特開2015-67306(P2015-67306A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-67306袋詰め包装におけるスチーム置換脱気方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-67306(P2015-67306A)
(43)【公開日】2015年4月13日
(54)【発明の名称】袋詰め包装におけるスチーム置換脱気方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 31/00 20060101AFI20150317BHJP
   B65B 31/04 20060101ALI20150317BHJP
【FI】
   B65B31/00 B
   B65B31/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-203148(P2013-203148)
(22)【出願日】2013年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】東洋自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000730
【氏名又は名称】特許業務法人 清水・醍醐特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 敦雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕太
(72)【発明者】
【氏名】松村 啓史
【テーマコード(参考)】
3E053
【Fターム(参考)】
3E053AA06
3E053BA10
3E053DA06
3E053FA01
3E053GA02
3E053GA05
3E053GA06
3E053GA08
(57)【要約】
【課題】袋が空の場合であっても、噴射されるスチームを確実に捕捉し、作業環境の悪化、包装機の汚染、周辺機器の故障といった様々な問題の発生を防止できるスチーム置換脱気方法及び装置を提供する。
【解決手段】袋Bに被包装物が充填されたかどうかを検出するセンサ15を設け、充填されている場合にはノズル33を待機位置から下降端位置へ移動させてノズル下端の吐出口を袋内に挿入し、スチームを吹込む。その際にノズルの上方に配置されたフードから上方へ流れたスチームを回収する。被包装物が充填されなかった場合には、ノズルを退避位置へ移動し、スチーム受け容器45をノズルと袋との間に進入させ、ノズルをスチーム廃棄位置へ移動して、容器内へ向けてスチームを噴射する。容器から上方へ流れるスチームはフードを介して回収する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のグリッパで袋の両側縁部を挟持し、該袋を袋口が上を向いた垂直姿勢に保持し、水平面内の所定の移動軌道に沿って該袋を移送しながら被包装物の袋詰めを行う袋詰め包装におけるスチーム置換脱気方法において、
検出手段により前記袋内に被包装物が充填されたかどうかを検出する検出工程を備え、
前記検出工程において前記袋内への被包装物の充填がされたことが検出された場合には、スチーム置換脱気工程が実施され、該スチーム置換脱気工程においては、
移送される袋と干渉しない高さ位置に設定される待機位置に待機しているスチーム吹込みノズルを下降させてその下端の吐出口を袋内へ進入させるノズル挿入ステップと、
前記スチーム吹込みノズルが所定の下降端位置に到達するのに前後して、スチームを前記袋内へ吹込むスチーム吹込みステップと、
前記スチーム吹込みノズルの上方に配置され、吸引源に接続されたスチーム回収フードを介してスチームを回収するスチーム回収ステップと、
前記スチーム吹込みノズルを前記下降端位置から前記待機位置へ復帰させるノズル復帰ステップと、
前記ノズル復帰ステップの開始前或いは前記ノズル復帰ステップにおいて遅くとも前記スチームノズルの吐出口が前記袋の袋口から抜け出る直前にスチームの吹込みを停止するスチーム吹込み停止ステップと、
を実施し、
前記検出工程において前記袋内への被包装物の充填がされたことが検出されなかった場合には、スチーム回収工程が実施され、該スチーム回収工程においては、
前記スチーム吹込みノズルを前記所定の待機位置から所定の退避位置へ移動させるノズル退避ステップと、
上端部が開口したスチーム受け容器を、容器待機位置から、前記退避位置に位置したスチーム吹込みノズルと前記袋の袋口との間に位置するスチーム受け位置へ移動する容器配置ステップと、
前記スチーム吹込みノズルを、その吐出口が前記スチーム受け容器内又は該スチーム容器の上方に位置する、廃棄位置へ位置させる廃棄準備ステップと、
スチームを前記スチーム受け容器内に向けて吹込んで廃棄するスチーム廃棄ステップと、
前記スチーム回収フードを介して廃棄されたスチームを回収する廃棄スチーム回収ステップと、
前記スチーム吹込みノズルを前記所定の廃棄位置から前記所定の待機位置へ復帰させる廃棄後ノズル復帰ステップと、
前記廃棄後ノズル復帰ステップ過程において前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記スチーム受け容器の上部開口端部より上に位置したのちに、前記スチーム受け容器を容器待機位置へ移動させる容器復帰ステップと
を実施する、
ことを特徴とする、スチーム置換脱気方法。
【請求項2】
請求項1記載のスチーム置換脱気方法において、前記待機位置は、前記退避位置と同じ位置に設定され、前記廃棄位置は、前記退避位置と同じ位置に設定されることを特徴とする、スチーム置換脱気方法。
【請求項3】
請求項1記載のスチーム置換脱気方法において、前記待機位置は前記退避位置より低い位置に設定され、前記スチーム回収工程の前記ノズル退避ステップにおいては、前記ノズルを前記待機位置から前記退避位置へ上昇させることを特徴とする、スチーム置換脱気方法。
【請求項4】
左右一対のグリッパで袋の両側縁部を挟持し、該袋を袋口が上を向いた垂直姿勢に保持し、水平面内の所定の移動軌道に沿って該袋を移送しながら被包装物の袋詰めを行う袋詰め包装におけるスチーム置換脱気装置において、
袋内に被包装物が充填されたか否かを検出する検出装置と、
下端に吐出口が形成され、スチーム供給配管を介してスチーム供給源に接続されたスチーム吹込みノズルであって、第1の昇降駆動源に接続されて、所定の待機位置、下降端位置、退避位置、及び廃棄位置との間で昇降自在に構成されたスチーム吹込みノズルと、
前記スチーム供給源から前記スチーム吹込みノズルへのスチームの供給を開閉する切換バルブと、
上部が開口された容器であって、駆動源に接続されて、前記スチーム吹込みノズルの下方からそれた容器待機位置と、前記スチーム吹込みノズルと前記袋の袋口との間に位置するスチーム受け位置との間で移動可能となっているスチーム受け容器と、
前記スチーム吹込みノズルの上方に配置され、吸引源に接続されたスチーム回収フードと、
前記検出装置からの信号に基づいて、前記スチーム吹込みノズルの昇降運動と、スチーム回収容器の駆動源を制御する制御手段とを備え、
前記所定の待機位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記袋の袋口より上方に位置する位置として設定され、前記所定の下降端位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記袋内に位置している位置として設定され、前記所定の退避位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が、前記スチーム受け容器の上部開口端部より上に位置する位置として設定され、前記所定の廃棄位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記スチーム受け容器の中或いは上側に位置する位置として設定される、
ことを特徴とする、スチーム置換脱気装置。
【請求項5】
請求項4記載のスチーム置換脱気装置において、前記昇降駆動源はカムを備え、前記スチーム置換脱気装置はさらに、駆動源に接続され、退避位置と進入位置との間で移動されるストッパを備え、前記ストッパが前記退避位置に位置しているときには前記ストッパは前記スチーム吹込みノズルの移動を妨げず、前記ストッパが前記進入位置に位置したときには前記ストッパが前記スチーム吹込みノズルが前記退避位置から移動するのを阻止することを特徴とする、スチーム置換脱気装置。
【請求項6】
請求項5記載のスチーム置換脱気装置において、前記ストッパは相対的に下方に設定された退避位置と相対的に上方に設定された進入位置との間で移動するように構成され、前記ノズルは前記昇降駆動源に接続されて昇降自在な昇降軸に取付けられ、前記ストッパは、前記進入位置に位置したときに前記昇降軸の下降を阻止することにより、前記ノズルの前記退避位置から下方への移動を阻止することを特徴とする、スチーム置換脱気装置。
【請求項7】
請求項4記載のスチーム置換脱気装置において、前記スチーム置換脱気装置はさらに、前記第1の昇降駆動源の昇降部材に取付けられた第2の昇降駆動源を備え、前記スチーム吹込みノズルは該第2の昇降駆動源に接続され、前記第2の昇降駆動源が作動していないときに前記第1の昇降駆動源が作動して前記スチーム吹込みノズルは前記待機位置と下降端位置との間で昇降し、前記第2の昇降駆動源が作動しているときに、前記第1昇降駆動源が作動して前記スチーム吹込みノズルが前記退避位置と前記廃棄位置との間で昇降し、前記制御装置は前記検知装置からの信号に基づき、前記第2の昇降駆動源を制御するとを特徴とする、スチーム置換脱気装置。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれか1に記載のスチーム置換脱気装置において、前記スチーム受け容器の底部には廃棄配管が接続されていることを特徴とする、スチーム置換脱気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、袋詰め包装におけるスチーム置換脱気方法及び装置に関する。より具体的には、互いに接離自在な左右一対のグリッパで袋の両側縁部を挟持し、当該袋を袋口が上を向いた垂直姿勢で吊下げ状態に保持し、該袋を水平面内における所定の移動軌道に沿って移送しながら、袋口の開口、被包装物の充填、袋口のシール等所定の包装処理を順次行う袋詰め包装におけるスチーム置換脱気方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等の袋詰めを行う際に、被包装物充填後に袋内の空気をスチームで置換して脱気する場合がある。特許第5159496号公報にはそのようなスチーム置換脱気装置の一例が開示されている。その装置においては、センサ26を用いて袋20内に被包装物が正常に充填されたかどうかを検出する。そして、正常な充填が行われなかった場合には、その袋がスチーム置換脱気工程位置へ移送されてきたときにスチーム吹込みノズル30を垂直面内でスイングさせて、ノズルの吐出口を袋口に対する位置から吸気筒50に向けさせた後、ノズルから所定のタイミングで噴射されるスチームを吸気筒で吸込むようになっている。
【0003】
その結果、空であった袋内へはスチームが吹込まれないので、その後の工程での袋口のシール等の作業を全て中止するように制御して、その空袋を再度使用して包装処理を行うことができる。これにより不良袋の発生を防止でき、効率の良い包装が可能となる。しかしながら特許第5159496号公報に開示されたスチーム置換脱気装置には次のような問題点がある。
【0004】
すなわち、スチーム吹込みノズルから吹出されたスチームを吸気筒で吸込むとはいっても、吹出される一回当たりのスチームの量は被包装物が正常に充填された袋内へ吹き込むのと同じ量であり、相当な量となる。このためその全てを吸込むことはできず、周辺へのスチームの飛散は避けられない。また、スチームは空気より比重が軽いため、スチームは下向きに噴射されても直ぐに上方へ流れてしまう。従って、この例のようにスチームを下向きに吸引する場合、スチームの回収効率が悪くなる。従って作業環境の悪化、包装機の汚染、周辺機器の故障といった問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5159496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、簡単な構成で、確実、且つ安定したスチーム置換脱気を行うことができると共に、上記した従来の問題点を解決することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を備えたスチーム置換脱気方法を提供する。その方法は、左右一対のグリッパで袋の両側縁部を挟持し、該袋を袋口が上を向いた垂直姿勢に保持し、水平面内の所定の移動軌道に沿って該袋を移送しながら被包装物の袋詰めを行う袋詰め包装におけるスチーム置換脱気方法であり、
検出手段により前記袋内に被包装物が充填されたかどうかを検出する検出工程を備え、
前記検出工程において前記袋内への被包装物の充填がされたことが検出された場合には、スチーム置換脱気工程が実施され、該スチーム置換脱気工程においては、
移送される袋と干渉しない高さ位置に設定される待機位置に待機しているスチーム吹込みノズルを下降させてその下端の吐出口を袋内へ進入させるノズル挿入ステップと、
前記スチーム吹込みノズルが所定の下降端位置に到達するのに前後して、スチームを前記袋内へ吹込むスチーム吹込みステップと、
前記スチーム吹込みノズルの上方に配置され、吸引源に接続されたスチーム回収フードを介してスチームを回収するスチーム回収ステップと、
前記スチーム吹込みノズルを前記下降端位置から前記待機位置へ復帰させるノズル復帰ステップと、
前記ノズル復帰ステップの開始前或いは前記ノズル復帰ステップにおいて遅くとも前記スチームノズルの吐出口が前記袋の袋口から抜け出る直前にスチームの吹込みを停止するスチーム吹込み停止ステップと、
を実施し、
前記検出工程において前記袋内への被包装物の充填がされたことが検出されなかった場合には、スチーム回収工程が実施され、該スチーム回収工程においては、
前記スチーム吹込みノズルを前記所定の待機位置から所定の退避位置へ移動させるノズル退避ステップと、
上端部が開口したスチーム受け容器を、容器待機位置から、前記退避位置に位置したスチーム吹込みノズルと前記袋の袋口との間に位置するスチーム受け位置へ移動する容器配置ステップと、
前記スチーム吹込みノズルを、その吐出口が前記スチーム受け容器内又は該スチーム受け容器の上方に位置する、廃棄位置へ位置させる廃棄準備ステップと、
スチームを前記スチーム受け容器内に向けて吹込んで廃棄するスチーム廃棄ステップと、
前記スチーム回収フードを介して廃棄されたスチームを回収する廃棄スチーム回収ステップと、
前記スチーム吹込みノズルを前記所定の廃棄位置から前記所定の待機位置へ復帰させる廃棄後ノズル復帰ステップと、
前記廃棄後ノズル復帰ステップ過程において前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記スチーム受け容器の上部開口端部より上に位置したのちに、前記スチーム受け容器を容器待機位置へ復帰させる容器復帰ステップと
を実施するようになっている。
上記の方法において、前記待機位置は、前記退避位置と同じ位置に設定し、前記廃棄位置は、前記退避位置と同じ位置に設定することができる。
さらに上記の方法において、前記待機位置は前記退避位置より低い位置に設定され、前記スチーム回収工程の前記ノズル退避ステップにおいては、前記スチーム吹込みノズルを前記待機位置から前記退避位置へ上昇させるように構成することができる。
上記課題を解決するために本願発明は、以下の構成を備えたスチーム置換脱気装置を提供する。その装置は、左右一対のグリッパで袋の両側縁部を挟持し、該袋を袋口が上を向いた垂直姿勢に保持し、水平面内の所定の移動軌道に沿って該袋を移送しながら被包装物の袋詰めを行う袋詰め包装におけるスチーム置換脱気装置であり、
袋内に被包装物が充填されたか否かを検出する検出装置と、
下端に吐出口が形成され、スチーム供給配管を介してスチーム供給源に接続されたスチーム吹込みノズルであって、第1の昇降駆動源に接続されて、所定の待機位置、下降端位置、退避位置、及び廃棄位置との間で昇降自在に構成されたスチーム吹込みノズルと、
前記スチーム供給源から前記スチーム吹込みノズルへのスチームの供給を開閉する切換バルブと、
上部が開口された容器であって、駆動源に接続されて、前記スチーム吹込みノズルの下方からそれた容器待機位置と、前記スチーム吹込みノズルと前記袋の袋口との間に位置するスチーム受け位置との間で移動可能となっているスチーム受け容器と、
前記スチーム吹込みノズルの上方に配置され、吸引源に接続されたスチーム回収フードと、
前記検出装置からの信号に基づいて、前記スチーム吹込みノズルの昇降運動と、スチーム回収容器の駆動源を制御する制御手段とを備え、
前記所定の待機位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記袋の袋口より上方に位置する位置として設定され、前記所定の下降端位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記袋内に位置している位置として設定され、前記所定の退避位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が、前記スチーム受け容器の上部開口端部より上に位置する位置として設定され、前記所定の廃棄位置は、前記スチーム吹込みノズルの吐出口が前記スチーム受け容器の中或いは上側に位置する位置として設定される。
上記装置において、前記昇降駆動源はカムを備え、前記スチーム置換脱気装置はさらに、駆動源に接続され、下降位置と上昇位置との間で移動し、前記上昇位置へ移動したときに、前記スチーム吹込みノズルが前記退避位置から下方へ移動するのを阻止することのできるストッパを備えている構成とすることができる。
さらに上記装置において、前記ノズルは前記昇降駆動源に接続されて昇降自在な昇降軸に取付けられ、前記ストッパは、前記上昇位置に位置したときに前記昇降軸の下降を阻止することにより、前記ノズルの前記退避位置から下方への移動を阻止するように構成できる。
さらに上記装置において、前記スチーム置換脱気装置はさらに、前記第1の昇降駆動源の昇降部材に取付けられた第2の昇降駆動源を備え、前記スチーム吹込みノズルは該第2の昇降駆動源に接続され、前記第2の昇降駆動源が作動していないときに前記第1の昇降駆動源が作動して前記スチーム吹込みノズルは前記待機位置と下降端位置との間で昇降し、前記第2の昇降駆動源が作動しているときに、前記第1昇降駆動源が作動して前記スチーム吹込みノズルが前記退避位置と前記廃棄位置との間で昇降し、前記制御装置は前記検出装置からの信号に基づき、前記第2の昇降駆動源を制御する構成とすることができる。
さらに上記装置において、前記スチーム受け容器の底部に廃棄配管を取付けることができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び4の発明によれば、袋に被包装物が充填されていない場合には、スチーム吹込みノズルと袋の袋口の間にスチーム受け容器を進入させ、そのスチーム受け容器の中に向けてスチームを吹込み、容器内から上方へ流れるスチームをスチーム吹込みノズルの上方に設置したスチーム回収フードを介して回収するようにした。スチーム受け容器が袋より上側に配置されているので、袋内へのスチームの侵入を確実に防止でき、かつスチームの飛散を低減できるので、作業環境の悪化、包装機の汚染、周辺機器の故障といった問題を防止できる。また、スチーム吹込みノズルの上方にスチーム回収フードを配置したので、スチームを確実且つ安定的に回収できる。
また、請求項3,7の発明によれば、袋に被包装物が充填されているときには、袋口とスチーム吹込みノズルの下端吐出口との間の距離を最少にできるので、1サイクル当たり(1工程間)のスチーム吹込み時間の割合を長くでき、より確実にスチーム置換脱気を行うことができる。
また、請求項5,6の発明によれば、ストッパの作動により、昇降軸を昇降駆動源から切り離してノズルを退避位置に保持しているので、待機位置から退避位置へ上昇させるための上昇駆動源などが不要となり、昇降軸からスチーム吹込みノズルまでの部品点数を少なくし、重量を軽くすることができる。よって、包装能力を上げた時にスチーム吹込みノズルの振動が起こりにくく、より安定した包装機の運転が可能となる。
さらに請求項8の発明によれば、スチーム受け容器内でスチームが液化して生成される水が容器の底につないだ配管を通じてドレン回収容器へ直ちに回収される。従って容器内に残った水が吹込まれるスチームによって容器の外側へ散布されることもなく、袋を汚染したり、包装機の汚染、周辺機器の故障といった問題を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願発明のスチーム置換脱気装置を備えた袋詰め包装機の概略構成図である。
図2】本願発明のスチーム置換脱気装置で使用されるスチーム配管の概略構成を説明する図である。
図3】第1の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図4】第1の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図5】第1の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図6】第1の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図7】第1の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図8】第1の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図9】第1の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図10】第1の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図11】第1の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図12】第1の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図13】第2の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図14】第2の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図15】第2の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図16】第2の実施の形態でのスチーム置換脱気工程の一部を示す図である。
図17】第2の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図18】第2の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図19】第2の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図20】第2の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図21】第2の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
図22】第2の実施の形態でのスチーム回収工程の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本願発明の実施の形態に係るスチーム置換脱気方法及び装置について説明する。先ず図1を参照して、本願発明のスチーム置換脱気装置を使用した袋詰め包装機1の構成について説明する。
【0011】
袋詰め包装機(以下単に「包装機」という。)1は、公知の間欠回転する回転テーブル3を備えており、その回転テーブル3にはその周方向に沿って等間隔に、袋Bを挟持するための左右一対のグリッパ5,5が複数組取付けられ、所定の軌道に沿って間欠的に移動するようになっている。なお、本願発明においてはグリッパ5,5の移動軌道は図示の円軌道に限定されるものではなく、直線、レーストラック形などでもよい。
【0012】
ステーションIでは給袋工程が実施され、ここにはコンベアマガジン7が設置されており、一対の取出し吸盤8、8によって袋Bを一枚づつ取出して、その姿勢を垂直状態に変換してグリッパ5,5に引渡す。グリッパ5,5は図示のとおり、袋Bの両側縁部を挟持して、その袋口(開口部)が上を向いた垂直姿勢で吊り下げ状態に保持する。ステーションIIでは印字工程が実施され、ここに印字器9が設けられ、袋Bに製造年月日等を印刷する。ステーションIIIでは開口工程が実施され、ここには一対の袋口開口用吸盤11,11が設けられ、互いに接離することにより袋Bの袋口を開くようになっている。ステーションIVでは充填工程が実施され、ホッパ13を介して袋Bへ被包装物の充填が行われる。符合15は袋B内の被包装物を検出するセンサであり、ステーションIVとステーションVとの間に設置されている。このセンサ15は、袋B内に被包装物が存在するか否かだけでなく、袋B自体が存在しない場合も被包装物が存在しないものと判断するようになっている。なお、被包装物を検出するセンサ15としてはこの例のように袋B内の被充填物を、或いは袋Bの存在を直接検出するものに限定されない。例えばステーションIVにセンサ15を設置して、ホッパ13内を被包装物が通過したか否かを検出するような構成も採用可能であり、本願明細書及び請求の範囲においては、実際に袋B内の被包装物の存在を検出する場合、袋Bの不存在を検出する場合、袋Bへの被包装物の充填を検出する場合などを全て含めて袋B内の被包装物の存在を検出するという概念に含める。なお、このセンサ15は後述のスチーム置換脱気装置31(以下「脱気装置」という)の一部を構成する。
【0013】
ステーションVではスチーム置換脱気工程が実施され、後述するスチーム吹込み用のノズル33、スチーム受け容器45などを含んだ脱気装置31が配置されている。これについては後述する。ステーションVIでは一対の熱板17,17を用いて袋Bの袋口の一次シールが行われ、ステーションVIIではやはり一対の熱板19,19を用いて袋口の二次シールが行われる。最後のステーションVIIIでは一対の冷却板21,21を用いて袋口の冷却が行われた後、完成品としての袋Bをシュート22へと放出する。符合23は後述の脱気装置31を含めてこの包装機1の動作を制御する制御装置である。
【0014】
次に図2を参照して、本実施の形態の脱気装置31で使用されるスチーム配管の概略構成を説明する。図において符号33はその下端に吐出口34を備えたスチーム吹込みノズル(以下「ノズル」という。)であり、切換バルブ37、流量調整弁39が途中に設けられたスチーム供給配管41を介してスチーム供給源35につながっている。図示してないが、包装用の袋Bがスチーム置換脱気工程を行うステーションVに移動してきて停止すると、ノズル33の下方に位置することとなる。切換えバルブ37は図中2点鎖線で示されるように制御装置23に接続されている。ノズル33の上方にはスチーム回収フード42(以下「フード」という。)が配置され、スチーム回収配管44を介してスチーム吸引源43に接続されている。符号45は後述するスチーム受け容器であり、前述のセンサ15によって袋Bに被包装物が充填されていないことが検出されると、制御装置23に制御されて、図示してない容器待機位置から、図示の位置へ、すなわちノズル33と図示してない袋Bとの間のスチーム受け位置へ移動するようになっている。スチーム受け容器45は、その底部において、ドレン回収配管47を介してドレン回収器46につながれている。この図ではスチーム受け容器45(以下「容器」という。)はノズル33と袋B(図2には図示されていない。)との間、すなわちスチーム受け位置に位置しているが、以下に説明するとおり、エアシリンダ45aによって容器待機位置との間で移動可能になっている。
【0015】
次に第1の実施形態に係る脱気装置31の動作について説明する。先ず、センサ15により被包装物が袋Bに正常に充填されたことが検出された場合について説明する。その正常に充填された旨の検出信号は制御装置23に送られる。図3はその正常に被包装物が充填された袋BがステーションVに移送されて停止した状態を示している。
【0016】
ここで、脱気装置31の構成でこれまでに説明がされていない構成について説明する。符号49は架台48上に立設された中空のスタンドであり、その中を昇降軸51が上下動可能に挿入されている。昇降軸51の上端部には水平方向に延びるノズル取付け部材53が固定され、このノズル取付け部材53によって前述のノズル33が垂直に保持されている。ステーションVに移動されてきた袋Bはこのノズル33の真下に停止する。ノズル33はこの時所定の待機位置に位置しているが、この所定の待機位置としては、ノズル33の吐出口34が袋Bの袋口より上下方向で上側に位置する位置に設定される。前述の容器45はこの時、高さ方向でノズル33の吐出口34と袋Bとの間で側方に位置した容器待機位置に位置しているが、これについては後述する。
【0017】
昇降軸51の架台48の下側に延びた下端部には昇降ブロック55がその一端側で固定して取付けられ、水平方向に延びる昇降ブロック55の他端側は、基台57と架台48との間に立設された案内軸59に軸受61を介して摺動可能に取付けられている。この案内軸59は、昇降ブロック55の回り止めにもなっている。案内軸59の隣にはエアシリンダ63が設置され、その上側に延びるロッド64の端部にはブロック受け部材65が固定して取付けられている。これらについては後述する。符号67は水平に伸びるカム軸68に垂直面内で回転可能に取付けられた偏心カムである。偏心カム67の外周には、カム軸68の軸心から等距離R1になっている無変位部67aと等距離R2になっている無変位部67bが図示のとおり設けられ、他の部分はカム軸68の軸心からの距離が変化する変位部67cとなっている。符号70は、基台57に立設されたピローブロック69に軸71を介して揺動可能に取付けられたレバーであり、その一端側にはカムフォロワ72が取付けられている。レバー70の他端側には連結ロッド73の一端が回転可能に取付けられ、連結ロッド73の他端側は図示のとおり昇降ブロック55に回転可能に取付けられている。なお、レバー70には図示してないバネなどの付勢部材が取付けられ、レバー70には常時図で時計回りに回転させようとする力が作用しており、カムフォロワ72が偏心カム67に当接している。
【0018】
センサ15からの信号に基づき、制御装置23により脱気装置31が制御されて以下のようにスチーム置換脱気が行われる。すなわち袋Bに被包装物が充填されていることが検知された場合、袋B内へスチームを吹込む操作が行われることとなる。先ず、図3に示す状態において時計回りに連続回転している偏心カム67は図示の位置にあり、カムフォロワ72は無変位部67aの部分を転動しており、昇降軸51は上昇端位置にある。そして偏心カム67が図4の位置まで回転すると、カムフォロワ72は変位部67c上を転動して通り過ぎて、無変位部67bの上を転動し始める。この間に昇降軸51が下降端位置まで下降し、これによりノズル33が吐出口34側から袋B内へ挿入されて、ノズル33は図示の下降端位置まで下降する。そして、その下降端位置に達するのに前後して切換バルブ37が切換えられてスチームが袋B内へ吹込まれる。ノズル33はカムフォロワ72が無変位部67b上を転動している間はこの下降端位置に留まっている(図5)。この時、フード42の吸引源43も稼働されて、上方へ流れるスチームを吸引する。所定の時間だけスチームの吹込みを続ける。偏心カム67がさらに先とは反対側の変位部67c上を転動して通り過ぎて再度無変位部67aに達し、その上を転動する。従ってノズル33は待機位置へ復帰することとなる(図6)。この場合、ノズル33からのスチームの噴射は切換バルブ37を先と反対に切換えて停止されるが、その噴射はノズル33の上昇移動が始まると同時にまたは少し前に停止してもよいし、或いは、ノズル33の吐出口34が袋Bから抜け出す少し前まで続けてもよい。フード42によるスチームの吸引は少なくともノズル33がスチームを噴射している間は継続され、或いは噴射開始のわずか前に開始し、噴射終了のわずかに後に停止するようにしてもよい。以上の動作によりスチーム置換脱気作業は終了する。袋Bの袋口はグリッパ5,5が互いに遠ざかることにより閉じられる。その袋口を閉じる動作タイミングは、ノズル33が袋口から抜けると同時或いはそのわずかに前など、適宜に決定される。袋口を閉じられた袋Bは次のステーションVIに移送される。なお、上述の脱気動作をおこなう場合には、容器45は容器待機位置に位置して動かない。
【0019】
図7以下を参照して、センサ15により、袋B内に被包装物が適正に充填されなかったことが検出された場合、或いは袋Bそのものが検出されなかった場合について説明する。図7は袋BがステーションVに移送されて停止した状態を示しており、カムフォロワ72は回転している偏心カム67の無変位部67aの上を転動しており、昇降軸51は、上昇端位置に位置している。偏心カム67がまだ無変位部67aの上を転動している間に、図8に示すように、前述のエアシリンダ63のロッド64が所定の長さだけ伸長し、ブロック受け部材65が昇降ブロック55に下側から当接し、昇降ブロック55が下方へ移動するのを阻止できる状態となる(図8)。
【0020】
偏心カム67はさらに回転を続けるが、昇降ブロック55がブロック受け部材65により下方への移動を阻止されているので下降せず、その位置に留められる(図9)。カムフォロワ72は回転している偏心カム67からは離れてしまう。そして、前述した容器45がエアシリンダ45aが動作することにより所定の距離だけ前進してスチーム受け位置に停止する。この場合、袋Bとノズル33とは進入する容器45と干渉しないように位置している。そして特にノズル33はこの後の容器45内への進入時間を最短にするために、ノズル33の吐出口34の下端部と容器45の上端面との間が最少の距離に設定されている。なお、ノズル33のこの位置を退避位置と定義する。すなわち、説明している例では、前述の待機位置が退避位置と同じ位置に設定されている。しかし、例えば待機位置を退避位置より下方に設定することも可能であり、その場合にはエアシリンダ63のストロークをより長く設定して、例えば図8でエアシリンダ63を動作させるのと同時に、或いはそれに先立って、エアシリンダ63のロッド64を伸長させてノズル33を待機位置から退避位置へ移動できるようにする。
【0021】
次に、切換えバルブ37を切換えてスチームをノズル33から容器45内へ向けて噴射する(図10)。ノズル33の吐出口34と容器45との距離、容器45の大きさは、この噴射されるスチームが完全に容器45内へ噴射されるように設定される。なお、この時のノズル33の位置を廃棄位置と定義する。ここに説明した例では廃棄位置は前述の退避位置と同じ位置に設定されているが、例えば廃棄位置をノズルの吐出口が容器45内にある距離だけ進入した位置とすることもできる。その場合、エアシリンダ63として2段式のものを用い、スチームの噴射に先だって図10の状態よりもロッド64を縮めて、ノズル33を退避位置から廃棄位置へ移動する。所定時間スチームを噴射したのち停止するが、少なくともスチームを噴射している間は前述の吸引源43が作動して、フード42から上昇してくるスチームを回収する。
【0022】
スチームの噴射が停止すると、先ず容器45が容器待機位置へ戻され、グリッパ5,5の動作により袋Bの袋口は閉じられる。一方でカムフォロワ72が偏心カム67の無変位部67aに当接し、その上を転動する状態となる(図11)。次いでエアシリンダ63のロッド64が収縮され、袋Bは次のステーションVIへ移送される(図12)。この袋Bに対しては以後のシール処理などは行われず、袋Bは回収され、再度包装に使用される。
【0023】
次に図13以下を参照して第2の実施の形態について説明する。先ず図13を参照する。この脱気装置81では、第1の実施の形態と同じ図2に示されたスチーム配管を使用するが、ノズル33を昇降させる構成が異なり、昇降軸51を昇降させる昇降手段に加えて、昇降軸51と一体的に昇降するエアシリンダ83が設けられている。すなわち、昇降軸51の上端部にエアシリンダ取付けプレート85が水平に取付けられ、そのプレート85の上にエアシリンダ83が取付けられている。そしてそのロッド84の先端にノズル取付けプレート53がその一端において取付けられ、他端側にノズル33が図示のように取付けられている。すなわち、ノズル33は、昇降軸51の昇降によって昇降するとともに、エアシリンダ83が動作することによっても昇降する。なお、昇降軸51を昇降させる昇降装置は図示されていないが、第1の実施の形態で用いたような偏芯カム67を用いている。しかしこれには限定されず、他の種々の公知の昇降駆動装置を使用できる。
【0024】
先ずセンサ15により被包装物が袋Bに充填されていることが検出された場合の動作について説明する。図13は、袋BがステーションVに移送されてきて停止した状態を示している。この時昇降軸51は下降端位置にあり、エアシリンダ83はそのロッド84が収縮した状態にあり、ノズル33は、袋Bより上方の待機位置に位置している。なお、図から分るとおり、待機位置に位置するノズル33は、容器45がスチーム受け位置へ進入してくるとこれと干渉してしまう状態にある。
【0025】
被包装物が正常に充填された場合には、図13の状態から次に図14の状態に移る。すなわち、昇降軸51が下降端まで下降し、ノズル33はその先端の吐出口34の部分が袋Bの中に所定の距離だけ入り込んだ下降端位置に位置している。そして次に切換えバルブ37が切換えられてスチームがノズル33から噴射される(図15)。噴射のタイミングは第1の実施の形態で説明したタイミングと同じでよい。ノズル33の上方に配置されたフード42を使用して上に上昇したスチームを吸引して回収することも第1の実施の形態と同じである。所定の時間だけスチームが噴射されると切換えバルブ37が切換えられて噴射は停止され、昇降軸51が上昇端へ戻り、ノズル33は待機位置へ戻る(図16)。以上の動作の間、容器45は第1の実施形態と同じように一切動作しない。
【0026】
次にセンサ15によって被包装物が袋B内に充填されていないことが検出された場合について図17以下を参照して説明する。図17はまだノズル33の下方へ袋Bが移動してきていない状態を示している。この状態から、先ずエアシリンダ83が動作して、そのロッド84が上方へ所定の距離だけ延びて、ノズル33を待機位置より上方の退避位置に移動させる(図18)。この位置では、図から分る通り、ノズル33は容器45の進入の妨げとならないようになっている。この状態においてエアシリンダ45aが作動して容器45が前進してスチーム受け位置で停止する(図19)。
【0027】
次に昇降軸51が下降端まで下降することにより、ノズル33も廃棄位置まで下降して、その吐出口34が容器45の所定の深さ位置まで進入する。そしてスチームがノズル33から噴射される(図20)。上方へ流れるスチームはフード42から吸引回収される。所定時間スチームが噴射された後切換えバルブ37が切換えられてスチームの噴射は停止され、昇降軸51が上昇端へ移動することによりノズルは退避位置へ移動し(図21)、次いでエアシリンダ45aが作動して受け容器45が容器待機位置へ戻り、エアシリンダ83が作動してノズルが待機位置へ戻る(図22)。
【0028】
なお、上記いずれの実施の形態においても、容器45内でスチームが液化して生成される水についてはドレン回収配管47を介してドレン回収器46へ回収される。また、上記においてはテーブルは間欠回転するものとして説明したが、テーブルが連続回転する場合には、ノズル33を所定のスチーム置換脱気工程区間にわたって袋Bの移送に追従して移動させ、脱気処理終了後に元の位置へ復帰させることとなる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図22