特開2015-59360(P2015-59360A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015059360-ソーラーパネルの支持構造 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-59360(P2015-59360A)
(43)【公開日】2015年3月30日
(54)【発明の名称】ソーラーパネルの支持構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20140101AFI20150303BHJP
   E04D 13/00 20060101ALI20150303BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20150303BHJP
【FI】
   E04D13/18ETD
   E04D13/00 J
   H01L31/04 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-194424(P2013-194424)
(22)【出願日】2013年9月19日
(71)【出願人】
【識別番号】390031978
【氏名又は名称】株式会社テクネット
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】野瀬 和男
【テーマコード(参考)】
2E108
5F151
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108LL01
2E108MM00
2E108MM08
2E108NN07
5F151JA14
(57)【要約】
【課題】ビルディング等の構造物の屋上の防水性を損なわず、しかも、架台形態を大型化することなく、ソーラーパネルを確実に、かつ強固に支持することのできるソーラーパネルの支持構造を提供する。
【解決手段】ソーラーパネル1を設置しているビルディングBの屋上B1の床面を除いた非床面箇所で、かつ、そのソーラーパネル1を中間にした両側にそれぞれ設けられる取付ボルト11a,11bと、ソーラーパネル1の上面に当接されるとともに、両端側が前記取付ボルト11a,11bにそれぞれ取り付けられるワイヤ12とからなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の屋上に設置されるソーラーパネルを支持するソーラーパネルの支持構造であって、
前記ソーラーパネルを設置している構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所で、かつ、そのソーラーパネルを中間にした両側にそれぞれ設けられる取付部と、
前記ソーラーパネルの上面に当接されるとともに、両端側が前記取付部にそれぞれ取り付けられる紐状物と、
からなることを特徴とするソーラーパネルの支持構造。
【請求項2】
前記紐状物と接する前記ソーラーパネルの上面の両端側には、保護部材がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネルの支持構造。
【請求項3】
前記紐状物は、前記ソーラーパネルの傾斜面の傾斜方向に沿って張設されることを特徴とする請求項1又は2に記載のソーラーパネルの支持構造。
【請求項4】
前記紐状物は、所定の間隔を保って複数本設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のソーラーパネルの支持構造。
【請求項5】
構造物の屋上に設置されるソーラーパネルを支持するソーラーパネルの支持構造であって、
前記ソーラーパネルを設置している構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所で、かつ、そのソーラーパネルを中間にした両側にそれぞれ設けられる取付部と、
前記ソーラーパネルを載置している架台に取り付けられるとともに、両端側が前記取付部にそれぞれ取り付けられる紐状物と、
からなることを特徴とするソーラーパネルの支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルディング等の構造物の屋上に設置されるソーラーパネルに好適なソーラーパネルの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の構造物の屋上に設置されるソーラーパネルは、特許文献1に示されるように、構造物の屋上にプレート部材を載置し、その載置されたプレート上にレール部材等からなる架台を取り付け、その取り付けられた架台上にソーラーパネルを取り付けるようにしている。また、構造物の屋上のような水平面に設置されるソーラーパネルは、太陽光を効率よく受光するために、ソーラーパネルの表面が傾斜するようにして設置される。
【0003】
このように、ソーラーパネルが傾斜して設置される場合は、ソーラーパネルの裏面に風が進入し易くなるので、強風の場合にソーラーパネルに浮力が生じて設置状態が不安定になってしまう。このため、ソーラーパネルは、風圧に十分に耐え得るように支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−12778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ソーラーパネルを設置面に強固に支持しようとする場合は、架台下部に設けられているプレートをアンカーボルトで床面に固定することが考えられる。しかし、アンカーボルトを用いた場合は、床面に施されている防水層に加工を施すことになるので、構造物の屋上の防水性が損なわれるおそれが生じてしまう。また、このような欠点を解決するために、架台の形態を大きくして架台重量を増加させることも考えられるが、架台形態の大型化はコスト高になる等の新たな問題点を招来してしまう。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ビルディング等の構造物の屋上の防水性を損なわず、しかも、架台形態を大型化することなく、ソーラーパネルを確実に、かつ強固に支持することのできるソーラーパネルの支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るソーラーパネルの支持構造では、構造物の屋上に設置されるソーラーパネルを支持するソーラーパネルの支持構造であって、前記ソーラーパネルを設置している構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所で、かつ、そのソーラーパネルを中間にした両側にそれぞれ設けられる取付部と、前記ソーラーパネルの上面に当接されるとともに、両端側が前記取付部にそれぞれ取り付けられる紐状物と、からなることを特徴としている。
【0008】
本発明に係るソーラーパネルの支持構造によれば、ソーラーパネルの上面は、構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所に設けられる取付部に取り付けられる紐状物で支持されるので、構造物の屋上の床面に施されている防水層の防水性を損なわずにソーラーパネルを確実に、かつ強固に支持することができる。
【0009】
本発明に係るソーラーパネルの支持構造は、前記紐状物と接する前記ソーラーパネルの上面の両端側には、保護部材がそれぞれ設けられることが好ましい。
【0010】
この場合には、紐状物が保護部材を介してソーラーパネルを支持するため、紐状物がソーラーパネルの上面に直接接することなく配置させることができ、ソーラーパネルへの押し付け等による悪影響を与えることがない。
【0011】
本発明に係るソーラーパネルの支持構造は、前記紐状物は、前記ソーラーパネルの傾斜面の傾斜方向に沿って張設されることが好ましい。
【0012】
本発明によれば、紐状物は、ソーラーパネルの傾斜面の傾斜方向に沿って張設されるので、ソーラーパネルの支持効果を高めることができる。
【0013】
本発明に係るソーラーパネルの支持構造は、前記紐状物は、所定の間隔を保って複数本設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、紐状物は複数本なので、ソーラーパネルの支持効果をより高めることができる。
【0015】
また、本発明に係るソーラーパネルの支持構造は、構造物の屋上に設置されるソーラーパネルを支持するソーラーパネルの支持構造であって、前記ソーラーパネルを設置している構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所で、かつ、そのソーラーパネルを中間にした両側にそれぞれ設けられる取付部と、前記ソーラーパネルを載置している架台に取り付けられるとともに、両端側が前記取付部にそれぞれ取り付けられる紐状物と、からなることを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、ソーラーパネルの架台は、構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所に設けられる取付部に取り付けられる紐状物で支持されるので、構造物の屋上の床面に施されている防水層の防水性を損なわずにソーラーパネルを確実に、かつ強固に支持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るソーラーパネルの支持構造は、構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所に設けられる取付部に取り付けられる紐状物で支持することができるので、構造物の屋上の床面に施されている防水層の防水性を損なわずにソーラーパネルを確実に、かつ強固に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態によるソーラーパネルの支持構造の側面図である。
図2図1に示すソーラーパネルの支持構造の平面図である。
図3】本発明の他の実施の形態によるソーラーパネルの支持構造の平面図である。
図4】本発明のさらに他の実施の形態によるソーラーパネルの支持構造 の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、この実施の形態により限定されるものではなく、また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一ものも含まれる。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本第1の実施の形態によるソーラーパネルの支持構造10の側面図、図2は、その平面図である。本発明のソーラーパネルの支持構造10について説明する前に、本発明の構造物に相当するビルディングB及びソーラーパネル1について説明する。
【0021】
ビルディングBは、屋上B1が平面状にコンクリートが打設して形成されているとともに、その屋上B1の周囲には、所定高さのパラペットB2が屋上B1と一体的に形成されている。そして、屋上B1の表面及びパラペットB2の内側表面には、周知のビルディングの屋上に施されていると同様の防水塗料からなる防水層B3が形成されている。
【0022】
ソーラーパネル1は、周知のソーラーパネルと同様に、太陽光が照射されると発電する多数のセルを並設して構成されるとともに、所定の平面積を有し、平面形状が矩形の太陽電池モジュール2を有している。そして、この太陽電池モジュール2は、屋上B1の表面に施されている防水層B3の上に載置されている複数のプレート3,3上に設けられている複数の架台4a,4b上に取り付けられている。
【0023】
複数の架台4a,4bのうち、第1架台4aの長さは、第2架台4bよりも長くなるように構成されている。すなわち、第1架台4a及び第2架台4bの長さは、太陽電池モジュール2の表面が太陽光の光線を効率よく受光できるように、屋上B1の床面(水平面)に対して所定角度の傾斜が付されるように決められている。なお、図2中の(高)は、第1架台4a側を示し、(低)は、第2架台4b側を示している。後述の図3も同様である。
【0024】
以下、上述のようにビルディングBの屋上B1に設置されるソーラーパネル1を支持する支持構造10について説明する。この支持構造10は、取付ボルト11a,11b(取付部)、ワイヤ12(紐状物)及び当て部材13a,13b(保護部材)で構成されている。
【0025】
取付ボルト11a,11bのうち、一方の取付ボルト11aは、ソーラーパネル1を中間にした一方側(図1において左側)のパラペットB2に埴設され、他方の取付ボルト11bは、ソーラーパネル1を中間にした他方側のパラペットB2に埴設されている。
【0026】
これら取付ボルト11a,11bは、図2に示されるように、ソーラーパネル1の平面内で複数組設けられている。図示の例では、ソーラーパネル1の中央部及び左右両側の3組とされている。なお、取付ボルト11a,11bの組数は、中央部の1組、又は左右両側の2組とすることもできるが、図示のように3組とした場合は、ソーラーパネル1を確実に、かつ安定して強固に支持することができる。もちろん、取付ボルト11a,11bの組数は、4組以上とすることもできる。
【0027】
ワイヤ12は、鋼製からなり、ソーラーパネル1の表面側で、かつ相対する取付ボルト11a,11b間に掛け渡されるように構成されている。そして、このワイヤ12の途中で、ソーラーパネル1の表面から離れた位置には、ワイヤ12の張力を調整するための周知のターンバックル14が設けられている。なお、ワイヤ12は、所定の強度を有していけば、合成樹脂製等の鋼製以外の紐状物とすることもできる。
【0028】
当て部材13a,13bは、ワイヤ12の張設方向と交差し、かつソーラーパネル1表面側の両端部(図1において左右両端部)に設けられている。すなわち、この当て部材13a,13bは、長尺状のL型材からなるとともに、ソーラーパネル1に対して損傷を与えない材質からなり、ソーラーパネル1とワイヤ12との間に設けられるように構成されている。したがって、ワイヤ12に張力が掛かった場合でも、ソーラーパネル1に悪影響を与えることがない。
【0029】
上記構成からなるソーラーパネルの支持構造10は、パラペットB2に埴設される取付ボルト11a,11b間に掛け渡されるワイヤ12でソーラーパネル1の上面側が支持されるので、ビルディングBの屋上B1に施されている防水層B3の防水性を損なわずにソーラーパネル1を確実に、かつ強固に支持することができる。したがって、強風が吹いても、あるいは大きな地震があっても、ソーラーパネル1の設置状態を安定に保つことができる。
【0030】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の他の実施の形態によるソーラーパネルの支持構造の平面図であり、このソーラーパネルの支持構造が上述したソーラーパネルの支持構造と異なる点は、ソーラーパネル1に対するワイヤ12の張設方向にある。
【0031】
すなわち、本実施の形態によるソーラーパネル1の支持構造10におけるワイヤ12の張設方向は、図3に示されるように、ソーラーパネル1の傾斜方向と交差するように設けられている。したがって、ワイヤ12を取り付けるための取付ボルト11a,11bは、ソーラーパネル1の傾斜方向と交差する側のパラペットB2に埴設される。
【0032】
上記構成からなるソーラーパネルの支持構造10においても、パラペットB2に埴設される取付ボルト11a,11b間に掛け渡されるワイヤ12でソーラーパネル1の上面側が支持されるので、ビルディングBの屋上B1に施されている防水層B3の防水性を損なわずにソーラーパネル1を確実に、かつ強固に支持することができる。
【0033】
(第3の実施形態)
図4は、本発明のさらに他の実施形態によるソーラーパネルの支持構造の側面図であり、このソーラーパネルの支持構造が上述した図1及び図2に示されるソーラーパネルの支持構造と異なる点は、ソーラーパネル1に対するワイヤ12の取り付け位置にある。
【0034】
すなわち、この実施形態によるソーラーパネルの支持構造10におけるワイヤ12の取り付け位置は、図4に示されるように、ソーラーパネル1の架台4a,4bに取り付けられる。したがって、ワイヤ12がソーラーパネル1の太陽電池モジュール2に接しないので、上述した当て部材13a,13bは省略される。なお、図4中のワイヤ12と架台4a,4bとの接する箇所の黒丸は、ワイヤ12が架台4a,4bにクランプを用いて固定されている状態を示している。
【0035】
上記構成からなるソーラーパネルの支持構造10においても、パラペットB2に埴設される取付ボルト11a,11b間に掛け渡されるワイヤ12でソーラーパネル1が支持されるので、ビルディングBの屋上B1に施されている防水層B3の防水性を損なわずにソーラーパネル1を確実に、かつ強固に支持することができる。しかも、ワイヤ12がソーラーパネル1の太陽電池モジュール2に接しないので、太陽電池モジュール2に悪影響を与えない効果を有することができる。
【0036】
なお、上述の例では、ワイヤ12は、ソーラーパネル1の傾斜方向と同方向に沿って張設されているが、ワイヤ12の張設方向は、上述した図3と同様に、ソーラーパネル1の傾斜方向に対して交差する方向に沿って張設される場合であってもよい。この場合でも、ワイヤ12がソーラーパネル1の傾斜方向と同方向に沿って張設されていると同様の効果を得ることができる。
【0037】
以上、本発明によるソーラーパネルの支持構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0038】
B ビルディング(構造物)
B1 屋上
B2 防水層
B3 パラペット
1 ソーラーパネル
2 太陽電池モジュール
3 プレート
4a,4b 架台
10 ソーラーパネルの支持構造
11a,11b 取付ボルト(取付部)
12 ワイヤ(紐状物)
13a,13b 当て部材(保護部材)
14 ターンバックル
図1
図2
図3
図4