(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-60137(P2015-60137A)
(43)【公開日】2015年3月30日
(54)【発明の名称】光学モジュールおよび投写型画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/16 20060101AFI20150303BHJP
H04N 9/31 20060101ALI20150303BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20150303BHJP
F21S 2/00 20060101ALI20150303BHJP
F21V 29/00 20150101ALI20150303BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20150303BHJP
【FI】
G03B21/16
H04N9/31 Z
H01L33/00 L
F21S2/00 373
F21V29/00 110
F21V29/00 510
F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-194804(P2013-194804)
(22)【出願日】2013年9月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000153535
【氏名又は名称】株式会社日立メディアエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】越智 学
(72)【発明者】
【氏名】加藤 盛一
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲平
【テーマコード(参考)】
2K103
3K014
3K243
5C060
5F142
【Fターム(参考)】
2K103AA01
2K103AB10
2K103BA02
2K103BA11
2K103CA06
2K103CA13
2K103DA02
3K014AA01
3K014LA01
3K014LB02
3K243AA01
3K243CC04
5C060GA01
5C060HD00
5C060HD07
5C060JA00
5F142AA42
5F142AA56
5F142CB13
5F142CG01
5F142DB32
5F142DB34
5F142DB40
5F142DB42
5F142DB44
5F142DB60
5F142EA31
5F142GA11
(57)【要約】
【課題】装置の大型化を伴うことなく、効率的に赤色光源の温度上昇を低減できる光学モジュールおよび投写型画像表示装置を提供する。
【解決手段】異なる色の光を出射する複数の光源と、前記複数の光源のうち赤色の光を出射する第一の光源が配置された第一の保持体面と、前記第一の保持体面の側面に位置し、前記第一の保持体面より面積の狭い第二の保持体面と、を有する保持体と、を備え、前記第一の光源の発光面とは反対の背面は、前記保持体が搭載される外装筐体と直接または間接的に接触することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色の光を出射する複数の光源と、
前記複数の光源のうち赤色の光を出射する第一の光源が配置された第一の保持体面と、前記第一の保持体面の側面に位置し、前記第一の保持体面より面積の狭い第二の保持体面と、を含む保持体と、を備え、
前記第一の光源の発光面とは反対の面は、前記保持体が搭載される外装筐体と直接または間接的に接触する光学モジュール。
【請求項2】
請求項1において、
前記第二の保持体面には、前記複数の光源のうち赤色とは異なる色を出射する第二の光源が備えられ、前記第二の光源と前記外装筐体の間には空隙が設けられることを特徴とする光学モジュール。
【請求項3】
請求項2において、
前記第一の光源と、前記第二の光源とは、それぞれの光源の外形の長辺同士が隣接するように配置されることを特徴とする光学モジュール。
【請求項4】
請求項3において、
前記第一の光源の光軸上に配置された第一のコリメートレンズと、前記第二の光源の光軸上に配置された第二のコリメートレンズと、を有し、
前記第一のコリメートレンズと、前記第二のコリメートレンズとは、それぞれのコリメートレンズの外形の長辺同士が隣接するように配置されることを特徴とする光学モジュール。
【請求項5】
請求項1において、
前記複数の光源から出射された光を外部へ投影する投写光学系を有し、前記投写光学系は前記第一の保持体面に設けられること特徴とする光モジュール。
【請求項6】
請求項1において、
前記第一の光源は、少なくとも赤色の光を出射する発光ダイオードと、青色の光を出射する発光ダイオードとを含んで構成されることを特徴とする光モジュール。
【請求項7】
異なる色の光を出射する複数の光源と、前記複数の光源が配置される保持体と、を備える光学モジュールと、
前記光学モジュールを搭載する外装筐体と、を備え、
前記外装筐体は、第一の外装筐体面と、前記第一の外装筐体面の側面に位置し前記第一の外装筐体面より面積の狭い第二の外装筐体面と、を有し、
前記複数の光源のうち赤色の光を出射する第一の光源は、前記第一の外装筐体面と対向する前記保持体の保持体面に配置され、
前記第一の光源の発光面とは反対の面と、前記第一の外装筐体面とは、直接または間接的に接触する投写型画像表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記外装筐体は、前記光学モジュールから投写された光を外部へ投影するための投写口を前記第一の外装筐体面に備えることを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項9】
請求項7において、
前記複数の光源のうち赤色とは異なる色を出射する第二の光源は、前記第一の光源が配置された前記保持体面の側面に位置する第二の保持対面に配置され、
前記第二の光源と前記外装筐体の間には空隙が設けられることを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項10】
請求項7において、
前記外装筐体面と前記第一の光源との間に、前記外装筐体よりも熱伝導率が高い板状部材を備え、前記第一の光源の前記背面と前記第一の外装筐体面とは、前記板状部材を介して接触することを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項11】
請求項7において、
前記板状部材と前記第一の光源との間、または、前記板状部材と前記外装筐体との間にさらに弾性体を備え、前記第一の光源の前記背面と前記第一の外装筐体面とは、前記弾性体および前記板状部材を介して接触することを特徴とする投写型画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードなどの発光素子を用いた光学モジュールおよび投写型画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投写型画像表示装置の中で、モバイル用途の小型機種市場は成長率が高い。小型機種では、従来のランプ光源に代わり発光ダイオードが光源として用いられる。発光ダイオードはランプよりも長寿命、省電力であるといった利点がある。その一方で、発光ダイオード、特に、赤色の発光ダイオードは、温度上昇による光量の低下が顕著であるという特徴がある。
【0003】
この特徴は、赤色、緑色、青色の3色の光を混光して画像を描画する投写型画像表示装置において、使用時間とともに赤色の光源の温度が上昇して光量が低下すると、赤色の光量に合わせて緑色と青色の光量を下げざるを得ないため、長時間にわたって明るい映像を維持できなくなるなどの問題を生じさせる。したがって、明るい映像を実現するためには、赤色の光源の温度上昇を低減して、光量の低下を抑えることが重要である。
【0004】
この改善策として、ファンを用いて排熱する方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、各色のレーザ光源装置の温度特性および発熱量を考慮して放熱部材であるフィンを配置して冷却風路を形成し、発光ダイオードの温度上昇を防ぐことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−247727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、発光ダイオードの冷却の大部分を冷却風による放熱に依存するため、ファンを組み込む必要があり装置が大型化してしまうという課題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、装置の大型化を伴うことなく、効率的に赤色光源の温度上昇を低減できる光学モジュールおよび投写型画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、異なる色の光を出射する複数の光源と、前記複数の光源のうち赤色の光を出射する第一の光源が配置された第一の保持体面と、前記第一の保持体面の側面に位置し、前記第一の保持体面より面積の狭い第二の保持体面と、を有する保持体と、を備え前記第一の光源の発光面とは反対の背面は、前記保持体が搭載される外装筐体と直接または間接的に接触する光モジュールを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置の大型化を伴うことなく、効率的に赤色光源の温度上昇を低減することができる。これによって、赤色の光源の光量低下を抑えることできるため、長時間にわたって明るい映像を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の投写型画像表示装置の概略の構成を示した分解斜視図である。
【
図2】実施例1の投写型画像表示装置において光源の配置と外装筐体との位置関係を示した断面図である。
【
図3】実施例1の投写型画像表示装置において光源の配置と外装筐体との位置関係を示した断面図である。
【
図4】実施例2の投写型画像表示装置において光源の配置と板状部材および外装筐体との位置関係を示した断面図である。
【
図5】実施例3の投写型画像表示装置においてコリメートレンズの配置を示した断面図である。
【
図6】実施例3の投写型画像表示装置においてコリメートレンズの配置を示した断面図である。
【
図7】実施例4の投写型画像表示装置において光源と投写光学系の配置を示した断面図である。
【
図8】実施例4の投写型画像表示装置において小型化の効果を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて実施例の説明を行なう。
【実施例1】
【0012】
本実施例では、赤色の光源の温度上昇を低減し、長時間にわたって明るい映像を維持するという目的を、装置の大型化や消費電力の増加を伴わずに実現した光学モジュール81およびそれを用いた投写型画像表示装置101の例を説明する。本発明の主体は光学モジュール81内の光源11、光源12の配置と、外装筐体91との位置関係にあるので、機構系、電気系の説明は省略する。
図1は、実施例1における光学モジュール81および投写型画像表示装置101の概略の構成を示した分解斜視図であって、
図2は、
図1において投写型画像表示装置101の外装筐体91のみを切断したA-A断面図、
図3は
図1において投写型画像表示装置101の外装筐体91のみを切断したB-B断面図である。
図1から
図3の中で同一の符号を付された構成は、同一の機能を有する。
【0013】
投写型画像表示装置101は、照明光学系と、変調素子5と、投射光学系6とを、1つの保持体71に実装した光モジュール81を、外装筐体91内に備える。
【0014】
照明光学系は、波長の異なる複数の光の光路を合成して変調素子5に結像するもので、第一の光源11、第二の光源12、第一のコリメートレンズ21、第二のコリメートレンズ22、ダイクロイックミラー3、および、プリズム4が、光源側からこの順に配列されて構成される。
【0015】
第一の光源11は、赤色の光を出射する発光ダイオードと青色の光を出射する発光ダイオードが1つのパッケージに封止されており、赤色と青色の光を出射する。第二の光源12は緑色の光を出射する発光ダイオードが封止されており、緑色の光を出射する。第一のコリメートレンズ21は、第一の光源11から出射された赤色と青色の光を平行光にし、第二のコリメートレンズ22は、第二の光源12から出射された緑色の光を平行光にする。第一のコリメートレンズ21と第二のコリメートレンズ22は、それぞれ、単一のレンズで構成してもよいし、複数のレンズで構成してもよい。ダイクロイックミラー3は、第二の光源12側から入射する緑色の光をミラー表面側に透過し、一方、第一の光源11側から入射する赤色と青色の光をミラー表面で反射して、3色の光路を合成する。
【0016】
プリズム4は、第一の光源11と第二の光源12側から入射する光を透過し、変調素子5で反射されて再入射する光を投写光学系6側へ反射する。
【0017】
変調素子5は第一の光源11と第二の光源12から出射された光を変調して画像光を生成する。
【0018】
投写光学系6はその画像光を拡大し、外装筐体91に設けた投写口91oからスクリーン上に投影する。
【0019】
本実施例は2つの特徴ある構成からなっている。
【0020】
1つ目は、外装筐体91の中で面積の広い外装筐体面91hと向かい合わせとなる、光学モジュール81の保持体71の中の第一の保持体面71hに第一の光源11を配置して、第一の光源11の発光面とは反対の背面を外装筐体91に接触させたことである。このような光源の実装形態を採用することで、第一の光源11の発熱は、外装筐体91との接触部から広い外装筐体面91h内を等方的に広がり、広い外装筐体面91hの面積を活用した外気への熱の放散が可能となる。
【0021】
2つ目は、光学モジュール81の保持体71の中で、第一の保持体面71hと直交する、側面71vに第二の光源12を配置し、第二の光源12と面積の広い外装筐体面91hの間に空隙を設けたことである。これによって、第二の光源12から広い外装筐体面91hへの熱流を抑制する効果があり、広い外装筐体面91hを低い温度に保つことができる。
【0022】
なお、第一の光源11と外装筐体91とは、直接接触させてもよいし、第一の光源11と外装筐体10との間に、密着性を高めるために弾性体を挟んでもよい。
【0023】
以上のように本実施例では、赤色の光源の発熱を広い外装筐体面内へ等方的に広げられるため、外装筐体の表面積を最大限に活用した外気への熱の放散が可能となる。これによって、光源の冷却のために冷却ファンを設ける必要がなくなるため、装置の大型化を防ぐことができる。
【0024】
また、ファンを駆動する電力が不要となり、光量維持のための電力も抑えることができるため、消費電力の増加を伴うことなく赤色の光源の温度上昇を低減できるという利点がある。これにより、長時間にわたって明るい映像を維持できる小型で省電力な投写型画像表示装置を提供できる。
【0025】
また、本実施例では、光源の冷却にファンを必要としないため、プロジェクター専用機ではない、例えば携帯電話にプロジェクター機能を組み込む場合等に有効である。
【実施例2】
【0026】
図4は、実施例2における光学モジュール82および投写型画像表示装置102の投写方向Cに対して垂直な平面において外装筐体92のみを切断した断面図の例である。投写型画像投影装置102のうち、既に説明した
図2中に同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0027】
実施例2は、2つの特徴ある構成からなっている。
【0028】
1つ目は、外装筐体92よりも熱伝導率が高い板状部材10を、面積の広い外装筐体面92hと光学モジュール82の間に配置して、面積の広い外装筐体面92hの内側で板状部材10と外装筐体92を接触させたことである。2つ目は、板状部材10と向かい合わせとなる光学モジュール82の保持体面72hに第一の光源11を配置し、第一の光源11の発光面とは反対の背面を板状部材10に接触させたことである。板状部材10の素材としては、銅などの金属のほか、グラファイトなどを用いてもよい。
【0029】
この構成により、第一の光源11の発熱は、板状部材10との接触部から板状部材10内をより広範囲に広がって、面積の広い外装筐体面92hへ伝えられるので、面積の広い外装筐体面92hの面積を最大限に活用した外気への熱の放散が可能となる。したがって、装置の大型化や消費電力の増加を伴うことなく赤色の光源である第一の光源11の温度上昇をさらに低減できる。このように、長時間にわたって明るい映像を維持できる小型で省電力な投写型画像表示装置102を提供できる。
【0030】
なお、第一の光源11と板状部材10とは、直接接触させてもよいし、第一の光源11と板状部材10との間に、密着性を高めるために弾性体を挟んでもよい。同様に、外装筐体92と板状部材10とは、直接接触させてもよいし、外装筐体92と板状部材10との間に、密着性を高めるために弾性体を挟んでもよい。このように弾性体を挟むことによって、第一の光源11と板状部材10、あるいは、外装筐体92と板状部材10とを密着させることができるため、放熱効率を高めることができる。
【0031】
以上のとおり、本実施例では、第一の光源11と外装筐体92との間に、外装筐体92よりも熱伝導率が高い板状部材10を配置することによって、第一の光源11と外装筐体92を直接接触させるよりも効率的に光源11の発熱を外装筐体面92hへ拡散することができる。これによって、長時間にわたって明るい映像を維持できる小型で省電力な投写型画像表示装置102を提供できる。
【実施例3】
【0032】
本実施例では、赤色の光源である第一の光源の温度上昇を低減しつつ、装置の小型化も行える投写型画像投影装置の例を説明する。
【0033】
図5は、実施例3における投写型画像表示装置103の投写方向Cに対して垂直な平面において外装筐体93のみを切断した断面図、
図6は第一の光源11の出射方向D1に対して垂直な平面において外装筐体93のみを切断した断面図の例である。投写型画像投影装置103のうち、既に説明した
図2と
図3中に同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0034】
一般に、スクリーン上に投影される画面は、たとえば9:16、3:4といった縦横比をもつ。変調素子5の画像表示領域であるパネルも、この画面縦横比をもった矩形状である。このように照射範囲が矩形状なので、第一のコリメートレンズ21は、変調素子5のパネル51の縦横比に合わせて外形の一部がカットされて、入射面において長辺21lと短辺21sを有する。同様に、第二のコリメートレンズ22も外形の一部がカットされて長辺22lと短辺22sを有する。
【0035】
これに対して、実施例3は、第一のコリメートレンズの長辺21lと第二のコリメートレンズの長辺22lが隣接するように、第一の光源11の光軸上に配置された第一のコリメートレンズ21と、第二の光源12の光軸上に配置された第二のコリメートレンズ22とを配置した。この構成によって、第一のコリメートレンズの短辺21sと、第二のコリメートレンズの短辺22sがいずれも光学モジュール83の側面方向に揃う。また、第一のコリメートレンズ21及び第二のコリメートレンズ22と同様に第一の光源11、第二の光源12もスクリーン上に投影される画面に合わせて長辺と短辺を有する。本実施例では、第一の光源11と第二の光源12の長辺同士も隣接するように配置する。
【0036】
したがって、光学モジュール83の厚みが薄くなるので、投写型画像投影装置103の小型化に役立つ。このように、長時間にわたって明るい映像を維持できる省電力でより小型な投写型画像表示装置103を提供できる。
【0037】
以上のとおり本実施例では、長辺,短辺を有する光源およびコリメートレンズを、その長辺同士が隣接するように保持体面74hとその側面の保持体面74vに配置する。これによって、短辺同士が隣接するよう配置するよりも光学モジュール83の厚みが薄くすることが可能となり、投写型画像表示装置103の小型化に寄与することができる。
【実施例4】
【0038】
本実施例では、赤色の光源である第一の光源の温度上昇を低減しつつ、装置をさらに小型化する投写型画像投影装置の例を説明する。
【0039】
図7は第一の光源11の出射方向D1と第二の光源12の出射方向D2の両方に対して垂直な平面において外装筐体94のみを切断した断面図、
図8は実施例4における投写型画像表示装置104の投写方向Cに対して垂直な平面において外装筐体94のみを切断した断面図の例である。投写型画像投影装置104のうち、既に説明した
図5中に同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0040】
一般に、投写光学系6は複数のレンズ群で構成されるため、厚みがある。また、第一の光源11は第二の光源12から出射される光の光路を遮断しないように、第二の光源12の光軸から所定の間隔をとる必要がある。そのため、投写光学系6と第一の光源11は光学モジュール84から突出して保持体74に取り付けられる。
【0041】
これに対して、実施例4は、投写口94oを、面積の広い外装筐体面94hに設けたことを特徴とする。つまり、投写光学系6と第一の光源11の両方を、面積の広い外装筐体面94hと向かい合わせとなる光学モジュール84の保持体面74hに配置した。このように、保持体74から突出する方向を一方向に限定することにより、光学モジュール84の外形を
図8の紙面上下方向に小さくする効果がある。したがって、投写型画像投影装置104をさらに小型化できる。このように、長時間にわたって明るい映像を維持できる省電力でさらに小型の投写型画像表示装置104を提供できる。
【0042】
以上のとおり本実施例では、投写光学系6を第一の光源11と同様に面積の広い外装筐体面94hに配置する。これによって、第一の光源11の配置に伴う突出と、投写光学系6の配置に伴う突出を、1つの面に集中させることができるため、これらを別々の面に配置するよりも投写型画像表示装置104の小型化に寄与することができる。
【0043】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
11 第一の光源
12 第二の光源
21 第一のコリメートレンズ
22 第二のコリメートレンズ
21l 第一のコリメートレンズの長辺
22l 第二のコリメートレンズの長辺
21s 第一のコリメートレンズの短辺
22s 第二のコリメートレンズの短辺
3 ダイクロイックミラー
4 プリズム
5 変調素子
51 パネル
6 投写光学系
71、72、73、74 保持体
71h、72h、73h、74h 広い外装筐体面と向かい合わせとなる保持体面
71v、72v、73v、74v 保持体の側面
10 板状部材
81、82、83、84 光学モジュール
91、92、93、94 外装筐体
91h、92h、93h、94h 広い外装筐体面
91o、92o、93o、94o 投写口
101、102、103、104 投写型画像表示装置
C 投写方向
D1 第一の光源の出射方向
D2 第二の光源の出射方向