しく劣化することである。そのような装置のコストは、プレート式熱交換器などの従来のミキサー又は従来の熱交換器に比べて非常に高い。このような装置のための理想的でない混合性能により、特に粘性流体の冷却に関して滞留時間分布差が生じて、堆積のおそれがある。応答性ポリマーは、そのような装置内で分解することができる。理想的でない混合性能及びチューブの相互干渉は、流体とチューブ壁との間の界面は理想的に更新されていないため、増大したチューブ充填密度をもたらし、比較的不十分な熱伝達の効率となる。
【0014】
特許文献9においては、これらの欠点を克服する方法が記載されている。ただし、この明細書で示されている円形断面を持つチューブは、この流れの中に配置されたチューブの流れに対する小さな抵抗により混合性能が最適ではない固有の欠点を有している。従って、特許文献9に示される解決策は、チューブからチューブ内の流れへの熱伝達を達成することが証明される。しかし、円柱の幾何学的な制約により、管路として明細書で指定された混合チャンバーの断面全体を包囲しない限られた混合性能のみが観察される。特許文献10は、混合要素としてチューブを含む静的ミキサーを開示している。チューブは、混合要素の中心軸の周りに回転される格子状に配置されている。使用される3つ又は4つの格子が配置され、互いに120°又は90°の角度で配置されている。
【0015】
特許文献11においては、流体熱媒体用のチャンネルを備える静的ミキサーが同様に提案されている。この静的ミキサーは、互いに横方向に設置される、流れの方向に配列された鋸歯状のプレート要素とともに配置されている。プレート要素はウェブと呼ばれる。これらウェブは、混合要素の幅全体に亘って延びている。このウェブは、これらがウェブのそれぞれを通る流れの主方向に対して横方向に通じるチャンネルを含む場合、厚壁要素として構成されている。鋸歯状のウェブは、僅かに局所的にのみクロス混合を引き起こし、それは混合チャンバーの断面全体を含まない。ウェブ上の流体の流れの入射は、鋸歯状プレート要素の最も近い谷への流体内に延びるスパイクピークから鋸歯状プレート要素から偏向される流体の流れの少なくとも一つの補助部分、及びウェブを越えて側方向に流れる二つの側部主部分流へ各ウェブによって分割される。補助部分の流れは、補助部分の流れの部分的偏向が得られるように、スパイクピークのそれぞれから偏向される。しかし、この偏向は、各ウェブが複数の歯を含む場合、小さな補助部分の流れ及びミキサーの断面の一部のみに制限されたままである。従って、特許文献11に示されるミキサーにおける横方向の混合部分は小さい。
【0016】
このような静的ミキサーの変形例は、特許文献12に示されている。特許文献11に記載されているように、熱伝達流体のためのチャンネルは、主流方向に対して横方向に延びている。特許文献12のチャンネルは、フィン付きチューブの内部に延出している。リブは、例えば、星型で流体の流れに突出する。これらのリブは、流体の流れの僅かな偏光や横方向の変位を引き起こし、それはリブの局所環境に制限された状態を維持する。リブが熱伝達流体によって貫流されないので、熱交換面としてのそれらの使用は制限される。一方、それらは比較的大きな空間を必要とする。従って、熱伝達流体によって貫流することができるチューブのより密な充填を実現することができず、それに応じて得られる熱伝達表面積が減少する。
【0017】
局所混合下では、フィンチューブのすぐ近くにおけるクロス混合であることを理解すべきであり、即ちチューブの直径の2倍に、その大きさが制限され、リブの端部で最大で発生している環境である。複数のチューブは、流れ方向に対して横方向に並ぶように配置されている。つまり、2つのチューブにおいて、補助部分の流れがリブのエッジに沿って案内され、それによって横方向の流れが発生するとき、多くともチューブへ流れる流体の半分である。ここでも、複数のチューブは、流れの主方向に対して横方向に並んで配置されている。ミキサー断面の一部のみに亘って発生する横方向の混合は、局所的に異なる熱プロファイル及び濃度プロファイルの形成を導くことができ、このミキサーを利用して均質でない混合物が取得可能である結果を得ることができる。均一な混合物は、流体の一部が全体の断面の大部分に亘って横方向に混合される場合にのみ確保され得る。
【0018】
これは、ウェブチューブの周りの完全な流れが可能となるように、ハウジングに形成された隙間が望まれる実施形態に特に関連して言及されている。この実施形態では、ウェブチューブの複数列が流れ方向に互いに前後に配置されている。これは、混合が流れの一部のみ内で起こるように、ウェブチューブに向かって流れ、ウェブチューブによって分割された部分流が、再びウェブチューブの下流に連結されることを意味する。隣接するウェブチューブによって共有されている隣接する部分流は、この混合によって影響されず、このため、この混合が局所的にのみ発生する。
【0019】
特許文献13に示す静的ミキサーなどのミキサーの断面全体に亘って全体の流体の流れの混合を可能にする継手を持つミキサーを有する。このミキサーは連続的に配置された混合要素を構成する。これらの各混合要素は、切断要素として流れを分割し、流れを配向する取り付け部を含む。この目的のために、偏向邪魔板は、ミキサーの右側半分の部分流がミキサーの下側半分へのずれを引き起こす。隣接する混合要素は、部分的な流れが継続的に細分化され、かつ偏向されるように配置されている。しかし、これらインサートは薄壁であり、チャンネルはこのような取り付け部において提供することができない。この理由は、薄壁のウェブは、同程度の混合作用を得るため、より小さい圧力降下を有するからである。従って、ミキサーは、必要な寸法安定性を確保するために、薄壁チューブ継手が固定的にスリーブに連結されるように、スリーブとともに設計されている。
【0020】
そのような静的ミキサーのさらなる例は、特許文献14に見られる。この明細書では、壁薄インサートも同様に開示されている。これらのインサートは、これらのインサートの内部に延びているチャンネルには適していない。
図5において、溶接構成として形成される十字状に配置されたウェブを有する実施形態が示されている。この時点まで、モノリス部として薄壁構成で交差ウェブを製造することは一般的ではない。特許文献15は、モノリス混合要素を実現するため、その厚壁ウェブが提供されることが示されている。ウェブ要素の端部は、ミキサーの内壁に連結されていない本実施形態に従う。
【0021】
ミキサー要素は、環状セグメントによってミキサーの壁に固定されている。これらの環状セグメントは、ウェブ要素のためのキャリア要素を形成する。ウェブ要素の端部は、流れの中に自由に延出し、それらはミキサー内壁に固定されていない。厚壁の構成は、特に、ミキサーが高粘性流体のために使用される場合、ウェブ要素の構造的安定性のために必要がある。チャンネルのような中空空間は、材料の強度のためウェブ要素の内側に設けられるべきではない。
【0022】
被覆要素及びウェブの端部が相互に連結されていないため、熱交換流体がウェブ要素の端部を介して被覆要素に入ることができず、厚壁のウェブ内にチャンネルを設けることが利点とは考えられない。チャンネルがウェブ要素の内部に延びている場合は、ウェブ要素における熱交換流体は循環できず、そのため、熱供給又は熱放出が発生しない。このため、特許文献15の装置は、熱交換器には適していない。
【0023】
本発明の目的は、最適に流体媒質を混合し、同時にそれらを効率的に冷却し、又はそれらを加熱するための装置を提供することにある。さらに、装置は、高い流体圧力に耐えることができ、粘性又は高粘性流体の処理に適するように構成されるべきである。さらに、この装置は、堆積につながる可能性がある流動性媒体に対向する側部に隙間を有するべきではない。加えて、装置は、経済的な製造方法によって製造されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
静的混合及び熱交換のための装置において、被覆要素と、ミキサーインサートとを含み、前記ミキサーインサートは前記被覆要素内で動作状態にある。ミキサーインサートは、流動媒体の流れの方向に延びる長手方向軸を有している。
【0025】
前記ミキサーインサートは、ウェブ要素の第1のグループ及びウェブ要素の第2のグループを備え、前記ウェブ要素の第1のグループは、第1の共通グループ面に沿って延出し、前記ウェブ要素の第2のグループ面は、第2の共通グループ面に沿って延出する。前記グループ面は、前記ウェブ要素の中心軸を含むことを特徴とする。前記ウェブ要素の少なくとも一部はチャンネルとともに配置され、そのチャンネルは、前記ウェブ要素の第1の端部から前記ウェブ要素の第2の端部に延出する。
【0026】
前記被覆要素は、ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部に流体的に連結されている対応するチャンネルを含み、前記ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部の少なくとも一つから被覆要素内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成される。ウェブ要素の少なくとも一部は、全体横寸法又は被覆要素の直径に延出する。ウェブ要素内のチャンネルは、被覆要素の内壁に直接連結されるウェブ要素の第1の端部からウェブ要素の第2の端部へ延びている。被覆要素内に、ウェブ要素の対応する端部にチャンネルの端部に連結するチャンネルが配置されている。従って、ウェブ要素は、熱交換流体、特に、熱交換液体とともに被覆要素から供給され、熱交換流体は、ウェブ要素を通って流れる。ウェブ要素が長手方向軸を有する場合、チャンネルの長さは、被覆要素の平均直径よりも大きい。
【0027】
被覆要素が円形チューブとして構成されている場合、平均直径は内径に相当する。縁付きの被覆要素の平均直径は、その円周/πと定義され、従ってそれは同等な直径である。チャンネルの長さは、チャンネルが中心軸と交差する場合には、平均直径より少なくとも10%上である。このチャンネルの長さは、少なくとも平均直径より20%上、特に好ましくは少なくとも平均直径より30%上に設けられる。
【0028】
ウェブ要素は、その寸法、その長さ、幅、厚さによって特徴付けられる。ウェブ要素の長さは、ウェブ要素の第1の端部からウェブ要素の第2の端部に測定される。チャンネルの長さは、ウェブ要素の長さに対応する。
【0029】
ウェブ要素の幅は、流れの方向に対して横方向に測定される。すなわち、幅は、ウェブ要素の長手方向に直交して配置される平面に延び、ウェブ要素の断面を示すことを意味する。ウェブ要素の断面は、幅及び厚さによって特徴付けられる。ウェブ要素のグループの少なくとも最も長いウェブ要素の長さは、その幅の少なくとも5倍である。ウェブ要素の幅は、その厚さの0.5〜5倍であって、有利にはその厚さの0.75〜3倍である。
【0030】
ウェブ要素の幅はその厚さの1倍又は2倍である場合、特に好ましい範囲が得られ、それは特に良好な横方向の混合を提供する。ウェブ要素の幅は、上流側から見て、ウェブ要素の第1縁部と第2の端部との間の鉛直距離として定義される。上流側のウェブ要素の幅は、下流側で測定したウェブ要素の幅とは異なっていてもよい。
【0031】
エッジとして流れが衝突して通過するウェブ要素のエッジが意図されている場合、前記エッジがウェブ要素の長手方向に平行に延出する。ウェブ要素の厚さは可変となり得る。最小の厚さは、最大厚さの75%未満、有利には50%未満である。変形例は、リブ、くぼみ、突起によって、又はくさび形のウェブ要素又は他の凹凸によって構成される。
【0032】
ウェブ要素は、流れる流体のための衝撃面を提供する、その平面又は凹面が流れの方向に存在することを特徴とする。流れの方向に配置されたこれら表面は、下流の流れのより高い抵抗効果を有する。これは、チューブ要素が少ない混合効果を有することが示されている。チューブ要素は、特許文献9の解決策として記載されている。チューブ要素は、ウェブ要素と比較して注目すべき悪い混合効果を有している。また、特許文献12に、流体の流れに配置された円形のプロファイルは小さい混合効果があることが指摘されている。
【0033】
ウェブ要素内に配置されたチャンネルは、有利には、ウェブ要素の厚さの最大75%に対応する内径を有している。基本的には、互いに平行に配置された複数のチャンネルはウェブ要素に配置することができる。
【0034】
ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部の少なくとも一方から前記被覆要素の本体内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成される。ミキサーインサートのウェブ要素、同様に被覆要素は、有利には鋳造法によって製造された単一部品で構成されている。これは、ウェブ要素から被覆要素への連結がスムーズに行われるような隙間のない連結の性質の特徴である。具体的には、エッジは、ウェブ要素と被覆要素との間の連結領域において丸められ、その鋳造材料の流れが製造工程中に妨げられない。
【0035】
チャンネルは、ウェブ要素内部のチャンネルとウェブ要素を囲む混合空間との間には連結が存在しないように、ウェブ要素の内部に配置されている。鋳造の間に、一体構造は、流体の流れの主方向に対してゼロに等しくない角度で配置されたウェブ要素の第1及び第2のグループと、ウェブ要素の少なくとも一部に固定された被覆要素とから構成されるセグメント内に少なくとも製造され、この被覆要素は被覆チューブとして構成することができる。
【0036】
ウェブ要素が動作状態における熱伝達流体によって使用可能なチャンネルとともに少なくとも部分的に設けられている。チャンネルは流動性媒体に接続されない動作状態であり、この流動性媒体はウェブ要素の周囲を流れる。チャンネルは、ウェブ要素の第1の端部からウェブ要素の第2の端部へ延びている。被覆要素は、ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部と流体的に連結している少なくとも一つの対応するチャンネルを含み、そのウェブ要素の第1及び第2の端部の少なくとも一方との間における被覆要素内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成されている。ウェブ要素が長手方向軸を含む場合、チャンネルの長さは、被覆要素の平均直径よりも大きい。
【0037】
ウェブ要素における熱交換流体のためのチャンネルは鋳造により製造することができるが、また、その後の再加工のステップは浸食又はボーリングとして実施することができる。驚くべきことに、チャンネルの直接的な鋳造又はチャンネルの後続のボーリングは、非常に簡単かつ経済的な方法で可能であることが示されている。
【0038】
鋳造の間に、鋳型がワックス本体によって製造され、セラミックシェルは、ワックス体上に塗布され、その後、ワックスが除去され、そしてセラミックシェルが燃焼され、燃焼されたセラミックシェルには鋳造材料が充填される。鋳造材料は、冷却によって硬化され、鋳造材料の硬化が完了した後にセラミックシェルが除去される。装置は、金属、プラスチック又はセラミック材料のような鋳造法によって処理されるのに適した任意の材料から製造することができる。ウェブ要素は、有利に長方形として構成され、そのエッジは丸みを有していてもよい。また、エッジは、任意の他の断面、特に、円、楕円、丸いエッジ又はポリゴンを有する矩形のグループの断面が想定される。断面積は、各単一のウェブ要素で異なっていてもよいし、例えばウェブ要素の厚さ又は幅が変化するように、複数のウェブ要素の間で異なっていてもよい。被覆要素の下で、任意の断面及び形状のミキサーインサートの被覆要素は、例えばチューブ又は長方形のチャンネルを含むと理解されるべきである。
【0039】
熱交換流体は、空気のような、例えば水又は油又は任意のガスのような任意の液体を含むことができる。ウェブ要素は、有利には、流体の流れの主方向に対して約25°〜75°及びより有利には約30°〜60°の角度で配置されている。
【0040】
実施形態によれば、第1及び第2のグループ面は交差する。さらなる実施形態によれば、第2のグループのウェブ要素は、第1のグループのウェブ要素に続く。このように、隣接するウェブ要素は、本実施形態によれば、それらが異なるグループに属しているため、異なる向きを有している。
【0041】
好ましい実施形態によれば、隣接するウェブ要素が交差し、このような配置は、混合効果を増強する。互いに交差する2つのウェブ要素の間の角度は、有利には25°〜75°である。グループは、互いに隣接して配置された任意の複数のウェブ要素を含むことができる。グループは、すべてのウェブ要素の中心軸が同一又は同一のグループ面に及ぶことを特徴とする。特に、2〜20、特に好ましくは4〜12のウェブ要素は、グループにおいて平行な状態に配置される。
【0042】
これは、主流方向から見て、互いの背後に位置する任意の複数のウェブ要素のグループを配置することが可能である。互いに連続的に配置されたグループは、有利には、それらが小型の装置の容積内で最大限可能なアクティブ熱交換面積を生成するため重複(オーバーラップ)する方法で構成されている。この重複とは、主流方向から見て、少なくとも第1のグループのウェブ要素の一部及び後続のグループ及び/又は次のグループのウェブ要素の一部が同一のチューブセクションに配置されることを意味する。
【0043】
前記長手方向軸に沿うウェブ要素の突出長さは長さL1であり、前記長手方向軸に沿う前記隣接するグループのウェブ要素の重複部分の突出は長さL2であり、この長さL2は、長さL1より小さくなり、ゼロより大きくなる。考慮されたチューブセクションは、長さL1を有することによって定義され、それはチューブセクションが、長手方向軸上に突出したとき、中央に配置されたウェブ要素から第1の端部からその第2の端部に延びていることを意味する。
【0044】
別の背後に配置される同一方向のウェブ要素のグループ内の混合効果が1つの平面内のみで起こることに起因して、配向は、有利に互いに千鳥状に配置されるグループのような、特定数のグループの後に変更される。
【0045】
特に、2〜20のグループ、特に好ましくは4〜8のグループが想定される。同様に配向されたグループ間の転位は、有利に80°〜100°の角度に設けられ、従って、第1のグループは80°〜100°において、第2のグループに対して横方向に配置される。つまり、第2のグループは、第1のグループに対して角度約80°〜100°において、ミキサーインサートの主軸を中心に回転させることを意味する。
【0046】
上記で概説したように、横方向に配置されたウェブ要素のグループに加えて、特定のウェブ要素の並列グループの最終セクション内のウェブ要素のグループは、被覆要素の内壁から他のグループの交線にのみ延びているウェブ要素を含有することが想定される。以下のように、ウェブ要素のこれらグループは、ハーフクロスウェブ要素グループと呼ばれる。これらグループは、混合性能の増加をもたらす。優れた混合効果及びウェブ要素材料の付加的な熱伝導のため、熱交換がさらに増加する。
【0047】
第1及び第2のグループのウェブ要素が相互に触れたり、中間空間を含んだりすることができる。流体の流れの主方向に対して横方向に配置された連結ウェブ要素を備える中間空間の連結も可能である。
【0048】
熱交換流体は、有利にはダブルジャケットを超えて供給され、そこを、同様に横方向に配置されたウェブ要素の少なくとも一部を通って流れる。それによって、被覆要素の内壁だけでなく、加熱又は冷却されたウェブ要素の表面も同様に熱交換面として使用することができる。このダブルジャケットは被覆チューブによって内側に、かつ第2の外側チューブによって外側に形成することができる。外側被覆チューブは、熱交換流体の供給及び放出のための連結を含む。有利には、羽根は被覆チューブと外側被覆チューブとの間に配置され、それは、ウェブ要素を介してダブルジャケット内の熱交換流体を案内し、その装置は、主に流れを一様とするために供される。これは、本発明の装置の異なる部分又はセグメントを通る流れは、ダブルジャケットセグメントによって分離されることが可能である。これは、セグメント毎に異なる温度領域を可能にする。熱交換流体は、外部からウェブ要素に直接供給することができる。それによって、熱交換面として被覆チューブの使用が制限されている。それを60mm以上の被覆チューブの直径を有する小型の装置における高い熱交換率のために、ウェブ要素の少なくとも半分は熱交換流体の流れにさらされなければならないことが示されている。
【0049】
ウェブ要素のための非常に経済的な鋳造の製造方法、ウェブ要素に一体的に、かつ隙間なく連結された被覆要素を得ることが可能であることが示されている。それによって、対応するウェブ要素とともに完全な被覆要素は、一部品で製造することができ、又は多数のセグメントは別々に製造することができ、その後、例えば、溶接又はネジ止めフランジ連結によって連結される。さらに、ウェブ要素の外部形状及び熱交換流体用のチャンネル形状を容易に切り離すことができる。外部形状の場合、長方形のプロファイルは有利に使用することができ、チャンネル形状は、特に、円形又は楕円形の断面から選択される、円形断面とすることができる。これにより、横方向の混合のための理想的なプロファイルを持つと同時に高強度のウェブ要素は高い最大流体圧力のために製造することができる。これは、ウェブ要素における熱交換流体のための通路が浸食による、さらに有利にはボーリングによって鋳造工程の後に有利に製造することができることが示されている。それによって、最小のチャンネルを製造できる。
【0050】
それはさらに、本発明のウェブ要素のグループ及び特に隣接するウェブ要素が交差するウェブ要素及び/又は特にウェブ要素の重複するグループとともに、非常に良好な混合性能が得られることが示されている。高速混合は、第1のグループに対して約80°〜100°ずらされている第2のグループの配置によって特に促進することができる。驚くべきことに、そのより高い混合品質を意味する特定の混合性能の更なる改善における粘性流体のための追加の部分的グループの配列が示されている。熱交換流体がダブルジャケットの内部空間及びウェブの要素内に流れるという事実のために、混合性能は、熱交換流体のための通路として使用されるチューブの追加的インサートによって減少されない。
【0051】
また、境界領域における混合性能は、内壁に近い流動性媒体の境界層が均一な混合物を得るために関係する事実のため、被覆要素へのウェブ要素の直接遷移により改善される。具体的には、流動性材料と被覆要素との間の境界層の最適な更新だけでなく、流動性媒体及びウェブ要素の表面間でも得ることができる。また、境界層の最適な更新は、熱交換面積の最適な使用の結果を有する。また、熱交換面積の最適な使用は、非常に小さい圧力降下の小型の装置容量の所定の加熱又は冷却のタスクのための装置の構築にもつながる。
【0052】
また、本発明の装置は、最適な混合効果により、加熱又は冷却された流動性媒体の非常に狭い滞留時間分布を有する。それにより、流動媒体の堆積物又は分解を可能な最良の方法で回避することができる。境界層の最適な更新のため、凝固点に近い非常に低い融解温度は、例えばポリマーのような粘性流体の冷却に関係する冷却タスクを行うために得ることができる。これによれば、硬化ポリマーが熱交換表面上に堆積物を形成することが回避される。被覆要素へのウェブ要素のそれぞれの直接の連結は、高い流体作動圧力での動作にも適している非常に安定な構造をもたらす。それによって、本発明の装置は、特に粘性流体との動作において、非常にコンパクトな構成とすることができる。この装置は、例えば液体又は気体、特にポリマーなどの混合及び粘性又は高粘性流体などの任意の流動性媒体の加熱及び冷却又は混合のために主に適している。
【0053】
被覆要素及びミキサーインサートは、特にキャスタブル材料で構成され、例えば金属、セラミック、プラスチック又はこれらの材料の組み合わせを用いてもよい。