【課題】薄膜形態のベゼル層でも鮮明な色を実現するとともに、薄膜では実現が困難な白色度をより効果的に向上させるだけでなく、より安定した動作を可能としたタッチセンサを提供する。
【解決手段】本発明のタッチセンサ10は、ウィンドウ基板105と、ウィンドウ基板105の周縁部に、少なくとも一層以上に形成される第1ベゼル層110と、第1ベゼル層110およびウィンドウ基板105上に形成される樹脂層150と、を含むものである。
前記電極配線は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ITO、酸化物系の透明電極およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる、請求項16または17に記載のタッチセンサ。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの様々な入力装置(Input Device)を利用して、テキストおよびグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在、入力装置の役割を担当しているキーボードおよびマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計および加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置として、タッチセンサ(touch sensor)を含むタッチパネル(touch panel)が開発された。
【0005】
タッチセンサは、電子手帳、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display Device)、PDP(Plasma Display Panel)、El(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置およびCRT(Cathode Ray Tube)などの画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが画像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
タッチセンサの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁方式(Electro−Magnetic Type)、表面弾性波方式(SAW Type;Surface Acoustic Wave Type)および赤外線方式(Infrared Type)に区分される。
【0007】
このような様々な方式のタッチセンサは、信号増幅の問題、解像度の差、設計および加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性および経済性を考慮して電子製品に採用されるが、現在、最も幅広い分野で用いられている方式は、抵抗膜方式タッチセンサおよび静電容量方式タッチセンサである。
【0008】
このようなタッチセンサは、例えば、透明基板と検知部が接着剤を介して接合された構造からなってもよく、特許文献1のように透明基板の周縁に沿って形成されたベゼル部が検知部のバスライン(Bus Line)を隠すように形成されてもよい。
【0009】
最近、IT機器において、外観デザインの重要性が益々高まっており、ディスプレイ画面も大型化している。機器の外観の大きさが増加することなくディスプレイ画面を拡大し、実物に近い色であるフルカラー(Full color)を実現するために、ベゼル部の面積である厚さのさらなる薄型化を図るための努力がなされている。
【0010】
しかし、このようなベゼル部の面積や厚さは、実現しようとするベゼル部の色に応じて異なることがあり、特に、白色(white)のように光の透過性の高い明るいトーンの色の場合には、光の透過を最小化するためにベゼル部の厚さが必然的に厚くなるという問題点があるため、小型化および薄型化しつつあるIT機器の傾向に逆らう問題があった。そのため、ベゼル部の厚さが薄いながらも光を反射して明るい色を表示するベゼルを実現するための材料および構造変更が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、タッチセンサのベゼル領域において複数のベゼル層の間に樹脂層を配置することで、ベゼル層と樹脂層との屈折率差によりベゼル領域の白色度が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
したがって、本発明の一つの目的は、ベゼル層の厚さを減少させて薄膜でもベゼル領域において鮮明な白色を実現できるタッチセンサを提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、ベゼル層の段差を減少させてタッチセンサの作動信頼性を向上できるタッチセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一つの目的を達成するためのタッチセンサ(以下、「第1発明」とする)は、ウィンドウ基板と、前記ウィンドウ基板の周縁部に、少なくとも一層以上に形成される第1ベゼル層と、前記第1ベゼル層および前記ウィンドウ基板上に形成される樹脂層と、を含む。
【0016】
第1発明において、前記樹脂層上において前記第1ベゼル層に対応する位置に形成された第2ベゼル層をさらに含む。
【0017】
第1発明において、前記樹脂層は、前記第1ベゼル層および前記第2ベゼル層の屈折率より低い屈折率を有する透明な材質からなる。
【0018】
第1発明において、前記第1ベゼル層および第2ベゼル層の可視光領域の屈折率が1.3〜3である。
【0019】
第1発明において、前記第1ベゼル層および前記第2ベゼル層は、互いに同じ物質からなる。
【0020】
第1発明において、前記第1ベゼル層および前記第2ベゼル層は、互いに異なる物質からなる。
【0021】
第1発明において、前記第1ベゼル層の厚さは、1μm〜20μmである。
【0022】
第1発明において、前記第2ベゼル層の厚さは、1μm〜20μmである。
【0023】
第1発明において、前記第1ベゼル層および前記第2ベゼル層は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(Ce
2O
3)、酸化チタン(TiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、酸化ケイ素(SiO
2)、酸化ハフニウム(HfO
2)、チタン酸カリウム(KTaO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)、(Ba、Sr)TiO
3およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【0024】
第1発明において、前記樹脂層の可視光領域における屈折率が1〜2である。
【0025】
第1発明において、前記樹脂層の可視光領域における透過率が50%以上99%未満である。
【0026】
第1発明において、前記樹脂層の厚さは0.1μm〜10μmである。
【0027】
第1発明において、前記樹脂層は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの混合物から選択されるいずれか一つからなる。
【0028】
第1発明において、前記シリコーン系樹脂は、SiO
2、SiNxおよびこれらの混合物から選択されるいずれか一つからなる。
【0029】
第1発明において、前記樹脂層または前記第2ベゼル層上に形成された遮蔽層をさらに含む。
【0030】
第1発明において、前記樹脂層上に配置され、表示領域に形成される電極パターンと、前記樹脂層上に配置され、ベゼル領域に形成される電極配線と、をさらに含む。
【0031】
第1発明において、前記樹脂層上に位置し、表示領域に形成される電極パターンと、前記樹脂層と前記第2ベゼル層との間に形成される電極配線と、をさらに含む。
【0032】
第1発明において、前記電極配線は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ITO、酸化物系の透明電極およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【0033】
第1発明において、前記第1ベゼル層、前記第2ベゼル層および前記樹脂層の積層厚みが2〜50μmである。
【0034】
本発明の他の目的を達成するための表示装置(以下、「第2発明」とする)は、表示パネルと、前記表示パネル上に形成された前記第1発明に記載のタッチセンサと、前記タッチセンサおよび前記表示パネルを収納する筐体と、含む。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、タッチセンサのベゼル領域に複数のベゼル層および樹脂層をともに積層して屈折率差を形成することで、薄膜形態のベゼル層でも鮮明な色を実現することができる。
【0036】
また、複数のベゼル層と樹脂層とを適宜組み合わせてベゼル層を形成し、屈折率差を形成することで、薄膜では実現が困難な白色度をより効果的に向上させることができる。
【0037】
また、樹脂層上に電極配線を形成するウィンドウ一体型のタッチセンサ構造において、電極パターンと電極配線との段差による電気的短絡の問題を解決することで、より安定したタッチセンサの作動を可能にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0040】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0041】
図1は、本発明の例示的な具体例によるタッチセンサを含む表示装置の分解斜視図であり、
図2は、本発明の例示的な第1具体例によるタッチセンサの断面図であり、
図3は、本発明の例示的な第2具体例によるタッチセンサの断面図である。
【0042】
図1を参照すると、本発明の例示的な具体例による表示装置1は、表示パネル20と、前記表示パネル20を収納する筐体30と、前記表示パネル20上に配置されるタッチセンサ10と、を具備する。
【0043】
本発明の例示的な具体例として、表示装置1は、テレビ、ナビゲーション、パソコンモニタ、ゲーム機、携帯電話などの各種情報提供装置などを含む。ここで、容易な説明のために、携帯電話を例として図示する。
【0044】
前記表示パネル20は、映像を表示することができる。表示パネル20は、特に限定されず、例えば、有機発光表示パネル(organic light emitting display panel)、液晶表示パネル(liquid crystal display panel)、プラズマ表示装置(plasma display panel)、電気泳動表示パネル(electrophoretic display panel)、および電気湿潤表示パネル(electrowetting display panel)などの各種表示パネルを含んでもよい。
【0045】
前記筐体30は、前記表示パネル20を収納することができる。図面には一つの部材からなる筐体を例示的に示しているが、筐体30は、二つ以上の部材が結合してなってもよい。また、筐体30は、表示パネル20以外に複数の能動素子(図示せず)および/または複数の受動素子(図示せず)が実装された回路基板などをさらに収納してもよい。また、表示装置1の種類に応じて電池のような電源部(図示せず)をさらに収納してもよい。
【0046】
タッチセンサ10は、表示パネル20上に配置され、筐体30に結合されて筐体30とともに表示装置1の外面を構成することができる。この際、表示パネル20は、タッチセンサ10に結合させることができる。
【0047】
タッチセンサ10は、平面上に表示パネル20から生成された映像が表示される表示領域と、前記表示領域の少なくとも一部に隣接した非表示領域と、を含む。ここで、前記非表示領域は、前記表示領域の周縁部に形成させることができる。
【0048】
図2を参照すると、本発明の例示的な第1具体例によるタッチセンサ10は、ウィンドウ基板105と、前記ウィンドウ基板105の周縁部に形成される第1ベゼル層110と、前記第1ベゼル層110および前記ウィンドウ基板105上に形成される樹脂層150と、前記樹脂層150上に形成される第2ベゼル層120と、を含む。ここで、前記樹脂層150は、前記第1ベゼル層110および前記第2ベゼル層120の屈折率より低い屈折率を有する透明な材質からなる。
【0049】
ウィンドウ基板105は、タッチセンサ10の最外側に形成されてタッチセンサ10を外部環境から保護する機能を同時に果たすことができる。ユーザの視認性のために透明な材質からなってもよく、例えば、ガラスや強化ガラスのように、所定以上の強度を有する材質としてタッチセンサ10を保護できる強度を有する材質であれば特に限定されない。
【0050】
タッチセンサ10は、画面を表示し、タッチを認識する表示領域(Active area:A)と、前記表示領域(A)の周縁部に形成された非表示領域(以下、ベゼル領域(Bezel area)(B)と、を含み、前記ベゼル領域(B)は、電極配線などを隠すために形成されてもよい。
【0051】
前記ベゼル領域(B)には、タッチセンサ10が含まれた様々なデバイスにおいて鮮明な色を実現することでタッチセンサ10の視認性およびその外観特性を改善するために多数のベゼル層が形成されてもよい。
【0052】
前記ベゼル領域(B)には、ウィンドウ基板105の周縁部に形成される第1ベゼル層110が配置される。前記第1ベゼル層110は、少なくとも一層以上が形成されてもよい。第1ベゼル層110が形成されたウィンドウ基板105の全面に樹脂層150が形成される。すなわち、樹脂層150は、ベゼル領域(B)と表示領域(A)に配置される。また、前記樹脂層150が形成されたベゼル領域(B)に第2ベゼル層120がさらに形成される。第2ベゼル層120は、第1ベゼル層110と対応する位置に配置される。
【0053】
前記第1ベゼル層110および第2ベゼル層120は、可視光領域において1.3〜3の屈折率を有する物質からなってもよい。例えば、前記第1ベゼル層110および第2ベゼル層120は、薄膜からなってもよく、可視光領域において1.3〜3の屈折率を有するように、二酸化チタン(TiO
2)、酸化アルミニウム(アルミナ;Al
2O
3)、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化ハフニウム(HfO
2)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなってもよい。また、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(セリア;Ce
2O
3)、酸化インジウム(In
2O
3)、酸化インジウムスズ(ITO)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)、タンタル酸カリウム(KTaO
3)、(Ba、Sr)TiO
3およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなってもよい。
【0054】
前記第1ベゼル層110および前記第2ベゼル層120は、例えば、ウィンドウ基板105の外部から入射される光を長時間滞留させ、且つ明るい色を実現できる二酸化チタン(TiO
2)を用いて形成してもよい。第1ベゼル層110と第2ベゼル層120は、同じ材料からなってもよく、互いに異なる材料からなってもよい。
【0055】
前記第1ベゼル層110および前記第2ベゼル層120は、スクリーンプリンティング法、スパッタリング法などにより形成することができる。例えば、前記第1ベゼル層110および前記第2ベゼル層120をスクリーンプリンティング法で形成する場合、200nm〜400nmの粒径を有する酸化チタンをバインダーなどに混合してペーストを形成し、ウィンドウ基板上にスクリーンを取り付けて、スキージーでペーストを密着させて押圧すれば所定の厚さを有するベゼル層を形成することができる。ここで、例えば、酸化チタン(TiO
2)粒子の場合、300nm程度の粒子(particle)を用いてこの程度の粒径(particle size)において固有の白色を鮮明に表すことができる。
【0056】
樹脂層150は、第1ベゼル層110と第2ベゼル層120との間に介在されることができる。樹脂層150は、第1、2ベゼル層110、120に対して屈折率差を有する材料を使用することができる。換言すれば、樹脂層150は、第1、2ベゼル層110、120に対して屈折率が低い透明材料で形成することができる。ここで、樹脂層150は、その屈折率が1〜2になるように形成することができる。
【0057】
このように、樹脂層150は、ウィンドウ基板105に入射された光を屈折率差により第1ベゼル層110と第2ベゼル層120から散乱させることでベゼル領域(A)の色をより鮮明に実現することができる。
【0058】
また、樹脂層150は、透明な材質からなってもよい。樹脂層150は、可視光領域において透過率が50%以上99%未満の透明な材料からなってもよい。樹脂層150は、第1ベゼル層110および第2ベゼル層120との屈折率差を有し、且つその屈折率が1〜2の値を有するように、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂などの透明樹脂からなってもよい。
【0059】
前記アクリル系樹脂は、アクリル系共重合体樹脂として、アクリロニトリル、アルキルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートから選択される少なくとも一つを使用してもよい。
【0060】
前記エポキシ樹脂としては、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、リン系エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂から選択される一つ以上のものを使用してもよい。
【0061】
前記シリコーン系樹脂は、SiO
2、SiNxなどを使用してもよい。
【0062】
このように、ベゼル領域(B)に形成される複数のベゼル層110、120および樹脂層150により屈折率差を形成して所望の色を鮮明に実現することができる。さらに、白色(white)のように明るい色を容易に実現することができる。
【0063】
例えば、ベゼル領域(B)に形成されるベゼル層は、鮮明な色を実現するためにはその材質に応じて差があるが、白色(white)のように明るい色を実現するためには、より厚いベゼル層を必要とすることが一般的であった。
【0064】
これは、ベゼル領域(B)に光が全部透過される場合にはベゼル層の色をユーザが視認することが困難であるためであった。そのため、白色のような明るい色のベゼル層を実現するためには、光が吸収する他の色の実現とは異なり、ベゼル層を複数形成してより厚く形成しなければならないという問題点があった。このような複数のベゼル層は、タッチセンサの厚さが増加する原因となり、電極配線の短絡発生の原因ともなる。
【0065】
しかし、本発明の例示的な第1具体例によるベゼル層110、120と樹脂層150は、第1ベゼル層110と第2ベゼル層120との間に樹脂層150が介在されることで屈折率差を形成して、より鮮明で効果的にベゼル領域(B)の色を実現することができる。
【0066】
一方、樹脂層150をウィンドウ基板105の全面に形成し、樹脂層150上に電極配線を配置することで、電極配線とベゼル層との段差を減少させて、電極配線の断線不良を防止し、製品の信頼性を高めることができる。ベゼル領域(B)の色の実現および配線信頼性に関する詳細は後述する。
【0067】
一方、ベゼル層110、120および樹脂層150の一面に遮蔽層170をさらに具備することで、薄い薄膜フィルム形態のベゼル層110、120および樹脂層150を形成する場合においても、より鮮明で効果的にベゼル領域(B)の色を実現することができる。
【0068】
遮蔽層170は、ウィンドウ基板105のベゼル領域(B)に形成された第2ベゼル層120上に形成される。遮蔽層170は、ウィンドウ基板105上に透過される光からベゼル層110、120および樹脂層150の内部から散乱されて透過される光を吸収する。前記吸収された光によりベゼル領域(B)の色をより容易に実現することができる。遮蔽層170の吸収率は、可視光領域において50%以上99%未満に形成されることが好適であり、また、70%以上99%未満に形成されてもよい。ここで、前記遮蔽層170は、光を吸収できるカーボンブラック(Carbon black)、酸化クロム(CrOx)などを使用してもよい。
【0069】
このように、第1ベゼル層110と第2ベゼル層120との間に樹脂層150を介在することで屈折率差を形成して、明るい色を鮮明に実現することができ、タッチセンサ10を薄型化させることができる。
【0070】
図3を参照すると、本発明の例示的な第2具体例によるタッチセンサ10において、第1ベゼル層110、第2ベゼル層120、樹脂層150を順次形成することができる。また、樹脂層150上に遮蔽層170をさらに形成してもよい。ここで、容易な説明のために、
図2を参照して説明する。
【0071】
本発明の第1具体例において、前記樹脂層150を第1ベゼル層110と第2ベゼル層120との間に介在して屈折率差を形成し、明るい色を鮮明に実現することができ、第2具体例では、樹脂層150を遮蔽層170と第1、2ベゼル層110、120との間に介在して屈折率差を形成し、明るい色の鮮明度を向上させることができる。
【0072】
すなわち、光が散乱されうる第1、2ベゼル層110、120の厚さを厚く形成することで散乱効率が向上し、明るい色の鮮明度を向上させることができる。また、ウィンドウ基板105に提供された光が厚いベゼル層110、120を透過する確率が低減し、このうち透過された光は、遮蔽層170で吸収することができる。これにより、ベゼル領域(B)に表示される明るい色の鮮明度を向上させることができる。
【0073】
図4は、本発明の例示的な他の具体例による電極配線を具備したタッチセンサを示す断面図である。ここで、重複説明を避け、容易な説明のために、
図1から
図3を参照して説明する。
【0074】
図4を参照すると、本発明の例示的な他の具体例のタッチセンサ10において、第1ベゼル層110がウィンドウ基板105の周縁部に形成され、第1ベゼル層110が形成されたウィンドウ基板105の全面に樹脂層150が形成される。また、樹脂層150上において第1ベゼル層110に対応する位置に第2ベゼル層120が配置される。
【0075】
図4を参照して第1具体例を挙げて説明すると、タッチセンサ10は、タッチを検知および認知し、表示領域に形成される電極パターン443を具備する。前記電極パターン443は、樹脂層150上に形成される。また、電極パターン443に連結され、ベゼル領域(B)に形成される電極配線448を具備する。この際、電極配線448は、樹脂層150と第2ベゼル層120との間に介在される。
【0076】
電極配線448は、タッチの入力手段によって信号を発生させ、制御部(図示せず)からタッチ座標を認識できるようにする役割を行う。換言すれば、表示領域(A)に形成された電極パターン443はタッチを認知し、入力されたタッチの位置情報をベゼル領域(B)に形成された電極配線448に伝達するように連結される。また、前記電極配線448と前記電極パターン443は、一体に形成されてもよい。
【0077】
電極配線448は、ベゼル領域(B)を通過するが、従来のベゼル層は、ベゼル領域の鮮明な色を実現するために多数の層からなってもよい。ウィンドウ基板面には、複数のベゼル層によって大きい段差が形成される。ここで、ウィンドウ基板面に形成される電極パターンと、前記ベゼル層上に形成される電極配線は、前記形成された段差によって電極パターンと電極配線が連結される領域に断線が生じる問題点をもたらした。
【0078】
しかし、本発明の例示的な具体例によるタッチセンサ10は、樹脂層150がウィンドウ基板105および第1ベゼル層110を覆って樹脂層150上に形成される電極パターン443と電極配線448が連結される領域に生じる段差が緩和されることができる。
【0079】
これにより、本発明の例示的な他の具体例によるタッチセンサ10は、複数のベゼル層110、120を具備することで鮮明な明るい色を表し、且つ段差が減少して電極パターン443と電極配線448との断線不良を防止することができ、これにより、より信頼性のあるタッチセンサ10を実現することができる。
【0080】
一方、前記のように、本発明の具体例によるタッチセンサ10は、
図4に示されたように、ウィンドウ一体型に、樹脂層150上に電極配線448を形成することができる。ここで、ウィンドウ一体型とは、ウィンドウ基板105上に電極配線448が直接形成されることを意味するか、ウィンドウ基板105上に別の接着層のようなさらなる機能層が形成されたウィンドウ基板105上に電極パターン443が直接形成される構造も含む意味であり、本発明の図面に示された内容により本発明の具体例によるタッチセンサ10の構造は、特に限定されない。
【0081】
また、ウィンドウ基板105上に直接電極パターン443が形成される構造以外にも、別のベース基板上に電極パターンが形成され、ウィンドウ基板と結合される様々なタッチセンサの構造が選択および適用されてもよい。ここで、ベース基板は、透明な材質からなってもよく、所定以上の強度を有する材質であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルムなどからなってもよい。
【0082】
例えば、ウィンドウ基板105上に電極パターン443が、一つの層にX軸とY軸の電極パターン443が同時に形成されるように配置されてもよく、ウィンドウ基板105上に一方向に形成された電極パターン443を形成し、これと交差するように別のベース基板に一方向に交差する他方向への電極パターン443を形成して、相互静電容量方式のタッチセンサ10を実現してもよい。
【0083】
ここで、電極パターン443および電極配線448は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ITO、酸化物系の透明電極およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つを使用してもよい。
【0084】
ここで、電極パターン443は、上述した材料を用いてメッシュパターン(Mesh Pattern)に形成してもよい。一方、電極パターン443は、上述した金属以外にも銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属銀(Ag)、ITO(Indium Thin Oxide)などの金属酸化物や、柔軟性に優れ、コーティング工程が単純なPEDOT/PSSなどの伝導性高分子を用いて形成してもよい。
【0085】
一方、樹脂層150上に電極パターン443および電極配線448を配置し、電極配線448上には第2ベゼル層120を形成し、前記第2ベゼル層120上に遮蔽層170をさらに形成してもよい。
【0086】
また、前記本発明の例示的な第2具体例によるタッチセンサ10の構造において、金属で遮蔽層170を形成する場合には、電極配線448と遮蔽層170との絶縁のために、電極配線448と遮蔽層170との間に絶縁物質からなる絶縁層をさらに具備してもよい。
【0087】
図5は、本発明の例示的な具体例によるベゼル領域の部分拡大断面図である。ここで、重複説明を避けるために、
図1から
図4を参照して説明する。
【0088】
図5を参照すると、タッチセンサ10のベゼル領域(B)には、ウィンドウ基板105上に形成される第1ベゼル層110、樹脂層150、第2ベゼル層120が順次形成されている。また、タッチセンサ10は、第2ベゼル層120上に形成される遮蔽層170を含んでもよい。
【0089】
ここで、ベゼル領域(B)のベゼル層110、120は、可視光領域における屈折率、透過率、厚さの変数を用いて明るい色を有するベゼルからなってもよい。このような第1、2ベゼル層110、120および樹脂層150上に遮蔽層170を結合することで、光がベゼル層110、120を直接透過することを防止して、光の反射による明るい色を実現することができる。
【0090】
明るい色のベゼルを実現するために、ベゼル領域の白色度を高める必要がある。このような白色度を高めるための方法として、反射度を高める方法を使用することができる。肉眼で白色(white)と認知されることは、色座標(CIE)L*a*b*の値のうち明度(L*)の値が高く、a*、b*の値が0に近いときである。ここで、明度(L*)の値は反射の程度を示す。
【0091】
また、白色度を高めるための他の方法として媒質に入射した光がより多く散乱(scattering)されるときに、より高い白色度を実現することができる。散乱(scattering)をさらに高めるための方法には、屈折率(refractive index)の差が大きい媒質を要する。また、この際の屈折率(refractive index)が低い物質は、透明な物質を使用することが好ましい。
【0092】
このように、白色度を高めるために、前記第1、2ベゼル層110、120は、1.3〜3の屈折率を有する物質からなってもよい。ここで、第1、2ベゼル層110、120の屈折率が1.3未満の場合には、第1ベゼル層110と第2ベゼル層120との間に介在された樹脂層150との屈折率差が小さくて散乱効果が低減し、白色度を向上させることが困難となる恐れがあり、屈折率が3以上の場合には、散乱効果が向上して白色度を向上できるが、透明で屈折率の低い材料の樹脂層150を選択するには制約がありうる。
【0093】
また、第1ベゼル層110および第2ベゼル層120それぞれの厚さは、1μm〜20μmであってもよい。前記第1、2ベゼル層110、120は、スクリーンプリンティング法、スパッタリング法などにより形成することができ、第1ベゼル層110および第2ベゼル層120が1μm未満の場合には、入射された光が散乱される空間が小さくて屈折率差の効果が低減する恐れがあり、20μmを超える場合には白色度を高めながら厚さを低減する意味が無くなる。
【0094】
樹脂層150は、屈折率差を形成するために、第1ベゼル層110および第2ベゼル層120より屈折率(refractive index)の差が大きい媒質を使用することができ、これにより、ベゼル領域(B)の散乱(scattering)を高めることができる。
【0095】
この際、樹脂層150は、第1ベゼル層110および第2ベゼル層120に比べて屈折率(refractive index)が低く透明な樹脂を使用してもよい。樹脂層150は、例えば、透明なエポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などを使用してもよく、1〜2の屈折率を有する物質で形成してもよい。
【0096】
また、樹脂層150の厚さは0.1μm〜10μmであってもよい。樹脂層150は、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などをスピンコーティングなどでコーティングすることができる。ここで、コーティングされた樹脂層150は、ウィンドウ基板105上の表示領域(A)とベゼル領域(B)との厚さが互いに異なってもよい。例えば、コーティングの特性上、表示領域(A)に形成された樹脂層150が5μm〜6μmの厚さを有していれば、ベゼル領域(B)に形成された樹脂層150は3μm〜4μmの厚さを有することができる。
【0097】
このように形成された第1、2ベゼル層110、120および樹脂層150からなるベゼル領域(B)は、下記式による屈折率差によって薄いながらも鮮明な白色度を実現することができる。
【0099】
ここで、nは屈折率(Refractive Index)を示し、cは空気中の光の速度を示し、υは媒質内の光の速度を示す。
【0100】
例えば、第1ベゼル層110または第2ベゼル層120に用いられた酸化チタン(TiO
2)は、酸化物であり、屈折率が2.5〜2.9程度であり、樹脂層150として用いられる二酸化ケイ素(SiO
2)は、その屈折率が1.4程度である。すなわち、樹脂層と第1、2ベゼル層には屈折率差が形成されて光の散乱が生じうる。ここで、屈折率の物理的な意味は、入射された光の相対速度を指し、屈折率が高いということは、その媒質において光の速度が低下することを意味する。
【0101】
このように、屈折率が高いほどその媒質に光が滞留する時間が長くなり、反射(reflection)や散乱(scattering)が増加する。したがって、ベゼル層110、120と樹脂層150との屈折率差が大きいほどベゼル領域(B)の白色度(Whiteness)を増加させることができる。
【実施例】
【0102】
以下、実施例および比較例を参照して本発明についてより具体的に説明するが、下記例に本発明の範疇が限定されない。
【0103】
(実施例1)
[ペーストの製造]
ベゼル領域にベゼル層を形成するために酸化チタン(TiO
2)80g(TiO
2粒子は200nm〜400nm)、熱硬化樹脂(エステル系ポリオール+イソシアネート硬化剤)19g、溶媒としてイソホロン30g、分散剤(PB821)0.8g、その他消泡剤(BYK057)0.3g、レベリング剤(leveling agent(BYK361n))0.3gを混合して製造した。
【0104】
[第1ベゼル層の形成]
ウィンドウ基板としてガラス基板を使用し、前記ガラス基板上に前記製造された酸化チタンペーストをスクリーン印刷により1回塗布して6μm〜9μmの厚さを有する第1ベゼル層を形成し、これを乾燥した。ここで、ウィンドウ基板の周縁領域に第1ベゼル層を形成した。
【0105】
[樹脂層の形成]
前記第1ベゼル層が形成されたウィンドウ基板の全面に二酸化ケイ素(SiO
2)をスピンコーティング(spin coating)してその厚さが2μm〜6μmになるように形成した。
【0106】
[第2ベゼル層の形成]
前記製造された酸化チタンペーストを樹脂層上にスクリーン印刷により1回塗布して6μm〜9μmの第2ベゼル層を形成し、これを乾燥した。この際、第2ベゼル層は、前記第1ベゼル層に対応する位置に塗布した。
【0107】
[遮蔽層の形成]
前記第2ベゼル層を形成した後、カーボンブラック(carbon black)で遮蔽層を形成した。
【0108】
(実施例2)
実施例2では、実施例1のように酸化チタンペーストを製造し、前記第1ベゼル層を形成した後、前記第1ベゼル層上に前記第2ベゼル層を形成し、前記第2ベゼル層上に前記樹脂層を形成した。その他は実施例1と同様に形成した。
【0109】
(比較例1)
比較例1において、実施例1における酸化チタンペーストの製造法と同様な方法で酸化チタンペーストを用意し、前記ペーストをウィンドウ基板の周縁面に1回のみ塗布してベゼル層を形成した。また、比較例1では、実施例1で形成された樹脂層のような透明層を形成することなくベゼル層上に遮蔽層を形成した。
【0110】
(比較例2)
比較例2において、実施例1における酸化チタンペーストの製造法と同様な方法で酸化チタンペーストを用意し、前記ペーストをウィンドウ基板の周縁面に2回塗布して第1ベゼル層および第2ベゼル層を形成した。また、比較例2では、実施例1で形成された樹脂層のような透明層を形成することなく第2ベゼル層上に遮蔽層を形成した。
【0111】
(比較例3)
比較例3において、実施例1における酸化チタンペーストの製造法と同様な方法で酸化チタンペーストを用意し、前記ペーストをウィンドウ基板の周縁面に3回塗布して第1ベゼル層、第2ベゼル層および第3ベゼル層を形成した。また、比較例3では、実施例1で形成された樹脂層のような透明層を形成することなく第3ベゼル層上に遮蔽層を形成した。
【0112】
[ベゼル層の厚さおよび白色度の測定]
実施例1、2および比較例1〜3から得られたタッチセンサをベゼル層の断面が見えるように切断して試料を用意した。また、ベゼル層の厚さの測定は、SEMを用いて切断された断面の厚さを測定することで行った。また、UV/VISスペクトルを用いてベゼル層の白色度を測定した。
【0113】
前記実施例1、2および比較例1〜3により製作されたタッチセンサのベゼル層の厚さおよび白色度を評価した結果を下記表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
図6は、本発明の例示的な試料によるベゼル層の厚さおよび白色度を測定したグラフである。
【0116】
図6および表1を参照すると、比較例1、2、3において、ベゼル層の層数が増加するほど白色度が増加すると測定された。
【0117】
比較例1では、ベゼル層を1層に構成して、その厚さは7.08μmと測定され、白色度は73.8と測定された。すなわち、ベゼル層が1層に形成されて薄型化を図ることができるが、白色度が低くて白色ベゼルとして使用するには適しないと判断される。
【0118】
比較例2は、ベゼル層を2層に構成してその厚さが15.08μmと測定され、白色度は76.3と測定された。したがって、ベゼル層が2層に形成されて比較例1に比べて厚さが増加するにつれて白色度が増加すると判断されるが、白色度が明るい色のベゼルとして使用するには適しないと判断される。
【0119】
比較例3は、ベゼル層を3層に構成して、その厚さは23.33μmと測定され、白色度は77.6と測定された。したがって、ベゼル層が3層に形成されて比較例1、2に比べて厚さが増加するにつれて白色度が増加すると測定され、白色度もまた明るい色のベゼルとして使用するに適すると判断される。しかし、比較例3は、厚さが厚くて白色度が向上した一方、厚さが厚くて薄型化が困難であるという問題点がある。
【0120】
そのため、白色度を向上させるためにベゼル層は複数の層に形成し、所定の厚さを要することが分かる。例えば、従来も白色度を向上させるために複数のベゼル層を使用しており、その厚さもまた30μm〜50μmである必要があった。このように、ベゼル層の厚さは、白色度を向上させることができるが、厚い厚さによって薄型化が困難であるという問題点がある。また、上述したベゼルの厚い厚さによって電極配線が断線される問題点が発生しうる。
【0121】
一方、本発明の実施例1、2は、第1ベゼル層、第2ベゼル層と樹脂層のコーティング順序を適宜組み合わせることで白色度が向上すると測定された。実施例1および実施例2において、樹脂層と第1ベゼル層および第2ベゼル層の屈折率差によって白色度が増加したと判断される。
【0122】
実施例1は、ウィンドウ基板上に第1ベゼル層、樹脂層、第2ベゼル層が順次形成された3層に構成されて、その厚さが16.72μmと測定され、白色度が78.1と測定された。したがって、ベゼル層が3層に形成されたにもかかわらず、比較例3に比べて薄型に形成されたことが分かる。さらに、厚さが薄型に形成されても白色度は比較例3に比べて増加すると測定された。したがって、実施例1は、明るい色のベゼルとして使用するに適すると判断される。
【0123】
実施例2は、ウィンドウ基板上に第1ベゼル層、第2ベゼル層、樹脂層が順次形成された3層に構成されて、その厚さが17.50μmと測定され、白色度が83.00と測定された。したがって、実施例2は、ベゼル層が3層に形成されて、比較例3に比べて厚さは減少するにもかかわらず白色度が増加すると測定された。したがって、実施例2は、明るい色のベゼルとして使用するに適すると判断される。
【0124】
実施例1、2と同様に、第1ベゼル層、第2ベゼル層および樹脂層の3層に構成して、第1ベゼル層、第2ベゼル層と樹脂層の屈折率差により白色度が向上したと判断される。これは、第1、2ベゼル層と樹脂層の屈折率差によって外部から入射される光を第1、2ベゼル層の内部に長時間滞留させることで白色度が向上したと判断される。
【0125】
さらに、第1ベゼル層、第2ベゼル層および樹脂層の3層に構成されながらもベゼルの全体厚さは低減することができる。また、樹脂層をコーティングすることでベゼル層の薄型化だけでなく、樹脂層上に電極パターンおよび電極配線を形成することで電極配線が通過するベゼル領域の段差を減少させて電極配線が短絡する問題点を解決することができ、より信頼性の高いベゼル層を形成することができる。
【0126】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0127】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。