(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-58495(P2015-58495A)
(43)【公開日】2015年3月30日
(54)【発明の名称】多機能工具
(51)【国際特許分類】
B25F 1/02 20060101AFI20150303BHJP
【FI】
B25F1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-192773(P2013-192773)
(22)【出願日】2013年9月18日
(71)【出願人】
【識別番号】713000814
【氏名又は名称】平木 健介
(72)【発明者】
【氏名】平木 健介
(72)【発明者】
【氏名】小中 祐治
(72)【発明者】
【氏名】三枝 恒彦
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の機能を備えた、持ち運びが容易な多機能工具を提供する。
【解決手段】バール本体部2と、前記バール本体部の一端部に第一係止手段を介して着脱自在に取り付けられるスコップ頭部6と、前記バール本体部の他端部に回転自在に連結し、バール本体部との回転角度を決める為の第二係止手段と第三係止手段をもち、固定される把手本体部7と、前記把手本体部に形成された握り部とは把手とツルハシ剣先部8からなることを特徴とする多機能工具1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バール本体部と、前記バール本体部の一端部に第一係止手段を介して着脱自在に取り付けられるスコップ頭部と、前記バール本体部の他端部に回転自在に連結し、バール本体部との回転角度を決める為の第二係止手段と第三係止手段をもち、固定される把手本体部と、前記把手本体部に形成された握り部と把手とツルハシ剣先部からなることを特徴とする多機能工具。
【請求項2】
前記第二係止手段は前記バール本体部と前記把手本体部からなり、前記バール本体部に回転自在に取付けられた前記把手本体部を、前記バール本体部と平行に固定できることを特徴とする請求項1に記載の多機能工具。
【請求項3】
前記第三係止手段は前記バール本体部と前記把手本体部からなり、前記バール本体部に回転自在に取り付けられ前記把手本体部を、前記バール本体部と直交に固定できることを特徴とする請求項1に記載の多機能工具。
【請求項4】
前記バール本体部の一端部に設けられた取付部と前記スコップ頭部の一端部に設けられた取付部に、肩掛けベルトを着脱自在に取り付けできることを特徴とする請求項1に記載の多機能工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震や局地的豪雨などの災害によって倒壊した家屋からの人命救助作業及び瓦礫除去作業に使用する多機能工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地震や局地的豪雨などの災害によって、倒壊した家屋からの人命救助作業及び瓦礫除去作業はもっぱら、バール等の手工具で行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3105526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、人命救助作業や瓦礫除去作業でバールを使用するまでには、土砂や細かい瓦礫等を除去しなければならず、バール以外にもスコップ、ツルハシ等の手工具を必要とするため、実際には複数の手工具を携帯し状況に応じて使用する必要があった。
また、大規模災害の人命救助作業においては、徒歩・人力運搬を基本に手工具類を整備する必要があり、複数の手工具を同時に携帯するには限界があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決しようとするもので、複数の手工具の機能を一体化した簡便に持ち運びが可能な多機能工具の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バール本体部と、前記バール本体部の一端部から、第一係止手段を介して着脱自在に取り付けられるスコップ頭部と、前記バール本体部の他端部に回転自在に連結し、バール本体部との回転角度を決める為の第二係止手段、第三係止手段をもち、固定される把手本体部と、前記把手本体部に形成された握り部と把手とツルハシ剣先部からなる多機能工具を提供する事により上記課題を解決したものである。
【0007】
また、前記第二係止手段は前記バール本体部と前記把手本体部からなり、前記バール本体部に回転自在に取付けられた前記把手本体部を、前記バール本体部と平行に固定できる。
【0008】
また、前記第三係止手段は前記バール本体部と前記把手本体部からなり、前記バール本体部に回転自在に取り付けられ前記把手本体部を、前記バール本体部と直交に固定できる。
【0009】
更に、前記バール本体部の一端部に設けられた取付部と前記スコップ頭部の一端部に設けられた取付部に、肩掛けベルトを着脱自在に取り付けできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明はバール本体部に第一係止手段を介して着脱自在なスコップ頭部を取り付け、バール本体部と把手本体部を第二係止手段を介して固定することで、第一形態となり、連結状態で通常のスコップとして使用することができる。また、第一形態からスコップ頭部を取外すことで、第二形態となり、独立のバールとして使用することができる。 また、把手本体部の他端部にはツルハシ部が形成され、バール本体部と90度回転させ、第三係止手段を介して固定することで、第三形態となり、通常のツルハシとして使用することができる。更に、スコップ頭部とバール本体部に形成された取付部に肩掛けベルトを着脱自在に取り付けることで、人力運搬での持ち運びの利便性を向上した。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る多機能工具の第一形態を示す斜視図である。
【
図4】本発明に係る多機能工具の第二形態を示す斜視図である。
【
図5】本発明に係る多機能工具の第三形態を示す斜視図である。
【
図7】本発明に係る多機能工具の持ち運び形状を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照として、本発明に係る多機能工具を説明する。
図1は本発明に係る多機能工具の第一形態を示す斜視図である。
図1の多機能工具1はバール本体部2と、バール本体部2の一端部に着脱自在に取付られるスコップ頭部6と、バール本体部2の他端部に、回転自在に取り付けられた把手本体部7と、把手本体部7の下端に設けられたツルハシ剣先部8から構成されている。
【0013】
前記バール本体部2は、円筒柄部3の一端部に結合されたバール平爪部4と、円筒柄部3の他端部に設けられたホルダー部5から形成される。
【0014】
以下に
図2を参照として、第一係止手段を説明する。
図2は
図1に示したA部の拡大分解斜視図である。
図2に示すように、スコップ頭部6は上端に支え部9を介してスコップ差込筒部10を形成しており、スコップ差込筒部10の他端にはスコップ係止部12a、12bとその間に溝部11が設けられ、円筒柄部3の一端部から外嵌することで、円筒柄部3に設けられたスコップ係止部13が溝部11に嵌入し、スコップ係止部12a、12b間にスコップ係止部13を配置して、スコップ係止部12a、12bに設けられた係止孔14a、14bと、スコップ係止部13に設けられた係止孔15の孔位置を合わせて、係止ピン16を挿入し止め具17で固定されることによって第一係止手段が構成される。
【0015】
以下に
図3を参照として、第二係止手段を説明する。
図3は
図1に示したB部の拡大分解斜視図である。
図3に示すように、把手本体部7は握り部18と、握り部18には把手19が形成されており、把手19の下端には把手連結部20a、20bが設けられ、ホルダー部5に設けられた把手連結ホルダー21a、21bを把手連結部20a、20b間に配置して把手連結部20a、20bに設けられた軸孔22a、22bと把手連結ホルダー部21a、21bに設けられた軸孔23a、23bの孔位置を合わせて回転軸ピン24を挿入することによって、握手本体部7が回転可能に連結され、把手連結部20a、20bに設けられた係止孔25a、25bと把手連結ホルダー部21a、22bに設けられた係止孔26a、26bの孔位置を合わせて、係止ピン27を挿入し止め具28で固定されることによって第二係止手段が構成される。
【0016】
図4は本発明に係る多機能工具の第二形態を示す斜視図である。
図4に示すように、第二形態は第一形態において、バール本体部2からスコップ頭部6が取り外され、第一形態と同様にバール本体部2の他端部に、回転自在に取り付けられた把手本体部7から構成されている。また、バール本体部2と把手本体部7は第一形態と同様に第二係止手段で固定されることによって構成される。
【0017】
図5は本発明に係る多機能工具の第三形態を示す斜視図である。
図5に示すように、第三形態は第一形態において、バール本体部2からスコップ頭部6が取り外され、第一形態と同様にバール本体部2の他端部に、回転自在に取り付けられた把手本体部7から構成されている。
【0018】
以下に図面を参照として、第三係止手段を説明する。
図6は
図5に示したC部の拡大分解斜視図である。第三形態は、第一形態と同様に把手本体部7はホルダー部5と回転自在に連結され、第三形態では、把手本体部7の向きを90度変えるために、前記把手連結部20a、20bに設けられた係止孔25a、25bと連結ホルダー部21a、22bに設けられた係止孔29a、29bの孔位置を合わせて、係止ピン27を挿入し止め具28で固定されることによって第三係止手段が構成される。
【0019】
図7は本発明に係る多機能工具の持ち運び形状を示した斜視図である。
図7に示す様に第一形態において、支え部9には取付部30とホルダー部5には取付部31が設けられ、肩掛けベルト32に設けられたバックル33a,33bと着脱自在に取り付けられる。
【符号の説明】
【0020】
1 多機能工具
2 バール本体部
3 円筒柄部
4 バール平爪部
5 ホルダー部
6 スコップ頭部
7 把手本体部
8 ツルハシ剣先部
9 支え部
10 スコップ差込筒部
11 溝部
12a 12b スコップ係止部
13 スコップ係止部
14a 14b 係止孔
15 係止孔
16 係止ピン
17 止め具
18 握り部
19 把手
20a 20b 把手連結部
21a 21b 把手連結ホルダー
22a 22b 軸孔
23a 23b 軸孔
24 回転軸ピン
25a 25b 係止孔
26a 26b 係止孔
27 係止ピン
28 止め具
29a 29b 係止孔
30 31 取付部
32 肩掛けベルト
33a 33b バックル