40℃の動粘度が6〜20cSt、初留点が250℃以上、芳香族分含有量が5%以下の鉱物油(A)と、一般式(1)で表されるHLBが2〜12である非イオン性活性剤(B)とからなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂ペースト用減粘剤を用いる。
40℃の動粘度が6〜20cSt、初留点が250℃以上、芳香族分含有量が5%以下の鉱物油(A)と、一般式(1)で表されるHLBが2〜12である非イオン性活性剤(B)とからなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂ペースト用減粘剤。
R−(OA)n−OH (1)
Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基、OAは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、nは2〜30の整数を表す。
鉱物油(A)及び非イオン性活性剤(B)の重量に基づいて、鉱物油(A)の含有量が50〜97重量%、非イオン性活性剤(B)の含有量が50〜3重量%である請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂ペースト用減粘剤。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<塩化ビニル系樹脂ペースト用減粘剤>
鉱物油(A)の40℃動粘度(cSt)は、減粘効果等の観点から、6〜20が好ましく、さらに好ましくは9〜20、特に好ましくは9.5〜15.5である。
【0014】
動粘度は、JIS K2283:2000(原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法){40℃、ウベローデ粘度計}に準拠して測定される。
【0015】
鉱物油(A)の初留点(℃)は、減粘効果等の観点から、250℃以上が好ましく、さらに好ましくは260〜350である。
【0016】
初留点は、JIS K2254:1998(石油製品−蒸留試験方法)に準拠して測定される。
【0017】
鉱物油(A)の芳香族分含有量(重量%)は、減粘効果等の観点から、5以下が好ましく、さらに好ましくは2以下である。
【0018】
芳香族分含有量は、ASTM D 3238−85(Standard Practice for Calculation of Permanent Shear Stability Index)に準拠した方法(n−d−M環分析)により求められる。
【0019】
鉱物油(A)としては、スピンドル油、マシン油及び冷凍機油等が挙げられ、市販のものを使用できる。
【0020】
鉱物油(A)として、市販品としては、コスモ SP10(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、40℃動粘度9.7cSt、初留点273℃、芳香族分含有量2%)、コスモ SP15(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、40℃動粘度15.3cSt、初留点284℃、芳香族分含有量1.3%)、コスモピュアスピン RCM(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、40℃動粘度9.2cSt、初留点263℃、芳香族分含有量0%)、YUBASE 3(SKルブリカンツジャパン株式会社製、40℃動粘度12.6cSt、初留点265℃、芳香族分含有量0%)、YUBASE L3(SKルブリカンツジャパン株式会社製、40℃動粘度12.7cSt、初留点261℃、芳香族分含有量0%)、YUBASE 4(SKルブリカンツジャパン株式会社製、40℃動粘度19.6cSt、初留点349℃、芳香族分含有量0%)等が挙げられる。
【0021】
非イオン性活性剤(B)のHLBとしては、減粘効果等の観点から、2〜12が好ましく、さらに好ましくは2.5〜12である。
【0022】
HLBはグリフィンの式から計算される値である(藤本武彦著「界面活性剤入門」、141〜145頁(2007年)等)。なお、グリフィンのHLBは、ポリオキシエチレン鎖以外のポリオキシアルキレン鎖を持つ非イオン界面活性剤への適用はできないとされているが、本発明においては、ポリオキシエチレン鎖のみを親水基とし、ポリオキシプロピレン鎖は疎水基として計算するものとする。
【0023】
炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基(R)としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、直鎖アルケニル基及び分岐アルケニル基等が含まれる。
【0024】
直鎖アルキル基としては、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル及びn−オクタデシル等が挙げられる。
【0025】
分岐アルキル基としては、イソデシル、イソウンデシル、イソドデシル、イソトリデシル、イソテトラデシル、イソペンタデシル、イソヘキサデシル、イソヘプタデシル、イソオクタデシル、sec−デシル、sec−ウンデシル、sec−ドデシル、sec−トリデシル、sec−テトラデシル、sec−ペンタデシル、sec−ヘキサデシル、sec−ヘプタデシル及びsec−オクタデシル等が挙げられる。
【0026】
直鎖アルケニル基としては、n−デセニル、n−ウンデセニル、n−ドデセニル、n−トリデセニル、n−テトラデセニル、n−ペンタデセニル、n−ヘキサデセニル、n−ヘプタデセニル及びn−オクタデセニル等が挙げられる。
【0027】
分岐アルケニル基としては、イソデセニル、イソウンデセニル、イソドデセニル、イソトリデセニル、イソテトラデセニル、イソペンタデセニル、イソヘキサデセニル、イソヘプタデセニル、イソオクタデセニル、sec−デセニル、sec−ウンデセニル、sec−ドデセニル、sec−トリデセニル、sec−テトラデセニル、sec−ペンタデセニル、sec−ヘキサデセニル、sec−ヘプタデセニル及びsec−オクタデセニル等が挙げられる。
【0028】
これらのうち、減粘効果等の観点から、分岐アルキル基及び分岐アルケニル基が好ましく、さらに好ましくは分岐アルキル基、特に好ましくはイソドデシル、イソトリデシル、イソテトラデシル及びイソペンタデシルである。
【0029】
炭素数2〜3のオキシアルキレン基(OA)としては、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基が含まれる。
【0030】
(OA)n{ポリオキシアルキレン基}は、1種のオキシアルキレンから構成されてもよく、2種のオキシアルキレンから構成されてもよい。2種のオキシアルキレンから構成される場合、結合様式はブロック、ランダム及びこれの混合のいずれでもよい。
【0031】
nは、減粘効果等の観点から、2〜30の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜10、最も好ましくは2〜7である。
【0032】
非イオン性活性剤(B)としては、アルカノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド付加体、アルカノール(炭素数10〜18)のプロピレンオキシド付加体、アルカノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック付加体、アルカノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシドブロック付加体、アルカノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド・プロピレンオキシドランダム付加体、アルケノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド付加体、アルケノール(炭素数10〜18)のプロピレンオキシド付加体、アルケノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック付加体、アルケノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシドブロック付加体及びアルケノール(炭素数10〜18)のエチレンオキシド・プロピレンオキシドランダム付加体等が挙げられる。
【0033】
鉱物油(A)の含有量(重量%)は、鉱物油(A)及び非イオン性活性剤(B)の重量に基づいて、50〜97が好ましく、さらに好ましくは60〜95、特に好ましくは70〜93である。この範囲内であると、減粘効果がさらに良好となる。
【0034】
非イオン性活性剤(B)の含有量(重量%)は、鉱物油(A)及び非イオン性活性剤(B)の重量に基づいて、50〜3が好ましく、さらに好ましくは40〜5、特に好ましくは30〜7である。この範囲内であると、減粘効果がさらに良好となる。
【0035】
本発明の減粘剤は、鉱物油(A)及び非イオン性活性剤(B)を均一混合して得ることができる。混合温度は特に限定されないが、0〜50℃が好ましい。均一混合の方法も、均一に混合できれば特に限定されない。
【0036】
本発明の塩化ビニル系樹脂ペースト組成物は、上記の減粘剤及び塩化ビニル系樹脂を含めば制限がないが、これら以外に、可塑剤、無機フィラー等を含有してなることが好ましい。
【0037】
塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル又は塩化ビニルとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体が含まれる。
【0038】
塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸及びアクリル酸等が挙げられる。
【0039】
塩化ビニル系樹脂の重合方法に特に制限はなく、乳化重合、微細懸濁重合等により製造できる。
【0040】
上記の減粘剤の含有量(重量%)としては、塩化ビニル系樹脂ペーストの要求される粘度等により適宜決定でき、減粘効果の観点から、塩化ビニル系樹脂の重量に基づいて、8〜20が好ましい。なお、減粘剤の含有量が高い程減粘効果が高くなる一方、含有量を高くする程コストアップになる傾向にある。
【0041】
可塑剤としては、公知の塩化ビニル系樹脂ペーストに使用されるものであれば制限がなく、フタル酸エステル(ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソデシルフタレート及びジウンデシルフタレート等)、トリメリット酸エステル(トリメリット酸トリオクチル及びトリメリット酸トリデシル等)、アジピン酸エステル(ジオクチルアジペート及びジイソノニルアジペート等)、セバシン酸エステル(ジオクチルセバケート等)及びリン酸エステル(トリクレシルホスフェート等)等が挙げられる。これらを2種以上混合して使用してもよい。これらのうち、フタル酸エステルが好ましく、さらに好ましくはジオクチルフタレート及びジイソノニルフタレートである。
【0042】
可塑剤の含有量(重量%)としては、塩化ビニル系樹脂の種類や可塑剤の種類等により適宜決定でき、公知の範囲でよく、塩化ビニル系樹脂の重量に基づいて、20〜120が好ましい。この範囲であると、得られる壁紙の硬さがさらに良好となる。また、この範囲であると、可塑剤のブリードアウトが防止できる。
【0043】
無機フィラーとしては、公知の塩化ビニル系樹脂ペーストに使用されるものであれば制限がなく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化第一鉄、タルク、マイカ、シリカ、クレー、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び二酸化チタン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく混合して使用してもよい。
【0044】
無機フィラーの含有量(重量%)としては、塩化ビニル系樹脂の種類や可塑剤の種類等により適宜決定でき、公知の範囲でよく、塩化ビニル系樹脂の重量に基づいて、20〜200が好ましい。この範囲であると、得られる壁紙の硬さがさらに良好となる。また、この範囲であると、上記の減粘剤の効果がさらに発揮され得る。
【0045】
本発明の塩化ビニル系樹脂ペーストには、発泡剤、安定剤、滑剤、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び/又は希釈剤等を含有できる。
【0046】
本発明の塩化ビニル系樹脂ペーストは、塩化ビニル系樹脂及び上記の減粘剤、並びに必要により可塑剤及び/又は無機フィラー等を均一混合することにより調製できる。
均一混合には、公知の混合機が使用でき、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、ディスパー及びディゾルバー等を用いられる。
【0047】
本発明の壁紙は、上記塩化ビニル系樹脂ペーストを原紙に塗布されていれば制限なく、公知の方法で塗布できる。すなわち、塗布後、加熱してゲル化することにより塗膜を得ることができる。
【0048】
塩化ビニル系樹脂ペーストの厚みは50〜200μmが好ましい。
塗布後のゲル化温度は130〜180℃が好ましい。得られる塗膜に必要に応じて印刷を施し、又は更に必要に応じてその塗膜を180〜350℃で加熱して発泡させ、エンボスロールを用いて凹凸模様を転写することができる。
【0049】
原紙としては、公知の柔軟シートを使用でき、天然繊維、合成繊維、半合成繊維、無機繊維(ガラス繊維等)等からなる布地(織物又は編物等); 紙材{塗工紙、ケナフ紙、普通紙、再生紙、和紙、上質紙、クレープ紙、グラシン紙、トレーシングペーパー、キャスト紙及びコーテッド紙等}( 合成紙を含む);不織布;紙と合成樹脂フィルムとのラミネート紙等が挙げられる。
【0050】
塗布方法としては、公知の方法が適用でき、ブレードコート法、コンマコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、ロータリースクリーンコート法及びリバースロールコート法等が挙げられる。
【実施例】
【0051】
以下、特記しない限り部は重量部を、%は重量%を意味する。
<実施例1>
鉱物油(A1){コスモ SP10、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、40℃動粘度9.7cSt、初留点273℃、芳香族分含有量2%}70部と非イオン性活性剤(B1){sec−トリデシルアルコールのエチレンオキシド5モル付加物、HLB10.5}30部とを均一混合することにより、本発明の減粘剤(1)を得た。
【0052】
<実施例2>
鉱物油(A2){コスモ SP15、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、40℃動粘度15.3cSt、初留点284℃、芳香族分含有量1.3%}75部と非イオン性活性剤(B2){イソトリデシルアルコールのエチレンオキシド2モルプロピレンオキシド1モル付加物、HLB5.1}25部とを均一混合することにより、本発明の減粘剤(2)を得た。
【0053】
<実施例3>
鉱物油(A3){コスモピュアスピン RCM、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、40℃動粘度9.2cSt、初留点263℃、芳香族分含有量0%}80部と非イオン性活性剤(B3){イソデシルアルコールのエチレンオキシド4モル付加物、HLB8.1}20部とを均一混合することにより、本発明の減粘剤(3)を得た。
【0054】
<実施例4>
鉱物油(A4){YUBASE 3、SKルブリカンツジャパン株式会社製、40℃動粘度12.6cSt、初留点265℃、芳香族分含有量0%}85部と非イオン性活性剤(B4){イソトリデシルアルコールのエチレンオキシド10モルプロピレンオキシド2モル付加物、HLB11.8}15部とを均一混合することにより、本発明の減粘剤(4)を得た。
【0055】
<実施例5>
鉱物油(A5){YUBASE L3、SKルブリカンツジャパン株式会社製、40℃動粘度12.7cSt、初留点261℃、芳香族分含有量0%}93部と非イオン性活性剤(B5){オレイルアルコールのエチレンオキシド3モルプロピレンオキシド4モル付加物、HLB4.2}7部とを均一混合することにより、本発明の減粘剤(5)を得た。
【0056】
<実施例6>
鉱物油(A6){YUBASE4、SKルブリカンツジャパン株式会社製、40℃動粘度19.6cSt、初留点349℃、芳香族分含有量0%}90部と非イオン性活性剤(B6){sec−トリデシルアルコールのエチレンオキシド5モルプロピレンオキシド23モル付加物、HLB2.5}10部とを均一混合することにより、本発明の減粘剤(6)を得た。
【0057】
<比較例1>
炭素数20〜28のα−オレフィン{ダイアレン208、三菱化学株式会社製}を比較用の減粘剤(H1)とした。
【0058】
<比較例2>
エチレングリコールモノオクチルエーテルとオレイン酸とを公知の方法でエステル化反応して得られるエチレングリコールモノオクチルエーテルオレイン酸エステルを比較用の減粘剤(H2)とした。
【0059】
<実施例7>
塩化ビニル系樹脂{カネビニールペーストPSL−675、株式会社カネカ製、「カネビニール」は同社の登録商標である。}100部、可塑剤{ジオクチルフタレート;サンソサイザーDOP、新日本理化株式会社製、「サンソサイザー」は同社の登録商標である。}50部、炭酸カルシウム{BF200S、備北粉化工業株式会社製}100部、酸化チタン{JR−600A、テイカ株式会社製}15部、Ba−Zn系安定剤{バリウム/亜鉛化合物70〜80%、有機化合物10〜20%、塩化亜鉛1〜10%及び水溶性亜鉛化合物1〜10%の混合物;アデカスタブFL−103A、株式会社ADEKA製、「アデカスタブ」は同社の登録商標である。}3部、発泡剤{アゾジカルボンアミド95%以上、シリカ5%以下の混合物;UNIFOAM AZ L−301、大塚化学株式会社製、「Unifoam」は同社の登録商標である。}4.5部及び実施例1で得た減粘剤(1)10部を卓上ホモジナイザー{ハイフレックスディスパーサーHG92、SMT株式会社製}で均一に混合することにより、本発明の塩化ビニル系樹脂ペースト(P1)を得た。
【0060】
<実施例8>
「実施例1で得た減粘剤(1)10部」を「実施例2で得た減粘剤(2)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の塩化ビニル系樹脂ペースト(P2)を得た。
【0061】
<実施例9>
「実施例1で得た減粘剤(1)10部」を「実施例3で得た減粘剤(3)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の塩化ビニル系樹脂ペースト(P3)を得た。
【0062】
<実施例10>
「実施例1で得た減粘剤(1)10部」を「実施例4で得た減粘剤(4)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の塩化ビニル系樹脂ペースト(P4)を得た。
【0063】
<実施例11>
「実施例1で得た減粘剤(1)10部」を「実施例5で得た減粘剤(5)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の塩化ビニル系樹脂ペースト(P5)を得た。
【0064】
<実施例12>
「実施例1で得た減粘剤(1)10部」を「実施例6で得た減粘剤(6)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の塩化ビニル系樹脂ペースト(P6)を得た。
【0065】
<比較例3>
「実施例1で得た減粘剤(1)10部」を「比較例1の比較用の減粘剤(H1)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、比較用の塩化ビニル系樹脂ペースト(PH1)を得た。
【0066】
<比較例4>
「実施例1で得た減粘剤(1)10部」を「比較例2で得た比較用の減粘剤(H2)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、比較用の塩化ビニル系樹脂ペースト(PH2)を得た。
【0067】
<塩化ビニル系樹脂ペースト粘度>
塩化ビニル系樹脂ペースト(P1)〜(P6)、(PH1)及び(PH2)について、ブルックフィールド型回転粘度計HBDV−III(ブルックフィールド社製)を用いて、粘度(作成直後及び7日後)を測定し、下表に示した。粘度変化率(%)は次式から算出し、下表に併せて示した。
【0068】
(粘度度変化率)={(7日後の粘度)−(作成直後の粘度)}×100/(作成直後の粘度)
【0069】
【表1】
【0070】
本発明の減粘剤(実施例1〜6)を用いると、比較用の減粘剤(比較例1〜2)を用いた場合に対して、塩化ビニル系樹脂ペーストの減粘効果が大きく、かつ粘度経時安定性に優れていた。したがって、本発明の塩化ビニル系樹脂ペーストを用いれば、塗工加工性が向上し、かつ作業環境を悪化させない。また、本発明の壁紙は、上記の塩化ビニル系樹脂ペーストを塗布してなるので、経時での希釈剤等の揮発による室内環境の汚染の問題がない。