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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-5979(P2015-5979A)
(43)【公開日】2015年1月8日
(54)【発明の名称】一体型マイクロ波集積回路用の変換器
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/60 20060101AFI20141205BHJP
   H03H 7/38 20060101ALI20141205BHJP
【FI】
   H03F3/60
   H03H7/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-118567(P2014-118567)
(22)【出願日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】61/837,610
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/929,301
(32)【優先日】2013年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】599034594
【氏名又は名称】トライクイント・セミコンダクター・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TriQuint Semiconductor,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル、チャールズ エフ.
【テーマコード(参考)】
5J067
【Fターム(参考)】
5J067AA04
5J067AA35
5J067CA71
5J067CA73
5J067FA16
5J067HA09
5J067HA25
5J067HA29
5J067KA68
5J067QA03
5J067QA04
5J067QS04
5J067SA13
5J067TA01
5J067TA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高電流広帯域のドレインバイアスチョークを提供する。
【解決手段】マイクロ波周波数パワー増幅モジュールなどの無線周波数(RF)パワー増幅モジュール用の一体型変換器であり、エッジ結合伝達ラインのペアのそれぞれが第1および第2のエッジ結合伝達ラインを含む、複数のエッジ結合伝達ラインのペアを含む。第1伝達ラインは、互いに接続される第1端部と、変換器の入力端子に接続される第2端部とを含む。第2伝達ラインは、入力端子に接続される第1端部と、変換器の出力端子に接続される第2端部とを含む。変換器は、通信信号を入力端子から出力端子へ通過させ、入力端子において第1インピーダンスを提供し、出力端子において第2インピーダンスを提供する。第2インピーダンスは、第1インピーダンスよりも高い(例えば、4倍)。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信信号を受信し、第1インピーダンスを有するように構成される入力端子と、
出力端子と、
エッジ結合伝達ラインのペアのそれぞれが第1伝達ラインおよび第2伝達ラインを含む、複数のエッジ結合伝達ラインのペアと、を備え、
前記第1伝達ラインは、互いに接続される第1端部と、前記入力端子に接続される第2端部とを有し、
前記第2伝達ラインは、前記入力端子に接続される第1端部と、前記出力端子に接続される第2端部とを有し、前記通信信号を前記出力端子に通過させ、前記第1インピーダンスと異なる第2インピーダンスを有する前記出力端子を提供する装置。
【請求項2】
前記通信信号は、パワー増幅器により前記入力端子に供給され、
前記第1伝達ラインの第1端部は、前記パワー増幅器に直流(DC)バイアス電圧を提供するためのバイアスパッドに接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バイアスパッドとグランド電圧の間に接続されるバイパスコンデンサをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のエッジ結合伝達ラインのペアは、同一平面上にあり、その平面内で折り畳まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記入力端子に接続され、当該装置の高周波応答を助けるための一以上の同調コンデンサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
当該装置は、ダイ上のマイクロ波一体型集積回路に含まれる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記伝達ラインの長さは、前記通信信号の周波数範囲に基づいて定められる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
当該装置の直流(DC)電流制御は、当該装置における前記エッジ結合伝達ラインのペアの数に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2インピーダンスは、前記第1インピーダンスよりも高い、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2インピーダンスは、前記第1インピーダンスの4倍である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ダイを提供する工程と、
通信信号を受信し、第1インピーダンスを有するように構成される入力端子をダイ上に形成する工程と、
ダイ上に出力端子を形成すると、
エッジ結合伝達ラインのペアのそれぞれが第1伝達ラインおよび第2伝達ラインを含み、互いに平行な向きとなる複数のエッジ結合伝達ラインのペアをダイ上の平面内に形成する工程と、を備え、
前記第1伝達ラインは、互いに接続される第1端部と、前記入力端子に接続される第2端部とを有し、
前記第2伝達ラインは、前記入力端子に接続される第1端部と、前記出力端子に接続される第2端部とを有し、前記通信信号を前記出力端子に通過させ、前記第1インピーダンスと異なる第2インピーダンスを有する前記出力端子を提供する方法。
【請求項12】
前記通信信号を入力端子に供給するように構成されるパワー増幅器をダイ上に形成する工程をさらに備え、
前記第1伝達ラインの第1端部は、前記パワー増幅器に直流(DC)バイアス電圧を提供するためのバイアスパッドに接続される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バイアスパッドとグランド電圧の間に接続されるバイパスコンデンサをダイ上に形成する工程をさらに備え、
前記バイパスコンデンサは、ダイの複数のビアによって前記グランド電圧に接続される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のエッジ結合伝達ラインのペアは、前記平面内に折り畳まれている、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1伝達ラインの第1端部を互いに接続し、または、前記第2伝達ラインの第1端部を互いに接続するために、別の平面内のエアブリッジまたはアンダーパスを形成する工程をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ダイと、
マイクロ波周波数を有する通信信号を生成するように構成され、前記ダイ上に設けられる無線周波数(RF)増幅器と、
通信信号を受信し、第1インピーダンスを有するように構成される入力端子と、出力端子と、互いに平行な向きとなる複数のエッジ結合伝達ラインのペアであって、エッジ結合伝達ラインのペアのそれぞれが第1伝達ラインおよび第2伝達ラインを含み、前記通信信号を前記出力端子に通過させ、前記第1インピーダンスと異なる第2インピーダンスを有する前記出力端子を提供する複数のエッジ結合伝達ラインのペアと、を含む変換器と、
前記第1伝達ラインの第1端部および前記RF増幅器に接続され、前記RF増幅器に直流(DC)バイアス電圧を提供するバイアスパッドと、
を備えるマイクロ波一体型集積回路(MMIC)。
【請求項17】
前記第1伝達ラインは、互いに接続される第1端部と、前記入力端子に接続される第2端部とを有し、
前記第2伝達ラインは、前記入力端子に接続される第1端部と、前記出力端子に接続される第2端部とを有し、前記通信信号を前記出力端子に通過させる、請求項16に記載のMMIC。
【請求項18】
前記バイアスパッドとグランド電圧の間に接続されるバイパスコンデンサをさらに備える、請求項16に記載のMMIC。
【請求項19】
前記複数のエッジ結合伝達ラインのペアは、同一平面上にあり、その平面内で折り畳まれている、請求項16に記載のMMIC。
【請求項20】
前記第1伝達ラインの第2端部および前記第2伝達ラインの第1端部に接続され、前記変換器の高周波応答を助けるための一以上の同調コンデンサをさらに備える、請求項16に記載のMMIC。
【請求項21】
前記RF増幅器は、複数のトランジスタを含む分布型増幅器であり、前記複数のトランジスタは、前記DCバイアス電圧を受信するために前記バイアスパッドに接続される、請求項16に記載のMMIC。
【請求項22】
前記変換器のDC電流制御は、前記変換器に含まれる前記エッジ結合伝達ラインのペアの数に基づく、請求項16に記載のMMIC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2013年6月20日に出願された米国仮出願第61/837610号、発明の名称「一体型マイクロ波集積回路用の変換器」の優先権の利益を享受する。その仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示の実施の形態は、広く回路の分野に関し、特に、一体型マイクロ波集積回路用の変換器に関する。
【背景技術】
【0003】
広帯域分布型パワー増幅器は、多くの電子通信システムに用いられる。広帯域分布型パワー増幅器は、トランジスタの入力を接続する第1電気経路と、トランジスタの出力を接続する第2電気経路とを有する、複数のトランジスタを含む。第1および第2電気経路は、トランジスタの入力と出力の間でそれぞれ特性インピーダンスを含む。しかしながら、分布型パワー増幅器の全体として利用可能なトランジスタの外周は、負荷インピーダンスにより制限される。また、いくつかの特性インピーダンスは、50Ωの負荷インピーダンスを実現するため、または、トランジスタへの必要なバイアス電流を維持するためには高すぎる。さらに、高電流広帯域のドレインバイアスチョーク(drain bias choke)の実現は難しい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施の形態は、例示を目的とし、添付の図面の記載に制限されないことを目的として示される。添付の図面において、同様の符号は、同様の構成要素であることを示す。
【0005】
図1A】種々の実施の形態に係る、複数のエッジ結合伝達ラインのペアを含む変換器を模式的に示す図である。
【0006】
図1B】種々の実施の形態に係る、図1Aに示す変換器のエッジ結合伝達ラインのペアを模式的に示す側面図である。
【0007】
図2】種々の実施の形態に係る、変換器に接続される分布型増幅器を含むパワー増幅モジュールを模式的に示す図である。
【0008】
図3】種々の実施の形態に係る、面内に折り畳まれた複数のエッジ結合伝達ラインのペアを有する変換器を模式的に示す図である。
【0009】
図4】種々の実施の形態に係る変換器の製造方法を示すフローチャートである。
【0010】
図5】種々の実施の形態に係る例示的な無線通信装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例の種々の面は、他の当業者に本発明の要旨を伝えるために、当業者が一般に用いる用語を用いて記載される。しかしながら、記載されるいくつかの面のみを用いて代替的な実施の形態が実現されうることは、当業者にとって明らかであろう。説明を目的として、特定の装置および構成は、実施の形態の完全な理解を提供するために明らかにされる。しかしながら、代替的な実施の形態が、特定の詳細部分を用いることなく実現さうることは、当業者にとって明らかであろう。他の実施例において、周知な特徴は、実施例を不明瞭としないことを目的として、省略または単純化される。
【0012】
さらに、種々の工程は、複数の分離した工程として記載され、本開示の理解を最も助けるように順に記載される。しかしながら、記載の順序は、これらの工程が順序依存であることを示唆するものとして解釈されるべきではない。特に、これらの工程は、開示の順序で実行される必要はない。
【0013】
「一実施の形態において」の語は、繰り返し用いられる。この語は、一般には、同じ実施の形態を示さない。しかしながら、同じ実施の形態を示すこともある。「備える」、「有する」、「含む」の語は、文脈上別であると示さない限り、同義である。
【0014】
種々の実施の形態の結合に用いうる用語に対し、文脈上の明確性を与えるため、「A/B」および「Aおよび/またはB」の語は、(A)、(B)または(AおよびB)を意味することとする。また、「A、Bおよび/またはC」の語は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、BおよびC)を意味する。
【0015】
「接続される」の語は、ここでは、派生的に用いられる。「接続される」は、以下に示す一以上の内容を意味しうる。「接続される」は、二以上の要素が物理的または電気的に直接接触することを意味しうる。しかしながら、「接続される」は、二以上の要素が互いに間接的に接触しつつ互いに協働または相互作用することも意味し、また、一以上の他の要素が、上述の意味で互いに接続された要素間において結合または接続されることを意味しうる。
【0016】
図1Aは、種々の実施の形態に係る変換器100を示す。変換器100は、通信信号を受信するための入力端子104を含んでもよい。変換器100は、出力端子108をさらに含んでもよい。種々の実施の形態において、変換器100は、通信信号を出力端子108へ通過させてもよい。また、変換器100は、第1インピーダンスを有する入力端子104と、第1インピーダンスと異なる第2インピーダンスを有する出力端子108を提供してもよい。例えば、いくつかの実施の形態において、第2インピーダンスは、第1インピーダンスよりも高くてもよい(例えば、4倍)。
【0017】
いくつかの実施の形態において、通信信号は、マイクロ波周波数信号などの無線周波数(RF;radio frequency)信号であってもよい。マイクロ波周波数信号は、一般に、300MHzから300GHzの周波数を有してもよい。いくつかの実施の形態において、通信信号は、後述する図2に示されるような分布型RFパワー増幅器などの、RFパワー増幅器によって変換器の入力端子104に提供されてもよい。
【0018】
種々の実施の形態において、変換器100は、ダイに設けられる一体型(モノリシック)変換器であってもよい。例えば、変換器100は、一体型マイクロ波集積回路(MMIC;monolithic microwave integrated circuit)に含まれてもよい。MMICは、一以上のRF(例えば、マイクロ波周波数)増幅器などの一以上の他の要素を含んでもよい。いくつかの実施の形態において、ダイは窒化ガリウム(GaN)基板を含んでもよく、他の実施の形態において、他の基板が用いられてもよい。
【0019】
種々の実施の形態において、変換器100は、複数のエッジ結合伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアを含んでもよい。それぞれのエッジ結合伝達ラインのペアは、第1伝達ライン112a−cと、第2伝達ライン116a−cを含んでもよい。複数のエッジ結合伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアは、通信信号を入力端子104から出力端子108へ通過させてもよく、入力端子104における第1インピーダンスを出力端子108における第2インピーダンスに変換してもよい。
【0020】
種々の実施の形態において、伝達ライン112a−c、116a−cは、ダイに設けられる細長い薄膜の導電体で形成されてもよい。例えば、伝達ライン112a−c、116a−cは、実質的に矩形状を有してもよい。エッジ結合により、伝達ライン112a−c、116a−cが同一平面上に配置され、伝達ライン112a−c、116a−cの長辺が対向する(例えば、互いに平行な向きとなる)ことが意図される。
【0021】
エッジ結合伝達ラインは、最大の面(例えば、上面または底面)が対向するように伝達ラインが方向付けられる、ブロードサイド結合(broadside-coupled)伝達ラインに対比される。ブロードサイド結合伝達ラインは、典型的に、他の伝達ラインの上面に配置される伝達ラインと、伝達ライン間の介在層を用いて、伝達ラインを異なる面に配置することにより実現される。
【0022】
例えば、図1Bは、第1端部120、136から見た、伝達ライン112a、116aの側面を示す。伝達ライン112aは、端面113と、ブロードサイド面114と、エッジ面115を含んでもよい。ブロードサイド面114は、エッジ面115よりも大きい面積を有してもよく、エッジ面115は、端面113よりも大きい面積を有してもよい。伝達ライン116aは、端面117と、ブロードサイド面118と、エッジ面119を有してもよい。ブロードサイド面118は、エッジ面119よりも大きい面積を有してもよく、エッジ面119は、端面117よりも大きい面積を有してもよい。エッジ面115、119は、対向し、互いに近接しているため、伝達ライン112a、116aは、エッジ結合されている。一方で、仮にブロードサイド面114、118が対向していたとすると、伝達ライン112a、116aは、ブロードサイド結合されることとなる。
【0023】
しかしながら、ブロードサイド結合伝達ラインは、MMICに実装することが難しい。例えば、MMICのメタル層は、薄膜の窒化物層により分離され、ブロードサイド結合ラインとして用いるには、あまりに強く結合されるかもしれない。また、エアブリッジ(例えば、ダイの主要層の上に配置される層)の幅および長さの制約を規定するデザインルールは、MMICにおけるブロードサイド結合伝達ラインを実現するエアブリッジの実現可能性を制限する。さらに、アンダーパス(例えば、ダイの主要層の下に配置される層)は、典型的に、主要層と比べて、薄く、電流伝達能力が小さい。したがって、変換器100は、複数のエッジ結合伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアを含んでもよく、ブロードサイド結合伝達ラインを含まなくてよい。
【0024】
種々の実施の形態において、第1伝達ライン112a−cのそれぞれは、第1端部120と、第1端部120の反対側にある第2端部124を含んでもよい。第1伝達ライン112a−cの第1端部120は、ノード128において互いに接続されてもよい。また、第1端部120は、入力端子104または出力端子108に接続されなくてもよい。したがって、第1伝達ライン112a−cの第1端部120の間において短絡回路が形成されてもよい。第1伝達ライン112a−cの第2端部124は、入力端子104に(例えば、ノード132を介して)接続されてもよい。
【0025】
種々の実施の形態において、第2伝達ライン116a−cのそれぞれは、第1端部136と、第2端部140を有してもよい。第2伝達ライン116a−cの第1端部136は、入力端子104に(例えば、ノード144を介して)接続されてもよい。第2伝達ライン116a−cの第2端部140は、出力端子108に(例えば、ノード148を介して)接続され、通信信号を出力端子108に通過させ、出力端子108に第2インピーダンスを提供してもよい。直流(DC)遮断コンデンサ152は、第2伝達ライン116a−cの第2端部140と出力端子108の間に接続され、出力端子108への直流信号の到達を妨げてもよい。
【0026】
複数のエッジ結合伝達ライン112a−cおよび116a−cは、出力端子108と入力端子104の間で4対1のインピーダンス変換を提供してもよい。例えば、一実施の形態において、入力端子104における第1インピーダンスは12.5Ωであってもよく、出力端子108における第2インピーダンスは50Ωであってもよい。これにより、RFパワー増幅器を第1インピーダンスの負荷で駆動させることが可能となる一方で、送信チェーンにおける他の要素(例えば、アンテナスイッチや、アンテナ構造)には第2インピーダンスを提示する。第1インピーダンスがより低い値となることで、RFパワー増幅器をより高いパワーで動作させることが可能となる。
【0027】
いくつかの実施の形態において、伝達ライン112a−cおよび116a−cの端部間の電気的接続は、伝達ライン112a−cおよび116a−cの平面とは異なる平面上のダイの一以上の層に形成されてもよい。例えば、この電気的接続は、一以上のエアブリッジおよび/またはアンダーパスにより形成されてもよい。
【0028】
種々の実施の形態において、変換器100は、二以上のペアなど、いかなる適した数の伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアを含んでもよい。変換器100の電流制御(例えば、直流電流制御)は、変換器100に含まれるエッジ結合伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアの数に基づいてもよい。したがって、変換器100は、伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアを追加することにより、より高い直流電流を許容するように調整されてもよい。
【0029】
さらに、変換器100の周波数応答は、伝達ライン112a−cおよび116a−cの長さに基づいてもよい。例えば、変換器100は、中心周波数の周りに分布する周波数範囲にわたった動作に適していてもよい。つまり、変換器100は、伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアの間で、周波数範囲にわたる顕著なパワーロスなしに通信信号を通過させるとともに、インピーダンス変換を提供するのに十分な誘導結合を有してもよい。したがって、伝達ライン112a−cおよび116a−cの長さは、変換器100によって制御されるべき通信信号の周波数範囲に基づいて定められてもよい。例えば、伝達ライン112a−cおよび116a−cは、より高い周波数を制御するために相対的に短い長さを有してもよいし、もしくは、より低い周波数を制御するために相対的に長くてもよい。例として、いくつかの実施の形態において、変換器100は、Cバンド(約4−8GHz)および/またはXバンド(約8−12GHz)において動作するように設計されてもよい。他の実施の形態において、変換器100は、約6−18GHzの周波数において動作するように設計されてもよい。他の実施の形態において、他の周波数範囲が変換器100に提供されてもよい。
【0030】
いくつかの実施の形態において、変換器100は、入力端子104に接続される一以上の同調コンデンサ156a−bをさらに含んでもよい(例えば、同調コンデンサ156a−bは、第1伝達ライン112a−cの第2端部124および/または第2伝達ライン116a−cの第1端部136に接続されてもよい)。同調コンデンサ156a−bは、高周波(例えば、約12GHzよりも高い周波数)における変換器100の動作を助けてもよい。例えば、同調コンデンサ156a−bは、高周波において伝達ライン112a−cおよび116a−cにより提供されるインダクタンスを平衡化するために、いくつかの短絡容量を提供してもよい。他の実施の形態において、変換器100が低い周波数(例えば、Cバンドおよび/またはXバンドなどの約12GHzより低い周波数)での動作用に設計されている場合、変換器100は、同調コンデンサ156a−bを含まなくてもよい。
【0031】
いくつかの実施の形態において、変換器100は、第1伝達ライン112a−cの第1端部120に(例えば、ノード128を介して)接続されるバイアスパッド160をさらに含んでもよい。バイパスコンデンサ164は、交流(AC)信号をバイアスパッド160から逸らすために、バイアスパッド160とグランド電圧168の間に接続されてもよい。いくつかの実施の形態において、バイパスコンデンサは、グランド電極(例えば、一以上のビア)に接続されてもよい。バイアスパッド160は、通信信号を提供するRF増幅器に接続されてもよく、バイアスパッド160は、RF増幅器(例えば、RF増幅器を構成するトランジスタ)に直流バイアス電圧を提供してもよい。したがって、変換器100は、RF増幅器のために直流バイアス電圧の集積されたソースを提供してもよい。その結果、別個のバイアス回路が不要となる。
【0032】
例えば、図2は、種々の実施の形態に係るRF増幅モジュール200を示す。RF増幅モジュール200は、変換器208に接続される分布型増幅器204を含む。変換器208は、上述した変換器100(および/または、後述する図3で示される変換器300)と同様であってもよい。RF増幅モジュール200は、入力端子212においてRF信号(例えば、マイクロ波周波数信号)を受信し、出力端子216において増幅版のRF信号を通過させてもよい。出力端子216は、変換器208の入力端子220に接続されてもよい。上述したように、変換器208は、変換器208の入力端子220から出力端子224へRF信号を通過させてもよく、入力端子220における第1インピーダンスと出力端子224における第2インピーダンスの間を変換してもよい。種々の実施の形態において、第2インピーダンスは、第1インピーダンスよりも高くてもよい(例えば、4倍)。例えば、一実施の形態において、第1インピーダンスは約12.5Ωであり、第2インピーダンスは約50Ωであってもよい。
【0033】
種々の実施の形態において、分布型増幅器204は、複数の能動素子228を含んでもよい。能動素子228は、能動素子228の入力端子232(例えばゲート端子)において受信されるRF信号を増幅し、増幅されたRF信号を能動素子228の出力端子236(例えば、ドレイン端子)へ通過させる一以上のトランジスタを含んでもよい。複数の能動素子228の入力端子232は、第1電気経路240に(例えば、直流遮断コンデンサ244を介して)接続されてもよく、複数の能動素子228の出力端子236は、第2電気経路248に接続されてもよい。第1電気経路240は、能動素子228の入力端子232の間に接続される特性インピーダンス252を含んでもよく、第2電気経路248は、能動素子228の出力端子236の間に接続される特性インピーダンス256を含んでもよい。
【0034】
種々の実施の形態において、変換器208は、上述したように、能動素子228の動作を助けるために能動素子228に供給される直流バイアス電圧(例えば、ドレインバイアス電圧)を生成してもよい。例えば、図1Aに参照されるように、直流バイアス電圧は、第1伝達ライン112a−cの第1端部120に接続されるバイアスパッド160によって供給されてもよい。したがって、直流バイアス電圧を生成する分布型増幅器204のための別個のバイアス回路は不要であるかもしれない。
【0035】
上述したように、複数の伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアは、同一平面上にあってもよい(例えば、同一平面内に配置される)。いくつかの実施の形態において、複数の伝達ライン112a−cおよび116a−cのペアは、伝達ライン112a−cおよび116a−cの間でのより短い接続を可能とし、および/または、変換器100により小さい接地面積を提供するために、平面内で折り畳まれていてもよい。
【0036】
例えば、図3は、平面内に折り畳まれた複数の伝達ラインのペアを含む変換器300を示す。変換器300は、ダイに設けられる一体型の変換器であってもよい。変換器300は、RF通信信号(例えば、マイクロ波周波数の通信信号)を受信する入力端子304と、RF通信号を一以上の他の要素にRF通信信号を通過させる(例えば、無線通信ネットワークへの伝送のための)出力端子308を含んでもよい。
【0037】
伝達ラインのペアのそれぞれは、第1伝達ライン312a−bおよび第2伝達ライン316a−bを含む。図3に示されるように、伝達ライン312a−bおよび316a−bは、「U」形状に折り畳まれており、伝達ラインの両端が互いに近接している。他の実施の形態において、伝達ライン312a−bは、別の適した形状に折り畳まれていてもよい。
【0038】
種々の実施の形態において、第1伝達ライン312a−bは、互いに接続される第1端部320と、入力端子304に接続される第2端部324を含んでもよい。第2伝達ライン316a−bは、入力端子304に接続される第1端部336と、出力端子308に(例えば、直流遮断コンデンサ352を介して)接続される第2端部340を含んでもよい。変換器300は、入力端子304において第1インピーダンスを提供し、出力端子308において第2インピーダンスを提供してもよい。第2インピーダンスは、第1インピーダンスよりも大きくてもよい(例えば、4倍)。
【0039】
いくつかの実施の形態において、伝達ライン312a−bおよび/または316a−bの端部との電気的接続は、伝達ライン312a−bおよび316a−bの平面とは異なる面に形成されてもよい。例えば、電気的接続は、一以上のエアブリッジおよび/またはアンダーパスにより形成されてもよい。
【0040】
いくつかの実施の形態において、バイアスパッド360は、第1伝達ライン312a−bの第1端部320に接続される。バイアスパッド360は、RFパワー増幅器(例えば、増幅器204)に直流バイアス電圧を供給してもよい。パイパスコンデンサ364は、バイアスパッド360に接続されて、バイアスパッド360から交流(例えば、RF)を逸らしてもよい。
【0041】
図3に示していないが、いくつかの実施の形態において、変換器300は、変換器300の高周波応答を助けるために入力端子304に接続される一以上の同調コンデンサ(例えば、同調コンデンサ156a−bと同様のもの)を含んでもよい。追加的または代替的に、伝達ライン312a−bおよび316a−bの長さは、変換器300の周波数応答を調整するために変えてもよい。
【0042】
さらに、図3に示す変換器300は、エッジ結合伝達ライン312a−bおよび316a−bのペアを有するが、他の実施の形態において、変換器300は、追加的なエッジ結合伝達ラインのペアを含んでもよい。追加的なエッジ結合ラインのペアは、例えば、変換器300の直流電圧制御を増やすために加えられてもよい。
【0043】
図4は、種々の実施の形態にか係るMMIC変換器の製造方法400を示す。
【0044】
ブロック404において、方法400は、ダイを提供する工程を含んでもよい。いくつかの実施の形態において、ダイは、GaN基板を含んでもよい。
【0045】
ブロック408において、方法400は、入力端子(例えば、入力端子104または304)をダイ上に形成する工程を含んでもよい。入力端子は、通信信号を(例えば、ダイの上のRF増幅器から)受信してもよく、第1インピーダンスを有してもよい。
【0046】
ブロック412において、方法400は、出力端子(例えば、出力端子108または308)をダイ上に形成する工程を含んでもよい。
【0047】
ブロック416において、方法400は、複数のエッジ結合伝達ラインのペア(例えば、エッジ結合伝達ライン112a−cおよび116a−c、または、312a−bおよび316a−bのペア)をダイの面上に形成する工程を含んでもよい。複数のペアは、面内において互いに平行な向きであってもよい。エッジ結合伝達ラインのペアのそれぞれは、第1伝達ラインおよび第2伝達ラインを含んでもよい。第1伝達ラインは、互いに接続される第1端部と、入力端子に接続される第2端部を有してもよい。第2伝達ラインは、入力端子に接続される第1端部と、出力端子に接続される第2端部を有し、通信信号を出力端子に通過させ、第1インピーダンスとは異なる第2インピーダンスを有する出力端子を提供してもよい。例えば、第2インピーダンスは、第1インピーダンスよりも大きくてもよい(例えば、4倍)。
【0048】
いくつかの実施の形態において、方法400は、RF増幅器(例えば、分布型増幅器204)をダイ上に形成する工程をさらに含んでもよい。RFパワー増幅器は、変換器の入力端子に通信信号を供給してもよい。いくつかの実施の形態において、方法400は、RF増幅器に直流バイアス電圧を供給するために、第1伝達ラインの第1端部をRF増幅器に接続する工程をさらに含んでもよい。
【0049】
図5は、種々の実施の形態に係る、一以上の変換器(例えば、変換器100、208または300)が組み込まれる例示的な無線通信装置500のブロック図を示す。無線通信装置500は、RFパワー増幅モジュール504を含んでもよい。RFパワー増幅モジュール504は、変換器(例えば、変換器100、208または300)にそれぞれ接続される一以上のRFパワー増幅器(例えば、分布型増幅器204)を含んでもよい。
【0050】
RFパワー増幅モジュール504に加えて、無線通信装置500は、少なくとも図示されるように接続される、アンテナ構造514と、アンテナスイッチ518と、送受信機522と、メインプロセッサ526と、メモリ530を有してもよい。無線通信装置500は、送信および受信機能を有するように示されているが、他の実施の形態では、送信のみまたは受信のみの機能を有する装置を含んでもよい。
【0051】
種々の実施の形態において、無線通信装置500は、携帯電話、ページングデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、テキストメッセンジャー装置、ポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、基地局、加入者局、アクセスポイント、レーダ、衛星通信装置、その他、これらに限定されないRF信号を無線により送受信できるいかなる他の装置であってもよい。
【0052】
メインプロセッサ526は、無線通信装置500の全体的な動作を制御するために、メモリ530に記憶される基本的なOS(operating system)プログラムを実行してもよい。例えば、メインプロセッサ526は、送受信機522による信号の受信および送信を制御してもよい。メインプロセッサ526は、メモリ530に常駐する他のプロセスやプログラムを実行する能力を有してもよく、実行するプロセスの要求に応じて、データをメモリ530に移動したり、メモリ530から取り出したりしてもよい。
【0053】
送受信機522は、送信用データ(例えば、音声データ、ウェブデータ、Eメール、通信用データなど)をメインプロセッサ526から取得し、出力用データを意味するRF入力信号を生成し、RF入力信号をRFパワー増幅モジュール504に供給してもよい。送受信機522は、選択された帯域で動作させ、フルパワーモードもしくはバックオフパワーモードのいずれかで動作させるために、RFパワー増幅モジュール504を制御してもよい。
【0054】
RFパワー増幅モジュール504は、上述したように、RF入力信号を増幅してRF出力信号を供給してもよい。RF出力信号は、アンテナスイッチ518に転送され、その後、無線(OTA;over-the-air)伝送のためにアンテナ構造514に転送されてもよい。アンテナスイッチ518は、RFパワー増幅モジュール504における複数のRFパワー増幅器が一以上の共通アンテナを用いて伝送できるようにしてもよい。他の実施の形態において、一以上のRFパワー増幅器は、それぞれのRF増幅器に専用のアンテナに接続されてもよい。この場合、アンテナスイッチ518は含まれなくてもよく、および/または、RFパワー増幅モジュール504はアンテナ構造514に直接接続されてもよい。
【0055】
RFパワー増幅モジュール504の変換器は、アンテナスイッチ518および/またはアンテナ構造514に期待されるインピーダンスをアンテナスイッチ518および/またはアンテナ構造514に提供してもよい。変換器は、RFパワー増幅器がより低いインピーダンスで駆動することを可能とし、その結果、RFパワー増幅器の性能を改善してもよい(例えば、より増大した出力パワーを可能とする)。
【0056】
いくつかの実施の形態において、RFパワー増幅モジュール504は、高調波および/またはノイズなどの不要な放射を抑制し、および/または、受信チェインから送信チェインを分離するフィルタ(例えば、デュプレクサ)を含んでもよい。これらの実施の形態において、RF出力信号は、フィルタを通じて送信されてもよい。それぞれのフィルタの出力は、アンテナスイッチ518に接続されてもよい。
【0057】
種々の実施の形態において、送受信機522は、受信経路534を介して入力無線信号をアンテナ構造514から受信してもよい。いくつかの実施の形態において、受信経路534は、アンテナスイッチ518により、送信経路(例えば、RF入力およびRF出力信号を含む)から分離されてもよい(例えば、時分割複信(TDD)システム用)。他の実施の形態において、送信信号および受信信号の双方は、アンテナスイッチの同一アームを通じて通過されてもよく、受信経路534は、デュプレクサにより送信経路から分離されてもよい(例えば、周波数分割複信(FDD)システム用)。送受信機522は、入力信号を処理し、さらなる処理のために入力信号をメインプロセッサ526に送信してもよい。
【0058】
種々の実施の形態において、アンテナ構造514は、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストライプアンテナ、その他、RF信号のOTA送信および/または受信に適した、いかなる種類のアンテナを含む、一以上の方向性および/または無指向性のアンテナを有してもよい。
【0059】
当業者であれば、無線通信装置500が例示として示されており、簡潔性および明確性のため、無線通信装置500の大半の構成および動作が、実施の形態の理解のために必要とされる程度に示され、記載されていることが認識されるであろう。種々の実施の形態は、無線通信装置500に関連し、具体的なニーズに従う適切な目的を実行する、いかなる適切な要素または要素の結合を考慮する。さらに言えば、無線通信装置500は、具体的に実施されうる種類の装置に限定されるように解釈すべきではないことが理解されよう。
【0060】
特定の実施の形態は、好ましい実施の形態を示す目的で例示され、ここに記載されたが、本開示の範囲を逸脱しない限りにおいて、同様の目的を実現すると考えられるさまざまな代替的および/または等価な実施の形態により、上述した特定の実施の形態が置換されてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。当業者であれば、本開示によって示された内容が、様々な実施の形態として実施されてもよいことは、すぐに理解されるであろう。本明細書は、ここで示した実施の形態のいかなる変形例をもカバーすることを意図する。したがって、本発明に係る実施の形態は、本明細書に係る請求項またはそれと同等の記載にのみ限定されないことが明白に意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5