【解決手段】 間欠的に搬送される下側フィルム12に対し、凹部15を成型する成型装置14と、その成型装置の下流側に配置され、凹部内に被包装物17が挿入された状態の下側フィルムに対して上側フィルム20を被覆する手段と、上側フィルム並びに下側フィルムの所定部位をシールして凹部を密封するシール装置と、上側フィルム並びに下側フィルムの所定部位をカットして、個々の包装体24を製造するカッター装置22とを備える。カッター装置が超音波カッター装置30で構成する。
【背景技術】
【0002】
各種の包装形態の一つとして、深絞り型包装体がある。深絞り型包装体は、被包装物を収納する凹部を有する容器本体と、その凹部内に被包装物を収納した状態でその容器本体の開口部を閉塞する蓋部材とを備えた構成を採る。係る構成の深絞り型包装体を製造する深絞り包装機は、以下のような構成をとる。
【0003】
原反フィルムから連続して引き出された下側フィルムを、水平方向に搬送する。この水平方向に搬送するフィルム搬送装置は、例えば下側フィルムの両端縁を搬送方向に延びるエンドレスチェーンに取り付けた爪部により把持する構成をとる。エンドレスチェーンの回転に伴い爪部も所定の軌跡で公転移動し、爪部に把持された下側フィルムを搬送する。
【0004】
この下側フィルムの搬送途中に配置した成型装置にて、下側フィルムを真空吸引し、下側フィルムの所定位置に下側に突出する凹部を成型する。そして、成型装置の下流側の所定位置にて、凹部内に被包装物を自動或いは手動にて供給する。
【0005】
一方、下側フィルムの搬送ラインの上方には、別の原反フィルムが設置されており、この原反フィルムから連続して上部フィルムが引き出され、その引き出された上部フィルムは、上記被包装物の供給地点の下流側所定位置にて下側フィルムの上に重ね合わす。
【0006】
さらにこの両フィルムの重合地点の下流側には、シール装置が配置され、このシール装置にて上側フィルムと下側フィルムの接触部位をシールする。これにより、被包装物が凹部内にて密封される。その後、シール装置の下流側に配置されたカッター装置にて、両フィルムのシール部位をカットすることにより、個々の深絞り型包装体ごとに分離製造するようにしている。
【0007】
従来のカッター装置は、例えば、シール部位の所定位置、つまり、前後の凹部の間であってフィルムの搬送方向と直交する方向に横カットし、次いで、左右の凹部(横方向に並ぶ凹部)の間をフィルムの搬送方向に沿って縦カットすることにより、個々の深絞り型包装体を製造するものがある。横カットするための横カッター装置は、例えばフィルムを挟んで上下に配置されるカッター刃と、受け部と、を備え、それらカッター刃,受け部はシリンダ等の駆動手段によりタイミングを合わせて昇降移動するように構成される。この横カッター装置は、押し切りカッターであり、カッター刃の刃部の形状に沿って下側,上側フィルムが切断される。そして、カッター刃は、下側,上側フィルムを横方向(搬送方向と直交する方向)に切断するための直線状の刃部を備え、また、最終的な包装体における角に丸みを形成するためのRカット用の刃部を備えることもある。
【0008】
また、縦カットするための縦カッター装置は、例えばフィルムの搬送方向と直交する方向に回転軸を有する上下一対の円盤型のカッターを複数組備え、上下のカッターにて下側,上側フィルムを挟み込むことで搬送方向と平行にカットする。縦カッター装置を通過することで、凹部の周囲が切断されて、個々の深絞り型包装体が製造される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例えば、上述した従来の深絞り包装機では、縦カッター装置は、フィルムを挟んで配置された上下一対の円盤型のカッターを用いているため、係る縦カッター装置は、フィルムの搬送方向と平行な方向にしかカットすることができない。そのため、例えば上述したように、最終的な包装体における角に丸みを形成するためには、係る丸みの部分は横カッター装置を用いて形成している。さらに、例えば、包装体の外周縁の形状が菱形等で、斜辺がフィルムの搬送方向に対して所定角度傾斜するような場合、回転型のカッター刃を用いた縦カッター装置では対応できない。
【0011】
係る場合、例えば、縦カッター装置も横カッター装置と同様に押し切りカッターを採用することで対応できる。また、縦カッター装置と横カッター装置がともに押し切りカッターとすると、両カッター装置を一体に構成するような装置が創案できる。つまり、包装体の外周縁の形状に符合する雄型と雌型のカッター刃を備えたカッター装置を用いることになる。
【0012】
係る場合、雄型・雌型のカッター刃は、包装体の外周縁の形状に即したものとなり、大きくなり重量も増す。すると、例えば製造する包装体の形状が変わると、新たな形状に対応する雄型と雌型とのカッター刃を製造し、既設のカッター装置のカッター刃を取り外し、新たなカッター刃をセットすることになる。カッター刃が比較的重量があり、しかも大型であるため、交換作業が繁雑となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明の深絞り包装機は、(1)間欠的に搬送される下側フィルムに対し、凹部を成型する成型装置と、その成型装置の下流側に配置され、前記凹部内に被包装物が挿入された状態の前記下側フィルムに対して上側フィルムを被覆する手段と、前記上側フィルム並びに前記下側フィルムの所定部位をシールして前記凹部を密封するシール装置と、前記上側フィルム並びに前記下側フィルムの所定部位をカットして、個々の包装体を製造するカッター装置とを備えた深絞り包装機であって、前記カッター装置が超音波カッター装置で構成されるようにした。
【0014】
係る構成をとることで、例えばフィルムの搬送方向に対して傾斜するなど平行でなくても簡単かつきれいにカットすることができる。打ち抜きタイプのカッター装置ではないので、装置全体が小型化することができる。また、包装体の寸法形状が変更された場合でも、例えば超音波カッター装置のカッター刃の移動軌跡を制御するプログラムの変更で対応することができる。
【0015】
(2)前記超音波カッター装置でカットするフィルム部位周辺を抑えるフィルム抑え手段を備えるとよい。(3)また、前記フィルム抑え手段は、前記上側フィルムの上面に接触可能に配置される上側フィルム抑え板部材から構成し、前記上側フィルム抑え部材は、上下に開口する開口部を有し、前記開口部の内周縁は、前記カッター装置で切り抜く領域に沿って形成されるようにするとよい。(4)前記フィルム抑え手段は、前記下側フィルムの前記凹部未形成の下面に接触可能な部材であり、その部材の上面には、前記超音波カッター装置のカッター刃が挿入可能な溝部が形成されるようにするとよい。部材は、実施形態では枠体で実現される。このようにすることで、柔らかいフィルムであっても確実かつきれいな切断面でカットすることができる。
【0016】
(5)前記カッター装置でカットされる際の前記凹部を支持する支持部材を備えるとよい。支持部材は実施形態では底板により実現される。このようにすると、カット処理が進んで凹部が垂れ下がろうとしても、支持部材で凹部を支持することができる。よって、最後まできれいにカットすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、包装体の外周縁の形状がフィルムの搬送方向に対して所定角度傾斜するような部位を備えたものでも、打ち抜くことなく自由なデザインにカットして製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜
図3は、本発明に係る深絞り包装機の好適な一実施形態の全体図を示し、
図4はフィルム抑え手段を主に示し、
図5はカッター装置の部分を主に示し、
図6は製造される包装体の一例を示している。本実施形態の深絞り型包装機は、上流側に配置された回転支持軸10に装着された原反フィルム11から連続して引き出された下側フィルム12を水平方向に搬送するフィルム搬送装置13を備える。このフィルム搬送装置13は、下側フィルム12の両側縁の外側に配置された前後一対のエンドレスチェーン13aと、そのエンドレスチェーン13aに取り付けられた多数の爪部材13bとを備え、その爪部材13bにて下側フィルム12の長手方向の両側縁を掴んだ状態で間欠的に搬送する。
【0020】
このフィルム搬送装置13の搬送途中の上流側には、成型装置14が配置される。この成型装置14は、下側フィルム12のフィルム部位に下側に突出する凹部15を成型する。本実施形態では、凹部15は、下側フィルムの搬送方向と直交する横方向に2個形成し、各凹部15の平面形状が、略菱形としている。より具体的には、菱形の各頂点は、R取りして円弧状とし、菱形の一組の辺は下側フィルム12の搬送方向と直交する横方向と平行で、菱形の他の一組の辺が下側フィルム12の搬送方向に対して所定角度傾斜するようにしている。
【0021】
成型装置14の下流側の所定位置には、凹部15内に被包装物を自動供給する被包装物供給装置16が配置される。被包装物供給装置16は、移し替えロボットから構成し、移し替えロボットのマニピュレータとして吸着手段を備える。そして、その吸着手段により、フィルム搬送装置13の横に待機する被包装物群から、所定の被包装物を吸着保持するとともに所定軌跡で移動し、被包装物17を凹部15内に供給する。被包装物17は、例えばおにぎりなどの平面三角形状のものを用い、凹部15内に2個供給するようにしている。なお、被包装物供給装置16に替えて、人手による供給としても良い。
【0022】
一方、下側フィルム12の搬送ラインの上方には、別の回転支持軸18に装着された原反フィルム19から連続して上側フィルム20が引き出され、その引き出された上側フィルム20は、上記被包装物の供給地点の下流側所定位置にて下側フィルム12の上に重ね合わされるようになっている。
【0023】
さらにまた、フィルム搬送装置13の上側フィルム20の被覆点より進行方向前方には、シール装置21が配設される。シール装置21は、下側フィルム12と上側フィルム20の所定位置、つまり、凹部15の周囲の両フィルム12,20の接触部位を上下から挟み込むとともに加熱して熱シールする。これにより、被包装物が凹部15内に密封される。なお、このシール装置21に凹部内の空気を吸引除去する機能を設け、両フィルム12,20を熱シールする前に凹部内の空気を吸引除去することで、被包装物17が凹部15内にて真空状態で密封する機能を備えても良いし、吸引除去して凹部15内を真空にする機能に替えて、所定のガスを充填する機能を設けることで、凹部15内を窒素等の不活性ガスに置換するようにしてもよい。
【0024】
シール装置21の更に進行方向前方には、カッター装置22が配設されている。このカッター装置22は、下側フィルム12と上側フィルム20の熱シールされた所定のフィルム部位等をカットし、個々の包装体24を製造する。さらに、カッター装置22は、製造された包装体24を下方の搬出コンベア25に供給する機能を備える。搬出コンベア25は、ベルトコンベアから構成され、その搬送面は、フィルム搬送装置13の搬送面よりも一段低く設定している。さらに、包装体24を構成せずに残ったフィルム枠26が、巻き取りローラ27に巻き取られるようにしている。
【0025】
カッター装置22は、フィルム搬送装置13の上方に配置され、フィルムを所定の軌跡でカットする超音波カッター装置30と、フィルム搬送装置13の下方に配置され、包装体24を搬出する搬出装置31とを備える。さらに、超音波カッター装置30にて切断中のフィルムを抑える上側フィルム抑え板33と、下側フィルム抑え装置34を備える。次に各部の構成を詳述する。
【0026】
超音波カッター装置30は、下端にカッター刃35を装着したカッター本体36と、カッター本体36を三次元空間内で所定の軌跡で移動させる駆動装置37を備える。カッター本体36は、振動子(圧電素子)やそれを駆動させるための発振器等が内蔵され、カッター刃35を所定周波数で振動させる。本実施形態では、所定周波数を例えば20kHz程度としている。これは、例えば40kHz程度とすると発熱量も大きくなり、フィルムが溶けて融着したり、切断面が波打ったりするおそれがあるが、20kHzとすることで係る問題の発生を抑制し、綺麗な切断面とすることができる。
【0027】
駆動装置37は、フィルム搬送装置13の左右の両外側に配置され、フィルムの搬送方向と平行に往復移動させる一対の第一駆動装置37aと、その一対の第一駆動装置37a間に掛け渡すように配置し、フィルムの搬送方向と直交方向に往復移動させる第二駆動装置37bと、第二駆動装置37bに連結し上下方向に往復移動させる第三駆動装置37cを備える。このように3つの駆動装置を適宜動作させることで、カッター本体36ひいてはカッター刃35の位置を任意の箇所に移動させる。係る移動は、予め組み込んだ制御プログラムに基づき、制御装置が動作を制御する。
【0028】
よって、例えば第三駆動装置37cによりカッター本体36を上昇移動させてカッター刃35の刃先(下端)を上側フィルム20よりも上方に位置させた状態を保持し、第一駆動装置37aと第二駆動装置37bを動作させてカッター刃35を、水平平面内を移動させて当該カッター刃35を上側フィルム20の所定位置(包装体の外周縁上の任意の地点)に位置させる。この状態で、第三駆動装置37cを動作させてカッター本体36を下降移動し、カッター刃35が上側フィルム20,下側フィルム12に接し、両フィルムを切断可能な状態にする。この接触する前の適宜のタイミングで、カッター刃35が振動を開始するように制御する。よって、カッター刃35が上側フィルム20,下側フィルム12に接触したならば、当該接触部位が切断される。
【0029】
その後、第一駆動装置37a,第二駆動装置37bの動作を制御し、カッター刃35が、所定の軌跡で水平平面内を移動し、上側フィルム20,下側フィルム12を包装体24の外周縁の形成位置をカットし、フィルムを切り抜いて包装体24を製造する。また、切り抜く際の所定の軌跡は、凹部15の外周縁よりも一回り大きい・外側の部分を移動することで、略菱形の軌跡を採る。また、菱形の各頂点付近では円弧状に移動する。さらに、本実施形態では、凹部15の外周縁から外側に所定のマージンを置いた位置をカットするのを原則とし、適宜の位置でさらに外側に迂回するように移動する軌跡を採る。これにより、
図6に示すように、外周縁が菱形をベースとして一組の辺の外側に突出するツマミ部24aを備えた形態の包装体24が製造される。
図6においてハッチングで示す領域が上側フィルム20と下側フィルム12が熱シールされた領域であり、ツマミ部24a形成領域以外のほぼ全周に渡り外周縁は熱シールされた領域となっている。また、ツマミ部24aは、上側フィルム20と下側フィルム12がシールされておらず、ともにフリーな状態となっている。そして、係るツマミ部24aを構成するフリーな上側フィルム20と下側フィルム12をそれぞれ持つとともに引きはがすことで、包装体24を容易に開封することができる。
【0030】
本実施形態では、超音波カッターを用いたため、カッター刃35を任意の軌跡で移動させ、フィルムを切断することができるので、例えば、包装体の外周縁が、フィルム搬送方向に対して傾斜している場合でも、簡単かつ確実にカットすることができるし、図示するようにツマミ部24aを設け、さらに凹凸があり複雑な外形状の包装体でも簡単に対応できる。また、設計変更などがあっても、多少の変更であれば制御ブログラムの修正で対応できる。また、仮に装置のハードウェアの交換作業が必要な場合でも、打ち抜きタイプのカッター装置で雄型と雌型の交換に比べると簡易となる。
【0031】
また、本実施形態のように任意の軌跡で移動しながらカットする超音波カッター装置は、一般に樹脂などの比較的硬質な材料をカットするのに用いられる。これに対し、本実施形態では、樹脂等に比べると軟質なフィルムであり、フィルム搬送装置13による下側フィルム12の両端を把持し、ぴんと張った状態にする程度では、綺麗に切断できずに、外周縁が波打つおそれがある。また、切断対象のフィルムの強度・剛性による要因だけでなく、フィルムのカットが進むにつれて切断されてフリーとなったフィルム部位が弛むことも綺麗にカットできない要因の一つとなる。そこで、係るおそれを解消するため、本実施形態では、上側フィルム抑え板33と、下側フィルム抑え装置34を備えている。
【0032】
上側フィルム抑え板33は、扁平な板部材であり、包装体として切り抜く領域より若干広い部分に開口部33aを設けている。この開口部33aの内周縁は、フィルムのカット位置の外側に一定のマージンを採った位置としている。さらに、この上側フィルム抑え板33は、連結部材33bを用いて装置の機枠等に連結されて支持される。そして、その上側フィルム抑え板33の下面は、フィルム搬送装置13の搬送面とほぼ同じか、若干上方に位置させている。これにより、フィルム搬送装置13により搬送される上側フィルム20は、上側フィルム抑え板33に軽く接触するか、近接した状態で搬送される。上側フィルム抑え板33の下面を、搬送面より若干上方に設定した場合、フィルム搬送時は上側フィルム20は上側フィルム抑え板33と非接触となり、ストレスを受けないので好ましい。さらに、フィルム搬送装置13が一時停止した際に、下側フィルム12に形成した凹部15が、開口部33a内に位置するように設定・制御する。
【0033】
下側フィルム抑え装置34は、枠体40と、枠体40に形成した上下貫通孔40a内に相対的に昇降移動可能に配置された底板41と、枠体40に対して相対的に底板41を昇降させる第一シリンダ42と、底板41と枠体40を一体に昇降させる第二シリンダ43とを備える。上下貫通孔40aは、下側フィルム12に形成した凹部15の平面形状(略菱形)とほぼ等しいか一回り大きい寸法形状とする。また、枠体40は、上下貫通孔40aが上側フィルム抑え板33の開口部33aに対向するように配置し、フィルム搬送装置13が一時停止した際には、凹部15が枠体40の上下貫通孔40aに対向する位置に来るようにしている。
【0034】
第一シリンダ42のシリンダロッド42aは、底板41の下面に連結する。また、第二シリンダ43のシリンダロッド43aは、支持プレート44の下面に連結する。この支持プレート44の上面には、第一シリンダ42を起立配置する。また、支持プレート44の上面両端には側壁47を起立形成する。そして、その側壁47の上端に枠体40を連結する。このようにすることで、支持プレート44と枠体40の距離は一定となり、第二シリンダ43のシリンダロッド43aの往復動作に伴い枠体40と第一シリンダ42が昇降する。
【0035】
上昇位置にある枠体40は、例えば
図5(b)に示すようにフィルム搬送装置13の搬送面に至り、下側フィルム12に接触し、上方に付勢する。これにより、上側フィルム20と下側フィルム12は、枠体40と上側フィルム抑え板33との間で所定の圧力で挟まれ、固定・保持される。一方、下降位置にある枠体40は、例えば
図5(a)等に示すように、その上面位置が、搬出コンベア25の搬送面とほぼ同じとなる。
【0036】
また、第一シリンダ42のシリンダロッド42aの往復動作に伴い、底板41は、例えば支持プレート44を基準として昇降移動する。つまり、底板41は、枠体40に対して相対的に昇降移動する。そして、上昇位置にある底板41は、
図5(c),(d)に示すように、底板41の上面が枠体40の上面よりも上方に位置する。一方、下降位置にある底板41は、枠体40の上下貫通孔40a内の下方に位置し、上下貫通孔40aの下方開口部を閉塞しつつ、上下貫通孔40a内に所定の空間を確保する。この空間内に、凹部15が挿入可能となる。
【0037】
さらに、枠体40の上面には、上下貫通孔40aの周縁に沿って凹溝40bが形成される。この凹溝40bは、カッター刃35が進入可能とする。また、凹溝40bは、上下貫通孔40aの周縁に沿って無端状に形成されるとともに、その無端状の本線経路40b′に連続して外側に至る迂回経路40b″を設けている。この迂回経路40b″内をカッター刃35が移動すると、本実施形態のようにツマミ部24aが形成される。また、本線経路40b′のみをカッター刃35が移動すると、外周縁が略菱形でツマミ部のない包装体が製造できる。つまり、本実施形態の枠体40を用いることで、ツマミ部のある包装体とツマミ部のない包装体の両方に対応できる。
【0038】
さらにまた、搬出装置31は、第三シリンダ45と、その第三シリンダ45のシリンダロッド45aに連結され、シリンダロッド45aの往復動作に伴い前後進移動するプッシャー46とを備える。シリンダロッド45a,プッシャー46は、水平平面内で搬出コンベア25の搬送方向と同一方向に前後進移動する。そして、後退位置にあるプッシャー46は、
図5(a)等に示すように枠体40よりも上流側に位置し、前進位置にあるプッシャー46は、
図5(d)に示すように包装体24を底板41上から搬出コンベア25に送り出す。
【0039】
上述した構成をとることで、超音波カッター装置30と、第一シリンダ42,第二シリンダ43,第三シリンダ45の動作を制御することで、フィルムから包装体24を切り出し、搬出コンベア25上へ搬出する。すなわち、例えば
図5(a)に示すような待機位置では、カッター刃35は上昇位置にあってフィルムと非接触の状態となり、枠体40,底板41もともに下降位置に位置する。
【0040】
フィルム搬送装置13が一時停止すると、凹部15は枠体40の上下貫通孔40aに対向する位置に位置する。そこで、第二シリンダ43のシリンダロッド43aが往動作して枠体40,底板41が上昇移動する(
図5(b)参照)。このとき第一シリンダ42は動作せず、枠体40と底板41の相対位置関係は変わらない。よって、枠体40の上下貫通孔40a内に所定の空間が確保され、凹部15は上下貫通孔40a内に位置するとともに、その凹部15の下面は底板41で支持される。また、カッター刃35は、二時平面上の所定位置に位置するとともに下降移動し、枠体40の凹溝40b内の所定位置に位置する。これにより、上側フィルム20,下側フィルム12がカットされる。この状態で、カッター刃35が凹溝40b内を移動することで、包装体24が製造される。また、カッター刃35の移動によりフィルムのカットされる部位が増すと、包装体24を構成するフィルム部位が切り離されていくが、上側フィルム20と下側フィルム12は、上側フィルム抑え板33と枠体40によりしっかりと抑えられるとともに、凹部15は底板41で支持されるため、安定してカッター刃35によるカット処理が進み、きれいにカットできる。
【0041】
そして、包装体24がフィルムから切り離されて製造されたならば、
図5(c)に示すように、第二シリンダ43のシリンダロッド43aの複動作により枠体40を下降位置に位置させるとともに、第一シリンダ42を往動作させて底板41を枠体40に対して上昇移動させる。これにより、底板41で支持される包装体24は露出する。次いで、
図5(d)に示すように、第三シリンダ45が動作し、プッシャー46にて包装体24を搬出コンベア25上へ押し出す。
【0042】
本実施形態によれば、カッター装置として超音波カッター装置を用いることで、フィルムのカット方向がフィルムの搬送方向と平行でなくてもよく、各種の形状の包装体を製造することができる。また、包装体の形状を変更する場合でも、動作プログラムの変更で対応することができたり、仮に包装体の形状が大きく異なったり、列数が変更される場合などは、上側フィルム抑え板33や枠体40,底板41等を交換する必要が生じるが、その場合でも打ち抜きカッターの型を変更することに比べると、軽量・コンパクトで作業が簡易となる。なお、上側フィルム抑え板はカッター刃と一体で移動するコンパクトなものでも良い。
【0043】
(1)複数のカッター刃35を備え、フィルムから同時に複数の包装体24を切り出すようにしても良い。(2)カッターの切り込み深さを変更してカットしても良い(凹部の位置、カット処理個数等によって、カッターの切り込み深さ変更する。)(3)カッターの切り込み深さを変更しつつカットしても良い(切り始めは、カッター刃をフィルムに深く挿入して、切断中に前記カッターの切り込み深さが浅くなるようにカッター刃を上昇させながらカットする。カッター刃の全体を使用してカットすることで、カッター寿命を延ばすことができる。)(4)切り始め、及び切り終わりの切断線とが確実に交じり合うように軌跡を設定するようにすると良い。(切り残し(連結部分)が無くなり、確実に切り抜くことができる。直線部分でなく、コーナー部分で切り始め、及び切り終わりの切断線とが交じ合うようにすると良い。形状の違いが目立たなくなる。)(5)上記(2)、(3)のカッター装置は、超音波カッター装置でなくても良い。