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特開2015-73986オートクレーブ及びこれを用いたパネル組立体の処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-73986(P2015-73986A)
(43)【公開日】2015年4月20日
(54)【発明の名称】オートクレーブ及びこれを用いたパネル組立体の処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 3/02 20060101AFI20150324BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20150324BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20150324BHJP
   B01J 3/03 20060101ALI20150324BHJP
   B01J 3/04 20060101ALI20150324BHJP
   F27D 1/18 20060101ALI20150324BHJP
【FI】
   B01J3/02 B
   G09F9/00 338
   G02F1/13 101
   B01J3/02 D
   B01J3/03 A
   B01J3/04 D
   F27D1/18 N
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-159936(P2014-159936)
(22)【出願日】2014年8月5日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0120413
(32)【優先日】2013年10月10日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】511256277
【氏名又は名称】ハン、ドン ヒ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ドン ヒ
【テーマコード(参考)】
2H088
4K051
5G435
【Fターム(参考)】
2H088FA11
2H088FA17
2H088FA20
2H088FA28
2H088FA30
2H088MA04
2H088MA20
4K051AA03
4K051AB07
4K051MB02
4K051MB05
4K051MB13
5G435AA17
5G435KK10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造が単純でパネル組立体が収容されるチャンバーの密閉効率に優れ、パネル組立体のローディング作業とアンローディング作業が円滑に行なうことができるオートクレーブを提供する。
【解決手段】パネル組立体を支える棚41が設けられたチャンバー40を有する密閉ハウジングと、密閉ハウジングの開放された一面と離隔して上下移動可能に設けられるドア支持部材と、密閉ハウジングの開放された一面に密着されてチャンバーを密閉するためにドア支持部材に進退可能に設けられるドア49と、密閉ハウジングの外側に設けられてドア支持部材を上下移動させるドア作動装置と、ドアとともに上下移動してドアを密閉ハウジングの開放された一面に加圧するためにドアの前方に設けられるドア加圧機構65と、チャンバーに気体を供給する気体供給装置37と、チャンバーに供給された気体を加熱するために密閉ハウジングに結合するヒーターとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル組立体を支えるための棚が設けられたチャンバーを有する密閉ハウジングと、
前記密閉ハウジングの開放された一面と離隔して上下移動可能に設けられるドア支持部材と、
前記密閉ハウジングの開放された一面に密着されて前記チャンバーを密閉するために前記ドア支持部材に進退可能に設けられるドアと、
前記密閉ハウジングの外側に設けられて前記ドア支持部材を上下移動させるドア作動装置と、
前記ドアとともに上下移動しつつ前記ドアを前記密閉ハウジングの開放された一面に加圧するために前記ドアの前方に設けられるドア加圧機構と、
前記密閉ハウジングと連結されて前記チャンバーに気体を供給する気体供給装置と、
前記チャンバーに供給された気体を加熱するために前記密閉ハウジングに結合するヒーターと、を含むオートクレーブ。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記ドア支持部材に結合して前記ドアに対して前記密閉ハウジングの開放された一面から離隔する方向に力を加えるドア復帰機構を更に含むことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項3】
請求項1の記載において、
前記ドア作動装置は、
前記ドア支持部材とともに上下移動するように前記ドア支持部材と結合する昇降部材と、
前記密閉ハウジングの外側に設けられて前記昇降部材を上下移動させる昇降部材移動装置と、を含むことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項4】
請求項3の記載において、
前記昇降部材移動装置は、前記密閉ハウジングの外面に結合することを特徴とするオートクレーブ。
【請求項5】
請求項1の記載において、
前記ドア加圧機構は、
前記ドアの外面に結合して第1の傾斜加圧面を有する第1の加圧部材と、
前記第1の傾斜加圧面に対応する第2の傾斜加圧面を備え、前記第2の傾斜加圧面が前記第1の傾斜加圧面と向い合うように配置される第2の加圧部材と、
前記第2の加圧部材と結合し、前記ドア支持部材に回転可能に結合する駆動軸と、を含むことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項6】
請求項5の記載において、
前記ドア加圧機構は前記駆動軸に結合するレバーを更に含むことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項7】
請求項5の記載において、
前記ドア加圧機構は前記駆動軸を回転させるために前記ドア支持部材に結合する駆動装置を更に含むことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項8】
請求項1の記載において、
前記密閉ハウジングの開放された一面と前記ドアとの間の隙間をシーリングするために前記密閉ハウジングと前記ドアとの間に配置されるパッキングを更に含むことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項9】
請求項1の記載において、
前記チャンバーは両方の端部が前記密閉ハウジングの一面及び他の一面を通じて外部に開放されて、
前記ドア支持部材は一対が前記密閉ハウジングの開放された一面及び開放された他の一面と離隔するように設けられて、
前記ドアは前記密閉ハウジングの開放された一面及び開放された他の一面をそれぞれ密閉するために一対が前記一対のドア支持部材にそれぞれ設けられて、
前記ドア作動装置及び前記ドア加圧機構は前記一対のドアを作動させることができるようにそれぞれ複数が設けられることを特徴とするオートクレーブ。
【請求項10】
パネル組立体を支えるための棚が設けられたチャンバーを有する密閉ハウジング;
上下方向に延長されたガイド溝を備え、前記密閉ハウジングに結合するドアガイド;
前記密閉ハウジングの開放された一面に密着されて前記チャンバーを密閉するために前記ガイド溝に沿ってスライド移動するように前記ドアガイドに結合するドア;
前記ドアを前記密閉ハウジングの開放された一面に加圧するために前記ドアガイドに結合し、前記ドアガイドを貫通してその端が前記ドアに接する加圧ロッドを有するドア加圧機構;
前記密閉ハウジングと連結されて前記チャンバーに気体を供給する気体供給装置;及び前記チャンバーに供給された気体を加熱するために前記密閉ハウジングに結合するヒーターを含むことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項11】
複数のパネル素子が取り付けられたパネル組立体を移送するための第1のパネル組立体移送装置;
前記第1のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路中に設けられ、両方の端部が外部に開放されたチャンバーと、前記パネル組立体を支えるために前記チャンバーに設けられる棚と、を有する密閉ハウジング;
前記密閉ハウジングの開放された一面と開放された他の一面にそれぞれ密着されて前記チャンバーを密閉するために前記密閉ハウジングの外側に設けられる一対のドア;
前記一対のドアを動かすための複数のドア作動装置;
前記一対のドアを前記密閉ハウジング側に加圧するために前記一対のドア前方にそれぞれ設けられる複数のドア加圧機構;
前記密閉ハウジングと連結されて前記チャンバーに気体を供給する気体供給装置;
前記チャンバーに供給された気体を加熱するために前記密閉ハウジングに結合するヒーター;
前記第1のパネル組立体移送装置によって移送される前記パネル組立体を前記密閉ハウジングの開放された一面を通じて前記チャンバーにローディングするために前記第1のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路中に設けられるローディング装置;
前記チャンバーで加熱加圧処理された前記パネル組立体を前記密閉ハウジングの開放された他の一面を通じて前記チャンバーからアンローディングするために前記密閉ハウジングの外側に設けられるアンローディング装置;及び
前記アンローディング装置によって前記チャンバーからアンローディングされる前記パネル組立体を移送するために前記密閉ハウジングの外側に設けられる第2のパネル組立体移送装置を含むことを特徴とするパネル組立体の処理装置。
【請求項12】
請求項11の記載において、
前記ローディング装置は、
前記第1のパネル組立体移送装置によって移送される前記パネル組立体を把持して前記棚で運ぶための把持機構と、
前記把持機構を昇降させる昇降装置と、
前記把持機構を前記チャンバー側に前進させたり、前記チャンバーから後退させる第1の移動装置と、
前記把持機構を前記第1のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路に沿って移動させる第2の移動装置と、を含み、
前記把持機構は前記昇降装置と、前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置とによって上・下・前・後・左・右に動くことができることを特徴とするパネル組立体の処理装置。
【請求項13】
請求項11の記載において、
前記アンローディング装置は、
前記チャンバーにローディングされた前記パネル組立体を把持して前記第2のパネル組立体移送装置で運ぶための把持機構と、
前記把持機構を昇降させる昇降装置と、
前記把持機構を前記チャンバー側に前進させたり、前記チャンバーから後退させる第1の移動装置と、
前記把持機構を前記第2のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路に沿って移動させる第2の移動装置と、を含み、
前記把持機構は前記昇降装置と、前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置とによって上・下・前・後・左・右に動くことができることを特徴とするパネル組立体の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートクレーブに関するものである。詳しくは、複数のパネル素子がラミネーティングされたパネル組立体をチャンバーに収容し、チャンバーに収容されたパネル組立体を加熱加圧処理するオートクレーブ及びこれを用いたパネル組立体の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スマートフォン、デジタルTV、タブレットPC、ノートパソコン、PMP、ナビゲーションなどの多様なデジタル機器が発売開始されながら、平板表示装置やタッチスクリーンなどに用いられるディスプレー用パネルの需要が増加している。
【0003】
平板表示装置としては、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、有機発光ダイオード(OLED)などがある。液晶表示装置の場合、軽量、薄型、低電力駆動、フルカラー、高解像度具現などの特徴により、各種デジタル機器のディスプレー装置で広く用いられている。
【0004】
液晶表示装置は、光の透過率を制御する液晶表示パネルに偏光板とバックライトユニットとを取り付けて製造する。プラズマ表示装置は、相互対向する二つのパネルに相互交差する電極を配列して製造する。このような液晶表示装置やプラズマ表示装置を含めて各種平板表示装置は、平板表示パネルに透明保護板など多様な機能のパネルを取り付けて製造する。
【0005】
タッチスクリーンは、各種平板表示装置の表示面に設けられてユーザーが表示装置を見ながら望む情報を選択するように用いられる入力装置である。タッチスクリーンは、抵抗膜方式(Resistive Type)、靜電容量方式(Capacitive Type)、電気磁場形方式(EM、Electro-Magnetic Type)、ソー方式(Saw Type)、及びインフラレッド方式(Infrared Type)などがある。このようなタッチスクリーンは、透明な材質のウィンドーパネルに透明電極パネルを取り付けて製造する。
【0006】
このように平板表示装置やタッチスクリーンなどのパネル型ディスプレーに用いられるディスプレー用パネルは複数のパネル素子を取り付けて製造する。ディスプレー用パネルを構成する複数のパネル素子を取り付ける方法としては、いずれか一つのパネル素子の一側面周りに両面テープを取り付けて他のパネル素子をこれに合着して二つのパネル素子を取り付ける方法がある。その以外に、OCAなどの接着フィルムで二つのパネル素子間に向い合う面の全体を接着する方法や、接着しようとする二つのパネル素子間に硬化性溶剤を塗布してこれを硬化させて接合する方法が複数のパネル素子を接合してディスプレー用パネルを製造することに用いられる。
【0007】
通常的に、ディスプレー用パネルの製造において、パネル素子などは、自動化装置を通じて取り付けられて、パネル素子などが取り付けられて構成されたディスプレー用パネルはパネル素子間の気泡除去と、パネル素子間の取り付け力向上のためにオートクレーブを通じて加熱加圧処理される。そして、加熱加圧処理されたディスプレー用パネルは検査装置による検査工程を経てから出荷される。
【0008】
オートクレーブはドアによって開閉される密閉ハウジングと、ディスプレー用パネルが収容される密閉ハウジング内部のチャンバーに熱を加えるためのヒーターと、密閉ハウジングのチャンバー内に気体を供給するための気体供給装置とを含む。このようなオートクレーブは、韓国公開特許第2004−0079595号公報(2004.09.16公開)、韓国特許第0600413号公報(2006.03.29公開)、韓国特許第0804616号公報(2007.12.28公開)、韓国特許第0782119号公報(2007.11.28登録)などに多様な構造が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のとおり、現在、多様な構造のオートクレーブが開始されているが、ディスプレー用パネルなど各種パネル組立体が収容されるチャンバーの密閉効率の向上や、作業時間短縮などの作業性を改善しようとする研究開発が持続的に行なっている。
【0010】
本発明は、このような点を勘案して案出されたことで、本発明の目的は、構造が単純でパネル組立体が収容されるチャンバーの密閉効率に優れ、パネル組立体のローディング作業とアンローディング作業が円滑に行なうことができるオートクレーブを提供するものである。
【0011】
本発明の他の目的は、前後工程装置と移送ラインに連結されて前後工程装置と連携してパネル組立体に対する加熱加圧処理を連続的に迅速に行なうことで、製品の生産性を向上させることができるオートクレーブを用いたパネル組立体の処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明の一側面によるオートクレーブは、パネル組立体を支えるための棚が設けられたチャンバーを有する密閉ハウジングと、前記密閉ハウジングの開放された一面と離隔して上下移動可能に設けられるドア支持部材と、前記密閉ハウジングの開放された一面に密着されて前記チャンバーを密閉するために前記ドア支持部材に進退可能に設けられるドアと、前記密閉ハウジングの外側に設けられて前記ドア支持部材を上下移動させるドア作動装置と、前記ドアとともに上下移動しつつ前記ドアを前記密閉ハウジングの開放された一面に加圧するために前記ドアの前方に設けられるドア加圧機構と、前記密閉ハウジングと連結されて前記チャンバーに気体を供給する気体供給装置と、前記チャンバーに供給された気体を加熱するために前記密閉ハウジングに結合するヒーターと、を含む。
【0013】
本発明の一側面によるオートクレーブは、前記ドア支持部材に結合して前記ドアに対して前記密閉ハウジングの開放された一面から離隔する方向に力を加えるドア復帰機構を更に含むことができる。
【0014】
前記ドア作動装置は、前記ドア支持部材とともに上下移動するように前記ドア支持部材と結合する昇降部材と、前記密閉ハウジングの外側に設けられて前記昇降部材を上下移動させる昇降部材移動装置と、を含むことができる。
【0015】
前記昇降部材移動装置は、前記密閉ハウジングの外面に結合することができる。
【0016】
前記ドア加圧機構は、前記ドアの外面に結合して第1の傾斜加圧面を有する第1の加圧部材と、前記第1の傾斜加圧面に対応する第2の傾斜加圧面を備えて前記第2の傾斜加圧面が前記第1の傾斜加圧面と向い合うように配置される第2の加圧部材と、前記第2の加圧部材と結合して前記ドア支持部材に回転可能に結合する駆動軸と、を含むことができる。
【0017】
前記ドア加圧機構は前記駆動軸に結合するレバーを更に含むことができる。
【0018】
前記ドア加圧機構は前記駆動軸を回転させるために前記ドア支持部材に結合する駆動機を更に含むことができる。
【0019】
本発明の一側面によるオートクレーブは、前記密閉ハウジングの開放された一面と前記ドアとの間の隙間をシーリングするために前記密閉ハウジングと前記ドアとの間に配置されるパッキングを更に含むことができる。
【0020】
前記チャンバーは、両方端部が前記密閉ハウジングの一面及び他の一面を通じて外部に開放され、前記ドア支持部材は一対が前記密閉ハウジングの開放された一面及び開放された他の一面と離隔するように設けられ、前記ドアは前記密閉ハウジングの開放された一面及び開放された他の一面をそれぞれ密閉するために一対が前記一対のドア支持部材にそれぞれ設けられ、前記ドア作動装置及び前記ドア加圧機構は前記一対のドアを作動させるようにそれぞれ複数が設けられることができる。
【0021】
一方、前記目的を達成するための本発明の他の側面によるオートクレーブは、パネル組立体を支えるための棚が設けられたチャンバーを有する密閉ハウジングと、上下方向に延長されたガイド溝を備えて前記密閉ハウジングに結合するドアガイドと、前記密閉ハウジングの開放された一面に密着されて前記チャンバーを密閉するために前記ガイド溝に沿ってスライド移動するように前記ドアガイドに結合するドアと、前記ドアを前記密閉ハウジングの開放された一面に加圧するために前記ドアガイドに結合して前記ドアガイドを貫通してその端が前記ドアに接する加圧ロッドを有するドア加圧機構と、前記密閉ハウジングと連結されて前記チャンバーに気体を供給する気体供給装置と、前記チャンバーに供給された気体を加熱するために前記密閉ハウジングに結合するヒーターと、を含む。
【0022】
一方、前記目的を達成するための本発明によるパネル組立体の処理装置は、複数のパネル素子が取り付けられたパネル組立体を移送するための第1のパネル組立体移送装置と、前記第1のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路中に設けられて両方端部が外部に開放されたチャンバーと前記パネル組立体を支えるために前記チャンバーに設けられる棚を有する密閉ハウジングと、前記密閉ハウジングの開放された一面と開放された他の一面にそれぞれ密着されて前記チャンバーを密閉するために前記密閉ハウジングの外側に設けられる一対のドアと、前記一対のドアを動かすための複数のドア作動装置と、前記一対のドアを前記密閉ハウジング側に加圧するために前記一対のドア前方にそれぞれ設けられる複数のドア加圧機構と、前記密閉ハウジングと連結されて前記チャンバーに気体を供給する気体供給装置と、前記チャンバーに供給された気体を加熱するために前記密閉ハウジングに結合するヒーターと、前記第1のパネル組立体移送装置によって移送される前記パネル組立体を前記密閉ハウジングの開放された一面を通じて前記チャンバーにローディングするために前記第1のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路中に設けられるローディング装置と、前記チャンバーで加熱加圧処理された前記パネル組立体を前記密閉ハウジングの開放された他の一面を通じて前記チャンバーからアンローディングするために前記密閉ハウジングの外側に設けられるアンローディング装置と、前記アンローディング装置によって前記チャンバーからアンローディングされる前記パネル組立体を移送するために前記密閉ハウジングの外側に設けられる第2のパネル組立体移送装置と、を含む。
【0023】
前記ローディング装置は、前記第1のパネル組立体移送装置によって移送される前記パネル組立体を把持して前記棚に運ぶための把持機構と、前記把持機構を昇降させる昇降装置と、前記把持機構を前記チャンバー側に前進させたり前記チャンバーから後退させる第1の移動装置と、前記把持機構を前記第1のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路に沿って移動させる第2の移動装置と、を含み、前記把持機構は前記昇降装置と、前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置とによって上・下・前・後・左・右に動くことができる。
【0024】
前記アンローディング装置は、前記チャンバーにローディングされた前記パネル組立体を把持して前記第2のパネル組立体移送装置に運ぶための把持機構と、前記把持機構を昇降させる昇降装置と、前記把持機構を前記チャンバー側に前進させたり前記チャンバーから後退させる第1の移動装置と、前記把持機構を前記第2のパネル組立体移送装置による前記パネル組立体の移送経路に沿って移動させる第2の移動装置と、を含み、前記把持機構は前記昇降装置と、前記第1の移動装置及び前記第2の移動装置とによって上・下・前・後・左・右に動くことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によるオートクレーブは構造が単純であり、密閉ハウジング内部に用意されたチャンバーに複数のパネル組立体を容易にローディングするとか、チャンバーからパネル組立体を容易にアンローディングすることができる構造を有する。そして、本発明によるオートクレーブはドアで密閉ハウジングの開放面を容易かつ安定的に密閉することができる構造を有する。
【0026】
一方、本発明によるパネル組立体の処理装置はパネル組立体を生産する取り付け装置などの前工程装置で運ばれるパネル組立体を第1のパネル組立体移送装置とローディング装置を用いてオートクレーブに順次にローディングし、オートクレーブで連続的に加熱加圧処理することができる。また、オートクレーブで加熱加圧処理されたパネル組立体をアンローディング装置と第2のパネル組立体移送装置とを用いて検査装置などの後工程装置で順次に運ぶことができる。したがって、取り付け装置や検査装置などの前後工程装置と連携してパネル組立体に対する加熱加圧処理が連続的に迅速に行なわれ、製品の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施例によるオートクレーブを用いたパネル組立体の処理装置を示す斜視図である。
図2図1に示すように、オートクレーブの主要構成を示す斜視図である。
図3図1に示すように、オートクレーブの主要構成を示す平面図である。
図4図1に示すように、オートクレーブのドア加圧機構を示す斜視図である。
図5図1に示すように、オートクレーブのドアが密閉ハウジングに密着された状態を示す図面である。
図6図1に示すように、オートクレーブのドア加圧機構の変更例を示す図面である。
図7】本発明によるオートクレーブの変更例を示す正面図である。
図8】本発明によるオートクレーブの変更例を示す側面図である。
図9図7及び図8に示すように、オートクレーブのドアが密閉ハウジングに密着された状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照し、本発明によるオートクレーブ及びこれを用いたパネル組立体の処理装置に対して詳しく説明する。
【0029】
本発明を説明することにおいて、図面に示す構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と便宜上の誇張または単純化して示すことができる。また、本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義した用語はユーザー、運用者の意図または慣例に沿って変わることができる。このような用語は本明細書の全般にわたった内容に基づいて本発明の技術的な思想に符合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0030】
図1は、本発明の第1の実施例によるオートクレーブを用いたパネル組立体の処理装置を示す斜視図であり、図2は、図1に示すオートクレーブの主要構成を示す斜視図であり、図3は、図1に示すオートクレーブの主要構成を示す平面図である。
【0031】
図1に示すように、本発明によるオートクレーブを用いたパネル組立体の処理装置10は、複数のパネル素子を取り付けてパネル組立体Pを作る取り付け装置2とパネル組立体Pを検査するための検査装置4との間に配置され、取り付け装置2で作られたパネル組立体Pに熱と圧力を加えてパネル組立体Pを構成するパネル素子間の気泡を除去し、パネル素子間の取り付け力を向上させる。このようなパネル組立体の処理装置10は取り付け装置2で作られたパネル組立体Pを移送するための第1のパネル組立体移送装置12と、加熱加圧処理されたパネル組立体Pを検査装置4に移送するための第2のパネル組立体移送装置15と、複数のパネル組立体Pを内部に収容してこれらに熱と圧力を加えるために第1のパネル組立体移送装置12、及び第2のパネル組立体移送装置15によるパネル組立体Pの移送経路中に順次に設けられる複数のオートクレーブ35と、装置の全般的な動作を制御する制御装置75とを含む。第1のパネル組立体移送装置12によって移送されるパネル組立体Pは第1のパネル組立体移送装置12の外側に設けられたローディング装置17によって複数のオートクレーブ35のチャンバー40内にローディングされる。そして、複数のオートクレーブ35で処理されたパネル組立体Pは第2のパネル組立体移送装置15の外側に設けられたアンローディング装置33によって第2のパネル組立体移送装置15に運ばれる。
【0032】
本発明によるパネル組立体の処理装置10の処理対象となるパネル組立体Pではディスプレー用パネルや、光学パネルなど複数のパネル素子がラミネーティングされた多様な種類などがある。このようなパネル組立体の処理装置10は取り付け装置2と検査装置4、または、その外の多様な前後工程装置と移送ラインに連結されて前後工程装置と連携してパネル組立体Pに対する加熱加圧処理を連続的に迅速に行なうことができる。取り付け装置2で作られるパネル組立体Pは運び装置6によって第1のパネル組立体移送装置12に連続的に運ばれることができ、第2のパネル組立体移送装置15によって移送されるパネル組立体Pは、また他の運び装置6によって検査装置4に連続的に供給されることができる。
【0033】
第1のパネル組立体移送装置12と第2のパネル組立体移送装置15とは、オートクレーブ35の密閉ハウジング36を間に置いて密閉ハウジング36の両方に平行に配置される。密閉ハウジング36は両側面が開放され、第1のパネル組立体移送装置12は密閉ハウジング36の開放された一面側に配置され、第2のパネル組立体移送装置15は密閉ハウジング36の開放された他の一面側に配置される。第1のパネル組立体移送装置12と第2のパネル組立体移送装置15とはパネル組立体Pを搭載してパネル組立体Pを直線経路に移送させる移送ベルト13とを含む。勿論、第1のパネル組立体移送装置12と第2のパネル組立体移送装置15とはパネル組立体Pを移送する多様な他の構造に変更されることができる。
【0034】
第1のパネル組立体移送装置12によって移送されるパネル組立体Pは第1のパネル組立体移送装置12によるパネル組立体の移送経路中に設けられたローディング装置17によって密閉ハウジング36の開放された一面を通じて密閉ハウジング36の内部にローディングされる。そして、オートクレーブ35の密閉ハウジング36の内部から高温高圧で処理されたパネル組立体Pは第2のパネル組立体移送装置15によるパネル組立体の移送経路中に設けられたアンローディング装置33によって密閉ハウジング36の開放された他の一面を通じて密閉ハウジング36でアンローディングされて第2のパネル組立体移送装置15に運ばれる。
【0035】
図1に示すように、ローディング装置17とアンローディング装置33とは同じ構造からなる。ローディング装置17はパネル組立体Pを把持するための把持機構18と、把持機構18を昇降させるための昇降装置22と、把持機構18を密閉ハウジング36側に前進させたり密閉ハウジング36から後退させる第1の移動装置24と、把持機構18をパネル組立体の移送経路に沿って移動させる第2の移動装置26とを含む。
【0036】
把持機構18はパネル組立体Pを吸着することができる吸着板19を含み、昇降装置22に結合した支持アーム21に結合する。図面に詳しく示さなかったが、吸着板19の下面には吸入力を発生することができる複数の吸入孔が用意され、吸着板19には真空圧を提供するための真空チューブ20が連結される。勿論、本発明において、把持機構18の具体的な構造はここに示すものに限定されず、パネル組立体Pを把持して運ぶ多様な他の構造に変更されることができる。
【0037】
昇降装置22は支持アーム21を昇降させることで把持機構18を上下移動させることができる。昇降装置22は第1の移動部材23に結合し、第1の移動部材23は第1の移動装置24によって直線移動する。第1の移動部材23は第2の移動部材25の上に結合し、第2の移動部材25は第2の移動装置26によって直線移動する。第2の移動部材25には第1の移動装置24による把持機構18の移動方向と平行に第1のガイドレール29が用意され、第1の移動部材23は第1の移動装置24によって第1のガイドレール29に沿って直線移動するようになる。第1の移動装置24は第2の移動部材25に結合して第2の移動部材25とともに移動する。第2の移動部材25は底面に置かれる下敷台31に第2の移動装置26による把持機構18の移動方向と平行に配置される第2のガイドレール30にスライド移動可能に結合し、第2の移動装置26によって第2のガイドレール30に沿って直線移動するようになる。
【0038】
第2の移動装置26は第2の移動部材25とねじ結合するスクリュー軸27と、スクリュー軸27を回転させるためのモーター28とを含む。勿論、第2の移動装置26は示す構造以外に第2の移動部材25を直線移動させる多様な他の構造に変更されることができる。第1の移動装置24も示す構造以外に第1の移動部材23を直線移動させる多様な他の構造に変更されることができる。
【0039】
上述のとおり、把持機構18は昇降装置22と、第1の移動装置24及び第2の移動装置26とによって上・下・前・後・左・右に動くことができる。したがって、ローディング装置17は第1のパネル組立体移送装置12によって移送されるパネル組立体Pを把持機構18で把持して複数の密閉ハウジング36の内部に備えられる複数の棚41にパネル組立体Pを順次にローディングすることができる。
【0040】
把持機構18を上・下・前・後・左・右に動くための昇降装置22と、第1の移動装置24及び第2の移動装置26との配置構造は変更されることができる。すなわち、図面には把持機構18が昇降装置22に結合し、昇降装置22は第1の移動装置24と結合し、第1の移動装置24は第2の移動装置26と結合するものを示したが、把持機構18に順次に結合する昇降装置22と第1の移動装置24及び第2の移動装置26との配置順序は多様に変更されることができる。例えば、把持機構18が第1の移動装置24と先に結合するとか、把持機構18が第2の移動装置26と先に結合することもできる。そして、ローディング装置17はパネル組立体Pを把持するための把持機構18と、把持機構18を上・下・前・後・左・右に動くことができる他の構造の移動装置を有する他の構造に変更されることができる。
【0041】
アンローディング装置33の具体的な構造はローディング装置17と同じである。アンローディング装置33はオートクレーブ35の密閉ハウジング36の内部で高温高圧に処理された複数のパネル組立体Pを把持機構18で把持して順次に第2のパネル組立体移送装置15に運ぶ。アンローディング装置33の具体的な構造もここに示すものに限定されず、パネル組立体Pを把持するための把持機構18と、把持機構18を上・下・前・後・左・右に動く移動装置を有する他の構造に変更されることができる。
【0042】
図1ないし図3に示すように、オートクレーブ35は両方端部が外部に開放されたチャンバー40とパネル組立体Pを支えるためにチャンバー40に設けられる複数の棚41を有する密閉ハウジング36と、密閉ハウジング36のチャンバー40に気体を供給する気体供給装置37と、チャンバー40に供給された気体を加熱するために密閉ハウジング36に結合するヒーター39とを含む。気体供給装置37はチャンバー40と連結されるように密閉ハウジング36に結合した供給チューブ38を通じてチャンバー40に気体を供給する。図面には一つの気体供給装置37が複数の密閉ハウジング36に気体を供給するものを示したが、気体供給装置37は密閉ハウジング36と一対一で連結されるように複数が設けられることもできる。そして、ヒーター39は示すように密閉ハウジング36の外面に結合する構造以外に、チャンバー40に熱を供給する多様な結合構造で密閉ハウジング36に設けられることができる。
【0043】
チャンバー40は密閉ハウジング36の内部に密閉ハウジング36の一面及びこれと向い合う他の一面を通じて外部に開放されるように用意される。図面には一つの密閉ハウジング36に二つのチャンバー40が備えられ、各チャンバー40に複数の棚41が一定な間隔で上下離隔するものを示したが、チャンバー40の設置個数、棚41の設置個数や配置構造などは多様に変更されることができる。チャンバー40に設けられる複数の棚41にはローディング装置17によってパネル組立体Pが順次にローディングされる。チャンバー40の最下部に配置される棚41の下に投入されるパネル組立体Pはチャンバー40の底面44に置かれるようになる。
【0044】
棚41の中間部分には棚41によって区画される上部空間と下部空間とを連結する開口部42が用意される。棚41の中間に用意される開口部42はローディング装置17の把持機構18やアンローディング装置33の把持機構18がチャンバー40の内部に進入する時、把持機構18が棚41にぶつかるとか干渉されることを防止するためのものである。チャンバー40の最上部に配置された棚41に置かれるパネル組立体Pを把持するためにチャンバー40の内に進入する把持機構18が密閉ハウジング36の内部にかかることを防止するために密閉ハウジング36内部の最上部に配置された棚41上には把持機構18の突出された部分を収容することができる収容空間43が用意される。ここに示したものと相違する構造の把持機構18がチャンバー40の底面44の直上に進入する時、把持機構18がハウジング36の内部と干渉されることを防止するためにチャンバー40の底面44にも収容空間が用意されることもできる。
【0045】
密閉ハウジング36の開放された両方の一面にはパッキング45が備えられる。パッキング45は密閉ハウジング36とこれを覆うドア49との間をシーリングするためのことである。パッキング45はゴムやシリコーンなどの公知の多様な種類のものが用いられることができる。場合により、パッキング45はドア49の内側面に用意されることもできる。
【0046】
密閉ハウジング36には両側に開放されたチャンバー40を密閉するための一対のチャンバー密閉装置47、48が設けられる。第1のチャンバー密閉装置47は密閉ハウジング36の開放された一面を密閉し、第2のチャンバー密閉装置48は密閉ハウジング36の開放された他の一面を密閉する。すなわち、第1のチャンバー密閉装置47はローディング装置17が配置される密閉ハウジング36の開放面側に配置され、第2のチャンバー密閉装置48はアンローディング装置33が配置される密閉ハウジング36の他の開放面側に配置される。第1のチャンバー密閉装置47と第2のチャンバー密閉装置48との具体的な構造は同じであり、第1のチャンバー密閉装置47が密閉ハウジング36の一側の開放面を密閉すると同時に、第2のチャンバー密閉装置48が密閉ハウジング36の他側の開放面を密閉した状態でチャンバー40に熱と圧力が加えられる。ここで、密閉ハウジング36の開放面はチャンバー40が外部に開放されてパッキング45が配置された面である。
【0047】
図2ないし図4に示すように、第1のチャンバー密閉装置47は密閉ハウジング36の開放面に密着されてチャンバー40の開放部を密閉するためのドア49と、ドア49を上下移動させるためのドア作動装置50と、ドア49を密閉ハウジング36側に加圧するためのドア加圧機構65とを含む。ドア49は一対のチャンバー40を一度に覆うことができる広さを有する。
【0048】
ドア作動装置50は密閉ハウジング36の開放された一面と離隔して上下移動可能に設けられるドア支持部材51と、ドア支持部材51と結合して密閉ハウジング36の両側面に上下移動可能に設けられる一対の昇降部材52と、一対の昇降部材52を上下移動させるための一対の昇降部材移動装置53とを含む。ドア49は密閉ハウジング36とドア支持部材51との間に配置されてドア支持部材51に進退可能に結合する。ドア49には一対のガイドバー54が相互離隔して配置され、ドア支持部材51には一対のガイドバー54がスライド移動可能に挿入される一対の挿入孔55が用意される。一対のガイドバー54がドア支持部材51の挿入孔55でスライド移動することでドア49はドア支持部材51に結合した状態を保持しつつ密閉ハウジング36側に前進したり、密閉ハウジング36から後退することができる。
【0049】
一対のガイドバー54にはスプリング56がそれぞれ結合する。スプリング56はドア加圧機構65によって密閉ハウジング36側に前進したドア49を密閉ハウジング36で離隔した本来の位置に復帰させるためのドア復帰機構として作用する。スプリング56はその一端がドア49に結合し、その他端がドア支持部材51に結合することでドア49に対して密閉ハウジング36から遠くなる方向に弾性力を加える。ドア49によってチャンバー40が密閉された状態でパネル組立体Pに対する加熱加圧処理が終わり、ドア49を本来の位置に移動させる時、ドア49がパッキング45に接していればドア49の移動が妨害を受けることができる。したがって、ドア加圧機構65のドア49に対する加圧力が除去される時、スプリング56でドア49を密閉ハウジング36から遠くなる方向に引いてドア49をパッキング45から離隔するようにすれば、ドア49を円滑に移動させることができる。ドア49を本来の位置に復帰させるためのドア復帰機構ではスプリング56以外にシリンダーなどのドア49に対して密閉ハウジング36から遠くなる方向に力を加える多様な構造のものが用いられることができる。
【0050】
ドア支持部材51は一対の連結アーム57を通じて一対の昇降部材52と結合する。一対の昇降部材52は密閉ハウジング36の両側面に上下方向に用意された一対のガイド溝58に沿ってスライド移動するように密閉ハウジング36に結合する。昇降部材52は密閉ハウジング36のガイド溝58に挿入されるガイド突起59を有する。一対の昇降部材52は密閉ハウジング36の外側面に設けられた一対の昇降部材移動装置53によってそれぞれ上下移動する。
【0051】
昇降部材移動装置53は昇降部材52とねじ結合するスクリュー軸60と、スクリュー軸60を回転させるモーター61とを含む。スクリュー軸60の一端はモーター61に結合し、スクリュー軸60の他端は密閉ハウジング36の外側に固定されたブラケット62に回転可能に結合する。モーター61は密閉ハウジング36の外側に固定されたブラケット63に結合する。スクリュー軸60は昇降部材52に用意されたねじ孔にねじ結合し、モーター61の回転でスクリュー軸60が回転すればスクリュー軸60と昇降部材52のねじ運動によって昇降部材52が上下移動するようになる。昇降部材52はここに備えられたガイド突起59が密閉ハウジング36に用意されたガイド溝58に挿入されてスクリュー軸60が回転しても回転が抑制され、スクリュー軸60とのねじ運動によって上下方向だけで直線移動することができる。
【0052】
一対の昇降部材移動装置53の作用で一対の昇降部材52が上下移動すれば、ここに結合したドア支持部材51及びドア49も上下移動するようになる。したがって、昇降部材移動装置53の作用でドア49が密閉ハウジング36の開放面を開閉するようになる。ドア49が下降して密閉ハウジング36の開放面を覆ってもドア49と密閉ハウジング36との間には隙間のある。このような密閉ハウジング36とドア49との間の隙間はドア加圧機構65を通じてドア49を密閉ハウジング36側に加圧することで密閉することができる。
【0053】
図2ないし図5に示すように、ドア加圧機構65はドア49の外面に結合して第1の傾斜加圧面67を有する第1の加圧部材66と、第1の傾斜加圧面67に対応する第2の傾斜加圧面70を有する第2の加圧部材69と、第2の加圧部材69と結合してドア支持部材51に回転可能に結合する駆動軸72とを含む。駆動軸72はドア支持部材51の中間に結合したベアリング73及びドア支持部材51を貫通してその端がドア支持部材51の前方に多少突出される。駆動軸72はベアリング73に回転可能に結合して前後方向に動くことはできない。駆動軸72の端にはユーザーの操作のためのレバー74が結合する。
【0054】
第2の加圧部材69は駆動軸72の端に結合してこれに備えられた第2の傾斜加圧面70が第1の加圧部材66の第1の傾斜加圧面67と向い合うように配置される。第1の傾斜加圧面67は円周方向に沿ってドア49からの突出高さが漸進的に増加するリング状からなり、第1の傾斜加圧面67の中央には結合溝68が用意される。そして、第2の傾斜加圧面70は円周方向に沿ってドア支持部材51からの突出高さが漸進的に増加するリング状からなり、第2の傾斜加圧面70の中央には第1の加圧部材66の結合溝68に挿入される結合突起71が備えられる。
【0055】
図5に示すように、ドア49が下降して密閉ハウジング36の開放面を覆った状態においてユーザーがレバー74を回せば、第2の加圧部材69はその結合突起71が第1の加圧部材66の結合溝68に挿入された状態で結合突起71を回転中心に回転する。この時、第2の加圧部材69の第2の傾斜加圧面70が第1の加圧部材66の第1の傾斜加圧面67に沿ってスライド移動しつつ第1の加圧部材66を密閉ハウジング36側に漸進的に加圧するようになる。したがって、ドア49はパッキング45を圧縮しながら密閉ハウジング36側に前進することでチャンバー40を完全に密閉するようになる。このようにドア49が密閉ハウジング36側に前進する時、ドア49とドア支持部材51との間のスプリング56が伸びる。
【0056】
このようにドア49がチャンバー40を完全に密閉した状態においてチャンバー
40の内部に気体と熱が供給されることで、チャンバー40内にローディングされたパネル組立体Pが熱と圧力を受けるようになる。チャンバー40内のパネル組立体Pに対する加熱加圧処理が完了した後、作業者がレバー74を反対方向に回せば、第2の加圧部材69の第2の傾斜加圧面70が第1の加圧部材66の第1の傾斜加圧面67に沿って反対方向にスライド移動しつつ第1の加圧部材66に対する加圧力が解除される。この時、ドア49はスプリング56の弾性力によって密閉ハウジング36から後退するようになる。この状態において、昇降部材移動装置53を作動してドア49を上昇させればチャンバー40が開放され、チャンバー40を開放した後アンローディング装置33を用いたパネル組立体Pのアンローディング作業や、ローディング装置17を用いたパネル組立体Pのローディング作業を行なうことができる。
【0057】
このように、本発明によるオートクレーブ35は構造が単純であり、チャンバー40に複数のパネル組立体Pを容易にローディングするとか、チャンバー40からパネル組立体Pを容易にアンローディングすることができる構造を有する。そして、本発明によるオートクレーブ35はドア49で密閉ハウジング36の開放面を容易かつ安定的に密閉することができる構造を有する。
【0058】
本発明において、昇降部材移動装置53の具体的な構造はここに示すものに限定されず、昇降部材52を上下移動させることができる多様な他の構造に変更されることができる。そして、昇降部材52の具体的な構造や、昇降部材移動装置53と昇降部材52との結合構造、昇降部材52と密閉ハウジング36とのスライド移動構造も多様な他の構造に変更されることができる。例えば、昇降部材52や昇降部材移動装置53は密閉ハウジング36の外側に別の構造物に設けられることもできる。また、図面には二つの昇降部材移動装置53がドア49を上下移動させるものを示したが、ドア49を上下移動させるための昇降部材移動装置53の個数も多様に変更されることができる。また、第1のチャンバー密閉装置47のドア49と、第2のチャンバー密閉装置48のドア49とは、同じ昇降部材移動装置によって同時に移動することもできる。すなわち、ハウジング36の外側に設けられる一つの昇降部材移動装置が第1のチャンバー密閉装置47のドア49と、第2のチャンバー密閉装置48のドア49とを、すべて上下移動させることもできる。
【0059】
その外に、ドア49を密閉ハウジング36側に加圧するためのドア加圧機構65の構造もここに示すものに限定されず多様に変更されることができる。例えば、図6に示すように、ドア49に結合した第1の加圧部材66を加圧するためにドア支持部材51に結合する第2の加圧部材69はドア支持部材51に結合する駆動装置76によって自動で作動することができる。ほかの例として、ドア支持部材51にねじ結合してドア支持部材51とのねじ運動によって進退することができる構造の加圧部材を用いてドア49を加圧することもできる。また、ドア49を加圧する加圧ロッドを有するシリンダー構造のドア加圧機構をドア支持部材51に設けてドア49を加圧するとか、カム構造の加圧部材をドア支持部材51に設けてドア49を加圧することもできる。
【0060】
上述のとおり、本発明によるパネル組立体の処理装置10の全般的な動作は制御装置75によって制御される。すなわち、制御装置75は第1のパネル組立体移送装置12と、ローディング装置17と、複数のオートクレーブ35の動作を制御することで、取り付け装置2で作られるパネル組立体Pを連続的に第1のパネル組立体移送装置12を通じて移送させつつオートクレーブ35の密閉ハウジング36に順次にローディングして加熱加圧処理することができる。また、制御装置75はオートクレーブ35と、アンローディング装置33と、第2のパネル組立体移送装置15との動作を制御することで、オートクレーブ35で加熱加圧処理されたパネル組立体Pをアンローディング装置33を通じて連続的に第2のパネル組立体移送装置15にアンローディングした後、第2のパネル組立体移送装置15を通じて検査装置4に運ぶことができる。したがって、取り付け装置2と検査装置4などの前後工程装置と連携してパネル組立体Pに対する加熱加圧処理を連続的に迅速に行なわれ、製品の生産性を向上させることができる。
【0061】
一方、図7は、本発明によるオートクレーブの変更例を示す正面図であり、図8は、本発明によるオートクレーブの変更例を示す側面図であり、図9は、図7及び図8に示すオートクレーブのドアが密閉ハウジングに密着された状態を示す図面である。
【0062】
図7ないし図9に示すオートクレーブ78は外部に開放されたチャンバー40とパネル組立体Pを支えるためにチャンバー40に設けられる複数の棚41を有する密閉ハウジング79と、密閉ハウジング79のチャンバー40に気体を供給する気体供給装置37(図1の参照)と、チャンバー40に供給された気体を加熱するために密閉ハウジング79に結合するヒーターとを含むことで、気体供給装置37と密閉ハウジング79との連結構造は上述と同じである。そして、図面に詳しく示さなかったが、ヒーターは密閉ハウジング79に結合してチャンバー40の内部に流入された気体に熱を加える。
【0063】
密閉ハウジング79の開放された両側面にはパッキング45が結合し、密閉ハウジング79の両方の開放面は第1のチャンバー密閉装置80及び第2のチャンバー密閉装置81によって開閉される。第1のチャンバー密閉装置80と第2のチャンバー密閉装置81との具体的な構造は同じである。第1のチャンバー密閉装置80と第2のチャンバー密閉装置81とは、密閉ハウジング79の開放面を密閉するためのドア83と、ドア83を上下移動させるためのドア作動装置86とを含む。密閉ハウジング79の開放面の両側部にはドア83をスライド移動可能に支持する一対のドアガイド84が設けられる。ドアガイド84にはドア83の両方の側端部が挿入されるガイド溝85が用意されてドア83はガイド溝85に沿って上下移動することができる。
【0064】
ドア作動装置86はドア83に連結されるナット部材87と、ナット部材87とねじ結合するスクリュー軸88と、スクリュー軸88を回転させるためのモーター89とを含む。ナット部材87はドア83に結合した連結部材90に結合し、モーター89は密閉ハウジング79に固定される。連結部材90には設置溝91が用意され、ナット部材87は設置溝91の中で複数のスプリング92によって弾力的に支持される。したがって、ナット部材87は設置溝91の中でスプリング92を弾性変形させて動くことができる。
【0065】
ナット部材87にはスクリュー軸88が挿入されるねじ孔が用意され、スクリュー軸88がナット部材87のねじ孔にねじ結合する。したがって、モーター89が駆動してスクリュー軸88を回転させれば、スクリュー軸88とナット部材87との間のねじ運動によってナット部材87がスクリュー軸88に沿って移動するようになり、これによってドア83がナット部材87とともに上下方向に動くことができる。ドア83は密閉ハウジング79の開放面を密閉した後、複数のドア加圧機構93によって密閉ハウジング79側に押されるようになる。この時、ドア83とナット部材87は弾力的に連結されているから、ドア83はドア作動装置86と連結された状態を保持しつつ密閉ハウジング79の前後方向に動くことができる。
【0066】
ドア加圧機構93はドアガイド84に設けられ、ドア83の前面に接してドア83を加圧する加圧ロッド94を有する。加圧ロッド94はドアガイド84を貫通してその端がドア83に接する。図9に示すように、ドア83が密閉ハウジング79の開放面を密閉した後、ドア加圧機構93の加圧ロッド94がドア83を密閉ハウジング79の前面側に加圧すれば、ドア83がパッキング45に圧着されつつ密閉ハウジング79の開放面が密閉される。このようにドア83が密閉ハウジング79の開放面を密閉した状態で密閉ハウジング79の内部に気体と熱が供給されて密閉ハウジング79の内部にローディングされたパネル組立体Pに対する加熱加圧工程が行なわれる。
【0067】
密閉ハウジング79の内部にローディングされたパネル組立体Pに対する加熱加圧工程が完了した後、ドア加圧機構93の加圧ロッド94が本来の位置に復帰しながらドア83に加えられた加圧力が除去される。ドア83に対する加圧力が除去される時、ドア83をパッキング45から離隔するために密閉ハウジング79にはドア復帰機構95が設けられる。
【0068】
図7ないし図9に示すように、ドア復帰機構95は密閉ハウジング79に用意された設置溝96に進退可能に設けられるローラー97と、ローラー97に対して設置溝96から脱する方向に弾性力を加えるスプリング98とを含む。ローラー97は設置溝96に収容されたローラー支持部材99に回転可能に結合し、スプリング98はローラー支持部材99を通じてローラー97に弾性力を加える。ローラー97はドア83がドアガイド84に沿って移動する時、ドア83の後面に接して転がり運動することでドア83の開閉動作が円滑に行なわれるようにする役目も果たす。
【0069】
ローラー97はドア83と接するように設置溝96から突出されている途中、ドア83がドア加圧機構93によって密閉ハウジング79側に押される時、ドア83によって設置溝96側に押されてスプリング98を圧縮しつつ設置溝96内に後退する。そして、ドア加圧機構93によるドア83の加圧力が除去されればローラー97はスプリング98の弾性力によって本来の位置に復帰されてドア83をパッキング45から離隔するように加圧する。
【0070】
本実施例において、ドア作動装置86の具体的な構造や、ドア83とドア作動装置86との連結構造はここに示すものに限定されず多様に変更されることができる。そして、ドア83と密閉ハウジング79との結合構造もここに示すものに限定されず多様に変更されることができる。図面にはドア83が密閉ハウジング79の上部方向に動いて密閉ハウジング79を開閉するものを示したが、ドア83は密閉ハウジング79の下部方向や、側面方向に動いて密閉ハウジング79を開閉することもできる。また、ドア加圧機構93の具体的な構造や設置構造もここに示したもの以外の多様な他の構造に変更されることができる。また、第1のチャンバー密閉装置80のドア83と、第2のチャンバー密閉装置81のドア83とは同じドア作動装置によって同時に移動することもできる。すなわち、ハウジング79の外側に設けられる一つのドア作動装置が第1のチャンバー密閉装置80のドア83と第2のチャンバー密閉装置81のドア83とをすべて上下移動させることもできる。
【0071】
前述とともに図面に示す本発明の実施例は、本発明の技術的思想を限定することと解釈されてはいけない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載した事項によってだけ制限され、本発明の技術分野において通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を多様な形態で改良及び変更することができる。したがって、このような改良及び変更は、当該技術分野において通常の知識を有する者に自明なことである限り本発明の保護範囲に属するようになる。
【符号の説明】
【0072】
10:パネル組立体の処理装置
12、15:第1、2のパネル組立体移送装置
17:ローディング装置
18:把持機構
19:吸着板
21:支持アーム
22:昇降装置
23、25:第1、2の移動部材
24、26:第1、2の移動装置
27、60、88:スクリュー軸
28、61、89:モーター
29、30:第1、2のガイドレール
33:アンローディング装置
35、78:オートクレーブ
36、79:密閉ハウジング
37:気体供給装置
39:ヒーター
40:チャンバー
41:棚
42:開口部
43:収容空間
45:パッキング
47、80:第1のチャンバー密閉装置
48、81:第2のチャンバー密閉装置
49、83:ドア
50、86:ドア作動装置
51:ドア支持部材
52:昇降部材
53:昇降部材移動装置
54:ガイドバー
56、92、98:スプリング
57:連結アーム
58、85:ガイド溝
59:ガイド突起
65、93:ドア加圧機構
66、69:第1、2の加圧部材
67、70:第1、2の傾斜加圧面
73:ベアリング
74:レバー
75:制御装置
76:駆動装置
84:ドアガイド
87:ナット部材
90:連結部材
94:加圧ロッド
95:ドア復帰機構
97:ローラー
99:ローラー支持部材
図1
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図9