(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-72441(P2015-72441A)
(43)【公開日】2015年4月16日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/40 20060101AFI20150320BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20150320BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20150320BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20150320BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20150320BHJP
【FI】
G09F9/40 302
G02B5/02 B
G02F1/1335
G02F1/1333
G09F9/00 324
G09F9/00 336J
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-2705(P2014-2705)
(22)【出願日】2014年1月9日
(31)【優先権主張番号】102135864
(32)【優先日】2013年10月3日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501358079
【氏名又は名称】友達光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】簡 志▲ウェ▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 俊豪
【テーマコード(参考)】
2H042
2H189
2H191
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H042BA01
2H042BA13
2H042BA20
2H189AA21
2H189AA52
2H189LA17
2H189LA20
2H191FA22X
2H191FA22Z
2H191FA42Z
2H191FA87Z
2H191FB02
2H191FD07
2H191FD15
2H191GA01
2H191LA28
2H191MA20
5C094AA01
5C094BA43
5C094DA08
5C094EB02
5C094ED14
5C094ED20
5C094JA01
5C094JA09
5G435AA01
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE27
5G435FF02
5G435FF05
(57)【要約】
【課題】本発明は、表示パネルの重ね合わせによる干渉縞を低減することのできる表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置は、ライトボックスと、前面表示パネルと、後面表示パネルと、少なくとも1つの側面光源と、少なくとも1枚の光学フィルムとを含む。ライトボックスは、対向する前面板および後面板と、前面板および後面板に隣接する少なくとも1つの横板とを有するとともに、前面板が開口を有する。前面表示パネルは、前面板の開口に位置する。後面表示パネルは、ライトボックス内に位置する。側面光源は、横板に位置する。光学フィルムは、前面表示パネルと後面表示パネルとの間に位置する。光学フィルムは、約10〜90%のヘイズ値(Haze)を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する前面板および後面板と、前記前面板および前記後面板に隣接する少なくとも1つの横板とを有し、前記前面板が開口を有するライトボックスと、
前記前面板の前記開口に位置する前面表示パネルと、
前記ライトボックス内に位置する後面表示パネルと、
前記横板に位置する少なくとも1つの側面光源と、
前記前面表示パネルと前記後面表示パネルとの間に位置し、ヘイズ値を有する少なくとも1枚の光学フィルムと、を含み、
前記ヘイズ値は、約10〜90%であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光学フィルムの前記ヘイズ値は、約13〜88%であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記光学フィルムの前記ヘイズ値は、約25〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光学フィルムを載置するキャリア板をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記キャリア板は、前記光学フィルムと前記後面表示パネルとの間に介在することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記キャリア板の屈折率は、約1〜3であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記キャリア板の厚さTは、0mm<T≦50mmをほぼ満足することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記キャリア板の厚さTは、2mm≦T≦50mmをほぼ満足することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記キャリア板の厚さTは、10mm≦T≦20mmをほぼ満足することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項10】
前記キャリア板は、前記光学フィルムと前記前面表示パネルとの間に介在することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項11】
前記光学フィルムと前記後面表示パネルとの間には、エアギャップが存在することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記前面表示パネルと前記後面表示パネルとの間の距離は、約1〜20cmであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光学フィルムは、偏光構造を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記後面表示パネルは、
下偏光フィルムと、
前記下偏光フィルムと前記光学フィルムとの間に位置するアレイ基板と、
前記アレイ基板と前記光学フィルムとの間に位置し、前記光学フィルムとの間にいずれの偏光フィルムを有していない対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記後面表示パネルの後方に位置することで、前記光学フィルムとの間に前記後面表示パネルを位置させるバックライトモジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記前面表示パネルは、透明表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記光学フィルムは、前記後面表示パネル上に直接貼り付けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、重ね合わせた二枚の表示パネルを用いて画像を出力する場合、二枚の表示パネルの画素(Pixel)の構造があまりにも規則化されているため、干渉縞(Moire Pattern)現象が発生することがよくある。このような干渉縞現象によって、表示品質に大きな影響を与えてしまう。
【0003】
このような干渉縞現象を解消するために、一部の製造者は、二枚の表示パネル間の距離と角度を調整して干渉縞による影響を軽減させる。しかしながら、製品仕様の制限によって、二枚の表示パネル間の距離を無限大にすることは不可能である。また、二枚の表示パネル間の角度を調整することによって、画面が斜めになるという問題があった。そのため、二枚の表示パネル間の角度を自在に調整することも不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許第362529号公報
【特許文献2】台湾特許出願公開第200916826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、干渉縞による表示品質への影響を効果的に軽減することは、関連産業にとって早急に解決が求められる技術課題である。
【0006】
本発明の一態様は、表示パネルの重ね合わせによる干渉縞を低減することのできる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、ライトボックスと、前面表示パネルと、後面表示パネルと、少なくとも1つの側面光源と、少なくとも1枚の光学フィルムとを含む。ライトボックスは、対向する前面板および後面板と、前面板および後面板に隣接する少なくとも1つの横板とを有するとともに、前面板が開口を有する。前面表示パネルは、前面板の開口に位置する。後面表示パネルは、ライトボックス内に位置する。側面光源は、横板に位置する。光学フィルムは、前面表示パネルと後パネルとの間に位置し、ヘイズ値(Haze)を有する。ヘイズ値は、約10〜90%である。
【0008】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記光学フィルムのヘイズ値は、約13〜88%である。
【0009】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記光学フィルムのヘイズ値は、約25〜50%である。
【0010】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記表示装置は、光学フィルムを載置するキャリア板をさらに含む。
【0011】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記キャリア板は、光学フィルムと後面表示パネルとの間に介在する。
【0012】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記キャリア板の屈折率は、約1〜3である。
【0013】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記キャリア板の厚さTは、0mm<T≦50mmをほぼ満足する。
【0014】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記キャリア板の厚さTは、2mm≦T≦50mmをほぼ満足する。
【0015】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記キャリア板の厚さTは、10mm≦T≦20mmをほぼ満足する。
【0016】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記キャリア板は、光学フィルムと前面表示パネルとの間に介在する。
【0017】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記光学フィルムと後面表示パネルとの間には、エアギャップが存在する。
【0018】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記前面表示パネルと後面表示パネルとの間の距離は、約1〜20cmである。
【0019】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記光学フィルムは、偏光構造を有する。
【0020】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記後面表示パネルは、下偏光フィルムと、アレイ基板と、対向基板と、液晶層とを含む。アレイ基板は、下偏光フィルムと光学フィルムとの間に位置する。対向基板は、アレイ基板と光学フィルムとの間に位置し、光学フィルムとの間にいずれの偏光フィルムを有していない。液晶層は、アレイ基板と対向基板との間に位置する。
【0021】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記表示装置は、前記後面表示パネルの後方に位置することで、光学フィルムとの間に後面表示パネルを位置させるバックライトモジュールをさらに含む。
【0022】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記前面表示パネルは、透明表示パネルである。
【0023】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記光学フィルムは、後面表示パネル上に直接貼り付けられる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の表示装置によれば、表示パネルの重ね合わせによる干渉縞を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。
【
図2】本発明の複数の実施例の光学フィルムのヘイズ値、および対応するキャリア板の厚さを示すグラフである。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。
【
図4】本発明の第3実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。
【
図5】本発明の第4実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面で本発明の複数の実施形態を開示し、明確に説明するために、実務上の詳細の多くを、下記で説明する。しかし、これら実務上の詳細は、決して本発明を限定するものではないことを理解されたい。即ち、本発明の実施形態の一部において、これら実務上の詳細は必要なものではない。なお、図面を簡略化するために、従来から慣用されている構造と素子を、図面で簡単に示している。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。
図1に示すように、表示装置は、ライトボックス110と、前面表示パネル120と、後面表示パネル130と、少なくとも1つの側面光源140と、少なくとも1枚の光学フィルム150とを含んでいる。ライトボックス110は、対向する前面板112および後面板114と、前面板112および後面板114に隣接する少なくとも1つの横板116とを有するとともに、前面板112が開口Oを有している。前面表示パネル120は、前面板112の開口Oに位置している。後面表示パネル130は、ライトボックス110内に位置している。側面光源140は、横板116に位置している。光学フィルム150は、前面表示パネル120と後面表示パネル130との間に位置し、約10〜90%のヘイズ値を有している。
【0028】
使用者の肉眼に対して、前記光学フィルム150は、ヘイズ値を有するので、後面表示パネル130の画素アレイ配列をぼやかすことができ、後面表示パネル130の画素アレイ配列と前面表示パネル120の画素アレイ配列との交互作用が生じることなく、干渉縞の発生を低減させる。
【0029】
前記光学フィルム150のヘイズ値は、実際の状況に応じて選択されるものである。一部の実施形態において、前記光学フィルム150のヘイズ値は、約13〜88%であってもよい。好ましくは、前記光学フィルム150のヘイズ値は、約25〜50%であってもよい。以上に挙げた光学フィルム150のヘイズ値はあくまで例示であり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。光学フィルム150のヘイズ値は、当業者が実際の需要に応じて変更できるものである。
【0030】
本実施例および関連する後述において、「約」または「ほぼ」は何らかの微量の変化を修飾するためのものであるが、このような微量の変化によって本質を変えることはない。例えば、「光学フィルム150は、約10〜90%のヘイズ値を有する」という表現は光学フィルム150のヘイズ値が確実に10〜90%であるということを意味する以外にも、干渉縞の発生を低減できるのであれば、光学フィルム150のヘイズ値はやや10%より下回り、またはやや90%より上回ってもよいともいえる。実施形態において、「約」、「おおよそ」または「ほぼ」で修飾された数値の誤差範囲は、一般に20%以内にあることを許容し、10%以内にあることが好ましく、5%以内にあることがさらに好ましい。
【0031】
前記光学フィルム150は、ヘイズ値を有するフィルムであればよい。本実施形態において、前記光学フィルム150は、ヘイズ値を有する偏光フィルムであってもよい。そのため、本実施形態の光学フィルム150は、偏光構造を有してもよい。また、本実施形態において、光学フィルム150の厚さは、0.05〜2mmであってもよい。以上に挙げた光学フィルム150の実施形態はあくまで例示であり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。光学フィルム150の実施形態は、当業者が実際の需要に応じて変更できるものである。
【0032】
本実施形態において、光学フィルム150と前面表示パネル120との間には、展示物を展示するための展示空間Iを有している。例えば、芸術品、商品、パチンコ台、ゲーム台などは、前記展示空間I内に設置されてもよい。前記側面光源140は、展示空間Iに光線を照射して展示空間I内の展示物を照らすことが可能である。しかしながら、光学フィルム150のヘイズ値が高すぎると、側面光源140から光学フィルム150に照射された光線の散乱が目立ちすぎで、後面表示パネル130の画像のコントラストを低下させてしまう場合もある。
【0033】
上記に起因する問題を解決するため、製造者は、光学フィルム150と後面表示パネル130との間の距離を長くすることが好適である。一般に、光学フィルム150と後面表示パネル130との間の距離が長いほど、光学フィルム150から観測された後面表示パネル130の画素アレイ配列がぼやけていく。光学フィルム150から観測された後面表示パネル130の画素アレイ配列がぼやけた以上、光学フィルム150のヘイズ値を高くすることなく、後面表示パネル130の画素アレイ配列を十分にぼやかして干渉縞を低減させることができる。
【0034】
光学フィルム150と後面表示パネル130との間の距離を長くするため、製造者は、光学フィルム150と後面表示パネル130との間にキャリア板160を設置し、しかもキャリア板160により光学フィルム150と後面表示パネル130との間の距離を定義することが好適である。具体的には、キャリア板160における、後面表示パネル130と反対側の一面は、光学フィルム150(即ち、キャリア板160と光学フィルム150との間にはエアギャップが存在しない)に直接接触する一方、キャリア板160における、後面表示パネル130に対向する一面は、後面表示パネル130(即ち、キャリア板160と後面表示パネル130との間にはエアギャップが存在しない)に直接接触してもよい。このような配置により、
図1から分かるように、キャリア板160の厚さTは、光学フィルム150と後面表示パネル130との間の距離に略等しい。そのため、キャリア板160の厚さTが厚いほど、必要とする光学フィルム150のヘイズ値が小さくなる。
【0035】
本実施形態において、前記キャリア板160の厚さTは、0mm<T≦50mmをほぼ満足する。好ましくは、前記キャリア板160の厚さTは、2mm≦T≦50mmをほぼ満足する。より好ましくは、前記キャリア板160の厚さTは、10mm≦T≦20mmをほぼ満足する。以上に挙げたキャリア板160の厚さTはあくまで例示であり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。キャリア板160の厚さTは、当業者が実際の需要に応じて変更できるものである。
【0036】
図2は、本発明の複数の実施例の光学フィルム150のヘイズ値、および対応するキャリア板160の厚さTを示すグラフである。
図2に示す5つの実施例のいずれも、
図1に示す表示装置を使用するとともに、各実施例において、光学フィルム150のヘイズ値とキャリア板160の厚さTが変数である以外に、その他の各材料およびサイズパラメータが同様である。以上の5つの実施例において、いずれも干渉縞が観測されることがない。
図2から分かるように、キャリア板160の厚さTが厚いほど、必要とする光学フィルム150のヘイズ値が小さくなる。相対的に、キャリア板160の厚さTが薄いほど、必要とする光学フィルム150のヘイズ値が大きくなる。
【0037】
例えば、キャリア板160の厚さTが47mmである場合、光学フィルム150のヘイズ値が13%であれば、肉眼で見えない程度まで干渉縞を軽減させることができる。キャリア板160の厚さTが20mmである場合、光学フィルム150のヘイズ値が25%であるときに、肉眼で見えない程度まで干渉縞を軽減させることができる。キャリア板160の厚さTが10mmである場合、光学フィルム150のヘイズ値が50%になったときに、肉眼で見えない程度まで干渉縞を軽減させることができる。キャリア板160の厚さTが2mmである場合、光学フィルム150のヘイズ値がさらに76%になったときに、肉眼で見えない程度まで干渉縞を軽減させることができる。キャリア板160がない場合(あるいは、キャリア板160の厚さTが0mmの場合)、光学フィルム150のヘイズ値が88%になったときに、肉眼で見えない程度まで干渉縞を軽減させることができる。
【0038】
また、光学フィルム150の材質が軟質材料である場合もあるため、キャリア板160は、光学フィルム150の平坦度を維持するように光学フィルム150を載置するためのものであってもよい。前記キャリア板160の材質は、任意の透明固体材料、例えば、アクリル、ガラス等であってもよい。なお、前記キャリア板160の屈折率は、約1〜3であってもよい。以上に挙げたキャリア板160の材質および屈折率はあくまで例示であり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。キャリア板160の材質および屈折率は、当業者が実際の需要に応じて変更できるものである。
【0039】
本実施形態において、キャリア板160は、後面表示パネル130に直接接触してもよく、即ち、キャリア板160と後面表示パネル130との間には、エアギャップが存在しなくてもよい。このように、後面表示パネル130から出射した光線は、先にエアギャップにおいて屈折した後にエアギャップからキャリア板160において屈折することなく、キャリア板160に直接入射する。そうすることで、エアギャップによる反射損失を低減させることができ、さらに光取り出し効率を向上させる。当然ながら、場合によって、キャリア板160は、後面表示パネル130に直接接触しなくてもよい。即ち、キャリア板160と後面表示パネル130との間には、エアギャップが存在してもよい。キャリア板160と後面表示パネル130の相対的な位置関係は、当業者が実際の需要に応じて変更できるものである。
【0040】
本実施形態において、前記後面表示パネル130は、下偏光フィルム132、アレイ基板134、対向基板136、上偏光フィルム138および液晶層139を含んでいる。アレイ基板134は、下偏光フィルム132と光学フィルム150との間に位置している。対向基板136は、アレイ基板134と光学フィルム150との間に位置している。上偏光フィルム138は、対向基板136と光学フィルム150との間に位置している。液晶層139は、アレイ基板134と対向基板136との間に位置している。
【0041】
本実施形態において、前記表示装置は、バックライトモジュール170をさらに含んでもよい。このバックライトモジュール170は、後面表示パネル130の後方に位置することで、バックライトモジュール170と光学フィルム150との間に後面表示パネル130を位置させる。前記バックライトモジュール170は、後面表示パネル130および前面表示パネル120のバックライトとされてもよい。バックライトモジュール170から出射した光線は、後面表示パネル130、キャリア板160、光学フィルム150および前面表示パネル120を透過して使用者の目まで到達する。こうすることで、使用者は、後面表示パネル130および前面表示パネル120により出力された画像を鑑賞する。
【0042】
本実施形態において、前記前面表示パネル120は、透明表示パネルである。より具体的には、前記前面表示パネル120は、下偏光フィルム122、アレイ基板124、対向基板126、上偏光フィルム128および液晶層129を含んでいる。下偏光フィルム122は、上偏光フィルム128と光学フィルム150との間に位置している。アレイ基板124は、上偏光フィルム128と下偏光フィルム122との間に位置している。対向基板126は、上偏光フィルム128とアレイ基板124との間に位置している。液晶層129は、アレイ基板124と対向基板126との間に位置している。
【0043】
前記下偏光フィルム122、アレイ基板124、対向基板126、上偏光フィルム128および液晶層129のいずれも透明材質であってもよい。そのため、表示時に、使用者は、前面表示パネル120により出力された画像を見ることができる以外に、前面表示パネル120を透過して展示空間I内の展示物、および後面表示パネル130に出力された画像を見ることもできる。
【0044】
図1において前面表示パネル120は、液晶パネルに図示されるが、本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。実際に、前面表示パネル120としては、画素アレイ配列によりなる透明表示パネルであればよい。例えば、本発明の一つ以上の実施形態において、前記前面表示パネル120は、有機ELディスプレイ(Organic Light−Emitting Diode Display:OLED Display)であってもよい。
【0045】
図1に示すように、前記展示空間Iのサイズは、前面表示パネル120と後面表示パネル130との間の距離D、キャリア板160の厚さT、および光学フィルム150の厚さに応じて定められる。一般に、前面表示パネル120と後面表示パネル130との間の距離Dが長いほど、展示空間Iが広くなる。
【0046】
本実施形態において、前面表示パネル120と後面表示パネル130との間の距離Dは、約1〜20cmである。以上に挙げた前面表示パネル120と後面表示パネル130との間の距離Dはあくまで例示であり、本発明を限定するものではないことを理解されたい。前面表示パネル120と後面表示パネル130との間の距離Dは、当業者が実際の需要に応じて変更できるものである。
【0047】
また、前面表示パネル120と後面表示パネル130との間の距離Dが長くなることに伴って、前面表示パネル120から観測された後面表示パネル130の画素アレイ配列がぼやけていく。そのため、前面表示パネル120と後面表示パネル130との間の距離Dが長くなることに伴って、必要とする光学フィルム150のヘイズ値が小さくなる。
【0048】
本発明の一つの実施例において、主に
図1に示す表示装置を使用する。前面表示パネル120および後面表示パネル130の画素密度は、いずれも86PPI(Pixels per inch:1インチにあたりの画素数)である。キャリア板160は、厚さTが20mmで、材質がガラスで、屈折率が1.4であるものである。光学フィルム150の材質は、シリカ/アクリル系樹脂の混合材料塗装層を有する三酢酸セルロースであり、そのヘイズ値が25%である。このような配置により、観測者はいずれの距離においても干渉縞を観測することがない。
【0049】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、第2実施形態において、キャリア板160が光学フィルム150と前面表示パネル120との間に介在している点である。
【0050】
第1実施形態および第2実施形態により、キャリア板160は、光学フィルム150を載置するとともに、光学フィルム150の平坦度を維持することさえできれば、光学フィルム150と後面表示パネル130との間に介在する以外に、光学フィルム150と前面表示パネル120との間に介在していてもよい。
【0051】
また、第2実施形態において、光学フィルム150と後面表示パネル130との間には、エアギャップGが存在していてもよい。このエアギャップGにより、光学フィルム150が後面表示パネル130に直接接触することによって、光学フィルム150に傷がつくことを回避できる。当然ながら、場合によって、光学フィルム150は、後面表示パネル130に直接接触してもよい。すわなち、光学フィルム150と後面表示パネル130との間には、エアギャップGが存在しなくてもよい。光学フィルム150と後面表示パネル130との間の相対的な位置関係は、当業者が実際の需要に応じて変更できるものである。
【0052】
他の関連構造および材質の詳細については、第1実施形態と重複するため説明を省略する。
【0053】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、第3実施形態において、前面表示パネル120と後面表示パネル130とを重ね合わせて設置するため、後面表示パネル130に上偏光フィルムを省略でき、前面表示パネル120の下偏光フィルム122をそのまま後面表示パネル130の上偏光フィルムとして用いる点である。具体的には、第3実施形態において、後面表示パネル130の対向基板136と光学フィルム150との間には、いずれの偏光フィルムを有していない。このような設計により、後面表示パネル130の透過率を向上させることができる。
【0054】
他の関連構造および材質の詳細については、第1実施形態と重複するため説明を省略する。
【0055】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。第4実施形態が第1実施形態と異なる点は、第4実施形態において、光学フィルム150と後面表示パネル130との間のキャリア板を省略し、光学フィルム150を後面表示パネル130に直接貼り付けることが可能な点である。
【0056】
他の関連構造および材質の詳細については、第1実施形態と重複するため説明を省略する。
【0057】
本発明について上述した実施形態を参照して説明したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、各種の変動や潤色を加えることができる。従って、本発明の保護を求める範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0058】
110 ライトボックス
112 前面板
114 後面板
116 横板
120 前面表示パネル
122 下偏光フィルム
124 アレイ基板
126 対向基板
128 上偏光フィルム
129 液晶層
130 後面表示パネル
132 下偏光フィルム
134 アレイ基板
136 対向基板
138 上偏光フィルム
139 液晶層
140 側面光源
150 光学フィルム
160 キャリア板
170 バックライトモジュール
D 距離
G エアギャップ
I 展示空間
O 開口
T 厚さ
【手続補正書】
【提出日】2015年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、ライトボックスと、前面表示パネルと、後面表示パネルと、少なくとも1つの側面光源と、少なくとも1枚の光学フィルムと、を含み、
前記ライトボックスは、対向する前面板および後面板と、前記前面板および前記後面板に隣接する少なくとも1つの横板とを有し、前記前面板が開口を有し、
前記前面表示パネルは、前記前面板の前記開口に位置し、
前記後面表示パネルは、前記ライトボックス内に位置し、
前記前面表示パネルと前記後面表示パネルとの間には、展示物を展示するための展示空間を有し、
前記側面光源は、前記横板に位置し、前記展示物を照らすために設けられ、
前記光学フィルムは、前記前面表示パネルと前記後面表示パネルとの間に位置し、ヘイズ値を有し、
前記ヘイズ値は、10〜90%であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光学フィルムの前記ヘイズ値は、13〜88%であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記光学フィルムの前記ヘイズ値は、25〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光学フィルムを載置するキャリア板をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記キャリア板は、前記光学フィルムと前記後面表示パネルとの間に介在することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記キャリア板の屈折率は、1〜3であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記キャリア板の厚さTは、0mm<T≦50mmをほぼ満足することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記キャリア板の厚さTは、2mm≦T≦50mmをほぼ満足することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記キャリア板の厚さTは、10mm≦T≦20mmをほぼ満足することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項10】
前記キャリア板は、前記光学フィルムと前記前面表示パネルとの間に介在することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項11】
前記光学フィルムと前記後面表示パネルとの間には、エアギャップが存在することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記前面表示パネルと前記後面表示パネルとの間の距離は、1〜20cmであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光学フィルムは、偏光構造を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記後面表示パネルは、
下偏光フィルムと、
前記下偏光フィルムと前記光学フィルムとの間に位置するアレイ基板と、
前記アレイ基板と前記光学フィルムとの間に位置し、前記光学フィルムとの間にいずれの偏光フィルムを有していない対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記後面表示パネルの後方に位置することで、前記光学フィルムとの間に前記後面表示パネルを位置させるバックライトモジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記前面表示パネルは、透明表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記光学フィルムは、前記後面表示パネル上に直接貼り付けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、ライトボックスと、前面表示パネルと、後面表示パネルと、少なくとも1つの側面光源と、少なくとも1枚の光学フィルムとを含む。ライトボックスは、対向する前面板および後面板と、前面板および後面板に隣接する少なくとも1つの横板とを有するとともに、前面板が開口を有する。前面表示パネルは、前面板の開口に位置する。後面表示パネルは、ライトボックス内に位置する。
前面表示パネルと後面表示パネルとの間には、展示物を展示するための展示空間を有する。側面光源は、横板に位置
し、展示物を照らすために設けられる。光学フィルムは、前面表示パネルと後パネルとの間に位置し、ヘイズ値(Haze)を有する。ヘイズ値は
、10〜90%である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記光学フィルムのヘイズ値は
、13〜88%である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記光学フィルムのヘイズ値は
、25〜50%である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記キャリア板の屈折率は
、1〜3である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の一つ以上の実施形態において、前記前面表示パネルと後面表示パネルとの間の距離は
、1〜20cmである。