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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-70271(P2015-70271A)
(43)【公開日】2015年4月13日
(54)【発明の名称】電子部品内蔵基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20150317BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20150317BHJP
【FI】
   H05K3/46 Q
   H05K3/46 B
   H01L23/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2014-195134(P2014-195134)
(22)【出願日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0114436
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】キム・ホン・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ユン・キュン・ロ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ボン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ビュン・ジョン・ス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・キョ・ミン
(72)【発明者】
【氏名】イ・テ・ゴン
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA43
5E316CC02
5E316CC08
5E316CC31
5E316DD02
5E316DD03
5E316DD11
5E316DD33
5E316EE31
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG28
5E316HH08
5E316HH21
5E316HH31
5E316JJ12
5E316JJ13
5E316JJ16
5E316JJ26
(57)【要約】
【課題】本発明は、電子部品内蔵基板及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明の一つの実施形態により、コア基板に形成され、平面上の長方形状の2以上の内蔵空間が連結空間によって連結されているキャビティと、キャビティの各内蔵空間に分離して収容されている2以上の電子部品と、を含み、連結空間によって連結される第1内蔵空間及び第2内蔵空間の互いに隣接する長辺が部分的に互いに連結され、第1及び第2内蔵空間を連結する連結空間の連結幅を形成する平面上の一側の辺が第1内蔵空間の一側の短辺と一致し、平面上の他側の辺が第2内蔵空間の他側の短辺と一致するように形成されていることを特徴とする電子部品内蔵基板が提案される。また、その製造方法が提案される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア基板に形成され、平面上の長方形状の2以上の内蔵空間が連結空間によって連結されているキャビティと、
前記キャビティの各内蔵空間に分離して収容されている2以上の電子部品と、を含み、
前記連結空間によって連結される第1内蔵空間及び第2内蔵空間の互いに隣接する長辺が部分的に互いに連結され、
前記第1及び第2内蔵空間を連結する前記連結空間の連結幅を形成する平面上の一側の辺が前記第1内蔵空間の一側の短辺と一致し、前記平面上の他側の辺が前記第2内蔵空間の他側の短辺と一致するように形成されている、電子部品内蔵基板。
【請求項2】
前記連結空間の連結幅wは、
【数1】
を満足し、
ここで、aは、前記電子部品の平面上の短辺の長さであり、bは、前記電子部品の平面上の長辺の長さであり、△は、前記内蔵空間の短辺の長さと前記電子部品の短辺の長さとの差であり、θは、前記連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度であることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項3】
前記△は、0<△<b−aを満足し、
前記第1内蔵空間の長辺と隣接する前記第2内蔵空間の長辺との距離である前記連結空間の平面上の高さhは、h≦a+△を満足することを特徴とする、請求項2に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項4】
前記連結空間の平面上の高さhは、
【数2】
を満足し、
前記θmaxは、前記内蔵空間に収容された前記電子部品の最大回転可能角度であることを特徴とする、請求項3に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項5】
b>2aの場合、以下の式(1)の条件下で、前記内蔵空間に収容された前記電子部品の最大回転可能角度θmaxは、
【数3】
であり、
式(1):
【数4】
前記b>2aで、且つ式(1)を満足しないか、b≦2aである条件下で、前記電子部品の最大回転可能角度θmaxは、
【数5】
であり、
ここで、
【数6】
及び
【数7】
は、
【数8】
である場合の前記電子部品の最大回転可能角度θmax_wmaxであり、
【数9】
は、任意の前記△に対する前記連結空間の最大連結幅であり、
【数10】
は、前記連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度であることを特徴とする、請求項3に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項6】
前記内蔵空間に収容された前記電子部品の最大回転可能角度θmax
【数11】
である条件下で、前記連結空間の平面上の高さhは、
【数12】
を満足し、
前記電子部品の最大回転可能角度θmax
【数13】
である条件下で、前記連結空間の平面上の高さhは、
【数14】
を満足することを特徴とする、請求項4に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項7】
前記連結空間の平面上の高さhは、
【数15】
を満足することを特徴とする、請求項3から6のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項8】
【数16】
であり、
【数17】
であることを特徴とする、請求項7に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項9】
前記連結空間の連結幅を形成する少なくとも一つの辺の一端部は、前記第1及び第2内蔵空間のいずれか一つの内蔵空間の短辺と一致するように連結され、他端部は、折り曲げられ、他の一つの内蔵空間の長辺と接し、
前記wは、前記他端部の先端により形成される前記連結空間の長幅であり、前記他端部の折曲点により形成される前記連結空間の短幅より大きく、
前記内蔵空間に収容された前記電子部品の最大回転の際に、前記他端部の先端で最大回転角度が形成されることを特徴とする、請求項2から6のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項10】
コア基板と、
2以上の内蔵空間のいずれか一つであり、平面上の水平長方形状に形成された第1内蔵空間と、前記第1内蔵空間の下部の長辺の一部に連結され、連結幅を形成する平面上の一側の辺が前記第1内蔵空間の一側の短辺と一致し、前記平面上の他側の辺が前記第1内蔵空間の下部の長辺と接する連結空間と、平面上の水平長方形状に形成され、前記平面上の他側の辺と一致する他側の短辺と、前記平面上の一側の辺と接する上部の長辺とを備える第2内蔵空間と、を含み、前記コア基板に形成されているキャビティと、
前記連結空間の辺と前記内蔵空間の長辺が接する点で最大回転が可能であり、前記最大回転の際に互いに接触しないように、前記キャビティの各内蔵空間に分離して収容されている2以上の電子部品と、
前記キャビティに内蔵された前記電子部品を覆い、その少なくとも一つの層を貫通して、前記電子部品と電気的に連結される多数のビアが形成されている上下部の絶縁層と、を含む、電子部品内蔵基板。
【請求項11】
前記連結空間の連結幅wは、
【数18】
を満足し、
ここで、aは、前記電子部品の平面上の短辺の長さであり、bは、前記電子部品の平面上の長辺の長さであり、△は、前記内蔵空間の短辺の長さと前記電子部品の短辺の長さとの差であり、θは、前記連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度であることを特徴とする、請求項10に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項12】
前記△は、0<△<b−aを満足し、
前記第1内蔵空間の長辺と前記第2内蔵空間の長辺との距離である前記連結空間の平面上の高さhは、h≦a+△を満足することを特徴とする、請求項11に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項13】
前記連結空間の平面上の高さhは、
【数19】
を満足し、
前記θmaxは、前記内蔵空間に収容された電子部品の最大回転可能角度であることを特徴とする、請求項12に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項14】
【数20】
であり、
【数21】
であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項15】
連結空間により第1内蔵空間及び第2内蔵空間の互いに隣接する長辺が部分的に互いに連結され、前記第1内蔵空間及び第2内蔵空間を連結する前記連結空間の連結幅を形成する平面上の一側の辺が前記第1内蔵空間の一側の短辺と一致し、前記平面上の他側の辺が前記第2内蔵空間の他側の短辺と一致するように、平面上の長方形状の2以上の内蔵空間が連結空間によって連結されているキャビティをコア基板に形成する段階と、
2以上の電子部品を前記キャビティの各内蔵空間に分離して挿入する段階と、
前記電子部品が挿入された前記キャビティを絶縁層で覆い、前記絶縁層を貫通して前記電子部品と電気的に連結される多数のビアを形成する段階と、を含む、電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項16】
前記キャビティを形成する段階において、
前記連結空間の連結幅wが
【数22】
を満足するように前記キャビティを形成し、
ここで、aは、前記電子部品の平面上の短辺の長さであり、bは、前記電子部品の平面上の長辺の長さであり、△は、前記内蔵空間の短辺の長さと前記電子部品の短辺の長さとの差であり、θは、前記連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度であることを特徴とする、請求項15に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項17】
前記キャビティを形成する段階において、
前記△は、0<△<b−aを満足し、
前記第1内蔵空間の長辺と前記第2内蔵空間の長辺との距離である前記連結空間の平面上の高さhがh≦a+△を満足するように前記キャビティを形成することを特徴とする、請求項16に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項18】
前記キャビティを形成する段階において、
b>2aの場合、以下の式(1)の条件下で、前記内蔵空間に収容された前記電子部品の最大回転可能角度θmax
【数23】
となるようにし、
式(1):
【数24】
前記式(1)を満足しないか、b≦2aである条件下で、前記電子部品の最大回転可能角度θmax
【数25】
となるようにキャビティを形成し、
ここで、
【数26】
及び
【数27】
は、
【数28】
である場合の電子部品の最大回転可能角度θmax_wmaxであり、
【数29】
は、任意の前記△に対する前記連結空間の最大連結幅であり、
【数30】
は、前記連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度であることを特徴とする、請求項17に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項19】
前記キャビティを形成する段階において、
前記連結空間の平面上の高さhが
【数31】
を満足するように前記キャビティを形成することを特徴とする、請求項17に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項20】
前記キャビティを形成する段階において、
【数32】
、且つ、
【数33】
となるように前記キャビティを形成することを特徴とする、請求項17から19のいずれか1項に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品内蔵基板及びその製造方法に関する。より具体的には、キャビティの構造を改善して、一つのキャビティに電子部品がそれぞれ挿入される2以上の内蔵空間と、内蔵空間同士を連結する連結空間とを有する電子部品内蔵基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発達に伴い、電子部品の高機能化及び小型化への要求が次第に高まるにつれて、回路基板が軽薄短小化しつつある。電子機器の高機能及び高密度に対応して基板サイズが減少する一方、内蔵部品の数はむしろ増加している。制限された面積の基板に、より多くの機能を付与しようとする努力として、電子部品内蔵基板の開発が活発に行われている。
【0003】
従来の電子部品の内蔵方式について説明すると、コア基板に電子部品を実装するキャビティを形成し、キャビティの内部に電子部品を内蔵する。キャビティをカバーするためにビルドアップ(Build‐up)層を形成し、ビルドアップ層でビアを形成して電子部品の電極又はパッドと電気的に連結し、電子部品内蔵回路基板を作製している。
【0004】
電子部品内蔵基板を作製する際に、内蔵部品が占めるキャビティの面積を最小化して設計自由度を向上させるために、それぞれの内蔵部品に対して独立キャビティを形成する方式から一つの大きいキャビティに多数の電子部品を内蔵する方式が現れている。
【0005】
かかる方式では、一つのキャビティに多数の電子部品を内蔵した後、絶縁材、例えばレジンを積層して内蔵基板を作製するが、レジンを積層する際にキャビティ内部の余白空間にレジンが流れ込み、キャビティに挿入された内蔵部品もまたレジンによって移動され、シフト(shift)が発生する。
【0006】
かかる内蔵部品のシフトは、一つのキャビティ内に挿入された多数の内蔵部品同士の短絡(Short)をもたらすか、及び/又は、ビア(Via)の偏心不良などをもたらしうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013‐21269号公報
【特許文献2】特開2010‐153667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の問題を解決するために、一つのキャビティ内に多数の電子部品が挿入される場合に、電子部品のシフト範囲を制限するようにキャビティの構造を改善した技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の問題を解決するために、本発明の第1形態により、コア基板に形成され、平面上の長方形状の2以上の内蔵空間が連結空間によって連結されているキャビティと、キャビティの各内蔵空間に分離して収容されている2以上の電子部品と、を含み、連結空間によって連結される第1内蔵空間及び第2内蔵空間の互いに隣接する長辺が部分的に互いに連結され、第1及び第2内蔵空間を連結する連結空間の連結幅を形成する平面上の一側の辺が第1内蔵空間の一側の短辺と一致し、平面上の他側の辺が第2内蔵空間の他側の短辺と一致するように形成されていることを特徴とする電子部品内蔵基板が提案される。
【0010】
ここで、一つの例において、連結空間の連結幅wは、
【数1】
を満足することができる。ここで、aは、電子部品の平面上の短辺の長さであり、bは、電子部品の平面上の長辺の長さであり、△は、内蔵空間の短辺の長さと電子部品の短辺の長さとの差であり、θは、連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0011】
また、ここで、他の一つの例において、△は、0<△<b−aを満足し、第1内蔵空間の長辺と隣接する第2内蔵空間の長辺との距離である連結空間の平面上の高さhは、h≦a+△を満足することができる。
【0012】
ここで、他の一つの例において、連結空間の平面上の高さhは、
【数2】
を満足し、ここで、θmaxは、内蔵空間に収容された電子部品の最大回転可能角度であることができる。
【0013】
また、一つの例において、b>2aの場合、以下の式(1)の条件下で、内蔵空間に収容された電子部品の最大回転可能角度θmaxは、
【数3】
であることができる。
式(1):
【数4】
また、b>2aで、且つ式(1)を満足しないか、b≦2aである条件下で、電子部品の最大回転可能角度θmaxは、
【数5】
であることができる。ここで、
【数6】
及び
【数7】
は、
【数8】
である場合の電子部品の最大回転可能角度θmax_wmaxであり、
【数9】
は、任意の△に対する連結空間の最大連結幅であり、
【数10】
は、連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0014】
他の一つの例において、内蔵空間に収容された電子部品の最大回転可能角度θmax
【数11】
である条件下で、連結空間の平面上の高さhは、
【数12】
を満足し、電子部品の最大回転可能角度θmax
【数13】
である条件下で、連結空間の平面上の高さhは、
【数14】
を満足することができる。
【0015】
また、一つの例において、連結空間の平面上の高さhは、
【数15】
を満足することができる。
【0016】
ここで、他の一つの例において、
【数16】
であり、
【数17】
であることができる。
【0017】
他の一つの例によると、連結空間の連結幅を形成する少なくとも一つの辺の一端部は、第1及び第2内蔵空間のいずれか一つの内蔵空間の短辺と一致するように連結され、他端部は、折り曲げられ、他の一つの内蔵空間の長辺と接し、wは、他端部の先端により形成される連結空間の長幅であり、他端部の折曲点により形成される連結空間の短幅より大きく、内蔵空間に収容された電子部品の最大回転の際に、他端部の先端で最大回転角度が形成されることができる。
【0018】
次に、上述の問題を解決するために、本発明の第2形態により、コア基板と、2以上の内蔵空間のいずれか一つであり、平面上の水平長方形状に形成された第1内蔵空間と、第1内蔵空間の下部の長辺の一部に連結され、連結幅を形成する平面上の一側の辺が第1内蔵空間の一側の短辺と一致し、平面上の他側の辺が第1内蔵空間の下部の長辺と接する連結空間と、平面上の水平長方形状に形成され、連結幅の平面上の他側の辺と一致する他側の短辺と、連結幅の平面上の一側の辺と接する上部の長辺とを備える第2内蔵空間と、を含み、コア基板に形成されているキャビティと、連結空間の辺と内蔵空間の長辺が接する点で最大回転が可能であり、最大回転の際に互いに接触しないように、キャビティの各内蔵空間に分離して収容されている2以上の電子部品と、キャビティに内蔵された電子部品を覆い、その少なくとも一つの層を貫通して、電子部品と電気的に連結される多数のビアが形成されている上下部の絶縁層と、を含む電子部品内蔵基板が提案される。
【0019】
ここで、一つの例において、連結空間の連結幅wは、
【数18】
を満足することができる。ここで、aは、電子部品の平面上の短辺の長さであり、bは、電子部品の平面上の長辺の長さであり、△は、内蔵空間の短辺の長さと電子部品の短辺の長さとの差であり、θは、連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0020】
また、ここで、他の一つの例において、△は、0<△<b−aを満足し、第1内蔵空間の長辺と第2内蔵空間の長辺との距離である連結空間の平面上の高さhは、h≦a+△を満足することができる。
【0021】
ここで、他の一つの例によると、連結空間の平面上の高さhは、
【数19】
を満足し、ここで、θmaxは、内蔵空間に収容された電子部品の最大回転可能角度であることができる。
【0022】
また、一つの例において、
【数20】
であり、
【数21】
であることができる。
【0023】
次に、上述の問題を解決するために、本発明の第3形態により、連結空間により第1内蔵空間及び第2内蔵空間の互いに隣接する長辺が部分的に互いに連結され、第1内蔵空間及び第2内蔵空間を連結する連結空間の連結幅を形成する平面上の一側の辺が第1内蔵空間の一側の短辺と一致し、平面上の他側の辺が第2内蔵空間の他側の短辺と一致するように、平面上の長方形状の2以上の内蔵空間が連結空間によって連結されているキャビティをコア基板に形成する段階と、2以上の電子部品をキャビティの各内蔵空間に分離して挿入する段階と、電子部品が挿入されたキャビティを絶縁層で覆い、絶縁層を貫通して電子部品と電気的に連結される多数のビアを形成する段階と、を含む電子部品内蔵基板の製造方法が提案される。
【0024】
ここで、一つの例において、キャビティを形成する段階において、連結空間の連結幅wが
【数22】
を満足するようにキャビティが形成されることができる。ここで、aは、電子部品の平面上の短辺の長さであり、bは、電子部品の平面上の長辺の長さであり、△は、内蔵空間の短辺の長さと電子部品の短辺の長さとの差であり、θは、連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0025】
また、ここで、一つの例において、キャビティを形成する段階において、△は、0<△<b−aを満足し、第1内蔵空間の長辺と第2内蔵空間の長辺との距離である連結空間の平面上の高さhがh≦a+△を満足するようにキャビティが形成されることができる。
【0026】
ここで、他の一つの例において、キャビティを形成する段階において、b>2aの場合、以下の式(1)の条件下で、内蔵空間に収容された電子部品の最大回転可能角度θmax
【数23】
となるようにキャビティが形成されることができる。
式(1):
【数24】
また、式(1)を満足しないか、b≦2aである条件下で、電子部品の最大回転可能角度θmax
【数25】
となるようにキャビティが形成されることができる。ここで、
【数26】
及び
【数27】
は、
【数28】
である場合の電子部品の最大回転可能角度θmax_wmaxであり、
【数29】
は、任意の△に対する連結空間の最大連結幅であり、
【数30】
は、連結空間が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0027】
また、一つの例において、キャビティを形成する段階において、連結空間の平面上の高さhが
【数31】
を満足するようにキャビティが形成されることができる。
【0028】
他の一つの例によると、キャビティを形成する段階において、
【数32】
、且つ、
【数33】
となるようにキャビティが形成されることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一つの実施形態により、一つのキャビティに電子部品がそれぞれ挿入される2以上の内蔵空間と、内蔵空間同士を連結する連結空間とを有するようにキャビティの構造を改善することで、キャビティに挿入された電子部品間に短絡が生じることを防止することができる。
【0030】
また、一つの実施形態により、キャビティの内蔵空間に挿入される電子部品が連結空間に離脱しないようにして、許容可能な回転半径内に電子部品のシフト範囲を制限することで、ビアの偏心不良を改善することができる。
【0031】
さらに、他の一つの実施形態により、連結空間によって内蔵空間の長辺の一部のみが互いに連結されるようにして、全体的にキャビティ内の電子部品以外の余白空間を減少させることで、キャビティ上に積層される絶縁層上のボイド問題などを改善することができる。
【0032】
本発明の様々な実施形態により直接言及されていない様々な効果が、当該技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の実施形態による様々な構成から導き出されることができることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図2A】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図2B】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図2C】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図3A】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図3B】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図3C】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図3D】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図である。
図4】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面の一部を示す図である。
図5】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の断面を概略的に示す図である。
図6】本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
上述の課題を達成するための本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。本説明において、同一符号は同一構成を意味し、当該分野における通常の知識を有する者に本発明を理解させるための追加の説明は省略することがある。
【0035】
本明細書において、一つの構成要素が他の構成要素と連結、結合又は配置の関係にある場合、「直接」という限定がない限り、「直接連結、結合又は配置」される形態だけでなく、それらの間にさらに他の構成要素が介在されることで連結、結合又は配置される形態で存在することもある。
【0036】
本明細書に単数の表現が記載されていても、発明の概念に反したり、明らかに異なっていたり、解釈が矛盾していない限り、複数の構成全体を代表する概念として使用されることがあることに留意しなければならない。本明細書において、「含む」、「有する」、「備える」、「含んでなる」などの記載は、一つ又はそれ以上の他の構成要素又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性があると理解すべきである。
【0037】
本明細書において参照される図面は、本発明の実施形態を説明するための例示であって、模様、大きさ、厚さなどは、技術的特徴について効果的に説明するために強調して表現されることがある。
【0038】
電子部品内蔵基板
まず、本発明の第1形態による電子部品内蔵基板について図面を参照して具体的に説明する。ここで、参照する図面に記載されていない図面符号は、同一構成を示す他の図面における図面符号であることがある。
【0039】
図1は本発明の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図であり、図2Aから図2Cはそれぞれ本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図であり、図3Aから図3Dはそれぞれ本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面を概略的に示す図であり、図4は本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の平面の一部を示す図であり、図5は本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の断面を概略的に示す図である。
【0040】
図1から図5を参照すると、一つの例による電子部品内蔵基板は、キャビティ10と、2以上の電子部品30、30´と、を含んでいる。各構成について、図面を参照して具体的に説明する。
【0041】
先ず、図1から図5を参照すると、電子部品内蔵基板のキャビティ10は、コア基板100に形成される。ここで、キャビティ10は、平面上の長方形状の2以上の内蔵空間10a、10bが連結空間11によって連結されている。例えば、第1内蔵空間10aと第2内蔵空間10bが連結空間11によって連結されている。ここで、連結空間11によって連結される第1内蔵空間10a及び第2内蔵空間10bの互いに隣接する長辺が部分的に互いに連結される。すなわち、第1内蔵空間10aと第2内蔵空間10bは、部分的に連結されるだけである。
【0042】
ここで、第1及び第2内蔵空間10a、10bを連結する連結空間11の連結幅を形成する平面上の一側の辺11は、第1内蔵空間10aの一側の短辺10asと一致し、平面上の他側の辺11は、第2内蔵空間10bの他側の短辺と一致する。すなわち、連結空間11の連結幅の一側の辺11は、第1内蔵空間10aの一側の短辺10asと一致し、第2内蔵空間10bの長辺と接している。また、連結空間11の連結幅の他側の辺11は、第2内蔵空間10bの他側の短辺と一致し、第1内蔵空間10aの長辺10alと接している。
【0043】
本実施形態により、キャビティの構造が2以上の内蔵空間10a、10bと、内蔵空間10a、10bの間を連結する連結空間11と、を含むようにすることで、各内蔵空間10a、10bに挿入される電子部品30間に生じる接触による短絡(short)を最小化することができ、実施形態により短絡を構造的に防止することができる。すなわち、本実施形態において形成された内蔵空間10a、10bに挿入された電子部品30に絶縁層の積層時などにおいてシフト(shift)が発生しても内蔵する電子部品30間における短絡(short)を防止することができる。また、本実施形態では、内蔵空間10a、10b及び連結空間11の構造により電子部品30のシフトを最小化することができ、これにより、ビア120aの偏心不良も防止することができる。
【0044】
また、一つの例により、絶縁層110の積層によって電子部品30が挿入されたキャビティ10の余白に絶縁材を充填する場合、従来の長方形のキャビティ10に2以上の電子部品30を内蔵する場合、及び/又は従来の各独立キャビティに電子部品30をそれぞれ内蔵する場合に比べて、余白ボリュームを減少することができる。これにより、余白ボリュームに充填される絶縁材の不足などによって発生する積層ボイド(void)を改善することができる。また、一つの例により、余白ボリュームに絶縁材を充分に充填することで、電子部品30と絶縁材との剥離問題に対しても改善の効果を奏することができる。
【0045】
また、電子部品内蔵基板の2以上の電子部品30は、キャビティ10の各内蔵空間10a、10bに分離して収容され、互いに直接接触しない。
【0046】
ここで、一つの例において、連結空間11の連結幅wは、
【数34】
を満足することができる。ここで、aは、電子部品30の平面上の短辺の長さであり、bは、電子部品30の平面上の長辺の長さである。すなわち、各内蔵空間10a、10bに、a<bの電子部品30が内蔵される。ここで、△は、内蔵空間10a、10bの短辺の長さと電子部品30の短辺の長さとの差である。すなわち、連結空間11の連結幅wは、電子部品30の長辺の長さb及び短辺の長さaが決定された場合、内蔵空間10a、10bの長辺側の余白ではなく短辺側の余白によってその範囲が決定される。
【0047】
連結空間11が追加されることで電子部品30の回転可能角度が増加するためには、連結空間11の連結幅が所定の範囲を超える必要がある。すなわち、連結幅は、連結空間11が存在しない独立キャビティで回転可能な最大角度により形成される三角形、例えば、図1における点Q、点T、点Pからなる三角形で回転可能な最大角度∠Qの対向辺である点Tと点Pとの長さより大きい必要がある。したがって、図1の頂点S、Q及びTを含む点線長方形の電子部品30を参照すると、連結空間11の連結幅wは、
【数35】
を満足することができる。ここで、前記θは、連結空間11が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0048】
図1図3A図3B図3C、及び/又は図3Dを参照すると、内蔵空間10aの下部の長辺10alと連結空間11の連結幅を形成する他側の辺11が接する点Pで電子部品30が最大に回転することができる。ここで、最大回転の範囲は、内蔵空間10aの短辺側の余白、すなわち、内蔵空間10aの短辺の長さと電子部品30の短辺の長さとの差△の変化に応じて変化する。ここで、回転原点である点Pと、点Pの水平延長線が接する内蔵空間10aの一側の短辺上の点Phとの距離が、連結空間11の連結幅wである。また、ここで、連結空間11の連結幅wの最大値も△に応じて変化する。すなわち、△が大きくなるほど点Pにおける最大回転可能角度が大きくなり、連結空間11の連結幅wの最大値も大きくなる。ここで、連結空間11の連結幅wの最大値は、内蔵空間10a、10bに挿入された電子部品30が連結空間11に離脱せず、点Pで最大回転角度に回転可能な連結幅wを意味する。すなわち、連結空間11の連結幅wの最大値では、電子部品30の上側の二つの頂点のうち最大に上昇した最大上昇頂点Sが回転原点である点Pを通過する延長線と内蔵空間10aの上部の長辺が接する点Pと一致するか、又は電子部品30の上側の二つの頂点のうち下降する残りの上側下降頂点(図3C又は図3DのQ又はQ”)が点Pと一致することができる。例えば、電子部品30の最大上昇頂点が点Pを超えて内蔵空間10aの一側の短辺10as側に近くなるか、又は電子部品30の上側下降頂点が点Pを超えて点Pの下に遠くなる場合、電子部品30は、連結空間11に離脱することがある。したがって、任意の△に対して、内蔵空間10aの電子部品30が回転原点Pを中心として最大に回転する際に、電子部品30の上側下降頂点が点Pを超えて下降せずに、電子部品30の最大上昇頂点が内蔵空間10aの上部の長辺に沿って点Pを超えて内蔵空間10aの一側の短辺10as側に近接しない範囲で、連結空間11の連結幅wが決定されることができる。
【0049】
ここで、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅は、
【数36】
となることができる。例えば、図3A図3B図3C及び/又は図3Dにおいて、電子部品30の最大上昇頂点Sが点Pと一致する場合、任意の△又は△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxは、次のように算出することができる。図3A図3B図3C及び/又は図3Dに示す連結空間11の連結幅wは、最大連結幅Wmaxである。例えば、図3C及び図3Dとは異なり、図3A及び図3Bにおいて、電子部品30の上側下降頂点Qは、点Pに達していない。
【数37】
又は
【数38】
であるため、
【数39】
又は
【数40】
である。
【0050】
一方、図3Cにおいて、連結空間11の連結幅w’は、最大連結幅Wmaxより小さい任意の連結幅であり、ここで、電子部品30の最大上昇頂点S’は、点Pに達することができず、さらに、電子部品30の上側下降頂点Q'は、点Pに達することができない。
【0051】
また、図3C及び/又は図3Dにおいて、電子部品30の上側下降頂点Q、Q2が点Pと一致する場合、任意の△又は△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxは、次のように算出することができる。図3C及び/又は図3Dに示す連結空間11の連結幅w及びw”は、最大連結幅Wmaxである。例えば、図3Cとは異なり、図3Dにおいて、電子部品30の最大上昇頂点S”は、点Pに達していない。
【数41】
又は
【数42】
であるため、
【数43】
又は
【数44】
である。
【0052】
ここで、
【数45】
は、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxにおける電子部品30の最大回転可能角度である。参考までに、図1
【数46】
は、任意の△に対する任意の可能な連結空間11の連結幅wで回転原点Pにおける電子部品30の最大回転可能角度であり、図3C
【数47】
は、任意の△に対する任意の可能な連結空間11の連結幅W’で回転原点Pにおける電子部品30の最大回転可能角度である。また、図3Dにおいて、a及びaは、電子部品30の短辺の長さであり、b及びbは、電子部品30の長辺の長さである。ここで、a=aであり、b≠bである。すなわち、図3Dは、電子部品30の長辺の長さが変化する場合の連結空間11の連結幅を示している。
【0053】
したがって、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅が
【数48】
であるため、任意の△に対する連結空間11の連結幅wは、
【数49】
である。
【0054】
ここで、一つの例において、△は、0<△<b−aを満足することができる。ここで、第1内蔵空間10aの長辺10alと隣接する第2内蔵空間10bの長辺との距離である連結空間11の平面上の高さhは、h≦a+△を満足することができる。内蔵空間10a、10bは、電子部品30が挿入可能でなければならないため、△は0より大きい必要がある。また、仮に、△がb−aより大きいか同じ場合には、内蔵空間10a、10bの短辺方向に電子部品30の長辺方向が挿入されることがあるため、△はb−aより小さいことがある。ここで、連結空間11の平面上の高さhがh≦a+△を満足するようにキャビティ10の全体の大きさを設定することができる。
【0055】
ここで、図3A図3B図3C、及び/又は図3Dを参照すると、一つの例において、連結空間11の平面上の高さhは、
【数50】
を満足することができる。θmaxは、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度である。例えば、図3A図3Bを参照すると、
【数51】
であり、図3Dを参照すると、
【数52】
又は
【数53】
であり、また、図3Cを参照すると、
【数54】
である。すなわち、
【数55】
又は
【数56】
又は
【数57】
又は
【数58】
であるため、連結空間11の平面上の高さhは、
【数59】
を満足することができる。ここで、
【数60】
は、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxにおける電子部品30の最大回転可能角度であり、図3C
【数61】
は、任意の△に対する許容可能な連結空間11の連結幅W’における電子部品30の最大回転可能角度である。また、
【数62】
は、任意の△又は△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxで電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alの下に電子部品が突出した高さであり、
【数63】
は、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxにおける電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alの下に電子部品が突出した高さであり、
【数64】
は、任意の△に対する連結空間11の許容可能な連結幅W’における電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alの下に電子部品が突出した高さである。すなわち、
【数65】

【数66】

【数67】
は、内蔵空間10aに挿入された電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alから電子部品30の最大下降頂点までの高さである。
【0056】
また、図1図3Dをまとめて参照すると、一つの例において、b>2aの場合、以下の式(1)の条件下で内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数68】
であることができる。
式(1):
【数69】
【0057】
図1を参照すると、連結空間11が存在しない平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転の際に、
【数70】
である。ここで、
【数71】

とすると、
【数72】
であるため、
【数73】
であり、
【数74】
である。したがって、連結空間11が設けられた本発明の実施形態において、内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数75】
であることができる。
【0058】
一方、図3Dにおける点線部分は、短辺aと長辺bで、b>2aである電子部品30であり、△の増加による連結空間11の最大連結幅w”で電子部品30の最大上昇頂点S”が点Pに一致する前に電子部品30の上側下降頂点Q”が点P又は点P"に一致する場合を示している。図3Dを参照すると、△の増加による連結空間11の最大連結幅w”でb>2aである電子部品30の最大上昇頂点が点Pに一致する前に電子部品30の上側下降頂点Q”が点Pに一致するか同時に一致する場合、
【数76】
であり、
【数77】
である。ここで、
【数78】
であり、
【数79】
であるため、
【数80】
となる。すなわち、
【数81】
となる。
【0059】
ここで、
【数82】
とすると、
【数83】
であり、0<tであるため、
【数84】
となる。また、
【数85】
であるため、
【数86】
となる。
【0060】
すなわち、b>2aの場合、式(1)の条件を満足したときに、電子部品30の上側下降頂点Q”が点P(=P")と一致し、連結空間11の最大連結幅w”を有することができる。
【0061】
b>2aであり、式(1)の条件を満足する場合、図3Dを参照すると、最大連結幅w”の連結空間11を有する内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θ"max_wmaxは、
【数87】
であるため、△に対して許容可能な連結幅を有する内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数88】
であることができる。
【0062】
したがって、図1及び図3Dを参照すると、b>2aであり、式(1)の条件を満足する場合、内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数89】
であることができる。
【0063】
ここで、
【数90】
は、
【数91】
である場合の電子部品30の最大回転可能角度θmax_wmaxであり、
【数92】
は、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅である。
【0064】
次に、b>2aの場合、式(1)の条件を満足しない場合について説明する。例えば、
【数93】
の場合又は
【数94】
の場合には、直接示されていないが、図3Dに点線で示す部分が、図3Bにおける△の場合を示す点線と類似の構造となる。すなわち、図3Dの図面符号をもって説明すると、b>2aの電子部品30が、△の増加による連結空間11の最大連結幅w”で電子部品30の上側下降頂点Q”が点P又は点P"に一致する前に電子部品30の最大上昇頂点S”が点Pに一致するか同時に一致することができる。この場合には、図3A図3B及び/又は図3Cに示すように、b≦2aである条件と同様な構造、すなわち、電子部品30の上側下降頂点が点Pに一致する前に最大上昇頂点が点Pに一致するため、b≦2aである条件における電子部品30の最大回転可能角度θmaxについて説明する。
【0065】
図3A図3B及び/又は図3Cを参照すると、b≦2aである条件下で、最大連結幅Wmaxの連結空間11を有する内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θ"max_wmaxは、
【数95】
であるため、△に対して許容可能な連結幅を有する内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数96】
であることができる。したがって、図1及び図3Aから図3Cを参照すると、b>2aで、且つ式(1)の条件を満足しないか、b>2aで、且つ
【数97】
であるか、b≦2aの条件を満足する場合、内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数98】
であることができる。ここで、
【数99】
は、
【数100】
である場合の電子部品30の最大回転可能角度θmax_wmaxであり、
【数101】
は、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅であり、
【数102】
は、連結空間11が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0066】
また、一つの例において、内蔵空間10aに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmax
【数103】
の条件下で、連結空間11の平面上の高さhは、
【数104】
を満足することができる。例えば、図3A及び図3C、又は図3Bの点線長方形を参照すると、
【数105】
の条件下で、電子部品30の最大回転の際に連結空間11の平面上の高さhは、電子部品30の下部の長辺の延長線が連結空間11の連結幅を形成する一側の辺11、すなわち、内蔵空間10aの一側の短辺10asと一致する連結空間11の連結幅を形成する一側の辺11と接する点R、R’までの高さより大きいか同じことができる。ここで、
【数106】
であることができる。
【0067】
また、電子部品30の最大回転可能角度θmax
【数107】
である条件下で、連結空間11の平面上の高さhは、
【数108】
を満足することができる。例えば、図3Bの実線長方形及び/又は図3Dを参照して説明すると、
【数109】
の条件下で、電子部品30の最大回転の際に連結空間11の平面上の高さhは、電子部品30の一側の短辺の延長線が連結空間11の連結幅を形成する他側の辺11、すなわち、内蔵空間10aの下部の長辺10alと接する連結空間11の連結幅を形成する他側の辺11と接する点R、R"までの高さより大きいか同じことができる。ここで、
【数110】
であることができる。
【0068】
さらに、一つの例によると、連結空間11の平面上の高さhは、
【数111】
を満足することができる。すなわち、連結空間11の平面上の高さhは、内蔵空間10aに挿入された電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alから電子部品30の最大下降頂点までの高さの2倍より小さいか同じことができる。
【0069】
ここで、一つの例において、
【数112】
であり、
【数113】
であることができる。
【0070】
次に、図1から図5を参照すると、電子部品内蔵基板の2以上の電子部品30は、キャビティ10の各内蔵空間10a、10bに分離して収容される。ここで、各内蔵空間10a、10bに分離して収容された電子部品30は、互いに接触しないように分離して収容される。例えば、電子部品30は、チップ素子、受動素子又は能動素子であってもよく、一つの例において、電子部品30は、電極を有する受動素子であってもよい。ここで、受動素子は、キャパシター又はインダクターであってもよく、一つの例において、積層型キャパシターであってもよい。
【0071】
例えば、図1図3A図3B及び/又は図3Cを参照すると、キャビティ10は、連結空間11によって連結された第1及び第2内蔵空間10a、10bからなり、各内蔵空間10a、10bに電子部品30が分離して収容されることができる。また、図2A及び図2Bを参照すると、キャビティ10は、第1、第2及び第3内蔵空間10a、10b、10cと第1及び第2内蔵空間10a、10bを連結する第1連結空間11と、第2及び第3内蔵空間10b、10cを連結する第2連結空間11と、からなることができる。ここで、図2Aを参照すると、第1連結空間11の連結幅の一側の辺11は、第1内蔵空間10aの一側の短辺10asと一致し、第2内蔵空間10bの上部の長辺と接し、第1連結空間11の他側の辺11は、第1内蔵空間10aの下部の長辺10alと接し、第2内蔵空間10bの他側の短辺と一致することができる。また、第2連結空間11の連結幅の一側の辺は、第3内蔵空間10cの一側の短辺と一致し、第2内蔵空間10bの下部の長辺と接し、第2連結空間11の他側の辺は、第3内蔵空間10cの上部の長辺と接し、第2内蔵空間10bの他側の短辺と一致することができる。すなわち、第1及び第2連結空間11の連結幅を形成する他側の辺11と第2内蔵空間10bの他側の短辺は、一つの線分として一致し、同一面を形成することができる。例えば、図2Aを参照すると、キャビティ10は、ジグザグ型構造からなることができる。また、図2Bを参照すると、キャビティ10は、階段型構造に形成されることができる。さらに、図2Cを参照すると、キャビティ10は、四つの内蔵空間10a、10b、10c、10dと、内蔵空間の間を連結する三つの連結空間11と、からなることができる。ここで、キャビティ10は、ジグザグ型構造に形成されるか、図示されてはいないが、階段型構造に形成されてもよい。図1図2A図2B図2C図3A図3B及び/又は図3Cを参照してまとめると、nが2以上の自然数である場合、キャビティ10は、n個の内蔵空間と二つの内蔵空間の間を連結するn‐1個の連結空間11を含んでなることができる。
【0072】
図4を参照して、電子部品内蔵基板の他の一つの例について説明する。図4を参照すると、連結空間11の連結幅を形成する少なくとも一つの辺11の一端部は第1及び第2内蔵空間10a、10bのいずれか一つの内蔵空間10aの短辺と一致するように連結される。また、残りの他端部は、折り曲げられ、他の一つの内蔵空間10bの長辺と接することができる。例えば、図4を参照すると、連結空間11の連結幅の一側の辺11は、第1内蔵空間10aの一側の短辺10asと一致し、第2内蔵空間10bの上部の長辺と接し、残りの他側の辺11の一側は、第1内蔵空間10aの下部の長辺10alと接する部分で折り曲げられ、第1内蔵空間10aの下部の長辺10alと接し、残りの他側の辺11の他側は、第2内蔵空間10bの他側の短辺と一致することができる。ここで、連結空間11の連結幅wは、他端部の先端により形成される連結空間11の長幅であり、連結空間11の長幅は、他端部の折曲点により形成される連結空間11の短幅Wより大きい。また、ここで、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転の際に他端部の先端で最大回転角度が形成されることができる。すなわち、電子部品30の最大回転の際に電子部品30の下部の長辺は、第1内蔵空間10aの下部の長辺10alと接する他端部先端点Pと他端部の折曲点Pとの間の傾斜辺と一致するか、又は他端部の先端点Pが電子部品30の最大回転角度の回転原点となることができる。
【0073】
また、図5を参照すると、一つの例による電子部品内蔵基板は、電子部品30が挿入されたキャビティ10をカバーして積層され、電子部品30と電気的に連結される多数のビア120aが形成された絶縁層110をさらに含むことができる。
【0074】
次に、上述の問題を解決するために、本発明の第2形態による電子部品内蔵基板について図面を参照して具体的に説明する。ここで、上述の本発明の第1形態による電子部品内蔵基板の実施形態及び図1から図4を参照することができる。
【0075】
図5は本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の断面を概略的に示す図である。
【0076】
図5を参照すると、一つの例による電子部品内蔵基板は、コア基板100と、キャビティ10と、2以上の電子部品30と、絶縁層110と、を含んでなることができる。ここで、キャビティ10及び2以上の電子部品30について、図1から図4を参照して説明する。
【0077】
先ず、図1から図5を参照すると、キャビティ10は、コア基板100に形成される。例えば、ここで、図5を参照すると、コア基板100上には内部回路パターンが形成されることができる。例えば、キャビティ10は、コア基板100上で内部回路パターンが形成されていない領域を貫通するように形成されることができる。キャビティ10は、2以上の内蔵空間10a、10bを含んでいる。ここで、キャビティ10は、2以上の内蔵空間10a、10bのいずれか一つである第1内蔵空間10aと、2以上の内蔵空間10a、10bのうち他の一つである第2内蔵空間10bと、第1及び第2内蔵空間10a、10bを連結する連結空間11と、を含んでいる。第1内蔵空間10aは、平面上の水平長方形状に形成されている。連結空間11は、第1内蔵空間10aの下部の長辺10alの一部に、また、第2内蔵空間10bの上部の長辺の一部に連結される。ここで、連結空間11の連結幅は、第1内蔵空間10aと連結空間11が連結される区間の長さ又は第2内蔵空間10bと連結空間11が連結される区間の長さを意味する。連結空間11の連結幅を形成する平面上の一側の辺11は、第1内蔵空間10aの一側の短辺10asと一致し、平面上の他側の辺11は、第1内蔵空間10aの下部の長辺10alと接している。ここで、連結空間11の連結幅の平面上の一側の辺11は、第2内蔵空間10bの上部の長辺と接し、平面上の他側の辺11は、第2内蔵空間10bの他側の短辺と一致する。第2内蔵空間10bは、平面上の水平長方形状に形成される。ここで、第2内蔵空間10bは、連結空間11の連結幅の平面上の他側の辺と一致する他側の短辺と、連結幅の平面上の一側の辺11と接する上部の長辺と、を備えている。
【0078】
次に、2以上の電子部品30は、キャビティ10の各内蔵空間10a、10bに分離して収容される。ここで、電子部品30は、連結空間11の辺と内蔵空間10a、10bの長辺が接する点で最大回転が可能である。また、各キャビティ10に収容された電子部品30は、最大回転の際に互いに接触しないようにキャビティ10の各内蔵空間10a、10bに分離して内蔵されている。例えば、電子部品30は、チップ素子、受動素子又は能動素子であってもよく、一つの例において、電子部品30は、電極を有する受動素子であってもよい。例えば、電子部品30は、積層型キャパシターであってもよい。
【0079】
例えば、キャビティ10の構造について、図1図4を参照してより具体的に説明する。ここで、一つの例において、連結空間11の連結幅wは、
【数114】
を満足することができる。ここで、aは、電子部品30の平面上の短辺の長さであり、bは、電子部品30の平面上の長辺の長さであり、△は、内蔵空間10a、10bの短辺の長さと電子部品30の短辺の長さとの差である。また、θは、連結空間11が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。
【0080】
内蔵空間10a、10bの短辺の長さa+△と電子部品30の短辺の長さaとの差△が大きくなるほど、連結空間11の連結幅を形成する平面上の他側の辺11と第1内蔵空間の下部の長辺が接する点Pにおける電子部品30の最大回転可能角度が大きくなり、連結空間11の連結幅wの最大値も大きくなることができる。ここで、連結空間11の連結幅の最大値又は最大連結幅は、内蔵空間10a、10bに挿入された電子部品30が連結空間11に離脱することなく、点Pで最大回転角度に回転されることができる連結幅を意味する。すなわち、図1図3A図3B図3C及び/又は図3Dを参照すると、連結空間11の連結幅wの最大値では、電子部品30の上側の二つの頂点のうち最大に上昇した最大上昇頂点Sが回転原点である点Pを通過する延長線と内蔵空間10a、10bの上部の長辺が接する点Pと一致するか、又は電子部品30の上側の二つの頂点のうち下降する残りの上側下降頂点(図3C又は図3DのQ又はQ”)が点Pと一致することができる。
【0081】
例えば、図3A図3B図3C及び/又は図3Dにおいて電子部品30の最大上昇頂点Sが点Pと一致する場合、また、図3C及び/又は図3Dにおいて電子部品30の上側下降頂点Q、Q”が点Pと一致する場合において、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxは、
【数115】
を満足している。任意の△に対する連結空間11の最大連結幅が
【数116】
であるため、任意の△に対する許容可能な連結空間11の連結幅wは、
【数117】
である。
【0082】
また、連結空間11が設けられたキャビティ10を含む本発明の一つの例によると、連結空間11が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度より最大回転可能角度を大きくすることができる。ここで、図1の頂点S、Q及びTを含む点線長方形電子部品30を参照すると、連結空間11の連結幅wは、
【数118】
を満足することができる。
【0083】
ここで、一つの例において、△は、0<△<b−aを満足することができる。ここで、第1内蔵空間10aの長辺10al及び隣接する第2内蔵空間10bの長辺の間の距離である連結空間11の平面上の高さhは、h≦a+△を満足することができる。
【0084】
ここで、図3A図3B図3C、及び/又は図3Dを参照すると、一つの例において、連結空間11の平面上の高さhは、
【数119】
を満足することができる。θmaxは、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度である。ここで、
【数120】
は、内蔵空間10a、10bに挿入された電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alから電子部品30の最大下降頂点までの高さである。
【0085】
ここで、一つの例によると、b>2aの場合、以下の式(1)の条件下で、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数121】
であることができる。
式(1):
【数122】
【0086】
ここで、図1を参照すると、連結空間11が存在せず、短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転角度(θi)は、
【数123】
であるため、連結空間11が設けられた本発明の実施形態において内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数124】
であることができる。
【0087】
一方、図3Dを参照すると、△の増加による連結空間11の最大連結幅w”においてb>2aの電子部品30の最大回転によって電子部品30の最大上昇頂点が点Pに一致する前に電子部品30の上側下降頂点Q”が点Pに一致するか同時に一致する場合、
【数125】
となる。すなわち、b>2aの場合、式(1)の条件を満足するときに、電子部品30の上側下降頂点Q”が点P(=P")と一致し、連結空間11の最大連結幅w”を有することができる。ここで、最大連結幅w”の連結空間11を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θ"max_wmaxは、
【数126】
であるため、本実施形態により、△に対して許容可能な連結幅を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数127】
であることができる。
【0088】
また、式(1)を満足しないか、b≦2aである条件下で、電子部品30の最大回転可能角度θmaxについて説明する。先ず、b>2aであり、式(1)の条件を満足しない場合には、直接図示されてはいないが、図3Dに点線で示す部分が図3Bで△の場合を示す点線と類似の構造となる。この場合、図3A図3B及び/又は図3Cに示すように、b≦2aである条件と同様な構造、すなわち、電子部品30の上側下降頂点が点Pに一致する前に最大上昇頂点が点Pに一致するため、b>2aであり、式(1)の条件を満足しない場合と、b≦2aである条件の場合、電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、同様に表現されることができる。図3A図3B及び/又は図3Cを参照すると、b≦2aである条件下で、最大連結幅Wmaxの連結空間11を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θ"max_wmaxは、
【数128】
であるため、△に対して許容可能な連結幅を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数129】
であることができる。したがって、b>2aで、且つ式(1)の条件を満足しないか、b>2aで、且つ
【数130】
であるか、b≦2aの条件を満足する場合、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数131】
であることができる。
【0089】
また、一つの例において、図3A及び図3C、又は図3Bの点線長方形を参照すると、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmax
【数132】
である条件下で、連結空間11の平面上の高さhは、
【数133】
を満足することができる。また、図3Bの実線長方形及び/又は図3Dを参照して説明すると、電子部品30の最大回転可能角度θmax
【数134】
である条件下で、連結空間11の平面上の高さhは、
【数135】
を満足することができる。
【0090】
また、一つの例において、連結空間11の平面上の高さhは、
【数136】
を満足することができる。
【0091】
また、一つの例において、
【数137】
であり、
【数138】
であることができる。
【0092】
また、図1図2A図2B図2C図3A図3B及び/又は図3Cを参照してまとめると、nが2以上の自然数の場合、キャビティ10は、n個の内蔵空間10a、10bと、二つの内蔵空間10a、10bの間を連結するn‐1個の連結空間11と、を含んでなることができる。
【0093】
一方、図4を参照すると、一つの例において、連結空間11の連結幅を形成する少なくとも一つの辺の一端部は、第1及び第2内蔵空間10a、10bのいずれか一つの内蔵空間10a、10bの短辺と一致するように連結される。また、残りの他端部は、折り曲げられ、他の一つの内蔵空間10a、10bの長辺と接することができる。ここで、連結空間11の連結幅wは、他端部の先端により形成される連結空間11の長幅であり、連結空間11の長幅は、他端部の折曲点により形成される連結空間11の短幅Wより大きい。ここで、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転の際に、他端部の先端で最大回転角度が形成されることができる。
【0094】
次に、図5を参照すると、電子部品内蔵基板の上下部の絶縁層110は、キャビティ10に内蔵された電子部品30を覆っている。ここで、上下部の絶縁層111、113のうち少なくとも一つに多数のビア120aが形成されている。ビア120aは、上下部の絶縁層111、113のうち少なくとも一つの層を貫通し、電子部品30の電極(図2A図2B及び図2Cの図面符号31参照)と電気的に連結される。図5には上部絶縁層111にビア120aが形成されたことが示されている。例えば、図5を参照すると、絶縁層110上にビア120aと電気的に連結される外側回路パターンが形成されることができる。
【0095】
電子部品内蔵基板の製造方法
次に、本発明の第3形態による電子部品内蔵基板の製造方法について図面を参照して具体的に説明する。ここで、上述の第1及び第2形態の実施形態による電子部品内蔵基板及び図1から図5を参照し、これにより重複する説明は省略することがある。
【0096】
図6は本発明の他の一つの実施形態による電子部品内蔵基板の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
【0097】
図6を参照すると、一つの例による電子部品内蔵基板の製造方法は、キャビティ形成段階(S100)と、電子部品内蔵段階(S200)と、絶縁層及びビア形成段階(S300)と、を含んでなることができる。各段階について図面を参照して具体的に説明する。ここで、キャビティ形成段階(S100)におけるキャビティ10の構造について、図1図3A図3B図3C及び/又は図3Dを参照して説明する。
【0098】
ここで、図6を参照すると、キャビティ形成段階(S100)では、平面上の長方形状の2以上の内蔵空間10a、10bが連結空間11によって連結されているキャビティ10がコア基板100に形成される。ここで、連結空間11により第1内蔵空間10a及び第2内蔵空間10bの互いに隣接する長辺が部分的に互いに連結される。また、第1及び第2内蔵空間10a、10bを連結する連結空間11の連結幅を形成する平面上の一側の辺11は、第1内蔵空間10aの一側の短辺10asと一致し、連結幅を形成する平面上の他側の辺11は、第2内蔵空間10bの他側の短辺と一致することができる。ここで、キャビティ10の2以上の内蔵空間10a、10bは、2以上の電子部品30が互いに接触することなく分離して挿入される空間である。
【0099】
ここで、一つの例において、キャビティ形成段階(S100)では、図1図3A図3B図3C及び/又は図3Dを参照すると、連結空間11の連結幅wは、
【数139】
を満足することができる。ここで、aは、電子部品30の平面上の短辺の長さであり、bは、電子部品30の平面上の長辺の長さであり、△は、内蔵空間10a、10bの短辺の長さa+△と電子部品30の短辺の長さaとの差である。θは、連結空間11が存在せず、平面上の短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度である。本発明の実施形態では、キャビティ10に連結空間11が設けられるため、連結空間11が設けられていない場合に比べて電子部品30の最大回転角度を大きくするために、
【数140】
であることができる。また、図3A図3B図3C及び/又は図3Dを参照すると、任意の△に対する連結空間11の最大連結幅Wmaxは、
【数141】
を満足するため、任意の△に対する許容可能な連結空間11の連結幅wは、
【数142】
であることができる。
【0100】
ここで、一つの例によると、キャビティ形成段階(S100)において、△は、0<△<b−aを満足することができる。また、キャビティ形成段階(S100)において、第1内蔵空間10aの長辺10alと第2内蔵空間10bの長辺との距離である連結空間11の平面上の高さhがh≦a+△を満足するようにキャビティ10が形成されることができる。
【0101】
また、一つの例において、キャビティ形成段階(S100)において、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxが具現されることができるようにキャビティ10が形成されることができる。ここで、図1図3Dをまとめて説明すると、△の増加による連結空間11の最大連結幅Wmaxにおいてb>2aである電子部品30の最大回転の際に電子部品30の最大上昇頂点が点Pに一致する前に電子部品30の上側下降頂点Q”が点Pに一致するか同時に一致するようにキャビティ10が形成されることができる。ここで、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、連結空間11が設けられず、短辺の長さがa+△である独立キャビティにおける最大回転可能角度より大きいことができる。すなわち、
【数143】
を満足することができる。また、図3Dを参照すると、△の増加による連結空間11の最大連結幅w”でb>2aである電子部品30の最大回転によって電子部品30の最大上昇頂点が点Pに一致する前に電子部品30の上側下降頂点Q”が点Pに一致するか同時に一致する場合、
【数144】
となり、ここで、最大連結幅w”の連結空間11を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θ"max_wmaxは、
【数145】
となる。そのため、b>2aの場合、以下の式(1)の条件下で、△に対して許容可能な連結幅を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数146】
であることができる。
式(1):
【数147】
【0102】
また、前記b>2aで、且つ式(1)を満足しないか、b≦2aである条件下で、電子部品30の最大回転可能角度θmaxについて説明する。先ず、b>2aであり、式(1)の条件を満足しない場合には、直接図示されてはいないが、電子部品30の上側下降頂点が点Pに一致する前に最大上昇頂点が点Pに一致するため、図3A図3B及び/又は図3Cに示すように、b≦2aである条件と同様な構造となることができる。ここで、電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、同様に表現されることができる。図3A図3B及び/又は図3Cを参照すると、b≦2aである条件下で、最大連結幅Wmaxの連結空間11を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θ"max_wmaxは、
【数148】
であるため、△に対して許容可能な連結幅を有する内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数149】
であることができる。したがって、キャビティ形成段階(S100)では、b>2aで、且つ式(1)の条件を満足しないか、b≦2aの条件を満足する場合、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmaxは、
【数150】
を満足するようにキャビティ10が形成されることができる。
【0103】
また、一つの例において、図3A図3B図3C、及び/又は図3Dを参照して図6のキャビティ形成段階(S100)について説明すると、キャビティ形成段階(S100)では、連結空間11の平面上の高さhは、
【数151】
を満足するようにキャビティ10が形成されることができる。ここで、
【数152】
は、内蔵空間10a、10bに挿入された電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alから電子部品30の最大下降頂点までの高さである。
【0104】
例えば、他の一つの例によると、キャビティ形成段階(S100)では、連結空間11の平面上の高さhは、
【数153】
を満足するようにキャビティ10が形成されることができる。すなわち、連結空間11の平面上の高さhは、内蔵空間10a、10bに挿入された電子部品30の最大回転の際に内蔵空間10aの下部の長辺10alから電子部品30の最大下降頂点までの高さの2倍より小さいか同じことがある。
【0105】
例えば、一つの例において、図3A及び図3C、又は図3Bの点線長方形を参照すると、図6のキャビティ形成段階(S100)では、内蔵空間10a、10bに収容された電子部品30の最大回転可能角度θmax
【数154】
である条件下で、連結空間11の平面上の高さhは、
【数155】
を満足するようにキャビティ10が形成されることができる。また、図3Bの実線長方形及び/又は図3Dを参照して説明すると、電子部品30の最大回転可能角度θmax
【数156】
である条件下で、連結空間11の平面上の高さhは、
【数157】
を満足するようにキャビティ10が形成されることができる。
【0106】
他の一つの例において、キャビティ形成段階(S100)において、
【数158】
、且つ、
【数159】
となるようにキャビティ10が形成されることができる。
【0107】
次に、図6を参照すると、電子部品内蔵段階(S200)では、2以上の電子部品30がキャビティ10の各内蔵空間10a、10bに分離して挿入される。
【0108】
また、図6を参照すると、絶縁層及びビア形成段階(S300)では、電子部品30が挿入されたキャビティ10が絶縁層110で覆われる。また、絶縁層110を貫通して電子部品30と電気的に連結される多数のビア120aが形成される。
【0109】
以上、上述の実施形態及び添付の図面は、本発明の範疇を制限するものではなく、本発明に対する当該技術分野における通常の知識を有する者の理解を容易にするために例示的に説明されたものである。また、上述の構成の様々な組み合わせによる実施形態が、上述の具体的な説明から当業者により自明に具現されることができる。したがって、本発明の様々な実施形態は、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態に具現されてもよく、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載の発明によって解釈すべきであり、当該技術分野における通常の知識を有する者による様々な変更、代案、均等物を含んでいる。
【符号の説明】
【0110】
10 キャビティ
10a 第1内蔵空間
10b 第2内蔵空間
10al 内蔵空間の長辺
10as 内蔵空間の短辺
11 連結空間
11 連結幅の他側の辺
11 連結幅の一側の辺
30、30´、30a、30b 電子部品
31 電極
100 コア基板
101 内部回路パターン
110 絶縁層
111 上部絶縁層
113 下部絶縁層
120a ビア
120b 外側回路パターン
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6