【解決手段】容器2を包装するためのシーリングラベル1であって、蓋部21を被覆する上部領域11、容器本体22を被覆する下部領域12、および上部領域11と下部領域12との間に位置する切り取り領域13を備え、切り取り領域13と上部領域11との境界および切り取り領域13と下部領域12との境界に切り取り線14、15が設けられ、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示3が、下部領域12に付され、かつ、上部領域11、上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域、または上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域には、同一または相似の識別表示3が付されることで、蓋部21と容器本体22の一体性が識別可能となる。
容器本体と当該容器本体の取出口に脱着可能に装着される蓋部とを備える容器を包装するためのシーリングラベルであって、前記蓋部の全部または一部を被覆する上部領域、前記容器本体の全部または一部を被覆する下部領域、および前記上部領域と下部領域との間に位置する切り取り領域を備え、前記切り取り領域と前記上部領域との境界および前記切り取り領域と前記下部領域との境界に切り取り線が設けられ、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示が、前記下部領域に付され、かつ、前記識別表示と同一または相似の識別表示が、前記上部領域、前記上部領域と前記切り取り領域とから構成される領域、または前記上部領域と前記切り取り領域と前記下部領域とから構成される領域に付されることにより、前記蓋部と前記容器本体の一体性が識別可能となることを特徴とするシーリングラベル。
前記識別表示が、前記下部領域に複数個付され、または/かつ、前記識別表示と同一または相似の識別表示が、前記上部領域、前記上部領域と前記切り取り領域とから構成される領域、または前記上部領域と前記切り取り領域と前記下部領域とから構成される領域に複数個付される請求項1に記載のシーリングラベル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に開示されたシーリングラベルでは、開封後、蓋部を被覆する上部領域が取り除かれ、蓋部と容器本体の一体性(共通性)が失われる結果、多数の点眼容器を所持する使用者の場合には、本来の蓋部とは異なる別の蓋部を誤って装着してしまうことがある。その一方で、蓋部を着色するなどして蓋部と容器本体の一体性を確保する態様も取り得るが、多種類の容器内容物を識別するためにはバリエーションが不足し、実用的な対処法には至っていないのが現状である。
【0007】
他に、蓋部と容器本体の一体性を確保するために、蓋部の側面に直接、識別表示を設けることも考えられる。しかしながら、蓋部の形状は平面的でないため識別表示を設けることは容易ではなく、さらに、蓋部の側面に識別表示を設けるためには製造コストが増大するという不都合も生じる。
【0008】
そこで上記課題に鑑み、本願発明は、識別力に優れ、簡便で、かつ、製造コストを削減できるシーリングラベル、およびこのシーリングラベルで包装された容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るシーリングラベルは、容器本体と当該容器本体の取出口に脱着可能に装着される蓋部とを備える容器を包装するためのシーリングラベルであって、前記蓋部の全部または一部を被覆する上部領域、前記容器本体の全部または一部を被覆する下部領域、および前記上部領域と下部領域との間に位置する切り取り領域を備え、前記切り取り領域と前記上部領域との境界および前記切り取り領域と前記下部領域との境界に切り取り線が設けられ、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示が、前記下部領域に付され、かつ、前記識別表示と同一または相似の識別表示が、前記上部領域、前記上部領域と前記切り取り領域とから構成される領域、または前記上部領域と前記切り取り領域と前記下部領域とから構成される領域に付されることにより、前記蓋部と前記容器本体の一体性(共通性)を認識することが可能となる。
【0010】
本構成のように、シーリングラベルの下部領域に付される形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示と同一または相似の識別表示を、上部領域、上部領域と切り取り領域とから構成される領域、または上部領域と切り取り領域と下部領域とから構成される領域に付することで、容易に蓋部と容器本体の一体性を認識することができる。また、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示は、使用者が称呼しやすい表示、例えば三角形、正方形、ひし形、円、星型、三日月型、ハート型などの図形、アルファベットやひらがなの一文字をはじめ、様々なバリエーションを取り得るので、容器の内容物が多種類に及ぶ場合でも内容物毎に共通する識別表示を容易に作出することができる。さらに、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示は、エンボス加工等を施こせば視覚障害者にも識別を容易にすることができる。
【0011】
さらに、切り取り領域は、シーリングラベルの上部領域と下部領域との間に位置しているので、開封後もシーリングラベルの上部領域と下部領域はそれぞれ蓋部と容器本体に付着したままであり、容器の使用期間中、蓋部と容器本体の一体性は維持され続ける。
【0012】
本発明のシーリングラベルにあっては、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である前記識別標識が、下部領域に複数個付され、または/かつ、前記識別表示と同一または相似の識別表示が、前記上部領域、前記上部領域と前記切り取り領域とから構成される領域、または前記上部領域と前記切り取り領域と前記下部領域とから構成される領域に複数個付されることが好ましい。
【0013】
本構成のように、シーリングラベルの下部領域や少なくとも上部領域を含む領域に複数個の識別表示を付することで、容器の周方向のあらゆる角度から識別表示を目視することが可能となる。とりわけ、容器の使用時は、蓋部が取り外されるため、蓋部を被覆する上部領域と容器本体を被覆する下部領域とに、同一または相似の複数個の識別表示を付することで識別力が高まる結果、使用者による容器本体と蓋部の間に生じる誤装着を確実に防止できる。
【0014】
本発明のシーリングラベルにあっては、前記切り取り領域に開封用のつまみ部が形成されていると好適である。
【0015】
本構成のように切り取り領域につまみ部を備えることで、シーリングラベルを開封し易くなる。また、つまみ部の先端方向は、把持し易いように、上部領域、切り取り領域、および下部領域のいずれの方向に配置しても良い。
【0016】
本発明のシーリングラベルにあっては、前記上部領域および前記下部領域の裏面の所要範囲に粘着剤が付与されていると好適である。
【0017】
本構成のように上部領域および下部領域の裏面の所要範囲に付与された粘着剤によって、シーリングラベルの容器への接着が良好なものとなる。したがって、切り取り領域を破断した後も、シーリングラベルの上部領域と下部領域はそれぞれ蓋部と容器本体に接着したままとなり、いつまでも容器本体と蓋部の一体性(共通性)を認識することができる。
【0018】
本発明のシーリングラベルが付された容器は、本発明のシーリングラベルを容器に包装することにより得られる。
【0019】
本発明のシーリングラベルは、印刷等の簡便な方法でラベル表面に識別表示を付することができ、蓋部および容器本体に直接に識別表示を設ける必要はないので、製造コストの削減にも貢献する。
【0020】
本発明の容器において、さらに容器本体と蓋部の一体性(共通性)を高めるために、前記蓋部の天面に、前記シーリングラベルに付された前記形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示と同一または相似の識別表示を設けることもできる。
【0021】
本構成のように、シーリングラベルに表示された識別表示と同一または相似の識別表示を蓋部の天面に設けることで、容器の上部からも容器本体と蓋部の一体性(共通性)を認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルの正面図
【
図2】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図3】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルを包装した容器の斜視図
【
図4】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルを開封した容器の斜視図
【
図5】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図6】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図7】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図8】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図9】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図10】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図11】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図12】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルを開封した容器の斜視図
【
図13】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図14】本発明の第2実施形態に係るシーリングラベルの正面図
【
図15】本発明の第2実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図16】本発明の第2実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図17】本発明の第2実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図18】本発明の別実施形態に係るシーリングラベルの正面図
【
図19】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図20】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図21】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図22】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図23】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図24】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図25】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図26】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図27】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図28】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図29】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図30】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図31】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図32】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図33】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図34】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図35】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図36】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図37】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図38】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図39】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図40】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図41】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図42】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図43】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図44】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図45】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図46】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図47】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【
図48】本発明の第1実施形態に係るシーリングラベルに識別表示を付した正面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係るシーリングラベル1の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、シーリングラベル1の一例として、点眼容器2に包装される例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。
【0024】
[第1実施形態]
図1には、第1実施形態に係るシーリングラベル1の正面図が示される。なお、シーリングラベル1の背面図は、正面図と左右対称に表れるため省略する。
【0025】
図2には、第1実施形態に係るシーリングラベル1に識別表示3(形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合)を付した平面図が示される。また、
図3および
図4には、本実施形態に係るシーリングラベル1を点眼容器2に包装した状態およびそれを開封した状態として、外面が多角形状に形成された円錐台状の蓋部21と、中央に押圧用の凹部24を設けた長円柱状の容器本体22とを有する点眼容器2(容器)の斜視図が示される。
【0026】
本実施形態におけるシーリングラベル1は、
図1に示すように、矩形状の樹脂フィルムで構成され、例えば、熱収縮させることで点眼容器2に被覆・保持されるシュリンクラベルである。また、シーリングラベル1は、シュリンクラベルに限定されるものではなく、ストレッチラベルなどであっても良い。
【0027】
シーリングラベル1は、
図3に示すように、蓋部21を容器本体22に装着した状態で、蓋部21の全部または一部を被覆する上部領域11と、容器本体22の全部または一部を被覆する下部領域12と、上部領域11と下部領域12との間に位置する切り取り領域13とを備えている。本実施形態における上部領域11は、蓋部21の側面および天面23の一部を被覆し、下部領域12は、容器本体22の側面を被覆している。なお、上部領域11と下部領域12の被覆範囲は、それぞれ蓋部21と容器本体22の全部または一部であればよく、特に限定されない。
【0028】
切り取り領域13と上部領域11との境界にはミシン目線14(切り取り線)が設けられ、切り取り領域13と下部領域12との境界にはミシン目線15(切り取り線)が設けられている。すなわち、切り取り領域13は、横長の帯状であって、一方の端部から点眼容器2にシーリングラベル1を巻き付ける方向に沿った他方の端部まで延設されている。そして、切り取り領域13の上下方向に、ミシン目線14、15を介して矩形状の上部領域11と下部領域12が形成されている。ここで、本明細書において、「ミシン目線」とは、ミシン針の縫い跡のようにシーリングラベル1の表裏面に貫通する複数の貫通孔(切部16)が所定間隔を開けて形成された、貫通孔の集合のことをいう。かかるミシン目線は、隣接する貫通孔の間に、貫通処理のされていない部分(不切部17)が存在する。
【0029】
また、切り取り領域13には、端部に開封用のつまみ部18が形成されている。本実施形態におけるつまみ部18は、切り取り領域13と一体的に横方向に形成されている。このつまみ部18の突出量は、シーリングラベル1の熱収縮特性に応じて捻じれ難くなるよう、適切な長さに設定される。
【0030】
点眼容器2は、つまみ部18を把持して、切り取り領域13を点眼容器2の周方向に沿って破断する操作により、シーリングラベル1を開封して使用する。なお、本実施形態におけるつまみ部18の先端形状は、半円弧状であるが、角形状や三角形状のものなど、収縮強度や把持し易さなどを考慮して適宜決定される。また、つまみ部18の位置は、切り取り領域13の端部に限定されない。
【0031】
ミシン目線14、15の切部16は、不切部17より長く形成されていることが好ましい。こうすることにより、ミシン目線14、15はよりスムーズに破断される。なお、1つの切部16の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(打ち抜き略円形状又は略楕円形状)などスムーズに破断され易い形状であれば特に限定されず、
図1には、細長い直線状のものが示されている。
【0032】
シーリングラベル1は、その裏面の所要範囲に粘着剤が付与されており、上部領域11および下部領域12の裏面の所要範囲に粘着剤が付与されていることが好ましい。また、シーリングラベル1は、蓋部21と容器本体22に巻き付けて熱収縮させて貼り付けてもよいし、シーリングラベル1を予め筒状に形成しておいて、蓋部21と容器本体22に外嵌した後、熱収縮させて貼り付けてもよい。
【0033】
図4に示すように、点眼容器2のシーリングラベル1を開封すると、切り取り領域13は取り除かれるが、上部領域11、下部領域12は、それぞれ蓋部21、容器本体22に付着したままである。従って、上部領域11と下部領域12に付された夫々の識別表示3を照合すれば、容易に蓋部21と容器本体22の一体性(共通性)を認識できる。
【0034】
続いて、
図2および
図5−
図8の平面図を用いて、シーリングラベル1の表面に付される、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示3の態様について説明する。なお、図面の理解を助けるため、識別表示3はその他と比較して色調差を持たせているが、色調を同一にして構成しても良い。
【0035】
識別表示3は、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である。点眼容器2に含まれる薬剤成分やその含有量などを考慮して識別表示3を作成することが望ましい。
【0036】
図2および
図5に示すように、上部領域11と下部領域12には、識別表示3として同一または相似の三角形状が一個または複数個(図面の一例では2つ)付されている。本実施形態の識別表示3は、三角形状に色彩が付されている。このため、あらゆる方向から、蓋部21と容器本体22の一体性を認識することができる。
【0037】
識別表示3の形状、模様、色彩を変化させることで、様々なバリエーションを取り得るので、点眼容器2の内容物が多種類に及ぶ場合でも、容易に内容物毎に共通する識別表示3を作出することができる。
【0038】
点眼容器2において、シーリングラベル1のつまみ部18を把持して開封しても、上部領域11と下部領域12がそれぞれ蓋部21と容器本体22に付着したままであるので、識別表示3の識別力が保持され続ける。よって、点眼容器2の使用期間中、蓋部21と容器本体22の一体性は維持され、使用者は容器本体22の識別表示3と蓋部21の識別表示3を視覚によって認識することで、間違えることなく蓋部21を容器本体22に装着することができる。
【0039】
図2に示すように、シーリングラベル1の上部領域11には、その左右方向に識別表示3が2つ付されている。上部領域11の2つの識別表示3は、シーリングラベル1を点眼容器2に包装したとき、夫々の識別表示3が、蓋部21の正面および背面に位置するように配置するのが望ましい。また、シーリングラベル1の下部領域12には、上部領域11に付される識別表示3(シーリングラベル1を点眼容器2に包装したときに、蓋部21の正面となる識別表示3)の中心に対して左右対称となるように識別表示3が2つ付されている。下部領域12の2つの識別表示3は、
図3−4に示すように、シーリングラベル1を点眼容器2に包装したとき、容器本体22の正面から見て両側部に配置される。なお、上部領域11や下部領域12に付される識別表示3は1つ、2つに限定されることはなく、3つ以上であってもよい。
【0040】
上部領域11や下部領域12に複数個の識別表示3を付することで、あらゆる方向から識別表示3を認識することが可能となり、蓋部21を容器本体22に誤装着するのを確実に防止できる。特に、下部領域12に2つの識別表示3を付することで、より一層、あらゆる方向から識別表示3を認識し易くなる。
【0041】
また、シーリングラベル1の下部領域12には、例えば白地である矩形状の文字表示部を備えてもよく、文字表示部には、点眼剤の薬剤成分、製造番号などを記載するのが望ましい。
【0042】
図3に示すように、蓋部21の天面23にも、識別表示3を設けることができる。天面23に設けられる識別表示3は、蓋部21と一体に成形されてもよいし、蓋部21の天面23に別途設けてもよい。天面23に識別表示3を設けることにより、蓋部21の上部からも蓋部21と容器本体22の一体性を認識することができる。
【0043】
図6−
図8には、少なくとも上部領域11を含む領域の表面に付される識別表示3の異なる態様が示される。
図6は、識別表示3が、上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域に付され、また、
図7は、識別表示3が、上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域に付されている。
図8は、2つの識別表示3のうち、一方の識別表示3が上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域に付され、他方の識別表示3が上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域に付されている。
【0044】
なお、これらの態様以外にも、複数個の識別表示3を、上部領域11、上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域、または上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域の組み合わせで、適宜付すことができる。
【0045】
図6−
図8に示すように識別表示3が切り取り領域13に付される態様であっても、元の形状が想像できるように上部領域11に識別表示3が形成されているので、切り取り領域13を破断した後であっても識別力は失われない。また、識別表示3のうち切り取り領域13の部分が欠けることによって、シーリングラベル1の開封の有無を判別することが可能となる。
【0046】
図9−
図11には、上部領域11と下部領域12に、識別表示3として同一または相似の円形状が複数個(図面の一例では2つ)付された例が示される。
図9は、識別表示3が上部領域11に付されている。
図10は、識別表示3が、上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域に付されている。
図11は、識別表示3が、上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域に付されている。
【0047】
また、
図9−
図13に示すように、上部領域11および天面23にある識別表示3の内部に、点眼容器2の薬剤含有率を記載している。さらに、
図12に示すようにシーリングラベル1を点眼容器2に包装した際、下部領域12のうち、容器本体22の正面中央付近となる位置に、上部領域11および天面23にある識別表示3の内部に記載された薬剤含有率と共通の薬剤含有率を記載している。
【0048】
なお、薬剤含有率の一例として、1mlの点眼液に対して1mgの薬剤を含有していることを意味する数字(0.1%)を記載しているように、薬剤含有率に応じた値を適宜記載することができる。また、上部領域11と下部領域12に付される識別表示3として、同一または相似の円形状が夫々2つである例を示したが、識別表示3の種類や数量は特に限定されない。また、上部領域11にある2つの識別表示3のいずれか一方にのみ薬剤含有率を記載しても良いし、天面23にある識別表示3や薬剤含有率を省略しても良い。
【0049】
図12に示すように、シーリングラベル1を点眼容器2に包装したとき、上部領域11、下部領域12および天面23には、同一または相似の識別表示3と共通の薬剤含有率とが付されているので、あらゆる方向から蓋部21と容器本体22の一体性を確実に認識することができる。
【0050】
図13に示すように、点眼容器2のシーリングラベル1を開封すると、切り取り領域13は取り除かれるが、上部領域11、下部領域12は、それぞれ蓋部21、容器本体22に付着したままである。従って、上部領域11、下部領域12および天面23の識別表示3を照合すれば、あらゆる方向から容易に蓋部21と容器本体22の一体性を認識できる。さらに、例えば同一の形状の識別表示3が付され、薬剤含有率の異なる2種類の点眼容器2があった場合でも、上部領域11、下部領域12および天面23には、共通の薬剤含有率が記載されているので、蓋部21を容器本体22に誤装着するといった不都合を確実に防止できる。
【0051】
[第2実施形態]
図14には、第2実施形態に係るシーリングラベル1の正面図が示される。なお、シーリングラベル1の背面図は、正面図と左右対称に表れるため省略する。以下、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0052】
本実施形態における切り取り領域13には、一方の端部から点眼容器2にシーリングラベル1を巻き付ける方向に沿った他方の端部まで延出する第1領域19と、第1領域19から上部領域11の方向に延出する第2領域20とが形成されている。すなわち、第1領域19から上部領域11の方向に分岐して、傾斜した第2領域20が形成されている点が第1実施形態と異なる。
【0053】
第2領域20は、
図15−
図17に示すように、上部領域11の左辺側に形成され、上部領域11に付された識別表示3に悪影響を及ぼさない配置となっている。よって、シーリングラベル1の識別力を担保しつつ、第2領域20によって切り取り領域13の視認性が高まる。また、第2領域20を傾斜して構成しているので、シーリングラベル1の開封時につまみ部18を把持し易い。なお、第2領域20は傾斜させずに、第1領域19に直交するように形成しても良い。
【0054】
第2領域20は、切部16がミシン目線14まで連接した右辺と、切部16と不切部17とがミシン目線15に連接した左辺とを有する。これは、つまみ部18を把持し易いように、右辺の切部16を大きく形成し、左辺に不切部17を設けたものである。なお、右辺にも不切部17を設けても良い。
【0055】
図15−
図17には、シーリングラベル1の表面に付される、形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合である識別表示3の態様が示される。
図15は、識別表示3が上部領域11に付されている。
図16は、識別表示3が、上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域に付されている。
図17は、識別表示3が、上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域に付されている。
【0056】
第2実施形態における識別表示3の数量や配置は、第1実施形態のごとく適宜組み合わせることができるのは、勿論である。すなわち、少なくとも上部領域11を含む領域または下部領域12に付される2つの識別表示3は、左右のいずれか一方がないものとして構成しても良い。また、上部領域11に付される複数個の識別表示3を、上部領域11、上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域、または上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域の組み合わせで、適宜付すことができる。
【0057】
なお、
図15−
図17の識別表示3はその他と比較して色調差を持たせているが、色調を同一にして構成しても良い。
【0058】
[その他の実施形態]
(1)
図18は、別実施形態に係るシーリングラベル1の正面図が示される。本実施形態では、つまみ部18が、第1実施形態における切り取り領域13から延出して形成される。これにより、つまみ部18をより良好に把持することができるので、シーリングラベル1をより開封し易くなる。
(2)上述した実施形態では、つまみ部18を切り取り領域13と一体で形成したが、つまみ部18を切り取り領域13とは別々に形成して、切り取り領域13に接着しても良い。これにより、つまみ部18の先端方向を、上下・左右のあらゆる方向に配置できる。
(3)本発明におけるシーリングラベル1の表面に付される識別表示3は、例えば
図19−
図21に示すような矩形状、
図22−
図24に示すような菱形状、
図25−
図27に示すような長円形状、
図28−
図30に示すようなクローバ形状、
図31−
図33に示すような星形状、
図34−
図36に示すような月形状、
図37−
図39に示すような涙粒形状、
図40−
図42に示すようなZ形状、
図43−
図45に示すようなハート形状、
図46−
図48に示すようなC形状であっても良い。これらの図形は一例にすぎず、本発明におけるシーリングラベル1の表面には、形状、模様、色彩を組み合わせることで様々な識別表示3を付することができる。
また、識別表示3の数量や配置は、第1実施形態のごとく適宜組み合わせることができるのは勿論のことである。すなわち、少なくとも上部領域11を含む領域または下部領域12に付される2つの識別表示3は、左右のいずれか一方がないものとして構成しても良い。また、上部領域11に付される複数個の識別表示3を、上部領域11、上部領域11と切り取り領域13とから構成される領域、または上部領域11と切り取り領域13と下部領域12とから構成される領域の組み合わせで適宜付すことができる。
なお、
図19−
図48の識別表示3はその他と比較して色調差を持たせているが、色調を同一にして構成しても良い。さらに、これらの識別表示3に点眼容器2の内容物の含有率などを示す文字や数字等を組み込んでも良い。
(4)上述した実施形態では、シーリングラベル1を矩形状に形成したが、点眼容器2の形状に合わせて包装できる形状であれば、例えば、長円形状のものであっても良く、特に限定されない。
(5)上述した実施形態のごとく、蓋部21を円錐台状、および、容器本体22を長円柱状に形成することに限定されず、例えば双方を四角柱状に形成しても良く、どのような形状であっても良い。