(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-5984(P2015-5984A)
(43)【公開日】2015年1月8日
(54)【発明の名称】感知された表示を使用するアプリケーション層プロトコルの特性を適応するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/859 20130101AFI20141205BHJP
H04L 12/66 20060101ALI20141205BHJP
【FI】
H04L12/859
H04L12/66 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-126818(P2014-126818)
(22)【出願日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】2109/MUM/2013
(32)【優先日】2013年6月22日
(33)【優先権主張国】IN
(71)【出願人】
【識別番号】510337621
【氏名又は名称】タタ コンサルタンシー サービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TATA Consultancy Services Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ソーマ ボンドパッダエ
(72)【発明者】
【氏名】アブヒジャン バッタチャリヤ
(72)【発明者】
【氏名】アーパン パル
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HA08
5K030HD03
5K030HD06
5K030LC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】データ転送のためのコンストレイントセンサーゲートウェイにおけるリソースの活用を最適化するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】コンストレイントセンサーゲートウェイは、データ転送に利用できるエネルギーと帯域幅の点で制約されている。ネットワーク状態検出モジュール108は、コンストレイントセンサーゲートウェイ106のネットワーク状態を検出するように構成され、適応モジュール110は、信頼性スコアを決定するように構成されている。コンストレイントセンサーゲートウェイのアプリケーション層プロトコル118は、適応モジュールによって決定される信頼性スコアに基づいて信頼性レベルを適応させ、アプリケーション層プロトコルによる信頼性レベルの適応は、コンストレイントセンサーゲートウェイにおけるリソースの最適化を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ転送のためのコンストレイントセンサーゲートウェイにおけるリソースの活用を最適化するシステムであって、
プロセッサーと、
前記プロセッサーに接続されるメモリーとを有し、
前記メモリーは、前記プロセッサーによって実行されることができる複数のモジュールを含み、
前記複数のモジュールは、
前記コンストレイントセンサーゲートウェイによって使用される通信ネットワークのネットワーク状態を検出するように構成されたネットワーク状態検出モジュールと、
前記データ転送のために推定され、感知された表示に基づいて、信頼性スコアを動的に決定するように構成された適応モジュールとを含み、
前記信頼性スコアに基づいて、前記コンストレイントセンサーゲートウェイのアプリケーション層プロトコルが信頼性レベルを適応させ、
前記信頼性レベルは、前記データ転送のための通信の信頼性モードまたは非信頼性モードの少なくとも一つに関連することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コンストレイントセンサーゲートウェイは、少なくとも一つのセンサーに通信可能に接続され、
前記少なくとも一つのセンサーは、コンテクスト固有属性を有するセンスデータを取り込む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンストレイントセンサーゲートウェイの前記ネットワーク状態は、有効帯域幅およびラウンドトリップレイテンシの少なくとも一つのために検出される請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記センスデータの少なくとも一つを解析することによって決定される推定され、感知された表示、または、前記コンストレイントセンサーゲートウェイの前記センスデータを解析することによって導き出される表示とネットワーク状態との組合せをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記アプリケーション層プロトコルによって適応される前記データ転送用の前記通信の前記非信頼性モードは、フェードバックなしに開ループ通信を使用する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
データ転送のためのコンストレイントセンサーゲートウェイにおけるリソースの活用を最適化する方法であって、
前記コンストレイントセンサーゲートウェイによって使用される通信ネットワークのネットワーク状態を検出する工程と、
前記コンストレイントセンサーゲートウェイの前記ネットワーク状態と感知された表示とを導き出すためにセンスデータを解析する工程と、
推定され、感知された表示に基づいて信頼性スコアを決定する工程と、
前記データ転送のための信頼性レベルを適応させるためのアプリケーション層プロトコルを動的に設定する工程と、を有し、
前記推定され、感知された表示は、感知された表示、または、ネットワーク状態と感知された表示との組合せの少なくとも一つに基づいており、
前記信頼性スコアは、前記適応モジュールによって決定され、
前記検出工程、前記解析工程、前記決定工程、前記設定工程の少なくとも一つは、プロセッサーによって実行されることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記コンストレイントセンサーゲートウェイに通信可能に接続される少なくとも一つのセンサーから前記センスデータを取り込む工程をさらに含む請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンストレイントセンサーゲートウェイ(constrained sensor gateway)を介して接続されるセンサーに関する。より具体的に、本発明は、コンストレイントセンサーゲートウェイのエネルギー利用と、ネットワークの帯域幅(network bandwidth)とを最適化するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモニタリングシステムおよび制御システムは、記憶場所でオペレーターの物理的な存在を必要とした。しかしながら、センサー技術の発達で、オペレーターは、システムを遠隔制御および監視することができる。遠隔モニタリングおよび制御は、一般目的でのセンサーの使用が拡大するように使用者を刺激した。
【0003】
一般目的でのセンサーの使用の拡大で、あるパラメーターに関連する情報を収集する多くのセンサーがまた、飛躍的に増加した。これは、全てのセンサーがバックエンド(backend)と絶えず相互作用するから、エネルギー使用だけでなく、帯域幅の使用の上昇にも不必要につながる。加えて、センサーは遠隔設置されているから、バックエンドにセンサーを接続するセンサーゲートウェイは、エネルギーの連続供給を要求する。これは、センサーとセンサーゲートウェイとがセンスデータ(sensed data)を交換するためのエネルギーだけでなくネットワークの帯域幅の使用によって制約されると、主要な障害を引き起こす。
【0004】
センサー/センサーゲートウェイは、アプリケーションの異なるドメインを実現するために利用される。また、これらのセンスデータは、バックエンドノードに転送されるようになっている。センサーまたはセンサーゲートウェイは、アプリケーション層プロトコル(application layer protocol)を有する通信モジュールを有する。しかしながら、アプリケーション層プロトコルは、センサーデータから得られる状況に依存しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述されたシステムと方法は、状況認識によって、帯域幅とエネルギー使用を最適化する問題を効果的に解決することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、コンストレイントセンサーゲートウェイによるエネルギーと、ネットワークの帯域幅とのリソースの活用(resource utilization)を最適化するシステムおよび方法を提供することにある。この目的は、以下の詳細な説明で説明される。ここで説明される手段は、本発明の本質的な特徴を特定する意図ではなく、本発明の範囲を決定または限定する使用を意図するものではない。
【0007】
一つの実施形態において、環境におけるコンストレイントセンサーのためのリソースの活用(すなわち、帯域幅とエネルギー)を最適化するシステムが開示される。そのシステムは、ネットワーク状態検出モジュールを含む。ネットワーク状態検出モジュールは、コンストレイントセンサーゲートウェイによって利用される通信ネットワークのネットワーク状態を検出することができる。システムは、信頼性スコアを動的に(dynamically)に決定するように構成された適応モジュールをさらに含む。信頼性スコアは、推定されたセンス表示(inferred sensed indication)に基づいている。信頼性スコアは、センス表示に基づくデータを転送する非信頼性モードまたは信頼性モードの動的選択(dynamic selection)を可能(有効)にする。アプリケーション層プロトコルは、そのデータ転送特性(例えば、信頼性スコアに基づいて異なる信頼性モード間の切り替え)を適応させる。
【0008】
一つの実施形態において、スマート環境におけるコンストレイントセンサーのためのリソースの活用を最適化する方法が開示される。その方法は、コンストレイントセンサーゲートウェイによって使用される通信ネットワークのネットワーク状態の検出を開示する。方法は、センス表示(sensed indication)を導き出すためにセンスデータ(sensed data)を解析する。また、方法は、センスデータを解析することによるセンス表示と、コンストレイントゲートウェイのネットワーク状態とを導き出す。この方法によれば、信頼性スコアは、推定されたセンス表示に基づいて決定される。また、アプリケーション層プロトコルは、データ転送のための信頼性レベルを動的に適応させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。図において、符号の左側の数字は、符号が最初に現れる図番を特定している。図中、同じ番号が同じ特徴および同じ構成に付されている。
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るシステムを示す図である。
【0011】
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るコンストレイントノードを示す図である。
【0012】
【
図3】
図3は、本発明のシステムの実施形態に係るフローチャートを示す。
【0013】
【
図4】
図4は、本発明のシステムの実施形態に係るプロセスフローを表示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
データの転送用のコンストレイントセンサーゲートウェイにおけるリソースの活用を最適化するシステムと方法を開示する。本発明は、推定されたセンス表示(inferred sensed indication:推定され、感知された表示)とネットワーク状態とに基づいて、データ転送用のアプリケーション層プロトコル特性の適応を開示する。アプリケーション層プロトコル(application layer protocol)の適応は、センサーとサーバーとの間のハンドシェイク(handshake)を低減する。したがって、ネットワークの帯域幅の使用や通信用エネルギーの使用のようなリソースの活用を低減する。
【0015】
本発明は、推定されたセンス表示に基づいて、信頼性レベルを適応するように構成されたコンストレイントセンサーゲートウェイのアプリケーション層プロトコルを開示する。推定されたセンス表示は、センスデータ(sensed data:感知されたデータ)を解析することによって得られる表示(indication)、または、センスデータを解析することによる表示とコンストレイントセンサーゲートウェイのネットワーク状態との組合せを参照する。さらに、センスデータは、コンストレイントセンサーゲートウェイと通信可能なように接続されるセンサーによって取り込まれる(captured)。センスデータは、センサーが、例えば、車両追跡、医療モニタリングシステムまたは他の似たような用途に配置される環境に基づいてコンテクスト固有属性(context specific attributes)を有する。
【0016】
また、推定されたセンス表示は、コンストレイントセンサーゲートウェイのネットワーク状態によって影響される。それによって、コンストレイントセンサーゲートウェイのネットワーク状態と、センスデータとの組合せからセンス表示を導いている。コンストレイントセンサーゲートウェイのネットワーク状態は、有効帯域幅(bandwidth availability)、ラウンドトリップレイテンシ(round-trip latency)などを参照する。推定されたセンス表示に基づいて、信頼性スコアは、データ転送のために決定される。また、信頼性スコアに基づいて、コンストレイントセンサーゲートウェイに組み込まれたアプリケーション層プロトコルは、信頼性レベルを適応させる。信頼性レベルは、通信の信頼性モードまたは通信の非信頼性モードを参照する。信頼性の多層(multiple layers)に基づいて、データ転送用のハンドシェイクの倍数(multiple numbers)が決定される。例えば、データ転送のために、非信頼性モードで信頼性スコア0、中信頼性モードで信頼性スコア1、高信頼性モードで信頼性スコア2が決定される。また、信頼性レベル、すなわち、信頼性モードまたは非信頼性モードは、信頼性スコアに基づいて、動的に選択される。信頼性レベルの選択は、トランザクションにおけるデータ転送と関連する多くのハンドシェイクを低減する。ハンドシェイクの低減は、コンストレイントセンサーによって利用されるリソースの最適化を可能にする。
【0017】
別の実施形態において、アプリケーション層プロトコルは、初期の特性と関連付けられている。初期の特性は、適応モジュールから受け取った信頼性スコアに基づいて、適応された特性に変換するように構成されている。適応モジュールは、メモリーに組み込まれている。メモリーは、プロセッサーに結合されている。適応モジュールは、トランザクション(すなわち、データ転送)用の信頼性スコアを決定する。信頼性スコアは、推定されたセンス表示に基づいて、適応モジュールによって決定される。推定されたセンス表示は、センスデータおよび/またはコンストレイントセンサーゲートウェイのネットワーク状態を解析することから導き出される。センスデータは、データ転送に要求される信頼性モードを決定するために役に立つ。信頼性モードは、データ転送の信頼性モードまたはデータ転送の非信頼性モードを参照する。信頼性モードは、適応された特性として規定されている。また、推定されたセンス表示は、コンストレイントゲートウェイに接続される複数のセンサーからデータを取り込むことによって導き出される。複数のセンサーおよび取り込まれたデータは、コンテクスト固有属性を有する。すなわち、センサーと取り込まれたデータは、センサーが配置される環境に依存する。
【0018】
別の実施形態において、適応モジュールは、データ転送の非信頼性モードおよび信頼性モードによって信頼性スコアを検出する。適応モジュールは、状況を検出するために読みだされた(retrieved)センサーデータを解析することによって、推定されたセンス表示を使用し、データ転送モードが通信コストを最適化することに適しているという決定を行う。交互に、適応モジュールは、信頼性モードがシステムにコストをかけるかどうか、データ伝達の状況を判断するために、推定されたセンス表示とネットワーク状態とをいっしょに使用してもよい。これは、同様に、種々の性能パラメーター(データトランザクションレイテンシの低減、効率的な帯域幅の使用など)を改善する。
【0019】
ある実施形態によれば、アプリケーション層プロトコルモジュールは、センス表示、または、センス表示と検出されたネットワーク状態との組合せに基づいて、特性を適応してもよい。センス表示は、センサーデータを解析することから導き出される。センス表示は、環境条件に基づくコンテクスト情報である。環境条件は、センサーが配置されるシステム(例えば、車両追跡や医療モニタリングシステム)を参照する。
【0020】
データ転送用のコンストレイントセンサーゲートウェイにおけるリソースの活用を最適化するシステムと方法の目的を説明したが、それらは、多くの異なるコンピュータシステム、環境および/または構成で実行される。実施形態は、以下の具体的システムで説明される。
【0021】
図1を参照して、システムは、バックエンド102と通信するコンストレイントノード(constrained node)114を含む。コンストレイントノード114は、通信ネットワーク104を通じて、他のコンストレイントノードとバックエンドノードと通信する。コンストレイントノード114は、コンストレイントセンサーゲートウェイ(constrained sensor gateway)106を使用する。コンストレイントセンサーゲートウェイは、利用できるエネルギーと帯域幅との点で制約されている。
【0022】
システムは、通信ネットワーク104のネットワーク状態を検出するように構成されたネットワーク状態検出モジュール108をさらに含む。ネットワーク状態は、有効帯域幅、ラウンドトリップレイテンシなどによって検出される。ネットワーク検出モジュール108は、通信ネットワーク104に関連するネットワーク状態に関連する詳細(コンストレイントセンサーゲートウェイ106によって使用される)を適応モジュール110に転送するように構成されている。適応モジュール110は、少なくとも一つのセンサー112からセンスデータを受信するように構成されている。本実施形態によるセンサー112は、コンストレイントノード114に組み込まれている。
【0023】
センサー112によって取り込まれたセンスデータは、それらが配置される環境に基づくコンテクスト固有属性を有する。センスデータに基づく適応モジュール110は、推定されたセンス表示を決定してもよい。データ転送用の信頼性スコアは、推定されたセンス表示に基づいている。本実施形態によれば、適応モジュール110は、ネットワーク状態とセンスデータとの組合せに基づいて信頼性スコアを決定してもよい。これは、推定されたセンス表示(推定され、感知された表示)と称されている。
【0024】
適応モジュール110によって決定された信頼性スコアに基づいて、アプリケーション層プロトコルは、コンストレイントセンサーゲートウェイ106に組み込まれ、信頼性レベルを適応させる。アプリケーション層プロトコル118と適応モジュール110との両方は、通信モジュールの一部であってもよい。信頼性レベルは、通信の信頼性モードまたは非信頼性モードに関連してもよい。アプリケーション層プロトコルがデータ転送のための通信の非信頼性モードを適応するときの具体的実施形態において、アプリケーション層プロトコルは、フィードバックなしに、開ループ通信(open loop communication)を使用する。
【0025】
また、具体的な実施形態によれば、適応モジュール110とネットワーク状態検出モジュール108と、アプリケーションプロトコル118とは、通信モジュール116内にある。通信モジュール116は、バックエンドと他のコンストレイントノードとの間の通信を有効にする。
【0026】
図2を参照して、
図2は、本発明の実施形態に従ったコンストレイントノード114を示す。一つの実施形態において、コンストレイントノード114は、少なくとも一つのプロセッサー204と、入力/出力(I/O)インターフェース206と、メモリー208とを含む。少なくとも一つのプロセッサー204は、1または2以上のマイクロプロセッサ、論理回路および/または操作命令に基づく信号を操作するデバイスとして実行される。他の可能性において、少なくとも一つのプロセッサー204は、メモリー208に保存されるコンピュータ可読命令をフェッチして、実行するように構成されている。
【0027】
I/Oインターフェース206は、種々のソフトウェアインターフェースおよびハードウェアインターフェースを含む。たとえば、ウェブインターフェース、グラフィカルユーザーインターフェースなどである。I/Oインターフェース206は、コンストレイントノード114がクライアントデバイス(図示しない)を介して、または、直接にユーザーと情報をやりとりすることを許容する。また、I/Oインターフェース206は、他のデバイスと通信するために、コンストレイントノード114を有効にする。I/Oインターフェース206は、多種多様のネットワークプロトコルタイプ内で多重通信を容易にする(facilitate)。そのような多種多様のネットワークプロトコルタイプは、有線ネットワーク(例えば、LAN、ケーブルなど)や無線ネットワーク(WLAN、セルラーまたは通信衛星)を含む。I/Oインターフェース206は、多数のデバイスを互いにまたはサーバーに接続する1または2以上のポートを含んでいる。
【0028】
I/Oインターフェース206は、少なくとも一つのセンサー(図示しない)に接続されている。少なくとも一つのセンサーは、少なくとも一つのセンサーが配置される環境に基づいて、あるパラメーターに関連するセンスデータを取り込むように構成されている。データは、環境に基づくコンテクスト固有属性を有する。I/Oインターフェース206は、コンストレイントセンサーゲートウェイとして実行するように構成されている。コンストレイントセンサーゲートウェイは、コンストレイントノード114とバックエンドとの間の通信またはデータ転送を有効にする。コンストレイントセンサーゲートウェイは、データ通信/転送のために利用できる帯域幅またはコンストレイントセンサーゲートウェイのために利用できるエネルギーの点において制約されている。
【0029】
メモリー208は、技術分野で知られている、いずれのコンピューター読み取り可能媒体も含む。例えば、それは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)およびダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のような揮発性メモリ、および/または、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能ROMおよびフラッシュメモリのような非揮発性メモリなどを含む。メモリー208は、モジュール210とデータ216とを含む。
【0030】
モジュール210は、ルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。それは、特定のタスクを実行するか、特定の抽象データタイプを実装する。一つの実施形態において、モジュール210は、ネットワーク状態検出モジュール108と、適応モジュール110と、アプリケーション層プロトコル118と、通信モジュール116と、その他のモジュール214とを含んでいる。その他のモジュール214は、コンストレイントノード114の機能およびアプリケーションを補うプログラムまたはコードされた命令を含んでいる。
【0031】
データ216は、とりわけ、1または2以上のモジュール210によって所有され、受信され、発生されたデータを保存するレポジトリ(repository)として作用する。データ216は、また、他のデータ218を含んでいる。他のデータ218は、その他のモジュール214における1または2以上のモジュールの実行の結果として発生されたデータを含んでいる。
【0032】
具体的な実施形態によれば、通信モジュールは、適応モジュール110と、ネットワーク状態検出モジュール108と、アプリケーション層プロトコルモジュール112とを含んでいる。
【0033】
本発明の実施形態によれば、コンストレイントノード114は、適応モジュール110を含んでいる。適応モジュール110は、データ転送用の信頼性スコアを決定するように構成されている。適応モジュール110によって決定された信頼性スコアは、推定されたセンス表示に基づいている。推定されたセンス表示は、コンストレイントセンサーゲートウェイの通信ネットワークの推定されたセンスデータおよびネットワーク状態を解析することによって導き出される。ネットワーク状態は、データ転送に利用できる帯域幅と、ネットワーク状態検出モジュール112によって検出されるラウンドトリップレイテンシとに関係する。具体的な実施形態において、状態(condition)は、帯域集約(bandwidth aggregation)のためのクロスレイヤシステムを使用することによって検出される。クロスレイヤシステムは、国際出願第PCT/IN2011/000838号に記載されているようなネットワーク状態の動的解析(dynamic analysis)に基づいていてもよい。また、当業者は、国際出願第PCT/IN2009/000281やインド国特許出願第2493/MUM/2012号に記載されているようなシステムと方法によってネットワーク状態を検出することができる。
【0034】
推定されたセンスデータは、センスデータから得られ、または導き出される。センスデータは、コンテクスト固有属性を有する。推定されたセンスデータは、センスデータの属性に基づいて、データ転送のための信頼性レベルの要件(要求)を決定する。信頼性レベルは、データ転送のための通信の非信頼性モードまたは信頼性モードの少なくとも一つを参照する。
【0035】
アプリケーション層プロトコル118は、データ転送用の適応モジュール110によって決定されるスコアに基づいて信頼性レベルを動的に適応する。アプリケーション層プロトコル118による動的適応は、リソース(帯域幅やエネルギーなど)の使用の最適化を可能にする。信頼性レベルの動的適応は、デバイス間、または、サーバーとデバイスとの間のハンドシェイクを低減するためにアプリケーション層プロトコル118に役に立つ。それによって、リソースの活用を最適化している。
【0036】
図3を参照して、
図3は、本発明のシステムの実施形態に係るフローチャートを示す。
【0037】
ブロック302で、コンストレイントセンサーゲートウェイによって使用される通信ネットワークのネットワーク状態が検出される。ネットワーク状態は、ネットワーク状態検出モジュール108によって検出される。検出された状態は、データ転送に利用できる帯域幅、ラウンドトリップレイテンシなどを参照する。また、ブロック304で、センス表示を導くためにセンスデータの解析が実行される。また、ネットワーク状態検出モジュール108によって検出されるネットワーク状態の解析が実行される。ブロック306で、信頼性スコアが決定される。信頼性スコアは、推定されたセンス表示に基づいている。推定されたセンス表示は、センスデータの解析、または、センスデータから導き出される表示とネットワーク状態との組合せのいずれかに基づいている。信頼性スコアは、適応モジュール110によって決定される。
【0038】
ブロック308で、アプリケーション層プロトコル118は、適応モジュール110によって決定される信頼性スコアに基づいて、信頼性レベルを動的に適応させる。
【0039】
図4を参照して、
図4は、本発明のシステムの実施形態に係るプロセスフローを表示するブロック図である。プロセスは、ステップ302で開始する。センスデータは、コンストレイントセンサーゲートウェトを有するエッジデバイス(edge device)に組み込まれるセンサーから取り込まれ/受信される。ステップ422において、ネットワーク状態に関連するデータが読み出される。ステップ402、または、ステップ402とステップ422との組合せは、コンストレイントセンサーゲートウェイ用のセンス表示を発生する。
【0040】
エッジデバイスに組み込まれたセンサーは、特定のドメイン(例えば、車両追跡、データセンターモニタリングまたは医療モニタリング)のための適用可能性に基づいて異なっている。ステップ404で、コンテクスト依存属性(context sensitive attributes)の値が取り込まれる。コンテクスト依存属性は、特定のドメインを供給する決定属性(decision attributes)と称される。コンテクスト依存属性からのデータおよびコンテクスト依存属性の状態がステップ406で検出される。例えば、ステップ406は、ステップ416と、ステップ418と、ステップ420とを使用することを示している。
【0041】
コンテクスト依存属性およびコンテクスト依存属性の状態の検出は、ステップ408に続く。ステップ408で、信頼性スコアが決定される。信頼性スコアは、時間、コンストレイントゲートウェイのネットワーク状態、および推定されたセンス表示に基づくコンストレイントゲートウェイの状態に機能する。ステップ414で検出されたネットワーク状態はまた、ステップ408に割り当てられた信頼性スコアを決定してもよい。信頼性スコアは、特定の状況のためにエッジデバイスのエネルギー使用と帯域幅を最適化するために、特定のドメインに基づいている。ステップ410で、信頼性スコアは、エッジデバイスのアプリケーション層プロトコルに転送される。また、ステップ412で、アプリケーション層プロトコルは、信頼性スコアにより、データ転送中に要求されるハンドシェイクを適応させる。
【0042】
ステップ416に示された例において、ステップ418とステップ420は、車両追跡用の高度道路交通システムのために説明されてもよい。具体的実施形態において、各車両のダッシュボードは、センサーゲートウェイを備えていてもよい。センサーゲートウェイは、GPSや加速度計のようなセンサーに組み込まれていてもよい。センサーゲートウェイは、インターネットに接続するために、GPRS、Wi-Fiおよびイーサーネットから選択される多重通信方法を使用する。センサーゲートウェイおよび通信ネットワークは、車両バッテリーからエネルギーを取り出すことができる。
【0043】
車両を追跡するリモートユーザーにとって、加速度計のデータとGPSの座標は、規定時間間隔の間中収集され、ゲートウェイによってサーバー内で更新される。サーバーは、IDと、受信したGPSデータおよび車両の加速度計データから推測される位置とスピードとを有する車両追跡情報を生成する。しかしながら、サーバーの更新間隔および収集データの時間間隔は、車両のスピードに依存して変化する。すなわち、車両が速く移動している時、時間間隔および更新間隔は低減される。したがって、車両が速く移動していると、サーバーは、より速く更新され、それによって、帯域幅とエネルギーをより消費することになる。帯域幅とエネルギーの高い消費は望ましくない。
【0044】
本発明は、車両が移動する結果として生じる両方のシナリオ(状況)、すなわち、車両が速いスピードで移動しているとき、遅いスピードで移動しているときに実施される。車両が遅いスピードで移動しているとき、地理座標の変化率が小さいので、更新率は低減される。車両が遅いスピードで移動しているとき、次の更新が長い間隔の後到来するから、センサーゲートウェイによって通信される全ての座標と加速度計データがサーバーによってうまく取り込まれなければならないことは重要である。したがって、この場合において、転送に信頼性モードが要求される。
【0045】
しかしながら、車両が速いスピードで移動している場合において、車両にとって座標の変化率が大きいので、更新率は高い。そのような高い更新率で、更新された情報の漂遊損(stray losses)は、追跡システムに悪影響を与えない。しかしながら、更新率が高いので、信頼性を保証するために要求されるハンドシェイクは、ネットワーク負荷を高め、ネットワーククロッキングにつながる。また、信頼性のためのハンドシェイクが原因の通信は、エネルギー使用を増大させ、高い更新率のためにすでにストレスが加えられているエネルギーソース(バッテリー)に負荷を与える。このシナリオにおいて、アプリケーション層プロトコルは、受信確認が不必要とみなされているので、転送の非信頼性モードを適応する。したがって、加速度計のデータに依存して、センサーゲートウェイは、車両の状態(静止した、遅い、速いなど)を推測することができ、信頼性モードまたは非信頼性モードに行くかどうかを決定することができる。すなわち、帯域幅とエネルギー使用を最適化するためにデータ転送特性を適応させる。
【外国語明細書】