(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-65394(P2015-65394A)
(43)【公開日】2015年4月9日
(54)【発明の名称】基板内蔵用積層セラミック電子部品、その製造方法及び積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板
(51)【国際特許分類】
H01G 4/232 20060101AFI20150313BHJP
H01G 4/12 20060101ALI20150313BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20150313BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20150313BHJP
【FI】
H01G4/12 352
H01G4/12 364
H01G4/30 301B
H01G4/30 311E
H01G1/035 D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-269267(P2013-269267)
(22)【出願日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0113360
(32)【優先日】2013年9月24日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒエ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヒー ジュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF02
5E001AH03
5E001AH07
5E001AJ03
5E082AB03
5E082GG10
5E082GG26
5E082PP09
(57)【要約】
【課題】本発明は、基板内蔵用積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明によれば、外部の配線をビアホールを介して連結させるための一定長さ以上の外部電極のバンド面を形成し且つ外部電極の厚さを小さくすることにより、チップ全体におけるセラミック本体の厚さを向上させ、チップの強度を向上させ、割れ等の破損発生を防止することができる基板内蔵用積層セラミック電子部品及びその製造方法が提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層を含み、長さ方向の両端面、幅方向の両端面及び厚さ方向の両端面を有するセラミック本体と、
前記セラミック本体の長さ方向の両端面に交互に露出するように前記誘電体層を介して形成された第1の内部電極及び第2の内部電極と、
前記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成され、前記第1の内部電極と電気的に連結される第1の外部電極及び前記第2の内部電極と電気的に連結される第2の外部電極と、
を含み、
前記第1及び第2の外部電極は、前記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成される第1及び第2のベース電極、前記セラミック本体の厚さ方向の両端面に形成される伝導性薄膜層、及び前記第1及び第2のベース電極及び前記伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層を含む、基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記伝導性薄膜層の厚さは0.1〜5000nmである、請求項1に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記伝導性薄膜層の厚さをtf、前記伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層の厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000である、請求項1または2に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記伝導性薄膜層は銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、チタニウム(Ti)及び炭素(C)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記伝導性薄膜層は前記セラミック本体の厚さ方向の少なくとも一端面の両端部に分割されて形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記伝導性薄膜層は前記第1及び第2のベース電極と連結されるように形成される、請求項1から5のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記伝導性薄膜層は前記セラミック本体の厚さ方向の両端面から前記第1及び第2のベース電極上に伸びて形成される、請求項1から6のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記セラミック本体の厚さ方向の一端面の前記伝導性薄膜層上に形成された前記第1及び第2の外部電極のバンド面の幅をBWとしたとき、BWそれぞれは前記セラミック本体の長さの25%以上である、請求項1から7のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記セラミック本体の厚さは前記第1及び第2の外部電極を含む積層セラミック電子部品の全厚さの60%以上である、請求項1から8のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項10】
前記第1及び第2の外部電極を含む積層セラミック電子部品の全厚さは300μm以下である、請求項1から9のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【請求項11】
複数のセラミックシートを製造する段階と、
前記それぞれのセラミックシート上に導電性ペーストを用いて内部電極パターンを形成する段階と、
前記内部電極パターンが形成されたセラミックシートを積層することにより内部に対向して配置される第1及び第2の内部電極を含むセラミック本体を形成する段階と、
前記セラミック本体を圧着及び焼成する段階と、
前記セラミック本体の長さ方向の両端面に露出する前記第1及び第2の内部電極と接触して電気的に連結されるように第1及び第2の外部電極を形成する段階と、
を含み、
前記第1及び第2の外部電極を形成する段階において、前記セラミック本体の長さ方向の両端面に第1及び第2のベース電極を形成し、前記セラミック本体の厚さ方向の両端面に伝導性薄膜層を形成し、前記第1及び第2のベース電極及び伝導性薄膜層上にメッキ層を形成する、基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記伝導性薄膜層の形成はスパッタリング(sputtering)工法、印刷(printing)工法及び無電解メッキ工法からなる群から選択されたいずれか一つ以上の方法で行われる、請求項11に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項13】
前記伝導性薄膜層は0.1〜5000nmの厚さで形成される、請求項11または12に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項14】
前記伝導性薄膜層の厚さをtf、前記伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層の厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000を満たす、請求項11から13のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項15】
前記伝導性薄膜層は銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、チタニウム(Ti)及び炭素(C)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含む、請求項11から14のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項16】
前記伝導性薄膜層は前記セラミック本体の厚さ方向の少なくとも一端面の両端部に分割されて形成される、請求項11から15のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項17】
前記伝導性薄膜層は前記第1及び第2のベース電極と連結されるように形成される、請求項11から16のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項18】
絶縁基板と、
基板内蔵用積層セラミック電子部品とを備え、
前記基板内蔵用積層セラミック電子部品は、
誘電体層を含み、長さ方向の両端面、幅方向の両端面及び厚さ方向の両端面を有するセラミック本体と、
前記セラミック本体の長さ方向の両端面に交互に露出するように前記誘電体層を介して形成された第1の内部電極及び第2の内部電極と、
前記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成され前記第1の内部電極と電気的に連結される第1の外部電極及び前記第2の内部電極と電気的に連結される第2の外部電極とを含み、
前記第1及び第2の外部電極は、前記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成される第1及び第2のベース電極、前記セラミック本体の厚さ方向の両端面に形成される伝導性薄膜層、及び前記第1及び第2のベース電極及び伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層を含む
積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板。
【請求項19】
前記伝導性薄膜層の厚さは0.1〜5000nmである、請求項18に記載の積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板。
【請求項20】
前記伝導性薄膜層の厚さをtf、前記伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層の厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000である、請求項18または19に記載の積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板内蔵用積層セラミック電子部品、その製造方法及び積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路の高密度化及び高集積化につれ、印刷回路基板に実装される受動素子の実装空間が足りなくなり、これを解決するために、基板内に内蔵される部品、即ち、エンベデッド素子(embedded device)を具現しようとする研究が行われている。特に、容量性部品として用いられる積層セラミック電子部品を基板の内部に内蔵する多様な方案が提示されている。
【0003】
基板内に積層セラミック電子部品を内蔵する方法としては、基板材料自体を積層セラミック電子部品用誘電体材料として用い、銅配線等を積層セラミック電子部品用電極として用いる方法がある。また、基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現するための他の方法として、高誘電率の高分子シートや薄膜の誘電体を基板の内部に形成して基板内蔵用積層セラミック電子部品を形成する方法、及び積層セラミック電子部品を基板内に内蔵する方法等がある。
【0004】
通常、積層セラミック電子部品は、セラミック材質からなる複数の誘電体層とこの複数の誘電体層の間に挿入された内部電極とを備える。このような積層セラミック電子部品を基板の内部に配置させることにより、高い静電容量を有する基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現することができる。
【0005】
基板内蔵用積層セラミック電子部品を基板に埋め込んだ後、レーザーを用いて樹脂を貫通して積層セラミック電子部品の外部電極が露出するようにビアホールを形成し、上記ビアホールを銅メッキで充填して外部の配線と積層セラミック電子部品の外部電極とが電気的に連結されるようにする。
【0006】
この際、積層セラミック電子部品の外部電極と外部の配線とをビアホールを介して連結させるためには、一定長さ以上の外部電極のバンド面を形成する必要がある。しかしながら、既存のディッピング(dipping)方式等により一定長さ以上の外部電極のバンド面を形成する場合、外部電極の厚さが厚くなり、外部電極の厚さが厚くなるほど、十分な厚さのセラミック本体を確保することができなかった。基板内蔵用積層セラミック電子部品は、非内蔵型積層セラミック電子部品に比べてチップ全体の厚さが薄いため、外部電極のバンド面が厚く形成される場合はセラミック本体の厚さが薄くなりすぎてチップの強度が弱くなり破損が発生するという問題があった。
【0007】
また、積層セラミック電子部品のセラミック本体と外部電極の厚さ分だけ発生する段差が大きくなると、積層セラミック電子部品とフィルムとの間の空間が大きくなるため、デラミネーションの発生率がより増加する。したがって、このようなデラミネーションを減らすためにも外部電極の厚さを小さくする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2011−0122008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、外部の配線をビアホールを介して連結させるための一定長さ以上の外部電極のバンド面を形成し且つ外部電極の厚さを小さくすることによりチップ全体におけるセラミック本体の厚さを向上させた基板内蔵用積層セラミック電子部品、その製造方法及び積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、誘電体層を含み、長さ方向の両端面、幅方向の両端面及び厚さ方向の両端面を有するセラミック本体と、上記誘電体層を介して上記セラミック本体の長さ方向の両端面に交互に露出するように形成された第1の内部電極及び第2の内部電極と、上記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成され上記第1の内部電極と電気的に連結される第1の外部電極及び上記第2の内部電極と電気的に連結される第2の外部電極と、を含み、上記第1及び第2の外部電極は上記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成される第1及び第2のベース電極、上記セラミック本体の厚さ方向の両端面に形成される伝導性薄膜層、及び上記第1及び第2のベース電極及び伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層を含む基板内蔵用積層セラミック電子部品が提供される。
【0011】
上記伝導性薄膜層の厚さは0.1〜5000nmであることができる。
【0012】
上記伝導性薄膜層の厚さをtf、上記伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層の厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000であることができる。
【0013】
上記伝導性薄膜層は銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、チタニウム(Ti)及び炭素(C)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
【0014】
上記伝導性薄膜層は上記セラミック本体の厚さ方向の一端面の両端部に分割されて形成されることができる。
【0015】
上記伝導性薄膜層は第1及び第2のベース電極と連結されることができる。
【0016】
上記伝導性薄膜層は上記セラミック本体の厚さ方向の両端面から上記第1及び第2のベース電極上に伸びて形成されることができる。
【0017】
上記セラミック本体の厚さ方向の一端面の上記伝導性薄膜層上に形成された第1及び第2の外部電極のバンド面の幅をBWとしたとき、BWそれぞれは上記セラミック本体の長さの25%以上であることができる。
【0018】
上記セラミック本体の厚さは外部電極を含む積層セラミック電子部品の全厚さの60%以上であることができる。
【0019】
上記外部電極を含む積層セラミック電子部品の全厚さは300μm以下であることができる。
【0020】
また、本発明の他の実施形態によれば、複数のセラミックシートを製造する段階と、上記それぞれのセラミックシート上に導電性ペーストを用いて内部電極パターンを形成する段階と、上記内部電極パターンが形成されたセラミックシートを積層することにより内部に対向して配置される第1及び第2の内部電極を含むセラミック本体を形成する段階と、上記セラミック本体を圧着及び焼成する段階と、上記セラミック本体の長さ方向の両端面に露出する上記第1及び第2の内部電極と接触して電気的に連結されるように第1及び第2の外部電極を形成する段階と、を含み、上記第1及び第2の外部電極を形成する段階は上記セラミック本体の長さ方向の両端面に第1及び第2のベース電極を形成し、上記セラミック本体の厚さ方向の両端面に伝導性薄膜層を形成し、上記第1及び第2のベース電極及び伝導性薄膜層上にメッキ層を形成する基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法が提供される。
【0021】
上記伝導性薄膜層の形成はスパッタリング(sputtering)工法、印刷(printing)工法及び無電解メッキ工法からなる群から選択されたいずれか一つ以上の方法で行われることができる。
【0022】
上記伝導性薄膜層は0.1〜5000nmの厚さで形成されることができる。
【0023】
上記伝導性薄膜層の厚さをtf、上記伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層の厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000であることができる。
【0024】
上記伝導性薄膜層は銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、チタニウム(Ti)及び炭素(C)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
【0025】
上記伝導性薄膜層は上記セラミック本体の厚さ方向の少なくとも一端面の両端部に分割されて形成されることができる。
【0026】
上記伝導性薄膜層は上記第1及び第2のベース電極と連結されるように形成されることができる。
【0027】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、絶縁基板と;誘電体層を含み、長さ方向の両端面、幅方向の両端面及び厚さ方向の両端面を有するセラミック本体と、上記誘電体層を介して上記セラミック本体の長さ方向の両端面に交互に露出するように形成された第1の内部電極及び第2の内部電極と、上記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成され上記第1の内部電極と電気的に連結される第1の外部電極及び上記第2の内部電極と電気的に連結される第2の外部電極と、を含み、上記第1及び第2の外部電極は上記セラミック本体の長さ方向の両端面に形成される第1及び第2のベース電極、上記セラミック本体の厚さ方向の両端面に形成される伝導性薄膜層、及び上記第1及び第2のベース電極及び伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層を含む基板内蔵用積層セラミック電子部品と;を含む積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板が提供される。
【0028】
上記伝導性薄膜層の厚さは0.1〜5000nmであることができる。
【0029】
上記伝導性薄膜層の厚さをtf、上記伝導性薄膜層上に形成されるメッキ層の厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000であることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態によれば、基板内蔵用積層セラミック電子部品において、外部の配線をビアホールを介して連結させるための一定長さ以上の外部電極のバンド面を形成し且つ外部電極の厚さを小さくすることにより、チップ全体におけるセラミック本体の厚さを向上させることができるため、チップの強度を向上させ、割れ等の破損発生を防止することができる。
【0031】
また、外部電極の厚さ分だけ発生する段差を減少させることにより、基板の内部への内蔵時のデラミネーションの発生率を減少させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を示す
図1のX‐X'線に沿う断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の断面図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極形成過程を示す断面図である。
【
図4b】本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極形成過程を示す断面図である。
【
図4c】本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極形成過程を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の伝導性薄膜層形成部分を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で観察した写真である。
【
図6】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品が内蔵される積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0034】
本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、図面上に表示されたL、W及びTはそれぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向である。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向と同じ概念で用いられる。
【0035】
基板内蔵用積層セラミック電子部品
以下では、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を説明する上で、特に、基板内蔵用積層セラミックキャパシタを例に挙げて説明するが、これに制限されるものではない。
【0036】
図1は本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、
図2及び
図3は本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を示す
図1のX‐X'線に沿う断面図である。
【0037】
図1〜
図3を参照すると、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品100は、セラミック本体10と、第1及び第2の内部電極21、22と、第1及び第2の外部電極31、32と、を含む。
【0038】
セラミック本体10は、長さ方向(L)の両端面、幅方向(W)の両端面及び厚さ方向(T)の両端面を有する六面体形に形成されることができる。上記セラミック本体10は複数の誘電体層11を厚さ方向(T)に積層した後に焼成して形成され、上記セラミック本体10の形状、寸法及び誘電体層11の積層数は図示に限定されるものではない。
【0039】
また、セラミック本体10を形成する複数の誘電体層11は焼結された状態で、隣接する誘電体層11の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いなくては確認できないほどに一体化されることができる。
【0040】
誘電体層11は、その厚さを積層セラミック電子部品100の容量設計に合わせて任意に変更でき、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、セラミック粉末に、本発明の目的に応じて多様なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤等が添加されることができる。
【0041】
誘電体層11の形成に用いられるセラミック粉末の平均粒径は、例えば、400nm以下であることができるが、特に制限されず、本発明の目的達成のために多様に調節されることができる。
【0042】
第1及び第2の内部電極21、22は、相違する極性を有する一対の電極であり、厚さ方向(T)に積層される複数の誘電体層11上に所定の厚さで導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して誘電体層11の積層方向に沿ってセラミック本体10の長さ方向(L)の両端面から交互に露出するように形成され、中間に配置された誘電体層11によって電気的に絶縁されることができる。
【0043】
即ち、第1及び第2の内部電極21、22は、セラミック本体10の両端面から交互に露出する部分を介して、セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に形成された第1及び第2の外部電極31、32とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0044】
したがって、第1及び第2の外部電極31、32に電圧を印加すると、対向する第1及び第2の内部電極21、22の間に電荷が蓄積され、この際の積層セラミックキャパシタ100の静電容量は第1及び第2の内部電極21、22の重なり領域の面積に比例する。
【0045】
このような第1及び第2の内部電極21、22の幅は、用途によって決められ、例えば、セラミック本体10のサイズを考慮して0.2〜1.0μmの範囲内に決められるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
また、第1及び第2の内部電極21、22を形成する導電性ペーストに含まれる導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)又は白金(Pt)等のうち一つ又はこれらの合金であることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
第1及び第2の外部電極31、32は、セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に形成され、セラミック本体10の厚さ方向(T)の両端面上に伸びてバンド面BWを形成することができる。
【0048】
第1及び第2の外部電極31、32は、上記セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に形成される第1及び第2のベース電極31a、32aと、上記セラミック本体10の厚さ方向(T)の両端面に形成される伝導性薄膜層35と、第1及び第2のベース電極31a、32a及び伝導性薄膜層35上に形成されるメッキ層31b、32bと、を含むことができる。
【0049】
従来の外部電極形成方法としては、セラミック本体を金属成分の含まれたペーストにディッピング(dipping)する方法が主に用いられてきた。この際、基板内蔵用積層セラミックキャパシタにおいては、外部電極と外部の配線をビアホールを介して連結させるために一定長さ以上の外部電極のバンド面を形成する必要があるが、従来のディッピング(dipping)方法では、ペーストの界面張力によって左右両側のバンド面が厚く塗布されてしまう。
【0050】
しかしながら、本発明の一実施形態によれば、セラミック本体10の厚さ方向(T)の端面上に伝導性薄膜層35を形成することにより、これをメッキシード(seed)層として伝導性薄膜層35上に一定長さ以上の外部電極31、32のバンド面BWをメッキで平坦で薄く形成することができる。
【0051】
上記第1及び第2のベース電極31a、32aは、その形成方法に特別な制限はなく、例えば、導電性金属を含む導電性ペーストを塗布した後に焼成することにより形成されることができる。第1及び第2のベース電極31a、32aは、第1及び第2の内部電極21、22と同じ導電性金属で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等のうち一つ又はこれらの合金で形成されることができる。
【0052】
第1及び第2のベース電極31a、32aは、セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に形成され、厚さ方向(T)の両端面に連結されるコーナー部を覆うように伸びて形成されることができる。
【0053】
伝導性薄膜層35は、セラミック本体10の厚さ方向(T)の両端面に形成されることができ、厚さ方向(T)の一端面の両端部に分割されて形成されることもできる。伝導性薄膜層35は、第1及び第2のベース電極31a、31bと連結されるように形成されることができる。
【0054】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による伝導性薄膜層35は、セラミック本体10の厚さ方向(T)の両端面から第1及び第2のベース電極31a、32a上に伸びて形成されることができる。
【0055】
伝導性薄膜層35は、その形成方法に特別な制限はなく、スパッタリング(sputtering)工法等により薄膜で形成されることができる。薄膜で形成される伝導性薄膜層35の厚さは0.1〜5000nmであることができる。伝導性薄膜層35を上記範囲内に薄く形成することにより、外部電極のバンド面の厚さを小さくし、その分だけセラミック本体10の厚さを向上させて強度を向上させることができる。伝導性薄膜層35の厚さが0.1nm未満の場合は、伝導性薄膜層が均一に形成されるのが困難であり、切断現象が発生し、5000nmを超える場合は、伝導性薄膜層の形成に必要とされる時間が不要に増加する問題が発生する可能性がある。
【0056】
伝導性薄膜層35は、第1及び第2の内部電極21、22と同じ導電性金属で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、チタニウム(Ti)又は炭素(C)等のうち一つ又はこれらの合金を含むことができる。
【0057】
第1及び第2のベース電極31a、32a及び伝導性薄膜層35をメッキシード(seed)層として当該第1及び第2のベース電極31a、32a及び伝導性薄膜層35上にメッキ層31b、32bを形成することができる。
【0058】
メッキ層31b、32bは、第1及び第2の内部電極21、22と同じ導電性金属で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等のうち一つ又はこれらの合金であることができる。
【0059】
伝導性薄膜層35の厚さをtf、上記伝導性薄膜層35上に形成されるメッキ層31b、32bの厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000であることができる。
【0060】
伝導性薄膜層35の厚さが厚すぎるか又はメッキ層31b、32bの厚さが薄すぎてtp/tfが1.5未満の場合は、メッキ層の最小厚さである5μmが満たせず、伝導性薄膜層35の厚さが薄すぎるか又はメッキ層31b、32bの厚さが厚すぎてtp/tfが10000を超える場合は、チップ全体の厚さが厚くなって基板内蔵用MLCCチップに求められる厚さを超えるか又はセラミック本体の厚さが相対的に薄くなって強度が低下する問題が発生する可能性がある。
【0061】
伝導性薄膜層35上にメッキ層31b、32bが形成された外部電極31、32のバンド面の幅BWはそれぞれセラミック本体10の長さの25%以上であることができる。バンド面の幅BWがセラミック本体10の長さの25%未満の場合は、外部配線との連結のためのビアを加工するときに不良発生率が大きくなるという問題がある。
【0062】
外部電極31、32を含む基板内蔵用積層セラミックキャパシタ100の全厚さtmは300μm以下であることができる。積層セラミックキャパシタ100の全厚さtmを300μm以下にすることにより、基板内蔵用に適した積層セラミックキャパシタを製作することができる。
【0063】
この際、セラミック本体10の厚さtsは、外部電極31、32を含む積層セラミックキャパシタの全厚さtmの60%以上であることができる。セラミック本体10の厚さtsが積層セラミックキャパシタの全厚さtmの60%未満の場合は、チップの強度が弱くなって破損等の不良が発生する可能性がある。
【0064】
基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法
本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法は下記の通りである。まず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等のパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布し乾燥して複数のセラミックシートを製造し、これにより、誘電体層を形成する。
【0065】
上記セラミックシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート(sheet)状にして製作される。
【0066】
次に、導電性金属粉末を含む導電性ペーストを製造する。上記導電性金属粉末はニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)又は白金(Pt)等のうち一つ又はこれらの合金である。粒子の平均サイズが0.1〜0.2μmの上記導電性金属粉末を40〜50重量%含む内部電極用導電性ペーストを製造する。
【0067】
次に、上記セラミックシート上に上記内部電極用導電性ペーストを印刷工法等で塗布して内部電極パターンを形成する。上記導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法等を用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。上記内部電極パターンの印刷されたセラミックシートを200〜300層積層した後に圧着及び焼成してセラミック本体を製作する。
【0068】
次に、上記セラミック本体の長さ方向の両端面に露出する上記内部電極と接触して電気的に連結されるように外部電極を形成する。
【0069】
図4a〜
図4cは、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極形成過程を示す断面図である。
【0070】
図4aを参照すると、セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に第1及び第2のベース電極31a、32aを形成することができる。
【0071】
第1及び第2のベース電極31a、32aは、その形成方法に特別な制限はなく、例えば、導電性金属を含む導電性ペーストをディッピング(dipping)法等で塗布した後に焼成することにより形成されることができる。第1及び第2のベース電極31a、32aは、第1及び第2の内部電極21、22と同じ導電性金属で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等のうち一つ又はこれらの合金で形成されることができる。
【0072】
第1及び第2のベース電極31a、32aをディッピング(dipping)法で形成するとき、内部電極露出面であるセラミック本体10の長さ方向(L)の一端面の端部に最小化してディッピング(dipping)することができる。これにより、第1及び第2のベース電極31a、32aは、セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面と厚さ方向(T)の両端面に連結されるコーナー部とを覆うように伸びて形成されることができる。
【0073】
図4bを参照すると、セラミック本体10の厚さ方向(T)の両端面に伝導性薄膜層35を形成することができる。
【0074】
伝導性薄膜層35は、スパッタリング(sputtering)工法、印刷(printing)工法又は無電解メッキ工法等により薄膜で形成されることができるが、これに制限されない。
【0075】
伝導性薄膜層35をスパッタリング(sputtering)工法で形成するときには、1次でセラミック本体10の厚さ方向(T)の一端面に伝導性薄膜層35を形成した後、2次で厚さ方向(T)の他端面に伝導性薄膜層35を形成することができる。
【0076】
第1及び第2のベース電極31a、32aを形成した後に伝導性薄膜層35を形成することもでき、伝導性薄膜層35を形成した後に第1及び第2のベース電極31a、32aを形成することもできる等、伝導性薄膜層35の形成手順は特に制限されない。
【0077】
伝導性薄膜層35は、セラミック本体10の厚さ方向(T)の一端面の両端部に分割されて形成され、それぞれ第1及び第2のベース電極31a、31bと連結されるように形成されることができる。
【0078】
薄膜で形成される伝導性薄膜層35の厚さは0.1〜5000nmであることができる。伝導性薄膜層35を上記範囲内に薄く形成することにより、外部電極のバンド面の厚さを小さくし、その分だけセラミック本体10の厚さを向上させて強度を向上させることができる。伝導性薄膜層35の厚さが0.1nm未満の場合は、伝導性薄膜層が均一に形成されるのが困難であり、切断現象が発生し、5000nmを超える場合は、伝導性薄膜層の形成に必要とされる時間が不要に増加する問題が発生する可能性がある。
【0079】
伝導性薄膜層35は、内部電極と同じ導電性金属で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、チタニウム(Ti)又は炭素(C)等のうち一つ又はこれらの合金を含むことができる。
【0080】
図4cを参照すると、第1及び第2のベース電極31a、32a及び伝導性薄膜層35上にメッキ層31b、32bを形成することができる。
【0081】
第1及び第2のベース電極31a、32a及び伝導性薄膜層35をメッキシード(seed)層として厚さ5〜14μmのメッキ層31b、32bを形成することができる。
【0082】
メッキ層31b、32bは、内部電極と同じ導電性金属で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等のうち一つ又はこれらの合金で形成されることができる。
【0083】
伝導性薄膜層35の厚さをtf、上記伝導性薄膜層35上に形成されるメッキ層31b、32bの厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000であることができる。
【0084】
伝導性薄膜層35の厚さが厚すぎるか又はメッキ層31b、32bの厚さが薄すぎてtp/tfが1.5未満の場合は、メッキ層の最小厚さである5μmが満たせず、伝導性薄膜層35の厚さが薄すぎるか又はメッキ層31b、32bの厚さが厚すぎてtp/tfが10000を超える場合は、チップ全体の厚さが厚くなって基板内蔵用MLCCチップに求められる厚さを超えるか又はセラミック本体の厚さが相対的に薄くなって強度が低下する問題が発生する可能性がある。
【0085】
伝導性薄膜層35を形成し、伝導性薄膜層35上にメッキ層31b、32bを形成することにより、ビアホールを連結させるための一定長さ以上の外部電極31、32のバンド面を平坦で薄く形成することができる。
【0086】
その他、上述した本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の特徴と同じものに関する説明は省略する。
【0087】
積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板
図6は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品が内蔵される積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板を示す断面図である。
【0088】
図6を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品が内蔵される積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板200は、絶縁基板210と、上記絶縁基板210の内部に内蔵された上記基板内蔵用積層セラミック電子部品と、を含むことができる。
【0089】
上記絶縁基板210は、絶縁層220が含まれた構造からなり、必要に応じて、
図6に例示されたように多様な形態の層間回路を構成する導電性パターン230及び導電性ビアホール240を含むことができる。上記絶縁基板210は、内部に積層セラミック電子部品を含む印刷回路基板200でもある。
【0090】
上記基板内蔵用積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、長さ方向(L)の両端面、幅方向(W)の両端面及び厚さ方向(T)の両端面を有するセラミック本体10と、上記誘電体層11を介して上記セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に交互に露出するように形成された第1及び第2の内部電極21、22と、上記セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に形成され上記第1の内部電極21と電気的に連結される第1の外部電極31及び上記第2の内部電極22と電気的に連結される第2の外部電極32と、を含み、上記第1及び第2の外部電極31、32は上記セラミック本体10の長さ方向(L)の両端面に形成される第1及び第2のベース電極31a、32a、上記セラミック本体10の厚さ方向(T)の両端面に形成される伝導性薄膜層35、及び上記第1及び第2のベース電極31a、32a及び伝導性薄膜層35上に形成されるメッキ層31b、32bを含むことができる。
【0091】
セラミック本体10の厚さ方向(T)の端面上に伝導性薄膜層35を形成することにより、これをメッキシード(seed)層として伝導性薄膜層35上に一定長さ以上の外部電極31、32のバンド面BWをメッキで平坦で薄く形成することができる。したがって、外部電極とセラミック本体の段差を減らし、デラミネーションの発生を防止することができる。
【0092】
伝導性薄膜層35は、その形成方法に特別な制限はなく、スパッタリング(sputtering)工法等により薄膜で形成されることができる。薄膜で形成される伝導性薄膜層35の厚さは0.1〜5000nmであることができる。伝導性薄膜層35を上記範囲内に薄く形成することにより、外部電極のバンド面の厚さを小さくし、その分だけセラミック本体10の厚さを向上させて強度を向上させることができる。伝導性薄膜層35の厚さが0.1nm未満の場合は、伝導性薄膜層が均一に形成されるのが困難であり、切断現象が発生し、5000nmを超える場合は、伝導性薄膜層の形成に必要とされる時間が不要に増加する問題が発生する可能性がある。
【0093】
伝導性薄膜層35の厚さをtf、上記伝導性薄膜層35上に形成されるメッキ層31b、32bの厚さをtpとしたとき、1.5≦tp/tf≦10000であることができる。
【0094】
伝導性薄膜層35の厚さが厚すぎるか又はメッキ層31b、32bの厚さが薄すぎてtp/tfが1.5未満の場合は、メッキ層の最小厚さである5μmが満たせず、伝導性薄膜層35の厚さが薄すぎるか又はメッキ層31b、32bの厚さが厚すぎてtp/tfが10000を超える場合は、チップ全体の厚さが厚くなって基板内蔵用MLCCチップに求められる厚さを超えるか又はセラミック本体の厚さが相対的に薄くなって強度が低下する問題が発生する可能性がある。
【0095】
伝導性薄膜層35上にメッキ層31b、32bが形成された外部電極31、32のバンド面の幅BWはそれぞれセラミック本体10の長さの25%以上であることができる。バンド面の幅BWがセラミック本体10の長さの25%未満の場合は、導電性パターン230との連結のためのビアホール240を加工するときに不良発生率が大きくなるという問題がある。
【0096】
その他の特徴は、上述した本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の特徴と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0097】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0098】
100 積層セラミックキャパシタ
200 印刷回路基板
11 誘電体層
210 絶縁基板
21、22 第1及び第2の内部電極
220 絶縁層
31、32 第1及び第2の外部電極
230 導電性パターン
31a、32a 第1及び第2のベース電極
240 導電性ビアホール
31b、32b 第1及び第2のメッキ層
35 伝導性薄膜層