特開2015-74908(P2015-74908A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-74908トラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置および該つなぎ装置を使用した移動昇降式足場によるトラス式鉄塔の建設・補修方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-74908(P2015-74908A)
(43)【公開日】2015年4月20日
(54)【発明の名称】トラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置および該つなぎ装置を使用した移動昇降式足場によるトラス式鉄塔の建設・補修方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/06 20060101AFI20150324BHJP
   E04G 3/28 20060101ALI20150324BHJP
【FI】
   E04G5/06 C
   E04G3/28 301H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-210968(P2013-210968)
(22)【出願日】2013年10月8日
(11)【特許番号】特許第5456201号(P5456201)
(45)【特許公報発行日】2014年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】591182961
【氏名又は名称】日本仮設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513253504
【氏名又は名称】藤田 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104330
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 誠二
(72)【発明者】
【氏名】菊原 歩
(72)【発明者】
【氏名】三浦 久喜
(72)【発明者】
【氏名】藤田 秀雄
【テーマコード(参考)】
2E003
【Fターム(参考)】
2E003AA02
2E003AB01
2E003CA01
2E003CB01
2E003EB04
(57)【要約】
【課題】工期面や安全面等で優れた効果を有するトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置及びこのつなぎ装置を使用した移動昇降式足場によるトラス式鉄塔の建設・補修方法を提供することである。
【解決手段】1又は複数の細長い部材(12a、12b)によって構成され、一方の端部が横方向部材にピン接合具(18)を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第1のつなぎ材(12)と、1又は複数の細長い部材(14a、14b)によって構成され、一方の端部が横方向部材にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第2のつなぎ材(14)と、第1および第2のつなぎ材の自由端をトラス式鉄塔の所望の部材に固定するための固定具(19)とを備えることを特徴とするつなぎ装置(10)が提供される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置であって、
1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が前記細長い部材に対して実質的に直交するように配置された横断部材にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第1のつなぎ材と、
前記第1のつなぎ材に隣接して位置し、1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が前記横断部材にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第2のつなぎ材と、
前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端をトラス式鉄塔の所望の部材に固定するための固定具とを備え、
前記横断部材を足場の所定箇所に取り付け、前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端を前記固定具によってトラス式鉄塔の所望の部材に選択的に固定したり固定解除したりするように構成されていることを特徴とする壁つなぎ装置。
【請求項2】
前記第1のつなぎ材を構成する前記細長い部材の前記一方の端部を、前記横断部材から取り外すことができ、前記第2のつなぎ材を構成する前記細長い部材の前記一方の端部を、前記横断部材から取り外すことができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載された壁つなぎ装置。
【請求項3】
トラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置であって、
1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が足場の所定箇所にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第1のつなぎ材と、
前記第1のつなぎ材に隣接して位置し、1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が前記足場の所定箇所にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第2のつなぎ材と、
前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端をトラス式鉄塔の所望の部材に固定するための固定具とを備え、
前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端を前記固定具によってトラス式鉄塔の所望の部材に選択的に固定したり固定解除したりするように構成されていることを特徴とする壁つなぎ装置。
【請求項4】
前記第1のつなぎ材および前記第2のつなぎ材の前記横断部材又は前記足場の所定箇所への取り付けが、垂直方向、水平方向、斜め上方向、又は斜め下方向に回転可能なものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載されたつなぎ装置。
【請求項5】
前記トラス式鉄塔が、無線鉄塔、送電鉄塔、各種アンテナの支持用鉄塔、煙突支持用鉄塔、気象観測用鉄塔、消防用鉄塔のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたつなぎ装置。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたつなぎ装置を使用した移動昇降式足場によるトラス式鉄塔の建設・補修方法であって、
昇降する足場となる作業用ステージ、及び前記作業用ステージが昇降する際のガイドレールとなるマストを有する移動昇降式足場を準備する第1段階と、
前記作業用ステージを上昇させ、前記鉄塔の上端近傍まで所定高さのところで、前記つなぎ装置を介して前記マストと前記鉄塔の所望の部材とをそれぞれ接続する第2段階と、
前記トラス式鉄塔の下方から上端近傍まで前記作業ステージを順次上昇させて建設又は補修作業を行う第3段階と、
前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端を前記固定具によってトラス式鉄塔の所望の部材に選択的に固定したり固定解除して前記作業を行う第4段階と、
前記作業が完了後、前記つなぎ装置および前記マストを逐次取り外しながら、前記作業用ステージを地上まで下降させる第5段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラス式鉄塔の建設・補修工事に用いられるつなぎ装置および該つなぎ装置を使用した移動昇降式足場によるトラス式鉄塔の建設・補修方法に関する。本発明におけるトラス式鉄塔としては、例えば送電鉄塔の他、種々のトラス式鉄塔があげられる。
【背景技術】
【0002】
従来、塔状構造物を建設し或いは補修する際には、枠組足場や単管足場を組んだり、ゴンドラを使用したりして作業が行われていた。本発明者は、塔状構造物のうち無線鉄塔のような円筒構造物の建設・補修工事に使用する新規な壁つなぎバンドを下記の特許文献1において提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5299982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
塔状構造物の各種工事において足場を使用すると、枠組足場や単管足場等の組立や解体に手間がかかり、コスト面や工期面で不利であるという課題がある。また、ゴンドラを使用して作業すると、風の影響により工事の中断を余儀なくされることがあり、工期や安全上の点からも問題がある。さらに、足場の組立や解体、ゴンドラの設置には、高所作業や危険作業を伴うため、墜落落下等の事故が発生するおそれがある。本発明者は、これらの点を考慮し、上述のように新規な壁つなぎバンドを開発し、これにより塔状構造物のうち円筒構造物の建設・補修工事についてはこのような不都合は解消されたが、トラス式鉄塔の建設・補修工事においては、依然としてこのような不都合が解消されない状態であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、上述の従来技術の課題を克服し、工期面や安全面等で優れた効果を有するトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置および該つなぎ装置を使用した移動昇降式足場によるトラス式鉄塔の建設・補修方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載のトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置は、1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が前記細長い部材に対して実質的に直交するように配置された横断部材にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第1のつなぎ材と、前記第1のつなぎ材に隣接して位置し、1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が前記横断部材にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第2のつなぎ材と、前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端をトラス式鉄塔の所望の部材に固定するための固定具とを備え、前記横断部材を足場の所定箇所に取り付け、前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端を前記固定具によってトラス式鉄塔の所望の部材に選択的に固定したり固定解除したりするように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項2に記載のトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置は、前記請求項1の装置において、前記第1のつなぎ材を構成する前記細長い部材の前記一方の端部を、前記横断部材から取り外すことができ、前記第2のつなぎ材を構成する前記細長い部材の前記一方の端部を、前記横断部材から取り外すことができるように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項3に記載のトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置は、1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が足場の所定箇所にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第1のつなぎ材と、前記第1のつなぎ材に隣接して位置し、1又は複数の細長い部材によって構成され、一方の端部が前記足場の所定箇所にピン接合具を介して回転可能に取り付けられ、他方の端部が自由端となっている第2のつなぎ材と、前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端をトラス式鉄塔の所望の部材に固定するための固定具とを備え、前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端を前記固定具によってトラス式鉄塔の所望の部材に選択的に固定したり固定解除したりするように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本願請求項4に記載のトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置は、前記請求項1から請求項3までのいずれか1項の装置において、前記第1のつなぎ材および前記第2のつなぎ材の前記横断部材又は前記足場の所定箇所への取り付けが、垂直方向、水平方向、斜め上方向、又は斜め下方向に回転可能なものであることを特徴とするものである。
【0010】
本願請求項5に記載のトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置は、前記請求項1から請求項4までのいずれか1項の装置において、前記トラス式鉄塔が、無線鉄塔、送電鉄塔、各種アンテナの支持用鉄塔、煙突支持用鉄塔、気象観測用鉄塔、消防用鉄塔のいずれかであることを特徴とするものである。
【0011】
本願請求項6に記載の、前記請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたつなぎ装置を用した移動昇降式足場によるトラス式鉄塔の建設・補修方法は、昇降する足場となる作業用ステージ、及び前記作業用ステージが昇降する際のガイドレールとなるマストを有する移動昇降式足場を準備する第1段階と、前記作業用ステージを上昇させ、前記鉄塔の上端近傍まで所定高さのところで、前記つなぎ装置を介して前記マストと前記鉄塔の所望の部材とをそれぞれ接続する第2段階と、前記トラス式鉄塔の下方から上端近傍まで前記作業ステージを順次上昇させて建設又は補修作業を行う第3段階と、前記第1および第2のつなぎ材の前記自由端を前記固定具によってトラス式鉄塔の所望の部材に選択的に固定したり固定解除して前記作業を行う第4段階と、前記作業が完了後、前記つなぎ装置および前記マストを逐次取り外しながら、前記作業用ステージを地上まで下降させる第5段階とを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のつなぎ装置によれば、塗装工事において第1のつなぎ材の自由端と第2のつなぎ材の自由端の固定を交互に解除することにより、移動昇降式足場のトラス式鉄塔への支持を確保しつつ、ダメ直しがなくなり、効率的な塗装作業が可能になる。本発明のつなぎ装置は、比較的簡単な構成であるため、低コストで提供することができる。また、第1および第2のつなぎ材を横断部材から取り外し可能にすることより、取り外した部材を他の用途に転用できる他、ピン接合で回転させて盛替えるのが困難な事態であっても迅速に対処可能となる。また、本発明のつなぎ装置を使用した建設・補修方法では、組立及び解体に要する時間を大幅に短縮することができるとともに、移動昇降式足場の使用により、安全性を向上させることができ、クレーンを使用しなくとも施工することができる。さらに、本発明のつなぎ装置および本発明のつなぎ装置を使用した建設・補修方法により、良好な施工性が得られ、施工効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の好ましい実施の形態に係るトラス式鉄塔建設・補修工事用つなぎ装置を示した斜視図である。
図2図2(a)は、つなぎ装置とマストとの接続部を示した側面図、図2(b)は、図2(a)の線2b−2bに沿って見た図である。
図3図3(a)は、図2(b)の部分3aの拡大図、図3(b)は、図3(a)の線3b−3bに沿って見た図である。
図4図1のつなぎ装置を用いて工事が行われるトラス式鉄塔を示した全体図である。
図5図4の部分5の拡大図である。
図6図6(a)および(b)は、移動昇降式足場の細部を示した図である。
図7図1のつなぎ装置の使用手順の一例を示した図である。
図8図8(a)は、つなぎ装置の変形形態を示した平面図、図8(b)および(c)は、つなぎ装置の別の変形形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係るトラス式鉄塔(以下、単に「鉄塔」という)建設・補修工事用つなぎ装置(以下、単に「つなぎ装置」という)について詳細に説明する。図1において全体として参照符号10で示される本発明の好ましい実施の形態に係るつなぎ装置は、第1のつなぎ材12と、第2のつなぎ材14とを備えている。
【0015】
第1のつなぎ材12は、ほぼ平行に配置された一対の細長い部材12a、12bによって構成されている。各部材12a、12bは、一方の端部12a1、12b1が部材12a、12bに対して実質的に直交するように配置された横断部材16に回転可能に取り付けられており、他方の端部12a2、12b2が自由端となっている。
【0016】
第2のつなぎ材14も、第1のつなぎ材12と同様に、ほぼ平行に配置された一対の細長い部材14a、14bによって構成されている。そして、各部材14a、14bは、一方の端部14a1、14b1が部材14a、14bに対して実質的に直交するように配置された横断部材16に回転可能に取り付けられており、他方の端部14a2、14b2が自由端となっている。
【0017】
第2のつなぎ材14は、図1に示されるように、第1のつなぎ材12に隣接して(すなわち、部材14aが部材12aのすぐ外側に、部材14bが部材12bのすぐ外側に)配置されている。
【0018】
なお、第1および第2のつなぎ材12、14を構成する各部材は、円形パイプとして図示されているが、他の適当な部材(例えば、角パイプ、丸棒、角棒、各種型鋼など)を使用してもよい。また、第1および第2のつなぎ材12、14の横断部材16への回転可能な取り付けには、ピン接合が可能な専用部材18を準備して使用してもよいし、ピン接合が可能な市販のクランプを使用してもよい。
【0019】
つなぎ装置10はまた、第1および第2のつなぎ材12、14の自由端を鉄塔の所望の部材に固定するための固定具19を備えている。固定具19としては、専用の固定具を準備して使用してもよいし、市販のガードクランプを使用してもよい。なお、固定具19の使用に際して固定具19により鉄塔の部材が傷付けられることのないように、固定具19と鉄塔の部材の表面との間に、保護パッド19aを挿入するのが好ましい。保護パッド19aとしては、例えば、鉄板をコの字形に形作り、コの字形の内側に弾性材料(ゴム等)を貼ったもの等が使用される。
【0020】
次に、図4に示されるようなトラス式の無線鉄塔の構成部材(柱材、水平材、ブレース材など)の塗装工事を行う場合を例にとり、つなぎ装置10を使用した工事の手順について説明する。
【0021】
工事には、図5に示されるような移動昇降式足場20を使用する。この移動昇降式足場20自体は公知の装置であり、昇降する足場となる作業用ステージ22と、作業用ステージ22が昇降する際のガイドレールとなる四角筒形状のマスト24とを有している。マスト24は、所定長さのものを順次上端にボルト等で継ぎ足して所要高さを確保するようになっている。作業用ステージ22には、図6(a)に示されるように、モータ(図示せず)およびモータによって駆動されるピニオンギア22aが配置され、マスト24の一面には、ピニオンギア22aに噛み合うラック24aが配置されており、モータを作動させてピニオンギア22aを回転させることにより、ピニオンギア22aとラック24aとの噛み合わせにより作業用ステージ22を昇降させるように構成されている。なお、作業用ステージ22の昇降を安定的に行うため、マスト24の隅部に接するガイドローラ22bが設けられている(図6(b)参照)。
【0022】
まず最初に、移動昇降式足場20を準備し、地上から作業用ステージ22を上昇させ、所定高さのところで、つなぎ装置10を介して、マスト24と鉄塔の所望の部材とを接続する。このようにして、鉄塔の上端近傍の箇所まで、つなぎ装置10及びマスト24を設置する。
【0023】
つなぎ装置10は、マスト24に設けられているつなぎステー26に横断部材16を固定することによって設置される。横断部材16のつなぎステー26への固定は、締結具(クランプ)を用いて行われる。横断部材16をつなぎステー26に固定した後、横断部材16に第1および第2のつなぎ材12、14をピン接合する。そして、第1のつなぎ材12の自由端及び/又は第2のつなぎ材14の自由端を鉄塔の所望の部材に固定具19を用いて固定することによって、鉄塔と移動昇降式足場20がつなぎ装置10を介して接続されることとなる。
【0024】
図2(a)、図2(b)、図3(a)、及び図3(b)は、つなぎ装置10を介したマスト24と鉄塔との接続部の一例を示した図である。
【0025】
以上のようにしてつなぎ装置10及びマスト24を設置した後、鉄塔の下方から上端近傍まで作業ステージ22を順次上昇させ、作業ステージ22上から塗装作業を行う。
【0026】
その際、図7に示されるように、第1のつなぎ材12の自由端と第2のつなぎ材14の自由端の固定解除を交互に行うことにより、マスト24の支持を確保しつつ、ダメ直しのない円滑な塗装作業を実施することができる。すなわち、図7(a)において、第1のつなぎ材12の自由端を鉄塔の水平材(L型鋼等)に固定する。この状態で、第2のつなぎ材14の自由端が固定される水平材の箇所の塗装を行う。次いで、図7(b)において、第2のつなぎ材14の自由端を下方に回転させ、第1のつなぎ材12と同様に第2のつなぎ材14も水平材に固定する。次いで、図7(c)において、第2のつなぎ材14の自由端を鉄塔の水平材に固定しつつ、第1のつなぎ材12を固定解除して自由端を上方に回転させ、第1のつなぎ材12の自由端が固定される水平材の箇所の塗装を行う。このような手順を繰り返すことにより、マスト24の支持と円滑な塗装作業の両方を確実に実施することができる。
【0027】
塗装作業が全て完了すると、つなぎ装置10およびマスト24を逐次取り外しながら、作業用ステージ22を地上まで下降させ、工事が終了する。
【0028】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0029】
たとえば、図8(a)に示されるように、第1のつなぎ材12を構成する一対の細長い部材12a、12b同士を横ぶれ防止材15aで連結し、第2のつなぎ材14を構成する一対の細長い部材14a、14b同士を横ぶれ防止材15bで連結してもよい。
【0030】
また、第1のつなぎ材12および第2のつなぎ材14を横断部材16から取り外しできるように構成してもよい。図8(b)には、部材12aを回転可能かつ取外し可能に横方向部材16にピン接合するピン接合具18′の一例が示されている。ピン接合具18′は、ねじ18′bでリング18′aを締めつけて部材12aを把持するように構成されており、図8(c)に示されるように、ねじ18′bを緩めてリング18′aを開くことにより、部材12aを容易に取り外すことができるようになっている。このようにすることにより、取り外した材を他の用途に転用し易くなり、解体も容易になるほか、ピン接合で回転させて盛替えるのが困難な事態であっても迅速に対処可能となる。なお、図8(b)および(c)に示される構成は、例示的なものにすぎず、取り外し可能な他の適当な構成を採用してもよい。
【0031】
また、前記実施の形態では、第1のつなぎ材12、第2のつなぎ材14がそれぞれ2本の細長い部材で構成されているが、第1のつなぎ材12、第2のつなぎ材14がそれぞれ3本以上の細長い部材で構成されるようにしてもよいし、軽微な接続で足りる場合には、第1のつなぎ材12、第2のつなぎ材14がそれぞれ1本の細長い部材で構成されるようにしてもよい。また、前記実施の形態では、第1のつなぎ材12、第2のつなぎ材14の自由端が垂直方向に回転するように構成されているが、水平方向に回転するように構成してもよいし、斜め上方向又は斜め下方向に回転するように構成してもよい。
【0032】
また、前記実施の形態では、第1のつなぎ材12、第2のつなぎ材14が横断部材16に回転可能に取り付けられているが、第1のつなぎ材12、第2のつなぎ材14を、横断部材16を用いずに、足場の所定箇所に回転可能に取り付けてもよい。
【0033】
さらに、前記実施の形態では、トラス式の無線鉄塔の外壁の塗装工事に関連して工事の手順が説明されているが、送電鉄塔、各種アンテナの支持用鉄塔、化学プラント等の煙突支持用鉄塔、気象観測用鉄塔、消防用鉄塔などの他のトラス式鉄塔の建設・補修工事に使用してもよい。また、建設・補修工事において図5に示される移動昇降式足場20と異なる型式の足場を使用してもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 つなぎ装置
12 第1のつなぎ材
12a、12b 細長い部材
12a1、12b1 細長い部材の回転端
12a2、12b2 細長い部材の自由端
14 第2のつなぎ材
14a、14b 細長い部材
14a1、14b1 細長い部材の回転端
14a2、14b2 細長い部材の自由端
15a、15b 横ぶれ防止材
16 横断部材
18 ピン接合具
19 固定具
19a 保護パッド
20 移動昇降式足場
22 作業用ステージ
22a ピニオンギア
22b ガイドローラ
24 マスト
24a ラック
26 つなぎステー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8