特開2015-6893(P2015-6893A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-6893(P2015-6893A)
(43)【公開日】2015年1月15日
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20141212BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20141212BHJP
【FI】
   B65D33/00 C
   B65D33/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-131997(P2013-131997)
(22)【出願日】2013年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】591038026
【氏名又は名称】福岡丸本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093470
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 富士雄
(74)【代理人】
【識別番号】100119747
【弁理士】
【氏名又は名称】能美 知康
(72)【発明者】
【氏名】山本 正和
(72)【発明者】
【氏名】福山 克義
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064BA21
3E064BC18
3E064EA12
3E064FA01
3E064GA01
3E064HM01
3E064HN06
3E064HP01
3E064HP02
(57)【要約】
【課題】切断ラインに沿って正確に袋体を開封することができ、皿等として使用できる包装袋を提供する。
【解決手段】開封面となる一方のフィルムに複数の切断ラインが形成された包装袋10であって、袋体11は、封止された袋口12と、3辺が溶着されたシール部とを有し、袋体11と対向する辺が開封辺13とされ、シール部には、溶着力の弱い弱シール部22、23が、開封辺13の一部に設けられ、切断ラインは、開封辺13から袋口12に亘り弱シール部22、23を通るように形成され、袋体11の側辺側に形成される第1切断ライン28、29と、各第1切断ライン28、29の間に形成される第2切断ライン30を有し、開封面は、一方の第1切断ライン28と第2切断ライン30とで挟まれた第1開封面16aと、他方の第1切断ライン29と第2切断ライン30とで挟まれた第1開封面16aと同じか又は広い第2開封面16bとを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一層のフィルムが張り合わされ、開封面となる一方の前記フィルムに複数の切断ラインが形成された袋体の内部に被包装物が内包される包装袋であって、
前記袋体は、一辺が封止された袋口と、少なくとも3辺が溶着されたシール部とを有し、前記袋体と対向する辺が前記袋体の開封を行なう開封辺とされ、
前記シール部には、前記シール部より溶着力の弱い弱シール部が、前記開封辺の少なくとも一部に設けられ、
前記切断ラインは、前記開封辺から前記袋口に亘り前記弱シール部を通るようにして形成され、前記袋体の側辺側にそれぞれに形成される第1切断ラインと、各前記第1切断ラインの間に形成される第2切断ラインとを有し、
前記開封面は、前記一方の第1切断ラインと前記第2切断ラインとで挟まれた第1開封面と、前記他方の第1切断ラインと前記第2切断ラインとで挟まれた前記第1開封面と同じか又は前記第1開封面より広い第2開封面とを有することを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記切断ラインは、連続又は不連続に形成され、前記袋体の前記フィルムの一方の面から他方の面に向けて所定の深さに切り込んだ未貫通であり、且つ、断面視で左右対称な形状の第1切込部からなることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記切断ラインの両側には、誘導ラインが形成されており、
前記誘導ラインは、開封が行なわれる方向の前方側が狭く、反対側が広く形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記誘導ラインは、不連続で形成され、前記袋体の前記フィルムの一方の面から他方の面に向けて所定の深さに切り込んだ未貫通であり、且つ、断面視で前記切断ライン側に形成される第1傾斜部と、前記切断ラインの反対側に形成される前記第1傾斜部に比べ緩やかに形成される第2傾斜部とで構成された左右非対称の形状の第2切込部からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、袋体を複数のスリットに沿って開封し、皿等の容器として使用することができる包装袋に関し、特に、開封する部分を大きくしても、開封を正確に行なうことができる包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、袋体の開封し、そのまま皿等の容器として使用することができる包装袋が知られている。例えば、下記特許文献1には内容物を取り出す開口を形成できる易開封性包装袋の発明が開示されている。下記特許文献1に開示された易開封性包装袋の発明では、基材層と熱接着性樹脂層を備えた積層体からなり熱接着性樹脂層同士を合掌状に対向させ熱接着した合掌熱接着部と当該合掌熱接着部と直交する端縁の熱接着性樹脂層同士を熱接着した端縁熱接着部を有するピロータイプ袋の少なくとも前記端縁熱接着部が剥離可能とされ、且つ、少なくとも1方の端縁熱接着部の外端に沿って対向する積層体の熱接着性樹脂層間を熱接着せずに互いに分離した剥離開始部を備え、剥離開始部に対応して包装袋を構成する合掌熱接着部の形成された裏面側積層体に一定間隔をおいて前記合掌熱接着部を挟むように前記合掌熱接着部と平行方向に袋の全長にわたって設けられた2本の切目線を備え、剥離開始部において切目線の端縁に切込が形成されている前記2本の切目線に沿って前記裏面側積層体を引き裂き、当該2本の切目線に挟まれた領域に開口を形成することができる構成とすることにより、剥離開始部から端縁熱接着部を剥離させながら、積層体に形成されている2箇所の切込から2本の切目線に沿って積層体を縦方向に引き裂くことにより、2本の切目線に挟まれた幅で上下方向に任意の長さの開口を形成するとしている。
【0003】
下記特許文献1に開示された易開封性包装袋の発明によれば、その開口から内容物を取り出すことができ、また、上下方向の全長にわたって引き裂くことにより、2本の切目線に挟まれた領域の積層体を完全に切り取って、包装袋の中央部に縦方向の大きい開口を形成することができるので、開口を形成した包装袋をテーブル等の上に置いた状態でこの開口から内容物を簡単に小出しして取り出すことができるとしている。
【0004】
また、下記特許文献2には、広い開口部を形成可能な開封手段を有する包装袋の発明が開示されている。下記特許文献2に開示された包装袋の発明では、表裏面を形成する平面シートと、両側にマチ部を形成する側面シートを備え、少なくとも一方の平面シートの両側部と、対応する側の前記側面シートとをそれぞれ熱融着した側縁シール部と、前記平面シートの対応する端縁部同士及びこの両者間に挟まれた前記側面シートを熱融着した端縁シール部とからなる周縁シール部が形成された平面四角形の包装袋において、少なくとも前記一方の平面シートが、長さ方向に延伸された一軸延伸フィルム層を有する積層シートで構成されており、この一方の平面シートの一方の端縁部が同じ側の前記端縁シール部より外方に延出した延出部を有しており、この延出部の幅方向両端部にそれぞれノッチが形成されており、前記一方の平面シートの長さ方向中間部には、前記両ノッチから長さ方向への延長線と交差する位置に、前記一方の平面シートの両側縁部と、対応する側の前記側面シートとを熱融着した裂け止めシール部がそれぞれ形成されており、しかも前記延出部に隣接する端縁シール部の少なくとも前記ノッチで挟まれた領域が前記周縁シール部の他の領域及び前記裂け止めシール部に比して耐剥離力が小さい易剥離性の弱シール部となっている。
【0005】
下記特許文献2の包装袋の発明によれば、開封は、一方の平面シートの延出部を摘んで引っ張ることで、延出部側の端縁シール部を引き剥がすと共に、ノッチから一軸延伸フィルム層の延伸方向への裂け目を伝播させることで行われる。一方の平面シートが、ノッチ間の間隔に亘って捲り上げられて開封されるので、広い開口部を形成することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4139620号公報
【特許文献2】特開2011−25962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1の易開封性包装袋では、開封時に強い引裂き力が必要となり、大きな力で開封すると、開封した瞬間に勢い余って被包装物が外へ飛び出してしまう恐れがある。また、2本の切目線の中央部分を持って引き裂くと、引き裂く力の方向により、この2本の切目線に対し、内側へ向かう傾向があり、切目線に沿って正確に開封させることが困難となる課題がある。また、上記特許文献2の包装袋では、広い開口部を設けるようにしているため、上記の課題がより顕著となる。
【0008】
そこで、本発明は、これまでの従来技術が抱える課題を解決すると共に、上記の要求に基づいてなされたもので、本発明の目的は、広い開口部を正確に開封でき、皿等の容器として使用できる包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の包装袋は、少なくとも一層のフィルムが張り合わされ、開封面となる一方の前記フィルムに複数の切断ラインが形成された袋体の内部に被包装物が内包される包装袋であって、
前記袋体は、一辺が封止された袋口と、少なくとも3辺が溶着されたシール部とを有し、前記袋体と対向する辺が前記袋体の開封を行なう開封辺とされ、
前記シール部には、前記シール部より溶着力の弱い弱シール部が、前記開封辺の少なくとも一部に設けられ、
前記切断ラインは、前記開封辺から前記袋口に亘り前記弱シール部を通るようにして形成され、前記袋体の側辺側にそれぞれに形成される第1切断ラインと、各前記第1切断ラインの間に形成される第2切断ラインとを有し、
前記開封面は、前記一方の第1切断ラインと前記第2切断ラインとで挟まれた第1開封面と、前記他方の第1切断ラインと前記第2切断ラインとで挟まれた前記第1開封面と同じか又は前記第1開封面より広い第2開封面とを有することを特徴とする。
【0010】
また、第2の態様の包装袋は、第1の態様の包装袋であって、前記切断ラインは、連続又は不連続に形成され、前記袋体の前記フィルムの一方の面から他方の面に向けて所定の深さに切り込んだ未貫通であり、且つ、断面視で左右対称な形状の第1切込部からなることを特徴とする。
【0011】
また、第3の態様の包装袋は、第1又は第2の態様の包装袋であって、前記切断ラインの両側には、誘導ラインが形成されており、
前記誘導ラインは、開封が行なわれる方向の前方側が狭く、反対側が広く形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、第4の態様の包装袋は、第2又は第3の態様の包装袋であって、前記誘導ラインは、不連続で形成され、前記袋体の前記フィルムの一方の面から他方の面に向けて所定の深さに切り込んだ未貫通であり、且つ、断面視で前記切断ライン側に形成される第1傾斜部と、前記切断ラインの反対側に形成される前記第1傾斜部に比べ緩やかに形成される第2傾斜部とで構成された左右非対称の形状の第2切込部からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様の包装袋によれば、袋体の開封を、第1開封面を開封した後、第2開封面を開封するようにすることで、第1開封面は狭く形成されているので、開封するときの力が切断ラインに向かうようになり、開封面の中央には向かい難くなるため、正確に第1開封面を開封することができる。その後、広く形成された第2開封面を開封する際には、切断ラインは1本となっているので、この切断ラインに沿って開封することで、正確に第2開封面を開封することができる。その結果、広い開封面を有する包装袋の開封を正確に行うことができるようになる。なお、第1開封面の幅は10〜40mm程度であることが好ましい。
【0014】
また、第2の態様の包装袋によれば、切断ラインが未貫通で形成されることで、ガスバリア性を保つことができ、被包装物の鮮度を損なうことを抑制することができる。
【0015】
また、第3の態様の包装袋によれば、誘導ラインがいわゆるハの字状に形成されていることで、切断ラインの亀裂が切断ラインから外れたとき、亀裂が誘導ラインに沿って、再び、切断ラインに戻すことができるようになり、袋体のより正確な開封を行うことができるようになる。
【0016】
また、第4の態様の包装袋では、誘導ラインの形状が、断面視で切断ライン側に比べ、その反対側が緩やかな傾斜で形成されていることで、誘導ラインの先端の角部が切断ラインに向かうようにされている。そのため、第4の態様の包装袋によれば、誘導ラインからの亀裂が向かう方向をより切断スリット側へ誘導することができるようになると共に、従来に比べ、誘導ラインを浅く形成しても正確に開封することができるようになり、ガスバリア性を保つことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の実施形態1の包装袋を示す平面図である。
図2図2Aは実施形態1の包装体の開封の工程を示す平面図であり、図2B図2Aの続きの開封の工程を示す平面図である。
図3図3Aは実施形態2の包装袋を示す平面図であり、図3B図3AのIIIB部の拡大図である。
図4図4Aは実施形態3の包装袋を示す平面図であり、図4B図4AのIVB−IVB線での断面図であり、図4C図4Bの一部を拡大した拡大伝面図である。
図5】切断方向を示す図4Cの一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための包装袋を例示するものである。本発明を実施形態に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0019】
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態1に係る包装袋10を説明する。図1に示すように実施形態1の包装袋10は、少なくとも1層のフィルムを重ね合わせ、一辺が袋口12となるように、他の3辺13〜14が密閉されるシール部18〜21によりヒートシールされた袋体11を有している。そして、袋体11の内部に被包装物Hを内包して、袋口12が封止されている。この封止もシール部21が設けられることにより溶着されている。このとき、袋体11の一方の面が机やテーブル等に載置される底面17(図2B参照)となり、他方の面が開封され、被包装物Hの取り出しが行なわれる開口24(図2B参照)が形成される開封面16となっている。
【0020】
なお、袋口12と対向する側の辺は、この開封面16を開封の始点となる開封辺13となっている。また、この開封辺13には、開封辺13から延設された溶着されていない非シール部25が設けられている。なお、開封辺13及び袋口12の他の辺を側辺14、15という。
【0021】
また、袋体11の開封辺13を溶着するシール部20の一部には、他のシール部18、19より溶着力の弱い、弱シール部22が設けられている。この弱シール部22が開封面16の一部に設けられることで、開封が行いやすくなる。なお、実施形態1では、袋口12を封止するシール部21にも弱シール部23が設けられている。袋口12側の弱シール部23は開封辺13の弱シール部22と対応する位置に設けられている。このようにすることで、開封した開封面16を取り外しやすくなり、皿等の容器として使用しやすくなる。
【0022】
この弱シール部22、23は、パートコートシールにより形成される。なお、パートコートシールの他に、ヒートシールする前のフィルムにあらかじめコロナ処理を行なうことで、コロナ処理を行なった部分について他のヒートシールより溶着力を弱くすることで、弱シール部を形成することもできる。
【0023】
また、袋体11の開封面16には、スリットや切れ込み等で形成される複数の切断ライン27が形成されている。この切断ライン27は、非シール部25から開封辺13を通り袋口12に亘って直線状に形成されている。このとき、切断ライン27は、開封辺13及び袋口12に設けられた各弱シール部22、23上を通るように形成されている。なお、この切断ライン27は、袋体を形成する前のフィルムに、歯車やローラ等に設けられた突起や歯を押圧することにより形成されている。
【0024】
また、この切断ライン27は、実施形態1では、不連続なミシン目状の場合を説明するが、直線状に溝を形成したような連続したものでもよい。また、非シール部25の切断ライン27の始点となる部分には、切断ライン27の切断をしやすくするようにV字状のノッチ26が形成されている。なお、ノッチ26は、V字状に限られず、I字やU字、又は切れ込み等で形成することができる。
【0025】
切断ライン27は、袋体11の開封面16の側辺14、15側に近接する部分に設けられる一対の第1切断ライン28、29と、各第1切断ライン28、29の間に設けられる第2切断ライン30とで構成されている。この各第1切断ライン28、29が形成される位置が、開封面16が開封されたとき袋体11に形成される開口24の大きさとなる。そのため、各第1切断ライン28、29はより袋体11の側辺側に隣接することで、より広い開口を形成することができ、被包装物の取り出し等を容易に行なうことができるようになる。
【0026】
一方、第2切断ライン30は、開封面16を分割するように形成されている。この第2切断ライン30は、一方の第1切断ライン28に近接するように形成され、異なる面積の2種類の開封面が形成されるようになっている。このとき、面積の小さい側の開封面を第1開封面16aとし、第1開封面16a側の開封辺を第1開封辺13aとする。また、面積の大きい側の開封面を第2開封面16bとし、第2開封面16b側の開封辺を第2開封辺13bとする。なお、第1開封面16aの幅は、10mm〜40mm程度にすることが好ましい。
【0027】
次に、図2A及び図2Bを参照して、実施形態1の包装袋10の開封の仕方について説明する。まず、図2Aに示すように、第1開封面16aを開封する。この開封は、第1開封面16aの第1開封辺13a側の非シール部25を摘み、めくることで、第1開封辺13aを溶着している弱シール部22が剥がれる。そして、第1開封面16aの両端の一方の第1切断ライン28及び第2切断ライン30に沿って、第1開封面16aが開封される。第1開封面16aの開封は袋口12に到達するまで行なう。このとき、第1開封面16aは、狭く形成されているので、開封する力が効率よく一方の第1切断ライン28及び第2切断ライン30に沿って伝わり、一方の第1切断ライン28及び第2切断ライン30を正確に切断することができる。
【0028】
引続き、同様の手順で第2開封面16bを開封する。すなわち、図2Bに示すように、第2開封面16bの第2開封辺13b側の非シール部25を摘み、めくることで、第2開封辺13bを溶着している弱シール部22を剥がし、他方の第1切断ライン29に沿って開封を行なう。このとき、第2開封面16bを開封する際に切断するのは他方の第1切断ライン29のみであるので、開封の力は分散することなく他方の第1切断ライン29に伝わり、第2開封面16bを正確に開封することができる。そのため、第2開封面を大きく形成することができ、結果として、包装袋10全体の開封面を大きく形成することができるようになる。
【0029】
その後、第2開封面16bが袋口12まで達したら、第1及び第2開封面16a、16bを袋体11から切り取る(図示省略)。そして、包装袋をそのまま皿等の容器として使用することができるようになる。以上で、実施形態1の包装袋の開封が終了する。なお、第1及び第2開封面の切取りは、別々に行なってもよい。
【0030】
なお、実施形態1の各切断ラインは、フィルムの一方の面から他方の面に向けて所定の深さに切り込んだ未貫通で形成することが好ましい。切断ラインを未貫通とすることで、ガスバリア性を保つことができ、被包装物を新鮮な状態に保つことができる。
【0031】
[実施形態2]
次に、図3を参照して実施形態2の包装袋について説明する。実施形態1の包装袋10では、各切断ライン28〜30を1本の線状に形成した場合を説明したが、実施形態2の包装袋10Aでは、各切断ライン28〜30に沿って誘導ライン31を形成する場合を説明する。なお、実施形態2の包装袋10Aは、実施形態1の包装袋10に比べ、誘導ライン31が形成されたことが異なるのみなので、他の共通する構成については共通の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0032】
実施形態2の包装袋10は、図3A及び図3Bに示すように、各切断ライン28〜30に沿って、ハの字状の誘導ライン31が不連続のミシン目状に形成されている。この誘導ライン31は、切断ラインの切断方向に対して、前方側が狭く、反対側が広く形成されている。そのため、切断時に亀裂が切断ラインから外れたときに、誘導ラインが亀裂を導くことで、再度、亀裂を切断ラインに戻すことができるようになる。このように切断ラインに沿って誘導ラインを形成することで、より正確に開封面の開封を行うことができるようになる。
【0033】
なお、図3では、誘導ラインは、各切断ラインに沿って両側に一列ずつ形成した場合を示しているがこれに限らず複数本の誘導ラインを形成してもよい。なお、袋体の構成及び開封の仕方は実施形態1と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0034】
[実施形態3]
次に、図4を参照して実施形態3の包装袋について説明する。実施形態3に包装袋10は、実施形態2の包装袋10に形成された誘導ライン31の各々の深さ方向の形状を変更したものである。すなわち、実施形態3の包装袋10Bに形成された誘導ライン31Bは、図4B及び図4Cに示すように、袋体11のフィルムの一方の面から他方の面に向けて所定の深さに切り込んだ未貫通であり、且つ、断面視で切断ライン28〜30側に形成される第1傾斜部32と、切断ライン28〜30の反対側に形成される第1傾斜部32に比べ緩やかに形成される第2傾斜部33とで構成された左右非対称の形状で形成されている。
【0035】
このように、誘導ライン31Bの先端部分を鋭角に形成し、且つ、先端部分を切断ライン側に設けることで、図5に示すように、フィルムを構成する分子の結びつきが弱くなる方向へ切断されるようになる。そのため、誘導ラインの先端から入る亀裂を切断ライン側へ誘導することができるようになり、より正確に開封を行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0036】
10、10A、10B:包装袋
11:袋体
12:袋口
13:開封辺
13a:第1開封辺
13b:第2開封辺
14、15:側辺
16: 開封面
16a:第1開封面
16b:第2開封面
17:底面
18〜21:シール部
22、23:弱シール部
24:開口
25:非シール部
26:ノッチ
27:切断ライン
28:一方の第1切断ライン
29:他方の第1切断ライン
30:第2切断ライン
31、31B:誘導ライン
32:第1傾斜部
33:第2傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5