特開2015-70629(P2015-70629A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 村田機械株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2015070629-画像形成装置 図000003
  • 特開2015070629-画像形成装置 図000004
  • 特開2015070629-画像形成装置 図000005
  • 特開2015070629-画像形成装置 図000006
  • 特開2015070629-画像形成装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-70629(P2015-70629A)
(43)【公開日】2015年4月13日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20150317BHJP
   F16B 1/02 20060101ALI20150317BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20150317BHJP
【FI】
   H02G3/26 P
   F16B1/02 J
   B41J29/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-200072(P2013-200072)
(22)【出願日】2013年9月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】淺田 瑛男
(72)【発明者】
【氏名】花本 昌典
【テーマコード(参考)】
2C061
5G363
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AQ04
2C061BB30
2C061CG01
2C061CG08
5G363AA16
5G363BA01
5G363DA13
5G363DC08
(57)【要約】
【課題】画像形成装置内において電線をブラケットに簡単に挿通状態で保持させる。
【解決手段】対象物200の表面に画像を形成する画像形成装置100であって、底部126と底部126から起立状に設けられる壁部127とを有し、一面が開口する箱形状で、内方に電気部品103を保持するブラケット102と、ブラケット102の壁部127を厚さ方向に貫通し、ブラケット102の開口端129側は開口し開口端129から底部126に向かって延在する第一スリット121と、ブラケット102の壁部127を厚さ方向に貫通し、第一スリット121と連通し、第一スリット121の延在方向と交差する方向に延在する第二スリット122とを備え、第一スリット121、および、第二スリット122は、電気部品103と接続されるハーネス150をはめ込むことができる幅を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の表面に画像を形成する画像形成装置であって、
底部と前記底部から起立状に設けられる壁部とを有し、一面が開口する箱形状で、内方に電気部品を保持するブラケットと、
前記ブラケットの壁部を厚さ方向に貫通し、前記ブラケットの開口端側は開口し前記開口端から底部に向かって延在する第一スリットと、
前記ブラケットの壁部を厚さ方向に貫通し、前記第一スリットと連通し、前記第一スリットの延在方向と交差する方向に延在する第二スリットとを備え、
前記第一スリット、および、前記第二スリットは、前記電気部品と接続されるハーネスをはめ込むことができる幅を有する
画像形成装置。
【請求項2】
前記第一スリットと前記第二スリットとを備えることにより、前記第二スリットの延在方向に突出する突起部が形成される
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ブラケットの壁部に貫通状に設けられ、前記ブラケットの開口端側は開口し前記開口端から底部に向かって延在する第三スリットと、
前記ブラケットの壁部に貫通状に設けられ、前記第三スリットと連通し、前記第一スリットに向かって延在する第四スリットとを備え、
前記第三スリット、および、前記第四スリットは、前記電気部品と接続されるハーネスをはめ込むことができる幅を有する
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記第二スリットにはめ込まれた前記ハーネスと、前記第四スリットにはめ込まれた前記ハーネスとを絶縁状態で区切る仕切板を備える
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記電気部品は熱ヒューズである
請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ファクシミリなどのデータを画像化する画像形成装置に関し、特に、電気部品を着脱可能に収容するブラケットを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ファクシミリ、プリンターなどの画像形成装置の内部には、種々の電気部品、が設けられており、これらは電線(ハーネス)によって接続されている。一方、画像形成装置の内部には、画像形成の対象物である紙を搬送するための駆動装置などが設けられており、振動が発生する。従って、画像形成装置の内部において電線が振動によって不本意に揺れ動くと抑制する対策が取られる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ヒーターを取り付けるためのブラケットに設けられた通路状の孔に電気部品であるヒーターに接続される電線を配線することにより、電線を固定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−063111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、電気部品を固定するためのブラケットに貫通孔を設け、当該貫通孔に電線を刺し通す場合、貫通孔によって電線を拘束しようとすると、貫通孔の径と電線の径とが近似するため、刺し通し作業が困難になる。また、電線の先端に接続端子が取り付けられているような場合では、接続端子を刺し通すことができる貫通孔では電線を拘束することは困難となる。また、電線を刺し通した後に接続端子を電線に取り付けたり、特許文献1に記載のようにブラケットを二つ割りとして電線を配線後組み立てたりする場合は、作業工程が増加する。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、簡単な作業工程で電気部品を保持するブラケットに電線を貫通状態で配線し、かつ、ブラケットにより電線を拘束することができる画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる画像形成装置は、対象物の表面に画像を形成する画像形成装置であって、底部と前記底部から起立状に設けられる壁部とを有し一面が開口する箱形状で、内方に電気部品を保持するブラケットと、前記ブラケットの壁部を厚さ方向に貫通し、前記ブラケットの開口端側は開口し前記開口端から底部に向かって延在する第一スリットと、前記ブラケットの壁部を厚さ方向に貫通し、前記第一スリットと連通し、前記第一スリットの延在方向と交差する方向に延在する第二スリットとを備え、前記第一スリット、および、前記第二スリットは、前記電気部品と接続されるハーネスをはめ込むことができる幅を有することを特徴とする。
【0008】
これによれば、第一スリットの開口にハーネスを挿入することにより、簡単な作業によってブラケットを貫通するようにハーネスを配線することができる。さらに、第一スリットと交差状態で連通する第二スリットに電線を移動させることにより、簡単にハーネスをブラケットに拘束させることが可能となる。
【0009】
また、前記第一スリットと前記第二スリットとを備えることにより、前記第二スリットの延在方向に突出する突起部が形成される。
【0010】
これにより、第一スリット、または、第二スリットに挿入する際にハーネスがガイドされて挿入操作をスムーズに行え、ハーネスを拘束して位置決めを行うことが可能となる。
【0011】
さらに、前記ブラケットの壁部に貫通状に設けられ、前記ブラケットの開口端側は開口し前記開口端から底部に向かって延在する第三スリットと、前記ブラケットの壁部に貫通状に設けられ、前記第三スリットと連通し、前記第一スリットに向かって延在する第四スリットとを備え、前記第三スリット、および、前記第四スリットは、前記電気部品と接続されるハーネスをはめ込むことができる幅を有するものでもよい。
【0012】
これによれば、ブラケット内部の異なる位置において接続される複数本のハーネスを近づけた状態でブラケットに拘束させることができるため、ブラケットから延びる複数本のハーネスの取り回しを容易に行うことが可能となる。
【0013】
また、前記ブラケットは、前記第二スリットにはめ込まれた前記ハーネスと、前記第四スリットにはめ込まれた前記ハーネスとを絶縁状態で区切る仕切板を備えてもよい。
【0014】
これによれば、第二スリットにはめ込まれるハーネスと第四スリットにはめ込まれるハーネスとの間を電気的に絶縁することができる。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、ブラケットに収容される電気部品に接続される電線を、ブラケットに貫通した状態で簡単に配線でき、また、容易に電線をブラケットに拘束させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、画像形成装置中のサーマルヘッドユニットとヒューズユニットとを断面で模式的に示す図である。
図2図2は、サーマルヘッドユニットとヒューズユニットとを示す斜視図である。
図3図3は、ヒューズユニット部分を一部を省略して示す斜視図である。
図4図4は、ブラケットのスリットが設けられた面を示す側面図である。
図5図5は、電線などの挿入方向を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本願発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係る画像形成装置の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0018】
図1は、画像形成装置中のサーマルヘッドユニットとブラケットとを断面で模式的に示す図である。
【0019】
同図に示すように、画像形成装置100は、デジタルデータに基づき対象物200の表面に画像を形成する画像形成装置100である。画像形成装置100は、サーマルヘッドユニット101と、電気部品103、および、電気部品103を保持するブラケット102とを備えている。
【0020】
本実施の形態の場合、画像形成装置100は、電話回線などを介して受信されたデジタルデータに基づき対象物200である記録紙(感熱紙、または、普通紙など)の表面に文字などを含む画像を形成するファクシミリである。画像形成装置100は、データを送信する為に紙の表面に表された画像を読み取る図示しない画像読取装置、および、送信先などを指示するための図示しない操作パネルを備えている。さらに画像形成装置100は、対象物200としての記録紙をサーマルヘッドユニット101に押し付けるプラテンローラ108、および、画像形成前の記録紙を保持する給紙トレイ191、画像が形成されて排紙された記録紙を保持する排紙トレイ192などを備えている。
【0021】
図2は、サーマルヘッドユニットとブラケットとを示す斜視図である。
【0022】
サーマルヘッドユニット101は、主走査方向(図中X軸方向)に並んで配置される複数の微小な発熱体(図示せず)を有するユニットである。サーマルヘッドユニット101は、並べて配置された発熱体の全部または一部を画像データに応じて昇温させ、サーマルヘッドユニット101を主走査方向と交差する方向(図中Y軸方向)に通過する対象物200(例えば感熱紙)の表面に発熱体の熱に基づき文字、および、絵などを含む画像を形成していくユニットである。
【0023】
本実施の形態の場合、サーマルヘッドユニット101は、サーミスタなどの熱によって物理特性が変化する検温手段(図示せず)を備えており、通常は検温手段からの情報に基づきサーマルヘッドユニット101の温度を管理している。
【0024】
電気部品103は、画像形成装置100が備える部品であり、電気的、または、電子的な作用により種々の機能を発揮する部品である。本実施の形態の場合、電気部品103として熱ヒューズを例示している。電気部品103としての熱ヒューズは、サーマルヘッドユニット101が異常に昇温した場合、サーマルヘッドユニット101からの熱に基づく溶断によって通電を遮断し、サーマルヘッドユニット101への電力の供給を遮断する不可逆的素子である。電気部品103としての熱ヒューズは、円柱形状の感熱部131の両端部からそれぞれ長さの異なる長リード線132、短リード線133とが軸線に沿って延びるものが採用されている。
【0025】
図3は、一部を省略して取付状態のブラケットを示す斜視図である。
【0026】
図4は、ブラケットのスリットが設けられた面を示す側面図である。
【0027】
これらの図に示すように、ブラケット102は、内方に電気部品103を保持する箱形状の部材である。ブラケット102は、底部126と底部126から起立状に設けられる壁部127とを有し一面に開口端129を備えている。また、ブラケット102の壁部127には、第一スリット121と、第二スリット122とが設けられている。さらに本実施の形態の場合、壁部127には、第三スリット123と、第四スリット124と、仕切板120とが設けられている。
【0028】
ブラケット102は、本実施の形態の場合、電気部品103としての熱ヒューズをサーマルヘッドユニット101から所定の距離を隔てて配置する為の支持具である。また、ブラケット102は、電気部品103として電極134も収容状態で保持している。電極134は、接続端子151と熱ヒューズとを電気的に接続するものである。
【0029】
また、ブラケット102は、サーマルヘッドユニット101の主走査方向(図中X軸方向)の中央部に感熱部131が位置するように熱ヒューズを保持している。サーマルヘッドユニット101の主走査方向の両側部は外側に放熱しやすいが、サーマルヘッドユニット101の主走査方向の中央部は熱を持った前記両側部により放熱が難しい。従って、このように、熱ヒューズの感熱部131を配置することで、サーマルヘッドユニット101の熱が逃げにくい主走査方向の中央部に異常な昇温が発生しても、早期に電気部品103が反応してサーマルヘッド101への電力の供給を遮断することが可能となる。
【0030】
底部126は、電気部品103とサーマルヘッドユニット101とを仕切りブラケット102全体の構造的基礎となる部分である。底部126は、電気部品103の長リード線132、短リード線133、および、電極134などの電流が流れる部分とサーマルヘッドユニット101との高い絶縁状態を維持する機能も担っている。
【0031】
壁部127は、画像形成装置100の他の電装品と電気部品103との接触を回避する機能も担っている。
【0032】
また、筒形状の壁部127の底部126と反対側は、前面が開口した開口端129となっており、電気部品103を開口端129に通過させることにより、電気部品103をブラケット102に対し容易に交換することが可能となる。
【0033】
壁部127に設けられる第一スリット121は、ブラケット102の壁部127を厚さ方向(図中Z軸方向)に貫通している。また第一スリット121は、ブラケット102の開口端129側(図中Y軸方向の負側)に開口した挿入口125を有している。また第一スリット121は、ブラケット102の開口端129から底部126に向かって(図中Y軸方向の正側に向かって)延在している。つまり、第一スリット121は、ブラケット102の開口端129側、および、壁部127の厚さ方向の両端部が開口した溝形状となっている。
【0034】
本実施の形態の場合、第一スリット121は、ハーネス150の少なくとも一部を通過させることができる幅(図中X軸方向における長さ)を備えている。ここで、ハーネス150とは、ブラケット102に取り付けられた電機部品103とブラケット102の外に配置される電気機器とを接続するための線状の電気部材であり、本実施の形態のように、電線152(図3参照)と、電線152の端部に接続される接続端子151とを含む概念で用いている。なお、ハーネス150には接続用のプラグなどが含まれていてもかまわない。
【0035】
壁部127に設けられる第二スリット122は、第一スリット121と同様に、ブラケット102の壁部127を厚さ方向(図中Z軸方向)に貫通している。また、第二スリット122は、第一スリット121と連通している。つまり、第一スリット121と第二スリット122とは、接続端子151、または、電線152が行き来できるように連なって通じている。また、第二スリット122は、第一スリット121の延在方向と交差する方向に延在している。
【0036】
以上のように第一スリット121と第二スリット122とを壁部127に設けることで、壁部127には第二スリット122の延在方向に突出する突起部128が形成される。突起部128は、ハーネス150を第一スリット121、または、第二スリット122に挿入する際のガイドする機能を備え、ハーネス150の挿入後にハーネス150の一部を拘束して位置決めする機能を備えている。
【0037】
本実施の形態の場合、第二スリット122は、第一スリット121の延在方向(図中Y軸方向)と直交する方向(図中X軸方向)に延在している。また、第二スリット122の幅は、ハーネス150の一部、例えばハーネス150の他よりも細い部分を通過させることができる幅(図中Y軸方向における長さ)を備えている。
【0038】
なお、第二スリット122の幅は、第一スリット121の幅よりも狭く設定されてもかまわない。これにより、ハーネス150(例えば、接続端子151、または、電線152)を第一スリット121に容易にはめ込むことができ、かつ、ハーネス150を第二スリット122にはめ込むことでハーネス150をしっかりと第二スリット122で保持させ易くなる。また、第二スリット122は、第一スリット121から遠ざかるにつれて徐々に幅が狭くなるテーパー形状を有していてもかまわない。
【0039】
壁部127に設けられる第三スリット123は、ブラケット102の壁部127を厚さ方向(図中Z軸方向)に貫通している。また第三スリット123は、ブラケット102の開口端129側(図中Y軸方向の負側)に開口した挿入口125を有している。また第三スリット123は、ブラケット102の開口端129から底部126に向かって(図中Y軸方向の正側に向かって)延在している。つまり、第三スリット123は、ブラケット102の開口端129側、および、壁部127の厚さ方向の両端部が開口した溝形状となっている。
【0040】
本実施の形態の場合、第三スリット123は、第一スリット121が設けられている壁部127と同じ面の壁部127に設けられている。また、第三スリット123は、第一スリット121と、平行に延在するように壁部127に設けられている。第三スリット123は、第一スリット121と同様、ハーネス150(図3参照)を通過させることができる幅(図中X軸方向における長さ)を備えている。
【0041】
壁部127に設けられる第四スリット124は、第三スリット123と同様に、ブラケット102の壁部127を厚さ方向(図中Z軸方向)に貫通している。また、第四スリット124は、第三スリット123と連通している。つまり、第三スリット123と第四スリット124とは、ハーネス150が行き来できるように連なって通じている。また、第四スリット124は、第三スリット123の延在方向と交差する方向に延在している。さらに第四スリット124は、第一スリット121に向かって延在している。
【0042】
本実施の形態の場合、第四スリット124は、第三スリット123の延在方向(図中Y軸方向)と直交する方向(図中X軸方向)に延在している。また、第四スリット124の幅は、ハーネス150(図3参照)を通過させることができる幅(図中Y軸方向における長さ)を備えている。また、第二スリット122と第四スリット124とは同一軸線上に並ぶように延在している。
【0043】
以上のように第二スリット122と第四スリット124とを配置することで、第二スリット122に保持される電線152と、第四スリット124に保持される電線152とを近づけることができ、ブラケット102から外方に延びる電線152を容易に束ねることが可能となる。
【0044】
仕切板120は、第二スリット122にはめ込まれたハーネス150と、第四スリット124にはめ込まれたハーネス150とを絶縁状態で区切るブラケット102の部分である。本実施の形態の場合、仕切板120は、ブラケット102の底部126と壁部127との間に設けられたリブ状の部分であり、二つの電極134を仕切るように底部126から立設される壁状の部分である。
【0045】
仕切板120は、二つの電極134や、電極134に接続されるハーネス150(電極端子151、電線152など)を電気的に絶縁し、二つの電極134の間で短絡することを防止する部分である。
【0046】
本実施の形態の場合、画像形成装置100はさらに、第二ブラケット104を備えている。第二ブラケット104は、サーマルヘッドユニット101、および、ブラケット102を一体に固定する部材である。また、第二ブラケット104は、サーマルヘッドユニット101と共にブラケット102を画像形成装置100の内部に固定する部材である。
【0047】
第二ブラケット104は、一部折り曲げ加工がなされた矩形板状の部材である。第二ブラケット104は、サーマルヘッドユニット101のプラテンローラ108が配置される面と反対側の面のほぼ全体に接触した状態でサーマルヘッドユニット101を保持する部材である。さらに第二ブラケット104は、サーマルヘッドユニット101からブラケット102に向かって突出した突出部141を備えている。
【0048】
また第二ブラケット104は、突出部141を貫通した状態でブラケット102を保持している。具体的には、突出部141にブラケット102が通過することができる矩形の取付孔142が設けられている。また、取付孔142は、突出部141の打抜き加工により形成される。また、折曲加工により突出部141から垂れ下がった垂下部143は、ブラケット102を締結により取り付ける為の取付部となっている。なお、第二ブラケット104にはリブ144が設けられている。
【0049】
以上のようなブラケット102によれば、ハーネス150(電線152、または、接続端子151)の一部分を、図5に示す破線矢印のように、第一スリット121(第三スリット123)に壁部127を貫通するようにはめ込み、さらに、第二スリット122(第四スリット124)にハーネス150をスライドさせることで、ハーネス150をブラケット102に簡単に保持させることが可能となる。
【0050】
またブラケット102は、画像形成装置100の内部に固定(本実施の形態の場合、第二ブラケット104を介して固定)されているため、ハーネス150(電線152)が振動により不本意に揺れ動くことが抑制される。
【0051】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
【0052】
例えば、ブラケット102は、フタにより閉ざされるものでもかまわない。また、説明のため矩形のブラケット102を例示したが、ブラケット102の形状は、任意である。また、第二スリット122や第四スリット124には複数本の電線152、または、接続端子151を保持させてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本願発明は、画像形成装置に利用可能であり、特に、ファクシミリ、または、コピー機、これらの複合機などに利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
100 画像形成装置
101 サーマルヘッドユニット
102 ブラケット
103 電気部品
104 第二ブラケット
108 プラテンローラ
120 仕切板
121 第一スリット
122 第二スリット
123 第三スリット
124 第四スリット
125 挿入口
126 底部
127 壁部
128 突起部
129 開口端
131 感熱部
132 長リード線
133 短リード線
134 電極
141 突出部
142 取付孔
143 垂下部
144 リブ
150 ハーネス
151 接続端子
152 電線
191 給紙トレイ
192 排紙トレイ
200 対象物
図1
図2
図3
図4
図5