【実施例】
【0015】
以下に、密閉型電池の安全弁にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の密閉型電池1の安全弁4は、
図1に示すごとく、電極体22を収容する容器2の開口部21を塞ぐ蓋体3に設けられている。安全弁4は、
図2、
図3に示すごとく、蓋体3の一般部31の厚みよりも厚みが縮小して形成された薄肉部40と、薄肉部40において、直線状に形成された直線状溝部41と、薄肉部40において、直線状溝部41の両端部411から2つに分岐してV形状に広がって形成された一対のV形状溝部42と、薄肉部40において、V形状溝部42の一対の先端部421から、直線状溝部41が位置する中央側とは反対側の外側へ延長して形成された一対の延長溝部43とを備えている。
【0016】
以下に、本例の密閉型電池1の安全弁4につき、
図1〜
図7を参照して詳説する。
図1に示すごとく、本例の密閉型電池1は、蓄電池としてのリチウムイオン二次電池であり、アルミニウム材料、ステンレス材料等によって形成された容器2内に、電極体22と、電解液と、プラス側及びマイナス側の内部端子23を配置して構成されている。内部端子23は、電極体22に接合されており、蓋体3に絶縁を行った状態で設けられている。蓋体3は、アルミニウム材料、ステンレス材料等によって形成されている。蓋体3には、内部端子23に導通されて、プラス側及びマイナス側の電極を形成する外部端子24が、蓋体3と絶縁を行った状態で設けられている。
【0017】
安全弁4は、密閉型電池1の内圧(内部圧力)が何らかの異常によって規定値よりも上昇したときに作動して、密閉型電池1の内圧を逃すためのものである。安全弁4は、蓋体3の中央部分に形成されており、外部端子24は、蓋体3において安全弁4の両側に位置して設けられている。蓋体3には、プラス側の外部端子24を配置する位置と、マイナス側の外部端子24を配置する位置とに、配置穴32が形成されている。容器2は、直方体形状に形成されており、蓋体3は、容器2の開口部21に形成された四角形状に沿った形状に形成されている。また、プラス側の内部端子23とマイナス側の内部端子23とは、蓋体3における互いに離れた位置に配置されている。
【0018】
図1、
図2に示すごとく、蓋体3は、一対の外部端子24が配置された方向に長い四角形状を有している。安全弁4を構成する薄肉部40は、互いに平行な一対の平行辺部45と、一対の平行辺部45に直交する一対の直交辺部46とによって、四角形状に形成されている。薄肉部40の一対の平行辺部45は、四角形状の蓋体3の長辺部311に沿って形成されている。
四角形状の薄肉部40の4つの角部47は、R形状に形成されている。薄肉部40は、一対の平行辺部45が一対の直交辺部46よりも長く形成されており、一対の平行辺部45が、蓋体3の長辺部311と平行に配置されている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43は、蓋体3の外側表面301に形成されている。
【0019】
なお、図示は省略するが、薄肉部40の一対の直交辺部46は、直線状に形成する以外にも、外側に膨らむ湾曲状に形成することもできる。また、薄肉部40の一対の平行辺部45及び直交辺部46は、薄肉部40の全体が楕円形状になるように外側に膨らんで形成することもできる。
【0020】
直線状溝部41は、薄肉部40における一対の平行辺部45の間の中心位置において、一対の平行辺部45に平行に形成されている。各V形状溝部42は、直線状溝部41の両端部411から2つに分岐する分岐部分420によって形成されている。各延長溝部43は、各分岐部分420から延長されて、薄肉部40のR形状の角部47の付近まで形成されている。
各延長溝部43は、薄肉部40における一対の平行辺部45の近傍において、一対の平行辺部45に平行に形成されている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43は、
図3に示すごとく、一対の傾斜面によるV形状の断面に形成されている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43の深さは一定になっている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43の底部は、平坦状又は曲面状のいずれに形成されていてもよい。
【0021】
直線状溝部41の両脇に位置する薄肉部40の第1の部分401は、直線状溝部41、各V形状溝部42及び各平行辺部45に囲まれた台形形状に形成されている。また、V形状溝部42による三角形状部分を含む薄肉部40の第2の部分402は、各V形状溝部42、各延長溝部43及び各直交辺部46に囲まれた、直線部付きの三角形状に形成されている。各延長溝部43の先端部431は、安全弁4が破断して開口する際に、薄肉部40の第2の部分402が折り曲げられるときの起点部位に位置する。
【0022】
次に、本例の安全弁4の作用効果につき説明する。
密閉型電池1の内圧が何らかの原因で異常に上昇し、安全弁4が作動(破断)する時には、薄肉部40の第1の部分401は、面積が大きいことにより、内圧による力が加わりやすい。そのため、直線状溝部41、一対のV形状溝部42及び各延長溝部43が破断するときには、薄肉部40の第1の部分401は容易に開くと考えられる。このとき、第1の部分401は、平行辺部45に沿って90°以上、蓋体3の外側へ開く。ここで、
図4、
図5には、安全弁4が作動して開口穴400を形成した状態を示す。
【0023】
一方、薄肉部40の第2の部分402は、薄肉部40の第1の部分401よりも面積が小さいことにより、内圧による力が加わりにくい。そこで、各V形状溝部42が破断するときには、各V形状溝部42からそれぞれ延長して形成された一対の延長溝部43も破断することによって、薄肉部40の第2の部分402が開く量を大きくすることができる。このとき、第2の部分402は、直交辺部46に沿って90°以上、蓋体3の外側へ開く。
【0024】
このように、薄肉部40の第1の部分401に加えて、薄肉部40の第2の部分402も開きやすくなったことにより、薄肉部40の第1の部分401及び第2の部分402が開いて安全弁4が開口されたときには、密閉型電池1の内圧を開放するための開口面積Xを安定して確保することができる(
図4参照)。
それ故、本例の密閉型電池1の安全弁4によれば、破断時の開口面積を安定して確保することができる。
【0025】
また、安全弁4の作動時に、薄肉部40の第2の部分402がさらに開きやすくするために、次の工夫をすることもできる。
具体的には、
図6に示すごとく、薄肉部40において、延長溝部43の2つの先端部431同士の間には、直線状溝部41に直交して、直線状に一対の補助溝部44を形成することができる。一対の補助溝部44は、薄肉部40の一対の直交辺部46の近傍において、一対の直交辺部46と平行に形成することができる。また、一対の補助溝部44は、薄肉部40の第2の部分40が開くときに折り曲げの起点となる部分である。そして、一対の補助溝部44は、薄肉部40の第2の部分40が開くときに破断しないようにするため、直線状溝部41、一対のV形状溝部42及び各延長溝部43の深さよりも浅い深さで形成することができる。
【0026】
また、
図7に示すごとく、V形状溝部42の先端部421には、直線状溝部41に直交して外側に屈曲する屈曲部422を形成することができる。そして、延長溝部43は、屈曲部422から延長して形成することもできる。この場合には、屈曲部422の長さが短いことにより、屈曲部422を有しない先端部421から延長溝部43を形成した場合と同様の作用効果を得ることができる。