特開2015-69716(P2015-69716A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-69716(P2015-69716A)
(43)【公開日】2015年4月13日
(54)【発明の名称】密閉型電池の安全弁
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/12 20060101AFI20150317BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20150317BHJP
【FI】
   H01M2/12 101
   H01M2/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-200274(P2013-200274)
(22)【出願日】2013年9月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000142115
【氏名又は名称】株式会社協豊製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 敏也
(72)【発明者】
【氏名】中島 吉道
(72)【発明者】
【氏名】野呂 和弘
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011CC06
5H011FF03
5H011KK04
5H012AA07
5H012BB02
5H012CC01
5H012DD05
5H012EE04
5H012FF01
5H012GG03
(57)【要約】
【課題】破断時の開口面積を安定して確保することができる密閉型電池の安全弁を提供すること。
【解決手段】密閉型電池の安全弁4は、電極体を収容する容器の開口部を塞ぐ蓋体3に設けられている。安全弁4は、蓋体3の一般部31の厚みよりも厚みが縮小して形成された薄肉部40と、薄肉部40において、直線状に形成された直線状溝部41と、薄肉部40において、直線状溝部41の両端部411から2つに分岐してV形状に広がって形成された一対のV形状溝部42と、薄肉部40において、V形状溝部42の一対の先端部421から、直線状溝部41が位置する中央側とは反対側の外側へ延長して形成された一対の延長溝部43とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体を収容する容器の開口部を塞ぐ蓋体に設けられた密閉型電池の安全弁であって、
上記蓋体の一般部の厚みよりも厚みが縮小して形成された薄肉部と、
該薄肉部において、直線状に形成された直線状溝部と、
上記薄肉部において、上記直線状溝部の両端部から2つに分岐してV形状に広がって形成された一対のV形状溝部と、
上記薄肉部において、上記V形状溝部の一対の先端部から、上記直線状溝部が位置する中央側とは反対側の外側へ延長して形成された一対の延長溝部と、を備えていることを特徴とする密閉型電池の安全弁。
【請求項2】
上記V形状溝部の一対の先端部は、上記直線状溝部に直交して外側に屈曲していることを特徴とする請求項1に記載の密閉型電池の安全弁。
【請求項3】
上記薄肉部は、四角形状に形成されており、
上記直線状溝部及び上記延長溝部は、上記薄肉部の互いに平行な一対の平行辺部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の密閉型電池の安全弁。
【請求項4】
上記直線状溝部、上記V形状溝部及び上記延長溝部は、上記蓋体の外側表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の密閉型電池の安全弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体を収容する容器の開口部を塞ぐ蓋体に設けられた密閉型電池の安全弁に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池等の密閉型電池においては、異常時に密閉型電池が破裂することを防止するために、密閉型電池内部の内圧が上昇したときに開弁する安全弁が設けられている。この安全弁の構造としては、密閉型電池の容器の開口部を塞ぐ蓋体において、肉厚が縮小した薄肉部を設け、この薄肉部に、内圧が上昇したときに応力集中が発生して破断する破断用の溝部を形成したものが多用されている。
【0003】
例えば、特許文献1の密閉型電池においては、ケースの一部に、ケースの内圧が所定レベル以上に上昇した場合に開放される安全弁が形成されている。この安全弁を構成する薄肉部には、安全弁の作動時に内部の圧力を開放するための破断溝部が形成されている。破断溝部は、中央直線溝部と、中央直線溝部に繋がる一対のサイド溝部とによって形成されている。
また、例えば、特許文献2の封口板及び密閉型電池においては、容器の開口部を塞ぐプレート部に、湾曲部を有する弁を形成し、この弁に、全長に渡って両側に湾曲部が配置される状態で溝を形成することが記載されている。この密閉型電池においては、外部から加わる応力を弁の湾曲部が変形することによって緩和し、溝に応力が集中することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−282851号公報
【特許文献2】特許第3943063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2等に示される、中央直線溝部及び一対のサイド溝部からなる破断溝部が形成された安全弁においては、中央直線溝部の両側に位置する各薄肉部の部分の面積が、一対のサイド溝部の外側に位置する各薄肉部の部分の面積よりも大きい。そして、中央直線溝部の両側に位置する各薄肉部の部分は、安全弁が作動するときの内圧による力を受けやすい一方、一対のサイド溝部の外側に位置する各薄肉部の部分は、安全弁が作動するときの内圧による力を受けにくい。そのため、安全弁の作動時(破断時)に、一対のサイド溝部の外側に位置する各薄肉部の部分が開きにくく、電池の内圧を開放するための開口面積が小さくなってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、破断時の開口面積を安定して確保することができる密閉型電池の安全弁を提供しようとして得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、電極体を収容する容器の開口部を塞ぐ蓋体に設けられた密閉型電池の安全弁であって、
上記蓋体の一般部の厚みよりも厚みが縮小して形成された薄肉部と、
該薄肉部において、直線状に形成された直線状溝部と、
上記薄肉部において、上記直線状溝部の両端部から2つに分岐してV形状に広がって形成された一対のV形状溝部と、
上記薄肉部において、上記V形状溝部の一対の先端部から、上記直線状溝部が位置する中央側とは反対側の外側へ延長して形成された一対の延長溝部と、を備えていることを特徴とする密閉型電池の安全弁にある。
【発明の効果】
【0008】
上記密閉型電池の安全弁は、直線状溝部と一対のV形状溝部とが形成された薄肉部において、V形状溝部の一対の先端部から延長して形成された一対の延長溝部を有している。この一対の延長溝部は、直線状溝部が位置する中央側とは反対側の外側へ延長して形成されている。
密閉型電池の内圧が上昇し、安全弁が作動(破断)する時には、直線状溝部の両脇に位置する薄肉部の部分(以下、薄肉部の第1の部分という。)は、面積が大きいことにより、内圧による力が加わりやすい。そのため、直線状溝部、一対のV形状溝部及び各延長溝部が破断するときには、薄肉部の第1の部分は容易に開くと考えられる。
【0009】
一方、V形状溝部による三角形状部分を含む薄肉部の部分(以下、薄肉部の第2の部分という。)は、薄肉部の第1の部分よりも面積が小さいことにより、内圧による力が加わりにくい。そこで、各V形状溝部が破断するときには、各V形状溝部からそれぞれ延長して形成された一対の延長溝部も破断することによって、薄肉部の第2の部分が開く量を大きくすることができる。
このように、薄肉部の第1の部分に加えて、薄肉部の第2の部分も開きやすくなったことにより、薄肉部の第1の部分及び第2の部分が開いて安全弁が開口されたときには、密閉型電池の内圧を開放するための開口面積を安定して確保することができる。
【0010】
それ故、上記密閉型電池の安全弁によれば、破断時の開口面積を安定して確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例にかかる、密閉型電池を示す斜視図。
図2】実施例にかかる、直線状溝部、V形状溝部及び延長溝部が形成された安全弁を示す平面図。
図3】実施例にかかる、直線状溝部、V形状溝部及び延長溝部が形成された安全弁を示す断面図。
図4】実施例にかかる、安全弁が作動(破断)した状態を示す平面図。
図5】実施例にかかる、安全弁が作動して、薄肉部の第1の部分及び第2の部分が開いた状態を示す断面図。
図6】実施例にかかる、直線状溝部、V形状溝部及び延長溝部の他に、補助溝部が形成された安全弁を示す平面図。
図7】実施例にかかる、V形状溝部の先端部に屈曲部が形成された安全弁を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述した密閉型電池の安全弁における好ましい実施の形態につき説明する。
上記密閉型電池の安全弁においては、上記V形状溝部の一対の先端部は、上記直線状溝部に直交して外側に屈曲していてもよい。
この場合には、外側に屈曲する先端部の長さが短いことにより、屈曲しない先端部を有するV形状溝部の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
また、上記薄肉部は、四角形状に形成されており、上記直線状溝部及び上記延長溝部は、上記薄肉部の互いに平行な一対の平行辺部に沿って形成されていてもよい。
この場合には、安全弁の作動時に、直線状溝部の両脇に位置する薄肉部の第1の部分が、薄肉部の一対の平行辺部に沿って開くことができる。これにより、薄肉部の第1の部分の開き量を容易に確保することができる。
【0014】
また、上記直線状溝部、上記V形状溝部及び上記延長溝部は、上記蓋体の外側表面に形成されていてもよい。
この場合には、安全弁の構造が簡単であり、直線状溝部の両脇に位置する薄肉部の第1の部分と、V形状溝部による三角形状部分を含む薄肉部の第2の部分との両方が、容易に開きやすくすることができる。
【実施例】
【0015】
以下に、密閉型電池の安全弁にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の密閉型電池1の安全弁4は、図1に示すごとく、電極体22を収容する容器2の開口部21を塞ぐ蓋体3に設けられている。安全弁4は、図2図3に示すごとく、蓋体3の一般部31の厚みよりも厚みが縮小して形成された薄肉部40と、薄肉部40において、直線状に形成された直線状溝部41と、薄肉部40において、直線状溝部41の両端部411から2つに分岐してV形状に広がって形成された一対のV形状溝部42と、薄肉部40において、V形状溝部42の一対の先端部421から、直線状溝部41が位置する中央側とは反対側の外側へ延長して形成された一対の延長溝部43とを備えている。
【0016】
以下に、本例の密閉型電池1の安全弁4につき、図1図7を参照して詳説する。
図1に示すごとく、本例の密閉型電池1は、蓄電池としてのリチウムイオン二次電池であり、アルミニウム材料、ステンレス材料等によって形成された容器2内に、電極体22と、電解液と、プラス側及びマイナス側の内部端子23を配置して構成されている。内部端子23は、電極体22に接合されており、蓋体3に絶縁を行った状態で設けられている。蓋体3は、アルミニウム材料、ステンレス材料等によって形成されている。蓋体3には、内部端子23に導通されて、プラス側及びマイナス側の電極を形成する外部端子24が、蓋体3と絶縁を行った状態で設けられている。
【0017】
安全弁4は、密閉型電池1の内圧(内部圧力)が何らかの異常によって規定値よりも上昇したときに作動して、密閉型電池1の内圧を逃すためのものである。安全弁4は、蓋体3の中央部分に形成されており、外部端子24は、蓋体3において安全弁4の両側に位置して設けられている。蓋体3には、プラス側の外部端子24を配置する位置と、マイナス側の外部端子24を配置する位置とに、配置穴32が形成されている。容器2は、直方体形状に形成されており、蓋体3は、容器2の開口部21に形成された四角形状に沿った形状に形成されている。また、プラス側の内部端子23とマイナス側の内部端子23とは、蓋体3における互いに離れた位置に配置されている。
【0018】
図1図2に示すごとく、蓋体3は、一対の外部端子24が配置された方向に長い四角形状を有している。安全弁4を構成する薄肉部40は、互いに平行な一対の平行辺部45と、一対の平行辺部45に直交する一対の直交辺部46とによって、四角形状に形成されている。薄肉部40の一対の平行辺部45は、四角形状の蓋体3の長辺部311に沿って形成されている。
四角形状の薄肉部40の4つの角部47は、R形状に形成されている。薄肉部40は、一対の平行辺部45が一対の直交辺部46よりも長く形成されており、一対の平行辺部45が、蓋体3の長辺部311と平行に配置されている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43は、蓋体3の外側表面301に形成されている。
【0019】
なお、図示は省略するが、薄肉部40の一対の直交辺部46は、直線状に形成する以外にも、外側に膨らむ湾曲状に形成することもできる。また、薄肉部40の一対の平行辺部45及び直交辺部46は、薄肉部40の全体が楕円形状になるように外側に膨らんで形成することもできる。
【0020】
直線状溝部41は、薄肉部40における一対の平行辺部45の間の中心位置において、一対の平行辺部45に平行に形成されている。各V形状溝部42は、直線状溝部41の両端部411から2つに分岐する分岐部分420によって形成されている。各延長溝部43は、各分岐部分420から延長されて、薄肉部40のR形状の角部47の付近まで形成されている。
各延長溝部43は、薄肉部40における一対の平行辺部45の近傍において、一対の平行辺部45に平行に形成されている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43は、図3に示すごとく、一対の傾斜面によるV形状の断面に形成されている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43の深さは一定になっている。直線状溝部41、各V形状溝部42及び各延長溝部43の底部は、平坦状又は曲面状のいずれに形成されていてもよい。
【0021】
直線状溝部41の両脇に位置する薄肉部40の第1の部分401は、直線状溝部41、各V形状溝部42及び各平行辺部45に囲まれた台形形状に形成されている。また、V形状溝部42による三角形状部分を含む薄肉部40の第2の部分402は、各V形状溝部42、各延長溝部43及び各直交辺部46に囲まれた、直線部付きの三角形状に形成されている。各延長溝部43の先端部431は、安全弁4が破断して開口する際に、薄肉部40の第2の部分402が折り曲げられるときの起点部位に位置する。
【0022】
次に、本例の安全弁4の作用効果につき説明する。
密閉型電池1の内圧が何らかの原因で異常に上昇し、安全弁4が作動(破断)する時には、薄肉部40の第1の部分401は、面積が大きいことにより、内圧による力が加わりやすい。そのため、直線状溝部41、一対のV形状溝部42及び各延長溝部43が破断するときには、薄肉部40の第1の部分401は容易に開くと考えられる。このとき、第1の部分401は、平行辺部45に沿って90°以上、蓋体3の外側へ開く。ここで、図4図5には、安全弁4が作動して開口穴400を形成した状態を示す。
【0023】
一方、薄肉部40の第2の部分402は、薄肉部40の第1の部分401よりも面積が小さいことにより、内圧による力が加わりにくい。そこで、各V形状溝部42が破断するときには、各V形状溝部42からそれぞれ延長して形成された一対の延長溝部43も破断することによって、薄肉部40の第2の部分402が開く量を大きくすることができる。このとき、第2の部分402は、直交辺部46に沿って90°以上、蓋体3の外側へ開く。
【0024】
このように、薄肉部40の第1の部分401に加えて、薄肉部40の第2の部分402も開きやすくなったことにより、薄肉部40の第1の部分401及び第2の部分402が開いて安全弁4が開口されたときには、密閉型電池1の内圧を開放するための開口面積Xを安定して確保することができる(図4参照)。
それ故、本例の密閉型電池1の安全弁4によれば、破断時の開口面積を安定して確保することができる。
【0025】
また、安全弁4の作動時に、薄肉部40の第2の部分402がさらに開きやすくするために、次の工夫をすることもできる。
具体的には、図6に示すごとく、薄肉部40において、延長溝部43の2つの先端部431同士の間には、直線状溝部41に直交して、直線状に一対の補助溝部44を形成することができる。一対の補助溝部44は、薄肉部40の一対の直交辺部46の近傍において、一対の直交辺部46と平行に形成することができる。また、一対の補助溝部44は、薄肉部40の第2の部分40が開くときに折り曲げの起点となる部分である。そして、一対の補助溝部44は、薄肉部40の第2の部分40が開くときに破断しないようにするため、直線状溝部41、一対のV形状溝部42及び各延長溝部43の深さよりも浅い深さで形成することができる。
【0026】
また、図7に示すごとく、V形状溝部42の先端部421には、直線状溝部41に直交して外側に屈曲する屈曲部422を形成することができる。そして、延長溝部43は、屈曲部422から延長して形成することもできる。この場合には、屈曲部422の長さが短いことにより、屈曲部422を有しない先端部421から延長溝部43を形成した場合と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 密閉型電池
2 容器
21 開口部
22 電極体
3 蓋体
301 外側表面
31 一般部
4 安全弁
40 薄肉部
401 第1の部分
402 第2の部分
41 直線状溝部
42 V形状溝部
43 延長溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7