(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-73984(P2015-73984A)
(43)【公開日】2015年4月20日
(54)【発明の名称】遠心分離機
(51)【国際特許分類】
B03B 5/28 20060101AFI20150324BHJP
【FI】
B03B5/28 A
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-262382(P2013-262382)
(22)【出願日】2013年12月19日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0118775
(32)【優先日】2013年10月4日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ビュン ウー
(72)【発明者】
【氏名】カン、スン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、キ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン ホウ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヤン スン
【テーマコード(参考)】
4D071
【Fターム(参考)】
4D071AA52
4D071AB42
4D071AB52
4D071CA05
4D071DA20
(57)【要約】
【課題】本発明は、遠心分離機に関する。
【解決手段】本発明は、内部に空間が形成された円筒状に形成される第1ガイド部と、上記第1ガイド部の半径より小さい半径を有し、上記第1ガイド部の内側に形成される第2〜第nガイド部(ただし、n≧3)と、を含む、遠心分離機に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間が形成された円筒状に形成される第1ガイド部と、
前記第1ガイド部の半径より小さい半径を有し、前記第1ガイド部の内側に形成される第2〜第nガイド部(ただし、n≧3)と、を含む、遠心分離機。
【請求項2】
前記第nガイド部の半径をRnとしたとき、R1−R2>Rn−1−Rn(ただし、n≧3)を満たす、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記第nガイド部の半径をRnとしたとき、Rn−2−Rn−1>Rn−1−Rn(ただし、n≧3)を満たす、請求項2に記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記第2〜第nガイド部には、少なくとも一つ以上の穴が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記第2〜第nガイド部に形成される穴は、隣接するガイド部に形成された穴とずれて形成される、請求項4に記載の遠心分離機。
【請求項6】
前記第1〜第nガイド部を回転させる駆動部材をさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項7】
前記第1〜第nガイド部の円周は、互いに平行である、請求項1から6のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項8】
前記第1〜第nガイド部の間に形成される隔壁をさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項9】
前記隔壁には、少なくとも一つ以上の穴が形成されている、請求項8に記載の遠心分離機。
【請求項10】
内部に空間が形成された円筒状に形成される外壁と、
前記外壁の内側に形成される第1〜第m遠心分離領域(ただし、m≧2)を分離する複数の分離壁と、を含む、遠心分離機。
【請求項11】
前記第1遠心分離領域の幅が前記第m遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅より大きくなるように、前記分離壁が形成される、請求項10に記載の遠心分離機。
【請求項12】
前記第m−1遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅が前記第m遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅より大きくなるように、前記分離壁が形成される、請求項11に記載の遠心分離機。
【請求項13】
前記分離壁に形成される少なくとも一つの穴をさらに含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項14】
前記穴は、互いに隣接する分離壁に形成された穴とずれて形成される、請求項13に記載の遠心分離機。
【請求項15】
前記外壁及び分離壁を回転させる駆動部材をさらに含む、請求項10から14のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項16】
前記外壁及び前記分離壁の円周は、互いに平行である、請求項10から15のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項17】
前記第1〜第m遠心分離領域は、各領域を分離する隔壁を少なくとも一つ以上含む、請求項10から16のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項18】
前記隔壁には、少なくとも一つ以上の穴が形成されている、請求項17に記載の遠心分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離効率が向上した遠心分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子部品に広く用いられる積層セラミック電子部品は、一定の大きさを有する微粒子を用いて製造されることが要求される。
【0003】
特に、積層セラミック電子部品の性能は、より微細な粒子を出発物質として用いることでさらに向上することができる。
【0004】
しかし、微粒子の場合、粒子同士が互いに凝集しようとする力が強いため、凝集体又は粗粒子の生成を根本的に防止することが困難である。
【0005】
このような凝集体又は粗粒子が生成されるため、積層セラミック電子部品の原料として用いられる粒子を均一に分散しても、優れた性能を有するセラミック電子部品を製造することは困難である。
【0006】
したがって、一定の大きさを有する微粒子を得るためには、分散前又は分散後に凝集体又は生成された粗粒子を除去することが好ましい。
【0007】
通常、粗粒子を除去するために、遠心分離機が用いられている。
【0008】
しかし、通常用いられる遠心分離機は、投入されるスラリーの量が異なる場合、同一の回転速度で遠心分離を行っても異なる結果が出るという問題点がある。
【0009】
また、投入するスラリーの量が多くなる場合、遠心分離にかかる時間が急激に増加し、遠心分離効率が減少する。
【0010】
積層セラミック電子部品の原料として用いられる粒子の大きさが均一でない場合、積層セラミック電子部品の製造のために作製されるグリーンシートの表面粗さが増加する。
【0011】
特に、上記グリーンシートの表面粗さが増加する場合、積層セラミック電子部品内において短絡が発生する確率が急激に高まり、積層セラミック電子部品の信頼性が低下する。
【0012】
下記の先行技術文献の特許文献1に記載の発明は、遠心分離集塵装置に関するものである。
【0013】
特に、上記特許文献1の発明に記載の隔壁は、本発明の一実施例による遠心分離機に形成される第2〜第nガイド部とは、その形状及び位置が相違する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国公開特許第2012−0062032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、スラリーの量に関係なく一定の遠心分離効率を示す遠心分離機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施例による遠心分離機は、内部に空間が形成された円筒状に形成される第1ガイド部と、上記第1ガイド部の半径より小さい半径を有し、上記第1ガイド部の内側に形成される第2〜第nガイド部(ただし、n≧3)と、を含むことができる。
【0017】
本発明の一実施例において、上記第nガイド部の半径をR
nとしたとき、R
1−R
2>R
n−1−R
n(ただし、n≧3)を満たすことができる。
【0018】
本発明の一実施例において、上記第nガイド部の半径をR
nとしたとき、R
n−2−R
n−1>R
n−1−R
n(ただし、n≧3)を満たすことができる。
【0019】
本発明の一実施例において、上記第2〜第nガイド部には、少なくとも一つ以上の穴が形成されていることができる。
【0020】
本発明の一実施例において、上記第2〜第nガイド部に形成される穴は、隣接するガイド部に形成された穴とずれて形成されることができる。
【0021】
本発明の一実施例において、上記第1〜第nガイド部を回転させる駆動部材をさらに含むことができる。
【0022】
本発明の一実施例において、上記第1〜第nガイド部の円周は、互いに平行であることができる。
【0023】
本発明の一実施例において、上記第1〜第nガイド部の間に形成される隔壁をさらに含むことができる。
【0024】
本発明の一実施例において、上記隔壁には、少なくとも一つ以上の穴が形成されていることができる。
【0025】
本発明の他の実施例による遠心分離機は、内部に空間が形成された円筒状に形成される外壁と、上記外壁の内側に形成される第1〜第m遠心分離領域(ただし、m≧2)を分離する複数の分離壁と、を含むことができる。
【0026】
本発明の他の実施例において、上記第1遠心分離領域の幅が上記第m遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅より大きくなるように、上記分離壁が形成されることができる。
【0027】
本発明の他の実施例において、上記第m−1遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅が上記第m遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅より大きくなるように、上記分離壁が形成されることができる。
【0028】
本発明の他の実施例において、上記分離壁に形成される少なくとも一つの穴をさらに含むことができる。
【0029】
本発明の他の実施例において、上記穴は、互いに隣接する分離壁に形成された穴とずれて形成されることができる。
【0030】
本発明の他の実施例において、上記外壁及び分離壁を回転させる駆動部材をさらに含むことができる。
【0031】
本発明の他の実施例において、上記外壁及び上記分離壁の円周は、互いに平行であることができる。
【0032】
本発明の他の実施例において、上記第1〜第m遠心分離領域は、各領域を分離する隔壁を少なくとも一つ以上含むことができる。
【0033】
本発明の他の実施例において、上記隔壁には、少なくとも一つ以上の穴が形成されていることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施例による遠心分離機は、内部に空間が形成された円筒状に形成される第1ガイド部と、上記第1ガイド部の半径より小さい半径を有し、上記第1ガイド部の内側に形成される第2〜第nガイド部(ただし、n≧3)と、を含むことにより、第2〜第nガイド部の内側で行われる遠心分離の際に、第2〜第nガイド部の外側で行われる遠心分離と類似の遠心力を受けるようにすることができる。
【0035】
すなわち、遠心分離されるスラリーの位置による遠心力を一定にすることで、スラリーの量が異なる場合にも一定の遠心分離が行われるようにすることができる。
【0036】
さらに、スラリーの量が増加する場合にも遠心力が均一に加えられるため、遠心分離にかかる時間を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一実施例による遠心分離機の分解斜視図を概略的に示すものである。
【
図2】本発明の一実施例による遠心分離機の斜視図を概略的に示すものである。
【
図3】
図2のA‐A'に沿う断面図を概略的に示すものである。
【
図4】本発明の一実施例による遠心分離機の動作後にスラリーが遠心分離された状態を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施例による遠心分離機の平面図を概略的に示すものである。
【
図6】本発明の他の実施例による遠心分離機の分解斜視図を概略的に示すものである。
【
図7】本発明の他の実施例による遠心分離機の斜視図を概略的に示すものである。
【
図8】
図7のB‐B'に沿う断面図を概略的に示すものである。
【
図9】本発明のさらに他の実施例による遠心分離機の平面図を概略的に示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0039】
図1は本発明の一実施例による遠心分離機100の概略的な分解斜視図を示すものである。
【0040】
図1を参照して、本発明の一実施例による遠心分離機100の構造について説明すると、本発明の一実施例による遠心分離機100には、最外側の部分に形成される第1ガイド部10と、上記第1ガイド部10の内側に形成される第2〜第nガイド部11、12、13と、が形成されることができる。
【0041】
上記nは、2より大きいか同一であってもよい。
【0042】
上記第1ガイド部10の底面は、円板のような閉じた面であってもよい。
【0043】
均一な遠心力を加えるために、上記第1〜第nガイド部10、11、12、13の円周は、互いに平行に形成されることができる。
【0044】
本発明の一実施例による遠心分離機は、下部に駆動部材30をさらに含むことができる。
【0045】
上記駆動部材30は、モーターを含み、上記第1〜第nガイド部10、11、12、13が一方向に回転するように回転力を加えることができる。
【0046】
上記第1〜第nガイド部10、11、12、13の上部には、遠心分離される物質の離脱を防止するための上部カバー20が形成されることができる。
【0047】
図2はカバー20以外の
図1に示された遠心分離機100の概略的な斜視図を示すものであり、
図3は
図2のA‐A'に沿う概略的な断面図を示すものである。
【0048】
図1から
図3では、上記第1ガイド部10の内側に形成される第2〜第nガイド部においてnが3の場合のみを示しているが、必要に応じて、形成されるガイド部の個数は増減することができる。
【0049】
図2及び
図3を参照すると、本発明の一実施例による遠心分離機100は、第1〜第m遠心分離領域110、120、130、140に区分されることができる。
【0050】
上記mは、2より大きいか同一であってもよい。
【0051】
すなわち、上記第1ガイド部10が外壁として機能し、上記第2〜第nガイド部11、12、13が複数の分離壁として機能することができる。
【0052】
本発明の一実施例による遠心分離機は、遠心分離される粒子を含むスラリーが上記第1ガイド部10の内側に充填されることができる。
【0053】
スラリーに含まれる粒子は、BaTiO
3であってもよく、これに制限されない。
【0054】
遠心分離機100は、回転力を利用してスラリー内に含まれる粒子を大きさに応じて分離する。
【0055】
具体的に、遠心分離機100で遠心分離されるスラリー内に含まれる粒子は、下記数式1により定義される遠心力を受ける。
【0057】
上記式中、Fは、スラリー内に含まれる粒子の質量、Rは、遠心分離機の中心から粒子までの距離、ωは、角速度を意味する。
【0058】
遠心分離機100が動作して、スラリーが遠心分離機100の外壁に完全に偏ったと仮定したとき、遠心分離機にスラリーの量が多い場合(#1)とスラリーの量が少ない場合(#2)とを比較すると、スラリーに加えられる遠心力に差が生じることが分かる。
【0059】
具体的に、#1の遠心分離機100の中心からスラリーの重心までの距離(R
#1)が、#2の遠心分離機100の中心からスラリーの重心までの距離(R
#2)より近くなる。
【0060】
すなわち、同一の角速度で#1のスラリーに加えられる遠心力(F
#1)が、#2のスラリーに加えられる遠心力(F
#2)より小さくなる。
【0061】
そのため、通常、遠心分離機に投入されるスラリーの量が異なる場合、同一の角速度で遠心分離機が作動しても遠心分離される程度が異なる。
【0062】
また、遠心分離機に投入されるスラリーの量が多い場合、スラリーに含まれた粒子の移動距離が長くなり、遠心分離にかかる時間が増加する。
【0063】
図4は本発明の一実施例による遠心分離機100においてスラリーに含まれた粒子が遠心分離されていることを示す断面図である。
【0064】
上述した問題を解決するために、上記第2〜第nガイド部を形成するにおいて、上記第1〜第m遠心分離領域110、120、130、140は、上記第1遠心分離領域110の幅L1を上記第m遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅Lnより大きくすることができる。
【0065】
具体的には、上記第m−1遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅が、上記第m遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅より大きくなるように形成することができる。
【0066】
図5を参照して、上記のように異なる幅を有することによる効果について説明する。
【0067】
図5は本発明の一実施例による遠心分離機100の平面図を概略的に示すものである。
【0068】
図5は本発明の遠心分離機に、第1ガイド部10、第2ガイド部11、第3ガイド部12及び第4ガイド部13まで形成されていることを示すものである。
【0069】
図5を参照すると、上記第1〜第4ガイド部10、11、12、13の半径は、それぞれR1、R2、R3、R4と定義することができる。
【0070】
上述したように、スラリーSに含まれる粒子に加えられる遠心力は、上記数式1により決定されることができる。
【0071】
したがって、第1〜第4遠心分離領域110、120、130、140に充填されたスラリーに加えられる遠心力を調節するためには、上記第1〜第4ガイド部10、11、12、13の半径R1、R2、R3、R4を調節しなければならない。
【0072】
具体的には、上記第1〜第4遠心分離領域110、120、130、140に充填されたスラリーSが類似又は同一の遠心力を受けるようにするために、下記数式2を満たすように、上記第1〜第4ガイド部10、11、12、13の半径を調節することができる。
【0074】
(R
n−2−R
n−1)/(R
n−1−R
n)をTと仮定したとき、上記Tの値が0.7×(R
n−1/R
n)未満の場合又は1.3×(R
n−1/R
n−2)を超える場合には、上記第1〜第4遠心分離領域110、120、130、140に充填されたスラリーSにそれぞれ相違する遠心力が加えられるため遠心分離される粒子の大きさが相違するようになる。
【0075】
すなわち、上述したように、上記第1〜第nガイド部10、11、12、13の半径を調節して、上記第1遠心分離領域110の幅L1を上記第m遠心分離領域(ただし、m≧2)の幅Lnより大きくすることで、スラリーSの量に関係なく遠心分離が行われるようにすることができる。
【0076】
下記の表1は、従来の遠心分離機と本発明の一実施例による遠心分離機100のスラリーSの量による、遠心分離された粒子の大きさを示すものである。
【0078】
比較例1及び実施例1は、遠心分離機に投入されたスラリーの量が100mlの場合であり、比較例2及び実施例2は、遠心分離機に投入されたスラリーの量が1000mlの場合である。
【0079】
比較例及び実施例は、両方とも同一の角速度と同一の時間で遠心分離を行った。
【0080】
表1におけるD10、D30、D50、D70、D90及びD99は、遠心分離後の粒子の大きさ及び分布を正規分布で示したときに、該当するパーセントを意味する。
【0081】
表1を参照すると、比較例の場合、スラリーの量が増加すると同一の時間における遠心分離効率が減少し、比較例1と比較例2の粒子の大きさに差が生じることが分かる。
【0082】
しかし、本発明の一実施例による遠心分離機100を用いて遠心分離した実施例1及び実施例2は、粒子の大きさの差が非常に小さいことが分かる。
【0083】
換言すると、本発明の一実施例による遠心分離機100は、第1〜第m遠心分離領域110、120、130、140に分離されており、各領域に位置するスラリーに加えられる遠心力の大きさが類似又は同一であるため、スラリーの量が異なる場合にも遠心分離される粒子の大きさが一定である。
【0084】
さらに、本発明の一実施例による遠心分離機100は、第1〜第m遠心分離領域110、120、130、140に分離されており、遠心分離の際に分離される粒子が移動する全体の距離が各領域の幅だけ減少して、遠心分離にかかる時間が減少する。
【0085】
図6は本発明の他の実施例による遠心分離機200の概略的な分解斜視図を示すものである。
【0086】
本発明の他の実施例による遠心分離機は、上記第2〜第nガイド部11、12、13の夫々に少なくとも一つ以上形成される穴11a、11b、11c、12a、12b、12c、13a、13b、13cをさらに含むことができる。
【0087】
図7は
図6の遠心分離機200のカバー20以外の概略的な斜視図を示すものであり、
図8は
図7のB‐B'に沿う断面図を示すものである。
【0088】
図7及び
図8を参照すると、本発明の一実施例による遠心分離機200の第1ガイド部10の内側にスラリーSが充填されていることが分かる。
【0089】
上記穴11a、11b、11c、12a、12b、12c、13a、13b、13cが形成されることにより、本発明の一実施例による遠心分離機にスラリーSが充填される際に、上記第1〜第m遠心分離領域110、120、130、140に同一高さのスラリーSが充填されるようになる。
【0090】
上記第2ガイド部11に形成される穴11a、11b、11cと上記第3ガイド部12に形成される穴12a、12b、12cは、
図7に示されたようにずれて形成されることができる。
【0091】
これと同様に、上記第3ガイド部12に形成される穴12a、12b、12cと上記第4ガイド部13に形成される穴13a、13b、13cは、
図7に示されたようにずれて形成されることができる。
【0092】
すなわち、第n−1ガイド部に形成される穴と第nガイド部に形成される穴は、ずれて形成されることができる。
【0093】
第n−1ガイド部に形成される穴と第nガイド部に形成される穴が互いにずれて形成されることで、遠心分離機が動作する際にスラリーSが穴を介して抜け出ることを最小化することができる。
【0094】
図9は本発明のさらに他の実施例による遠心分離機300の概略的な平面図を示すものである。
【0095】
図9を参照すると、本発明のさらに他の実施例による遠心分離機300は、上記第1〜第nガイド部10、11、12、13の間に形成される隔壁41、42、43、44をさらに含むことができる。
【0096】
具体的には、本発明のさらに他の実施例による遠心分離機300は、上記第1〜第n遠心分離領域110、120、130、140を分離する少なくとも一つ以上の隔壁41、42、43、44をさらに含むことができる。
【0097】
上記隔壁41、42、43、44は、遠心分離機300が動作する際に遠心分離されるスラリーSに加えられる遠心力をより高める機能を果たすことができる。
【0098】
また、上記隔壁41、42、43、44には、少なくとも一つ以上の穴が形成されていてもよい。
【0099】
上記穴は、遠心分離機300にスラリーSを充填する際に、上記第1〜第n遠心分離領域110、120、130、140に同一高さでスラリーSが充填されるようにすることができる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0101】
100、200、300 遠心分離機
10 第1ガイド部
11 第2ガイド部
12 第3ガイド部
13 第4ガイド部
20 カバー
30 駆動部材
11a、11b、11c、12a、12b、12c、13a、13b、13c 穴
41、42、43、44 隔壁