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特開2015-74497ガゼット形成装置及びエンドシール装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-74497(P2015-74497A)
(43)【公開日】2015年4月20日
(54)【発明の名称】ガゼット形成装置及びエンドシール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20150324BHJP
   B65B 9/06 20120101ALI20150324BHJP
【FI】
   B65B51/10 V
   B65B9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-214297(P2013-214297)
(22)【出願日】2013年10月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】和田 康弘
【テーマコード(参考)】
3E050
3E094
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA04
3E050DC02
3E050DC08
3E050DF03
3E050FA02
3E050FB02
3E050FB07
3E050FC04
3E050GA01
3E050GB06
3E050GC02
3E050GC07
3E094AA13
3E094BA11
3E094DA07
3E094DA08
3E094EA04
3E094FA04
3E094HA05
3E094HA10
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成で綺麗にガゼットを形成すること
【解決手段】 トップシーラ33a,33bと一体となって昇降移動する第三シリンダ52を備え、ガゼット爪71は、板カム53(カム面54)とカムフォロア73を介して第三シリンダに連係され、トップシーラの昇降移動に伴いシリンダとともに昇降する。トップシーラの接近に伴いガゼット爪は接近し筒状フィルムの側面を内包に押し込み、トップシーラが噛み合う際に第三シリンダが動作して、板カムを上昇させ一対のガゼット爪を離反させる制御を行う。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物が所定間隔ごとに内包されて搬送されてくる筒状フィルムの所定部位を、所定の軌跡で公転移動する一対のトップシーラ間に挟んで横方向にシールする自動包装機のエンドシール部に設けられ、
前記トップシーラによるシールに先だって前記筒状フィルムのエンドシール部位の前後にわたる進行方向両側面を、左右に配置した一対のガゼット爪または左右いずれかに配置したガゼット爪にて内方に向けて押し込んで前記筒状フィルムの側面に折り目を付けてガゼットを形成するガゼット形成装置であって、
前記トップシーラと一体となって昇降移動するシリンダを備え、
前記ガゼット爪は、カム機構を介して前記シリンダに連係され、
前記カム機構は、前記トップシーラの昇降移動に伴い前記シリンダとともに昇降するようにし、
前記トップシーラが噛み合う際に前記シリンダが動作して、前記ガゼット爪を外方に向けて移動させる制御を行えるようにしたことを特徴とするガゼット形成装置。
【請求項2】
前記カム機構は、前記シリンダのシリンダロッドに連係され、そのシリンダロッドの往復動作に伴い昇降移動する板カムを備え、
前記ガゼット爪は、前記板カムにカムフォロアを介して連係させ、前記板カムの昇降移動に追従して水平方向に移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のガゼット形成装置。
【請求項3】
前記板カムは、前記カムフォロアを案内するカム面として上下方向に伸びる直線部分と、その直線部分に連続し徐々に前記トップシーラの中央側に近づく傾斜部分を備えることを特徴とする請求項2に記載のガゼット形成装置。
【請求項4】
被包装物を内包する包装フィルムを、その包装フィルムの進行方向横方向にシールするエンドシール装置であって、
前記包装フィルムを挟んで上下に配置されるトップシーラと、
そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で公転移動させる駆動機構と、
前記トップシーラの前後方向の移動に追従して筒状フィルムの搬送方向に沿って移動する請求項1〜3のいずれかに記載のガゼット形成装置と、
を備えたことを特徴とするエンドシール装置。
【請求項5】
前記駆動機構は、前記トップシーラを上下移動させるための機構と、前記トップシーラを前後進移動させるため機構とが、それぞれ別の駆動源の出力に基づいて動作するように構成し、
少なくとも前記トップシーラを上下移動させるための機構の駆動源は、駆動用シリンダにより構成されることを特徴とする請求項4に記載のエンドシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動包装機のエンドシール部に設けられるガゼット形成装置並びにエンドシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装機の一形態であるピロー包装機は、以下のような構成を備えている。まず、原反フィルムに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋された筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には被包装物搬送供給装置を配置し、その被包装物搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される被包装物が、製袋器内に供給される。これにより、被包装物が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その被包装物は筒状フィルムとともに搬送される。その搬送方向に沿って、センターシール装置並びにエンドシール装置が配置されている。センターシール装置は、筒状フィルムのフィルム重合端をシールするものである。エンドシール装置は、筒状フィルムの所定位置(前後の被包装物が存在していない部分)を進行方向横方向にシールするとともに、カットすることで、先端の被包装物が収納された筒状フィルムの部分を後続の筒状フィルムから分離し、包装体を製造するようになる。
【0003】
上記のエンドシール装置の一形態として、筒状フィルムを挟んで上下に配置される一対のトップシーラ(カッター刃が内蔵されている)と、そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構とを備えたものがある。そして、上下のトップシーラは、筒状フィルムの所定位置を上下から挟み込んだ状態で一定量だけ筒状フィルムとともに前進移動する。これにより、筒状フィルムの挟まれた部位が熱シールされるとともに、カットされる。
【0004】
一方、包装体の形態には多種多様のものがあるが、その中の一つとして図1(a)に示すような、エンドシール部1の近傍のフィルム側面に、内方に折り込まれた折り目( ガゼット)2が形成されたガゼット付き包装体3がある。このガゼット付き包装体3を製造するには、通常、上述したようなピロー包装機を用いてピロー包装処理をし、図1(b)に示すように、最終工程のエンドシールを施す前(或いはそれと同時)に、筒状フィルム7のエンドシールされる部位近傍の両側面を、ガゼット爪4にて内方に押し込むことにより、ガゼット2を形成するようにしている。
【0005】
ここで、上記ガゼット爪4はカム・リンク機構等の駆動力伝達手段によってエンドシール装置のトップシーラ5の動きに同期させて内方に向けて往復駆動させるようにしており、その駆動力は上記トップシーラ5を回転駆動させている回転軸から取り出している。
【0006】
すなわち、トップシーラ5の回転軸の端部にこれより駆動力を取り出す円筒カムを設けるとともに、この円筒カムにその回転運動を往復揺動回転運動に変換する揺動レバーを係合させて設ける。そして、係る揺動レバーの出力端と上記ガゼット爪4とを適宜なリンク機構で機械的に連繋させて、揺動レバーの往復揺動運動を直線往復運動に変換しつつガゼット爪4に伝達するようにしている。なお、係るガゼット形成装置は、例えば特許文献1等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4294983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のガゼット形成装置は、円筒カムを用いていたため構造が複雑で装置の大型化を招くとともに、例えばガゼット爪の移動ストロークを変更したり、動作タイミングを変更したりする場合に、円筒カムのカム溝の設計変更から行わなければならず煩雑であった。また、円筒カムを回転駆動する駆動源が必要となり、従来の装置ではトップシーラ5を回転駆動させている回転軸に連係するようにしている。一方、エンドシール装置の駆動源として、駆動モータを用いない場合や、トップシーラの前後方向と上下方向の移動を別の駆動源に基づき行い、少なくともガゼット爪の移動のタイミングをとりやすいトップシーラの上下方向の移動の駆動源が駆動モータでない場合には、円筒カムの回転に必要な回転動力をとることができないという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明のガゼット形成装置は、(1)被包装物が所定間隔ごとに内包されて搬送されてくる筒状フィルムの所定部位を、所定の軌跡で公転移動する一対のトップシーラ間に挟んで横方向にシールする自動包装機のエンドシール部に設けられ、前記トップシーラによるシールに先だって前記筒状フィルムのエンドシール部位の前後にわたる進行方向両側面を、左右に配置した一対のガゼット爪または左右いずれかに配置したガゼット爪にて内方に向けて押し込んで前記筒状フィルムの側面に折り目を付けてガゼットを形成するガゼット形成装置であって、前記トップシーラと一体となって昇降移動するシリンダを備え、前記ガゼット爪は、カム機構を介して前記シリンダに連係され、前記カム機構は、前記トップシーラの昇降移動に伴い前記シリンダとともに昇降するようにし、 前記トップシーラが噛み合う際に前記シリンダが動作して、前記ガゼット爪を外方へ移動させる制御を行えるようにした。
【0010】
上下一対のトップシーラが接近すると、ガゼット爪が互いに接近移動し、その先端が筒状フィルムの側面を内包に押し込む。トップシーラは、一定期間筒状フィルムを挟んだまま前進移動する。トップシーラが噛み合う際にシリンダが動作して、ガゼット爪は外方に移動(一対のガゼット爪が離反)し、筒状フィルムの側面から離れる。よって、熱シールする際には、ガゼット爪は退避しているため、綺麗にガゼットを形成しつつシールすることができる。
【0011】
(2)前記カム機構は、前記シリンダのシリンダロッドに連係され、そのシリンダロッドの往復動作に伴い昇降移動する板カムを備え、前記ガゼット爪は、前記板カムにカムフォロアを介して連係させ、前記板カムの昇降移動に追従して水平方向に移動するように構成するとよい。このようにすると、簡単な構成できるのでよい。
【0012】
(3)前記板カムは、前記カムフォロアを案内するカム面として上下方向に伸びる直線部分と、その直線部分に連続し徐々に前記トップシーラの中央側に近づく傾斜部分を備えるとよい。このようにすると、上下方向の移動に対するガゼット爪の水平方向の移動距離の対比が簡易となり、設計・制御・調整が容易に行えるのでよい。傾斜部分は、傾斜角度を45度とすると、上下方向の移動距離に対するガゼット爪の水平方向の移動距離が一致するので、制御が簡単になりより好ましい。
【0013】
(4)本発明のエンドシール装置は、被包装物を内包する包装フィルムを、その包装フィルムの進行方向横方向にシールするエンドシール装置であって、前記包装フィルムを挟んで上下に配置されるトップシーラと、そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で公転移動させる駆動機構と、前記トップシーラの前後方向の移動に追従して筒状フィルムの搬送方向に沿って移動する(1)〜(3)のいずれかに記載のガゼット形成装置と、を備るとよい。
【0014】
(5)前記駆動機構は、前記トップシーラを上下移動させるための機構と、前記トップシーラを前後進移動させるため機構とが、それぞれ別の駆動源の出力に基づいて動作するように構成し、少なくとも前記トップシーラを上下移動させるための機構の駆動源は、駆動用シリンダにより構成されるものとするとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単な構成で綺麗にガゼットを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)はガゼット付き包装体の一例を示す図であり、(b)は、ガゼット形成装置の一部を示す概略斜視図である。
図2】本発明の好適な一実施の形態を示す図である。
図3】エンドシール装置の側面図である。
図4】エンドシール装置の斜視図である。
図5】エンドシール装置の斜視図である。
図6】作用・動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2は、本発明のガゼット形成装置を装着するエンドシール装置ひいてはピロー包装機の一例を示している。本実施形態のピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して被包装物13を所定間隔毎に供給する被包装物搬送供給装置14とを備えている。
【0018】
フィルム供給装置12は、帯状フィルム15をロール状に巻き取った原反フィルム16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反フィルム16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、図示省略しているが、原反フィルム16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラを配置し、原反フィルム16から送り出された帯状フィルム15は、そのローラに掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。また、必ずしも原反フィルム16に駆動モータを連係する必要はなく、包装フィルムの搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0019】
被包装物搬送供給装置14は、前後に配置されたスプロケット17(図では、進行方向前方のみ記載)と、その複数のスプロケット17に掛け渡されたエンドレスチェーン18と、そのエンドレスチェーン18に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー19とにより構成される。これにより、被包装物13の後面に押送フィンガー19が突き当たると、押送フィンガー19の移動に伴い、被包装物13も前進移動する。
【0020】
包装機本体11は、供給される帯状フィルム15を筒状フィルム21に整袋する製袋器20と、その製袋器20の下流側に配置されたセンターシール装置24と、そのセンターシール装置24の下流側に配置され、筒状フィルム21を搬送するベルトコンベア23と、ベルトコンベア23の上方に配置された上側抑えベルト25と、ベルトコンベア23の下流側に配置されたエンドシール装置30と、エンドシール装置30の下流側に配置された搬出コンベア26と、を備えている。
【0021】
製袋器20は、フィルム供給装置12から連続して供給される帯状フィルム15を通過させることで、帯状フィルム15の両側端縁部15a同士を接触(重合)させるとともに、筒状となった筒状フィルム21に整袋するものである。また、被包装物搬送供給装置14から包装機本体11に対して順次供給される被包装物13は、製袋器20内に挿入される。これにより、製袋器20に供給された被包装物13は、筒状フィルム21内に所定間隔ごとに配置されることになる。
【0022】
センターシール装置24は、重合された帯状フィルム15の両側端縁部15aをシールする。このセンターシール装置24は、帯状フィルム15の両側端縁部15aを両側から挟み込みながら加熱することで熱シールする。
【0023】
上側抑えベルト25は、エンドシール装置30の上流側の直近に配置されており、筒状フィルム21内の被包装物13が上方に持ち上がるのを抑制し、水平状態を保持しながら搬送できるようにしている。
【0024】
エンドシール装置30は、筒状フィルム21に対し、進行方向と直交する方向、つまり、横断する方向にシールすると共にカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の被包装物13の間の所定位置である。これにより、エンドシール装置30を通過することで、筒状フィルム21の先頭部分は、後続から分離され、包装体27が製造される。
【0025】
エンドシール装置30は、筒状フィルム21を挟んで上下に対向配置される上側トップシーラ33aと下側トップシーラ33bを備え、それら両トップシーラ33a,33bのシール面33a′,33b′を対向させた状態を保持しながらそれぞれを所定の軌跡で公転移動させるようになっている。
【0026】
具体的には、図3図5に示すように、筒状フィルム21の搬送経路の周囲を囲むとともに、筒状フィルム21の搬送方向に沿って前後進移動可能に機枠35を配置する。機枠35は、帯板状の天板35aと、帯板状の底板35cを上下に所定の間隔を置いて配置し、それら天板35aと底板35cを左右に配置した側壁35bで連結して構成する。側壁35bは、左右の各辺においてそれぞれフィルムの搬送方向に沿って前後に所定の間隔を置いて2枚配置する。
【0027】
機枠35の下方には、筒状フィルム21の進行方向に沿って、2本の第一ガイドレール34がベース31上に設置されている。この第一ガイドレール34に符合するスライダ38が、機枠35の外周側の底板35cの所定位置に接続されている。これにより、スライダ38が第一ガイドレール34に沿って前後進移動することに伴い、機枠35も安定して前後進移動する。
【0028】
この前後進移動の駆動源は、駆動モータ39を用いている。すなわち、ベース31の下方所定位置に配置した駆動モータ39の回転出力は、動力変換機構40を介して垂直方向に伸びる回転軸、ひいてはその回転軸に連結されたアーム41に伝達される。アーム41は、駆動モータ39の回転出力を受けて、回転軸を中心に所定方向に回転する。そして、アーム41の先端連結部は、機枠35の底板35cに対して底板35cの長手方向に沿って相対的に往復直線移動可能に連係される。底板35cはスライダ38と第一ガイドレール34の連係により、フィルムの搬送方向と平行な前後方向にのみ移動が許容されているので、アーム41の回転に伴い機枠35ひいては機枠35に取り付けられたトップシーラ33a,33bが前後進移動する。そして、そのときの移動速度は、駆動モータ39の回転速度に応じて変更できる。また、本実施形態では、駆動モータ39は、サーボモータ等の回転速度の制御可能なモータを用いている。
【0029】
一方、左右の側壁35b間に渡るように上側シーラ取付台45と、下側シーラ取付台46を昇降移動可能に配置する。より具体的には、上側シーラ取付台45は、その両端がそれぞれ左右に配置した前後2枚の側壁35b間の空間を通って外側に突出し、上側シーラ取付台45は、前後2枚の側壁35b間の空間内を昇降移動する。そして、上側シーラ取付台45は、その下面に上側トップシーラ33aを取り付ける。また、下側シーラ取付台46は、その両端がそれぞれ左右に配置した前後2枚の側壁35b間の空間を通って外側に突出し、下側シーラ取付台46は、前後2枚の側壁35b間の空間内を昇降移動する。そして、下側シーラ取付台46は、その上面に下側トップシーラ33bを取り付ける。また、下側シーラ取付台46は、前後2枚の側壁35b間の空間内を昇降移動する。そして、下側シーラ取付台46は、その上面に下側トップシーラ33bを取り付ける。さらに、上側シーラ取付台45と下側シーラ取付台46は、ガイド棒48に連係され、対向した状態を保持しながら昇降可能とし、さらに図示省略する第一シリンダの動力をクランク機構等の動力伝達機構を介して上下方向の付勢力を受け、昇降移動する。このとき、上側シーラ取付台45と下側シーラ取付台46は、互いに逆方向に移動し、接近離反する。よって、各シーラ取付台に取り付けられた上側トップシーラ33aと下側トップシーラ33bは、相互に接近離反し、離反した状態では筒状フィルム21を通過可能となり、接近した状態では筒状フィルム21を挟み込んで熱シールする。
【0030】
さらに、上側シーラ取付台45の上面には、第二シリンダ50を配置する。この第二シリンダ50は、上側トップシーラ33aに内蔵されるカッター刃に連係され、そのカッター刃を上側トップシーラ33aに対して相対的に昇降する。つまり、上側トップシーラ33aと下側トップシーラ33bが接近して筒状フィルム21を所定の圧力で挟み込んで熱シールした状態で第二シリンダ50を作動させてカッター刃を相対的に下降移動し、筒状フィルム21をカットする。
【0031】
本実施形態では、上記の構成のエンドシール装置30に対し、以下に示すガゼット形成装置51を設けた。このガゼット形成装置51は、図1(b)に示すように、筒状フィルムの側面両側に位置するガゼット爪71と、そのガゼット爪71を移動させる駆動機構(後述)を備えている。
【0032】
ガゼット爪71は、先端が二股状に分岐したベースプレート71aの先端に爪部71bを取り付けた構成となる。ガゼット爪71は、所望の高さ位置を維持しながら互いに接近離反移動する。そして、筒状フィルム21のうち、被包装物13が収納されている部分が通過している間、一対のガゼット爪71は、離反してその先端の爪部71bが筒状フィルム21の側面よりもさらに外側の待機位置に位置する。そして、両トップシーラ33a,33bの前後にそれぞれ被包装物13が存在し、両トップシーラ33a,33b間に筒状フィルム21のみが存在するような相対位置関係のときに、各ガゼット爪71が内側(筒状フィルム側)に向かって移動(互いに接近移動)する。そして、その爪部71bが筒状フィルム21の側面に接触し、それを内方に押し込むことにより、筒状フィルム21の側面にガゼット(折り目)を形成する。
【0033】
ガゼット爪71は、上述の通り対向する先端に取り付けた爪部71bが筒状フィルム21の両側面をそれぞれ内方に向けて押し込み可能となっているが、その爪部71bの反対側のベースプレート71aの基端の下面には、スライダが取り付けられている。このスライダは、ガイドレールに連携され、そのガイドレールに沿って往復直線移動可能となる。そして、ガイドレールは、所定の連結機構によってエンドシール装置30の機枠35に連結され、トップシーラ33a,33bと平行に伸びる姿勢が保たれる。これにより、ガイドレールひいてはガゼット爪71は、トップシーラ33a,33bの軸方向に沿って水平状態の姿勢を保持したまま安定して往復移動する。なお、ガゼット爪71が水平状態の姿勢を保持したまま往復移動することをガイドする機構は、上述したスライダとガイドレールの機構に限るものではなく、各種の構造で行うことができる。
【0034】
一方、ガゼット爪71を移動させる駆動機構は、以下のように構成される。まず上側シーラ取付台45に第三シリンダ52を連結して一体化する。これにより、第三シリンダ52は、そのシリンダロッドが上下方向に往復移動するように取り付けられる。そのシリンダロッドに板カム53を連結する。板カム53は、垂直平面内に位置し、所定形状のカム面54を備える。カム面54は、板カム53を貫通する貫通孔から構成され、上下方向に延びる直線部54aと、その直線部54aの上端に連続して中央に向けて斜め上方に延びる傾斜部54bを備える。傾斜部54bの傾斜角度は45度に設定している。これにより、板カム53は、上側シーラ取付台45ひいては上側トップシーラ33aと一体になって昇降移動し、さらに、第三シリンダ52が往復動作することで、上側トップシーラ33aに対して相対的に昇降移動する。よって、例えば上側トップシーラ33aが一時停止している場合でも、板カム53は、昇降移動可能となる。
【0035】
そして、ガゼット爪71のベースプレート71aの基端側に、外側に伸びるように連結プレート72を取り付け、その連結プレート72の先端に、板カム53のカム面54に連係するカムフォロア73を装着する。ガゼット爪71の高さ位置は一定であるため、カムフォロア73の高さ位置も一定となる。よって、板カム53が昇降すると、カム面54内におけるカムフォロア73の位置が変位する。具体的には、カムフォロア73が直線部54aに位置しているときは、カムフォロア73ひいてはガゼット爪71は離反し外側に位置した状態となる。一方、カムフォロア73が傾斜部54bに位置しているときは、カムフォロア73ひいてはガゼット爪71は、互いに徐々に接近し、爪部71bが筒状フィルム21を押し込み可能となる。
【0036】
次に、本実施形態の作用(ガゼット形成)を説明する。上側トップシーラ33a(上側シーラ取付台45)と下側トップシーラ33b(下側シーラ取付台46)が上下方向に離反し筒状フィルムが通過可能なエンドシール装置30の待機状態では、第三シリンダ52のシリンダロッドは往動作により伸張し、板カム53は上側トップシーラ33aに対して相対的に下降位置に至る。エンドシール装置30が待機状態にあり、板カム53が下降位置にあるときは、カムフォロア73は、カム面54の直線部54aに位置する。これにより、左右一対のガゼット爪71は、互いに離反し、先端の爪部71b間の距離は筒状フィルム21の横幅よりも広くなり、筒状フィルム21が通過可能となる。
【0037】
この状態から第一シリンダを作動させて上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33bを接近移動させると、上側トップシーラ33aとともに板カム53も下降移動し、図6(a)に示すようにカムフォロア73はカム面54の傾斜部54bに位置し、ガゼット爪71は互いに接近移動する。そして、さらに上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33bが接近すると、図6(b)に示すように、カムフォロア73は傾斜部54bの上端付近に移動し、爪部71b間の間隔はさらに狭くなる。これにより、爪部71bが筒状フィルムの側面を内方に押し込みがゼットを形成する。
【0038】
そして、本実施形態では、上側トップシーラ33aと下側トップシーラ33bが接触して筒状フィルムを熱シールする直前に第三シリンダ52を復動作させてシリンダロットの先端、すなわち、板カム53を上側トップシーラ33aに対して相対的に上昇移動させる。これにより、図6(c)に示すように、上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33bが筒状フィルムを上下から挟み込んで熱シールする際には、カムフォロア73はカム面54の直線部54aに復帰させる。これにより、ガゼット爪71は互いに離反移動し、先端の爪部71bは筒状フィルムの側面から離れる。このように、熱シールする際には、ガゼット爪71は退避しているため、綺麗にガゼットを形成しつつシールすることができる。
【0039】
図6(c)に示す上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33bが筒状フィルムを挟み込んで加熱・加圧している状態を一定時間維持(この間、筒状フィルムの移動方向に沿って前進移動している)し、確実に熱シールする。また、この上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33bが筒状フィルムを挟み込んでいる間の所定タイミングで第二シリンダ50が往動作して上側トップシーラ33a内のカッターが下降移動し、筒状フィルムを横方向にカットする。次いで、第二シリンダ50は複動作してカッター刃が上昇し的純一に復帰する。
【0040】
その後、第一シリンダの作用により上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33bは離反し(図6(d))、ガゼット付きの包装体が製造される。そして、第三シリンダ52が往動作すると、板カム53は下降移動し、次のエンドシール処理&ガゼット形成処理に待機する。なお、上述した説明では、待機状態ではカムフォロア73はカム面54の直線部54aに位置するとしていたが、例えば筒状フィルムの横幅が狭いなど爪部71bが筒状フィルムに非接触であれば、例えば図6(a)に示すように、カムフォロア73が傾斜部54bに位置するようにしても良い。ガゼット爪をカム機構にしたことで、シリンダー駆動に比べて、ガゼット爪の位置を正確に拾うことができるので、シーラとの動作のタイミングを正確にとることができる。
【0041】
上述した実施形態では、機枠35(上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33b)を前後進移動させるための駆動源として駆動モータ39を用いたが、本発明はこれに限ることはなく例えばシリンダを用いても良い。また、上側トップシーラ33a,下側トップシーラ33bを前後進移動させるための駆動源と、上下方向に移動させるための駆動源を別系統としたが、同一の駆動源に基づいて動作するようにしても良い。第三シリンダ52のストロークを規制するストッパをストローク方向の位置を調整可能なように設けるとよい。係る構成を採ると、ガゼット爪の突き出し量を調整することができ、ガゼット爪の交換が不要となるのでよい。なおまた、上述した実施形態では、ガゼット爪は、左右両側に配置したが、一方に配置するものでも良い。
【符号の説明】
【0042】
10 ピロー包装機
11 包装機本体
12 フィルム供給装置
13 被包装物
14 被包装物搬送供給装置
15 帯状フィルム
16 原反フィルム
20 製袋器
21 筒状フィルム
24 センターシール装置
27 包装体
30 エンドシール装置
33a 上側トップシーラ
33b 下側トップシーラ
39 駆動モータ
45 上側シーラ取付台
46 下側シーラ取付台
48 第一シリンダ
50 第二シリンダ
51 ガゼット形成装置
52 第三シリンダ
53 板カム
54 カム面
54a 直線部
54b 傾斜部
71 ガゼット爪
71b 爪部
72 連結プレート
73 カムフォロア
図1
図2
図3
図4
図5
図6