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特開2015-61825置換フェニルエーテル化合物および有害生物防除剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-61825(P2015-61825A)
(43)【公開日】2015年4月2日
(54)【発明の名称】置換フェニルエーテル化合物および有害生物防除剤
(51)【国際特許分類】
   C07C 317/22 20060101AFI20150306BHJP
   C07C 323/20 20060101ALI20150306BHJP
   A01N 41/10 20060101ALI20150306BHJP
   A01N 31/16 20060101ALI20150306BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20150306BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20150306BHJP
【FI】
   C07C317/22
   C07C323/20CSP
   A01N41/10 A
   A01N31/16
   A01P7/02
   A01P7/04
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】105
(21)【出願番号】特願2013-268683(P2013-268683)
(22)【出願日】2013年12月26日
(62)【分割の表示】特願2013-264676(P2013-264676)の分割
【原出願日】2013年12月20日
(11)【特許番号】特許第5616519号(P5616519)
(45)【特許公報発行日】2014年10月29日
(31)【優先権主張番号】特願2013-171608(P2013-171608)
(32)【優先日】2013年8月21日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000242002
【氏名又は名称】北興化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 潤
(72)【発明者】
【氏名】尾上 真治
(72)【発明者】
【氏名】若林 仁
(72)【発明者】
【氏名】小林 優太
(72)【発明者】
【氏名】岡村 大悟
(72)【発明者】
【氏名】野尻 政時
(72)【発明者】
【氏名】尾上 美和
(72)【発明者】
【氏名】山岸 勝哉
【テーマコード(参考)】
4H006
4H011
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB02
4H006TA01
4H006TA04
4H011AC01
4H011AC04
4H011BB03
4H011BB07
4H011DA02
4H011DA15
4H011DA16
4H011DD03
(57)【要約】
【課題】有害生物に対する防除効果を有する新規な置換フェニルエーテル化合物およびこれを有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤を提供することを目的とする。
【解決手段】下記式(1−2)で表される置換フェニルエーテル化合物の提供。
【化1】


【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1−2):

(式(1−2)中、nが0または1のいずれかの整数を示す。
はフッ素原子、または塩素原子を示す。)
で表わされることを特徴とする置換フェニルエーテル化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の置換フェニルエーテル化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺ダニ剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な置換フェニルエーテル化合物およびこれを有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、農園芸場面における有害生物またはペット、家畜などの動物に対する有害生物を防除する有害生物防除剤が多数使用されているが、防除効果が十分ではないものや、当初は十分な効果が得られたものであっても、有害生物がそれらの薬剤に抵抗性を有するようになり、防除効果が低減してしまう場合がある。また、有害生物防除剤を散布して駆除を行っても、外部から飛来したり、散布時には卵であった有害生物が孵化したりして、新たな有害生物が発生するため、これらの散布後に発生した有害生物に対して防除効果を発揮する残効性が要求される。残効性を有さない薬剤は、散布回数が多くなるため、手間がかかる、有害生物が抵抗性を獲得しやすいといった欠点がある。また、汎用されている有害生物防除剤の中には、有害生物のみならず、人畜や魚介類にも強い毒性を示すもの、天敵に対して毒性を示すものもあり、また難分解性のため環境中に蓄積し環境汚染を引き起こすものあり、すべての面において高い性能を発揮する有害生物防除剤は非常に少ない。従って、従来汎用されている有害生物防除剤に抵抗性を獲得した有害生物に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、かつ、散布後も防除効果が持続し、しかも有用生物に対して安全性が高く、環境への悪影響がない新規な有害生物防除剤の開発が切望されている。
【0003】
ところで、これまでに置換フェニルエーテル化合物に関する殺虫、殺ダニ活性が知られている。例えば、特許文献1には、本発明に係る化合物と類似した、フェニルエーテル骨格を有する化合物が記載されている。特許文献1の一般式中Rは(C〜C)アルキル基のみを示し、本発明で示す式(1)中Aのハロアルキル基およびシクロアルキルアルキル基についての記載はされていない。
また、特許文献2および3には、殺虫および殺ダニ剤として有用なジフェニルエーテル化合物が記載されている。特許文献2および3は、2つのベンゼン環が直接酸素原子とエーテル結合を形成した化合物であるが、本発明のような2つのベンゼン環がアルキレン鎖を含む酸素原子とエーテル結合を形成した化合物の記載はない。
【0004】
また、特許文献4は、殺虫および殺ダニ剤として有用な3−置換フェニルスルフィドを含むアミジン化合物が記載されている。特許文献4に記載されている化合物はフェニルスルフィドのベンゼン環3位にアミジン骨格を有しているが、本発明のような置換フェニルエーテル骨格の記載はない。特許文献5および6には、殺虫および殺ダニ剤として有用な3−複素環置換フェニルスルフィド化合物が記載されている。特許文献5および6に記載されている化合物はそれぞれフェニルスルフィドのベンゼン環3位にトリアゾール環およびピラゾール環を有しているが、本発明のような置換フェニルエーテル骨格の記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本特開昭63−41451号公報
【特許文献2】日本特開昭51−79723号公報
【特許文献3】国際公開特許2013/111864号パンフレット
【特許文献4】国際公開特許2007/131680号パンフレット
【特許文献5】国際公開特許2006/043635号パンフレット
【特許文献6】国際公開特許2009/051245号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、安全で有害生物に対する防除効果を有する新規な置換フェニルエーテル化合物およびこれを有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討したところ、下記式(1)で表される置換フェニルエーテル化合物が有害生物に対して優れた防除効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本出願に係る発明の第1の態様は、下記式(1)で表される置換フェニルエーテル化合物に関するものである。
【化1】
【0009】
上記記式(1)中、AはC〜Cハロアルキル基、C〜Cハロアルケニル基、または置換されてもよいC〜CシクロアルキルC〜Cアルキル基(該基はハロゲン原子またはC〜Cアルキル基によりモノ置換またはポリ置換されてもよい。)を示し、nは0から2のいずれかの整数を示す。
およびXはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルコキシ基、C〜Cシクロアルキル基、またはハロゲン原子で置換されてもよいアリール基を示す。ただし、XおよびXが同時に水素原子にはなり得ない。
Yは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ホルミル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキルチオ基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキルスルフィニル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキルスルホニル基、C〜Cアルキルアミノ基、ジC〜Cアルキルアミノ基、C〜Cアルキルカルボニル基、C〜Cアルコキシカルボニル基、C〜Cアルコキシイミノメチル基、ハロゲン原子で置換されてもよいアリール基、ハロゲン原子で置換されてもよいアリールオキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいC〜C11アラルキルオキシ基を示し、mは1から5のいずれかの整数を示す。またmが2から5の整数を表すとき、Yは同一または相異なっていてもよい。また、mが2以上の整数を表すとき、隣り合ったYは互いに結合して、−OCHO−または−OCFO−を表すこともできる。
およびRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキル基、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルコキシ基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cアルキルカルボニルオキシ基、またはベンゾイルオキシ基を示し、pは1から5のいずれかの整数を示す。またpが2から5の整数を表すとき、異なる炭素原子上にあるRおよびRは同一または相異なっていてもよい。また、同一炭素原子上にあるRおよびRは各々1つの酸素原子または硫黄原子と結合して(=O)または(=S)と表すことができる。また、同一炭素原子上にあるRおよびRは同時に結合してC〜Cアルコキシイミノ基も表すことができる。また、同一炭素原子上にあるRおよびRは互いに結合し、2から5のアルキレン基で3員環、4員環、5員環および6員環を形成することができる。
Zは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、またはスルホニル基を示し、qは0または1のいずれかの整数を示す。ただし、pとqは同時に1に成り得ない。
【0010】
本出願に係る発明の第2の態様は、上記式(1)で表される置換フェニルエーテル化合物を含む有害生物防除剤に関するものである。
【0011】
本出願に係る発明の第3の態様は、下記式(2)で表される製造中間体に関するものである。
【0012】
【化2】
【0013】
上記式(2)中、Aは置換されてもよいC〜Cシクロアルキルメチル基(該基はフッ素原子、またはC〜Cアルキル基によりモノ置換またはポリ置換されてもよい。)を示し、nは0または1のいずれかの整数を示す。
はC〜Cアルキル基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子、またはC〜Cアルキル基を示す。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、有害生物に対する防除効果を有する新規な置換フェニルエーテル化合物、および置換フェニルエーテル化合物を含む有害生物防除剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る置換フェニルエーテル化合物は、下記式(1)で示される置換フェニル置換アルキルエーテル骨格を基本骨格とする。
【0016】
【化3】
【0017】
上記式(1)中、ハロゲン原子または置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の各元素が挙げられる。置換基としてのハロゲン原子の数は1または2以上であってよく、2以上の場合、各ハロゲン原子は同一でも相異なってもよい。また、ハロゲン原子の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0018】
上記式(1)中、Aで表されるC〜Cハロアルキル基としては、2−フルオロエチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2−ブロモ−2−クロロエチル基、2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、1−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、3−ヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル基、2,3−ジクロロプロピル基、2,3−ジブロモプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、1−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−クロロブチル基、3−クロロブチル基、4−クロロブチル基、2−クロロ−1,1−ジメチルエチル基、4−ブロモブチル基、3−ブロモ−2−メチルプロピル基、2−ブロモ−1,1−ジメチルエチル基、2,2−ジクロロ−1,1−ジメチルエチル基、2−クロロ−1−クロロメチル−2−メチルエチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、3,3,3−トリフルオロ−1−メチルプロピル基、3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロピル基、2,3,4−トリクロロブチル基、2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチル基、4−クロロ−4,4−ジフルオロブチル基、4,4−ジクロロ−4−フルオロブチル基、4−ブロモ−4,4−ジフルオロブチル基、2,4−ジブロモ−4,4−ジフルオロブチル基、3,4−ジクロロ−3,4,4−トリフルオロブチル基、3,3−ジクロロ−4,4,4−トリフルオロブチル基、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブチル基、4−ブロモ−3−クロロ−3,4,4−トリフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、4−クロロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基等が挙げられ、より好適には2,2,2−トリフルオロエチル基が挙げられる。
【0019】
上記式(1)中、Aで表されるC〜Cハロアルケニル基としては、ブロモビニル基、クロロビニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル基4,4−ジフルオロ−3−ブテニル基、3,4,4−トリフルオロ−3−ブテニル基等が挙げられ、より好適には3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル基が挙げられる。
【0020】
上記式(1)中、Aで表される置換されてもよいC〜CシクロアルキルC〜Cアルキル基のC〜CシクロアルキルC〜Cアルキル基部分としては、シクロプロピルメチル基、1−シクロプロピルエチル基、2−シクロプロピルエチル基、1−シクロプロピルプロピル基、2−シクロプロピルプロピル基、3−シクロプロピルプロピル基、1−シクロプロピルブチル基、2−シクロプロピルブチル基、3−シクロプロピルブチル基、4−シクロプロピルブチル基、シクロブチルメチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基が挙げられ、より好適にはシクロプロピルメチル基が挙げられる。置換基であるハロゲン原子は上記と同じ定義を示し、C〜Cアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が挙げられ、より好適にはフッ素原子またはメチル基が挙げられる。
【0021】
上記式(1)中、nは0〜2のいずれかの整数を示す。nが0の場合、酸素原子(O)は硫黄原子(S)に付加しておらず、nが1の場合は、酸素原子(O)は硫黄原子(S)に1つ付加し、スルフィニル基(S=O)を形成する。また、nが2の場合は、酸素原子(O)は硫黄原子(S)に2つ付加し、スルホニル基(O=S=O)を形成する。
【0022】
上記式(1)中、XおよびXで表されるハロゲン原子は上記と同じ定義を示し、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキル基のC〜Cアルキル基部分としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基等が挙げられ、より好適にはメチル基が挙げられる。
【0023】
上記式(1)中、XおよびXで表されるハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルコキシ基のC〜Cアルコキシ基部分としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられ、より好適にはメトキシ基が挙げられる。
【0024】
上記式(1)中、XおよびXで表されるC〜Cシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、より好適にはシクロプロピル基が挙げられる。
【0025】
上記式(1)中、XおよびXで表されるハロゲン原子で置換されてもよいアリール基のアリール基部分としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、より好適にはフェニル基が挙げられる。
【0026】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子は上記と同じ定義を示し、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好適であり、フッ素原子、塩素原子がより好適であり、フッ素原子が最も好適である。ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキル基のC〜Cアルキル基部分としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、i−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基等が挙げられ、より好適にはメチル基が挙げられる。
【0027】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルコキシ基のC〜Cアルコキシ基部分としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられ、より好適にはメトキシ基またはエトキシ基が挙げられる。
【0028】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキルチオ基のC〜Cアルキルチオ基部分としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基が挙げられ、より好適にはメチルチオ基またはエチルチオ基が挙げられる。
【0029】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキルスルフィニル基のC〜Cアルキルスルフィニル基部分としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n−プロピルスルフィニル基、i−プロピルスルフィニル基、n−ブチルスルフィニル基、i−ブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基が挙げられ、より好適にはメチルスルフィニル基またはエチルスルフィニル基が挙げられる。
【0030】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキルスルホニル基のC〜Cアルキルスルホニル基部分としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基が挙げられ、より好適にはメチルスルホニル基またはエチルスルホニル基が挙げられる。
【0031】
上記式(1)中、Yで表されるC〜Cアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基が挙げられ、より好適にはメチルアミノ基またはエチルアミノ基が挙げられる。
【0032】
上記式(1)中、Yで表されるジC〜Cアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、メチルn−プロピルアミノ基、エチルn−プロピルアミノ基、ジi−プロピルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジi−ブチルアミノ基、ジsec−ブチルアミノ基、ジtert−ブチルアミノ基が挙げられ、より好適にはジメチルアミノ基またはジエチルアミノ基が挙げられる。
【0033】
上記式(1)中、Yで表されるC〜Cアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、i−ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基等が挙げられ、より好適にはアセチル基が挙げられる。前記Cで示すアルキルカルボニル基の炭素原子の数は、カルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。
【0034】
上記式(1)中、Yで表されるC〜Cアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられ、より好適にはメトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基が挙げられる。前記Cで示すアルコキシカルボニル基の炭素原子の数は、カルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。
【0035】
上記式(1)中、Yで表されるC〜Cアルコキシイミノメチル基としては、メトキシイミノ基、エトキシイミノ基、n−プロポキシイミノ基、i−プロポキシイミノ基、n−ブトキシイミノ基、tert−ブトキシイミノ基等が挙げられ、より好適にはメトキシイミノ基が挙げられる。
【0036】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子で置換されてもよいアリール基のアリール基部分としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、より好適にはフェニル基が挙げられる。
【0037】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子で置換されてもよいアリールオキシ基のアリールオキシ基部分としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられ、より好適にはフェノキシ基が挙げられる。
【0038】
上記式(1)中、Yで表されるハロゲン原子で置換されてもよいC〜C11アラルキルオキシ基のC〜C11アラルキルオキシ基部分としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられ、より好適にはベンジルオキシ基が挙げられる。
【0039】
上記式(1)中、mは1〜5のいずれかの整数を示す。mが1の場合は、フェニル基を構成する5つの炭素原子(C)のいずれか1つにYが付加する。また、mが2から4の場合は、前記炭素原子(C)のいずれか2つまたは3つ、4つにYが付加し、mが5の場合は、前記炭素原子(C)のすべてにYが付加する。
【0040】
上記Y、mの組み合わせの中で、Yがフッ素原子、mが3であり、フェニル基の3,4,5位にフッ素原子が付加したものが好適である。
【0041】
上記式(1)中、RおよびRで表されるハロゲン原子は上記と同じ定義を示し、ハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルキル基のC〜Cアルキル基部分としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基等が挙げられ、より好適にはメチル基またはエチル基が挙げられる。
【0042】
上記式(1)中、RおよびRで表されるハロゲン原子で置換されてもよいC〜Cアルコキシ基のC〜Cアルコキシ基部分としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられ、より好適にはメトキシ基が挙げられる。
【0043】
上記式(1)中、RおよびRで表されるC〜Cシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、より好適にはシクロプロピル基が挙げられる。
【0044】
上記式(1)中、RおよびRで表されるC〜Cアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、i−ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基等が挙げられ、より好適にはアセチルオキシ基が挙げられる。前記Cで示すアルキルカルボニル基の炭素原子の数は、カルボニル基の炭素原子を除いた炭素原子の数である。
【0045】
上記式(1)中、pは1から5のいずれかの整数を示す。pが1から5の場合、それぞれメチレン鎖、エチレン鎖、プロピレン鎖、ブチレン鎖、ペンチレン鎖を示す。また、pが2から5の整数を表すとき、異なる炭素原子上にあるRおよびRは同一または相異なっていてもよい。また、同一炭素原子上にあるRおよびRは各々1つの酸素原子または硫黄原子と結合して(=O)または(=S)と表すことができる。また同一炭素原子上にあるRおよびRは同時に結合してC〜Cアルコキシイミノ基も表すことができ、メトキシイミノ基等が挙げられる。また、同一炭素原子上にあるRおよびRは互いに結合し、2から5のアルキレン基で3員環、4員環、5員環および6員環を形成することができる。
【0046】
上記式(1)中、Zは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基を示し、より好適には酸素原子が挙げられる。
【0047】
上記式(1)中、qは0または1のいずれかの整数を示す。ただし、pとqは同時に1に成り得ない。qが0の場合Zは式(1)には含まれず、qが1の場合は上記Zのいずれかの原子が付加する。
【0048】
次に、式(1)で表される置換フェニルエーテル化合物の代表例を表1〜表8に、式(2)で表されるフェノール化合物の代表例を表9に記載するがこれらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物には光学異性体およびE体、Z体を含む化合物が含まれる。化合物番号は以後の記載において参照される。
【0049】
なお、表中の次の表記は下記の通りそれぞれ該当する基を表す。
「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「Pr」はプロピル基、「n−Pr」はノルマルプロピル基、「i−Pr」はイソプロピル基、「Bu」はブチル基、「n−Bu」はノルマルブチル基、「Pen」はペンチル基、「n−Pen」はノルマルペンチル基、「Hex」はヘキシル基、「n−Hex」はノルマルヘキシル基、「Hep」はヘプチル基、「s−Bu」はセカンダリーブチル基、「i−Bu」はイソブチル基、「t−Bu」はターシャリーブチル基、「c−Pr」はシクロプロピル基、「c−Bu」はシクロブチル基、「c−Pen」はシクロペンチル基、「neo−Pen」はネオペンチル基、「c−Hex」はシクロヘキシル基、「c−Hep」はシクロヘプチル基、「THF」はテトラヒドロフリル基、「THP」はテトラヒドロピラニル基、「Ph」はフェニル基、「Bn」はベンジル基、「Ac」はアセチル基、「Bz」はベンゾイル基を表す。また「H」は水素原子を表す。「TLC上」および「TLC下」は異性体を示す。
【0050】
表1はqが0であり、pが1である式(1)の具体例を表し、表2はqが0であり、pが2である式(1)の具体例を表し、表3はqが0であり、pが3である式(1)の具体例を表し、表4はqが0であり、pが4である式(1)の具体例を表し、表5はqが0であり、pが5である式(1)の具体例を表し、表6はqが1であり、pが2である式(1)の具体例を表し、表7はqが1であり、pが3である式(1)の具体例を表し、表8はqが1であり、pが4である式(1)の具体例を表し、表9は式(2)の具体例を表す。R1a、R1b、R1c、R1d、R1eはアルキレン鎖上の置換位置を特定したRを表し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2eはアルキレン鎖上の置換位置を特定したRを表す。
【0051】
これらの表の列「Ym」において、例えば、3−Fは、フェニル基の3位にフッ素原子が置換していることを示し、3,4,5−Fは、フェニル基の3,4,5位に1つずつ、計3つのフッ素原子が置換していることを示し、2−F−4−Clは、フェニル基の2位にフッ素原子が、4位に塩素原子が置換していることを示す。
【0052】
【表1-1】
【0053】
【表1-2】
【0054】
【表1-3】
【0055】
【表1-4】
【0056】
【表1-5】
【0057】
【表1-6】
【0058】
【表1-7】
【0059】
【表1-8】
【0060】
【表1-9】
【0061】
【表1-10】
【0062】
【表1-11】
【0063】
【表1-12】
【0064】
【表1-13】
【0065】
【表1-14】
【0066】
【表1-15】
【0067】
【表1-16】
【0068】
【表1-17】
【0069】
【表1-18】
【0070】
【表1-19】
【0071】
【表1-20】
【0072】
【表1-21】
【0073】
【表1-22】
【0074】
【表1-23】
【0075】
【表1-24】
【0076】
【表2-1】
【0077】
【表2-2】
【0078】
【表2-3】
【0079】
【表2-4】
【0080】
【表2-5】
【0081】
【表2-6】
【0082】
【表2-7】
【0083】
【表2-8】
【0084】
【表2-9】
【0085】
【表2-10】
【0086】
【表2-11】
【0087】
【表2-12】
【0088】
【表2-13】
【0089】
【表2-14】
【0090】
【表2-15】
【0091】
【表2-16】
【0092】
【表2-17】
【0093】
【表2-18】
【0094】
【表3-1】
【0095】
【表3-2】
【0096】
【表4-1】
【0097】
【表4-2】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6-1】
【0100】
【表6-2】
【0101】
【表6-3】
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【0104】
【表9】
【0105】
式(1)で表される化合物の中で、下記式(1−1)で表される化合物が好ましく、特に好ましい代表例として下記式(1−2)で表される化合物が挙げられる。
【0106】
【化4】
【0107】
(式(1−1)中、nは0または1のいずれかの整数を示し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはシアノ基を示し、R1a、R2aは、それぞれ独立して、フッ素原子、水酸基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、メトキシ基、アセチルオキシ基、を示す。また、R1a、R2aは、一つの窒素原子に結合してメトキシイミノ基(=NOMe)、または、互いに結合して3員環、5員環を形成することができる。)
【0108】
【化5】
【0109】
式(1−2)中、nは0または1のいずれかの整数を示し、Xはフッ素原子、または塩素原子を示す。
【0110】
上記式(1)で表される本発明に係る化合物は、以下に示す製造方法に従って製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0111】
〔反応工程1〕
【化6】
(上記式中、A、X、X、Y、R、R、Z、m、p、qは上記式(1)で表される置換フェニルエーテル化合物と同じ意味を示し、nは1または2を示す。)
【0112】
本発明に係る式(1c)で表される化合物は、例えば、上記式(1b)で表される化合物と酸化剤を反応させることにより製造することができる。
本反応に用いられる酸化剤としては、例えば、過酸化水素、m−クロロ過安息香酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン(OXONE、イー・アイ・デュポン社商品名;ペルオキソ硫酸水素カリウム含有物)、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ジ亜塩素酸tert−ブチル、次亜塩素酸ナトリウム、酸素などである。好ましくはm−クロロ過安息香酸、過酸化水素などである。
【0113】
本反応に用いられる溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸、水、またはこれらの混合溶媒などである。好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、水などである。
【0114】
〔反応工程2〕
【化7】
(上記式中、Lはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、ハロアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基などの脱離基を示し、A、X、X、Y、R、R、Z、m、p、qは前記と同じ意味を示し、nは0から2のいずれかの整数を示す。)
【0115】
本発明に係る式(1)で表される化合物は、例えば、上記式(2a)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物を塩基の存在下、必要に応じて触媒の存在下で、反応させることにより製造することができる。
【0116】
上記式(3)で表される原料は場合によっては公知であり、東京化成工業株式会社、シグマアルドリッチ社などより入手することができる。または入手可能な試薬から実験化学講座、Organic Synthesesなどに記載の公知の方法に準じて容易に製造することもできる。
【0117】
本反応に用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどの塩基が挙げられる。好ましくは炭酸カリウム、トリエチルアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどである。
【0118】
本反応に用いられる触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミドまたはテトラブチルアンモニウムクロリドなどである。
【0119】
本反応に用いられる溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、水またはこれらの混合溶媒などである。好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、または水および有機溶媒の混合物などである。
【0120】
〔反応工程3〕
【化8】
(上記式中、A、X、X、Y、R、R、Z、n、m、p、qは前記と同じ意味を示す。)
【0121】
本発明に係る式(1)で表される化合物は、例えば、Bulletin of the Chemical Society of Japan、1967年、P.936、Bulletin of the Chemical Society of Japan、1967年、P.2380などに記載の方法に準じて、上記式(2a)で表される化合物と上記式(4)で表される化合物を光延反応させることにより製造することができる。
【0122】
上記式(4)で表される原料は場合によっては公知であり、東京化成工業株式会社、シグマアルドリッチ社などより入手することができる。または入手可能な試薬から実験化学講座、Organic Synthesesなどに記載の公知の方法に準じて容易に製造することもできる。
【0123】
本反応に用いられるリン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリtert−ブチルホスフィン、フェノキシジフェニルホスフィンなどが挙げられる。好ましくはトリフェニルホスフィン、フェノキシジフェニルホスフィンなどである。
【0124】
本反応に用いられるアゾジカルボン酸エステルとしては、例えば、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。好ましくはアゾジカルボン酸ジエチルなどである。
【0125】
本反応に用いられる溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類またはこれらの混合溶媒などである。好ましくはテトラヒドロフランなどである。
【0126】
〔反応工程4〕
【化9】
(上記式中、Xはハロゲン原子を示し、A、X、Y、R、R、Z、n、m、p、qは前記と同じ意味を示す。)
【0127】
本発明に係る式(1e)で表される化合物は、例えば、上記式(1d)で表される化合物とハロゲン化剤を反応させることにより製造することができる。
【0128】
本反応に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、塩化スルフリル、塩化チオニル、などが挙げられる。好ましくは塩素、臭素、ヨウ素、塩化スルフリルなどである。
【0129】
本反応に用いられる溶媒は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類またはこれらの混合溶媒などである。好ましくはジクロロメタンなどである。
【0130】
〔反応工程5〕
【化10】
(上記式中、PGはアルキルカルボニル基、ハロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基などの保護基を示し、X、X、Lは前記と同じ意味を示す。)
【0131】
上記式(5)で表される出発原料は公知化合物であり、東京化成工業株式会社、シグマアルドリッチ社などより入手することができる。
【0132】
上記式(7)で表される製造中間体は、上記反応工程5−1のように、上記式(5)で表される化合物と、上記式(6)で表される化合物を、塩基の存在下、反応させることにより製造することができる。
【0133】
上記反応工程5−1に用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどである。好ましくはトリエチルアミンなどである。
【0134】
上記反応工程5−1に用いられる溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、水またはこれらの混合溶媒などである。好ましくはジクロロメタンなどである。
【0135】
上記式(8)で表される製造中間体は、上記反応工程5−2のように、上記反応工程5−1により得られた上記式(7)で表される化合物と、クロロスルホン酸を反応させることにより製造することができる。また、上記式(8)で表される製造中間体は、上記反応工程5−1により得られた上記式(7)で表される化合物と、発煙硫酸を反応させた後、塩基の存在下、五酸化二りんと反応させることにより製造することができる。
【0136】
上記反応工程5−2に用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどである。好ましくは炭酸カリウムなどである。
【0137】
上記式(9)で表される製造中間体は、上記反応工程5−3のように、上記反応工程5−2により得られた上記式(8)で表される化合物と、金属および酸、水素化リチウムアルミニウムもしくは赤りん、ヨウ素および酸を用いて還元させることにより製造することができる。
【0138】
上記反応工程5−3に用いられる金属としては、例えば、亜鉛、すず、鉄、ニッケルなどである。好ましくは亜鉛、すずなどである。
【0139】
上記反応工程5−3に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、酢酸などである。好ましくは塩酸、酢酸などである。
【0140】
上記式(10)で表される製造中間体は、上記反応工程5−4のように、上記反応工程5−3により得られた上記式(9)で表される化合物と、酸または塩基を用いて加水分解させることにより製造することができる。
【0141】
上記反応工程5−4に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、酢酸などである。好ましくは塩酸、酢酸などである。
【0142】
上記反応工程5−4に用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどである。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどである。
【0143】
〔反応工程6〕
【化11】
(上記式中、A、L、X、Xは前記と同じ意味を示す。)
【0144】
本発明に係る式(2b)で表される化合物は、例えば、上記反応工程5により得られた上記式(10)で表される製造中間体と、上記式(11)で表される化合物を、塩基の存在下およびロンガリット(Rongalite、BASF社商品名;ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物)の存在下または非存在下で、反応させることにより製造することができる。また、必要に応じて触媒の存在下で、反応させることにより製造することもできる。
【0145】
上記式(11)で表される原料は場合によっては公知であり、東京化成工業株式会社、シグマアルドリッチ社などより入手することができる。または入手可能な試薬から実験化学講座、Organic Synthesesなどに記載の公知の方法に準じて容易に製造することもできる。
【0146】
ここで使用する式(11)で表される原料の使用量は、式(10)で表される化合物1モルに対して、1から5モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0から2.0モルである。
【0147】
本反応に用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどである。好ましくは炭酸カリウムなどである。
【0148】
ここで使用する塩基の使用量は、式(10)で表される化合物1モルに対して、0から5モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは0から2.0モルである。
【0149】
本反応に用いられる触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミドまたはテトラブチルアンモニウムクロリドなどである。
本反応に用いられる溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、水またはこれらの混合溶媒などである。好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、または水および有機溶媒の混合物などである。
【0150】
上記溶媒の使用量は、式(10)で表される化合物1モルに対して、0.1から100リットルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0から5.0リットルである。
【0151】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の範囲から選択すればよく、好ましくは0℃から150℃の範囲である。
【0152】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量などにより異なるが、好ましくは10分から20時間の範囲である。
【0153】
〔反応工程7〕
【化12】
(上記式中、A、X、Xは前記と同じ意味を示し、nは1または2を示す。)
【0154】
本発明に係る式(2c)で表される化合物は、例えば、上記式(2b)で表される化合物と酸化剤を反応させることにより製造することができる。
【0155】
本反応に用いられる酸化剤としては、例えば、過酸化水素、m−クロロ過安息香酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オキソン(OXONE、イー・アイ・デュポン社商品名;ペルオキソ硫酸水素カリウム含有物)、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ジ亜塩素酸tert−ブチル、次亜塩素酸ナトリウム、酸素などである。好ましくはm−クロロ過安息香酸、過酸化水素などである。
【0156】
ここで使用する酸化剤の使用量は、式(2b)で表される化合物1モルに対して、1.0から6.0モルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0から2.0モルである。
【0157】
本反応に用いられる溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸、水、またはこれらの混合溶媒などである。好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、水、メタノール、エタノールなどである。
【0158】
上記溶媒の使用量は、式(2b)で表される化合物1モルに対して、0.1から100リットルの範囲から適宜選択すればよく、好ましくは1.0から5.0リットルである。
【0159】
反応温度は−30℃から反応系における還流温度までの任意の範囲から選択すればよく、好ましくは−10℃から50℃の範囲である。
【0160】
反応時間は反応温度、反応基質、反応量等により異なるが、好ましくは10分から20時間の範囲である。
【0161】
上記反応工程1から反応工程7のいずれの反応においても、反応終了後に抽出、乾燥、濃縮、および精製などの有機合成における通常の操作を行うことにより、目的とする化合物を得ることができる。
【0162】
また、目的とする化合物の構造は、NMRスペクトルなど、公知の分析手段により同定することができる。
【0163】
なお、本発明に係る置換フェニルエーテル化合物は、上記製造方法に限定されることはなく、任意の有機合成手法により製造することができる。
【0164】
また、本発明化合物は、広範囲の昆虫類、ダニ類、甲殻類、軟体動物及び線虫類に対して、優れた防除活性を発揮しうる。本発明化合物は、特に、昆虫類、ダニ類に対して優れた防除活性を発揮する。
本発明化合物の中で、上記式(1−1)で表される化合物が、ダニ類に対して非常に優れた防除活性を発揮するため好ましい。さらに、上記式(1−2)で表される化合物が、散布後もダニ類に対する防除活性を維持する残効性に優れているため特に好ましい。また、上記式(1−2)で表される化合物は、マウスに対する経口投与試験から安全性にも優れている。本発明化合物が防除活性を発揮する生物の具体例としては以下のものが挙げられる。
【0165】
例えば、昆虫類としては、シミ目のヤマトシミ(Ctenolepisma villosa)、セイヨウシミ(Lepisma saccharina)、マダラシミ(Thermobia domestica)など、
ゴキブリ目のワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ヒメチャバネゴキブリ(Blattella lituricollis)など。
シロアリ目のアメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)など、
バッタ目のクサキリ(Ruspolia lineosa)、エンマコオロギ(Teleogryllus emma)、ケラ(Gryllotalpa orientalis)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)など、
チャタテムシ目のコチャタテ(Trogium pulsatorium)、ヒラタチャタテ(Liposcelis bostrychophila)、ウスグロチャタテ(Liposcelis corrodens)など、
ハジラミ目のニワトリナガハジラミ(Lipeurus caponis)、ニワトリオオハジラミ(Menacanthus stramineus)、ウシハジラミ(Damalinia bovis)、ウマハジラミ(Damalinia caprae)など、
シラミ目のウシジラミ(Haematopinus eurysternus)、ブタジラミ(Haematopinus suis)、コロモジラミ(Pediculus humanus capitis)、アタマジラミ(Pediculus humanus humanus)、ケジラミ(Pthirus pubis)など、
アザミウマ目のヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、ダイズアザミウマ(Mycterothrips glycines)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)、カキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi)など、
カメムシ目のフタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatella)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、アオバハゴロモ(Geisha distinctissima)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifoliae)、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、マメアブラムシ(Aphis craccivora)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、ナシアブラムシ(Schizaphis piricola)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricida)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、オオワラジカイガラムシ(Drosicha corpulenta)、イセリアカイガラムシ(Icerya purchasi)、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、ナシマルカイガラムシ(Diaspidiotus perniciosus)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、アカホシカメムシ(Creontiades coloripes)、アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、ツツジグンバイ(Stephanitis pyrioides)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、ツヤアオカメムシ(Glaucias subpunctatus)、アカスジカメムシ(Graphosoma rubrolineatum)、クサギカメムシ(Halyomorpha halys)、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、チャバネアオカメムシ(Plautia crossota stali)、カンシャコバネナガカメムシ(Cavelerius saccharivorus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、アカヒメヘリカメムシ(Rhopalus maculatus)、トコジラミ(Cimex lectularis)など、
コウチュウ目のアオドウガネ(Anomala albopilosa)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、ハナムグリ(Eucetonia pilifera)、コアオハナムグリ(Gametis jucunda)、ナガチャコガネ(Heptophylla picea)、マメコガネ(Popillia japonica)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes ogurae fuscicollis)、カバイロコメツキ(Ectinus sericeus sericeus)、マルクビクシコメツキ(Melanotus fortnumi fortnumi)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、コクヌスト(Tenebroides mauritanicus)、ヒメヒラタケシキスイ(Epuraea domina)、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、ニジュウヤホシテントウ(Henosepilachna vigintioctopunctata)、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus endai)、ブドウトラカミキリ(Xylotrechus pyrrhoderus)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)、ジアブロチカ(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、イモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、ヤサイゾウムシ(Listroderes costirostris)、イネゾウムシ(Echinocnemus bipunctatus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、シバオサゾウムシ(Sphenophrus venatus vestitus)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)など、
ノミ目のニワトリノミ(Ceratophyllus gallinae)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、ニワトリフトノミ(Echidnophaga gallinacea)、ヒトノミ(Pulex irritans)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)など、
ハエ目のダイズサヤタマバエ(Asphondylia yushimai)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、アカイエカ(Culex pipines pallens)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)、ミカンコミバエ(Bactrocera dorsalis)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)、アシグロハモグリバエ(Liriomyza huidobrensis)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、タマネギバエ(Delia antiqua)、タネバエ(Delia platura)、イエバエ(Musca domestica)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)など、
チョウ目のチャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、トビハマキ(Pandemis heparana)、イガ(Tinea translucens)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella malinella)、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、コナガ(Plutella xylostella)、ブドウスカシバ(Nokona regalis)、コスカシバ(Synanthedon hector)、カキノヘタムシガ(Stathmopoda masinissa)、イモキバガ(Helcystogramma triannulellum)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、モモシンクイガ(Carposina sasakii)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、モモノゴマダラメイガ(Conogethes punctiferalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、シロイチモジマダラメイガ(Etiella zinckenella)、アゲハ(Papilio xuthus)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、イチモンジセセリ(Parnara guttata guttata)、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)、チャドクガ(Arna pseudoconspersa)、マイマイガ(Lymantria dispar)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、ヘリオチス(Heliothis spp.)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、アワヨトウ(Mythimna separata)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)など、
ハチ目のチュウレンジハバチ(Arge pagana)、カブラハバチ(Athalia rosae ruficornis)、クリタマバチ(Dryocosmus kuriphilus)、キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)、クロヤマアリ(Formica japonica)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、ファイヤーアント(Solenopsis invicta)などが挙げられる。
【0166】
ダニ類としては、ミツバチヘギイタダニ(Varroa jacobsoni)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、トリサシダニ(Ornithonyssus sylvialum)、オオヤマダニ(Amblyomma spp.)、オウシマダニ(Boophilus microplus)、アミメマダニ(Dermacentor spp.)、キチマダニ(Haemaphysalis flava)、ツリガネチマダニ(Haemophysalis campanulata)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)、シュルツェマダニ(Ixodes persulcatus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、ハクサイダニ(Penthaleus erythrocephalus)、ムギダニ(Penthaleus major)、シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、スジブトホコリダニ(Tarsonemus bilobatus)、イヌニキビダニ(Demodex canis)、ネコニキビダニ(Demodex cati)、イネハダニ(Oligonychus shinkajii)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、クワオオハダニ(Panonychus mori)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、チューリップサビダニ(Aceria tulipae)、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、シトラスラストマイト(Phyllocoptruta oleivora)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナコナダニ(Tyrophagus similis)、ニワトリヒゼンダニ(Knemidokoptes spp.)、ヒツジキュウセンダニ(Psoroptes ovis)、ネコショウセンコウヒゼンダニ(Notoedres cati)、センコウヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)、アカツツガムシ(Leptotrombidium akamushi)、ネコツメダニ(Cheyletiella blakei)、イヌツメダニ(Cheyletiella yasguri)、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、セアカゴケグモ(Latrodectus hasseltii)などが挙げられる。
【0167】
甲殻類としては、オビヤスデ目のヤケヤスデ(Oxidus gracilis)など、
等脚目オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)など、
十脚目のアメリカザリガニ(Procambarus clarkii)など、
トビムシ目のキボシマルトビムシ(Bourletiella hortensis)などが挙げられる。
【0168】
軟体動物としては、原始紐舌目のスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)など、
有肺目のアフリカマイマイ(Achatina fulica)、ナメクジ(Meghimatium bilineatum)、チャコウラナメクジ(Lehmannina valentiana)、ウスカワマイマイ(Acusta despecta sieboldiana)などが挙げられる。
線虫類としては、ティレンクス目のイチゴメセンチュウ(Nothotylenchus acris)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus yamagutii)、ニセネグサレセンチュウ(Aphelenchus avenae)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)などが挙げられる。
【0169】
その他、動物内部寄生生物として、回虫類等、ぎょう虫類等、フィラリア類等、肝臓ジストマ、肺臓ジストマ、横川吸虫、日本住血吸虫、有鉤条虫、無鉤条虫、エキノコックス、広節裂頭条虫などが挙げられる。
【0170】
本発明化合物は農園芸用有害生物防除剤の有効成分として用いることができる。また製剤化においては、農薬製剤ガイド(編集:日本農薬学会施用法研究会、発行:社団法人日本植物防疫協会、1997年)に記載される適当な担体、界面活性剤、流動性改良剤、結合剤、増粘剤、防腐剤、などを配合してもよい。
【0171】
本発明化合物を含む農園芸用有害生物防除剤は、農園芸用有害生物防除剤の剤型として一般に使用されている任意の剤型に製剤化することができる。例えば、粉剤、粗粉剤、DL(ドリフトレス型)粉剤、フローダスト剤、微粒剤、細粒剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤、液剤、ゾル剤(フロアブル剤)、乳剤および油剤など通常用いられる剤型に製剤化することができるが、これらに限定されるものではない。
【0172】
たとえば、固体担体としては、鉱物質粉末(カオリン、ベントナイト、クレー、モンモリロナイト、タルク、バーミキュライト、石膏、珪藻土、白土、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、珪砂、硫安、尿素など)、植物質粉末(結晶セルロースなど)、高分子化合物(石油樹脂など)、アルミナ、珪酸塩、糖重合体などが挙げられる。
【0173】
また、液体担体としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、エチレングリコール、グリセリンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、セロソルブなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、脂肪酸グリセリンエステルなど)、ニトリル類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)、脂肪族または脂環式炭化水素類(ケロシン、灯油、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等)、石油留分などが挙げられる。
【0174】
また、製剤化に際して、乳化、分散、可溶化、湿潤、発泡、潤滑、拡展、展着、崩壊などの目的で界面活性剤を配合できる。このような界面活性剤としては、非イオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーなど)、陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルスルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート、アリールスルホネート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリカルボン酸塩など)、陽イオン型界面活性剤(ラウリルアミン、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどのアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、など)、両性型界面活性剤(ジアルキルアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタインなど)が挙げられるが、もちろんこれら例示のもののみに限定されるものでない。
【0175】
また、流動性改良剤としては、イソプロピルリン酸エステル、ステアリン酸カルシウムなどを例示できる。結合剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、カルボキシメチルデンプン、デキストリン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、マンナン、ペクチン、トラガントガム、マンニット、ソルビトール、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、リグニンスルホン酸カルシウムなどを例示できる。増粘剤としては、グアーガム、キサンタンガム、トラガントガム、カゼイン、デキストリン、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールおよび水溶性セルロースエーテルなどを例示できる。防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルおよび1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどを例示できる。
【0176】
本発明化合物の含有量は、製剤の剤型および使用方法により、適宜選択することができる。一般に好ましい含有量は、製剤全体量に対して0.0001〜90重量%の範囲である。
【0177】
例えば、粉剤であれば、製剤全体量に対して、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜20重量%であり、水和剤であれば、製剤全体量に対して、通常0.01〜90重量%、好ましくは、0.1〜60重量%であり、乳剤であれば、製剤全体量に対して、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜70重量%であり、フロアブル剤であれば、製剤全体量に対して、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜50重量%であり、粒剤であれば、製剤全体量に対して、通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜20重量%の範囲である。
【0178】
本発明化合物を、農園芸用有害生物防除剤として使用する場合には必要に応じて製剤時または散布時に、殺菌剤(殺かび剤、殺細菌剤、抗ウィルス剤、植物抵抗性誘導剤)、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、鳥類忌避剤、生長調製剤、肥料、土壌改良剤等から選ばれる1種以上の任意成分と混合製剤とし、あるいは散布時にタンクミックスで混用施用してもよい。
【0179】
上記任意成分のうち、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤および殺線虫剤の代表例を以下に示すが、これらのみに限定されるものではない。
殺菌剤:
(1)銅剤
塩基性塩化銅(copper oxychloride)、塩基性硫黄銅(copper sulfate)、水酸化第二銅(copper hydroxide)、硫酸銅(copper sulfate)、オキシン銅(oxine−copper)、ノニルフェノールスルホン銅(copper nonylphenol sulfonate)、DBEDCなど。
【0180】
(2)無機殺菌剤
硫黄(sulfer)、石灰硫黄合剤(calcium polysulfide)、炭酸水素ナトリウム(sodium hydrogen carbonate)、炭酸水素カリウム(potassium hydrogen carbonate)、金属銀(silver)など。
【0181】
(3)有機硫黄殺菌剤
ジラム(ziram)、マンネブ(maneb)、マンコゼブ(mancozeb)、アンバム(ambam)、ポリカーバメート(polycarbamate)、プロピネブ(propineb)、チウラム(thiuram)、チアジアジン(thiadiazin)、ジネブ(zineb)など。
【0182】
(4)有機リン系殺菌剤
IBP、EDDP、トルクロホスメチル(tolclofos−methyl)、ピラゾホス(pyrazophos)、ホセチル(fosetyl−alminium)など。
【0183】
(5)ベンゾイミダゾール系殺菌剤
カルベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネートメチル(thiophanate−methyl)、ベノミル(benomyl)など。
【0184】
(6)ジカルボキシイミド系殺菌剤
イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)など。
【0185】
(7)カルボキサミド系殺菌剤
オキシカルボキシン(carboxin)、カルボキシン(carboxin)、メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、ボスカリド(boscalid)、フルオピラム(fluopyram)、フラメトピル(furametpyr)、チフルザミド(thifluzamide)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、ビキサフェン(bixafen)、ペンフルフェン(penflufen)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad),イソピラザム(isopyrazam)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、セダキサン(sedaxane)など。
【0186】
(8)フェニルアマイド系殺菌剤
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシルM(metalaxyl−M)、オキサジキシル(oxadixyl)、フララキシル(furalaxyl)、オフラース(ofurace)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシルM(benalaxyl−M)など。
【0187】
(9)カルボン酸アミド系殺菌剤
ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb−isopropyl)、マンジプロパミド(mandipropamid)、バリフェナレート(valifenalate)など。
【0188】
(10)SBI剤
トリフルミゾール(triflumizole)、プロクロラズ(prochloraz)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、ミクロブタニル(myclobutanil)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、メトコナゾール(metconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、イマザリル(imazalil)、フェナリモル(fenarimol)、トリホリン(triforine)、トリアジメノール(triadimenol)、フルトリアホール(flutriafol)、ピリフェノックス(pyrifenox)、トリデモルフ(tridemorph)、ドデモルフ(dodemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、スピロキサミン(spiroxamine)、ピルイソキサゾール(pyrisoxazole)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、ピリブチカルブ(pyributicarb)など。
【0189】
(11)ストロビルリン系殺菌剤
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim−methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、メトミノスロトビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)など。
【0190】
(12)アニリノピリミジン系殺菌剤
シプロジニル(cyprodinil)、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil)など。
【0191】
(13)フェニルピロール系殺菌剤
フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)など。
【0192】
(14)抗生物質殺菌剤
カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxin)、バリダマイシン(validamycin)、ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)、ブラストサイジンS(blasticidin−S)など。
【0193】
(15)その他の殺菌剤
DKF−1001(コード番号)、MIF−1002(コード番号)、NF−171(コード番号)、S−2200(コード番号)、SB−4303(コード番号)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar−S−methyl)、アミスルブロム(amisulbrom)、アメトクトラジン(ametoctradin)、イソチアニル(isotianil)、イソフェタミド(isofetamid)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine tris(albesilate))、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine triacetate)、エクロメゾール(echlomezol)、エタボキサム(ethaboxam)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、カプタホール(captafol)、カルプロパミド(carpropamid)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キノメチオナート(chinomethionat)、キャプタン(captan)、クロロネブ(chloroneb)、クロロタロニル(chlorothalonil)、シアゾファミド(cyazofamid)、ジエトフェンカルブ(diethofencaeb)、ジクロシメット(diclocymet)、ジクロメジン(diclomezine)、ジチアノン(dithianon)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、ジフルメトリム(diflumetorim)、シモキサニル(cymoxanil)、シルチオファム(silthiofam)、ゾキサミド(zoxamide)、ダゾメット(dazomet)、チアジニル(tiadinil)、テクロフタラム(teclofthalam)、テブフロキン(tebufloquin)、ドジン(dodine)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トルプロカルブ(tolprocarb)、トルミファニド(tolnifanide)、ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyisoxazole)、ピリオフェノン(pyriofenone)、ピロキロン(pyroquilon)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェリムゾン(ferimzone)、フェンピラザミン(fenpyrazamine)、フサライド(phthalide)、ブピリメート(bupirimate)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、フルアジナム(fluazinam)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオルイミド(fluoroimide)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルチアニル(flutianil)、プロキナジド(proquinazid)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)、プロベナゾール(probenazole)、ペンシクロン(pencycuron)、ホルペット(folpet)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、メトラフェノン(metrafenone)、ラミナリン(laminarin)など。
【0194】
殺虫剤:
(1)有機リン系殺虫剤
アセフェート(acephate)、アジンホス−メチル(azinphos−methyl)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス−メチル(chlorpyrifos−methyl)、シアノホス(cyanophos)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion)、ジクロルボス(dichlorvos)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、イソフェンホス(isofenphos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メチダチオン(methidathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレッド(naled)、オキシデメトン−メチル(oxydemeton−methyl)、パラチオン(parathion)、パラチオン−メチル(parathion−methyl)、フェントエート(phenthoate)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホキシム(phoxim)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methyl)、プロフェノホス(profenofos)、プロパホス(propaphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス(quinalphos)、テブピリミホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テルブホス(terbufos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、チオメトン(thiometon)、トリクロルホン(trichlorfon)、バミドチオン(vamidothion)など。
【0195】
(2)カーバメート系殺虫剤
アルジカルブ(aldicarb)、アラニカルブ(alanycarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メソミル(methomyl)、メトルカルブ(metolcarb)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、トリアザメート(triazamate)、XMC、キシリカルブ(xylylcarb)など。
【0196】
(3)ピレスロイド系殺虫剤
アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ−シフルトリン(beta−cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、ラムダ−シハロトリン(lambda−cyhalothrin)、ガンマ−シハロトリン(gamma−cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファ−シペルメトリン(alpha−cypermethrin)、ゼータ−シペルメトリン(theta−cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、タウ−フルバリネート(tau−fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、メトフルトリン(metofluthrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン(phenothrin[(1R)−trans−isomer])、ピレトリン(pyrethrins)、レスメトリン(resmethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)など。
【0197】
(4)ネライストキシン系殺虫剤
ベンスルタップ(bensultap)、カルタップ(cartap hydrochloride)、チオシクラム(thiocyclam)など。
【0198】
(5)ネオニコチノイド系殺虫剤
アセタミプリド(acetamiprid)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)など。
【0199】
(6)ジアミド系殺虫剤
クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、フルベンジアミド(flubendiamide)など。
【0200】
(7)フェニルピラゾール系殺虫剤
アセトプロール(acetoprole)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、フルフィプロール(flufiprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)など。
【0201】
(8)マクロライド系殺虫剤
アバメクチン(abamectin)、アベルメクチン(avermectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin benzoate)、レピメクチン(lepimectin)、ミルベメクチン(milbemectin)、スピネトラム(spinetoram)、スピノサド(spinosad)など。
【0202】
(9)ベンゾイルウレア系殺虫剤
ビストリフルロン(bistrifluron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルアズロン(fluazuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)など。
【0203】
(10)ジアシルヒドラジン系殺虫剤
クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)など。
【0204】
(11)その他の殺虫剤有効成分
アフィドピロペン(afidopyropen)、アザジラクチン(azadiractin)、ブプロフェジン(buprofezin)、キノメチオネート(chinomethionat)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、シクラニリプロール(cyclaniliprole)、シロマジン(cyromazine)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ジコホル(dicofol)、ジエノクロル(dienochlor)、エンドスルファン(endosulfan)、フロメトキン(flometquin)、フロニカミド(flonicamid)、フルフェネリム(flufenerim)、フルピラジフロン(flupyradifurone)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、ハイドロプレン(hydroprene)、インドキサカルブ(indoxacarb)、メタフルミゾン(metaflumizone)、メタアルデヒド(metaldehyde)、メトプレン(methoprene)、メトキシクロル(methoxychlor、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ロテノン(rotenone)、スピロテトラマト(spirotetramat)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、オレイン酸ナトリウム、ケイソウ土、脂肪酸グリセリド、デンプン(starch)、なたね油、粘着剤(polybutene)、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、マシン油(petroleum oil)、硫酸ニコチン(nicotine−sulfate)、燐酸第二鉄など。
【0205】
(12)殺ダニ剤
アセキノシル(acequinocyl)、アミドフルメト(amidoflumet)、アミトラズ(amitraz)、ビフェナゼート(bifenazate)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、クロフェンテジン(clofentezine)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、シヘキサチン(cyhexatin)、エトキサゾール(etoxazole)、フェナザキン(fenazaquin)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、プロパルギット(propargite)、ピフルブミド(pyflubumide)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリダベン(pyridaben)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テトラジホン(tetradifon)など。
【0206】
(13)殺線虫剤
アルドキシカルブ(aldoxycarb)、カズサホス(cadusafos)、カーバムナトリウム塩(carbam sodium)、1,3−ジクロロプロペン(1,3−dichloropropene)、DCIP、フルエンスルホン(fluensulfone)、ホスチアゼート(fosthiazate)、イミシアホス(imicyafos)、塩酸レバミゾール(levamisol hydrochloride)、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メチルイソチオシアネート(methyl isothiocyanate)、酒石酸モランテル(morantel tartrate)、ネマデクチン(nemadectin)など。
【0207】
(14)その他
核多角体ウィルス(nuclear polyhedrosis virus,NPV)、顆粒病ウィルス(granulosis virus,GV)、細胞質多角体病ウィルス(cytoplasmic polyhedrosis virus,CPV)、昆虫ポックスウィルス(entomopoxvirus,EPV)などのウィルス剤、バチルス・チューリンゲンシス菌由来の生芽胞および産生結晶毒素、並びにそれらの混合剤、スタイナーネマ・カーポカプサエ(Steinernema carpocapsae)、パスツーリア・ペネートランス(Pasteuria penetrans)等の殺虫・殺線虫剤として利用される微生物農薬、昆虫フェロモン剤、昆虫誘引剤など。
【実施例】
【0208】
以下、置換フェニルエーテル化合物の合成例、製剤例および試験例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。
【0209】
〔合成例1〕1,2,3−トリフルオロ−5−[[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]メチル]ベンゼン(1−140)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノール(500mg、2.08mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5ml)に炭酸カリウム(345mg、2.50mmol)および3,4,5−トリフルオロベンジルブロミド(東京化成工業株式会社製)(515mg、2.29mmol)を室温で添加し、同温で3時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5)により精製して、黄色油状の標記化合物(収量624mg、収率78%)を得た。
【0210】
〔合成例2〕1−フルオロ−5−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)−2−[(3,4,5−トリフルオロフェニル)メトキシ]ベンゼン(1−141)の合成
1,2,3−トリフルオロ−5−[[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]メチル]ベンゼン(210mg、0.546mmol)のジクロロメタン溶液(2ml)に70%3−クロロ過安息香酸(150mg、0.608mmol)を0℃で添加し、同温で1時間攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)により精製して、白色結晶の標記化合物(収量170mg、収率78%)を得た。
【0211】
〔合成例3〕1−(シクロプロピルメチルチオ)−4−フルオロ−2−メチル−5−[(3,4,5−トリフルオロフェニル)メトキシ]ベンゼン(1−684)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノールの代わりに5−(シクロプロピルメチルチオ)−2−フルオロ−4−メチル−フェノールを用いて合成例1と同様の反応および処理を行うことにより、白色結晶の標記化合物(収率100%)を得た。
【0212】
〔合成例4〕1−(シクロプロピルメチルスルフィニル)−4−フルオロ−2−メチル−5−[(3,4,5−トリフルオロフェニル)メトキシ]ベンゼン(1−685)の合成
1,2,3−トリフルオロ−5−[[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]メチル]ベンゼンの代わりに1−(シクロプロピルメチルチオ)−4−フルオロ−2−メチル−5−[(3,4,5−トリフルオロフェニル)メトキシ]ベンゼンを用いて合成例2と同様の反応および処理を行うことにより、白色結晶の標記化合物(収率77%)を得た。
【0213】
〔合成例5〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]エチル]ベンゼン(2−7)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノール(545mg、2.27mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)に2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エタノール(400mg、2.27mmol)、トリフェニルホスフィン(714mg、2.72mmol)、アゾジカルボン酸ジエチル(2.2Mトルエン溶液、1.24ml、2.73mmol)を0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)により精製して、無色油状の標記化合物(収量650mg、収率72%)を得た。
【0214】
〔合成例6〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェノキシ]エチル]ベンゼン(2−8)の合成
1,2,3−トリフルオロ−5−[[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]メチル]ベンゼンの代わりに1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]エチル]ベンゼンを用いて合成例2と同様の反応および処理を行うことにより、白色結晶の標記化合物(収率98%)を得た。
【0215】
〔合成例7〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]−1,1−ジメチル−エチル]ベンゼン(2−265)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノール(410mg、1.71mmol)のトルエン溶液(3ml)に2−メチル−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)プロパン−1−オール(350mg、1.71mmol)、フェノキシジフェニルホスフィン(東京化成工業株式会社製)(570mg、2.05mmol)、アゾジカルボン酸ジエチル(2.2Mトルエン溶液、0.930ml、2.05mmol)を0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5)により精製して、無色油状の標記化合物(収量111mg、収率15%)を得た。
【0216】
〔合成例8〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェノキシ]−1,1−ジメチル−エチル]ベンゼン(2−266)の合成
1,2,3−トリフルオロ−5−[[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]メチル]ベンゼンの代わりに1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]−1,1−ジメチル−エチル]ベンゼンを用いて合成例2と同様の反応および処理を行うことにより、無色油状の標記化合物(収率21%)を得た。
【0217】
〔合成例9〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]エトキシ]ベンゼン(6−9)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノール(240mg、0.999mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3ml)に炭酸カリウム(180mg、1.30mmol)および5−(2−ブロモエトキシ)−1,2,3−トリフルオロベンゼン(268mg、1.05mmol)を室温で添加し、同温で7時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/4)により精製して、白色油状の標記化合物(収量410mg、収率99%)を得た。
【0218】
〔合成例10〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェノキシ]エトキシ]ベンゼン(6−10)の合成
1,2,3−トリフルオロ−5−[[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]メチル]ベンゼンの代わりに1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]エトキシ]ベンゼンを用いて合成例2と同様の反応および処理を行うことにより、白色結晶の標記化合物(収率68%)を得た。
【0219】
〔合成例11〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]プロポキシ]ベンゼン(7−9)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノール(300mg、1.25mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3ml)に炭酸カリウム(224mg、1.62mmol)および5−(3−ブロモプロポキシ)−1,2,3−トリフルオロベンゼン(403mg、1.50mmol)を室温で添加し、同温で7時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/4)により精製して、白色油状の標記化合物(収量440mg、収率82%)を得た。
【0220】
〔合成例12〕1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェノキシ]プロポキシ]ベンゼン(7−10)の合成
1,2,3−トリフルオロ−5−[[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]メチル]ベンゼンの代わりに1,2,3−トリフルオロ−5−[2−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノキシ]プロポキシ]ベンゼンを用いて合成例2と同様の反応および処理を行うことにより、白色結晶の標記化合物(収率80%)を得た。
【0221】
〔合成例13〕5−(シクロプロピルメチルチオ)−2−フルオロ−4−メチルフェノール(9−3)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−スルファニルフェノール(0.59g、3.73mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10ml)に炭酸カリウム(0.77g、5.58mmol)、ロンガリット(0.13g、1.10mmol)、およびシクロプロピルメチルブロミド(0.60g、4.44mmol)を0℃で添加し、室温で4時間攪拌した。反応混合物に1N塩酸水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/10)で精製して、黄色油状の標記化合物(収量0.50g、収率64%)を得た。
【0222】
〔合成例14〕1−[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エトキシ]−2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ベンゼン(2−209)の合成
2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノール(500mg、2.08mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5ml)に炭酸カリウム(374mg、2.71mmol)および[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]トリフルオロメタンスルホネート(859mg、2.50mmol)を0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5)により精製して、無色油状の標記化合物(収量723mg、収率80%)を得た。
【0223】
〔合成例15〕1−[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エトキシ]−2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)ベンゼン(2−210)の合成
1−[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エトキシ]−2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ベンゼン(370mg、0.897mmol)のクロロホルム溶液(4ml)に70%3−クロロ過安息香酸(200mg、0.897mmol)を0℃で添加し、同温で1時間攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)により精製して、白色結晶の標記化合物(収量370mg、収率97%)を得た。
【0224】
〔合成例16〕1−クロロ−2−[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エトキシ]−5−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ベンゼン(2−447)の合成
2−クロロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェノール(2.00g、7.79mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20ml)に炭酸カリウム(1.40g、10.1mmol)および[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]トリフルオロメタンスルホネート(3.20g、9.30mmol)を0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5)により精製して、無色油状の標記化合物(収量3.08g、収率88%)を得た。
【0225】
〔合成例17〕1−クロロ−2−[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エトキシ]−5−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)ベンゼン(2−448)の合成
1−クロロ−2−[2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エトキシ]−5−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ベンゼン(130mg、0.897mmol)のジクロロメタン溶液(4ml)に70%3−クロロ過安息香酸(200mg、0.897mmol)を5℃で添加し、室温で3時間攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/30)により精製して、白色結晶の標記化合物(収量130mg、収率100%)を得た。
【0226】
前記合成例ならびに前記合成例に準じて製造した本発明に係る化合物のHNMRスペクトル(CDCl) σ(ppm)値および融点(℃)等を、表10に示す。HNMRデータは、JNM−ECS400スペクトロメーター(日本電子株式会社製)により測定したものである。
【0227】
【表10-1】
【0228】
【表10-2】
【0229】
【表10-3】
【0230】
【表10-4】
【0231】
【表10-5】
【0232】
【表10-6】
【0233】
【表10-7】
【0234】
【表10-8】
【0235】
【表10-9】
【0236】
【表10-10】
【0237】
以下、参考合成例1〜参考合成例8は、上記合成例1〜合成例17の出発物質を市販品から合成する合成例を示すものであるが、それらに何ら限定されるものではない。
【0238】
〔参考合成例1〕2−フルオロ−4−メチル−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]フェノールの合成
2−フルオロ−4−メチル−5−スルファニルフェノール(3.00g、19.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(30ml)に炭酸カリウム(2.88g、20.8mmol)、ロンガリット(0.900g、7.62mmol)、および2,2,2−トリフルオロ−1−ヨードエタン(4.18g、19.9mmol)を0℃で添加し、室温で4時間攪拌した。反応混合物に1N塩酸水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)で精製して、黄色油状の標記化合物(収量3.96g、収率87%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:7.16(1H,d,J=8.7Hz),6.94(1H,d,J=11.0Hz),5.13(1H,br.s),3.31(2H,q,J=9.8Hz),2.37(3H,s).
【0239】
〔参考合成例2〕2−フルオロ−4−メチル−5−スルファニルフェノールの合成
2−フルオロ−4−メチルフェノール(24.96g、197.9mmol)(シグマアルドリッチ社製)およびトリエチルアミン(26.03g、257.3mmol)のジクロロメタン溶液(500ml)にクロロギ酸エチル(23.62g、217.7mmol)を0℃で添加し、同温で2時間攪拌した。反応混合物を1N塩酸水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧濃縮し、無色油状物(収量39.22g、収率100%)を得た。得られた油状物をクロロスルホン酸(117.00g、1000mmol)に0℃で添加し、室温で18時間反応させた。反応混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して、褐色油状物(収量46.49g、収率78%)を得た。得られた油状物の酢酸溶液(130ml)に赤リン(16.99g、548.4mmol)およびヨウ素(1.99g、7.84mmol)を室温で添加し、2時間加熱還流した。反応混合物に氷水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧濃縮して、褐色油状物(収量30.13g、収率71%)を得た。得られた油状物を10%水酸化カリウム水溶液(4l)に添加し、3時間加熱還流した。反応混合物に濃塩酸を加えpH7に調製し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧濃縮し褐色油状の標記化合物(収量16.46g、収率94%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:6.94(1H,d,J=8.7Hz),6.88(1H,d,J=11.4Hz),4.95(1H,br.s),3.20(1H,br.s),2.23(3H,s).
【0240】
〔参考合成例3〕2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エタノールの合成
1,2,3−トリフルオロ−5−ビニルベンゼン(アポロ社製)(1.00g、6.32mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)にジメチルスルフィドボラン(d=0.800、0.660ml、7.04mmol)を0℃で添加し、室温で12時間反応させた。水(3.0ml)、2N水酸化ナトリウム水溶液(15ml)および30%過酸化水素水(1.4ml)を添加し、同温で6時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)により精製して、無色油状の標記化合物(収量809mg、収率73%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:6.89−6.83(2H,m),3.86(2H,q、J=6.0Hz),2.80(2H,t、J=6.0Hz),1.41(1H,br.s).
【0241】
〔参考合成例4〕2−メチル−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)プロパン−1−オールの合成
3,4,5−トリフルオロベンジルブロミド(東京化成工業株式会社製)(5.00g、22.2mmol)のアセトニトリル(40ml)溶液に水(10ml)、シアン化カリウム(1.74g、26.7mmol)および18−クラウン−6−エーテル(東京化成工業株式会社製)(0.590g、2.22mmol)を室温で添加し、50℃で3時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)により精製して、無色油状物(収量3.74g、収率98%)を得た。得られた油状物のジメトキシエタン溶液(40ml)に水素化ナトリウム(60%、2.19g、54.6mmol)およびヨウ化メチル(15.5g、110mmol)を0℃で添加し、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5)により精製して、白色固体(収量4.00g、収率92%)を得た。得られた固体の酢酸溶液(20ml)に60%硫酸水溶液(40ml)を加え120℃で2時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム(6.90g、100mmol)を室温で添加し、90℃で2時間攪拌した。反応混合物に氷水を注ぎ析出した固体を水で洗浄後、減圧乾燥により白色固体(収量3.86g、収率87%)を得た。得られた固体のジクロロメタン溶液(40ml)にオキザリルクロリド(3.36g、26.5mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.10mmol)を添加し、1時間還流した。反応溶液を減圧濃縮し、黄色固体(4.63g)を得た。得られた固体のテトラヒドロフラン溶液(40ml)に水素化アルミニウムリチウム(686mg、18.1mmol)を0℃で添加し、室温で1時間攪拌した。反応混合物にジエチルエーテルを注ぎ、水を少量加え室温で1時間攪拌した。吸引ろ過で沈殿物を除き、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3)により精製して、無色油状の標記化合物(収量3.13g、収率87%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:7.01−6.97(2H,m),3.57(2H,s),1.29(6H,s).
【0242】
〔参考合成例5〕5−(2−ブロモエトキシ)−1,2,3−トリフルオロベンゼンの合成
3,4,5−トリフルオロフェノール(東京化成工業株式会社製)(1.13g、7.63mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)に2−ブロモ−1−エタノ−ル(1.43g、11.4mmol)、トリフェニルホスフィン(2.20g、8.39mmol)およびアゾジカルボン酸ジエチル(2.2Mトルエン溶液、3.82ml、8.41mmol)を0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/10)により精製して、無色油状の標記化合物(収量1.44g、収率74%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:6.58−6.50(2H,m),4.22(2H,t、J=6.0Hz),3.61(2H,t、J=6.0Hz).
【0243】
〔参考合成例6〕5−(3−ブロモプロポキシ)−1,2,3−トリフルオロベンゼンの合成
3,4,5−トリフルオロフェノール(東京化成工業株式会社製)(1.13g、7.63mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)に3−ブロモ−1−プロパノ−ル(1.73ng、11.5mmol)、トリフェニルホスフィン(2.20g、8.39mmol)およびアゾジカルボン酸ジエチル(2.2Mトルエン溶液、3.82ml、8.41mmol)を0℃で添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/10)により精製して、無色油状の標記化合物(収量1.39g、収率68%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:6.56−6.48(2H,m),4.04(2H,t,J=6.0Hz),3.57(2H,t,J=6.0Hz),2.30(2H,q,J=6.0Hz).
【0244】
〔参考合成例7〕2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エタノールの合成
エチル2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)アセテート(Journal of Fluorine Chemistry、2004年、P.509などに記載の方法に準じて合成)(1.00g、3.93mmol)のエタノール溶液(8ml)に水素化ホウ素ナトリウム(800mg、3.15mmol)を0℃で添加し、同温で1時間攪拌した。反応混合物に氷水を注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して、無色油状の標記化合物(収量800mg、収率96%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:7.23−7.15(2H,m),4.00−3.92(2H,m).
【0245】
〔参考合成例8〕 [2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]トリフルオロメタンスルホネートの合成
2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エタノール(2.30g、10.8mmol)およびトリエチルアミン(1.30g、12.8mmol)のジクロロメタン溶液(25ml)にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.40g、12.1mmol)を0℃で添加し、同温で1時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/7)により精製して、黄色油状の標記化合物(収量3.20g、収率86%)を得た。
HNMRスペクトル(CDCl) σ:7.23−7.16(2H,m),4.67(2H,t,J=11.2Hz).
【0246】
次に、本発明化合物を農園芸用殺虫、殺ダニ剤として製剤化する方法の具体例を製剤例1〜5に示す。
〔製剤例1〕粉剤
合成例1の化合物(2重量部)、流動性改良剤としてイソプロピルリン酸エステル(1重量部)および固体担体としてクレー(97重量部)の混合物を、均一に粉砕混合して、活性成分を2重量%含有する粉剤を得ることができる。さらに、合成例1の化合物に替えて、表1〜表8に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粉剤を得ることができる。
【0247】
〔製剤例2〕水和剤
合成例1の化合物(20重量部)、陰イオン型界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(3重量部)、非イオン型界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(5重量部)および固体担体として白土(72重量部)の混合物を均一に粉砕混合することにより、活性成分を20重量%含有する水和剤を得ることができる。さらに、合成例1の化合物に替えて、表1〜表8に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれ水和剤を得ることができる。
【0248】
〔製剤例3〕乳剤
合成例1の化合物(30重量部)、液体担体としてメチルナフタレン(40重量部)および非イオン型界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(30重量部)混合して溶解することにより、活性成分を30重量%含有する乳剤を得ることができる。さらに、合成例1の化合物に替えて、表1〜表8に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれ乳剤を得ることができる。
【0249】
〔製剤例4〕フロアブル剤
合成例1の化合物(25重量部)、非イオン型界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(1重量部)、陰イオン型界面活性剤としてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(1重量部)、増粘剤としてキサンタンガム(1重量部)および液体担体として水(72重量部)の混合物を均一に混合することにより、活性成分を25重量%含有するフロアブル剤を得ることができる。さらに、合成例1の化合物に替えて、表1〜表8に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれのフロアブル剤を得ることができる。
【0250】
〔製剤例5〕粒剤
合成例1の化合物(5重量部)、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(1重量部)、結合剤としてリグニンスルホン酸カルシウム(5重量部)、固体担体としてベントナイト(30重量部)およびクレー(59重量部)の混合物に、さらに水(15重量部)を加えて混練機で混練し、造粒機で造粒後更に、流動乾燥機で乾燥して、活性成分を5重量%含有する粒剤を得ることができる。さらに、合成例1の化合物に替えて、表1〜表8に記載の各化合物を用いること以外は、同様の方法により、それぞれの粒剤を得ることができる。
【0251】
上記により得られた本発明に係る有害生物防除剤を用いて防除効果の評価の具体例を試験例1〜4に示す。
〔試験例1〕トビイロウンカに対する防除試験
プラスティック製カップで栽培したイネ芽出し苗をターンテーブル上に乗せ、スプレーガンにより製剤例3に準じて調製した乳剤希釈液(500ppm)を均一に散布した。風乾後、蓋にナイロンゴースを張ったポリカーボネート製プラスティック容器に入れ、トビイロウンカ4齢幼虫を10頭ずつ放虫し、25℃恒温室内に静置した。放虫7日後に生存虫数を調べ、下記計算式(a)により死虫率(%)を算出した。試験は2連制で実施した。
【0252】
【数1】
【0253】
代表例として、前記化合物番号1−1、1−2、1−3、106、1−140、1−245、2−7の化合物が死虫率80%以上を示した。
〔試験例2〕マメアブラムシに対する防除試験
プラスティック製カップで栽培したそらまめ苗に対しマメアブラムシ無翅成虫を3頭ずつ放虫した。放虫1日後にこのそらまめ苗をターンテーブル上に乗せ、スプレーガンにより製剤例3に準じて調製した乳剤希釈液(500ppm)を均一に散布した。処理後、25℃恒温室内(16時間照明)に置き、処理4日後に寄生している成虫および幼虫数を調べ、下記計算式(b)により防除価(%)を算出した。試験は2連制で実施した。
【0254】
【数2】
【0255】
代表例として、前記化合物番号1−629、1−760、2−166、2−209、6−9の化合物が防除価80%以上を示した。
【0256】
〔試験例3〕ナミハダニに対する防除試験
プラスティック製カップで栽培したいんげん苗に対しナミハダニ雌成体を10頭ずつ放虫した。放虫1日後にこのいんげん苗をターンテーブル上に乗せ、スプレーガンにより製剤例3に準じて調製した乳剤希釈液(500ppm)を均一に散布した。処理後、25℃恒温室内(16時間照明)に置き、処理8日後に寄生している雌成体数を調べ、下記計算式(c)により防除価(%)を算出した。試験は2連制で実施した。
【0257】
【数3】
【0258】
代表例として、前記化合物番号1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−17、1−18、1−47、1−48、1−53、1−54、1−55、1−56、1−57、1−58、1−61、1−62、1−73、1−74、1−89、1−90、1−95、1−96、1−97、1−99、1−100、1−102、1−103、1−106、1−107、1−108、1−109、1−110、1−111、1−118、1−119、1−132、1−140、1−141、1−142、1−147、1−179、1−187、1−188、1−199、1−200、1−209、1−210、1−211、1−212、1−213、1−214、1−215、1−216、1−227、1−228、1−237、1−238、1−243、1−244、1−245、1−246、1−275、1−276、1−288、1−293、1−294、1−305、1−306、1−307、1−308、1−333、1−334、1−372、1−389、1−390、1−403、1−404、1−409、1−410、1−421、1−422、1−448、1−471、1−472、1−495、1−496、1−508、1−559、1−560、1−561、1−568、1−569、1−597、1−608、1−609、1−616、1−617、1−628、1−629、1−652、1−653、1−684、1−685、1−702、1−703、1−708、1−709、1−714、1−715、1−720、1−721、1−722、1−723、1−736、1−737、1−752、1−753、1−768、1−769、1−921、1−952、1−953、1−954、1−961、1−962、1−963、2−7、2−8、2−34、2−35、2−58、2−59、2−66、2−67、2−82、2−83、2−93、2−108、2−116、2−117、2−140、2−141、2−158、2−160、2−162、2−164、2−166、2−167、2−168、2−176、2−184、2−185、2−186、2−193、2−194、2−200、2−201、2−202、2−203、2−204、2−205、2−206、2−207、2−208、2−209、2−210、2−211、2−212、2−239、2−240、2−249、2−265、2−266、2−311、2−312、2−339、2−340、2−363、2−364、2−413、2−414、2−421、2−423、2−431、2−432、2−447、2−448、2−449、2−450、2−487、2−488、2−497、2−498、2−521、2−522、2−557、2−558、2−591、2−592、2−611、2−612、2−625、2−626、2−639、2−655、2−656、2−699、2−700、3−1、3−2、3−9、3−10、6−3、6−4、6−5、6−6、6−7、6−8、6−9、6−10、6−39、6−40、6−75、6−76、6−83、6−84、7−9、7−10の化合物が防除価80%以上を示した。
【0259】
上記化合物の内、1−147、1−179、1−214、1−288、1−403、1−409、1−708、1−709、1−921、1−963、2−82、2−93が防除価80%以上90%未満を示し、1−56、1−103、1−216、1−238、1−404、1−472、1−508、1−653、1−721、1−723、1−737、1−753、1−768、1−962、2−363、2−364、2−432、2−522、2−700、6−40が防除価90%以上100%未満を示し、1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−17、1−18、1−47、1−48、1−53、1−54、1−55、1−57、1−58、1−61、1−62、1−73、1−74、1−89、1−90、1−95、1−96、1−97、1−99、1−100、1−102、1−106、1−107、1−108、1−109、1−110、1−111、1−1181−119、1−132、1−140、1−141、1−142、1−187、1−188、1−199、1−200、1−209、1−210、1−211、1−212、1−213、1−215、1−227、1−228、1−237、1−243、1−244、1−245、1−246、1−275、1−276、1−293、1−294、1−305、1−306、1−307、1−308、1−333、1−334、1−372、1−389、1−390、1−410、1−421、1−422、1−448、1−471、1−495、1−496、1−559、1−560、1−561、1−568、1−569、1−597、1−608、1−609、1−616、1−617、1−628、1−629、1−652、1−684、1−685、1−702、1−703、1−714、1−715、1−720、1−722、1−736、1−752、1−769、1−952、1−953、1−954、1−961、2−7、2−8、2−34、2−35、2−58、2−59、2−66、2−67、2−83、2−108、2−116、2−117、2−140、2−141、2−158、2−160、2−162、2−164、2−166、2−167、2−168、2−176、2−184、2−185、2−186、2−193、2−194、2−200、2−201、2−202、2−203、2−204、2−205、2−206、2−207、2−208、2−209、2−210、2−211、2−212、2−239、2−240、2−249、2−265、2−266、2−311、2−312、2−339、2−340、2−413、2−414、2−421、2−423、2−431、2−447、2−448、2−449、2−450、2−487、2−488、2−497、2−498、2−521、2−557、2−558、2−591、2−592、2−611、2−612、2−625、2−626、2−639、2−655、2−656、2−699、3−1、3−2、3−9、3−10、6−3、6−4、6−5、6−6、6−7、6−8、6−9、6−10、6−39、6−75、6−76、6−83、6−84、7−9、7−10が防除価100%を示した。
【0260】
〔試験例4〕ナミハダニに対する防除試験2
プラスティック製カップで栽培したいんげん苗(第二本葉期)をターンテーブル上に乗せ、スプレーガンにより本発明化合物を製剤例3に準じて調製した乳剤希釈液(5ppm)を均一に散布した。散布後、25℃恒温室内(16時間照明)に置き、7日後に、第一本葉を切り取り作成したリーフディスク上にナミハダニ雌成体を10頭ずつ放虫し、25℃恒温室内に静置した。放虫2日後に雌成体数を調べ、下記計算式(d)により死虫率(%)を算出した。試験は2連制で実施した。
【0261】
【数4】
【0262】
試験例4は、本発明化合物のナミハダニに対する残効性を調査したものである。本発明化合物を製剤例3に準じて調製した5ppmの乳剤希釈液薬剤をいんげん苗(第二本葉期)に散布して7日間静置した。その後、第一本葉を切り取り作成したリーフディスク上にナミハダニを10頭放虫し、放虫2日後に生存しているナミハダニの個体数を調べた。薬剤を散布し、7日間静置後における防除効果を確認することにより、残効性を調査した。
【0263】
下記表11に、本願明細書中の化合物を用いて上記ナミハダニに対する防除試験2を行った結果を示す。なお、下記表11において、参考例1、3、5、7、13、14、19〜22に記載の化合物は、上記試験例3に準ずる方法で試験した3.3ppmの乳剤希釈液の防除価が低く、散布7日後にはさらに防除活性が低下しているため、上記ナミハダニに対する防除試験2を行っていない。
【0264】
【表11-1】
【0265】
【表11-2】
【0266】
【表11-3】
【0267】
「試験例4のまとめ」
実施例1〜4に示す、前記化合物番号2−209、2−210、2−447、2−448の化合物は、89.5%〜100%という非常に優れた死虫率を示し、散布7日後にも高い防除活性を維持しており、残効性に優れていた。
なお、実施例1の化合物と分子構造がわずかに異なる参考例1、3、5、7の化合物は、上記試験例3に準ずる方法で試験した3.3ppmの乳剤希釈液ではダニ類に対する防除活性が低く、散布7日後の防除活性はさらに低下していることが明らかなため、上記ナミハダニに対する防除試験2を行っていない。
【0268】
実施例2の化合物の分子構造に対して、R1aとR2aが水素原子である点が相違する分子構造を有する化合物番号2−8を用いた参考例2、R2aが水素原子である点が相違する分子構造を有する化合物番号2−35を用いた参考例4、R1aとR2aが、ともにメチル基である点が相違する分子構造を有する化合物番号2−266を用いた参考例8は、それぞれ死虫率が27.8%、8.2%、4.5%であり、実施例2の死虫率95.0%と比較して低く、残効性に劣っていた。
実施例2の化合物の分子構造において、ベンゼン環の3,4,5位に置換したフッ素原子を、3,4位に置換したフッ素原子とし、フッ素原子の置換数を一つ減らしただけの分子構造を有する化合物番号2−204を用いた参考例6の死虫率は0%であり、残効性が全く認められなかった。
【0269】
実施例3、4の分子構造と、R1aとR2aがともに水素原子である点が相違する分子構造を有する化合物番号2−405、2−406を用いた参考例9、10は、それぞれ死虫率が38.9%、24.7%であり、残効性は認められるものの、ともに死虫率100%である実施例3、4と比較すると残効性に劣っていた。
がフッ素原子である分子構造を有する化合物を用いた実施例1、2の死虫率がそれぞれ89.5%、95.0%、Xが塩素原子である分子構造を有する化合物を用いた実施例3、4の死虫率がともに100%であるのに対し、Xが臭素原子である分子構造を有する化合物番号2−557、2−558を用いた参考例11、12の死虫率は、それぞれ36.8%、42.1%であった。Xをハロゲン原子とする化合物の中でも、Xがフッ素原子、塩素原子である化合物は、Xが臭素原子である化合物と比べて顕著に優れた残効性を示した。
【0270】
表11−2、11−3に記載の参考例15〜18で用いた化合物の死虫率は、それぞれ10.6%、47.7%、15.0%、12.5%であり、実施例1〜4で用いた化合物と比較すると死虫率が低く、残効性に劣っていた。なお、参考例13、14、19〜22は、上記試験例3に準ずる方法で試験した3.3ppm濃度でのダニ類に対する防除活性が低かったため、上記ナミハダニに対する防除試験2を行っていない。
【0271】
表11に示した化合物の中で、2−209、2−210、2−447、2−448の4つの化合物は、散布7日後にも非常に優れた死虫率を発揮しており、わずかな構造の違いが残効性に大きな違いをもたらすことが確認できた。
これら4つの化合物は、散布して7日後も高い防除活性を維持しており、非常に優れた残効性を示した。また、これら4つの化合物は、散布してから7日後に放虫したナミハダニの個体数を、わずか2日間で大きく減少させており、速効性にも優れていた。
【0272】
以上の結果より、本発明に係る有害生物防除剤は、上記有害生物のいずれにおいても、有害生物防除剤として有用であることを確認した。また、式(1−2)で表される化合物が、残効性と速効性とを兼ね備えているため、殺ダニ剤として特に有用であることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0273】
本発明に係る置換フェニルエーテル化合物は、有害生物に対して、優れた防除効果を有することから、これを有害生物防除剤として用いれば、効果的に有害生物を防除することができる。特に、式(1−2)で表される化合物は、ダニ類に対して、残効性と速効性とを兼ね備えており、殺ダニ剤の有効成分として有用である。