(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-5986(P2015-5986A)
(43)【公開日】2015年1月8日
(54)【発明の名称】イヤホンのオーディオ出力制御回路
(51)【国際特許分類】
H03G 3/20 20060101AFI20141205BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20141205BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20141205BHJP
H03F 3/181 20060101ALI20141205BHJP
【FI】
H03G3/20 Z
H04R1/10 104E
H04R3/00 310
H03F3/181 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-127945(P2014-127945)
(22)【出願日】2014年6月23日
(31)【優先権主張番号】102122070
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】513235681
【氏名又は名称】群▲マイ▼通訊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】劉 正彬
【テーマコード(参考)】
5D005
5D220
5J100
5J500
【Fターム(参考)】
5D005BB03
5D220AB08
5J100JA00
5J100KA05
5J100LA10
5J100LA12
5J100QA01
5J100SA02
5J100SA04
5J500AA02
5J500AC88
5J500AC98
5J500AF20
5J500AH25
5J500AH39
5J500AM20
5J500AS05
5J500AS13
5J500LV03
(57)【要約】
【課題】イヤホンのインピーダンスによって、オーディオ信号の音量を自動的に調節することができるイヤホンのオーディオ出力制御回路を提供すること。
【解決手段】本発明に係るイヤホンのオーディオ出力制御回路は、中央処理装置、デコーダー、アンプ及び検出回路を備える。前記中央処理装置は、前記オーディオ信号を前記デコーダーに伝送し、前記デコーダーは、前記オーディオ信号をデコードして、デコードされた後のオーディオ信号を前記アンプに伝送し、前記アンプは、前記デコードされた後のオーディオ信号を増幅し且つ増幅された後のオーディオ信号を前記イヤホンに出力し、また、前記中央処理装置は、前記検出回路を制御して前記イヤホンのインピーダンスを検出し、且つ検出結果に基づいて前記アンプの前記オーディオ信号に対する増幅量を変えることによって、前記イヤホンの音量を調節する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンが出力するオーディオ信号の音量を調節するために用いられるイヤホンのオーディオ出力制御回路であって、
前記イヤホンのオーディオ出力制御回路は、順次に電気的に接続されている中央処理装置、デコーダー、アンプ及び検出回路を備え、
前記中央処理装置は、前記オーディオ信号を前記デコーダーに伝送し、
前記デコーダーは、前記オーディオ信号をデコードして、デコードされた後のオーディオ信号を前記アンプに伝送し、
前記アンプは、前記デコードされた後のオーディオ信号を増幅し且つ増幅された後のオーディオ信号を前記イヤホンに出力し、
前記検出回路は、検出抵抗及びスイッチを備え、
前記検出抵抗の一端は、電源に接続され、
前記検出抵抗の他端は、前記中央処理装置に接続されると共に、前記スイッチを介して前記アンプと前記イヤホンとの間に接続され、
前記中央処理装置は、前記検出回路を制御して前記イヤホンのインピーダンスを検出し、且つ検出結果に基づいて前記アンプの前記オーディオ信号に対する増幅量を変えることによって、前記イヤホンの音量を調節することを特徴とするイヤホンのオーディオ出力制御回路。
【請求項2】
前記スイッチは初期状態において閉状態にあり、
前記中央処理装置は、前記イヤホンが前記アンプに接続されたことを検出すると、前記検出回路を介して前記イヤホンのインピーダンスを取得し、
前記オーディオ信号を再生する前に、前記中央処理装置は前記スイッチを切断することを特徴とする請求項1に記載のイヤホンのオーディオ出力制御回路。
【請求項3】
前記イヤホンは、2つのスピーカーを備え、且つ左チャンネル及び右チャンネルを介して前記アンプに接続され、前記検出抵抗の他端は、前記左チャンネル及び前記右チャンネルの中の1つに接続され、
前記スイッチが閉状態にされると、前記検出抵抗は、1つのスピーカーに接続され且つ検出回路を形成し、前記中央処理装置は、前記スピーカーの電圧を取得し且つ取得した電圧に基づいて前記イヤホンのインピーダンスを取得することを特徴とする請求項1に記載のイヤホンのオーディオ出力制御回路。
【請求項4】
前記中央処理装置は、式Rimp=Vimp×R/(Vd−Vimp)によって前記スピーカーのインピーダンスを計算して取得し、上式中Vimpは前記スピーカーの電圧を表し、Rは前記検出抵抗のインピーダンスを表し、Vdは前記電源の電圧を表し、Rimpは前記スピーカーのインピーダンスを表すことを特徴とする請求項3に記載のイヤホンのオーディオ出力制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンのオーディオ出力制御回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯式電子装置は、通常16Ω又は32Ωのイヤホンを採用する。イヤホンの出力は、一般的に規定された音圧(例えば、EN50332−1)を超えることができず、規定された音圧に合う16Ω及び32Ωのイヤホンに対応する電圧は低い。従って、携帯式電子装置が高インピーダンスのイヤホンに接続された場合、イヤホンは駆動されないか、又はイヤホンが駆動されるとしても、イヤホンが出力するオーディオの音量はかなり小さくなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の問題点に鑑みて、本発明は、イヤホンのインピーダンスによって、オーディオ信号の音量を自動的に調節することができるイヤホンのオーディオ出力制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明に係るイヤホンのオーディオ出力制御回路は、イヤホンが出力するオーディオ信号の音量を調節するために用いられる。前記イヤホンのオーディオ出力制御回路は、順次に電気的に接続されている中央処理装置、デコーダー、アンプ及び検出回路を備え、前記中央処理装置は、前記オーディオ信号を前記デコーダーに伝送し、前記デコーダーは、前記オーディオ信号をデコードして、デコードされた後のオーディオ信号を前記アンプに伝送し、前記アンプは、前記デコードされた後のオーディオ信号を増幅し且つ増幅された後のオーディオ信号を前記イヤホンに出力し、前記検出回路は、検出抵抗及びスイッチを備え、前記検出抵抗の一端は、電源に接続され、前記検出抵抗の他端は、前記中央処理装置に接続されると共に、前記スイッチを介して前記アンプと前記イヤホンとの間に接続され、また、前記中央処理装置は、前記検出回路を制御して前記イヤホンのインピーダンスを検出し、且つ検出結果に基づいて前記アンプの前記オーディオ信号に対する増幅量を変えることによって、前記イヤホンの音量を調節する。
【発明の効果】
【0005】
本発明のイヤホンのオーディオ出力制御回路は、検出回路を利用してイヤホンのインピーダンスを検出し、且つイヤホンのインピーダンスに基づいてアンプのオーディオ信号に対する増幅量を変えることによって、イヤホンの音量を調節する。これにより、異なるインピーダンスを有するイヤホンは、それぞれ優れた音声効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係るイヤホンのオーディオ出力制御回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るイヤホンのオーディオ出力制御回路100は、携帯電話機等の携帯式電子装置に適用し、イヤホン200に接続されて、イヤホン200が出力したオーディオ信号の音量の大きさを制御する。
【0008】
イヤホンのオーディオ出力制御回路100は、中央処理装置(CPU)10と、デコーダー30と、アンプ50と、検出回路70と、を備える。中央処理装置10は、デコーダー30、アンプ50及び検出回路70に同時に接続されている。デコーダー30も、アンプ50に接続されている。
【0009】
中央処理装置10は、携帯式電子装置の内部に格納されたオーディオ信号又は他の携帯式電子装置から受信したオーディオ信号をデコーダー30に伝送する。デコーダー30は、前記オーディオ信号をデコードした後にアンプ50に伝送する。アンプ50は、デコードされた後のオーディオ信号を増幅して、増幅された後のオーディオ信号をイヤホン200に出力する。本実施形態において、イヤホン200は、内蔵されている2つのスピーカー201を含む。アンプ50は、左チャンネル51及び右チャンネル52を介して、2つのスピーカー201にそれぞれ接続されて、増幅された後のオーディオ信号を出力する。
【0010】
検出回路70は、検出抵抗Rd及びスイッチSWを含む。検出抵抗Rdの一端は、電源Vdに接続されている。検出抵抗Rdの他端は、中央処理装置10に接続されると共に、スイッチSWを介して左チャンネル51に接続されている。初期状態において、スイッチSWは、閉状態(オン状態)にある。イヤホン200の接続端子が携帯式電子装置の接続ポート内に挿入されると、検出抵抗Rdは1つのスピーカー201に接続されて、検出回路を形成する。中央処理装置10は、検出回路70を介して前記1つのスピーカー201の電圧を検出し、さらに式Rimp=Vimp×R/(Vd−Vimp)によってスピーカー201のインピーダンスを計算して得る。上式中Vimpはスピーカー201の電圧を表し、Rは検出抵抗Rdのインピーダンスを表し、Vdは電源Vdの電圧を表し、Rimpはスピーカー201のインピーダンスを表す。
【0011】
一般的に、2つのスピーカー201のインピーダンスは同じである。従って、中央処理装置10は、他の1つのスピーカー201のインピーダンスを取得して、イヤホン200のインピーダンスを取得することができる。オーディオ信号を出力する前に、中央処理装置10はスイッチSWを切断し、オーディオ信号の出力に影響を与えないようにする。また、検出回路70がイヤホン200のインピーダンスを検出する過程において、左チャンネル51及び右チャンネル52と2つのスピーカー201との接続を切断する必要がないので、イヤホン200のオーディオ出力に対する影響は小さい。
【0012】
上記の実施形態において、中央処理装置10は、検出回路70を介してイヤホン200のインピーダンスを検出し、且つイヤホン200のインピーダンスに基づいて、アンプ50のオーディオ信号に対する増幅量を直接に変えることによって、イヤホン200が出力したオーディオ信号の音量を調節する。又は、中央処理装置10は、デコーダー30が出力したデコードされた後のオーディオ信号の強度を制御することによって、イヤホン200が出力するオーディオ信号の音量を調節する。
【符号の説明】
【0013】
10 中央処理装置
30 デコーダー
50 アンプ
51 左チャンネル
52 右チャンネル
70 検出回路
100 イヤホンのオーディオ出力制御回路
200 イヤホン
201 スピーカー