特開2015-6994(P2015-6994A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-6994(P2015-6994A)
(43)【公開日】2015年1月15日
(54)【発明の名称】ジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/04 20060101AFI20141212BHJP
   A61K 31/424 20060101ALI20141212BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20141212BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20141212BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20141212BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20141212BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20141212BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20141212BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20141212BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20141212BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20141212BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20141212BHJP
   C07F 7/10 20060101ALI20141212BHJP
【FI】
   C07D498/04 103
   A61K31/424
   A61K31/4439
   A61K31/427
   A61K31/497
   A61K31/506
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P25/22
   A61P25/24
   A61P25/08
   A61P25/20
   C07F7/10 VCSP
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2011-237606(P2011-237606)
(22)【出願日】2011年10月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】浦部 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】西川 梨絵
(72)【発明者】
【氏名】民田 智子
(72)【発明者】
【氏名】服部 信隆
(72)【発明者】
【氏名】坂上 一成
(72)【発明者】
【氏名】松田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】安原 明登
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
4H049
【Fターム(参考)】
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE03
4C072FF05
4C072GG01
4C072GG06
4C072GG09
4C072HH02
4C072HH07
4C072HH08
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA29
4C086ZC41
4H049VN01
4H049VP01
4H049VQ73
4H049VR24
4H049VU06
4H049VW01
(57)【要約】
【課題】統合失調症、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、不安障害、うつ病、AD/HD(注意欠如/多動性障害)、薬物依存、痙攣、振戦、睡眠障害等の疾患の予防又は治療用医薬を提供すること。
【解決手段】代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGlu2受容体)に対してポジティブアロステリックモジュレーター作用を有する一般式(I)で表される新規なジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【化1】

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式(I)中、
1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、ヒドロキシ、及びC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、アミノ(該アミノはC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及びC1-6アルカノイルからなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールはC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)を示し;
2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、イミノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、及びアリールからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ、アリールC1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又は4〜8員の環状アミノ(該4〜8員の環状アミノは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はトリC1-6アルキルシリルを示し;
3は、アリール、ヘテロアリール、又はC3-8シクロアルキル(該アリール、ヘテロアリール、及びC3-8シクロアルキルは、ハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル(該C3-8シクロアルキルはC1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されてもよい。)、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ、アリールC1-6アルコキシ、アリールオキシ、C1-6アルカノイル、アリール(該アリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ及びC1-6アルカノイルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ヘテロアリール(該ヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びハロC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、ピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、又はキノリノン(該キノリノンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)
を示す]
で表されるジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項2】
上記式(I)において、
1が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ、及びC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はヘテロアリール(該ヘテロアリールはC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)であり;
2が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、イミノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、及びアリールからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ、アリールC1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又は4〜8員の環状アミノ(該4〜8員の環状アミノは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はトリC1-6アルキルシリルであり;
3が、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル(該C3-8シクロアルキルはC1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されてもよい。)、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、アリールC1-6アルコキシ、アリールオキシ、アリール(該アリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びハロC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ヘテロアリール(該ヘテロアリールは、C1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、又はピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、
である請求項1に記載のジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項3】
上記式(I)において、
1が、ハロゲン原子、シアノ、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はヘテロアリールである請求項1又は2に記載のジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、統合失調症、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、不安障害、うつ病、AD/HD(注意欠如/多動性障害)、薬物依存、痙攣、振戦及び睡眠障害からなる群から選択される疾患の予防又は治療用医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGlu2受容体)に対してポジティブアロステリックモジュレーター作用を有する新規な化合物又はその医薬上許容される塩、並びにそれらを有効成分として含有する統合失調症、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、不安障害、うつ病、AD/HD(注意欠如/多動性障害)、薬物依存、痙攣、振戦及び睡眠障害からなる群から選択される疾患の予防又は治療用医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
グルタミン酸受容体は、イオンチャネル型グルタミン酸受容体及び代謝型グルタミン酸受容体(mGlu受容体)に大きく分類される(非特許文献1、2)。このうちmGlu受容体はGタンパク質と共役するGPCR型グルタミン酸受容体として同定されたが、1990年代初めに相次いで受容体cDNAがクローニングされた(非特許文献3、4)。現在、8つのサブタイプ(mGlu1〜mGlu8)の存在が報告されており、これらは受容体構造、薬理学的特性及び情報伝達系の違いにより3つのグループ(グループI:mGlu1、mGlu5;グループII:mGlu2、mGlu3;グループIII:mGlu4、mGlu6、mGlu7、mGlu8)に分類される(非特許文献5〜7)。これらの中で、グループIIに属するmGlu2及びmGlu3受容体は、Gi/Goタンパク質と共役し、アデニル酸シクラーゼ活性を抑制的に調節しており、アゴニストによるmGlu2及びmGlu3受容体の活性化はフォルスコリン刺激誘発cAMP蓄積を抑制する(非特許文献1、8、9)。中枢神経系において、mGlu2及びmGlu3受容体は、大脳皮質、嗅球、線条体、側坐核、視床、海馬、扁桃体などに多くの発現が認められている(非特許文献10〜14)。これらの部位は情動・認知・意欲・報酬といった脳機能に関与していることから、mGlu2及びmGlu3受容体の不安障害、統合失調症、うつ病、薬物依存症といった精神疾患との関連性が示唆されている(非特許文献15〜19)。
【0003】
受容体欠損マウスを用いた解析から、mGlu2/3受容体アゴニストの抗精神病様作用には主にmGlu2受容体が関与していると考えられている(非特許文献20〜22)。さらに内因性リガンドであるグルタミン酸の結合部位(オルソステリック結合部位)とは異なる活性調節部位(アロステリック結合部位)の存在が報告され、選択的mGlu2受容体ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)が創出された(非特許文献23、24)。これら選択的mGlu2受容体PAMはmGlu2/3受容体と同様に各種動物モデルにおいて抗精神病様作用や認知機能障害改善作用を示すことから、統合失調症治療薬としての可能性が示唆されている(非特許文献25〜32)。また、mGlu2受容体PAMは各種動物モデルに対する抗不安作用が認められていることから、不安障害治療薬としての可能性も示唆されている(非特許文献25、28、33、34)。
【0004】
最近、mGlu2受容体ポジティブアロステリックモジュレーター作用を有する化合物が報告されている(非特許文献35〜37)。しかし、これらの文献には本発明化合物のジヒドロイミダゾオキサゾール骨格をもつ化合物についてはなんら開示も示唆もない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Science, 258(5082), 597-603, 1992.
【非特許文献2】Psychopharmacology (Berl), 179(1), 4-29, 2005.
【非特許文献3】Nature, 349(6312), 760-765, 1991.
【非特許文献4】Science, 252(5010), 1318-1321, 1991.
【非特許文献5】Neuropharmacology, 34(1), 1-26, 1995
【非特許文献6】Annu Rev Pharmacol Toxicol., 37, 205-237, 1997.
【非特許文献7】Neuropharmacology, 38(10), 1431-1476, 1999.
【非特許文献8】Neuron, 8(1), 169-179, 1992.
【非特許文献9】J Neurosci, 13(4), 1372-1378, 1993.
【非特許文献10】Neurosci Lett., 202(3), 197-200, 1996.
【非特許文献11】Neuroscience, 71(4), 949-976, 1996.
【非特許文献12】Neurosci Res., 30(1), 65-82, 1998.
【非特許文献13】J Comp Neurol., 505(6), 682-700, 2007.
【非特許文献14】Brain Res., 1197, 47-62, 2008.
【非特許文献15】Current Drug Targets - CNS & Neurological Disorders, 1, 215-225, 2002.
【非特許文献16】Nat. Rev. Drug Discov., 4(2), 131-144, 2005.
【非特許文献17】Eur J Pharmacol., 639(1-3), 59-66, 2010.
【非特許文献18】Neuropharmacology. 2011 Jun 21. [Epub ahead of print] PMID: 21704048.
【非特許文献19】Neuropharmacology, 60(7-8), 1017-1041, 2011.
【非特許文献20】Eur J Pharmacol., 397(1), R1-2, 2000.
【非特許文献21】Psychopharmacology (Berl), 196(3), 431-440, 2008.
【非特許文献22】J Pharmacol Exp. Ther., 326(1), 209-217, 2008.
【非特許文献23】J Med Chem., 46(15), 3189-3192, 2003.
【非特許文献24】Mol Pharmacol., 64(4), 798-810, 2003.
【非特許文献25】Psychopharmacology (Berl), 179(1), 271-283, 2005.
【非特許文献26】Bioorg Med Chem Lett., 15(18), 4068-4072, 2005.
【非特許文献27】J Pharmacol Exp Ther., 315(3), 1181-1187, 2005.
【非特許文献28】J Pharmacol Exp Ther., 318(1), 173-185, 2006.
【非特許文献29】Mol Pharmacol., 72(2), 477-484, 2007.
【非特許文献30】Psychopharmacology (Berl), 192(4), 511-519, 2007.
【非特許文献31】Neuroscience, 168(1), 209-218, 2010.
【非特許文献32】ACS Med Chem Lett., 1(8), 406-410, 2010.
【非特許文献33】J Pharmacol Exp Ther., 336(1), 165-177, 2011.
【非特許文献34】Neuropharmacology, 62, 322-331, 2012.
【非特許文献35】Expert Opin. Ther. Patents, 19(9), 1259-1275, 2009.
【非特許文献36】Current Medicinal Chemistry, 18(1), 47-68, 2011.
【非特許文献37】ACS Chem. Neurosci., 2(8), 382-393, 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、mGlu2受容体に対してポジティブアロステリックモジュレーター作用を有する新規な化合物を見出し、統合失調症、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、不安障害、うつ病、AD/HD(注意欠如/多動性障害)、薬物依存、痙攣、振戦及び睡眠障害等の予防又は治療用医薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、mGlu2受容体ポジティブアロステリックモジュレーター作用を有する新規ジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体を見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)式(I)
【0008】
【化1】
【0009】
[式(I)中、
1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、ヒドロキシ、及びC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、アミノ(該アミノはC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及びC1-6アルカノイルからなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールはC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)を示し;
2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、イミノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、及びアリールからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ、アリールC1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又は4〜8員の環状アミノ(該4〜8員の環状アミノは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はトリC1-6アルキルシリルを示し;
3は、アリール、ヘテロアリール、又はC3-8シクロアルキル(該アリール、ヘテロアリール、及びC3-8シクロアルキルは、ハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル(該C3-8シクロアルキルはC1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されてもよい。)、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ、アリールC1-6アルコキシ、アリールオキシ、C1-6アルカノイル、アリール(該アリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ及びC1-6アルカノイルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ヘテロアリール(該ヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びハロC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、ピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、又はキノリノン(該キノリノンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)
を示す]
で表されるジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩。
(2)上記式(I)において、
1が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ、及びC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はヘテロアリール(該ヘテロアリールはC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)であり;
2が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、イミノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、及びアリールからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ、アリールC1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又は4〜8員の環状アミノ(該4〜8員の環状アミノは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はトリC1-6アルキルシリルであり;
3が、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル(該C3-8シクロアルキルはC1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されてもよい。)、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、アリールC1-6アルコキシ、アリールオキシ、アリール(該アリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びハロC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ヘテロアリール(該ヘテロアリールは、C1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、又はピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、
である(1)に記載のジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩。
(3)上記式(I)において、
1が、ハロゲン原子、シアノ、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はヘテロアリールである(1)又は(2)に記載のジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩。
(4)(1)〜(3)のいずれか一つに記載のジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、統合失調症、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、不安障害、うつ病、AD/HD(注意欠如/多動性障害)、薬物依存、痙攣、振戦及び睡眠障害からなる群から選択される疾患の予防又は治療用医薬。
【発明の効果】
【0010】
本発明の新規ジヒドロイミダゾオキサゾール誘導体は、mGlu2受容体の活性調節部位に作用して、生理的リガンド(グルタミン酸)による受容体刺激を増強させることが明らかになった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用される用語は、以下の意味を有する。
【0012】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を示す。
【0013】
「C1-6アルキル」とは、直鎖状、又は分枝鎖状の炭素原子数1〜6のアルキル基を示し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル等の基を挙げることができる。
【0014】
「ハロC1-6アルキル」とは、前記の「C1-6アルキル」に1〜5個の同一又は異なる前記の「ハロゲン原子」が置換したアルキル基を示し、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2−フルオロ−2−プロピル、1,1,1−トリフルオロメチル−2−メチル−2−プロピル等の基を挙げることができる。
【0015】
「C3-8シクロアルキル」とは、環状の炭素原子数3〜8のシクロアルキル基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル基を挙げることができる。
【0016】
「C1-6アルコキシ」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6のアルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の基を挙げることができる。
【0017】
「ハロC1-6アルコキシ」とは、前記の「C1-6アルコキシ」に1〜5個の「ハロゲン原子」が置換したアルコキシ基を示し、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ等の基を挙げることができる。
【0018】
「C3-8シクロアルキルオキシ」とは、前記の「C3-8シクロアルキル」と酸素原子が結合した基を意味し、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロへプチルオキシ、シクロオクチルオキシ基を挙げることができる。
【0019】
「C1-6アルキルスルホニル」とは、前記の「C1-6アルキル」で置換されたスルホニル基を意味し、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、tert−ペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル等の基を挙げることができる。
【0020】
「C1-6アルカノイル」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6のアルカノイル基を意味し、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル等の基を挙げることができる。
【0021】
「C2-6アルケニル」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6のアルケニル基を意味し、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−1−エテニル、2−メチル−2−プロペニル、3−メチル−2−ブテニル、4−ペンテニル等の基を挙げることができる。
【0022】
「アリール」とは、単環から2環式の芳香族炭素環であり、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等の基を挙げることができる。
【0023】
「ヘテロアリール」とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を有し、1ないし2環からなる炭素数2−9の芳香族基であり、フリル、ピロリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、インドリル、ベンゾフラニル等の基が挙げられる。
【0024】
「4〜8員の環状アミノ」とは、環中に1個の窒素原子を含み、他に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでもよい4〜8員の飽和又は部分飽和複素環であり、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、アゼパン−1−イル、1,4−オキサゼパン−4−イル、アゾカン−1−イル等の基を挙げることができる。
【0025】
「アリールC1-6アルコキシ」とは、前記の「C1-6アルコキシ」に1〜3個の同一又は異なる前記の「アリール」が置換したアルコキシ基を示し、ベンジルオキシ、1−フェニルエチルオキシ、2−フェニルエチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシ、4−フェニルブチルオキシ、5−フェニルペンチルオキシ、6−フェニルヘキシルオキシ、1−ナフチルメチルオキシ、ジフェニルメチルオキシ、トリフェニルメチルオキシ等の基を挙げることができる。
【0026】
「トリC1-6アルキルシリル」とは、「シリル」に3個の同一又は異なる前記の「C1-6アルキル」が置換したシリル基を示し、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等の基を挙げることができる。
【0027】
「アリールオキシ」とは、前記の「アリール」と酸素原子が結合した基を意味し、フェノキシ、1−ナフトキシ、2−ナフトキシ等の基を挙げることができる。
【0028】
本発明における好ましいR1は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ、及びC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はヘテロアリール(該ヘテロアリールはC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)であり、さらに好ましいR1は、ハロゲン原子、シアノ、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル(該カルバモイルは2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はヘテロアリールである。
【0029】
本発明における好ましいR2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、イミノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、及びアリールからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルスルホニル、カルバモイル、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ、アリールC1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、アミノ(該アミノは1又は2個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又は4〜8員の環状アミノ(該4〜8員の環状アミノは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)、又はトリC1-6アルキルシリルである。
【0030】
本発明における好ましいR3は、アリール、又はヘテロアリール(該アリール、及びヘテロアリールは、ハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル(該C3-8シクロアルキルはC1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されてもよい。)、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、アリールC1-6アルコキシ、アリールオキシ、アリール(該アリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、及びハロC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、ヘテロアリール(該ヘテロアリールは、C1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、4〜8員の環状アミノ、又はピリドン(該ピリドンは1個のC1-6アルキルで置換されてもよい。)からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、
である。
【0031】
「医薬上許容される塩」とは、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸等の無機酸との塩、ギ酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸等の有機酸との塩、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等の1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチン等のアミンとの塩が含まれる。
【0032】
なお、本発明の化合物は、各種溶媒和物としても存在し得る。また、医薬としての適用性の面から水和物の場合もある。
【0033】
本発明の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ体等を全て含む。
【0034】
本発明の化合物は、一つ又は二つ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合せて医薬的製剤とすることができる。上記担体、賦形剤及び希釈剤として、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾソルベート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の各種油等が含まれる。
【0035】
また、上記の担体、賦形剤又は希釈剤に必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤等の添加剤が混合し、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤等の経口又は非経口用医薬として調製することができる。本発明の化合物は、成人患者に対して1回の投与量として0.001〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能である。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状等により適宜増減することが可能である。
【0036】
本発明の化合物には、一つ以上の水素原子、フッ素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が放射性同位元素や安定同位元素と置換された化合物も含まれる。これらの標識化合物は、代謝や薬物動態研究、受容体のリガンド等として生物学的分析等に有用である。
【0037】
本発明化合物及びその医薬上許容される塩は、例えば、以下に示す方法によって合成することができるが、本発明の化合物の製造方法はこれらに限定されるものではない。
【0038】
「不活性溶媒」とは例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン等の芳香族系溶媒;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N、N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒及び水であり、並びにこれらの均一系及び不均一系混合溶媒等である。これらの不活性溶媒は当業者に公知である種々の反応条件に応じて適宜選択される。
【0039】
「塩基」とは例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアミド;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の低級アルコキシド;ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム等のアルキルリチウム;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩;トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、N,N−ジメチルアニリン等のアミン;フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩;ピリジン、イミダゾール、2,6−ルチジン等の塩基性複素環化合物等である。これらの塩基は当業者に公知である種々の反応条件に応じて適宜選択される。
「酸」とは例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、10-カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸等の有機酸、塩化亜鉛(II)、塩化アルミニウム(III)、塩化チタン(IV)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三臭化ホウ素、トリメチルシリルヨージド、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等のルイス酸である。これらの酸は当業者に公知である種々の反応条件に応じて適宜選択される。
【0040】
式(I)で示される本発明化合物は下記スキーム1の方法にて製造することができる。
【0041】
【化2】
【0042】
式中、R1、R2、R3は前記と同義である。X1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は有機スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等)等の脱離基を示す。
工程1:式(I)で示される本発明化合物は不活性溶媒中、塩基存在下、式(1)で表わされる化合物と式(2)で表わされる化合物の反応により製造することができる。ここで、式(1)及び式(2)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
【0043】
式(I)で示される本発明化合物は下記スキーム2の方法にても製造することができる。
【0044】
【化3】
式中、R1、R2、R3、X1は前記と同義である。Y1は水素原子又はハロゲン原子等を示す。
工程2:式(I)で示される本発明化合物は不活性溶媒中、アルキルリチウム存在下、式(3)で表わされる化合物と式(4)で表わされる化合物の反応により製造することができる。ここで、式(3)及び式(4)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
【0045】
式(I)で示される本発明化合物は下記スキーム3の方法にても製造することができる。
【0046】
【化4】
式中、R1、R2、R3、X1、Y1は前記と同義である。
【0047】
工程3:式(I)で示される本発明化合物はスキーム2中の工程2と同様の方法により、式(5)で表わされる化合物と式(6)で表わされる化合物から製造することができる。 ここで、式(5)及び式(6)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
【0048】
式(I)で示される本発明化合物は下記スキーム4の方法にても製造することができる。
【0049】
【化5】
式中、R1、R2、R3、X1は前記と同義である。Mはカップリング反応で用いられる金属原子又は金属原子団を示し、式(8)で表わされる化合物の例としてマグネシウム反応剤、亜鉛反応剤、ホウ酸又はホウ酸エステルが結合したホウ素反応剤、スズ反応剤等が挙げられる。
工程4:式(I)で示される本発明化合物は不活性溶媒中、塩基存在下又は非存在下、パラジウム触媒及び必要に応じて配位子を用いて、式(7)で表わされる化合物と式(8)で表わされる化合物のカップリング反応により製造することができる。ここでカップリング反応としては、当業者に公知なカップリング反応の条件が挙げられ、例えば、{コンプリヘンシブ オーガニック トランスフォーメーションズ セカンド エディション {Comprehensive Organic Transformations Second Edition) 1999年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)}等に記載の方法、それに準じた方法、又はこれらと常法とを組み合わせることにより実施することができる。ここで、パラジウム触媒とは、例えば酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)酢酸パラジウム(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、塩化〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕パラジウム(II)、塩化アリルパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)塩化パラジウム(II)、(1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン)(3−クロロピリジル)塩化パラジウム(II)等を挙げることができ、配位子とは例えばトリフェニルホスフィン、2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1−ビナフチル(BINAP)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(Xantphos)等を挙げることができる。ここで、式(7)及び式(8)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
【0050】
式(I)で示される本発明化合物は下記スキーム5の方法にても製造することができる。
【0051】
【化6】
【0052】
式中、R1、R2、R3、X1は前記と同義である。
【0053】
工程5:式(I)で示される本発明化合物は不活性溶媒中、塩基存在下、式(9)で表わされる化合物と式(10)で表わされる化合物の反応により製造することができる。ここで、式(9)及び式(10)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
【0054】
式(I)で示される本発明化合物は下記スキーム6の方法にても製造することができる。
【0055】
【化7】
【0056】
式中、R1、R2、R3は前記と同義である。
【0057】
工程6:式(I)で示される本発明化合物、式(11)で表わされる化合物と式(12)で表わされる化合物の光延反応により製造することができる。光延反応とは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機リン化合物とアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル等のアゾ化合物を用いる方法、又はシアノメチルトリブチルホスホラン等のリンイリド試薬を用いる方法が挙げられる(Chem. Rev. 2009. 109,2551−2651参照)。 ここで、式(11)及び式(12)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
式(I)で示される本発明化合物のうち下記式(I−II)で示される化合物は下記スキーム7の方法にて製造することができる。
【0058】
【化8】
【0059】
式中、R1、R2、R3、X1、Mは前記と同義である。Ar1はアリール(該アリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、C3-8シクロアルキルオキシ及びC1-6アルカノイルからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)、又はヘテロアリール(該ヘテロアリールはハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びハロC1-6アルコキシからなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい。)を示す。
工程7:式(I−II)で示される化合物はスキーム4中の工程4と同様の方法により、式(13)で表わされる化合物と式(14)で表わされる化合物から製造することができる。 ここで、式(13)及び式(14)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
式(I)で示される本発明化合物のうち下記式(I−II)で示される化合物は下記スキーム8の方法にても製造することができる。
【0060】
【化9】
【0061】
式中、R1、R2 、R3 、X1、M、Ar1は前記と同義である。
工程8:式(I−II)で示される化合物はスキーム4中の工程4と同様の方法により、式(15)で表わされる化合物と式(16)で表わされる化合物から製造することができる。 ここで、式(15)及び式(16)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
式(I)で示される本発明化合物のうち下記式(I−III)で示される化合物は下記スキーム9の方法にて製造することができる。
【0062】
【化10】
【0063】
式中、R2 、R3は前記と同義である。
工程9:式(I−III)で示される化合物は不活性溶媒中、塩基存在下、式(17)で表わされる化合物の加水分解反応により製造することができる。 ここで、式(17)で表わされる化合物は、市販化合物、公知化合物或いは当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて市販化合物又は公知化合物より合成した化合物を用いることができる。
【実施例】
【0064】
以下、製造例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
製造例、実施例において、カラムクロマトグラフィーを使用して精製した際の「SNAP Cartridge KP−NH」とはBiotage社SNAP Cartridge KP−NH、「SNAP Cartridge HP−Sil」とはBiotage社SNAP Cartridge HP−Sil、「Reveleris NH」とはGrace社のReveleris(商標登録)Amino Silica Cartridge、 「Reveleris」とはGrace社のReveleris(商標登録)Silica Cartridgeである。
分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)を使用して精製した際にはメルク社シリカゲル60F254、20cm×20cmを使用した。分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)NHを使用して精製した際には和光純薬工業社製NH2シリカゲル60F254、20cm×20cmを使用した。
製造例及び実施例中記載の各機器データは以下の測定機器で測定した。
【0065】
マイクロウェーブ反応装置:Initiator(Biotage AB)又はEmrys Optimizer(personal chemistry)
MSスペクトル:LCMS−2010EV(島津製作所)、micromass Platform LC又はmicromass GCT、Agilent 2900及びAgilent 6150
NMRスペクトル:日本電子社JNM−ECA600(600MHz)、日本電子社JNM−ECA500(500MHz)、Varian社UNITYNOVA300(300MHz )、Varian社GEMINI2000/200(200MHz)
製造例及び実施例中の化合物名はACD/Name (ACD/Labs 12.0, Advanced Chemistry Development Inc.)により命名した。
【0066】
実施例中で使用した略語を以下に示す。
MS(質量分析)、ESI(エレクトロスプレーイオン化)、APCI(大気圧化学イオン化)、NMR(核磁気共鳴分光法)、H(プロトン)、J(カップリング定数)、DMSO-d6(重水素化ジメチルスルホキシド)、br. s(ブロードシングレット)、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、dd(ダブルダブレット)、ddd(ダブルダブルダブレット)、dt(ダブルトリプレット)、td(トリプルダブレット)、m(マルチプレット)、v/v(容量/容量)、 v/v/v(容量/容量/容量)。
【0067】
以下の製造例及び実施例において、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製は以下の条件により行った。ただし、塩基性官能基を有する化合物の場合、本操作でトリフルオロ酢酸を用いたときには、フリー体を得るための中和操作等を行う場合がある。
機械:Gilson社 TrilutionLC
カラム:Waters Sunfire(登録商標) prep C18 OBD,5.0μm,φ30×50mm
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
流速:40mL/min、検出法:UV 254nm
条件A
グラジエント:0分(A液/B液=90/10)、11分(A液/B液=20/80)、12−13.5分(A液/B液=5/95)
流速:40mL/min、検出法:UV 254nm
条件B
グラジエント:0分(A液/B液=80/20)、10分(A液/B液=5/95)、11−13.5分(A液/B液=1/99)
【0068】
以下の製造例及び実施例において塩基性官能基を有する化合物の場合、当業者に公知である種々の反応条件により各種酸を用いて塩とする場合がある。
【0069】
製造例1:(2S)-5,6-ジブロモ-2-{[(4-メトキシベンジル)オキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(中間体1)の合成
【0070】
(2S)-2-{[4-(メトキシ)フェノキシ]メチル}オキシラン(10.9 g)、2,4,5-トリブロモ-1H-イミダゾール(14.3 g)及び炭酸セシウム(18.4 g)のジメチルスルホキシド(300 mL)懸濁液を130 ℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜50/50; v/v)で精製し、表題化合物(中間体1:4.73 g, 淡黄色油状物)を得た。
【0071】
製造例2:(2S)-6-ブロモ-2-{[(4-メトキシベンジル)オキシ]メチル}-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(中間体7)の合成
【0072】
製造例1で得られた(2S)-5,6-ジブロモ-2-{[(4-メトキシベンジル)オキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(中間体1:1.0 g)、3-ピリジルボロン酸(323 mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(276 mg)及び炭酸セシウム(2.34 g)のトルエン/エタノール/水(3/3/2; v/v/v, 10 mL)懸濁液を、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 15/85 から クロロホルム/メタノール = 97/3; v/v)で精製することで黄色アモルファスを得た。この黄色アモルファスの酢酸エチル溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris NH、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20〜30/70; v/v)で精製し、表題化合物(中間体7:672 mg, 無色アモルファス)を得た。
【0073】
製造例3:(2S)-2-{[(4-メトキシベンジル)オキシ]メチル}-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(中間体8)の合成
【0074】
製造例1と同様の手法を用いて得られた(2S)-6-ブロモ-2-{[(4-メトキシベンジル)オキシ]メチル}-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(中間体2:500 mg)、亜鉛(22 mg)、シアン化亜鉛(333 mg)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(314 mg)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(259 mg)のジメチルアセトアミド(20 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、100 ℃で23時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えセライト(登録商標)濾過し、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで1回抽出し、有機層をあわせ、水及び飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20〜20/80; v/v)で精製し、表題化合物(中間体8:124 mg, 褐色油状物)を得た。
【0075】
製造例4:[(2S)-6-ブロモ-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メタノール(中間体9)の合成
【0076】
製造例2で得られた(2S)-6-ブロモ-2-{[(4-メトキシベンジル)オキシ]メチル}-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(中間体7:54 mg)にトリフルオロ酢酸(0.5 mL)を加え、室温で50分間撹拌した。反応混合物に氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水及びクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)を加えて、有機層と水層を分離した。水層をクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)で2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:クロロホルム/メタノール = 97/3〜87/13; v/v)で精製し、表題化合物(中間体9:26 mg, 無色固体)を得た。
【0077】
製造例5:[(2S)-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メタノール(中間体11)の合成
【0078】
製造例4で得られた[(2S)-6-ブロモ-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メタノール(中間体9:22 mg)のメタノール(2 mL)溶液に10% パラジウム炭素(22 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で50分間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)濾過し、濾液を減圧下濃縮することで、表題化合物(中間体11:28 mg, 無色固体)を得た。
【0079】
製造例6:4-メチルベンゼンスルホン酸 [(2S)-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メチル(中間体12)の合成
【0080】
製造例5で得られた[(2S)-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メタノール(中間体11:200 mg)のクロロホルム(10 mL)懸濁液に0 ℃でトリエチルアミン(0.256 mL)、トリメチルアミン塩酸塩(44 mg)、p−トルエンスルホニルクロリド(263 mg)を加え、同温で5分間撹拌した後、室温まで昇温させながら1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルを加え、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SNAP Cartridge HP-Sil、移動相:クロロホルム/メタノール = 97/3〜95/5; v/v)で精製し、表題化合物(中間体12:229 mg, 淡黄色固体)を得た。
【0081】
製造例7:4-メチルベンゼンスルホン酸 [(2S)-6-シアノ-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メチル(中間体13)の合成
【0082】
製造例4と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(中間体10:108 mg)のクロロホルム(5 mL)懸濁液に0 ℃でトリエチルアミン(0.168 mL)、トリメチルアミン塩酸塩(29 mg)、p−トルエンスルホニルクロリド(172 mg)を加え、同温で5分間撹拌した後、室温まで昇温させながら2.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルを加え、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:クロロホルム/メタノール = 97/3〜95/5; v/v)で精製し、表題化合物(中間体13:209 mg, 無色固体)を得た。
【0083】
製造例1〜7で示した中間体と、同様の方法で合成した中間体の構造式、化合物名及びそれらの機器データを表1−1〜1−2に示す。表中の製造例の欄に記載された数字は、その中間体が上記製造例1〜7の内、どの製造例と同様な方法で合成されたかを示したものである。
【0084】
【表1-1】
【0085】
【表1-2】
【0086】
実施例1:(2S)-5-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物2)及び(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物3)の合成
(2S)-2-{[4-(tert-ブチル)フェノキシ]メチル}オキシラン(1.37 g)、2,4-ジブロモ-1H-イミダゾール(1.00 g)及び炭酸セシウム(2.16 g)のジメチルスルホキシド(30 mL)懸濁液を130 ℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 70/30〜20/80; v/v)で精製し、表題化合物(化合物2:118 mg, 無色固体)及び表題化合物(化合物3:356 mg, 無色固体)を得た。
【0087】
実施例2:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-クロロ-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物8)及び(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-クロロ-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物9)の合成
実施例1で得られた2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物3:400 mg)のテトラヒドロフラン(4 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、0.438 mL)を加え、同温で2時間撹拌した。反応液にヘキサクロロエタン(539 mg)を-78 ℃で加え、同温で1時間撹拌した後、0 ℃まで昇温させながら1.5時間撹拌した。反応混合物に室温で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜70/30; v/v)で精製し、表題化合物(化合物8:152 mg,無色固体)及び表題化合物(化合物9:63 mg, 黄色固体)を得た。
【0088】
実施例3:(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物1)の合成
実施例1と同様の手法を用いて得られた(2S)-5,6-ジブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物54:400 mg)のテトラヒドロフラン(4 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、0.358 mL)を加え、同温で1時間撹拌した。反応液にヨードメタン(0.064 mL)を-78 ℃で加え、同温で1時間撹拌した後、室温まで昇温させながら4時間撹拌した。反応混合物に室温で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜65/35; v/v)で精製し、表題化合物(化合物1:235 mg, 淡黄色固体)を得た。
【0089】
実施例4:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-フェニル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物6)の合成
実施例1で得られた(2S)-5-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物2:77 mg)、フェニルボロン酸(27 mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(25 mg)及び炭酸セシウム(86 mg)のトルエン/エタノール/水(3/3/2; v/v/v, 1 mL)懸濁液をマイクロ波照射下、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 70/30〜50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物6:64 mg, 無色固体)を得た。
【0090】
実施例5:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物11)の合成
実施例3で得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物1:38 mg)、亜鉛(3 mg)、シアン化亜鉛(12 mg)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(6 mg)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(10 mg)のジメチルアセトアミド(1 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、95 ℃で28時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 70/30〜50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物11:3 mg, 淡黄色固体)を得た。
【0091】
実施例6:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物4)の合成
実施例3で得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物1:50 mg)のメタノール(2 mL)溶液に10% パラジウム炭素(10 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SNAP Cartridge KP-NH、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 65/35〜5/95; v/v)で精製し、表題化合物(化合物4:15 mg, 褐色固体)を得た。
【0092】
実施例7:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-クロロ-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物23)の合成
実施例2で得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-クロロ-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物9:36 mg)のテトラヒドロフラン(1 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、0.036 mL)を加え、同温で2時間撹拌した後、室温まで昇温させながら2.5時間撹拌した。反応混合物に室温で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物23:15 mg, 無色固体)を得た。
【0093】
実施例8:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-(トリメチルシリル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物12)の合成
(a)実施例1と同様の手法を用いて得られた(2S)-5,6-ジブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物54:300 mg)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、0.282 mL)を加え、同温で30分間撹拌した。トリメチルシリルクロリド(0.093 ml)を-78 ℃で加え、同温で30分間撹拌した後、0 ℃まで昇温させながら20分間撹拌した。反応混合物に室温で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 95/5〜80/20; v/v)で精製し、(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-(トリメチルシリル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(143 mg, 無色アモルファス)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 0.34 (s, 9 H), 1.30 (s, 9 H), 4.09 - 4.30 (m, 4 H), 5.44 - 5.50 (m, 1 H), 6.82 - 6.87 (m, 2 H), 7.30 - 7.34 (m, 2 H); ESI/APCI MS m/z 423 [M+H]+
(b)得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-(トリメチルシリル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(143 mg)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)溶液に、-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、0.130 mL)を加え、同温で2時間撹拌した後、ヨードメタン(0.023 ml)を加えて0℃まで昇温させながら3時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20〜50/50; v/v)で精製し、淡黄色アモルファス(35 mg)を得た。得られた淡黄色アモルファス(35 mg)のメタノール(1 mL)溶液に炭酸カリウム(13 mg)を加えて、室温で95分間撹拌した。反応混合物に水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレートNH、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 33/67; v/v)で精製し無色アモルファスを得た。この無色アモルファスを分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物12:16 mg, 無色固体)を得た。
【0094】
実施例9:(2S)-2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物65)の合成
製造例5で得られた[(2S)-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メタノール(中間体11:28 mg)の1,4-ジオキサン(1 mL)懸濁液に3-フルオロフェノール(0.014 mL)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9 M トルエン溶液、0.136 mL)及びトリフェニルホスフィン(68 mg)を加えて、室温で20時間撹拌した。反応混合物に水及びクロロホルムを加えた後、有機層と水層を分離した。水層をクロロホルムで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 30/70; v/v)で精製し、表題化合物(化合物65:12 mg, 無色固体)を得た。
【0095】
実施例10:(2S)-2-[(ビフェニル-4-イルオキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物93)の合成
製造例6で得られた4-メチルベンゼンスルホン酸 [(2S)-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メチル(中間体12:72 mg)のアセトニトリル(1.5 mL)溶液に4-フェニルフェノール(35 mg)及び炭酸セシウム(123 mg)を加えて、80 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SNAP Cartridge HP-Sil、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 50/50〜85/15 〜 クロロホルム/メタノール = 95/5〜90/10; v/v)で精製し、表題化合物(化合物93:35 mg, 無色固体)を得た。
【0096】
実施例11:(2S)-2-[(4-クロロフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物124)の合成
ジイソプロピルアミン(1.12 g)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、4.3 mL)を加え、0 ℃まで昇温させながら30分間撹拌した。反応混合物に-78 ℃で実施例5と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-[(4-クロロフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物144:2.04 g)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液を加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物にヨードメタン(5.25 g)を-78 ℃で加え、同温で1時間撹拌した後、室温まで昇温させながら3.5時間撹拌した。反応混合物に0 ℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで1回抽出し、有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 70/30〜30/70; v/v)で精製し、表題化合物(化合物124:1.21 g, 淡黄色固体)を得た。
【0097】
実施例12:(2S)-2-[(ビフェニル-4-イルオキシ)メチル]-5-[6-(プロパン-2-イルオキシ)ピリジン-3-イル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物108)の合成
実施例4と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-[(4-クロロフェノキシ)メチル]-5-[6-(プロパン-2-イルオキシ)ピリジン-3-イル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物101:100 mg)、フェニルボロン酸(41 mg)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン)(3-クロロピリジル)塩化パラジウム(II)(18 mg)及び炭酸カリウム(107 mg)のトルエン/エタノール/水(3/3/2; v/v/v, 1.0 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜0/100; v/v)で精製し、表題化合物(化合物108:48 mg, 無色固体)を得た。
【0098】
実施例13:(2S)-2-[(ビフェニル-4-イルオキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物125)の合成
実施例11で得られた(2S)-2-[(4-クロロフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物124:150 mg)、フェニルボロン酸(82 mg)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン)(3-クロロピリジル)塩化パラジウム(II)(35 mg)及び炭酸カリウム(215 mg)のトルエン/エタノール/水(3/3/2; v/v/v, 2.9 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、100 ℃で1時間撹拌した。フェニルボロン酸(107 mg)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン)(3-クロロピリジル)塩化パラジウム(II)(140 mg)を加えて1時間撹拌、反応混合物を室温まで放冷してセライト(登録商標)濾過し、濾液に水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 70/30〜10/90; v/v)で精製し、表題化合物(化合物125:80 mg, 無色固体)を得た。
【0099】
実施例14:(2S)-2-{[(2'-クロロビフェニル-4-イル)オキシ]メチル}-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物160)の合成
(a)実施例11で得られた(2S)-2-[(4-クロロフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物124:600 mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン(631 mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(95 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(197 mg)及び酢酸カリウム(609 mg)の1,4-ジオキサン(12 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、110 ℃で21時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷してセライト(登録商標)濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜40/60; v/v)で精製し、(2S)-5-メチル-2-{[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(445 mg, 淡褐色アモルファス)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 1.34 (s, 12 H), 2.34 (s, 3 H), 4.17 - 4.36 (m, 4 H), 5.56 - 5.62 (m, 1 H), 6.86 - 6.89 (m, 2 H), 7.74 - 7.78 (m, 2 H); ESI/APCI MS m/z 382 [M+H]+
(b)得られた(2S)-5-メチル-2-{[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(150 mg)、2-ブロモクロロベンゼン(90 mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(45 mg)及び炭酸セシウム(384 mg)のトルエン/エタノール/水(3/3/2; v/v/v, 3 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、100 ℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜30/70; v/v)で精製することで淡黄色油状物を得た。この淡黄色油状物を再結晶(ヘキサン/酢酸エチル)し、表題化合物(化合物160:73 mg, 無色固体)を得た。
【0100】
実施例15:(2S)-5-メチル-2-{[(4'-メチルビフェニル-4-イル)オキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物136)の合成
実施例13と同様の手法を用いて得られた(2S)-5-メチル-2-{[(4'-メチルビフェニル-4-イル)オキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物133:57 mg)のメタノール(8 mL)懸濁液に1M水酸化ナトリウム水溶液(8 mL)を加え、100 ℃で3.5日撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、1M塩酸で中和したのち、水及びクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)を加えて、有機層と水層を分離した。水層をクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)で2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:クロロホルム/メタノール = 90/10; v/v)で精製し、表題化合物(化合物136:18 mg, 無色固体)を得た。
【0101】
実施例16:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物39)の合成
実施例5と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物7:291 mg)のメタノール(4 mL)懸濁液に1M 水酸化ナトリウム水溶液(4 mL)を加え、85 ℃で4.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、1M塩酸で中和したのち、水及びクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)を加えて、有機層と水層を分離した。水層をクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)で2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加えて16時間攪拌した後、析出物を濾取、乾燥し、表題化合物(化合物39:175 mg, 無色固体)を得た。
【0102】
実施例17:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物139)の合成
(a)ジイソプロピルアミン(102 mg)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、0.39 mL)を加え、0 ℃まで昇温させながら30分間撹拌した。反応混合物に-78 ℃で実施例5と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物7:200 mg)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物にヨードエタン(525 mg)を-78 ℃で加え、同温で10分間撹拌した後、室温まで昇温させながら2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで1回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20〜40/60; v/v)で精製し、(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(45 mg, 黄色油状物)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 1.24 - 1.33 (m, 12 H), 2.72 (q, J=7.4 Hz, 2 H), 4.17 - 4.22 (m, 1 H), 4.25 - 4.30 (m, 3 H), 5.53 - 5.59 (m, 1 H), 6.80 - 6.84 (m, 2 H), 7.29 - 7.34 (m, 2 H); ESI MS m/z 326 [M+H]+
(b)得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリルに実施例16と同様の手法を用いて表題化合物(化合物139)を得た。
【0103】
実施例18:(2S)-5-ブチル-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物140)の合成
(a)ヨードエタンの代わりにヨードブタンを用いて、実施例17(a)と同様の手法で、(2S)-5-ブチル-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリルを得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 0.96 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.30 (s, 9 H), 1.37 - 1.44 (m, 2 H), 1.58 - 1.65 (m, 2 H), 2.66 - 2.71 (m, 2 H), 4.16 - 4.20 (m, 1 H), 4.23 - 4.32 (m, 3 H), 5.53 - 5.59 (m, 1 H), 6.80 - 6.83 (m, 2 H), 7.30 - 7.34 (m, 2 H); ESI MS m/z 354 [M+H]+
(b)得られた(2S)-5-ブチル-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリルに実施例16と同様の手法を用いて、表題化合物(化合物140)を得た。
【0104】
実施例19:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-N,N-ジメチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物45)の合成
水酸化カリウム(103 mg)にジメチルスルホキシド(3 mL)を加えて室温で15分間攪拌した後、実施例16で得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物39:75 mg)とヨードメタン(0.030 mL)を加え、室温で18.5時間撹拌した。反応混合物に水及びクロロホルムを加えて、有機層と水層を分離した。水層をクロロホルムで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:酢酸エチル /メタノール = 90/10; v/v)で精製することで無色油状物を得た。この無色油状物を再結晶(ヘキサン/ジエチルエーテル)し、表題化合物(化合物45:8 mg, 無色固体)を得た。
【0105】
実施例20:(2S)-2-[(ビフェニル-4-イルオキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物116)の合成
実施例16と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-[(4-クロロフェノキシ)メチル]-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物106:13 mg)、フェニルボロン酸(7 mg)、(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン)(3-クロロピリジル)塩化パラジウム(II)(3 mg)及び炭酸カリウム(17 mg)のトルエン/エタノール/水(3/3/2; v/v/v, 1 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、100 ℃で2時間撹拌した。さらにフェニルボロン酸(7 mg)及び(1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリデン)(3-クロロピリジル)塩化パラジウム(II)(3 mg)を加えて100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:クロロホルム/メタノール = 90/10; v/v)で精製し、表題化合物(化合物116:4 mg, 無色固体)を得た。
【0106】
実施例21:1-{(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-5-イル}エタノン(化合物50)の合成
実施例1で得られた(2S)-5-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物2:100 mg)、トリブチル(1-エトキシビニル)チン(103 mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(33 mg)及びフッ化セシウム(43 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、120 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を氷冷したのち、1M塩酸(1 mL)を加えて、0 ℃で1時間撹拌した後、室温まで昇温させながら12時間撹拌した。反応混合物に水、飽和食塩水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 70/30〜20/80; v/v)で精製することで無色油状物を得た。この無色油状物を再結晶(ヘキサン/ジエチルエーテル)し、表題化合物(化合物50:16 mg, 無色固体)を得た。
【0107】
実施例22:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-(メチルスルホニル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物42)の合成
実施例1で得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物3:150 mg)、メタンスルフィン酸ナトリウム(52 mg)、L-プロリン(9.8 mg)、ヨウ化銅(I)(8.1 mg)、水酸化ナトリウム(3.4 mg)のジメチルスルホキシド(1.5 mL)懸濁液をマイクロウェーブ照射下100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで1回抽出し、有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物42:7 mg, 無色固体)を得た。
【0108】
実施例23:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルバルデヒド(化合物37)の合成
実施例1で得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物3:5.00 g)のテトラヒドロフラン(100 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、5.48 mL)を加え、同温で1時間撹拌した。N,N-ジメチルホルムアミド(3.12 g)を-78 ℃で加え、同温で30分撹拌した後、室温まで昇温させながら13時間撹拌した。反応混合物に室温で飽和塩化アンモニウム水溶液及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:酢酸エチル)で精製することで黄色固体を得た。この黄色固体に酢酸エチル/ジエチルエーテル(2 mL/11 mL)を加えて16時間攪拌した後、析出物を濾取、乾燥し、表題化合物(化合物37:483 mg, 無色固体)を得た。
【0109】
実施例24:{(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-イル}メタノール(化合物41)の合成
実施例23で得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルバルデヒド(化合物37:183 mg)のエタノール(2 mL)溶液に、0 ℃で水素化ホウ素ナトリウム(23 mg)を加えて、同温で50分撹拌した。反応混合物に水、飽和食塩水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:クロロホルム/メタノール = 97/3〜93/7; v/v)で精製し、表題化合物(化合物41:54 mg, 無色固体)を得た。
【0110】
実施例25:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-(メトキシメチル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物55)の合成
実施例24で得られた{(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-イル}メタノール(化合物41:154 mg)、炭酸ナトリウム(270 mg)のクロロホルム(2 mL)懸濁液に、0 ℃でチオニルクロリド(0.041 mL)を加えて、同温で1.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣のメタノール(2 mL)溶液に、室温下でナトリウムメトキシド(8 mg)を加えて、同温で18時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:酢酸エチル)で精製し、表題化合物(化合物55:9 mg, 淡黄色固体)を得た。
【0111】
実施例26:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-エテニル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物44)の合成
実施例1で得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物3:200 mg)、トリブチルビニルチン(0.182 mL)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(132 mg)のトルエン(2 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷してセライト(登録商標)濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris NH、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20〜70/30; v/v)で精製することで黄色固体を得た。この黄色固体の酢酸エチル溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20〜50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物44:91 mg, 無色固体)を得た。
【0112】
実施例27:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物48)の合成
実施例26で得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-エテニル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物44:43 mg)のメタノール(1 mL)溶液に10% パラジウム炭素(20 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20〜70/30; v/v)で精製し、表題化合物(化合物48:33 mg, 無色固体)を得た。
【0113】
実施例28:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-エテニル-5-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物56)の合成
(a)ジイソプロピルアミン(953 mg)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液に-78 ℃でn-ブチルリチウム(2.6 M ヘキサン溶液、3.54 mL)を加え、0 ℃まで昇温させながら30分間撹拌した。反応混合物に-78 ℃で実施例1で得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物3:2.7 g)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液を加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物にヨードエタン(2.94 g)を-78 ℃で加え、同温で5分間撹拌した後、0 ℃まで昇温させながら15分間、室温まで昇温させながら一晩撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜70/30; v/v)で精製し、(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(2.4 g, 黄色固体)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 1.14 - 1.19 (m, 3 H), 1.30 (s, 9 H), 2.51 - 2.56 (m, 2 H), 4.09 - 4.14 (m, 1 H), 4.20 - 4.30 (m, 3 H), 5.45 - 5.50 (m, 1 H), 6.81 - 6.86 (m, 2 H), 7.30 - 7.33 (m, 2 H)
(b)得られた(2S)-6-ブロモ-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾールに実施例26と同様の手法を用いて、表題化合物(化合物56)を得た。
【0114】
実施例29:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5,6-ジエチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物62)の合成
実施例28で得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-エテニル-5-エチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物56)に実施例27と同様の手法を用いて、表題化合物(化合物62)を得た。
【0115】
実施例30:(2S)-5-メチル-2-[({5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-イル}オキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物171)の合成
製造例4と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(中間体10:20 mg)、2-ブロモ-5-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピリジン(34 mg)、酢酸パラジウム(3 mg)、[1,1'-ビナフタレン]-2-イルジ-tert-ブチルホスフィン(5 mg)及び炭酸セシウム(109 mg)のトルエン(1 mL)懸濁液を窒素雰囲気下、110 ℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷してセライト(登録商標)濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10〜70/30; v/v)で精製することで無色油状物を得た。この無色油状物を分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物171:5 mg, 無色油状物)を得た。
【0116】
実施例31:(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-6-クロロ-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物76)の合成
実施例4と同様の手法を用いて得られた(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物13:16 mg)のクロロホルム(1 mL)溶液を氷冷し、N-クロロこはく酸イミド(7 mg)を加えて同温で40分、60 ℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷して、分取薄層クロマトグラフィー(分取用TLCプレート、移動相:酢酸エチル)で精製し、表題化合物(化合物76:8 mg, 無色固体)を得た。
【0117】
実施例32:(2S)-2-[(4-シクロプロピルフェノキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物96)の合成
製造例6で得られた4-メチルベンゼンスルホン酸 [(2S)-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メチル(中間体12:110 mg)のアセトニトリル(2.0 mL)溶液に4-シクロプロピルフェノールと4-エテニルフェノールの混合物(44 mg)及び炭酸セシウム(193 mg)を加えて、85 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及びクロロホルムを加えた後、有機層と水層を分離した。水層をクロロホルムで2回抽出し、有機層をあわせ、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:クロロホルム/メタノール = 100/0〜90/10; v/v)で精製し、表題化合物(化合物96:35 mg, 無色固体)及び(2S)-2-[(4-エテニルフェノキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(12 mg, 無色固体)を得た。
(2S)-2-[(4-エテニルフェノキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 4.31 - 4.45 (m, 3 H), 4.51 - 4.56 (m, 1 H), 5.14 - 5.18 (m, 1 H), 5.59 - 5.67 (m, 2 H), 6.62 - 6.69 (m, 1 H), 6.84 - 6.90 (m, 2 H), 6.99 - 7.03 (m, 1 H), 7.28 - 7.33 (m, 1 H), 7.33 - 7.38 (m, 2 H), 7.68 - 7.73 (m, 1 H), 8.47 - 8.50 (m, 1 H), 8.68 - 8.72 (m, 1 H); ESI/APCI MS m/z 320 [M+H]+
実施例33:(2S)-2-[(4-エチルフェノキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物100)の合成
実施例32で得られた(2S)-2-[(4-エテニルフェノキシ)メチル]-5-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(12 mg)のメタノール(0.5 mL)溶液に10% パラジウム炭素(5 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で30分撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)濾過し、濾液を減圧下濃縮後、得られた結晶をエタノール/酢酸エチルにて洗浄し、表題化合物(化合物100:12 mg, 淡桃色固体)を得た。
【0118】
実施例34:5-{(2S)-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-5-イル}ピリジン-2(1H)-オン(化合物38)の合成
実施例4と同様の手法を用いて得られた(2S)-5-[6-(ベンジルオキシ)ピリジン-3-イル]-2-[(4-tert-ブチルフェノキシ)メチル]-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物33:110 mg)にトリフルオロ酢酸(1.0 mL)を加え40〜45 ℃で45分間撹拌した。放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpHを8とした。水及びクロロホルムを加えて、有機層と水層を分離した。有機層を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:クロロホルム/メタノール = 100/0〜90/10; v/v)で精製し、表題化合物(化合物38:7 mg, 無色固体)を得た。
【0119】
実施例35:(2S)-6-ブロモ-5-メチル-2-{[4-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)フェノキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール(化合物173)の合成
(a)(2S)-(+)-グリシジル トシラート(2.48 g)と2,5-ジブロモ-4-メチルイミダゾール(1.00g)のN,N-ジメチルホルムアミド(20 mL)溶液に、炭酸セシウム(3.34 g)を加え、50 ℃で2時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、水及び飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris NH、移動相:クロロホルム/メタノール = 100/0〜50/50; v/v)及びカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:クロロホルム/メタノール = 100/0〜50/50; v/v)で精製し、2,4-ジブロモ-5-メチル-1-[(2S)-オキシラン-2-イルメチル]-1H-イミダゾール(976 mg, 無色油状物)を得た。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 2.18 (s, 3 H), 2.57 - 2.66 (m, 1 H), 2.80 - 2.87 (m, 1 H), 3.17 - 3.29 (m, 1 H), 4.07 - 4.28 (m, 2 H); ESI/APCI MS m/z 295 [M+H]+
(b)得られた2,4-ジブロモ-5-メチル-1-[(2S)-オキシラン-2-イルメチル]-1H-イミダゾール(795 mg)と4-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチルエチル)フェノール(576 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(8.0 mL)溶液に、氷冷下、水素化ナトリウム(162 mg)を加え、70 ℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、氷冷下水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、水及び飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris NH、移動相:クロロホルム/メタノール = 90/10〜50/50; v/v)で精製し、表題化合物(化合物173:752 mg, 無色固体)を得た。
【0120】
実施例36:5-メチル-2-{[4-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)フェノキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物180)の合成
製造例7で得られた4-メチルベンゼンスルホン酸 [(2S)-6-シアノ-5-メチル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-2-イル]メチル(中間体13:130 mg)のアセトニトリル(2.6 mL)溶液に4-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)フェノール(88 mg)及び炭酸セシウム(254 mg)を加えて、80 ℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水及び酢酸エチルを加えた後、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:ヘキサン/酢酸エチル = 50/50〜40/60; v/v)及び分取HPLCで精製し、表題化合物(化合物180:79 mg, 無色アモルファス)を得た。
【0121】
実施例37:5-メチル-2-{[4-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)フェノキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボキサミド(化合物181)の合成
実施例36で得られた5-メチル-2-{[4-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)フェノキシ]メチル}-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b][1,3]オキサゾール-6-カルボニトリル(化合物180:55 mg)の1,4-ジオキサン(1 mL)懸濁液に2M水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)を加え、100 ℃で2.5日撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、1M塩酸水溶液で中和したのち、水及びクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)を加えて、有機層と水層を分離した。水層をクロロホルム/メタノール(9/1; v/v)で2回抽出し、有機層をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Reveleris、移動相:クロロホルム/メタノール = 100/0〜95/5; v/v)で精製し、表題化合物(化合物181:29 mg, 無色固体)を得た。
【0122】
実施例1〜37で示した化合物と、同様の方法で合成した化合物の構造式、化合物名及びそれらの機器データを表2−1〜2−21に示す。表中の実施例の欄に記載された数字は、その化合物が上記実施例1〜37の内、どの実施例と同様な方法で合成されたかを示したものである。
【0123】
【表2-1】
【0124】
【表2-2】
【0125】
【表2-3】
【0126】
【表2-4】
【0127】
【表2-5】
【0128】
【表2-6】
【0129】
【表2-7】
【0130】
【表2-8】
【0131】
【表2-9】
【0132】
【表2-10】
【0133】
【表2-11】
【0134】
【表2-12】
【0135】
【表2-13】
【0136】
【表2-14】
【0137】
【表2-15】
【0138】
【表2-16】
【0139】
【表2-17】
【0140】
【表2-18】
【0141】
【表2-19】
【0142】
【表2-20】
【0143】
【表2-21】
【0144】
【表2-22】
【0145】
【表2-23】
【0146】
【表2-24】
【0147】
【表2-25】
【0148】
【表2-26】
【0149】
【表2-27】
【0150】
【表2-28】
【0151】
【表2-29】
【0152】
【表2-30】
【0153】
【表2-31】
【0154】
【表2-32】
【0155】
【表2-33】
【0156】
試験例1 [35S]GTPγS結合試験(1)
(ラット型代謝型グルタミン酸受容体(mGlu2)安定発現CHO細胞の粗膜画分調製)
ラット型mGlu2安定発現CHO細胞を、10%透析牛胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地[1% proline、50units/mL penicillin、50μg/mL streptomycin、1mM sodium Pyruva
te、1mM Succinic acid、2mM L−glutamine(用時添加)]を用いて、37℃、5%CO2下で培養した。コンフルエント状態の細胞をPBS(−)で2回洗浄した後、セルスクレ−パ−で剥離し、4℃、1000rpm、5分間遠心分離を行って細胞を回収した。得られた沈さを、20mM HEPES緩衝液(pH7.4)に懸濁し、当該懸濁液をホモジナイザ−でホモジナイズした後、4℃、48,000×g、20分間遠心分離することにより、再び沈さを得た。さらに得られた沈さを2回遠心洗浄した後に、上記緩衝液でホモジナイズすることにより粗膜画分を得た。得られた粗膜画分は、−80℃で保存した。
【0157】
([35S]GTPγS結合試験)
上記で調製した凍結膜画分を用時融解して、結合試験用緩衝液(終濃度;20mM HEPES、100mM NaCl、10mM MgCl2、8.4μM GDP、10μg/mL saponin、0.1% BSA)にて希釈した。
実施例化合物を膜タンパク質10μg/assayの膜画分に添加して、30℃で20分間インキュベ−ションを行った。その後、グルタミン酸(終濃度3μM)と[35S]GTPγS(終濃度0.15nM)を添加して、30℃で1時間インキュベ−ションを行った。インキュベ−ションの後、上記反応液をGF/Cフィルタ−上に吸引濾過し、氷冷20mM HEPES緩衝液(pH7.4)でGF/Cフィルタ−を洗浄した。乾燥後、フィルタ−にシンチレーションカクテルを添加して、液体シンチレーションカウンターで膜結合放射活性を測定した。
【0158】
上記反応において、グルタミン酸非存在下で得られた[35S]GTPγS結合量を非特異的結合量として、グルタミン酸存在下で得られた[35S]GTPγS結合量との差を特異的結合量とした。3μMグルタミン酸と様々な濃度における各実施例化合物共存下における特異的結合量との差から、各実施例化合物のEC50値を非線形最小二乗法を用いた回帰曲線により算出した。
【0159】
本発明化合物は、すべて、mGlu2受容体に作用して受容体反応を増強させた。その中で、EC50値が10μM未満の化合物とそのEC50値を表3に示す。
【0160】
【表3】
【0161】
また、1mMグルタミン酸存在下で得られた特異的結合量を100%としたとき、3μMグルタミン酸と各実施例化合物共存下により得られた最大応答Emax値を算出した。
【0162】
別の解析方法として、3μMグルタミン酸と各実施例化合物共存下において、50%の特異的結合量が得られる化合物濃度を算出した。例えば、化合物80、139、156、159、160、166、173、177、180、181は、それぞれ35nM、21nM、20nM、0.90nM、2.1nM、20nM、3.4nM、25nM、3.6nM、131nMであった。
【0163】
試験例2 [35S]GTPγS結合試験(2)
(ヒト型代謝型グルタミン酸受容体(mGlu2)安定発現CHO細胞の粗膜画分調製)
ヒト型mGlu2安定発現CHO細胞を、10%透析牛胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地[1% proline、50units/mL penicillin、50μg/mL streptomycin、2mM L−glutamine(用時添加)、400μg/mL HygromycinB(用時添加)]を用いて、37℃、5%CO2下で培養した。コンフルエント状態の細胞をPBS(−)で2回洗浄した後、セルスクレ−パ−で剥離し、4℃、1000rpm、5分間遠心分離を行って細胞を回収した。得られた沈さを、20mM HEPES緩衝液(pH7.4)に懸濁し、当該懸濁液をホモジナイザ−でホモジナイズした後、4℃、48,000×g、20分間遠心分離することにより、再び沈さを得た。さらに得られた沈さを2回遠心洗浄した後に、上記緩衝液でホモジナイズすることにより粗膜画分を得た。得られた粗膜画分は、−80℃で保存した。
【0164】
([35S]GTPγS結合試験)
上記で調製した凍結膜画分を用時融解して、結合試験用緩衝液(終濃度;20mM HEPES、100mM NaCl、10mM MgCl2、8.4μM GDP、10μg/mL saponin、0.1% BSA)にて希釈した。実施例化合物を膜タンパク質10μg/assayの膜画分に添加して、30℃で20分間インキュベ−ションを行った。その後、グルタミン酸(終濃度1μM)と[35S]GTPγS(終濃度0.15nM)を添加して、30℃で1時間インキュベ−ションを行った。インキュベ−ションの後、上記反応液をGF/Cフィルタ−上に吸引濾過し、氷冷20mM HEPES緩衝液(pH7.4)でGF/Cフィルタ−を洗浄した。乾燥後、フィルタ−にシンチレーションカクテルを添加して、液体シンチレーションカウンターで膜結合放射活性を測定した。
上記反応において、グルタミン酸非存在下で得られた[35S]GTPγS結合量を非特異的結合量として、グルタミン酸存在下で得られた[35S]GTPγS結合量との差を特異的結合量とした。1μMグルタミン酸と様々な濃度における各実施例化合物共存下における特異的結合量との差から、各実施例化合物のEC50値を非線形最小二乗法を用いた回帰曲線により算出した。
【0165】
本発明化合物のEC50値を表4に例示する。
【0166】
【表4】
【0167】
また、1mMグルタミン酸存在下で得られた特異的結合量を100%としたとき、1μMグルタミン酸と各実施例化合物共存下により得られた最大応答Emax値を算出した。
【0168】
別の解析方法として、1μMグルタミン酸と各実施例化合物共存下において、50%の特異的結合量が得られる化合物濃度を算出した。例えば、化合物80、139、159、160は、それぞれ94nM、48nM、3.1nM、5.5nMであった。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明により、統合失調症、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、不安障害、うつ病、AD/HD(注意欠如/多動性障害)、薬物依存、痙攣、振戦及び睡眠障害等の治療又は予防剤を提供することが可能となる。