特開2015-61035(P2015-61035A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-61035(P2015-61035A)
(43)【公開日】2015年3月30日
(54)【発明の名称】ウェーハ保持装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20150303BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20150303BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20150303BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/66 J
   H01L21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-195618(P2013-195618)
(22)【出願日】2013年9月20日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】593209161
【氏名又は名称】日本エレクトロセンサリデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 学
(72)【発明者】
【氏名】大塚 丈介
【テーマコード(参考)】
4M106
5F131
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106CA38
4M106DB02
4M106DB07
4M106DJ02
4M106DJ04
4M106DJ06
5F131AA02
5F131BA39
5F131CA09
5F131CA32
5F131CA55
5F131CA56
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB02
5F131EA02
5F131EA14
5F131EB33
5F131EB37
5F131EB55
5F131EB56
5F131EB57
5F131EB58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェーハ保持装置が原因で一部の領域が検査できなくなるのを防止するウェーハ保持装置を提供する。
【解決手段】ウェーハWの端面をウェーハWの全周にわたって隙間なく保持するクランプパッド2a、2bを備え、クランプパッド2a、2bのウェーハWの端面との接触部21の形状をウェーハWの外周形状と同一の円弧で構成し、クランプパッド2a、2bのウェーハWの端面との接触部21を、クランプパッド2a、2bとウェーハWの端面とが密着するように変形又は変位するように構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを保持するウェーハ保持装置であって、
前記ウェーハの端面を前記ウェーハの全周にわたって隙間なく保持するクランプパッドを備えた、
ことを特徴とするウェーハ保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載のウェーハ保持装置であって、
前記クランプパッドの前記ウェーハの端面との接触部の形状を前記ウェーハの外周形状と同一の円弧で構成した、
ことを特徴とするウェーハ保持装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のウェーハ保持装置あって、
前記クランプパッドの前記ウェーハの端面との接触部を、前記クランプパッドと前記ウェーハの端面とが密着するように変形又は変位するように構成した、
ことを特徴とするウェーハ保持装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のウェーハ保持装置であって、
前記クランプパッドが、複数のパッドで構成される、
ことを特徴とするウェーハ保持装置。
【請求項5】
請求項4に記載のウェーハ保持装置であって、
前記クランプパッドが前記ウェーハを保持した状態では、隣接するパッド同士が密着する、
ことを特徴とするウェーハ保持装置。
【請求項6】
請求項4また5に記載のウェーハ保持装置であって、
前記複数のパッドの少なくとも一つが、前記ウェーハの端面に押し付けられる前は前記ウェーハを前記ウェーハ保持装置に搬送する搬送機構よりも上方又は下方で待機するように構成される、
ことを特徴とするウェーハ保持装置。
【請求項7】
請求項6に記載のウェーハ保持装置であって、
前記少なくとも一つのパッドを前記搬送機構よりも上方又は下方に配置される回転軸を中心に回転させ、前記少なくとも一つのパッドを前記ウェーハの端面に近づけて押し付ける回転駆動機構を備えた、
ことを特徴とするウェーハ保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの検査時にウェーハを保持する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの微細化により、基材であるシリコンウェーハ(以下「ウェーハ」)には、歩留まり向上のために非常に高い品質が求められている。また、ウェーハが大径化するにつれ、さらなる歩留まりを向上させるとともに枚葉当たりの半導体デバイス製造量を増やして製造コストを低減することが求められている。
【0003】
歩留まり向上のためには、ウェーハの端面境界領域直近に至るまで無駄なく使用することが必須であり、これに伴いウェーハの端面を除く全領域の品質要求がますます高まっている。このため、表面や端面の欠陥のみならず、裏面や内部に欠陥を有するウェーハが後工程に流出するのを防止しなければならず、そのためにはウェーハの裏面や内部の異物、クラック、気泡などの欠陥の有無を厳密に検査する必要がある。
【0004】
ウェーハの裏面を検査するウェーハ欠陥検査(以下「裏面欠陥検査」)としては、特許文献1に開示されるように、ウェーハの裏面に光を照射し、裏面で反射した光をカメラで撮像し、撮像した画像を解析処理することにより欠陥を検査する方法が知られている。
【0005】
また、ウェーハの内部にある欠陥を検査するウェーハ欠陥検査(以下「内部欠陥検査」)としては、特許文献2に開示されるように、ウェーハの裏面へ近赤外光を照射し、ウェーハを透過した近赤外光をウェーハの表面側からカメラで撮像し、撮像した画像を解析処理することにより欠陥を検査する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2008/072694公報
【特許文献2】特開2011−237303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
裏面欠陥検査や内部欠陥検査では、カメラと照明とウェーハとの位置関係が、最適な画像が得られるように配置され保持されていなければならない。そして、ウェーハの保持方法としては、ウェーハの裏面が汚染されないように裏面との接触を避け、ウェーハ保持装置によって端面近傍を保持するのが一般的である。
【0008】
しかしながら、このような構成では、ウェーハ保持装置によってカメラの視野や照明の光軸が遮られ、ウェーハの一部の領域が検査できないという課題があった。
【0009】
また、内部欠陥検査では、カメラと照明がウェーハを間に介して対峙しているため、ウェーハの端面とウェーハ保持装置との間に隙間があると、隙間から漏れ出た照明光がウェーハ上でハレーションを起こし、その部分が検査できなくなるという課題があった。
【0010】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、ウェーハ保持装置が原因で一部の領域が検査できなくなるのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある態様によれば、ウェーハの端面を前記ウェーハの全周にわたって隙間なく保持するクランプパッドを備えたウェーハ保持装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
上記態様によれば、裏面欠陥検査、内部欠陥検査等において、カメラの視野や照明の光軸が遮られず、また、ウェーハの端面とウェーハ保持装置の隙間から照明光が漏れ出ることがないので、裏面や内部の全ての領域を撮像することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ウェーハ保持装置の平面図である。
図2】ウェーハ保持装置の側面図である。
図3】クランプパッドの断面図である。
図4】ウェーハ保持装置の動作を説明する説明図である。
図5】ウェーハ保持装置の動作を説明する説明図である。
図6】ウェーハ保持装置の動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。
【0015】
図1図2は、本発明の実施形態におけるウェーハ保持装置1の概略構成を示している。ウェーハ保持装置1は、ウェーハWの裏面欠陥、内部欠陥等を検査する際にウェーハWを保持する装置であり、クランプパッド2a、2b、直線駆動機構3及び回転駆動機構4を備えている。図3は、クランプパッド2a、2bの断面図である。
【0016】
クランプパッド2a、2bは、ウェーハWを保持する際にウェーハWの端面に押し付けられる部材である。クランプパッド2a、2bのウェーハWの端面と接触する部位である接触部21は、その形状、具体的には、ウェーハW側の押付面がウェーハWの外周形状と同一の円弧で構成されている。また、接触部21は、クランプパッド2a、2bの他の部分とは異なる材質、例えば、やや軟質でウェーハWの端面を傷付けないテフロン材で構成される。また、ウェーハ保持装置1がウェーハWを保持した状態では、図1に示すようにクランプパッド2aとクランプパッド2bとの間に隙間ができないように、隣り合うクランプパッド2aとクランプパッド2bとが密着して配置される。
【0017】
直線駆動機構3は、クランプパッド2aを直線的に移動させる機構である。ウェーハWが所定の位置に搬送されてくると、直線駆動機構3は、ウェーハWの外径よりも外側に待機しているクランプパッド2aをウェーハWに向かって直線移動させてウェーハWの端面に押し付ける。
【0018】
回転駆動機構4は、回転軸Fを中心にクランプパッド2bを回転させる機構である(図5参照)。回転軸Fは、ウェーハWの径方向に対して直交する方向に延び、ウェーハWを搬送する搬送機構5よりも下方に配置される。回転駆動機構4は、搬送機構5よりも下方(又は上方)に待機しているクランプパッド2bを、回転軸Fを中心とする円弧Rに沿って移動させ、ウェーハWの端面に押し付ける。
【0019】
ウェーハ保持装置1の動作について説明すると、ウェーハ保持装置1がウェーハWを保持する前は、図4に示すように、クランプパッド2aがウェーハWの外径よりも外側に待機している。また、図5に示すように、クランプパッド2bが搬送機構5より下方に待機している。
【0020】
ウェーハ保持装置1によってウェーハWを保持する場合、まず、搬送機構5がウェーハWをクランプパッド2aの間に搬送する。搬送機構5は、例えば、搬送ロボットのアームである。このとき、クランプパッド2bは搬送機構5よりも下方(又は上方)で待機しているので、搬送機構5とクランプパッド2bとが干渉することはない。
【0021】
次に、直線駆動機構3がクランプパッド2aを移動させ、クランプパッド2aをウェーハWの端面に押し付け、ウェーハWを保持する。このとき、クランプパッド2aの接触部21がウェーハWの断面形状に応じて変形し、クランプパッド2aとウェーハWの端面との間には隙間が形成されない。図6は、クランプパッド2aのみによってウェーハWが保持されている状態を示す。
【0022】
次に、搬送機構5がウェーハWを放し、搬送機構5がウェーハ保持装置1から退避する。このときも、クランプパッド2bは搬送機構5よりも下方(又は上方)で待機しているので、搬送機構5とクランプパッド2bとが干渉することはない。
【0023】
搬送機構5がウェーハ保持装置1から待避すると、回転駆動機構4がクランプパッド2bを回転させてクランプパッド2bをウェーハWに近づけ、ウェーハWの端面に押し付け、ウェーハWをさらに保持する。このとき、クランプパッド2bの接触部21が同様にウェーハWの断面形状に応じて変形し、クランプパッド2bとウェーハWの端面との間には隙間が形成されない。
【0024】
以上の動作によって、図1に示したように、ウェーハWがクランプパッド2a、2bによって保持される。
【0025】
続いて本実施形態の作用効果について説明する。
【0026】
本実施形態では、クランプパッド2a、2bの接触部21の形状がウェーハWの外周形状と同一の円弧で構成され、また、クランプパッド2a、2bがウェーハWを保持した状態では隣り合うクランプパッド2a、2b同士が密着するようにしたので、クランプパッド2a、2bによってウェーハWの端面がウェーハWの全周にわたって隙間なく保持される。
【0027】
これにより、裏面欠陥検査、内部欠陥検査等において、ウェーハ保持装置1によってカメラの視野や照明の光軸が遮られることがなくなり、また、ウェーハWの端面とクランプパッド2a、2bとの隙間から照明光が漏れ出ることがないので、裏面や内部の全ての領域を撮像することが可能となる。また、ウェーハWにかかる負荷を軽減し、ウェーハWを安定して保持することができる。
【0028】
また、クランプパッド2a、2bの接触部21を、クランプパッド2a、2bとウェーハWの端面とが密着するように変形するように構成したので、様々な端面の断面形状に適合することが可能となり、ウェーハWにかかる負荷を軽減し、ウェーハWを安定して保持することができる。
【0029】
さらに、クランプパッド2bをウェーハWに押し付ける前はクランプパッド2bを搬送機構5よりも下方に待機させておき、回転駆動機構4によって回転軸Fを中心として回転させるとクランプパッド2bがウェーハWの端面に近づいて押し付けられるようにした。この構成によれば、搬送機構5とクランプパッド2bとの干渉を避けて搬送機構5からウェーハ保持装置1にウェーハWを直接受け渡すことができ、ウェーハWの保持に要する時間を短縮することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0031】
例えば、本実施形態では、クランプパッド2a、2bの接触部21をやや軟質なテフロン材で構成し、接触部21が変形することでクランプパッド2a、2bとウェーハWの端面とが密着するようにしているが、クランプパッド2a、2bの材質はこれに限定されない。
【0032】
また、クランプパッド2a、2bの接触部21を可動式にし、接触部21がウェーハWの端面に接触すると接触部21とウェーハWの端面との間の隙間を詰めるように接触部21を適宜変位させるフィッティング機構を設けてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 ウェーハ保持装置
2a クランプパッド
2b クランプパッド
3 直線駆動機構
4 回転駆動機構
5 搬送機構
21 接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6