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特開2015-64841画面共有端末、画面共有方法、画面共有端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-64841(P2015-64841A)
(43)【公開日】2015年4月9日
(54)【発明の名称】画面共有端末、画面共有方法、画面共有端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150313BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20150313BHJP
【FI】
   G06F13/00 650A
   G06F3/048 651C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-199687(P2013-199687)
(22)【出願日】2013年9月26日
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5B084
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA14
5B084AB06
5B084AB37
5B084BB04
5B084CB05
5B084CB22
5B084DC05
5B084EA47
5E555AA61
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555BD02
5E555BD05
5E555DA01
5E555DB03
5E555DC25
5E555FA01
(57)【要約】
【課題】画面共有において、共有先の画面解像度に応じて共有領域を調整する。
【解決手段】表示部を備え、通信端末10と画面共有を行う画面共有端末50は、前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義し、通信端末10における表示可能領域の幅及び高さを取得し、前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整し、前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末であって、
前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義する共有領域定義手段と、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さを取得する共有先寸法取得手段と、
前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整する共有領域調整手段と、
前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信する画面共有手段と、
を備えることを特徴とする画面共有端末。
【請求項2】
前記共有領域の調整は、前記画面データの送信よりも前に、前記共有領域の定義と同時に行われることを特徴とする請求項1に記載の画面共有端末。
【請求項3】
前記調整を行う前の、前記共有領域の幅及び高さを取得する共有元寸法取得手段と、を備え、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さの比率について、当該幅と高さを入れ替えた場合に、前記取得した前記共有領域の幅及び高さの比率により近くなる場合には、前記調整において、当該幅と高さを入れ替えて扱うとともに、前記画面共有手段において、九十度回転させた画面を送信することを特徴とする請求項1に記載の画面共有端末。
【請求項4】
前記共有領域は、前記画面共有端末上で実行される一のアプリケーションの表示領域として定義されるものであって、
前記アプリケーションによる前記表示領域についての制約条件を取得する領域制約取得手段と、
前記取得した制約条件下において、前記取得した前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さの比率に最も近しい幅及び高さを算出する最適寸法算出手段と、
を備え、前記共有領域を前記算出した幅及び高さに調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画面共有端末。
【請求項5】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末が実行する画面共有方法であって、
前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義するステップと、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さを取得するステップと、
前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整するステップと、
前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信するステップと、
を備えることを特徴とする画面共有方法。
【請求項6】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末に、
前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義するステップ、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さを取得するステップ、
前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整するステップ、
前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信するステップ、
を実行させることを特徴とする画面共有端末用プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面共有において共有先の画面サイズに応じて共有領域を調整する画面共有端末、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用や業務用の電化製品においては、機能の高度化、複雑化が進み、ユーザが搭載されている全ての機能を熟知するには、時間がかかることが多い。例えば、ユーザが所望する機能が電化製品に搭載されていても、機能を呼び出す方法が分からなかったり、適切でない設定を行ってしまったりすることで、ユーザがその機能を活用することができないといった問題が生じている。
【0003】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザを指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【特許文献2】特開2011−034315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、リモートサポートを行う端末から、サポートを受けるユーザ端末にリモートログイン等をして、リアルタイムで画面共有をすることで、リモート操作を行うことが知られている。すなわち、オペレータ端末に、ユーザ端末に表示されている画面を、逐次、転送して表示するとともに、オペレータ端末を操作すると、あたかも、ユーザ端末を操作しているかのように、入力操作(リモート操作)を行うことが可能となる。さらに、特許文献2では、携帯電話機を利用して、リモートサポートを行う方法が開示されている。
【0006】
ところで、今後は携帯端末の高機能化に伴い、携帯端末のような解像度が低い端末と、従来の高解像度の端末間で画面共有を行うケースが増加すると考えられる。しかしながら、特許文献1に記載の方法では解像度が低い端末の画面を高い端末に送信する場合には効果的であるが、その逆の場合には有効な解像度が保持できない可能性がある。
【0007】
そこで本発明の発明者は、画面共有を行うに際して画面共有先の端末の表示可能領域の幅及び高さを取得し、共有領域の幅及び高さの比率をそれに応じて調整することで、両端末の解像度に差がある場合の画面共有を有効に行うことが可能な点に着目した。
【0008】
本発明は、これらの課題に鑑み、画面共有を行うに際して、画面共有先の端末の表示可能領域の幅及び高さを取得し、それに基づいて共有領域の幅及び高さの比率を調整することで、両端末の解像度の差を有効に解消する画面共有端末、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末であって、
前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義する共有領域定義手段と、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さを取得する共有先寸法取得手段と、
前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整する共有領域調整手段と、
前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信する画面共有手段と、
を備えることを特徴とする画面共有端末を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末は、前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義し、前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さを取得し、前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整し、前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、画面共有端末のカテゴリであるが、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムであっても、カテゴリに応じた同様の作用、効果を奏する。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、前記共有領域の調整は、前記画面データの送信よりも前に、前記共有領域の定義と同時に行われることを特徴とする第1の特徴に係る発明である画面共有端末を提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である画面共有端末において、前記共有領域の調整は、前記画面データの送信よりも前に、前記共有領域の定義と同時に行われる。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、前記調整を行う前の、前記共有領域の幅及び高さを取得する共有元寸法取得手段と、を備え、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さの比率について、当該幅と高さを入れ替えた場合に、前記取得した前記共有領域の幅及び高さの比率により近くなる場合には、前記調整において、当該幅と高さを入れ替えて扱うとともに、前記画面共有手段において、九十度回転させた画面を送信することを特徴とする第1の特徴に係る発明である画面共有端末を提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である画面共有端末は、前記調整を行う前の、前記共有領域の幅及び高さを取得し、前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さの比率について、当該幅と高さを入れ替えた場合に、前記取得した前記共有領域の幅及び高さの比率により近くなる場合には、前記調整において、当該幅と高さを入れ替えて扱うとともに、前記画面共有手段において、九十度回転させた画面を送信する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、前記共有領域は、前記画面共有端末上で実行される一のアプリケーションの表示領域として定義されるものであって、
前記アプリケーションによる前記表示領域についての制約条件を取得する領域制約取得手段と、
前記取得した制約条件下において、前記取得した前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さの比率に最も近しい幅及び高さを算出する最適寸法算出手段と、
を備え、前記共有領域を前記算出した幅及び高さに調整することを特徴とする第1から第3のいずれかの特徴に係る発明である画面共有端末を提供する。
【0018】
第4の特徴に係る発明によれば、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明である画面共有端末において、前記共有領域は、前記画面共有端末上で実行される一のアプリケーションの表示領域として定義されるものであって、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明である画面共有端末は、前記アプリケーションによる前記表示領域についての制約条件を取得し、前記取得した制約条件下において、前記取得した前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さの比率に最も近しい幅及び高さを算出し、前記共有領域を前記算出した幅及び高さに調整する。
【0019】
第5の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末が実行する画面共有方法であって、
前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義するステップと、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さを取得するステップと、
前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整するステップと、
前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信するステップと、
を備えることを特徴とする画面共有方法を提供する。
【0020】
第6の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末に、
前記表示部の一部を、共有を行う共有領域として定義するステップ、
前記通信端末における表示可能領域の幅及び高さを取得するステップ、
前記定義された共有領域を、前記取得した幅及び高さと同一又は近しい比率に調整するステップ、
前記調整した共有領域に表示された画面データを、前記通信端末に送信するステップ、
を実行させることを特徴とする画面共有端末用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画面共有を行うに際して、画面共有先の端末の表示可能領域の幅及び高さを取得し、それに基づいて共有領域の幅及び高さの比率を調整することで、両端末の解像度の差を有効に解消する画面共有端末、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の好適な実施形態である画面共有システム1の概要図である。
図2図2は、画面共有システム1の全体構成図である。
図3図3は、通信端末10、画面共有端末50の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図4図4は、通信端末10、画面共有端末50が実行する画面共有領域調整処理のフローチャート図である。
図5図5は、通信端末10、画面共有端末50が実行する最適寸法算出処理のフローチャート図である。
図6図6は、画面共有端末50が共有領域の調整を行わなかった場合の通信端末10の画面表示の一例である。
図7図7は、画面共有端末50が共有領域の調整を行なった場合の通信端末10の画面表示の一例である。
図8図8は、画面共有端末50が幅及び高さを入れ替えて共有領域の調整を行なった場合の通信端末10の画面表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
[画面共有システム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態である画面共有システム1の概要を説明するための図である。この図1に基づいて、画面共有システム1の概要を説明する。
【0025】
画面共有システム1は、通信端末10と、画面共有端末50によって構成される。通信端末10と、画面共有端末50は、リモートサポートを行う等の理由で画面が共有されている状態にある。ただし、画面共有端末50は画面全体を無条件に共有するのでなく、画面の一部の領域として、特定のアプリケーションのウィンドウを共有しているものとする。
【0026】
すなわち、画面共有端末50の表示部に表示されるアプリケーションウィンドウは、画面データとして取得され、通信端末10に送信され、通信端末10の表示部に表示されている(ステップS01)。
【0027】
しかしながら、図1のように、画面共有端末50と通信端末10の表示部の解像度が、大きさが異なる上に縦横比が異なる場合がある。このときは、大きい画面の縦幅より長い横幅が、小さい画面の立て幅より短い横幅に縮小されるとき、縦方向の解像度が非常に小さくなってしまい、文字が潰れて読めなくなってしまうといった問題があった。
【0028】
そこで、本発明において、画面共有端末50は、通信端末10から、画面共有を開始した後、あるいは開始する前に、表示可能領域の解像度を取得する(ステップS02)。ここで、この解像度は画面全体のものであってもよいが、画面共有に利用可能な部分の解像度であることがより望ましい。
【0029】
次に、画面共有端末50は受信した解像度の縦横比に応じて、その比率に近くなるように共有領域、すなわちウィンドウのサイズを調整する(ステップS03)。
【0030】
その後、画面共有端末50が画面共有を行うと、共有領域は通信端末10の縦横比に近くなっているので、通信端末10の表示部はほぼ全てが使われることとなり、縮小率を緩和する事が出来る。
【0031】
以上が、画面共有システム1の概要である。
【0032】
[画面共有システムのシステム構成]
図2は、画面共有システム1の全体構成図である。画面共有システム1において、通信端末10と、画面共有端末50は、公衆回線網5を介して通信可能に接続されている。
【0033】
画面共有端末50は、通信部と表示部を備えた一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器である。画面共有端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤといった携帯型端末であってもよいし、パーソナルコンピュータといった据え置き型の端末であってもよい。
【0034】
通信端末10は、同様に通信部と表示部を備えた一般的な端末であってよい。
【0035】
[各機能の説明]
図3は、通信端末10、画面共有端末50の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0036】
通信端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。
【0037】
さらに、通信端末10は、表示部13として、制御部で制御したデータや画像、音声を出力表示する出力部を備える。
【0038】
通信端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、表示可能領域情報送信モジュール14を実現する。また、通信端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12、及び表示部13と協働して、画面共有モジュール15を実現する。
【0039】
画面共有端末50は、同様に、制御部51として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部52として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。また、画面共有端末50は表示部53として、制御部で制御したデータや画像、音声を出力表示する出力部を備える。
【0040】
画面共有端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52と協働して、共有先寸法取得モジュール54を実現する。また、画面共有端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52、及び表示部53と協働して、画面共有モジュール55を実現する。また、画面共有端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、表示部53と協働して、共有領域定義モジュール56、共有領域調整モジュール57、共有元寸法取得モジュール58、領域制約取得モジュール59、最適寸法算出モジュール60を実現する。
【0041】
[画面共有領域調整処理]
図4は、通信端末10、画面共有端末50が実行する画面共有領域調整処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0042】
初めに、画面共有端末50の共有領域定義モジュール56は、画面共有端末50の表示部のうち、画面共有を行う領域の定義を行う(ステップS11)。共有領域は、表示部を越えない範囲で任意の大きさを持った領域が指定されてもよいし、アプリケーションウィンドウと関連付けられ、当該アプリケーションウィンドウの位置や大きさが変化した際に、それにあわせて自動で変化してもよい。
【0043】
次に、画面共有端末50の画面共有モジュール55は、定義されている共有領域の表示内容をデータとして取得し、通信端末10に送信する(ステップS12)。通信端末10の画面共有モジュール15は、これを受信して、表示部に表示する(ステップS13)。
【0044】
次に、通信端末10の表示可能領域情報送信モジュール14は、通信端末10が受信した画面データを表示可能な領域の幅及び高さを、画面共有端末50に送信する(ステップS14)。この送信は、画面共有端末50の要求に基づいて行われてよい。画面共有端末50の共有先寸法取得モジュール54は、表示可能領域の幅及び高さを受信する(ステップS15)。
【0045】
次に、画面共有端末50の共有元寸法取得モジュール58は、現在定義されている共有領域の幅及び高さを取得する(ステップS16)。
【0046】
そして、画面共有端末50の共有領域調整モジュール57は、受信した通信端末10の表示可能領域の幅及び高さの比率と同一、又はそれに近くなるように、表示領域の幅及び高さを変更する(ステップS17)。
【0047】
図6は、画面共有端末50が共有領域の調整を行わなかった場合の通信端末10の画面表示の一例である。図6において、表示可能領域61は灰色で示され、共有された画面データ62は、横幅にあわせて表示されているため、図形63は非効率に縮小され、何も表示されていない余剰領域64は広範に渡っている。
【0048】
図7は、画面共有端末50が共有領域の調整を行なった場合の通信端末10の画面表示の一例である。図7においても、表示可能領域71は灰色で示されているが、共有された画面データ72は、表示可能領域71の比率と近くなるように調整されているため、図形73は可能な限り大きく表示され、何も表示されていない余剰領域74は非常に狭くなっている。
【0049】
ここで、調整は、最も単純には受信した幅及び高さと全く同じ大きさにすることが考えられる。また、例えば、初めに全く同じ大きさに調整された後で、ユーザがそれを参考に実際の共有領域を手動で変更してもよい。
【0050】
加えて、先ほど取得した現在の共有領域を九十度回転させた場合、すなわち幅と高さを入れ替えた時に、受信した表示可能領域の幅及び高さの比率により近くなる場合には、通信端末10を回転させたものとみなして、幅と高さを入れ替えて上記の調整を行ってよい。
【0051】
図8は、画面共有端末50が幅及び高さを入れ替えて共有領域の調整を行なった場合の通信端末10の画面表示の一例である。図8においても、表示可能領域81は灰色で示されているが、共有された画面データ82は、九十度回転した表示可能領域81の比率と近くなるように調整されているため、図形83は可能な限り大きく表示され、何も表示されていない余剰領域84は非常に狭くなっている。加えて、画面データ82の縦横比は、図7と比べて、より図6、すなわち調整を行わなかった場合に近いまま画面の共有がなされている。
【0052】
最後に、画面共有端末50の画面共有モジュール55は、調整後の共有領域で画面共有を開始し(ステップS18)、通信端末10の画面共有モジュール15は、画面データを受信して表示部に表示する(ステップS19)。その後も、通信端末10の表示可能領域が更新される等、変更が行われた場合には、画面共有領域の調整を繰り返し行ってもよい。
【0053】
なお、以上の共有領域の調整は、初めの画面データの送信を省略し、一切の画面共有を行わない状態で、先に領域の調整を完了させてもよい。以上が、画面共有領域調整処理の手順である。
【0054】
[最適寸法算出処理]
図5は、通信端末10、画面共有端末50が実行する最適寸法算出処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0055】
はじめに、画面共有端末50の共有領域定義モジュール56は、共有領域として、一のアプリケーションウィンドウを特定する(ステップS21)。今後、このアプリケーションウィンドウが移動、拡大、縮小された場合には、共有領域も同様に移動、拡大、縮小される。
【0056】
次に、通信端末10の表示可能領域情報送信モジュール14は、画面共有のための表示可能領域の幅及び高さを、画面共有端末50に送信する(ステップS22)。画面共有端末50の共有先寸法取得モジュール54は、表示可能領域の幅及び高さを受信する(ステップS23)。
【0057】
次に、画面共有端末50の領域制約取得モジュール59は、アプリケーションウィンドウの大きさに関わる制約条件を取得する(ステップS24)。制約条件とは、例えば、幅や高さの大きさが固定されていたり、最小値や最大値が設定されていたりといった、ウィンドウが取り得る幅と高さの組み合わせを制限する条件である。
【0058】
なお、この制約条件は、例えば式の形で取得してもよいし、幅と高さの組み合わせを引数として、その可否を返す関数の形で取得してもよい。
【0059】
次に、画面共有端末50の最適寸法算出モジュール60は、制約条件下で最も通信端末10の表示可能領域の幅及び高さの比率に近くなるような、共有領域の幅及び高さを算出する(ステップS25)。これは単純な最大化問題として解くことができる。
【0060】
なお、通信端末10を九十度回転した場合の、表示可能領域の幅と高さを入れ替えた比率に対しても、同様に最も比率が近くなるような共有領域の幅及び高さを算出してよい。その後、得られた二つの幅及び高さについて、より目的の比率に近づけられた方を、最適な幅及び高さとして扱ってよい。
【0061】
そして、画面共有端末50の共有領域調整モジュール57は、算出した、制約条件下における最も比率が近しい最適な幅及び高さにアプリケーションウィンドウのサイズを変更することで、共有領域を調整する(ステップS26)。
【0062】
最後に、画面共有端末50の画面共有モジュール55は、調整後の共有領域で画面共有を開始し(ステップS27)、通信端末10の画面共有モジュール15は、画面データを受信して表示部に表示する(ステップS28)。
【0063】
以上が、画面共有領域効率化処理の手順である。なお、上記の手順において、通信端末10の表示可能領域の幅及び高さを入れ替えて共有領域の調整を行った際は、画面データの送信時に、画面データを九十度回転させる必要がある点に注意する。
【0064】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 画面共有システム、5 公衆回線網、10 通信端末、50 画面共有端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8