【課題】入出力に関する制約が少なく、設計の自由度の大きい、小型化、軽量化、構造の簡単化された、入力側と等しい回転数を有する逆回転の出力を取り出すことが可能な多段波動歯車装置を提供する。
【解決手段】第1波動歯車装置1は第1のウェーブジェネレータ(WG)10、フレクスプライン(FS)12、サーキュラスプライン(CS)14を、第2波動歯車装置2は第2のWG20、FS22、CS24を、第3波動歯車装置は第3のWG30、FS32、CS34を含む。第1FS、第3CSは外部連結要素である。第1CS、第2WG、第3FSは回転不可の状態に拘束されている。第1WGは、第2CSと、第1連結部材により一体回転可能に連結されている。第2FSは、第2波動歯車装置の外部の部材と連結可能な第2連結部を第2FS自体又はその外部に有し、第2連結部を介して、第3WGと、第2連結部材により一体回転可能に連結されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1の機構は、入力軸ならびに出力軸での減衰トルクは小さいが、単位質量あたりの耐トルク性が劣るため、構造質量が大きくなる。また、構成部品が多くなるため構造が複雑になるといった問題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示された2段波動歯車装置は、以下の制約を受ける。
(1)特許文献1に開示された2段波動歯車装置においては、入力側の回転部材と、入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力が出力される出力側の回転部材が、装置の同じ側に配置されている。そして、入力側の回転部材と出力側の回転部材を装置の反対側に配置しようとすると、一方の回転部材が固定側のフレクスプラインを固定する部材と同じ側に位置することとなり、両者の干渉のため、回転部材を360°回転させることができず、回転部材の回転角度が制限を受け、また、回転部材の回転角度を360°未満とするとしても、両者の干渉を防止する設計が必要となり、設計が複雑となる。
(2)特許文献1に開示された2段波動歯車装置を実現するためには、変速比の異なる波動歯車装置、すなわち仕様の異なる2種類の波動歯車装置を用いる必要がある。
(3)両回転部材のいずれを入力としたとしても、増速起動となるため、入力トルクが小さい入力には適用できない。
【0009】
そこで、本発明は、入出力に関する制約が少なく、設計の自由度の大きい、小型化、軽量化、構造の簡単化された、入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を取り出すことが可能な多段波動歯車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、互いに等しい変速比を有し直列状態で順次、連結された第1の波動歯車装置、第2の波動歯車装置、及び第3の波動歯車装置を備え、前記第1の波動歯車装置は、第1のウェーブジェネレータ、第1のフレクスプライン、及び第1のサーキュラスプラインを含み、前記第2の波動歯車装置は、第2のウェーブジェネレータ、第2のフレクスプライン、及び第2のサーキュラスプラインを含み、前記第3の波動歯車装置は、第3のウェーブジェネレータ、第3のフレクスプライン、及び第3のサーキュラスプラインを含み、前記第1、第2、及び第3のフレクスプラインの歯数は、それぞれ前記第1、第2、及び第3のサーキュラスプラインの歯数よりも小さく、前記第1のフレクスプラインは、第1の外部連結要素であり、前記第1のサーキュラスプラインは、回転不可の状態に拘束されており、前記第1のウェーブジェネレータは、前記第2のサーキュラスプラインと、第1の連結部材により一体的に回転するように連結されており、前記第2のウェーブジェネレータは、回転不可の状態に拘束されており、前記第2のフレクスプラインは、前記第2の波動歯車装置の外部の部材と連結可能な第2の連結部を前記第2のフレクスプライン自体又はその外部に有し、該第2の連結部を介して、前記第3のウェーブジェネレータと、第2の連結部材により一体的に回転するように連結されており、前記第3のフレクスプラインは、回転不可の状態に拘束されており、前記第3のサーキュラスプラインは、第2の外部連結要素である、多段波動歯車装置を提供するものである。
【0011】
好ましくは、前記第2のフレクスプラインは、第2の円筒部を含み、前記多段波動歯車装置の第1の波動歯車装置側を第1の側とし、前記多段波動歯車装置の第3の波動歯車装置側を第2の側として、前記第2の円筒部は、前記第1の側の開口端と前記第2側の開口端とを有し、第2の外歯が、前記第2の円筒部の前記第2の側の開口端の側の外周面に形成され、前記第2の連結部が、前記第2の外歯よりも前記第1の側に設けられている。
【0012】
好ましくは、前記第1のフレクスプラインは、前記第1の波動歯車装置の外部の部材と連結可能な第1の連結部を前記第1のフレクスプライン自体又はその外部に有し、前記第1のフレクスプラインは、第1の円筒部を含み、前記多段波動歯車装置の第1の波動歯車装置側を第1の側とし、前記多段波動歯車装置の第3の波動歯車装置側を第2の側として、前記第1の円筒部は、前記第1の側の開口端と前記第2の側の開口端とを有し、第1の外歯が、前記第2の円筒部の前記第2の側の開口端の側の外周面に形成され、前記第1の連結部が、前記第2の外歯よりも前記第1の側に設けられている。
【0013】
好ましくは、前記第3のフレクスプラインは、前記第3の波動歯車装置の外部の部材と連結可能な第3の連結部を前記第3のフレクスプライン自体又はその外部に有し、前記第3のフレクスプラインは、第3の円筒部を含み、前記多段波動歯車装置の第1の波動歯車装置側を第1の側とし、前記多段波動歯車装置の第3の波動歯車装置側を第2の側として、前記第3の円筒部は、前記第1の側の開口端と前記第2の側の開口端とを有し、第3の外歯が、前記第3の円筒部の前記第2の側の開口端の側の外周面に形成され、前記第3の連結部が、前記第3の外歯よりも前記第1の側に設けられている。
【0014】
本発明の第2の態様は、互いに等しい変速比を有し直列状態で順次、連結された第4の波動歯車装置、第5の波動歯車装置、及び第6の波動歯車装置を備え、前記第4の波動歯車装置は、第4のウェーブジェネレータ、第4のフレクスプライン、及び第4のサーキュラスプラインを含み、前記第5の波動歯車装置は、第5のウェーブジェネレータ、第5のフレクスプライン、及び第5のサーキュラスプラインを含み、前記第6の波動歯車装置は、第6のウェーブジェネレータ、第6のフレクスプライン、及び第6のサーキュラスプラインを含み、前記第4、第5、及び第6のフレクスプラインの歯数は、それぞれ前記第4、第5、及び第6のサーキュラスプラインの歯数よりも小さく、前記第4のウェーブジェネレータは、第3の外部連結要素であり、前記第4のサーキュラスプラインは、回転不可の状態に拘束されており、前記第4のフレクスプラインは、前記第4の波動歯車装置の外部の部材と連結可能な第4の連結部を前記第2のフレクスプライン自体又はその外部に有し、前記第5のフレクスプラインは、前記第5の波動歯車装置の外部の部材と連結可能な第5の連結部を前記第2のフレクスプライン自体又はその外部に有し、前記第4のフレクスプラインは、前記第4の連結部及び前記第5の連結部を介して、前記第5のフレクスプラインと、第3の連結部材により一体的に回転するように連結されており、前記第5のウェーブジェネレータは、回転不可の状態に拘束されており、前記第5のサーキュラスプラインは、前記第6のウェーブジェネレータと、第4の連結部材により一体的に回転するように連結されており、前記第6のフレクスプラインは、回転不可の状態に拘束されており、前記第6のウェーブジェネレータは、第4の外部連結要素である、多段波動歯車装置を提供するものである。
【0015】
好ましくは、前記第5のフレクスプラインは、第5の円筒部を含み、前記多段波動歯車装置の第4の波動歯車装置側を第3の側とし、前記多段波動歯車装置の第6の波動歯車装置側を第4の側として、前記第5の円筒部は、前記第3の側の開口端と前記第4の側の開口端とを有し、第5の外歯が、前記第5の円筒部の前記第3の側の開口端の側の外周面に形成され、前記第5の連結部が、前記第5の外歯よりも前記第4の側に設けられている。
【0016】
好ましくは、前記第4のフレクスプラインは、第4の円筒部を含み、前記多段波動歯車装置の第4の波動歯車装置側を第3の側とし、前記多段波動歯車装置の第6の波動歯車装置側を第4の側として、前記第4の円筒部は、前記第3の側の開口端と前記第4の側の開口端とを有し、第4の外歯が、前記第4の円筒部の前記第3の側の開口端の側の外周面に形成され、前記第4の連結部が、前記第4の外歯よりも前記第4の側に設けられている。
【0017】
好ましくは、前記第6のフレクスプラインは、前記第6の波動歯車装置の外部の部材と連結可能な第6の連結部を前記第6のフレクスプライン自体又はその外部に有し、前記第6のフレクスプラインは、第6の円筒部を含み、前記多段波動歯車装置の第4の波動歯車装置側を第3の側とし、前記多段波動歯車装置の第6の波動歯車装置側を第4の側として、前記第6の円筒部は、前記第3の側の開口端と前記第4の側の開口端とを有し、第6の外歯が、前記第4の円筒部の前記第3の側の開口端の側の外周面に形成され、前記第6の連結部が、前記第6の外歯よりも前記第4の側に設けられている。
【発明の効果】
【0018】
上記構成を有する本発明によれば、変速比が等しい複数の波動歯車装置を使用しつつ、入出力に関する制約が少なく、設計の自由度の大きい、小型化、軽量化、構造の簡単化された、入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を取り出すことが可能な多段波動歯車装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る多段波動歯車装置における接続構成と各波動歯車装置の入出力についての回転数比を示す図である。この
図1を参照して、本発明の第1の実施形態の構成及び動作原理を説明する。
【0022】
本実施形態の多段波動歯車で使用される各波動歯車は、公知の構成を有する一般的な波動歯車である。一般に、波動歯車装置は、環状の剛性内歯歯車であるサーキュラスプライン(CS)と、環状の可撓性外歯歯車であるフレクスプライン(FS)と、楕円形状のウェーブジェネレータ(WG)とを含む。フレクスプラインは円筒部を含み、その円筒部の一方の開口端の側の外周面には外歯が形成されている。フレクスプラインは、サーキュラスプラインの内側に配置され、サーキュラスプラインの内周面に形成された内歯と噛み合い可能である。ウェーブジェネレータは、フレクスプラインの内側に嵌め込まれ、フレクスプラインを楕円形状に撓めて、その楕円形状の長軸方向の両端部分の外歯をサーキュラスプラインの内歯に噛み合わせるようにしている。ウェーブジェネレータを回転させると、サーキュラスプラインの内歯とフレクスプラインの外歯の噛み合い位置が円周方向に移動する。フレクスプラインの外歯の歯数はサーキュラスプラインの内歯の歯数よりも小さい。例えば、2ヵ所の位置で両歯車を噛み合わせる場合には、歯数差は2n枚(nは正の整数)であり、通常は2枚である。よって、噛み合い位置が円周方向に移動すると、歯数差によってサーキュラスプラインとフレクスプラインとの間に相対回転が発生する。よって、サーキュラスプラインとフレクスプラインの一方を固定した場合、他方から歯数差に応じて大幅に減速された減速回転が出力される。
【0023】
波動歯車装置の減速比iは、装置の変速比をRとすると、サーキュラスプライン(CS)、フレックスプライン(FS)、及びウェーブジェネレータ(WG)のいずれを入力、出力又は固定とするのかに応じて、下記の表1に示すようになる。ここで、減速比の正負の符号は、入力回転に対する出力回転の回転方向を表しており、正の場合には同一方向の回転であり、負の場合は逆回転を意味する。
【0025】
図1(a)に示されるように、本実施形態の多段波動歯車装置では、互いに等しい変速比を有する3台の波動歯車装置、すなわち第1の波動歯車装置1、第2の波動歯車装置2、及び第3の波動歯車装置3が順次、直列状態で連結配置される。第1の波動歯車装置1は、第1のウェーブジェネレータ10、第1のフレクスプライン12、及び第1のサーキュラスプライン14を含み、第2の波動歯車装置2は、第2のウェーブジェネレータ20、第2のフレクスプライン22、及び第2のサーキュラスプライン24を含み、第3の波動歯車装置3は、第3のウェーブジェネレータ30、第3のフレクスプライン32、及び第3のサーキュラスプライン34を含む。
【0026】
第1の波動歯車装置1と第2の波動歯車装置2は、第1の波動歯車装置1の第1のウェーブジェネレータ10と第2の波動歯車装置2の第2のサーキュラスプライン24とが同軸となるように配置されている。
【0027】
また、第2の波動歯車装置2と第3の波動歯車装置3は、第2の波動歯車装置2の第2のフレクスプライン22が、第3の波動歯車装置3の第3のウェーブジェネレータ30とが同軸となるように配置されている。
【0028】
なお、第1および第3の波動歯車装置1、3は、回転運動を入力あるいは出力するために外部に機器と連結されることになる。
【0029】
第1のフレクスプライン12は、回転運動を入力あるいは出力するために外部の機器と連結される第1の外部連結要素である。すなわち、第1のフレクスプライン12は、回転入力要素または回転出力要素として機能する。第1のサーキュラスプライン14は、回転不可の状態に拘束されており、第1のウェーブジェネレータ10は、前記第2のサーキュラスプライン24と第1の連結部材5により一体的に回転するように連結されている。
【0030】
第2のウェーブジェネレータ20は、回転不可の状態に拘束されている。また、第2のフレクスプライン22は、前記第3のウェーブジェネレータ30と第2の連結部材6により一体的に回転するように連結されており、第3のフレクスプライン32は、回転不可の状態に拘束されている。
【0031】
第3のサーキュラスプライン34は、回転運動を入力あるいは出力するために外部の機器と連結される第2の外部連結要素である。すなわち、第3のサーキュラスプライン34は、回転入力要素または回転出力要素として機能する。
【0032】
図1(b)及び表1を参照すると、第1のフレクスプライン12が回転入力要素である場合、第1のフレクスプライン12に外的トルクが加わり回転すると、第1のウェーブジェネレータ10及び第1のウェーブジェネレータ10に連結された第2のサーキュラスプライン24が、第1のフレクスプライン12の回転数の−R倍に増速されて回転する。第2のフレクスプライン22及び第2のフレクスプライン22に連結された第3のウェーブジェネレータ30は、第2のサーキュラスプライン22の回転数の(R+1)/R倍で増速されて回転するので、第1のフレクスプライン12の回転数の−R×{(R+1)/R}=−(R+1)倍に増速されて回転する。回転出力要素である第3のサーキュラスプライン34は、第3のウェーブジェネレータ30の回転数の1/(R+1)倍で減速されて回転するので、回転入力要素である第1のフレクスプライン12の回転数の−(R+1)×{1/(R+1)}=−1倍で回転する。すなわち、入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を取り出すことができる。
【0033】
第3のサーキュラスプライン34が回転入力要素である場合も、
図1(b)及び表1を参照すると、回転出力要素である第1のフレクスプライン12は、第3のサーキュラスプライン34の回転数の−1倍で回転し、入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を取り出すことができることが分かる。
【0034】
図2は本発明の第1の実施形態に係る多段波動歯車装置の断面図である。
図2において
図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
【0035】
図2に示すように、第1の波動歯車装置1、第2の波動歯車装置2、及び第3の波動歯車装置3が順次、直列状態で連結配置されている。
【0036】
第1の波動歯車装置1は、第1のウェーブジェネレータ10、第1のフレクスプライン12、及び第1のサーキュラスプライン14を含む。第2の波動歯車装置2は、第2のウェーブジェネレータ20、第2のフレクスプライン22、及び第2のサーキュラスプライン24を含み、第3の波動歯車装置3は、第3のウェーブジェネレータ30、第3のフレクスプライン32、及び第3のサーキュラスプライン34を含む。
【0037】
第1の波動歯車装置1、第2の波動歯車装置2、及び第3の波動歯車装置3はいずれも、等しい変速比を有するいわゆるカップ型の波動歯車装置である。
【0038】
第1のウェーブジェネレータ10、第2のウェーブジェネレータ20、第3のウェーブジェネレータ30には、それぞれ、第1の中心貫通孔10a、第2の中心貫通孔20a、第3の中心貫通孔30aが設けられている。
【0039】
第1のフレクスプライン12は、第1の円筒部120を含む。多段波動歯車装置の第1の波動歯車装置1側を第1の側とし、多段波動歯車装置の第3の波動歯車装置3側を第2の側とすると、第1の円筒部120は、第1の円筒部120の第2の側の開口端の側の外周面に形成された第1の外歯122と、第1の円筒部120の第1の側の開口端に連続して半径方向の内側に延びている環状の第1のダイヤフラム124(第1の連結部)とを含む。第1のダイヤフラム124の中心には中心孔124aが形成されている。第1のダイヤフラム124には、第1の波動歯車装置1の外部の部材を連結することができる。
【0040】
同様に、第2のフレクスプライン22は、第2の円筒部220を含む。第2の円筒部220は、第2の円筒部220の第2の側の開口端の側の外周面に形成された第2の外歯222と、第2の円筒部220の第1の側の開口端に連続して半径方向の内側に延びている環状の第2のダイヤフラム224(第2の連結部)とを含む。第2のダイヤフラム224の中心には中心孔224aが形成されている。第2のダイヤフラム224には、第2の波動歯車装置2の外部の部材を連結することができる。
【0041】
また、第3のフレクスプライン32は、第3の円筒部320を含む。第3の円筒部320は、第3の円筒部320の第2の側の開口端の側の外周面に形成された第3の外歯322と、第3の円筒部320の第1の側の開口端に連続して半径方向の内側に延びている環状の第3のダイヤフラム324(第3の連結部)とを含む。第3のダイヤフラム324の中心には中心孔324aが形成されている。第3のダイヤフラム324には、第3の波動歯車装置3の外部の部材を連結することができる。
【0042】
第1、第2、及び第3の波動歯車装置において、第1、第2、及び第3のフレクスプラインに形成された外歯の歯数は、それぞれ、第1、第2、及び第3のサーキュラスプラインの内歯の歯数よりも小さい。第1、第2、及び第3の波動歯車装置の変速比はいずれもRである。
【0043】
第1の回転部材4は、円盤状の部材の中心にシャフトが一体的に形成された構造を有している。第1の回転部材4は、ボルト900、902によって、第1の外部連結要素である第1のフレクスプライン12のダイヤフラム124に固定されている。また、第1の回転部材4は、支持部材80、81との間に装着された軸受け800、810によって支持されている。
【0044】
第1のサーキュラスプライン14は、ボルト904、906によって支持部材82に回転不可に固定されている。
【0045】
ここで、第1の連結部であるダイヤフラム124は、第1の外歯122よりも第1の側に設けられるように配置されている。このような配置を採用する理由は、ダイヤフラム124が、第1の外歯122よりも第2の側に設けられるように配置されると、第1のサーキュラスプライン14を回転不可に固定するための支持部材と第1の円筒部120が同じ側に位置することとなり、両者の干渉を防止する設計が必要となり、設計が複雑となるからである。つまり、本実施形態の配置を採用することによって、設計が容易となり、また設計の自由度が増す。
【0046】
第1の連結部材5は、円筒部の一方の開口端に半径方向の外側に延びている環状のフランジが設けられ、該円筒部の他方の開口端に半径方向の内側に折れ曲がった段部が設けられ、該段部に縮径有底円筒部が設けられている構造を有する。第1の連結部材5が、ボルト908、910によって第1のウェーブジェネレータ10に、ボルト916、918によって第2のサーキュラスプライン24にそれぞれ固定され、第1のウェーブジェネレータ10と第2のサーキュラスプライン24が第1の連結部材5により連結される。第1の連結部材5は、支持部材83、84との間に装着された軸受け830、840によって支持されている。このような構成によって、第1のウェーブジェネレータ10と第2のサーキュラスプライン24は一体として回転する。
【0047】
第2のウェーブジェネレータ20は、ボルト920、922によって、第2のウェーブジェネレータ20と支持部材85との間にスペーサ950、952を挟んで、支持部材85に回転不可に固定されている。
【0048】
ここで、第2の連結部であるダイヤフラム224は、第2の外歯222よりも第1の側に設けられるように配置されている。このような配置を採用する理由は、ダイヤフラム224が、第2の外歯222よりも第2の側に設けられるように配置されると、第2のウェーブジェネレータ20を回転不可に固定するための支持部材と第1の連結部材が同じ側に位置することとなり、両者の干渉のため、第1の連結部材を360°回転させることができず、第1の連結部材の回転角度が制限を受け、また、第1の連結部材の回転角度を360°未満とするとしても、両者の干渉を防止する設計が必要となり、設計が複雑となるからである。つまり、本実施形態の配置を採用することによって、第1の連結部材の回転角度に制限がなくなり、また設計が容易となり、設計の自由度が増す。
【0049】
第2の連結部材6は、円盤状の部材の中心にシャフトが一体的に形成された構造を有している。第2の連結部材6が、ボルト912、914によって第2のフレクスプライン22のダイヤフラム224に、ボルト932、934、936によって板状部材960を介して第3のウェーブジェネレータ30にそれぞれ固定され、第2のフレクスプライン22と第3のウェーブジェネレータ30が第2の連結部材6により連結される。第2の連結部材6は、支持部材85、86との間に装着された軸受け850、860によって支持されている。第2の連結部材6は、第2のフレクスプライン22の中心孔224a、第2のウェーブジェネレータ20の第2の中心貫通孔20a、及び第3のフレクスプライン32の中心孔324aを貫通して延びている。このような構成によって、第2のフレクスプライン22と第3のウェーブジェネレータ30は一体として回転する。
【0050】
第3のフレクスプライン32は、ボルト924、926によって支持部材86に回転不可に固定されている。
【0051】
回転出力/入力要素である第2の回転部材7は、有底円筒部の開口端に半径方向の外側に延びている環状のフランジが設けられ、該有底円筒部の底部の中心にシャフトが一体的に形成された構造を有している。第2の回転部材7は、ボルト928、930によって、第2の外部連結要素である第3のサーキュラスプライン34に固定されている。また、第2の回転部材7は、支持部材87、88との間に装着された軸受け870、880によって支持されている。
【0052】
ここで、第3の連結部であるダイヤフラム324は、第3の外歯322よりも第1の側に設けられるように配置されている。このような配置を採用する理由は、ダイヤフラム324が、第3の外歯322よりも第2の側に設けられるように配置されると、第3のフレクスプライン32を回転不可に固定するための支持部材と第2回転部材が同じ側に位置することとなり、両者の干渉のため、第2の回転部材を360°回転させることができず、第2の回転部材の回転角度が制限を受け、また、第2の回転部材の回転角度を360°未満とするとしても、両者の干渉を防止する設計が必要となり、設計が複雑となるからである。つまり、本実施形態の配置を採用することによって、多段波動歯車装置の出力の回転角度に制限がなくなり、また設計が容易となり、設計の自由度が増す。
【0053】
支持部材80〜88は、ベース8に固定されている。
【0054】
上記の説明において、部材を固定ないしは取り付けるためにボルトを2本使用する例を示したが、部材を固定ないしは取り付けるためのボルトの本数は、これに限定されるものではなく、2本以上の適切な本数とすることができる。
【0055】
また、上記の説明において、部材を支持するために軸受けを2つ使用する例を示したが、部材を支持するための軸受けの個数は、これに限定されるものではなく、2つ以上の適切な個数とすることができ、また軸受けは、適切な位置に配置することができる。
【0056】
上記実施形態における波動歯車装置として、いわゆるカップ型の波動歯車装置を用いたが、シルクハット型、フラット型等の他の型の波動歯車装置(特許第3942249号、特許第2796109号等参照)を用いることもできる。
【0057】
シルクハット型の波動歯車装置のフレクスプラインは、フレクスプラインの円筒部の外歯が設けられていない側の開口端から半径方向の外側に延びているダイヤフラムを、波動歯車装置の外部の部材と連結可能な連結部として有する。一方、フラット型の波動歯車装置においては、入出力又は固定のために、フレクスプライン自体に波動歯車装置の外部の部材を連結することはできず、フレクスプラインの外歯と噛み合う、フレクスプラインの外歯の歯数と同じ歯数のサーキュラスプラインに波動歯車装置の外部の部材を連結する構成となっている。したがって、フレクスプラインの外部の、フレクスプラインの外歯の歯数と同じ歯数のサーキュラスプラインが、波動歯車装置の外部の部材と連結可能な連結部として機能する。
【0058】
このように構成された多段波動歯車装置においては、上述の動作原理により、第1の回転部材4により入力される入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を第2の回転部材7から取り出すことができる。また逆に、第2の回転部材7により入力される入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を第1の回転部4から取り出すことができる。
【0059】
更に、出力側の回転部材が、入力側の回転部材が延びている方向と反対側に延びているような配置においても、回転角度が制限されることなく逆回転出力を取り出すことができ、また設計が容易であり、設計の自由度が大きい。
【0060】
また、第1の回転部材4及び第2の回転部材7のいずれからの入力に対しても起動トルクが増速トルクであるので、この増速起動トルクの大きさを利用して、外的トルクに対して、ある程度の減衰ならびに保持トルクを持たせることができる。遊星歯車を用いた機構においては、起動トルクが小さく、外的トルクに対して感度が非常に高くなるので、本実施形態の多段波動歯車装置は、月惑星探査ローバのロッカーサスペンション機構、自動車のトーションバーを用いたスタビライザ等の外的トルクに対して感度が高くないことが好ましい用途に好適である。
【0061】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態における各波動歯車装置の入力及び出力のウェーブジェネレータ、フレクスプライン、サーキュラスプラインを入れ替えたものである。よって、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0062】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る多段波動歯車装置における接続構成と各波動歯車装置の入出力についての回転数比を示す図である。
【0063】
図3(a)に示されるように、互いに等しい変速比Rを有する3台の波動歯車装置、すなわち第4の波動歯車装置1001、第5の波動歯車装置1002、及び第6の波動歯車装置1003が、順次、直列状態で連結配置される。第4の波動歯車装置1001は、第4のウェーブジェネレータ1010、第4のフレクスプライン1012、及び第4のサーキュラスプライン1014を含み、第5の波動歯車装置1002は、第5のウェーブジェネレータ1020、第5のフレクスプライン1022、及び第5のサーキュラスプライン1024を含み、第6の波動歯車装置1003は、第6のウェーブジェネレータ1030、第6のフレクスプライン1032、及び第6のサーキュラスプライン1034を含む。
【0064】
第4の波動歯車装置4と第5の波動歯車装置5は、第4の波動歯車装置4の第4のフレクスプライン1012と第5の波動歯車装置2の第5のフレクスプライン1022とが同軸となるように配置されている。
【0065】
また、第5の波動歯車装置5と第6の波動歯車装置6は、第5の波動歯車装置5の第5のサーキュラスプライン1024が、第6の波動歯車装置6の第6のウェーブジェネレータ1030とが同軸となるように配置されている。
【0066】
なお、第4および第6の波動歯車装置1001、1003は、回転運動を入力あるいは出力するために外部に機器と連結されることになる。
【0067】
第4のウェーブジェネレータ1010は、回転運動を入力あるいは出力するために外部の機器と連結される第3の外部連結要素である。すなわち、第4のウェーブジェネレータ1010は、回転入力要素または回転出力要素として機能する。第4のサーキュラスプライン1014は、回転不可の状態に拘束されており、第4のフレクスプライン1012は、前記第5のフレクスプライン1022と第3の連結部材1005により一体的に回転するように連結されている。
【0068】
第5のウェーブジェネレータ1020は、回転不可の状態に拘束されている。また、第5のサーキュラスプライン1024は、前記第6のサーキュラスプライン1034と第4の連結部材1006により連結されており、第6のフレクスプライン1032は、回転不可の状態に拘束されている。
【0069】
第6のウェーブジェネレータ1030は、回転運動を入力あるいは出力するために外部の機器と連結される第4の外部連結要素である。すなわち、第6のウェーブジェネレータ1030は、回転入力要素または回転出力要素として機能する。
【0070】
図3(b)及び表1を参照すると、第4のウェーブジェネレータ1010が回転入力要素である場合、回転出力要素である第6のウェーブジェネレータ1030は、第4のウェーブジェネレータ1010の回転数の−1倍で回転し、入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を取り出すことができることが分かる。また、逆に、第6のウェーブジェネレータ1030が回転入力要素である場合、回転出力要素である第4のウェーブジェネレータ1010は、第6のウェーブジェネレータ1030の回転数の−1倍で回転し、入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を取り出すことができることが分かる。
【0071】
図4は本発明の第2の実施形態に係る多段波動歯車装置の断面図である。
図4において
図3と対応する部分には同一の符号を付してある。
【0072】
図4に示すように、第4の波動歯車装置1001、第5の波動歯車装置1002、及び第6の波動歯車装置1003が、順次、直列状態で連結配置されている。
【0073】
第4の波動歯車装置1001は、第4のウェーブジェネレータ1010、第4のフレクスプライン1012、及び第4のサーキュラスプライン1014を含む。第5の波動歯車装置は、第5のウェーブジェネレータ1020、第5のフレクスプライン1022、及び第5のサーキュラスプライン1024を含み、第6の波動歯車装置は、第6のウェーブジェネレータ1030、第6のフレクスプライン1032、及び第6のサーキュラスプライン1034を含む。
【0074】
第4のウェーブジェネレータ1010、第5のウェーブジェネレータ1020、第6のウェーブジェネレータ1030には、それぞれ、第4の中心貫通孔1010a、第5の中心貫通孔1020a、第6の中心貫通孔1030aが設けられている。
【0075】
第4のフレクスプライン1012は、第4の円筒部1120を含む。多段波動歯車装置の第4の波動歯車装置4側を第3の側とし、多段波動歯車装置の第6の波動歯車装置6側を第4の側とすると、第4の円筒部1120は、第4の円筒部1120の第3の側の開口端の側の外周面に形成された第4の外歯1122と、第4の円筒部1120の第4の側の開口端に連続して半径方向の内側に延びている環状の第4のダイヤフラム1124(第4の連結部)とを含む。第4のダイヤフラム1124の中心には中心孔1124aが形成されている。第4のダイヤフラム1124には、第4の波動歯車装置4の外部の部材を連結することができる。
【0076】
同様に、第5のフレクスプライン1022は、第5の円筒部1220を含む。第5の円筒部1220は、第5の円筒部1220の第3の側の開口端の側の外周面に形成された第5の外歯1222と、第5の円筒部1220の第4の側の開口端に連続して半径方向の内側に延びている環状の第5のダイヤフラム1224(第5の連結部)とを含む。第5のダイヤフラム1224の中心には中心孔1224aが形成されている。第5のダイヤフラム1224には、第5の波動歯車装置5の外部の部材を連結することができる。
【0077】
また、第6のフレクスプライン1032は、第6の円筒部1320を含む。第6の円筒部1320は、第6の円筒部1320の第3の側の開口端の側の外周面に形成された第6の外歯1322と、第6の円筒部1320の第4の側の開口端に連続して半径方向の内側に延びている環状の第6のダイヤフラム1324とを含む。第6のダイヤフラム1324の中心には中心孔1324aが形成されている。第6のダイヤフラム1324には、第6の波動歯車装置6の外部の部材を連結することができる。
【0078】
第3の回転部材1004は、円盤状の部材の中心にシャフトが一体的に形成された構造を有している。第3の回転部材1004は、ボルト1900、1902によって、第3の外部連結要素である第4のウェーブジェネレータ1010に固定されている。また、第3の回転部材1004は、支持部材1080、1081との間に装着された軸受け1800、1810によって支持されている。
【0079】
第4のサーキュラスプライン1014は、ボルト1904、1906によって支持部材1082に回転不可に固定されている。
【0080】
ここで、第4の連結部であるダイヤフラム1124は、第4の外歯よりも第4の側に設けられるように配置されている。このような配置を採用する理由は、ダイヤフラム1124が、第4の外歯よりも第3の側に設けられるように配置されると、第4のサーキュラスプライン1014を回転不可に固定するための支持部材と第4の円筒部1120が同じ側に位置することとなり、両者の干渉を防止する設計が必要となり、設計が複雑となるからである。つまり、本実施形態の配置を採用することによって、設計が容易となり、また設計の自由度が増す。
【0081】
第3の連結部材1005は、円盤状の部材の中心にシャフトが一体的に形成された構造体1005aと、該シャフトの一端にボルト1924によって取り付けられた円盤状の部材1005bとからなる。第3の連結部材1005が、ボルト1908、1910によって第4のフレクスプライン1012に、ボルト1920、1922によって第5のフレクスプライン1022にそれぞれ固定され、第4のフレクスプライン1012と第5のフレクスプライン1022が第3の連結部材1005により連結される。第3の連結部材1005は、支持部材1083との間に装着された軸受け1830及び後述の第4の連結部材1006との間に装着された軸受け1060によって支持されている。第3の連結部材1005は、支持部材1084に設けられた中心孔1084a及び第5のウェーブジェネレータ1020の第5の中心貫通孔1020aを貫通して延びている。このような構成によって、第4のフレクスプライン1012と第5のフレクスプライン1022は一体として回転する。
【0082】
第5のウェーブジェネレータ1020は、ボルト1912、1914によって、第5のウェーブジェネレータ1020と支持部材1084との間にスペーサ1950、1952を挟んで、支持部材1084に回転不可に固定されている。
【0083】
円筒状の第4の連結部材1006が、ボルト1916、1918によって第5のサーキュラスプライン1024に、ボルト1930、1932によって第6のサーキュラスプライン1034にそれぞれ固定され、第5のサーキュラスプライン1024と第6のサーキュラスプライン1034が第4の連結部材1006により連結される。第4の連結部材1006は、支持部材1085、1086との間に装着された軸受け1850、1860によって支持されている。このような構成によって、第5のサーキュラスプライン1024と第6のサーキュラスプライン1034は一体として回転する。
【0084】
第6のフレクスプライン1032は、ボルト1934、1936によって支持部材1087に回転不可に固定されている。
【0085】
回転出力/入力要素である第4の回転部材1007は、円盤状の部材の中心にシャフトが一体的に形成された構造を有している。第4の回転部材1007は、ボルト1926、1928によって、第4の外部連結要素である第6のウェーブジェネレータ1030に固定されている。また、第4の回転部材1007は、支持部材1088、1089との間に装着された軸受け1880、1890によって支持されている。第4の回転部材1007は、第6のウェーブジェネレータ1030の第6の中心貫通孔1030a、第6のフレクスプライン1032の中心孔1324a、及び支持部材1087に設けられた中心孔1087aを貫通して延びている。
【0086】
ここで、第5の連結部であるダイヤフラム1224は、第5の外歯1222よりも第4の側に設けられるように配置されている。このような配置を採用する理由は、ダイヤフラム1224が、第5の外歯1222よりも第3の側に設けられるように配置されると、第5のウェーブジェネレータ1020を回転不可に固定するための支持部材と第4の連結部材が同じ側に位置することとなり、両者の干渉のため、第4の連結部材を360°回転させることができず、第4の連結部材の回転角度が制限を受け、また、第4の連結部材の回転角度を360°未満とするとしても、両者の干渉を防止する設計が必要となり、設計が複雑となるからである。第6の連結部であるダイヤフラム1324が、第6の外歯1322よりも第4の側に設けられるように配置されている理由も同様の理由である。ダイヤフラム1324が、第6の外歯1322よりも第3の側に設けられるように配置されると、第6のフレクスプライン1032を回転不可に固定するための支持部材と第4の連結部材が同じ側に位置することとなり、両者の干渉のため、第4の連結部材を360°回転させることができず、第4の連結部材の回転角度が制限を受け、また、第4の連結部材の回転角度を360°未満とするとしても、両者の干渉を防止する設計が必要となり、設計が複雑となるからである。つまり、本実施形態の配置を採用することによって、第4の連結部材の回転角度に制限がなくなり、また設計が容易となり、設計の自由度が増す。
【0087】
支持部材1080〜1089は、ベース1008に固定されている。
【0088】
このように構成された多段波動歯車装置においても、上述の動作原理により、第3の回転部材1004により入力される入力側の回転数と等しい回転数を有する逆回転の出力を第4の回転部材1007から取り出すことができる。また逆に、第4の回転部材1007により入力される入力側の回転数を等しい回転数を有する逆回転の出力を第3の回転部材1004から取り出すことができる。
【0089】
更に、出力側の回転部材が、入力側の回転部材が延びている方向と反対側に延びているような配置においても、回転角度が制限されることなく逆回転出力を取り出すことができ、また設計が容易であり、設計の自由度が大きい。
【0090】
また、第3の回転部材1004及び第4の回転部材1005のいずれからの入力に対しても起動トルクが減速トルクであるので、起動トルクが小さく、外的トルクに対して感度が高いことが好ましい用途に好適である。
【0091】
以上、本発明について、例示のためにいくつかの実施形態に関して説明してきたが、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形態及び詳細について、様々な変形及び修正を行うことができることは、当業者に明らかであろう。