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特開2015-72668アプリケーション共同実行端末、アプリケーション共同実行方法、及び、アプリケーション共同実行端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-72668(P2015-72668A)
(43)【公開日】2015年4月16日
(54)【発明の名称】アプリケーション共同実行端末、アプリケーション共同実行方法、及び、アプリケーション共同実行端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150320BHJP
   G06F 15/00 20060101ALI20150320BHJP
【FI】
   G06F13/00 650A
   G06F15/00 440B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-232905(P2013-232905)
(22)【出願日】2013年11月11日
(31)【優先権主張番号】特願2013-184963(P2013-184963)
(32)【優先日】2013年9月6日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AB04
5B084BB17
5B084DA02
5B084DB01
5B084DC05
5B084EA47
(57)【要約】
【課題】アプリケーションを複数端末で実行し、入力及び出力をリアルタイムに共有する。
【解決手段】アプリケーション共同実行端末10は、通信端末50に対して通話を発信し、着信により通信端末50を認証すると、アプリケーション共同実行端末10上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、認証した通信端末50において起動されていることを確認し、アプリケーション共同実行端末10と、前記通信端末50とにおいて、アプリケーションの共同実行を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、前記通信端末とアプリケーションの共同実行を行うためのアプリケーション共同実行端末であって、
前記通信端末に対して通話を発信する通話発信手段と、
前記発信した通話の着信により前記通信端末を認証する認証手段と、
前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、前記認証した通信端末において起動されていることを確認するアプリケーション起動確認手段と、
前記アプリケーション共同実行端末と、前記通信端末とにおいて、アプリケーションの共同実行を行うアプリケーション共同実行手段と、
を備えることを特徴とするアプリケーション共同実行端末。
【請求項2】
前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションを、前記認証した通信端末において起動するアプリケーション起動手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション共同実行端末。
【請求項3】
前記通信端末において、前記アプリケーションに入力された入力を受信する入力受信手段と、
前記受信した入力と、前記アプリケーション共同実行端末における前記アプリケーションへの入力を、当該アプリケーションに対する入力として合成する入力合成手段と、
前記合成された入力に対する前記アプリケーションの出力を、前記通信端末に転送する出力転送手段と、
を備え、前記入力の受信及び前記出力の転送により、前記アプリケーションの共同実行を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアプリケーション共同実行端末。
【請求項4】
前記通信端末において起動されたアプリケーションと、前記アプリケーション共同実行端末において起動されたアプリケーションとの間で、当該アプリケーションが利用するメモリ空間の同期を行うことにより、前記アプリケーションの共同実行を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアプリケーション共同実行端末。
【請求項5】
前記アプリケーション共同実行端末の表示部を、画面共有領域と共同実行アプリケーション領域とに分割する画面分割手段と、
前記画面共有領域において、前記通信端末の表示部に表示された画面の一部又は全部との画面共有を行う画面共有手段と、
前記共同実行アプリケーション領域を、前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションの出力先に割り当てる共同実行アプリケーション表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアプリケーション共同実行端末。
【請求項6】
前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションが統一資源位置指定子を用いて公衆通信網上の資源を利用するとき、当該統一資源位置指定子を共有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアプリケーション共同実行端末。
【請求項7】
前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションについて、同時に複数のアプリケーションを共同実行可能であって、前記アプリケーション共同実行端末及び当該通信端末は、必ずしも同一の画面を表示しないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアプリケーション共同実行端末。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアプリケーション共同実行端末と通信可能に接続された通信端末であって、
前記アプリケーション共同実行端末から発信された通話を着信した際、前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションの選択を受け付ける共同実行アプリケーション選択手段と、
前記アプリケーション共同実行端末との間で、選択されたアプリケーションの共同実行と、画面共有との少なくともいずれかを開始させる選択アプリケーション共同実行開始手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項9】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、前記通信端末とアプリケーションの共同実行を行うためのアプリケーション共同実行端末が実行するアプリケーション共同実行方法であって、
前記通信端末に対して通話を発信するステップと、
前記発信した通話の着信により前記通信端末を認証するステップと、
前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、前記認証した通信端末において起動されていることを確認するステップと、
前記アプリケーション共同実行端末と、前記通信端末とにおいて、アプリケーションの共同実行を行うステップと、
を備えることを特徴とするアプリケーション共同実行方法。
【請求項10】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、前記通信端末とアプリケーションの共同実行を行うためのアプリケーション共同実行端末に、
前記通信端末に対して通話を発信するステップ、
前記発信した通話の着信により前記通信端末を認証するステップ、
前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、前記認証した通信端末において起動されていることを確認するステップ、
前記アプリケーション共同実行端末と、前記通信端末とにおいて、アプリケーションの共同実行を行うステップ、
を実行させることを特徴とするアプリケーション共同実行端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の端末とアプリケーションの共同実行を行うアプリケーション共同実行端末、アプリケーション共同実行方法、及び、アプリケーション共同実行端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、情報端末の普及や回線速度の向上により、情報の共有はますます盛んになっている。従来でも、電子メールによる文書やURLの共有は行われていたが、現在では、音声や動画など、容量が大きい情報であっても即座に共有が可能となっている。
【0004】
しかしながら、端末上で動作するアプリケーションやソフトウェアといった、実行環境や入力によってその都度出力が変わるコンテンツについては、実行結果の共有が困難であった。そのため、出力結果である画面を丸ごと共有することも行われているが、その場合は入力を行えるのが画面の共有元に限定されるという問題があった。
【0005】
そのような課題に対して、電子資料をリアルタイムに閲覧できる画面共有ソフトウェアと、電子会議に参加する全員が議論の内容になる文字や描画等を自由に記入可能なアプリケーションソフトウエアとを同時に併用して電子会議を行うことができる電子会議システムが開示されている。
【0006】
特許文献1において、利用者およびクライアント20から入力された描画データを処理するホワイトボード11と、描画データを蓄積する画面バッファ12と、電子資料を蓄積する画面バッファ13と、画面バッファ13に蓄積されている電子資料を利用者に閲覧させる画面共有サーバ15と、画面バッファ13に蓄積されている電子資料を処理する電子資料処理手段とを備えるサーバ10と、通信端末の利用者から入力された描画データを前記電子会議サーバに入力するホワイトボード21とを備えるクライアント20の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−164177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、互いに入力を行う事が可能であるものの、共有可能な情報がホワイトボードという特定のアプリケーションに限られ、その他のアプリケーションの出力を共有することが出来ないという課題がある。
【0009】
本発明は、これらの課題に鑑み、電話の発着信によって認証された端末同士で、アプリケーションを共同実行することで、両端末の入力をともに受け付け、かつ出力をリアルタイムに共有可能なアプリケーション共同実行端末、アプリケーション共同実行方法、及び、アプリケーション共同実行端末用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、前記通信端末とアプリケーションの共同実行を行うためのアプリケーション共同実行端末であって、
前記通信端末に対して通話を発信する通話発信手段と、
前記発信した通話の着信により前記通信端末を認証する認証手段と、
前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、前記認証した通信端末において起動されていることを確認するアプリケーション起動確認手段と、
前記アプリケーション共同実行端末と、前記通信端末とにおいて、アプリケーションの共同実行を行うアプリケーション共同実行手段と、
を備えることを特徴とするアプリケーション共同実行端末を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、一以上の通信端末と通信可能に接続され、前記通信端末とアプリケーションの共同実行を行うためのアプリケーション共同実行端末は、前記通信端末に対して通話を発信し、前記発信した通話の着信により前記通信端末を認証し、前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、前記認証した通信端末において起動されていることを確認し、前記アプリケーション共同実行端末と、前記通信端末とにおいて、アプリケーションの共同実行を行う。
【0013】
第1の特徴に係る発明は、アプリケーション共同実行端末のカテゴリであるが、アプリケーション共同実行方法及び、アプリケーション共同実行端末用プログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0014】
第2の特徴に係る発明は、前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションを、前記認証した通信端末において起動するアプリケーション起動手段と、
を備えることを特徴とする第1の特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末を提供する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末は、前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションを、前記認証した通信端末において起動する。
【0016】
第3の特徴に係る発明は、前記通信端末において、前記アプリケーションに入力された入力を受信する入力受信手段と、
前記受信した入力と、前記アプリケーション共同実行端末における前記アプリケーションへの入力を、当該アプリケーションに対する入力として合成する入力合成手段と、
前記合成された入力に対する前記アプリケーションの出力を、前記通信端末に転送する出力転送手段と、
を備え、前記入力の受信及び前記出力の転送により、前記アプリケーションの共同実行を行うことを特徴とする第1又は第2の特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末を提供する。
【0017】
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末は、前記通信端末において、前記アプリケーションに入力された入力を受信し、前記受信した入力と、前記アプリケーション共同実行端末における前記アプリケーションへの入力を、当該アプリケーションに対する入力として合成し、前記合成された入力に対する前記アプリケーションの出力を、前記通信端末に転送し、前記入力の受信及び前記出力の転送により、前記アプリケーションの共同実行を行う。
【0018】
第4の特徴に係る発明は、前記通信端末において起動されたアプリケーションと、前記アプリケーション共同実行端末において起動されたアプリケーションとの間で、当該アプリケーションが利用するメモリ空間の同期を行うことにより、前記アプリケーションの共同実行を行うことを特徴とする第1又は第2の特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末を提供する。
【0019】
第4の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末は、前記通信端末において起動されたアプリケーションと、前記アプリケーション共同実行端末において起動されたアプリケーションとの間で、当該アプリケーションが利用するメモリ空間の同期を行う。
【0020】
第5の特徴に係る発明は、前記アプリケーション共同実行端末の表示部を、画面共有領域と共同実行アプリケーション領域とに分割する画面分割手段と、
前記画面共有領域において、前記通信端末の表示部に表示された画面の一部又は全部との画面共有を行う画面共有手段と、
前記共同実行アプリケーション領域を、前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションの出力先に割り当てる共同実行アプリケーション表示手段と、
を備えることを特徴とする第1から第4のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末を提供する。
【0021】
第5の特徴に係る発明によれば、第1から第4のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末は、前記アプリケーション共同実行端末の表示部を、画面共有領域と共同実行アプリケーション領域とに分割し、前記画面共有領域において、前記通信端末の表示部に表示された画面の一部又は全部との画面共有を行い、前記共同実行アプリケーション領域を、前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションの出力先に割り当てる。
【0022】
第6の特徴に係る発明は、前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションが統一資源位置指定子を用いて公衆通信網上の資源を利用するとき、当該統一資源位置指定子を共有することを特徴とする第1から第5のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末を提供する。
【0023】
第6の特徴に係る発明によれば、第1から第5のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末は、前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションが統一資源位置指定子を用いて公衆通信網上の資源を利用するとき、当該統一資源位置指定子を共有する。
【0024】
第7の特徴に係る発明は、前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションについて、同時に複数のアプリケーションを共同実行可能であって、前記アプリケーション共同実行端末及び当該通信端末は、必ずしも同一の画面を表示しないことを特徴とする第1から第6のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末を提供する。
【0025】
第7の特徴に係る発明によれば、第1から第6のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末は、前記通信端末との間で共同実行されているアプリケーションについて、同時に複数のアプリケーションを共同実行可能であって、前記アプリケーション共同実行端末及び当該通信端末は、必ずしも同一の画面を表示しない。
【0026】
第8の特徴に係る発明は、第1から第7のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末と通信可能に接続された通信端末であって、
前記アプリケーション共同実行端末から発信された通話を着信した際、前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションの選択を受け付ける共同実行アプリケーション選択手段と、
前記アプリケーション共同実行端末との間で、選択されたアプリケーションの共同実行と、画面共有との少なくともいずれかを開始させる選択アプリケーション共同実行開始手段と、
を備えることを特徴とする通信端末を提供する。
【0027】
第8の特徴に係る発明によれば、第1から第7のいずれかの特徴に係る発明であるアプリケーション共同実行端末と通信可能に接続された通信端末は、前記アプリケーション共同実行端末から発信された通話を着信した際、前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションの選択を受け付け、前記アプリケーション共同実行端末との間で、選択されたアプリケーションの共同実行と、画面共有との少なくともいずれかを開始させる。
【0028】
第9の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、前記通信端末とアプリケーションの共同実行を行うためのアプリケーション共同実行端末が実行するアプリケーション共同実行方法であって、
前記通信端末に対して通話を発信するステップと、
前記発信した通話の着信により前記通信端末を認証するステップと、
前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、前記認証した通信端末において起動されていることを確認するステップと、
前記アプリケーション共同実行端末と、前記通信端末とにおいて、アプリケーションの共同実行を行うステップと、
を備えることを特徴とするアプリケーション共同実行方法。
【0029】
第10の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、前記通信端末とアプリケーションの共同実行を行うためのアプリケーション共同実行端末に、
前記通信端末に対して通話を発信するステップ、
前記発信した通話の着信により前記通信端末を認証するステップ、
前記アプリケーション共同実行端末上において起動されているアプリケーションと共同実行が可能なアプリケーションが、前記認証した通信端末において起動されていることを確認するステップ、
前記アプリケーション共同実行端末と、前記通信端末とにおいて、アプリケーションの共同実行を行うステップ、
を実行させることを特徴とするアプリケーション共同実行端末用プログラム。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電話の発着信によって認証された端末同士で、アプリケーションを共同実行することで、両端末の入力をともに受け付け、かつ出力をリアルタイムに共有可能なアプリケーション共同実行端末、アプリケーション共同実行方法、及び、アプリケーション共同実行端末用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、アプリケーション共同実行システム1の概要を説明するための概要図である。
図2図2は、アプリケーション共同実行システム1の全体構成図である。
図3図3は、アプリケーション共同実行端末10、通信端末50の機能ブロック図である。
図4図4は、アプリケーション共同実行端末10、通信端末50が実行するアプリケーション共同実行開始処理を示すフローチャート図である。
図5図5は、アプリケーション共同実行端末10、通信端末50が実行するアプリケーション共同実行処理を示すフローチャート図である。
図6図6は、認証が完了した後のアプリケーション共同実行端末10の出力部の一例である。
図7図7は、地図アプリケーションを共同実行中におけるアプリケーション共同実行端末10の出力部の一例である。
図8図8は、地図アプリケーションを共同実行中における分割されたアプリケーション共同実行端末10の出力部の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0033】
[アプリケーション共同実行システム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態であるアプリケーション共同実行システム1の概要を説明するための概要図である。アプリケーション共同実行システム1は、アプリケーション共同実行端末10、通信端末50、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、電話網4から構成される。
【0034】
初めに、アプリケーション共同実行端末10は、アプリケーションの共同実行を行う端末を特定する認証のため、通信端末50に通話を発信する(ステップS01)。ここで、通話の発信は電話網4を介したもののみに限られず、公衆回線網3を利用した通話であってよい。本実施例では、通信端末50が着信し通話を開始することで、所定のアプリケーションが立ち上がり、以下の画面共有の手続きを開始する。
【0035】
また、ここで、アプリケーションの共同実行とは、アプリケーションを二以上の端末で同時に起動し、その入力及び出力を共有することを指す。通常の画面共有では、出力のみが共有され、入力を行えるのは、二つの端末のうち一つのみである。共同実行においては、複数の端末全てにおいて、出力を共有するとともに入力が可能となっている。
【0036】
ステップS01で通信端末50の認証が完了した後、アプリケーション共同実行端末10において、共同実行を行うアプリケーションを選択する(ステップS02)。ここでは、地図アプリケーションを共同実行する場合を考える。
【0037】
次にアプリケーション共同実行端末10は、通信端末50上で、地図アプリケーションが実行されているかを確認する(ステップS03)。もし実行されていない場合には、命令を送信し共同実行するアプリを起動させる(ステップS04)。
【0038】
最後に、共同実行中のアプリでは、出力が共有される(ステップS05)。一方の端末で入力された内容は他方の画面にも反映され、同時に操作を行う事も可能である。
【0039】
以上が、アプリケーション共同実行システム1の概要である。
【0040】
[アプリケーション共同実行システム1のシステム構成]
図2は、本発明の好適な実施形態であるアプリケーション共同実行システム1のシステム構成図である。ここで、アプリケーション共同実行端末10と通信端末50は通話機能を備え、電話網4を介して通話可能に接続されている。また、アプリケーション共同実行端末10は、公衆回線網3を介して、通信端末50と通信可能に接続されている。
【0041】
アプリケーション共同実行端末10は、ユーザがアプリケーションの共同実行を行うために利用され、ディスプレイを初めとする出力画面、通話機能に加えて後述する機能を備えている、一般的な情報機器や電子機器であってよい。アプリケーション共同実行端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン、テレビ、コンピュータに加えて、電話機、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0042】
通信端末50は、アプリケーション共同実行端末10とアプリケーションの共同実行を行うために利用され、アプリケーション共同実行端末10と同様に、通話機能に加えて後述する機能を備えている、一般的な情報機器や電子機器であってよい。通信端末50は、アプリケーション共同実行端末10と機能的に同一であってもよい。
【0043】
[各機能の説明]
図3は、アプリケーション共同実行端末10、通信端末50の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0044】
アプリケーション共同実行端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0045】
さらに、アプリケーション共同実行端末10は、入出力部13として、制御部で制御したデータや画像を出力表示するディスプレイや、音声を再生するスピーカー等から構成される表示部を備え、かつ、利用者からの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウス等を備える。
【0046】
アプリケーション共同実行端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、通話発信モジュール14、認証モジュール15、アプリケーション起動確認モジュール16、アプリケーション共同実行モジュール17、アプリケーション起動モジュール18、入力受信モジュール19を実現する。また、アプリケーション共同実行端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12及び入出力部13と協働して、出力転送モジュール20、画面共有モジュール22を実現する。また、アプリケーション共同実行端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部13と協働して、入力合成モジュール21、画面分割モジュール23、共同実行アプリケーション表示モジュール24を実現する。
【0047】
通信端末50は、同様に、制御部51として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部52として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。また、通信端末50は、入出力部53として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備える。
【0048】
通信端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52と協働して、通話着信モジュール54、アプリケーション起動状態通知モジュール55、アプリケーション起動受付モジュール56、出力受信モジュール57、選択アプリケーション共同実行開始モジュール59を実現する。また、通信端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52、及び入出力部53と協働して、入力転送モジュール58を実現する。また、通信端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部53と協働して、共同実行アプリケーション選択モジュール60を実現する。
【0049】
[アプリケーション共同実行開始処理]
図4は、アプリケーション共同実行端末10、通信端末50が実行するアプリケーション共同実行開始処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0050】
はじめに、アプリケーション共同実行端末10の通話発信モジュール14は、アプリケーションの共同実行を行う通信端末50の特定及び認証のため、通信端末50に対して通話を発信する(ステップS11)。
【0051】
ここで、認証のための通話は電話網4を介したものに限られず、公衆回線網3を介した通信であってもよい。なお、ここでいう認証とは、アプリケーション共同実行端末10がアプリケーションの共同実行を行うに際し、通信を行う通信端末50を特定できれば足りる。
【0052】
また、ここで、アプリケーションの共同実行とは、アプリケーションを二以上の端末で同時に起動し、その入力及び出力を共有することを指す。通常の画面共有では、出力のみが共有され、入力を行えるのは、二つの端末のうち一つのみである。共同実行においては、複数の端末全てにおいて、出力を共有するとともに入力が可能となっている。
【0053】
通信端末50が通話を受信すると(ステップS12)、所定のアプリケーションが起動し、アプリケーション共同実行端末10と通信端末50との間に通信が確立される。このアプリケーション自体が共同実行されるのではなく、通話機能とアプリケーション管理機能を提供するに過ぎない。
【0054】
図6は、認証が完了した後のアプリケーション共同実行端末10の出力部の一例である。認証した相手先の通信端末50の持ち主情報61が表示され、共同実行可能なアプリケーション一覧を表示する旨62と共に、共同実行可能なアプリケーションアイコン63が表示される。ユーザはアプリケーションアイコンをタッチすることで、以下の処理によりそのアプリケーションを共同実行することができる。
【0055】
また、発信を着信した通信端末50の表示部においても、図6と同様にアプリケーションアイコンの一覧が表示され、タップ可能であってよい。タップの結果を受け付けた通信端末50の共同実行アプリケーション選択モジュール60は、選択アプリケーション
共同実行開始モジュール59によって、まだ起動されていない場合には起動されるとともに、共同実行が開始される。
【0056】
なお、ここで、共同実行可能なアプリケーションとは、両端末が同一のオペレーティングシステムで動作しており、アプリケーションに互換性がある場合のみならず、異なるオペレーティングシステムにおいて、同一のアプリケーションがそれぞれのプラットフォーム向けに提供されている場合も含まれる。また、データ自体が既に両端末にある場合のみならず、他方の端末や所定のサーバからデータをダウンロードすることで、アプリケーションの実行が可能であってよい。
【0057】
次に、アプリケーション共同実行端末10のアプリケーション起動確認モジュール16は、選択された共同実行されるアプリケーションが、通信端末50において起動されているか否かを取得するため、通信端末50に対して要求を送信する(ステップS13)。
【0058】
次に、通信端末50のアプリケーション起動状態通知モジュール55は、アプリケーションの起動状態を取得すると(ステップS14)、取得した起動状態をアプリケーション共同実行端末10に送信する(ステップS15)。
【0059】
アプリケーション共同実行端末10のアプリケーション起動確認モジュール16は、起動状態を受信し(ステップS16)、アプリケーションが起動状態であるかを確認する。すなわち、共同実行可能なアプリケーションが既に起動している場合(ステップS17:「YES」の場合)には、次のステップS18、ステップS19の処理を行わず、ステップS20の処理を続けて行う。
【0060】
一方で、共同実行可能なアプリケーションが起動していない場合(ステップS17:「NO」の場合)には、次のステップS18を続けて行う。すなわち、アプリケーション共同実行端末10のアプリケーション起動モジュール18は、通信端末50に対して、アプリケーションの起動命令を送信する(ステップS18)。通信端末50のアプリケーション起動受付モジュール56は、起動命令を受信すると、当該アプリケーションを起動する(ステップS19)。
【0061】
そして、ステップS17で共同実行可能なアプリケーションが起動していた場合と、ステップS19でアプリケーションの起動が行われた場合ともに、続けて後述のアプリケーション共同実行処理を行う(ステップS20)。
【0062】
以上が、アプリケーション共同実行開始処理の手順である。
【0063】
[アプリケーション共同実行処理]
図5は、アプリケーション共同実行端末10、通信端末50が実行するアプリケーション共同実行開始処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0064】
アプリケーション共同実行処理は、アプリケーションの共同実行を実現する上での入出力に関する処理手順を表したものである。ここで、アプリケーションの共同実行は、先述の共同実行開始処理によって既に開始されているものとする。
【0065】
初めに、通信端末50において、入力転送モジュール58は、アプリケーションへの入力を取得する(ステップS21)。ここでいう入力は、ユーザからの入力に加え、アプリケーションの機能により読み込まれた通信端末50上やウェブ上に存在するファイルやデータも含む。
【0066】
そして、入力転送モジュール58は、取得した入力をアプリケーション共同実行端末10へ送信する(ステップS22)。アプリケーション共同実行端末10の入力受信モジュール19は、入力を受信する(ステップS23)。
【0067】
続けて、アプリケーション共同実行端末10の入力合成モジュール21は、通信端末50から受信した入力と、アプリケーション共同実行端末10におけるアプリケーションへの入力を合成する(ステップS24)。ここでいう合成とは、最も単純には両方の入力が同時に行われたものとみなせばよく、より高次には、同時にタップされた複数のタップ座標の重心を取ったり、矛盾する入力を無効にしたりしてよい。
【0068】
図7は、地図アプリケーションを共同実行中におけるアプリケーション共同実行端末10の出力部の一例である。区切り線71の上側がアプリケーションのウィンドウであって、そこから上が通信端末50と共有されている。一方、区切り線71より下の部分は地図アプリケーションから独立したシステム部であって、通信端末50とは共有されていない。アイコン72のように、実行中のアプリケーションが表示されている。
【0069】
図7において、ポインティングデバイス73及び74は、それぞれ異なる端末において操作されるが、互いに画面上で視認可能になっている。便宜上ユーザ名を横に記載してある。ここで、ポインティングデバイスを用いたクリックや、画面のタップ、テキスト75の入力、ライン76の入力等は、全てアプリケーションに対する入力にあたる。また、その結果たる出力は両端末にて以下のように共有される。
【0070】
すなわち、アプリケーション共同実行端末10の出力転送モジュール20は、アプリケーションが合成された入力を元に生成した出力を、通信端末50に送信する(ステップS25)。通信端末50の出力受信モジュール57は、出力を受信すると(ステップS26)、共同実行中のアプリケーションの出力として出力部に表示する(ステップS27)。
【0071】
最後に、アプリケーションの共同実行が継続中であるかを判断する(ステップS28)。すなわち、ユーザ操作によってアプリケーションの終了操作が行われた等、アプリケーションの共同実行が中段された場合(ステップS28:「NO」の場合)には、そのままアプリケーション共同実行処理を終了する。一方、アプリケーションの共同実行が継続する限り(ステップS28:「YES」の場合)には、ステップS21に戻り、以上の処理を初めから繰り返す。
【0072】
ところで、表示画面を二つの領域に分割し、一部を画面共有し、一部を独立した共同実行中のアプリケーションの操作部に割り当てる手法が考えられる。図8は、地図アプリケーションを共同実行中における分割されたアプリケーション共同実行端末10の出力部の一例である。アプリケーション共同実行端末10の画面分割モジュール23により、両端末における画面は、区切り線83で分けられるように、画面共有領域と共同実行アプリケーション領域に分割される。
【0073】
そして、区切り線83の上側、画面共有領域として割り当てられた画面81と画面82は、画面共有モジュール22により画面共有されている。一方、区切り線83より下の部分は、共同実行アプリケーション領域として画面共有はされていないが、共同実行アプリケーション表示モジュール24により、アプリケーションの操作部が表示される。そのため、共通で表示されるボタン84のような要素と、ボタン85のように、一方の端末のみに表示される要素がある。この場合は、入力の転送は行わず、出力された画面を共有する。具体的には、画面下部の操作部自体が同一のメモリ空間を共有して動いており、単に端末によって表示されるボタンの種類が異なっているだけだと考えればよい。
【0074】
以上が、アプリケーション共同実行処理の手順である。なお、単にそれぞれの端末に対する入力を共有するだけでも類似の効果は得られるが、機種に依存して処理が変化した場合は、両端末において出力が同一であることを保証できないという問題がある。
【0075】
また、入出力の共有のほかにも、両端末において実行中のアプリケーションのメモリ空間を同期することで、演算結果を直接共有する手法が考えられる。この場合は、入力は端末間で送受信されず、それぞれの端末のアプリケーションで演算が行われ、その演算結果たるメモリ上のデータが両端末で共有される。すなわち、上記で説明した処理が入力の段階で情報の共有を行うのに対して、入力を処理した後で情報の共有を行う手法であると言える。この場合において、出力が競合した場合には、優先すべき端末を決めることで、出力が異なる自体を防ぐことが可能である。
【0076】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0078】
1 アプリケーション共同実行システム、3 公衆回線網、4 電話網、10 アプリケーション共同実行端末、50 通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8