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特開2015-58429混合及び熱交換のための装置及び同装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-58429(P2015-58429A)
(43)【公開日】2015年3月30日
(54)【発明の名称】混合及び熱交換のための装置及び同装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 5/00 20060101AFI20150303BHJP
   B01F 3/10 20060101ALI20150303BHJP
   B01F 15/06 20060101ALI20150303BHJP
   F28F 21/04 20060101ALI20150303BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20150303BHJP
   F28F 13/08 20060101ALI20150303BHJP
【FI】
   B01F5/00 D
   B01F3/10
   B01F15/06 Z
   F28F21/04
   F28D7/10 Z
   F28F13/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-186356(P2014-186356)
(22)【出願日】2014年9月12日
(31)【優先権主張番号】13185466.3
(32)【優先日】2013年9月20日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514232672
【氏名又は名称】プロミックス ソリューションズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】PROMIX SOLUTIONS AG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ホイザー
【テーマコード(参考)】
3L103
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
3L103AA05
3L103AA25
3L103AA35
3L103BB26
3L103CC02
3L103CC08
3L103CC15
3L103CC22
3L103DD10
3L103DD62
3L103DD84
4G035AB37
4G035AB41
4G035AC11
4G035AE13
4G035AE15
4G035AE17
4G037CA04
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】最適に流体媒質を混合、効率的に冷却又は加熱する装置又は方法を提供することにある。
【解決手段】静的混合及び熱交換する装置1において、被覆要素2とミキサーインサート3とを含み、ミキサーインサート3は被覆要素2内で動作状態にある。ミキサーインサート3は長手方向軸4を有し、ミキサーインサート3は、ウェブ要素の第1のグループ5及び第2のグループ6を含む。第1のグループ5は、第1の共通グループ面7に沿って延出し、ウェブ要素の第2のグループ6は、第2の共通グループ面8に沿って延出する。ウェブ要素9,10にチャンネル11,12が設けられる。チャンネルは、ウェブ要素11の第1から第2の端部13,14に延びる。被覆要素2は、第1の端部13及び第2の端部14に流体的に連結されている対応するチャンネルを含み、第1及び第2の端部13,14から被覆要素2内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静的混合及び熱交換のための装置(1)において、
被覆要素(2)と、ミキサーインサート(3)とを含み、
前記ミキサーインサート(3)は前記被覆要素(2)内で動作状態にあり、
前記ミキサーインサート(3)は長手方向軸(4)を有し、
前記ミキサーインサート(3)には、ウェブ要素の第1のグループ(5)及びウェブ要素の第2のグループ(6)が設けられ、
前記ウェブ要素の第1のグループ(5)は、第1の共通グループ面(7)に沿って延出し、
前記ウェブ要素の第2のグループ面(6)は、第2の共通グループ面(8)に沿って延出し、
前記ウェブ要素(9,10)の少なくとも一部にチャンネル(11,12)が設けられ、
前記チャンネルは、前記ウェブ要素(11)の第1の端部(13)から前記ウェブ要素(11)の第2の端部(14)に延び、
前記被覆要素(2)は、前記ウェブ要素の前記第1の端部(13)及び前記第2の端部(14)に流体的に連結される対応するチャンネルを含み、
前記ウェブ要素の前記第1の端部(13)及び前記第2の端部(14)の少なくとも一つから前記被覆要素(2)内の前記対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成され、
前記チャンネルの長さは、前記ウェブ要素(9,10)が前記長手方向軸(4)を含む場合、前記被覆要素(2)の平均直径よりも大きく形成される装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記チャンネル(11,12)は、前記ウェブ要素を囲む、混合空間と前記ウェブ要素内の前記チャンネルとの間で連結されないように前記ウェブ要素(9,10)の内部に延びる装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置において、
前記第1及び第2のグループ面は、前記長手方向軸(4)に対して25°〜75°を含む角度に配置され、有利には前記長手方向軸(4)に対して30°〜60°を含む角度に配置されるように、前記複数の第1及び第2のグループ要素(7,8)が設けられる装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の装置において、
前記各グループの2〜20個のウェブ要素は、互いに平行な状態に配置される装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の装置において、
前記第1のグループ(5,15,25,35)及び第2のグループ(6,16,26,36)が複数設けられ、
2つの隣接する第1のグループ(5,15,25,35)又は2つの隣接する第2のグループ(6,16,26,36)は、前記長手方向軸(4)に沿うウェブ要素(9,10)の突出長さは長さL1であり、前記長手方向軸(4)に沿う前記隣接するグループ(25)の前記ウェブ要素の重複部分の突出長さは長さL2となる態様で、重複し、
前記長さL2は、長さL1より小さくなり、ゼロより大きく形成される装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の装置において、
前記第1のグループ(5)は、80°〜100°の角度で第2のグループ(6)に対して横方向に配置されている装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の装置において、
前記第1のグループ(5)の前記第1のグループ面(7)は、共通交線(75)が形成されるように、前記第2のグループ(6)の前記第2のグループ面(8)と交差し、
前記共通交線(75)は、前記長手方向軸を備えた交点を有する、又は、前記長手方向軸に対して横方向に延びる及び前記交線に対して鉛直な平面において前記長手方向軸に対して最小の距離を有する、のうち少なくとも一方であって、前記長手方向軸を含む装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の装置において、
前記ウェブ要素の少なくともグループ(15,45,16,46)は前記交線(75)にのみ延出する装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の装置において、
前記ウェブ要素の少なくとも半分は、熱交換流体のためのチャンネル(11,12)を含む装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載の装置において、
前記被覆要素(2)は、熱交換流体を前記ウェブ要素の前記チャンネル(11,12,41,42)へ供給するための分配チャンネル(64)を含む装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の装置において、
前記ウェブ要素内に配置される前記チャンネル(11,12,41,42)は円形要素の形状断面を有する装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記円形要素は、円、楕円、丸みを帯びた矩形又は多角形のグループから形成される装置。
【請求項13】
混合及び熱交換のための装置を製造するための方法であって、
少なくとも部分的にセグメント化された一体構造として鋳造法によって製造される被覆要素(2)及びミキサーインサート(3)を含み、
前記一体構造は、
流れの主方向に対してゼロでない角度に配置されているウェブ要素(9,10)の第1及び第2のグループ(5,6)と、
前記被覆要素(2)が前記ウェブ要素の少なくとも一部に固定的に連結されることと、を含み、
前記ウェブ要素は、前記ウェブ要素の周囲を流れる流動性媒体と連結せず、熱交換流体によって動作状態において使用され、少なくとも部分的に設けられるチャンネルを含み、
前記チャンネルは、前記ウェブ要素(11)の第1の端部(13)から前記ウェブ要素(11)の第2の端部(14)に延び、
前記被覆要素(2)は前記ウェブ要素(11)の前記第1の端部(13)及び前記第2の端部(14)に連結する対応するチャンネルを含み、
前記ウェブ要素の前記第1の端部(13)及び前記第2の端部(14)の少なくとも一方から前記被覆要素(2)内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成され、
前記チャンネルの長さは、前記ウェブ要素(9,10)が前記長手方向軸(4)を含む場合、前記被覆要素(2)の平均直径よりも大きく、
前記鋳型は、鋳造の間にワックス本体によって生成され、
セラミックシェルは前記ワックス本体上に塗布され、その後、前記ワックスが除去され、
前記セラミックシェルは燃焼プロセスによって製造され、
前記セラミックシェルには鋳造材料が充填され、
前記鋳造材料は、冷却によって硬化され、
前記セラミックシェルは、前記鋳造材料が硬化した後に除去される方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記ウェブ要素のための前記チャンネル(11,12)の少なくとも一つは、鋳造工程において、前記ウェブ要素(9,10)とともに製造される方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
前記ウェブ要素の前記チャンネル(11,12)の少なくとも一つは、ドリルにて製造される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコスト効率よく生産される静的混合及び熱交換のための装置及び同装置の製造方法に関する。より詳細には、本発明は粘性又は高粘性流体、例えばポリマーを含む流体を冷却又は加熱するための装置及び同装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静的ミキサーは、製造業の多くの分野で使用されている。静的ミキサーの特徴は、混合すべき流動可能な媒体が少なくとも一つの静止ミキサーインサートを通って移動することである。一般的に使用されるミキサーインサートは、混合チャンバーを通って案内される流動性媒体又は流体の流れの偏りを引き起こす組み込み要素を含む。ダイナミックミキサーとは対照的に、静的ミキサーは可動部品を含まない。ダイナミックミキサーは、例えば、流動性媒体の攪拌が実行されるように攪拌機を含む。静的ミキサーにおいて、流動性媒体は、圧力勾配を発生させることにより、静的ミキサーを通じて輸送される。圧力勾配は、例えば、ポンプの使用によって生成されてもよい。
【0003】
流体、特に粘性流体を混合するのに適した、例えば、特許文献1〜3に記載されるような多数の異なる静的ミキサーが知られている。静的ミキサーの機能は、さらに下流の処理工程で処理できる均質な流動性媒体の生成に関して説明される。
【0004】
このような静的ミキサーは、例えばジャケットにより、外部から冷却又は加熱することができる。この場合、静的ミキサーは、流動性媒体を均質化させる機能を満たし、加えて、流動性媒体を加熱又は冷却することにより熱伝達の目的を果たす。均質下において、流動性媒体の物理的及び/又は化学的及び材料的特性のレベルアウト(平均化)は、例えば媒体を混合することによって起こることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】スイス特許第642564号明細書
【特許文献2】欧州特許第0727249号明細書
【特許文献3】欧州特許第0646408号明細書
【特許文献4】米国特許第6206086号明細書
【特許文献5】米国特許第7997327号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第1967806号明細書
【特許文献7】国際公開第2008/141472号明細書
【特許文献8】欧州特許第1067352号明細書
【特許文献9】ドイツ特許第68905806号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第1123730号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第0967004号明細書
【特許文献12】欧州特許出願公開第1384502号明細書
【特許文献13】米国特許第4466741号明細書
【特許文献14】国際公開第2007/113627号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2004/0114461号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静的ミキサーの加熱及び/又は冷却能力は、流体とチューブ壁との間の境界層がダブルジャケットの内部に配置されたミキサーインサートによって連続的に置換されるので、ダブルジャケットを備えた空のチューブに比べて高くなる。ダブルジャケットの内壁の熱交換に利用可能なチューブ表面は、それにより予め決定及び制限される。それは、内部空間の体積に対する大型化に伴って減少する。従って、静的ミキサーの冷却能力及び/又は加熱能力は、これらが熱交換器として使用される場合、より大きな処理量及びサイズを要するため、特に厳しく制限されている。この問題への取り組みとして、シェル及びチューブ熱交換器は、より大きな処理量のために用いることができる。互いに平行な複数のチューブは、シェル及びチューブ熱交換器内に配置されている。冷却又は加熱される流体は、これらチューブを通って循環する。特許文献4に説明するように、熱交換流体はチューブの外側を流れる。このようなシェル及びチューブ熱交換器でさえ、静的ミキサーは、熱交換を増加させるため、並列チューブに組み込むことができる。このような熱交換器は、流体の流れを個別のチューブに分配し、そのため、個別の流体線を断面全域(但し流体の流れ全体ではない)に亘って混合することについて不利となる。特に、冷却時に、高粘度の流体については、流体の流れの均一なパターンが全てのチューブにおいて観察される特許文献4の装置では保証できない。これは、チューブ内の流体の異なる滞留時間、チューブ壁に沿う流体の堆積、製品によっては流体の分散を引き起こすおそれがある。このような効果のため装置の冷却能力が低下する。
【0007】
特許文献5には、熱伝達流体が静的混合要素と同様に、流体の流れ中に配置されるチューブ内側を流れる熱交換器が記載されている。チューブは、ジャケットチューブに囲まれた混合空間におけるチューブ束として配置される。このような装置は、以下束熱交換器と称する。チューブの配置の方法によって、実質的熱伝達表面を比較的小型の装置(たとえより大きなサイズの装置であってもよい)容積内に収容することができ、それは高い冷却及び/又は加熱能力をもたらす。また、流体の流れは分割される必要がなく、熱交換器を通してストランド状に流れる。混合チャンバー内で横方向に配置されたチューブが混合するための理想的な配置として考慮されていないので、このような熱交換器の混合及び均質化能力は限られている。チューブは、ウェブに比べて効率的なクロスフローを生成するためには、過度に小さな抵抗を有する。
【0008】
混合効果は、円弧状のチューブによってジャケットチューブの内壁に隣接する周辺領域において低減され、それは、特にジャケットチューブに沿う境界層の非効率な更新により、ジャケットチューブの熱伝達面積の不十分な利用につながる。チューブ束が天板を介してジャケットチューブにのみ連結されているので、束熱交換器の許容される圧力損失も制限される。
【0009】
そのような熱交換器の製造コストは、プレート式熱交換器などの従来のミキサー又は従来の熱交換器に比べて非常に高い。特に粘性流体の冷却のための装置についての非理想的な混合性能により、熱交換器を通過する流体の流れの滞留時間差が観察される。その結果、熱交換器内で形成する堆積物のリスクがある。応答性ポリマーは、滞留時間差の結果として分解することができる。非理想的な混合性能及びチューブの相互干渉は、流体とチューブ壁との間の境界層が好適に更新されないので、熱伝達の効率の低減も導くチューブ充填密度の増加を導く。特許文献6には、装置内の混合効率を向上させるために可能な解決策が記載されている。このような解決策は特許文献5に記載されている。これは、流れ方向に対して直角をなすように側面に対して連結されている楕円形のチューブを使用することが提案される。代替的には、平行に、同一方向に向けて配置されたチューブを使用することが提案される。両変形例は、流体のための抵抗の増加を助け、それにより、より良好なクロス混合を達成する。チューブ束がヘッドプレート上に固定されている実施形態においては、特許文献5に関連して説明した場合と同様の不利益が生じる。特にジャケットチューブの内壁に近い周辺領域においては、混合効果は、ジャケットチューブの内壁に沿って延びている境界層が非効率に置換されるため、熱伝達面積としてのジャケットチューブの不十分な利用につながる円弧状のチューブによってさらに減少される。チューブ束がジャケットチューブに天板のみを介して連結されているため、結果として、束装置の許容圧力損失が制限される。
【0010】
また、特許文献6は楕円形のチューブがジャケットチューブに連結され、熱伝達流体がダブルジャケットを介して供給される実施形態を示している。この実施形態は、使用される円弧状チューブが存在しないため、ジャケットチューブのエッジ領域における混合効果を向上させる。このような楕円形のチューブを有する装置及びジャケットチューブの製造は、各チューブを正確にケーシングパイプに連結しなければならないため、非常に複雑であることが示されている。特に、隙間は、堆積物が流体の流れから形成され、チューブ材料の劣化の影響につながり得るという事実により、チューブ及びジャケットチューブ間の流体側を避けなければならない。また、洗浄のためのアクセス性が大幅に悪化する。
【0011】
市販の楕円形のチューブは、比較的大きな外部公差を有しており、従って、楕円形のチューブの複雑な再作業が要求されるような隙間の形成が防止できない。流体側に存在する隙間は、互いに後方に近接して配置されている特にチューブグループ内におけるチューブとジャケットチューブとの間の連結に対し再作業のためにアクセスすることができないため、溶接又ははんだ付けなどの続くプロセスによって不十分に除去される。
【0012】
また、流動性媒体から常に熱伝達媒体を封止することは技術的に複雑である。それは、媒体の汚染の危険性があることを意味する。漏れは、チューブへのアクセス性が不十分であるため、封止することが困難である。さらに、たとえ楕円形のチューブを使用する場合でも、大量の流体がチューブに亘って横方向に流れる傾向があり、少量の流体が装置の横断面を横切って輸送されることが示されている。横半径のみを有し、従って、流体のより良いクロスフローを可能にするフラットチューブの使用は、それらが流体室と熱伝達流体との間の圧力差に耐えられないおそれがある。従って、このようなフラットチューブは非常に厚壁で形成しなければならない。チューブの理想的でない幾何学的形状に加えて、混合効果は、流れ方向で見たときに、すべてのチューブが整列されているため、示された装置において制限されている。しかしながら、良好な混合効果を達成するため、例えば、第1のチューブグループに対して90°にオフセットされた少なくとも1つの第2のチューブグループが提供されるべきであることが示されている。
【0013】
特許文献7及び特許文献8は、流体の流れの中に配置されたチューブに熱伝達流体が平行に流れるチューブを含む熱交換器を開示する。また、これらのチューブには、流れ方向に対して一般的に45°の角度で取り付けられる邪魔板として構成されているウェブが設けられている。これらのウェブは、中央流体の流れと連続してチューブ壁に沿った流れとの間の境界層を交換するように構成されている。このような装置は、チューブウェブ熱交換器と呼ばれる。たとえ、このような装置において、比較的大きな熱交換表面積は、チューブの充填密度に依存して、比較的小さな装置体積内に収容することができる。このような装置に係る問題は、流体の流れに対して平行に配置されたチューブが流体のクロスフローを破壊し、従って、混合性能が低下するため、チューブ密度の増加に伴って混合効果が著しく劣化することである。そのような装置のコストは、プレート式熱交換器などの従来のミキサー又は従来の熱交換器に比べて非常に高い。このような装置のための理想的でない混合性能により、特に粘性流体の冷却に関して滞留時間分布差が生じて、堆積のおそれがある。応答性ポリマーは、そのような装置内で分解することができる。理想的でない混合性能及びチューブの相互干渉は、流体とチューブ壁との間の界面は理想的に更新されていないため、増大したチューブ充填密度をもたらし、比較的不十分な熱伝達の効率となる。
【0014】
特許文献9においては、これらの欠点を克服する方法が記載されている。ただし、この明細書で示されている円形断面を持つチューブは、この流れの中に配置されたチューブの流れに対する小さな抵抗により混合性能が最適ではない固有の欠点を有している。従って、特許文献9に示される解決策は、チューブからチューブ内の流れへの熱伝達を達成することが証明される。しかし、円柱の幾何学的な制約により、管路として明細書で指定された混合チャンバーの断面全体を包囲しない限られた混合性能のみが観察される。特許文献10は、混合要素としてチューブを含む静的ミキサーを開示している。チューブは、混合要素の中心軸の周りに回転される格子状に配置されている。使用される3つ又は4つの格子が配置され、互いに120°又は90°の角度で配置されている。
【0015】
特許文献11においては、流体熱媒体用のチャンネルを備える静的ミキサーが同様に提案されている。この静的ミキサーは、互いに横方向に設置される、流れの方向に配列された鋸歯状のプレート要素とともに配置されている。プレート要素はウェブと呼ばれる。これらウェブは、混合要素の幅全体に亘って延びている。このウェブは、これらがウェブのそれぞれを通る流れの主方向に対して横方向に通じるチャンネルを含む場合、厚壁要素として構成されている。鋸歯状のウェブは、僅かに局所的にのみクロス混合を引き起こし、それは混合チャンバーの断面全体を含まない。ウェブ上の流体の流れの入射は、鋸歯状プレート要素の最も近い谷への流体内に延びるスパイクピークから鋸歯状プレート要素から偏向される流体の流れの少なくとも一つの補助部分、及びウェブを越えて側方向に流れる二つの側部主部分流へ各ウェブによって分割される。補助部分の流れは、補助部分の流れの部分的偏向が得られるように、スパイクピークのそれぞれから偏向される。しかし、この偏向は、各ウェブが複数の歯を含む場合、小さな補助部分の流れ及びミキサーの断面の一部のみに制限されたままである。従って、特許文献11に示されるミキサーにおける横方向の混合部分は小さい。
【0016】
このような静的ミキサーの変形例は、特許文献12に示されている。特許文献11に記載されているように、熱伝達流体のためのチャンネルは、主流方向に対して横方向に延びている。特許文献12のチャンネルは、フィン付きチューブの内部に延出している。リブは、例えば、星型で流体の流れに突出する。これらのリブは、流体の流れの僅かな偏光や横方向の変位を引き起こし、それはリブの局所環境に制限された状態を維持する。リブが熱伝達流体によって貫流されないので、熱交換面としてのそれらの使用は制限される。一方、それらは比較的大きな空間を必要とする。従って、熱伝達流体によって貫流することができるチューブのより密な充填を実現することができず、それに応じて得られる熱伝達表面積が減少する。
【0017】
局所混合下では、フィンチューブのすぐ近くにおけるクロス混合であることを理解すべきであり、即ちチューブの直径の2倍に、その大きさが制限され、リブの端部で最大で発生している環境である。複数のチューブは、流れ方向に対して横方向に並ぶように配置されている。つまり、2つのチューブにおいて、補助部分の流れがリブのエッジに沿って案内され、それによって横方向の流れが発生するとき、多くともチューブへ流れる流体の半分である。ここでも、複数のチューブは、流れの主方向に対して横方向に並んで配置されている。ミキサー断面の一部のみに亘って発生する横方向の混合は、局所的に異なる熱プロファイル及び濃度プロファイルの形成を導くことができ、このミキサーを利用して均質でない混合物が取得可能である結果を得ることができる。均一な混合物は、流体の一部が全体の断面の大部分に亘って横方向に混合される場合にのみ確保され得る。
【0018】
これは、ウェブチューブの周りの完全な流れが可能となるように、ハウジングに形成された隙間が望まれる実施形態に特に関連して言及されている。この実施形態では、ウェブチューブの複数列が流れ方向に互いに前後に配置されている。これは、混合が流れの一部のみ内で起こるように、ウェブチューブに向かって流れ、ウェブチューブによって分割された部分流が、再びウェブチューブの下流に連結されることを意味する。隣接するウェブチューブによって共有されている隣接する部分流は、この混合によって影響されず、このため、この混合が局所的にのみ発生する。
【0019】
特許文献13に示す静的ミキサーなどのミキサーの断面全体に亘って全体の流体の流れの混合を可能にする継手を持つミキサーを有する。このミキサーは連続的に配置された混合要素を構成する。これらの各混合要素は、切断要素として流れを分割し、流れを配向する取り付け部を含む。この目的のために、偏向邪魔板は、ミキサーの右側半分の部分流がミキサーの下側半分へのずれを引き起こす。隣接する混合要素は、部分的な流れが継続的に細分化され、かつ偏向されるように配置されている。しかし、これらインサートは薄壁であり、チャンネルはこのような取り付け部において提供することができない。この理由は、薄壁のウェブは、同程度の混合作用を得るため、より小さい圧力降下を有するからである。従って、ミキサーは、必要な寸法安定性を確保するために、薄壁チューブ継手が固定的にスリーブに連結されるように、スリーブとともに設計されている。
【0020】
そのような静的ミキサーのさらなる例は、特許文献14に見られる。この明細書では、壁薄インサートも同様に開示されている。これらのインサートは、これらのインサートの内部に延びているチャンネルには適していない。図5において、溶接構成として形成される十字状に配置されたウェブを有する実施形態が示されている。この時点まで、モノリス部として薄壁構成で交差ウェブを製造することは一般的ではない。特許文献15は、モノリス混合要素を実現するため、その厚壁ウェブが提供されることが示されている。ウェブ要素の端部は、ミキサーの内壁に連結されていない本実施形態に従う。
【0021】
ミキサー要素は、環状セグメントによってミキサーの壁に固定されている。これらの環状セグメントは、ウェブ要素のためのキャリア要素を形成する。ウェブ要素の端部は、流れの中に自由に延出し、それらはミキサー内壁に固定されていない。厚壁の構成は、特に、ミキサーが高粘性流体のために使用される場合、ウェブ要素の構造的安定性のために必要がある。チャンネルのような中空空間は、材料の強度のためウェブ要素の内側に設けられるべきではない。
【0022】
被覆要素及びウェブの端部が相互に連結されていないため、熱交換流体がウェブ要素の端部を介して被覆要素に入ることができず、厚壁のウェブ内にチャンネルを設けることが利点とは考えられない。チャンネルがウェブ要素の内部に延びている場合は、ウェブ要素における熱交換流体は循環できず、そのため、熱供給又は熱放出が発生しない。このため、特許文献15の装置は、熱交換器には適していない。
【0023】
本発明の目的は、最適に流体媒質を混合し、同時にそれらを効率的に冷却し、又はそれらを加熱するための装置を提供することにある。さらに、装置は、高い流体圧力に耐えることができ、粘性又は高粘性流体の処理に適するように構成されるべきである。さらに、この装置は、堆積につながる可能性がある流動性媒体に対向する側部に隙間を有するべきではない。加えて、装置は、経済的な製造方法によって製造されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
静的混合及び熱交換のための装置において、被覆要素と、ミキサーインサートとを含み、前記ミキサーインサートは前記被覆要素内で動作状態にある。ミキサーインサートは、流動媒体の流れの方向に延びる長手方向軸を有している。
【0025】
前記ミキサーインサートは、ウェブ要素の第1のグループ及びウェブ要素の第2のグループを備え、前記ウェブ要素の第1のグループは、第1の共通グループ面に沿って延出し、前記ウェブ要素の第2のグループ面は、第2の共通グループ面に沿って延出する。前記グループ面は、前記ウェブ要素の中心軸を含むことを特徴とする。前記ウェブ要素の少なくとも一部はチャンネルとともに配置され、そのチャンネルは、前記ウェブ要素の第1の端部から前記ウェブ要素の第2の端部に延出する。
【0026】
前記被覆要素は、ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部に流体的に連結されている対応するチャンネルを含み、前記ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部の少なくとも一つから被覆要素内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成される。ウェブ要素の少なくとも一部は、全体横寸法又は被覆要素の直径に延出する。ウェブ要素内のチャンネルは、被覆要素の内壁に直接連結されるウェブ要素の第1の端部からウェブ要素の第2の端部へ延びている。被覆要素内に、ウェブ要素の対応する端部にチャンネルの端部に連結するチャンネルが配置されている。従って、ウェブ要素は、熱交換流体、特に、熱交換液体とともに被覆要素から供給され、熱交換流体は、ウェブ要素を通って流れる。ウェブ要素が長手方向軸を有する場合、チャンネルの長さは、被覆要素の平均直径よりも大きい。
【0027】
被覆要素が円形チューブとして構成されている場合、平均直径は内径に相当する。縁付きの被覆要素の平均直径は、その円周/πと定義され、従ってそれは同等な直径である。チャンネルの長さは、チャンネルが中心軸と交差する場合には、平均直径より少なくとも10%上である。このチャンネルの長さは、少なくとも平均直径より20%上、特に好ましくは少なくとも平均直径より30%上に設けられる。
【0028】
ウェブ要素は、その寸法、その長さ、幅、厚さによって特徴付けられる。ウェブ要素の長さは、ウェブ要素の第1の端部からウェブ要素の第2の端部に測定される。チャンネルの長さは、ウェブ要素の長さに対応する。
【0029】
ウェブ要素の幅は、流れの方向に対して横方向に測定される。すなわち、幅は、ウェブ要素の長手方向に直交して配置される平面に延び、ウェブ要素の断面を示すことを意味する。ウェブ要素の断面は、幅及び厚さによって特徴付けられる。ウェブ要素のグループの少なくとも最も長いウェブ要素の長さは、その幅の少なくとも5倍である。ウェブ要素の幅は、その厚さの0.5〜5倍であって、有利にはその厚さの0.75〜3倍である。
【0030】
ウェブ要素の幅はその厚さの1倍又は2倍である場合、特に好ましい範囲が得られ、それは特に良好な横方向の混合を提供する。ウェブ要素の幅は、上流側から見て、ウェブ要素の第1縁部と第2の端部との間の鉛直距離として定義される。上流側のウェブ要素の幅は、下流側で測定したウェブ要素の幅とは異なっていてもよい。
【0031】
エッジとして流れが衝突して通過するウェブ要素のエッジが意図されている場合、前記エッジがウェブ要素の長手方向に平行に延出する。ウェブ要素の厚さは可変となり得る。最小の厚さは、最大厚さの75%未満、有利には50%未満である。変形例は、リブ、くぼみ、突起によって、又はくさび形のウェブ要素又は他の凹凸によって構成される。
【0032】
ウェブ要素は、流れる流体のための衝撃面を提供する、その平面又は凹面が流れの方向に存在することを特徴とする。流れの方向に配置されたこれら表面は、下流の流れのより高い抵抗効果を有する。これは、チューブ要素が少ない混合効果を有することが示されている。チューブ要素は、特許文献9の解決策として記載されている。チューブ要素は、ウェブ要素と比較して注目すべき悪い混合効果を有している。また、特許文献12に、流体の流れに配置された円形のプロファイルは小さい混合効果があることが指摘されている。
【0033】
ウェブ要素内に配置されたチャンネルは、有利には、ウェブ要素の厚さの最大75%に対応する内径を有している。基本的には、互いに平行に配置された複数のチャンネルはウェブ要素に配置することができる。
【0034】
ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部の少なくとも一方から前記被覆要素の本体内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成される。ミキサーインサートのウェブ要素、同様に被覆要素は、有利には鋳造法によって製造された単一部品で構成されている。これは、ウェブ要素から被覆要素への連結がスムーズに行われるような隙間のない連結の性質の特徴である。具体的には、エッジは、ウェブ要素と被覆要素との間の連結領域において丸められ、その鋳造材料の流れが製造工程中に妨げられない。
【0035】
チャンネルは、ウェブ要素内部のチャンネルとウェブ要素を囲む混合空間との間には連結が存在しないように、ウェブ要素の内部に配置されている。鋳造の間に、一体構造は、流体の流れの主方向に対してゼロに等しくない角度で配置されたウェブ要素の第1及び第2のグループと、ウェブ要素の少なくとも一部に固定された被覆要素とから構成されるセグメント内に少なくとも製造され、この被覆要素は被覆チューブとして構成することができる。
【0036】
ウェブ要素が動作状態における熱伝達流体によって使用可能なチャンネルとともに少なくとも部分的に設けられている。チャンネルは流動性媒体に接続されない動作状態であり、この流動性媒体はウェブ要素の周囲を流れる。チャンネルは、ウェブ要素の第1の端部からウェブ要素の第2の端部へ延びている。被覆要素は、ウェブ要素の第1の端部及び第2の端部と流体的に連結している少なくとも一つの対応するチャンネルを含み、そのウェブ要素の第1及び第2の端部の少なくとも一方との間における被覆要素内の対応するチャンネルへの連結は隙間なく形成されている。ウェブ要素が長手方向軸を含む場合、チャンネルの長さは、被覆要素の平均直径よりも大きい。
【0037】
ウェブ要素における熱交換流体のためのチャンネルは鋳造により製造することができるが、また、その後の再加工のステップは浸食又はボーリングとして実施することができる。驚くべきことに、チャンネルの直接的な鋳造又はチャンネルの後続のボーリングは、非常に簡単かつ経済的な方法で可能であることが示されている。
【0038】
鋳造の間に、鋳型がワックス本体によって製造され、セラミックシェルは、ワックス体上に塗布され、その後、ワックスが除去され、そしてセラミックシェルが燃焼され、燃焼されたセラミックシェルには鋳造材料が充填される。鋳造材料は、冷却によって硬化され、鋳造材料の硬化が完了した後にセラミックシェルが除去される。装置は、金属、プラスチック又はセラミック材料のような鋳造法によって処理されるのに適した任意の材料から製造することができる。ウェブ要素は、有利に長方形として構成され、そのエッジは丸みを有していてもよい。また、エッジは、任意の他の断面、特に、円、楕円、丸いエッジ又はポリゴンを有する矩形のグループの断面が想定される。断面積は、各単一のウェブ要素で異なっていてもよいし、例えばウェブ要素の厚さ又は幅が変化するように、複数のウェブ要素の間で異なっていてもよい。被覆要素の下で、任意の断面及び形状のミキサーインサートの被覆要素は、例えばチューブ又は長方形のチャンネルを含むと理解されるべきである。
【0039】
熱交換流体は、空気のような、例えば水又は油又は任意のガスのような任意の液体を含むことができる。ウェブ要素は、有利には、流体の流れの主方向に対して約25°〜75°及びより有利には約30°〜60°の角度で配置されている。
【0040】
実施形態によれば、第1及び第2のグループ面は交差する。さらなる実施形態によれば、第2のグループのウェブ要素は、第1のグループのウェブ要素に続く。このように、隣接するウェブ要素は、本実施形態によれば、それらが異なるグループに属しているため、異なる向きを有している。
【0041】
好ましい実施形態によれば、隣接するウェブ要素が交差し、このような配置は、混合効果を増強する。互いに交差する2つのウェブ要素の間の角度は、有利には25°〜75°である。グループは、互いに隣接して配置された任意の複数のウェブ要素を含むことができる。グループは、すべてのウェブ要素の中心軸が同一又は同一のグループ面に及ぶことを特徴とする。特に、2〜20、特に好ましくは4〜12のウェブ要素は、グループにおいて平行な状態に配置される。
【0042】
これは、主流方向から見て、互いの背後に位置する任意の複数のウェブ要素のグループを配置することが可能である。互いに連続的に配置されたグループは、有利には、それらが小型の装置の容積内で最大限可能なアクティブ熱交換面積を生成するため重複(オーバーラップ)する方法で構成されている。この重複とは、主流方向から見て、少なくとも第1のグループのウェブ要素の一部及び後続のグループ及び/又は次のグループのウェブ要素の一部が同一のチューブセクションに配置されることを意味する。
【0043】
前記長手方向軸に沿うウェブ要素の突出長さは長さL1であり、前記長手方向軸に沿う前記隣接するグループのウェブ要素の重複部分の突出は長さL2であり、この長さL2は、長さL1より小さくなり、ゼロより大きくなる。考慮されたチューブセクションは、長さL1を有することによって定義され、それはチューブセクションが、長手方向軸上に突出したとき、中央に配置されたウェブ要素から第1の端部からその第2の端部に延びていることを意味する。
【0044】
別の背後に配置される同一方向のウェブ要素のグループ内の混合効果が1つの平面内のみで起こることに起因して、配向は、有利に互いに千鳥状に配置されるグループのような、特定数のグループの後に変更される。
【0045】
特に、2〜20のグループ、特に好ましくは4〜8のグループが想定される。同様に配向されたグループ間の転位は、有利に80°〜100°の角度に設けられ、従って、第1のグループは80°〜100°において、第2のグループに対して横方向に配置される。つまり、第2のグループは、第1のグループに対して角度約80°〜100°において、ミキサーインサートの主軸を中心に回転させることを意味する。
【0046】
上記で概説したように、横方向に配置されたウェブ要素のグループに加えて、特定のウェブ要素の並列グループの最終セクション内のウェブ要素のグループは、被覆要素の内壁から他のグループの交線にのみ延びているウェブ要素を含有することが想定される。以下のように、ウェブ要素のこれらグループは、ハーフクロスウェブ要素グループと呼ばれる。これらグループは、混合性能の増加をもたらす。優れた混合効果及びウェブ要素材料の付加的な熱伝導のため、熱交換がさらに増加する。
【0047】
第1及び第2のグループのウェブ要素が相互に触れたり、中間空間を含んだりすることができる。流体の流れの主方向に対して横方向に配置された連結ウェブ要素を備える中間空間の連結も可能である。
【0048】
熱交換流体は、有利にはダブルジャケットを超えて供給され、そこを、同様に横方向に配置されたウェブ要素の少なくとも一部を通って流れる。それによって、被覆要素の内壁だけでなく、加熱又は冷却されたウェブ要素の表面も同様に熱交換面として使用することができる。このダブルジャケットは被覆チューブによって内側に、かつ第2の外側チューブによって外側に形成することができる。外側被覆チューブは、熱交換流体の供給及び放出のための連結を含む。有利には、羽根は被覆チューブと外側被覆チューブとの間に配置され、それは、ウェブ要素を介してダブルジャケット内の熱交換流体を案内し、その装置は、主に流れを一様とするために供される。これは、本発明の装置の異なる部分又はセグメントを通る流れは、ダブルジャケットセグメントによって分離されることが可能である。これは、セグメント毎に異なる温度領域を可能にする。熱交換流体は、外部からウェブ要素に直接供給することができる。それによって、熱交換面として被覆チューブの使用が制限されている。それを60mm以上の被覆チューブの直径を有する小型の装置における高い熱交換率のために、ウェブ要素の少なくとも半分は熱交換流体の流れにさらされなければならないことが示されている。
【0049】
ウェブ要素のための非常に経済的な鋳造の製造方法、ウェブ要素に一体的に、かつ隙間なく連結された被覆要素を得ることが可能であることが示されている。それによって、対応するウェブ要素とともに完全な被覆要素は、一部品で製造することができ、又は多数のセグメントは別々に製造することができ、その後、例えば、溶接又はネジ止めフランジ連結によって連結される。さらに、ウェブ要素の外部形状及び熱交換流体用のチャンネル形状を容易に切り離すことができる。外部形状の場合、長方形のプロファイルは有利に使用することができ、チャンネル形状は、特に、円形又は楕円形の断面から選択される、円形断面とすることができる。これにより、横方向の混合のための理想的なプロファイルを持つと同時に高強度のウェブ要素は高い最大流体圧力のために製造することができる。これは、ウェブ要素における熱交換流体のための通路が浸食による、さらに有利にはボーリングによって鋳造工程の後に有利に製造することができることが示されている。それによって、最小のチャンネルを製造できる。
【0050】
それはさらに、本発明のウェブ要素のグループ及び特に隣接するウェブ要素が交差するウェブ要素及び/又は特にウェブ要素の重複するグループとともに、非常に良好な混合性能が得られることが示されている。高速混合は、第1のグループに対して約80°〜100°ずらされている第2のグループの配置によって特に促進することができる。驚くべきことに、そのより高い混合品質を意味する特定の混合性能の更なる改善における粘性流体のための追加の部分的グループの配列が示されている。熱交換流体がダブルジャケットの内部空間及びウェブの要素内に流れるという事実のために、混合性能は、熱交換流体のための通路として使用されるチューブの追加的インサートによって減少されない。
【0051】
また、境界領域における混合性能は、内壁に近い流動性媒体の境界層が均一な混合物を得るために関係する事実のため、被覆要素へのウェブ要素の直接遷移により改善される。具体的には、流動性材料と被覆要素との間の境界層の最適な更新だけでなく、流動性媒体及びウェブ要素の表面間でも得ることができる。また、境界層の最適な更新は、熱交換面積の最適な使用の結果を有する。また、熱交換面積の最適な使用は、非常に小さい圧力降下の小型の装置容量の所定の加熱又は冷却のタスクのための装置の構築にもつながる。
【0052】
また、本発明の装置は、最適な混合効果により、加熱又は冷却された流動性媒体の非常に狭い滞留時間分布を有する。それにより、流動媒体の堆積物又は分解を可能な最良の方法で回避することができる。境界層の最適な更新のため、凝固点に近い非常に低い融解温度は、例えばポリマーのような粘性流体の冷却に関係する冷却タスクを行うために得ることができる。これによれば、硬化ポリマーが熱交換表面上に堆積物を形成することが回避される。被覆要素へのウェブ要素のそれぞれの直接の連結は、高い流体作動圧力での動作にも適している非常に安定な構造をもたらす。それによって、本発明の装置は、特に粘性流体との動作において、非常にコンパクトな構成とすることができる。この装置は、例えば液体又は気体、特にポリマーなどの混合及び粘性又は高粘性流体などの任意の流動性媒体の加熱及び冷却又は混合のために主に適している。
【0053】
被覆要素及びミキサーインサートは、特にキャスタブル材料で構成され、例えば金属、セラミック、プラスチック又はこれらの材料の組み合わせを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の装置の第1の実施形態に係る2次元断面。
図2図1における装置に係る3次元断面図。
図3図1におけるミキサーインサートの斜視図。
図4】第2実施形態に係る装置の3次元断面図。
図5図1における被覆要素へのウェブ要素の連結の詳細を示した図。
図6】本発明による装置の第3の実施形態の2次元断面図。
図7】本発明による装置の第4の実施形態の2次元断面図。
図8】本発明による装置の第5の実施形態に係るミキサーインサートの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
静的混合及び熱交換のための装置1は、被覆要素2と、ミキサーインサート3から構成されている。ミキサーインサート3は被覆要素2の内部に配置されて動作する。被覆要素は中空体で構成されている。ミキサーインサート3は、中空体内に収容される。ミキサーインサート3は、動作状態における被覆要素2を流れる流動性媒体の流体の流れの主方向に延びる長手方向軸4を有している。ミキサーインサート3は、ウェブ要素の第1のグループ5及びウェブ要素の第2のグループ6を含む。
【0056】
図1において、さらに、第1のグループ14、第2のグループ16、第1のグループ25、第2のグループ26、第1のグループ35、第2のグループ36、第1のグループ45及び第2のグループ46が示されている。ペアのグループ15,16,45,46を除いて、グループの全てのペアは同様に構成されている。そのため、以下の説明は第1のグループ5、25、35だけでなく第2のグループ6、26、36においても有効である。各グループは、複数のウェブ要素を含む。混合空間80の大きさ及び/又はウェブ要素の幅に応じて、グループの2〜20、好ましくは4〜12のウェブ要素を互いに平行に配置することができる。その中心軸に沿うウェブ要素の第1の端部13から第2の端部14までの距離は、ウェブ要素の長さとして定義される。エッジから対向して配置されるエッジまでの中心軸に鉛直な方向に延びる寸法は、ウェブ要素の厚さとして定義される。長手方向軸4に対する横方向寸法は、図1にある図面の平面に鉛直な寸法であるウェブ要素の幅として定義される。ウェブ要素の第1のグループ5は、第1の共通グループ面7に沿って延びている。グループ面7は、その長手方向軸がウェブ要素の中心軸に一致するようにチャンネル11が配置されている場合、ウェブ要素9の内部に延びるチャンネル11の長手方向軸を含む。この視点において、グループ面7は、図面の平面に対して鉛直方向に延びている。
【0057】
ウェブ要素の第2のグループ6は、第2の共通グループ面8に沿って延びる。グループ面8は、グループ面7と同様に定義される。第1及び第2のグループ面7,8は互いに交差する。この視点において、それらは、ミキサーインサートの長手方向軸4で正確に交差している。第1のグループのウェブ要素9は、第2のグループのウェブ要素10に続く。このように、ウェブ要素9は、ウェブ要素10に対して十字に交差して配置されている。従って、第1のグループのウェブ要素は第2のグループのウェブ要素と互い違いとなる。ウェブ要素9は、チャンネル11の半分が視認可能となるように、その長手方向軸に沿って切断されている。ウェブ要素10は、図面の平面に対してウェブ要素9の背後に配置されている。従って、断面図として示されておらず、ウェブ要素10を通るチャンネル12が点線で示されている。第1のグループのウェブ要素9のチャンネル11は、ウェブ要素の第1端13から第2の端部14に延出する。チャンネル11,12は、円形要素の断面を有する。円形要素は、丸みを帯びたエッジ又は多角形を有する円、楕円、矩形のグループからの要素を含むことができる。
【0058】
図1に従ってミキサーインサート3及び被覆要素2は、鋳造法により一体構造として製造されている。被覆要素2は、熱交換流体のための供給スタブ52及び放出スタブ53を含むジャケット本体51から構成される。このジャケット本体は、複数の供給チャンネルに熱交換流体を分配するための分配チャンネル64及び複数の放出チャンネルから熱交換流体を回収する回収チャンネル65を備える。例えば、各供給チャンネル54及び各放出チャンネル55は、流体経路によって、ウェブ要素の第1及び第2の端部13、14に連結されている。供給チャンネル56,58,60は、チャンネルを含むウェブ要素のそれぞれに設けられ、それが熱交換流体をウェブ要素内の対応するチャンネル及びチャンネル57,59に供給する。これらチャンネルはウェブ要素内のチャンネルからジャケット本体51の回収チャンネル65へ熱交換流体を導く。図1において、ウェブ要素9、29、39、49は断面図で示されている。ウェブ要素10、20、30、40、50は、図示された平面に対して背面側に配置されている。これらのウェブ要素を有するチャンネルは、視認できないため、部材番号を記載しない。ウェブ要素11の第1及び第2の端部13,14の少なくとも一つから対応するチャンネル54,55のそれぞれへの連結は、隙間なく形成される。ミキサーインサート3のウェブ要素、同様に被覆要素2は、有利には鋳造法によって製造された単一部品で構成されている。
【0059】
図1に示すように、混合及び熱交換のための装置1に係る製造方法は、少なくとも鋳造法による一体構造のようなセグメントとして得られる。装置1は、ミキサーインサート3及び被覆要素2を含む。一体構造は、ウェブ要素9,10の第1及び第2のグループ5,6と、ウェブ要素の少なくとも一部分に固定される被覆要素2とを備える。これらグループは流体の流れの主方向に対してゼロでない角度に配置される。
【0060】
ウェブ要素9,10は、チャンネル11,12を有する。熱交換流体は、動作状態においてこれらチャンネルを通過する。熱交換流体は、ウェブ要素の周囲を流れる流動性媒体に接続していない。鋳造の間に、鋳型がワックス体によって製造され、セラミックシェルは、ワックス体上に塗布され、その後、このワックスが除去され、セラミックシェルが燃焼され、燃焼したセラミックシェルは鋳造材料によって充填される。鋳造材料は冷却されることによって硬化し、セラミックシェルは鋳造材料の硬化が完了した後に除去される。
【0061】
鋳造によって欠陥のないウェブ要素9,10及び対応するチャンネル11,12を製造するため、特に穴なしで、被覆要素からミキサーインサートへの連結は、有利には、図5に詳細に示されるように、円形部(R部)に形成される。図5は、ウェブ要素9の第2の端部14の周囲領域の拡大図である。有利なことに、すべての他端部には、同様の円形部が設けられている。図5において、ウェブ要素9の上縁又は縁面から被覆要素のジャケット本体51の内側への連結を形成する円形部91が示されている。円形部94は、ウェブ要素9の下縁又は下縁面から被覆要素のジャケット本体51の内側への連結を形成する。チャンネル54からチャンネル11への連結は円形部によって達成される。凸円形部92及びそれに対向して配置された凸円形部93は断面で示されている。円形部91,92,93,94のそれぞれは、例えば、少なくとも0.5mmの半径を有する。
【0062】
任意の数のウェブ要素のグループは流体主流の流れ方向に連続して配置することができる。この実施形態によれば、複数の第1の部分的グループ25,35は、第1のグループ5に隣接して示される。グループ5が第1の部分的グループを説明するために例示的に使用されている。
【0063】
第1の部分的グループ25,35は、グループ5と同様の方法で構成されていて、この理由から、グループ5の説明は、グループ25,35の説明としても使用される。同様に、グループ6は、グループ26,36の説明としても使用される。第2の部分的グループ26,36はグループ6と同様の方法で構成される。
【0064】
さらに、第1の部分的グループ15及び第2の部分的グループ16は、図1に示され、これらのウェブ要素はチャンネルを含まない。このように、ウェブの要素の一部は、チャンネルを含まなくてもよい。加えて、第1の部分的グループ15のウェブ要素19は、ジャケット本体51から長手方向軸4へのみ延出する。また、第2の部分的グループ16のウェブ要素20は、ジャケット本体51から長手方向軸4へのみ延出する。ウェブ要素19,20の第1及び第2のグループ面17,18は、長手方向軸4で交差する。第1部分的グループ15及び第2の部分的グループ16は、ミキサーインサートの右手側端部を形成する。右手側端部は端面70によって規定され、端面70は、長手方向軸に垂直に配置される平面であり、ウェブ要素19、20の右手側端点を通る。これは、ミキサーインサートの右手側の最後のセクションを形成している。端面70の右側に、さらにミキサーインサートが続いていてもよい。ミキサーインサートは、ウェブ要素の第1のグループ及びウェブ要素の第2のグループを含むことができ、そのウェブ要素の第1のグループは、長手方向軸周りの第1のグループ5に対して80°〜100°間の角度周りに回転され、ウェブ要素の第2のグループは、長手方向軸周りの第2のグループ6に対して80°〜100°間の角度周りに回転される。この追加的なミキサーインサートは図示されていない。その結果として第1の部分的グループと第2の部分的グループの隙間が不足している場合は、流動性媒質における偏向の可能性を減らし、その結果、流動性媒体の最適でない混合を伴う。
【0065】
変形例によれば、ミキサーインサートの端部を形成する部分的グループは、さらに、熱交換を向上させるためチャンネルを含むことができる。従って、図1において、第1の部分的グループ45及び第2の部分的グループ46が示されている。それぞれのウェブ要素49,50はチャンネル41,42を含む。隣接したウェブ要素のチャンネル41,42は、熱交換流体が供給チャンネル60から放出チャンネルに達することができるように、連結可能であって、この供給チャンネルは、図示されないが、放出チャンネル57の後方に配置される。また、第1の部分的グループ45のウェブ要素49は、ジャケット本体51から長手方向軸4へのみ延出する。また、第2の部分的グループ46のウェブ要素50も、ジャケット本体51から長手方向軸4へのみ延出する。ウェブ要素49、50の第1及び第2のグループの平面は長手方向軸4上で交差する。第1の部分的グループ45及び第2の部分的グループ46は図1に示す視点においてミキサーインサートの左手側端部を形成する。左手側端部は、長手方向軸4に対して鉛直方向に配置され、ウェブ要素49,50の左手側端点を通る面である端面71によって規定される。前記端面は、ミキサーインサートの左手側の最後のセクションを形成する。端面71の左側に、さらにミキサーインサートが続いていてもよい。
【0066】
つまり、第1のグループ5のグループ面7は、共通交差線75が形成されるように、第2のグループ6の第2のグループ面8と交差し、この共通交差線75は長手方向軸4との交点を有する、又は長手方向軸に横方向に延出され、及び/又は長手方向軸を含む上記交差線に対して鉛直面内の長手方向軸に対して最小の距離を有する。この構成では、ウェブ要素は、長手方向軸の上方に位置する混合空間80の部分セクション(断面)における混合が長手方向軸の下方に位置する当該混合空間の部分セクションにおける混合とほぼ同一となるように、交差面に対して対称な構成を有する。
【0067】
前述した図1は、交差線75に対して延びるウェブ要素の2つのグループ15、45、16、46を示し、それにより、任意のウェブ要素を含まない隙間が発展しないことが保証される。流動性媒体の混合は、ウェブ要素を含む混合空間の部分と比較して、この隙間においては同一方法で実行されない。
【0068】
図示しない実施形態によれば、ミキサーインサートは、ウェブ要素の第1のグループ5及び第2のグループ6のみから構成することができる。この理由のため、第1のグループ5及び第2のグループ6は、本明細書における同様の第1又は第2のグループの複数の代表と見なされる。それぞれの特定の場合において想定されるグループのペアの数は、特定の混合又は熱交換のタスクに依存する。
【0069】
以後の明細書において、第1及び第2のグループのみが説明されている場合、この特定の実施形態のみが開示されているため、そこから推測することができない。逆に、複数のグループのペアを備えた任意の実施形態は、これらグループのペアがそれぞれ第1及び第2のグループを構成することによって、この説明に含まれることが意図される。簡略化のため、本明細書は、グループのペアの何れかに限定される。任意のさらなるグループペア25,35,26,36の説明のために上記が参照される。
【0070】
チャンネル11,12は、チャンネル及びウェブ要素の内部及びウェブ要素を含む混合空間80間に連結が存在しないように、ウェブ要素9,10の内部に延出する。
第1及び第2のグループ面は、長手方向軸4に対して25°〜75°を含む角度に配置され、多くの場合、角度が長手方向軸4に対して45°である。
【0071】
直列に配置されたグループは、有利には、それらが被覆要素2によって形成された体積内に可能な限り多くのアクティブな熱交換面を提供するために、それらが重複(オーバーラップ)する方法で配置されている。オーバーラップにおいて、少なくとも第1のグループのウェブ要素の一部及び後続のグループのウェブ要素の一部及び/又は上記グループのウェブ要素の一部が、流体主流方向から見て、同一のチューブ状部内に配置されることが意図されている。
【0072】
長手方向軸上のウェブ要素の長さの突起は長さL1となり、長手方向軸上に隣接するグループのウェブ要素の重複部分の突起は長さL2となり、この長さL2は、長さL1より小さくなり、ゼロより大きくなる。それぞれのチューブ状部は、その中央に配置されたウェブ要素9の包絡体積を表す長さL1を有するように定義される。この包絡体積は、円形断面包絡柱を備えた、又は長方形又は多角形断面包絡立方体を備えた被覆要素のためのものである。
【0073】
図2は、図1に係る装置の3次元の断面図を示す。対応する部分は、同一の部材番号とともに図2に示され、図1に関連してすでに説明されているためさらには説明しない。図2は、グループ15に属するウェブ要素20、21、22、23、24を示す。
【0074】
図3は、図1による装置のためのミキサーインサートの図を示す。ミキサーインサート3は、図1におけるグループ45、46がチャンネルを含まないものとは異なる。
図4は、第2実施形態に係る装置の3次元断面図を示し、その第1のミキサーインサート3及び第2のミキサーインサート103は第1の被覆要素2及び第2の被覆要素102内に直列に配置されている。第1の被覆要素2及び第1のミキサーインサート3は、第2の被覆要素102及び第2のミキサーインサート103に対して90°回転して位置する。混合空間への熱交換流体の供給は、第1の供給スタブ52によって提供され、第1の放出スタブ53によって放出される。
【0075】
第2の被覆要素102が第1の被覆要素2に対して全体として約90度回転しているという事実により、第2の供給スタブ152及び第2の放出スタブ153も約90°回転して位置する。
【0076】
図6は、本発明による装置の第3の実施形態の2次元断面図を示す。装置1は、共通の長手方向軸4を有する被覆要素2及びミキサーインサート3から構成されている。
ウェブ要素の第1のグループ5及び第2のグループ6は、長手方向軸4に沿って延びる。これらグループは、第1のグループ面7及び第2のグループ面8に沿って配置される。第1のグループのウェブ要素9と同様に第2のグループのウェブ要素10は断面図で示されている。第1のグループ面と第2のグループ面は互いに平行に延出し、それは上記実施形態に対する差異を構成する。
【0077】
端面71において終端するウェブ要素は、収集チャンネル155によって連結可能である。特に、収集要素155は、収集チャンネル157を有する。端面70において始まるウェブ要素は、分配要素156に連結可能である。分配要素156は分配チャンネル158を含むことができる。
【0078】
熱交換流体は、被覆要素2内に配置された分配チャンネル64へ供給スタブによって供給される。熱交換流体は、分配チャンネル64からウェブ要素のチャンネルに、供給チャンネル54、56、58、60、62、154、同様に、分配チャンネル158を介して流れる。熱交換流体は、収集チャンネル157だけでなく、放出チャンネル57、59、61、63、159、161、163、165、167によってこれらの供給及び分配チャンネルを通過した後に受け入れられる。熱交換流体は、放出チャンネルから収集チャンネル65に供給され、放出スタブ53を介して放出される。流動性媒体は、ウェブ要素の周囲を混合空間80へ流れる。
【0079】
放出チャンネルから熱交換流体は、収集チャンネル65に到達し、放出スタブ53により放出される。流動性媒体は、ウェブ要素の周囲を混合空間80へ流れる。
図7は、本発明による装置の第4の実施形態の2次元断面図を示す。断面図は、ウェブ要素の配置は任意の角度となり得ることを示している。特に、第1のグループ5の第1のウェブ要素9及び第2のグループ6の第2のウェブ要素10が示されている。複数の対応する又は異なるウェブ要素9は、第1のグループ面7に沿って配置することができる。ウェブ要素9の後方に配置されているこのグループのウェブ要素は、この図では視認できない。
【0080】
第1のグループ面7の図示された交線と図面の平面における長手方向軸4との間のなす角度は、図の平面における長手方向軸4とともに第2のグループ面8の図示された交線間のなす角度と異なる。第1のグループのウェブ要素の幅は、第2のグループのウェブ要素の幅と異なっていてもよい。
【0081】
隣接するグループは、平行に配置された何れのグループ面も有し、又は長手方向軸4に対して異なる角度を含むことができる。グループ面8に対して平行なグループ面17を有する部分的グループ15が示されている。さらに、部分的グループ25は、そのグループ面27がグループ面8に平行に配置されていない変形例として示されるが、長手方向軸4に対して小さな角度をなす。
【0082】
さらなる変形例によれば、3つ以上のグループが交差し、共通の連結要素を介して連結可能であることが示されている。このグループ5は、例えば、共通連結要素を介して、部分的グループ15及び部分的グループ35と連結可能である。連結要素は図示されておらず、それらは、図面の平面に対して鉛直に配置され、グループ5及び部分的グループ15の領域の交点を例示的に連結することができる横方向のウェブ要素となり得る。同様に、部分的グループ15は、部分的グループ35に連結することができる。
【0083】
さらに変形例として、部分的グループ16が示されている。部分的グループ16は、2つのウェブ要素部31,32を有するウェブ要素20を含む。ウェブ要素部31,32は、互いに角度をなす。これは、湾曲部を介して第1のウェブ要素の部分及び第2のウェブ要素の部分が連結可能である。この変形例は、図示されていない。
【0084】
図8は、第5の実施形態に係る装置の図である。この装置は、ミキサーインサート3及び被覆要素2から構成されている。このミキサーインサート3は、矩形断面を有する被覆要素2内に組み込まれている。他の断面、例えば円形の断面も可能である。この図は、ウェブ要素の第1のグループ5と同様に、第2のグループ6を示している。第1のグループ5のウェブ要素9,19は等価であり、互いに平行に配置されている。第2のグループ6のウェブ要素10,20は等価であり、互いに平行に配置されている。ウェブ要素9,19は、ウェブ要素10,20とともに角度をなす。すなわち、この変形例によれば、隣接するウェブ要素が同じグループに少なくとも部分的に属していることを意味する。
【0085】
第5グループ及び第2のグループ6の下流に、第1の部分的グループ15及び第2の部分的グループ16が配置されている。部分的グループ15,16のウェブ要素は、第1及び第2のグループ5,6のウェブ要素に対して90度の角度で長手方向軸5を中心に回転されて位置する。ミキサー3は、さらに、部分的グループ25及び部分的グループ26を含む。部分的グループ25,26の両方は、長手方向軸4の鉛直な面についてミラーリングされている。
【0086】
図8において、ウェブ要素内に延出するチャンネルは、同様に示される。ウェブ要素9のチャンネル11は、楕円形又は円形の断面を有する。このチャンネルは、他の断面外形を有することができる。鋳造の方法によって、多数の異なる断面を使用することができる。ウェブ要素29は、矩形断面を有するチャンネル31を示している。三角形又は多角形断面も同様に実現することができる。
【0087】
被覆要素2は、部分的にのみ示されている。被覆要素2は、供給スタブ52と、同様に部分的に示されている分配チャンネル64とを備える。分配チャンネル64は、ウェブ要素におけるチャンネルの一部に接続される。供給スタブによって供給される熱交換流体は、ウェブ要素のチャンネルに分配チャンネル64を介して分配され得る。ウェブ要素内のチャンネルの別の部分に連結される対応する収集チャンネルは図示されない。分配チャンネルに対向して配置されたウェブ要素の端部は、収集チャンネルに連結される。収集チャンネルから熱交換流体は、放出スタブに流入し、放出スタブを介して装置1を離れることができる。
【0088】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。ウェブ要素は、その数及び寸法において異なっていてもよい。さらに、ウェブ要素内のチャンネルの数は、熱交換のために必要とされる熱に応じて異なり得る。グループが長手方向軸に対して形成する傾斜角度は、用途に応じて変更可能である。3つ以上のミキサーインサートを直列に配置してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8