(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-62672(P2015-62672A)
(43)【公開日】2015年4月9日
(54)【発明の名称】摩擦音を防止する手段を有するベッドマットレス用の高引張りコイルばね
(51)【国際特許分類】
A47C 23/04 20060101AFI20150313BHJP
【FI】
A47C23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2014-194227(P2014-194227)
(22)【出願日】2014年9月24日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0113991
(32)【優先日】2013年9月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0116000
(32)【優先日】2013年9月30日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514241825
【氏名又は名称】アン,ユス
【氏名又は名称原語表記】AHN, YOO SOO
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100093023
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 善高
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(72)【発明者】
【氏名】アン,ユス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】露出線部が圧縮されるときにばね組立体の上下に突出している露出線部と周囲の線部の摩擦により発生する不快音を防止することができる摩擦音防止用の手段を有し、露出線部の弾性を著しく増大できる手段を有するベッドマットレス用のコイルばねを提供する。
【解決手段】本体ばねと共に動作して外部荷重を吸収する。上部露出線部16の巻部16‐5と下部露出線部の巻部の少なくとも一つが圧縮されながら上方および下方に移動する空間を画定するように上部端線部14と下部端線部14’の少なくとも一つに間隙が設けられる。上部端線部と上部露出線部16の巻部16‐5との摩擦音および下部端線部と下部露出線部の巻部との摩擦音が根本的に防止され、上部露出線部16と下部露出線部の弾性は増加する。線部が横方向に変位または変形することなく上方および下方にのみ移動し、それによって寿命を向上させている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部縁部材と下部縁部材との間の空間に配置された本体線部と、
前記本体線部の両端に夫々設けられ、前記上部縁部材と前記下部縁部材が配置される領域に設定される上部端および下部端線部と、
前記上部端線部から上方に延在して前記上部縁部材から露出した上部露出線部および/または前記下部端線部から下方に延在して前記下部縁部材から露出した下部露出線部と、を備え、
前記上部露出線部の巻部および/または前記下部露出線部の巻部が互いに接触せずに圧縮されるように夫々の直径が減じられ、
前記上部端および前記下部端線部が前記上部および/または前記下部露出線部から間隙(A)だけ離れた内径を夫々有し、それによって後者が前者と接触せずに圧縮され、
それによって前記上部端および/または前記下部端線部と前記上部および/または前記下部露出線部との間の摩擦音が防止されることを特徴とするベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項2】
前記上部端および前記下部端線部が、前記本体線部の前記巻部の外径より大きい内径を夫々有する、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項3】
前記上部端および前記下部端線部が、前記本体線部の前記巻部の前記外径以下の内径を夫々有する、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項4】
前記コイルばねがオフセットコイルばねを備える、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項5】
前記コイルばねが円形コイルばねを備える、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項6】
前記コイルばねが円形オフセットコイルばねを備える、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項7】
前記間隙(A)が、前記上部および/または前記下部露出線部の上部および/または下部巻部の形状に一致して形成される、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項8】
前記間隙(A)が前記上部端および/または前記下部端線部の形状に一致して形成される、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【請求項9】
前記上部および前記下部露出線部夫々の巻数が3巻〜6巻の範囲にある、請求項1に記載のベッドマットレス用の高引張りコイルばね。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される、2013年9月30日に出願された韓国特許出願第10‐2013‐116000号の優先権と、2013年9月25日に出願された韓国特許出願第10‐2013‐113991号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、コイルばねに成形され、本体ばねと共に動作して外部荷重を吸収する露出線部を有するベッドマットレス用の高引張りコイルばね(high tension coil spring)に関し、より詳しくは、露出線部が圧縮されるときに露出線部と周囲の線部の摩擦により発生する摩擦音を防止することができ、且つ露出線部の弾性を著しく増大させることができる摩擦音防止手段を有するベッドマットレス用の高引張りコイルばねに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、ベッドマットレスは、ばね組立体の上部表面と下部表面に夫々積み重ねられたクッション部材を使用してクッション効果または緩衝効果を提供する寝具である。ばね組立体は、ベッドマットレスの上部フレームと下部フレームとの間に設けられ、行方向と列方向に予め設定された間隔で規則正しく配置された複数のコイルばねを備えている。
【0004】
また、「露出線ばね」はベッドマットレスのクッション効果または緩衝効果を強化する手段として開発され、使用されている。露出線ばねは、上部縁部材と下部縁部材との間に上部‐底部方向に配置されるコイルばねを備え、コイルばねが露出するように上部縁部材の上方に予め設定された高さで突出している。
【0005】
例えば、
図1Aに示すように、バネ組立体1は、上部縁部材20および下部縁部材20’と、上部縁部材20と下部縁部材20’との間の空間に行方向Rおよび列方向Cに配列されたコイルばね10と、列方向Rに螺旋状に延在してコイルばね10と係合する螺旋コイル30と、を備えている。
【0006】
また、
図1Bに示すように、各コイルばね10は、上部縁部材20と下部縁部材20’との間の空間に位置する本体線部12と、上部縁部材20および下部縁部材20’と係合するように本体線部12の両端部に設けられた端線部14および端線部14’と、縁部材20および縁部材20’の一方または両方から露出するように端線部14から延在する1つまたは両方の露出線部16を備えている。
【0007】
ここで、ばね組立体1を設定するとき、縁部材20と縁部材20’との間にコイルばね10が予め設定された間隔で配置された状態でコイルばね10が螺旋コイル30と係合し、露出線部16が上部縁部材20の上方および/または下部縁部材20’の下方に突出して設定される。
【0008】
また、ばね組立体1がベッドマットレスに適用され、例えばマットレス使用者の寝返りによって小荷重が加えられたとき、その衝撃を露出線部16が吸収し、マットレス使用者が大荷重を加えたとき、その衝撃を本体線部12が吸収する。
【0009】
ベッドマットレスに加えられる荷重の変化に応じて露出線部16と本体線部12が衝撃吸収機能を適切に配分するので、コイルばね10が使用者の快適さと利便性を好都合に向上している。しかしながら、コイルばね12は少なくとも下記の問題を有している。
【0010】
1番目として、
図2に示すように、荷重を受けてベッドマットレスが圧縮され、露出線部16の接触線部16‐5が下降するとき、少なくとも1つのコイルばね10が下方に位置する端線部14に当接する。これが結果的に露出線部16と端線部14の摩擦による不快音(noise)を発生する。
【0011】
2番目として、ベッドマットレスに大荷重が加えられたとき、ばね組立体の露出線部16が圧縮され、同時に本体線部12が高速度で圧縮される。露出線部16の急速な圧縮が露出線部16と端線部14の摩擦を増大し、それによって摩擦音が発生する。
【0012】
3番目として、ベッドマットレスに荷重が加えられたとき、露出線部が圧縮されながら端線部に接触し、それによって露出線部の弾性が制限される。したがって、ベッドマットレスの使用時の露出線部16と端線部14との摩擦音によるストレスを防止でき、且つ露出線部の弾性を高めてコイルばねの寿命を向上できる解決法が緊急に必要とされている。
【0013】
図3Aに示すように、本願出願人は先に発明したコイルばねの手法を提案している(韓国特許第10‐0717543号、米国特許第7,677,541B2号)。本コイルばねは本体バネ10と露出線バネ20を備え、露出線バネ20を本体バネ10と接続する接続端部24に接触防止端部30が設けられている。
【0014】
図3Aに示されたコイルばねが接触防止端部30を使用して本体バネ10と露出線バネ20の摩擦音をある程度防止するが、
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図9Aおよび
図9Bに示すように、上部端線部14/下部端線部14’と上部露出線部16/下部露出線部16’の上部巻部16‐5/下部巻部16‐5’との摩擦音を根本的に防止する構造が開示されていないため、コイルばねは完全に摩擦音を防止することができない。
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図9Aおよび
図9Bに示された構造は、上部/下部端線部14および14’と上部/下部露出線部16および16’の上部/下部巻部16‐5および16‐5’が接触せずに上方および下方に移動できる空間を提供し、それによって根本的に不快音を防止している。
【0015】
また、
図3Aに示されたコイルばねは摩擦音を防止するための接触防止端部30に焦点が置かれているが、露出線バネ20の巻数が少ないため、露出線バネ20の上方および下方に移動するための弾性量が制限されるという欠点がある。
【0016】
さらに、
図3Bに示すように、本願出願人は先に発明したコイルばねの他の解決法を提案している(韓国特許第10‐0717535号、米国特許第8,109,490号)。本コイルばねは本体バネ10と露出線バネ20を備え、露出線バネ20を本体バネ10と接続する接続端部24に接触防止/剛性補強端部30および32が設けられ、それによって本体バネ10と露出線バネ20の摩擦音を防止している。
【0017】
図3Bに示されたコイルばねは接触防止/剛性補強端部30および32を使用して本体バネ10と露出線バネ20の摩擦音をある程度防止するが、
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図9Aおよび
図9Bに示されるように、上部/下部端線部14および14’と上部/下部露出線部16および16’の上部/下部巻部16‐5および16‐5’との間の摩擦音を根本的に防止する構造が開示されていないので、コイルばねが完全に摩擦音を防止することはできない。一方、
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図9Aおよび
図9Bに示された構造には、上部/下部端線部14および14’と上部/下部露出線部16および16’の上部/下部巻部16‐5および16‐5’とが接触せずに上方および下方に移動できる空間があり、それによって摩擦音を根本的に防止している。
【0018】
また、
図3Bに示されたコイルばねは摩擦音を防止するための接触防止端部30に焦点が置かれているが、露出線バネ20の巻数が少ないため、露出線バネ20の上方および下方への移動に伴う弾性量が制限されるという欠点がある。
【0019】
この背景技術の欄に記載した技術情報は、本発明の背景をより良く理解するためだけに提供されたものであり、本情報を当業者の既知の従来技術として認めたものではなく、如何なる形態の示唆としても解釈されるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国特許第10‐0717543号(米国特許第7,677,541号)
【特許文献2】韓国特許第10‐0717535号(米国特許第8,109,490号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の様々な態様は、露出線部が圧縮されるときにばね組立体の上下に突出している露出線部と周囲の線部の摩擦により発生する不快音を防止することができる摩擦音防止用の手段を有し、露出線部の弾性を著しく増大できる手段を有するベッドマットレス用のコイルばねを提供する。
【0022】
本発明の一形態のベッドマットレス用の高引張りコイルばねが、マットレスフレームの上部縁部材と下部縁部材との間の空間に配置された本体線部と、前記本体線部の両端に夫々設けられ、前記上部縁部材と前記下部縁部材が配置される領域に設定される上部端および下部端線部と、前記上部端線部から上方に延在して前記上部縁部材から露出した上部露出線部および/または前記下部端線部から下方に延在して前記下部縁部材から露出した下部露出線部と、を備えている。
【0023】
ベッドマットレス用の高引張りコイルばねは、前記上部露出線部の巻部および/または前記下部露出線部の巻部が互いに接触せずに圧縮されるように夫々の直径が減じられることを特徴とする。
【0024】
前記上部端および前記下部端線部が前記上部および/または前記下部露出線部から間隙(A)だけ離れた内径を夫々有し、それによって後者が前者と接触せずに圧縮される。
【0025】
また、それによって前記上部端および/または前記下部端線部と前記上部および/または前記下部露出線部との間の摩擦音が防止される。
【0026】
また、本発明の他の形態のベッドマットレス用の高引張りコイルばねにおいて、前記上部端および前記下部端線部が、前記本体線部の前記巻部の外径より大きい内径を夫々有する。
【0027】
また、本発明の他の形態のベッドマットレス用の高引張りコイルばねにおいて、前記上部端および前記下部端線部が、前記本体線部の前記巻部の前記外径以下の内径を夫々有する。
【0028】
この構成により、本発明は下記効果を有する。
【0029】
1番目として、露出線部が上方および下方に移動する経路を形成する間隙をコイルばねが備えることにより、露出線部が圧縮されるとき、露出線部と端線部の接触により発生する摩擦を防止することが可能であり、それによって不快音を根本的に防止している。
【0030】
2番目として、露出線部が上方および下方に移動する経路を形成する間隙をコイルばねが備えることにより、露出線部と本体線部が横方向に変位または変形することなく上方および下方にのみ移動し、それによって寿命を向上させている。
【0031】
3番目として、露出線部とコイルばねの端線部の摩擦音が根本的に防止される状態において、本体線部から独立したばね層を形成するように露出線部が複数巻きになっている。その結果として、ベッドマットレスに加えられた小および大荷重が区別され、適切な量の緩衝効果が提供され、同時に上部および下部露出線部の弾性が強化され、製品の品質を向上させる。
【0032】
4番目として、コイルばねの摩擦音を防止する手段として韓国特許第10‐0444347号、米国特許第6,983,503号で提案された、露出線部を発泡体で覆う(foaming)プロセスが不必要になる。露出線部を封止する装置と封止工程の排除が可能になるとともに、設備の購入価格と工程に要するコストを削減でき、生産性が向上する。
【0033】
5番目として、上部および下部露出線部(16、16’)の巻数が夫々3〜6巻の範囲にあるので、コイルばねの弾性が強化され、それによって製品の品質が向上する。
【0034】
本発明の方法および装置は、本明細書に組み込まれた添付図面に記載され、明らかになる他の特徴および利点を有し、図面は下記本発明の詳細な説明において本発明の具体的動作原理の説明に供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】
図1Aは、組み立てられた状態の関連技術のばね組立体の斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、組み立てられた状態の関連技術のばね組立体の断面図である。
【
図2】
図2は、関連技術のコイルばねからの不快音発生を説明する断面図である。
【
図3A】
図3Aは、出願人が以前に発明した、摩擦音を防止するコイルばねを示す断面図である。
【
図3B】
図3Bは、出願人が以前に発明した、摩擦音を防止するコイルばねを示す断面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明のばね組立体の係合状態を示す断面図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明のばね組立体の係合状態を示す斜視図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明のばね組立体の係合状態を示す斜視図である。
【
図4D】
図4Dは、本発明のばね組立体の係合状態を示す斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、上部端および下部端線部の各内径が本体線部の巻部の外径より大きく、且つ上部端および下部端線部が円形コイルばね(round coil spring)の形を有する本発明のコイルばねにおいて、上部露出線部が圧縮されるプロセスの第1の概念を示す断面図である。
【
図5B】
図5Bは、上部端および下部端線部が本体線部の巻部の外径より大きい内径を有し、上部端および下部端線部が円形コイルばねの形を有するコイルばねにおいて、このコイルばねの上部露出線部が圧縮されるプロセスの第1の概念を示す斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、上部端および下部端線部が円形コイルばねの形を有する、本発明の第1〜第3の実施の形態のコイルばねの断面図である。
【
図6B】
図6Bは、上部端および下部端線部が円形コイルばねの形を有する、本発明の第1〜第3の実施の形態のコイルばねの斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明のコイルばねの上部露出線部が圧縮されるプロセスの第2の概念を示す断面図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明のコイルばねの上部露出線部が圧縮されるプロセスの第2の概念を示す斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、上部端および下部端線部がオフセットコイルばね(offset coil spring)の形を有する本発明のコイルばねにおいて、このコイルばねの上部露出線部が圧縮されるプロセスの第3の概念を示す断面図である。
【
図8B】
図8Bは、上部端および下部端線部がオフセットコイルばねの形を有する本発明のコイルばねにおいて、このコイルばねの上部露出線部が圧縮されるプロセスの第3の概念を示す斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、上部端および下部端線部が円形オフセットコイルばね(round-offset coil spring)の形を有する本発明のコイルばねの上部露出線部が圧縮されるプロセスの第3の概念を示す断面図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明のコイルばねの上部露出線部が圧縮されるプロセスの第3の概念を示す斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、上部端および下部端線部が円形オフセットコイルばねの形を有する、本発明の第7〜9の実施の形態のコイルばねの断面図である。
【
図10B】
図10Bは、上部端および下部端線部が円形オフセットコイルばねの形を有する、本発明の第7〜9の実施の形態のコイルばねの斜視図である。
【
図11】
図11は、円形コイルばね、オフセットコイルばね、および円形オフセットコイルばねとして実現され、上部端および下部端線部の各コイル端が線形自由端Bを形成した、本発明のコイルばねを示す斜視図である。
【
図12A】
図12Aは、拘束部Cを有し、露出線部の巻数が4巻の本発明のコイルばねの斜視図である。
【
図12B】
図12Bは、拘束部Cを有し、露出線部の巻数が5巻の本発明のコイルばねの斜視図である。
【
図12C】
図12Cは、拘束部Cを有し、露出線部の巻数が6巻の本発明のコイルばねの斜視図である。
【
図13】
図13は、上部端および下部端線部が夫々本体線部の巻部の外径以下の内径を有し、上部端および下部端線部が円形ばねの形を有する本発明のコイルばねが圧縮されるプロセスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の多様な実施の形態が例示された添付図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
図4A〜
図13に示すように、本発明の実施の形態のベッドマットレス用の高引張りコイルばねは、マットレスフレームの上部縁部材20と下部縁部材20’との間の空間に配置された本体線部12と、本体線部12の両端に夫々設けられ、上部縁部材20と下部縁部材20’が配置される領域に設定される上部端線部14および下部端線部14’と、上部端線部14から上方に延在して上部縁部材20から露出した上部露出線部16および/または下部端線部14’から下方に延在して下部縁部材20’から露出した下部露出線部16と、を備えている。
【0038】
上部露出線部の巻部および/または下部露出線部の巻部が互いに接触せずに圧縮されるように夫々の直径が減少し、上部端線部および下部端線部が上部露出線部および/または下部露出線部から間隙(A)だけ離れた内径を夫々有し、それによって後者が前者と接触せずに圧縮され、それによって上部端線部14および/または下部端線部14’と上部露出線部16および/または下部露出線部16’との間の摩擦音が防止される。
【0039】
ここで、上部縁部材20および下部縁部材20’や螺旋コイル30は関連技術分野においてよく知られている。
【0040】
図9A〜
図13に示された参照番号「D」は、上部端線部14と下部端線部14’の少なくとも1つに内径が増大するように形成された凸部を示している。上部端線部14と下部端線部14’の少なくとも1つが1つまたは2つの凸部Dを備えることは好ましい。
【0041】
また、上部端線部14と下部端線部14’の形状およびそれらの構造に応じて、コイルばね10は
図5A、5B、6Aおよび6Bに示すように円形コイルばねとして、
図7A、7B、8Aおよび8Bに示すようにオフセットコイルばねとして、または
図9A、9B、10Aおよび10Bに示すように円形オフセットコイルばねとして実現できる。
【0042】
また、コイルばね10を円形コイルばねとするとき、上部露出線部16を
図6Aの(a)で示すように構成することができ、下部露出線部16’を
図6Aの(b)で示すように構成することができ、または上部露出線部16と下部露出線部16’の両方を
図6Aの(c)で示すように構成することができる。
【0043】
さらに、コイルばね10をオフセットコイルばねとするとき、上部露出線部16を
図8Aの(a)で示すように構成することができ、下部露出線部16’を
図8Aの(b)で示すように構成することができ、または上部露出線部16と下部露出線部16’の両方を
図8Aの(c)で示すように構成することができる。
【0044】
また、コイルばね10を円形オフセットコイルばねとするとき、上部露出線部16を
図10Aの(a)で示すように構成することができ、下部露出線部16’を
図10Aの(b)で示すように構成することができ、または上部露出線部16と下部露出線部16’の両方を
図10Aの(c)で示すように構成することができる。
【0045】
また、
図11の(a)で示すように、円形コイルばねにおいて下部端線部および/または上部端線部のコイル端が線部と係合せずに開放された線形自由端Bを形成してもよい。
図11の(b)で示すように、オフセットコイルばねにおいて下部端線部および/または上部端線部のコイル端が線部と係合せずに開放された線形自由端Bを形成してもよい。
図11の(c)で示すように、円形オフセットコイルばねにおいて下部端線部および/または上部端線部のコイル端が線部と係合せずに開放された線形自由端Bを形成してもよい。
【0046】
また、
図12Aに示すように、拘束部Cと露出線部の巻数が4巻の露出線部を、円形コイルばね、オフセットコイルばね、および円形オフセットコイルばねに形成してもよい。
図12Bに示すように、拘束部Cと露出線部の巻数が5巻の露出線部を、円形コイルばね、オフセットコイルばね、および円形オフセットコイルばねに形成してもよい。
図12Cに示すように、拘束部Cと露出線部の巻数が6巻の露出線部を、円形コイルばね、オフセットコイルばね、および円形オフセットコイルばねに形成してもよい。
【0047】
間隙Aは、円形コイルばね、オフセットコイルばね、および円形オフセットコイルばねの代わりに、ベッドマットレス分野で使用されるあらゆる種類のコイルばね10に適用することができ、この構造はもちろん本発明の範囲に属している。
【0048】
また、コイルばね10は、本体線部12、上部端線部14と下部端線部14’、上部露出線部16と下部露出線部16’を備えている。具体的には、間隙Aが上部端線部14と下部端線部14’の少なくとも1つに設けられている。
【0049】
本体線部12はコイルばね10の本体を形成する線部を指しており、コイルばね10に加えられた全荷重を支持する。本体線部12は、マットレスフレームの上部縁部材20と下部縁部材20’との間の空間に垂直方向に挿入され、マットレス使用者の重量を吸収する。本体線部12は太鼓形を含む様々な形を取ることができる。
【0050】
また、上部端線部14と下部端線部14’は本体線部12の上部端部と下部端部に水平方向に延在するように夫々形成された線部を指し、上部縁部材20と下部縁部材20’が配置された領域内に設けられる。上部端線部14と下部端線部14’は上部縁部材20と下部縁部材20’に夫々突き合わせられ、固定ピンまたは螺旋コイルを使用して固定される。
【0051】
ここで、上部端線部14と下部端線部14’は、上部露出線部16と下部露出線部16’の傾斜角度に応じて、水平状態とは異なる傾斜角度で形成することができる。もちろん、この構造も本発明の範囲に属している。
【0052】
上部端線部14と下部端線部14’は僅かに傾斜した角度で形成されているが、上部縁部材20と下部縁部材20’に突き合わせられ、螺旋コイルまたは固定ピン30で係合されて、上部端線部14と下部端線部14’を水平にすることができる。
【0053】
また、上部露出線部16と下部露出線部16’は上部端線部14と下部端線部14’の少なくとも1つから延在する線部を指し、本体線部12と連係してベッドマットレスに加えられた荷重を吸収する。上部露出線部16と下部露出線部16’は、直径が本体線部12の直径より小さくなるように巻かれている。
【0054】
本体線部12は、ベッドマットレスに加えられた大荷重に反応して衝撃を吸収し、一方、上部露出線部16と下部露出線部16’は、ベッドマットレスに加えられた小荷重に反応して衝撃を吸収する。
【0055】
ここで、上部露出線部16と下部露出線部16’に形成された上部巻部16‐5と下部巻部16‐5’は、上部端線部14と下部端線部14’の近傍に配置された上部露出線部16と下部露出線部16’の一部を指している。
【0056】
上部露出線部16と下部露出線部16’の巻数は、コイルばね10が高引張り力を発揮するために3巻〜6巻が好ましいが、巻数が3巻未満または6巻を超えても本発明の範囲に属している。
【0057】
間隙Aは、上部端線部14と下部端線部14’の内径を大きくするようにして構成され、それによって上部露出線部16と下部露出線部16’の上部巻部15‐5と下部巻部16‐5’がそこを通って上方および下方に移動できる空間を画定している。上部端線部14と下部端線部14’の内径を上部露出線部16と下部露出線部16’の上部巻部16‐5と下部巻部16‐5’の外径より大きくなるように拡大して、間隙Aを設けることが好ましい。
【0058】
また、上部端線部14と下部端線部14’の配線は、間隙(A)が形成されるプロセスでは水平面に対して予め設定された角度で傾斜するように形成できる。その結果として、上部端線部14と下部端線部14’が上部露出線部16と下部露出線部16’の上部巻部16‐5と下部巻部16‐5’と接触せず、摩擦音を防止する。この構造も本発明の範囲に属している。
【0059】
さらに、間隙Aの形状が上部端線部14および下部端線部14’の形状に一致することが好ましいが、間隙Aはコイルばね10の構造特性を考慮して円形コイルばね、オフセットコイルばね、または円形オフセットコイルばねの形状を有することができる。
【0060】
次に、
図5Aおよび
図5Bを参照して本発明の動作について説明する。
【0061】
最初に、ばね組立体1の組立プロセスと、ばね組立体1が適用されたベッドマットレスの組立プロセスは関連技術分野においてよく知られているため、その説明を省略し、以下にはコイルばね10の衝撃吸収構造に限定して記述する。
【0062】
具体的には、本発明の構造を有するコイルばね10がベッドマットレスに適用されたことを想定してその動作構造を記述する。
【0063】
図5Aおよび
図5Bの(a)に示すように、コイルばね10が適用されたベッドマットレスに負荷が加えられない場合、上部露出線部16は上部縁部材20の上方に突出しその位置にとどまるように設定されている。
【0064】
一方、
図5Aおよび
図5Bの(b)に示すように、コイルばね10が適用されたベッドマットレスが使用者から小荷重を受けたとき、上部露出線部16は圧縮荷重に相当する分下方に押され、それによって圧縮荷重を吸収する。
【0065】
特に、
図5Aおよび
図5Bの(c)に示すように、コイルばね10が適用されたベッドマットレスが使用者から大荷重を受けたとき、上部露出線部16の上部巻部16‐5が間隙Aを通って下方に移動し、それによって圧縮荷重を吸収する。
【0066】
また、
図5Aおよび
図5Bの(d)および(e)に示すように、コイルばね10が適用されたベッドマットレスがより大きい荷重を受けたとき、上部露出線部16の上部巻部16‐5が間隙Aを通って更に下方に移動し、上部露出線部16が上方および下方に移動する範囲が最大化され、それによって衝撃吸収効率を最大化している。
【0067】
間隙Aの上部端線部14が上部露出線部16の上部巻部16‐5が上方および下方に移動できる空間が画定されるので、上部露出線部16の上部巻部16‐5が上方および下方に移動するとき、上部端線部14と接触しない。
【0068】
したがって、コイルばね10が適用されたベッドマットレスに強い荷重が加えられたとき、上部端線部14の間隙Aが上部端線部14とコイルばね10の他の部分との摩擦音を防止し、露出線部16および露出線部16’の弾性を増大し、それによって製品の寿命を伸ばし、製品の品質を向上させている。
【0069】
本発明の特定の例示的実施形態についての以上の記述は、添付図面を参照して説明する目的のためになされたものである。ここに添付された請求項およびそれらの均等物によって定義される本発明の範囲を逸脱することなく、様々な改良および変更が可能であることは当業者であれば理解できることである。
【外国語明細書】