【解決手段】糸監視装置50は、走行領域R1を走行する糸Yの状態を検出するために、走行領域R1を走行する糸Yの走行方向から見た場合に、走行領域R1の周囲の異なる位置に配置された発光素子61及び受光素子62と、発光素子61のリードピン61aが接続された実装部71、受光素子62のリードピン62aが接続された実装部72、及び実装部71と実装部72とを電気的に接続する配線部81を有する回路基板70と、を備える。
走行領域を走行する糸の状態を検出するために、前記走行領域を走行する前記糸の走行方向から見た場合に、前記走行領域の周囲の異なる位置に配置された第1電子部品及び第2電子部品と、
前記第1電子部品の端子が接続された第1実装部、前記第2電子部品の端子が接続された第2実装部、及び前記第1実装部と前記第2実装部とを電気的に接続する第1配線部を有する回路基板と、を備える、糸監視装置。
前記走行領域を走行する前記糸の状態を検出するために、前記走行方向から見た場合に、前記走行領域の周囲の異なる位置に配置され、且つ、前記走行方向に垂直な方向から見た場合に、前記第1電子部品及び前記第2電子部品とは異なる位置に配置された第3電子部品及び第4電子部品を更に備え、
前記回路基板は、前記第3電子部品の端子が接続された第3実装部、前記第4電子部品の端子が接続された第4実装部、及び前記第3実装部と前記第4実装部とを電気的に接続する第2配線部を更に有する、請求項1又は2記載の糸監視装置。
前記回路基板において、前記第1実装部、前記第2実装部及び前記第1配線部を含む第1回路部分と、前記第3実装部、前記第4実装部及び前記第2配線部を含む第2回路部分とは、電気的且つ物理的に分離されている、請求項3記載の糸監視装置。
前記走行領域が設けられ、前記第1電子部品、前記第2電子部品、前記第3電子部品及び前記第4電子部品を支持する支持体を更に備える、請求項3〜11のいずれか一項記載の糸監視装置。
前記第1電子部品及び前記第2電子部品の組、並びに、前記第3電子部品及び前記第4電子部品の組は、発光素子及び受光素子の組である、請求項3〜11のいずれか一項記載の糸監視装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような糸監視装置においては、発光素子及び受光素子のそれぞれが糸の走行領域に向けて配置されるため、発光素子及び受光素子の両方を同一の制御基板上に実装することが困難である。そこで、発光素子及び/又は受光素子と制御基板との電気的な接続に、配線ケーブルを用いる場合がある。
【0005】
しかしながら、そのような場合、発光素子及び/又は受光素子のリードピンに配線ケーブルを半田付けし、リードピンと配線ケーブルとの接続部を熱収縮チューブ等の絶縁性部材で被覆する必要が生じるため、組付け性が低下するおそれがある。更に、空間的な制約から配線ケーブルを急な角度で屈曲させる必要が生じると、リードピンと配線ケーブルとの接続部にストレスが掛かるため、耐久性が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、組付け性及び耐久性の向上が図られた糸監視装置、及びそのような糸監視装置を備える糸巻取機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の糸監視装置は、走行領域を走行する糸の状態を検出するために、走行領域を走行する糸の走行方向から見た場合に、走行領域の周囲の異なる位置に配置された第1電子部品及び第2電子部品と、第1電子部品の端子が接続された第1実装部、第2電子部品の端子が接続された第2実装部、及び第1実装部と第2実装部とを電気的に接続する第1配線部を有する回路基板と、を備える。
【0008】
この糸監視装置では、回路基板の第1実装部に第1電子部品の端子が接続されており、回路基板の第2実装部に第2電子部品の端子が接続されている。そのため、各電子部品の端子に配線ケーブルを半田付けし、各電子部品の端子と配線ケーブルとの接続部を熱収縮チューブ等の絶縁性部材で被覆することが不要となる。更に、各電子部品の端子と配線ケーブルとの接続部にストレスが掛かるような事態も回避される。よって、この糸監視装置によれば、組付け性及び耐久性の向上が図られることになる。
【0009】
本発明の糸巻取装置では、回路基板のうち走行領域を包囲する部分は、走行方向に平行となるように配置されていてもよい。この場合、回路基板が捩れて回路基板に歪み等が生じるのを防止することができる。
【0010】
本発明の糸監視装置は、走行領域を走行する糸の状態を検出するために、走行方向から見た場合に、走行領域の周囲の異なる位置に配置され、且つ、走行方向に垂直な方向から見た場合に、第1電子部品及び第2電子部品とは異なる位置に配置された第3電子部品及び第4電子部品を更に備え、回路基板は、第3電子部品の端子が接続された第3実装部、第4電子部品の端子が接続された第4実装部、及び第3実装部と第4実装部とを電気的に接続する第2配線部を更に有していてもよい。この場合、第1電子部品及び第2電子部品の組と、第3電子部品及び第4電子部品の組とで、複数種の糸の状態を検出することができる。
【0011】
本発明の糸監視装置では、第1実装部と第3実装部とは、走行方向に沿って並んだ状態で、共通基板に設けられていてもよい。この場合、部品点数を減少させることができる。
【0012】
本発明の糸監視装置では、第1実装部と第3実装部とは、走行方向に平行な同一平面上に配置されていてもよい。この場合、歪み等が生じるのを防止しつつ第1実装部及び第3実装部を共通基板に設けることができる。
【0013】
本発明の糸監視装置は、第1電子部品、第2電子部品、第3電子部品及び第4電子部品に対して入出力する電気信号の処理を行う制御基板を更に備え、回路基板は、共通基板と制御基板とを電気的に接続する第3配線部を更に有してもよい。この場合、実装面積が比較的大きくなる共通基板に配線パターンを集中させて、回路基板と制御基板との電気的な接続を効率良く実現することができる。
【0014】
本発明の糸監視装置では、第3配線部は、共通基板の一縁部のみに接続されていてもよい。この場合、共通基板と第3配線部との接続部が共通基板に占める割合を最小限に抑えることができるので、共通基板に第1実装部及び第2実装部を効率良く設けることができる。
【0015】
本発明の糸監視装置では、回路基板は、第3配線部の制御基板側の端部に接続された中継基板を更に有し、回路基板と制御基板とは、中継基板に設けられたコネクタ部と制御基板に設けられたコネクタ部とが結合されることにより、電気的に接続されていてもよい。この場合、回路基板と制御基板との電気的な接続及び当該接続の解除を容易に実施することができる。
【0016】
本発明の糸監視装置では、共通基板の実装面と制御基板の実装面とは、略垂直となっていてもよい。この場合、制御基板の配置の最適化を図ることができる。
【0017】
本発明の糸監視装置は、回路基板において、第1実装部、第2実装部及び第1配線部を含む第1回路部分と、第3実装部、第4実装部及び第2配線部を含む第2回路部分とは、電気的且つ物理的に分離されていてもよい。この場合、第1回路部分と第2回路部分とが電気的且つ物理的に分離されているため、第1電子部品及び第2電子部品の組、並びに、第3電子部品及び第4電子部品の組の配置の自由度を高くすることができる。
【0018】
本発明の糸監視装置は、第1電子部品及び第2電子部品に対して入出力する電気信号の処理を行う第1制御基板と、第3電子部品及び第4電子部品に対して入出力する電気信号の処理を行う第2制御基板と、を更に備え、第1回路部分は、第1実装部と第1制御基板とを接続する第3配線部、及び第3配線部の第1制御基板側の端部に接続された第1中継基板を更に有し、第2回路部分は、第3実装部と第2制御基板とを接続する第4配線部、及び第4配線部の第2制御基板側の端部に接続された第2中継基板を更に有し、第1回路部分と第1制御基板とは、第1中継基板に設けられたコネクタ部と第1制御基板に設けられたコネクタ部とが結合されることにより、電気的に接続されており、第2回路部分と第2制御基板とは、第2中継基板に設けられたコネクタ部と第2制御基板に設けられたコネクタ部とが結合されることにより、電気的に接続されていてもよい。この場合、第1回路部分と第1制御基板との電気的な接続及び当該接続の解除、並びに、第2回路部分と第2制御基板との電気的な接続及び当該接続の解除を容易に実施することができる。
【0019】
本発明の糸監視装置は、走行領域が設けられ、第1電子部品及び第2電子部品を支持する支持体を更に備えてもよい。本発明の糸監視装置は、走行領域が設けられ、第1電子部品、第2電子部品、第3電子部品及び第4電子部品を支持する支持体を更に備えてもよい。これらの場合、各電子部品の位置決めが容易となり、更に、各電子部品の相互の位置関係が適切に維持されることになる。
【0020】
本発明の糸監視装置では、支持体には、外部から走行領域に糸を導入させるための導入領域が設けられており、支持体は、走行領域を挟んで対向する第1側壁部及び第2側壁部と、第1側壁部と第2側壁部とを連結し、走行領域を挟んで導入領域に対向する奥壁部と、を有し、回路基板は、走行方向から見た場合に、導入領域を開口させた状態で、第1側壁部及び第2側壁部並びに奥壁部を包囲するように配置されていてもよい。この場合、回路基板に阻害されることなく、導入領域を介して外部から走行領域に糸を導入させることができる。
【0021】
本発明の糸監視装置では、第1実装部及び第2実装部は、リジッド部であり、第1配線部は、フレキシブル部であってもよい。本発明の糸監視装置では、第1実装部、第2実装部、第3実装部及び第4実装部は、リジッド部であり、第1配線部及び第2配線部は、フレキシブル部であってもよい。これらの場合、走行領域に対して適切な位置及び向きに各電子部品を設置することができるので、十分な感度且つ高い精度で検出結果を得ることができる。
【0022】
本発明の糸監視装置では、第1電子部品及び第2電子部品の組は、発光素子及び受光素子の組であってもよい。本発明の糸監視装置では、第1電子部品及び第2電子部品の組、並びに、第3電子部品及び第4電子部品の組は、発光素子及び受光素子の組であってもよい。これらの場合、走行領域を走行する糸の状態を適切に検出することができる。
【0023】
本発明の糸監視装置では、第1実装部と第3実装部とは、走行方向に沿って並んでおり、第1電子部品及び第3電子部品のそれぞれは、発光素子であってもよい。この場合、外部から走行領域に糸を導入させるための導入領域が設けられたとしても、各電子部品を効率良く配置することができる。
【0024】
本発明の糸監視装置では、第1電子部品及び第2電子部品の端子は、リードピンであり、リードピンの少なくとも先端部は、走行領域とは反対側に延在していてもよい。本発明の糸監視装置では、第1電子部品、第2電子部品、第3電子部品及び第4電子部品の端子は、リードピンであり、リードピンの少なくとも先端部は、走行領域とは反対側に延在していてもよい。これらの場合、各電子部品のリードピンと各実装部との接続を実施し易くなる。
【0025】
本発明の糸監視装置では、第1電子部品及び第2電子部品のそれぞれは、リードピンを複数有し、複数のリードピンの少なくとも先端部は、第1電子部品及び第2電子部品のそれぞれにおいて、走行方向に沿って並ぶように配置されていてもよい。本発明の糸監視装置では、第1電子部品、第2電子部品、第3電子部品及び第4電子部品のそれぞれは、リードピンを複数有し、複数のリードピンの少なくとも先端部は、第1電子部品、第2電子部品、第3電子部品及び第4電子部品のそれぞれにおいて、走行方向に沿って並ぶように配置されていてもよい。これらの場合、走行領域の周囲に各電子部品が配置された状態で、走行領域の周囲に回路基板を配置するときに、各実装部に設けられた孔に各電子部品のリードピンを挿通させ易くなる。
【0026】
本発明の糸巻取機は、糸を巻き取ってパッケージを形成する糸巻取機であって、上述した糸監視装置を備える。
【0027】
この糸巻取機によれば、上述したように、糸監視装置において組付け性及び耐久性の向上が図られているので、高品質のパッケージを形成することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、組付け性及び耐久性の向上が図られた糸監視装置、及びそのような糸監視装置を備える糸巻取機を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
【0031】
図1に示されるように、紡績ユニット1は、糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する。紡績ユニット1には、糸Yの走行経路に沿って上流側から順に、ドラフト装置2、紡績装置3、糸送り装置4、糸継装置6、糸監視装置50及び巻取装置7が設けられている。更に、紡績ユニット1には、紡績ユニット1全体の動作を制御する制御部8が設けられている。このような紡績ユニット1は、複数並設されて、紡績機(糸巻取機)10を構成する。その場合、糸継装置6は、複数の紡績ユニット1間を移動可能とされ、糸Yが切断された紡績ユニット1において糸継動作を行う。ただし、糸継装置6を各紡績ユニット1に設けることも可能である。なお、糸Yの切断には、何らかの理由による糸切れ、糸欠陥を除去するための糸の切断等がある。
【0032】
ドラフト装置2は、バックローラ対11、サードローラ対12、エプロンベルト13が架けられたミドルローラ対14、及びフロントローラ対15を有している。ドラフト装置2は、ケンス16に収容されたスライバSを各ローラ対11,12,14,15によって延伸して繊維束Fを生成する。
【0033】
紡績装置3は、ドラフト装置2によって生成された繊維束Fにエアーの旋回流によって撚りを与えて糸Yを生成する空気紡績装置である。より詳細には(ただし、図示省略)、紡績装置3は、紡績室、繊維案内部、旋回流発生ノズル及び中空ガイド軸体を有している。繊維案内部は、ドラフト装置2によって生成された繊維束Fを紡績室内に案内する。旋回流発生ノズルは、紡績室内に旋回流を発生させることで、紡績室内に案内された繊維束Fの繊維端を反転させつつ旋回させる。中空ガイド軸体は、紡績された糸Yを紡績室内から紡績装置3の外部に案内する。
【0034】
糸送り装置4は、デリベリローラ17及びニップローラ18を有している。糸送り装置4は、紡績装置3によって生成された糸Yを一対のローラ17,18でニップして巻取装置7に送り出す。
【0035】
糸監視装置50は、走行する糸Yの状態を検出する。走行する糸Yに糸欠陥が検出された場合には、糸監視装置50に並設されたカッター(図示せず)によって糸Yが切断される。なお、糸Yの切断は、カッターの他、紡績装置3における旋回流の停止等によって実施される場合もある。
【0036】
糸継装置6は、サクションパイプ21、サクションマウス22及びスプライサ23を有している。サクションパイプ21は、回動可能に支持されており、紡績装置3側の糸Yの糸端を捕捉してスプライサ23に案内する。サクションマウス22は、回動可能に支持されており、巻取装置7側の糸Yの糸端を捕捉してスプライサ23に案内する。スプライサ23は、サクションパイプ21及びサクションマウス22によって案内された糸端同士の糸継ぎを行う。
【0037】
スプライサ23は、旋回空気流によって糸継部を形成する。スプライサ23は、糸Yの切断後に、紡績装置3側の糸Yの糸端及び巻取装置7側の糸Yの糸端の撚りを解く解撚部23aと、旋回空気流によって解撚された糸端同士に撚りを加える加撚部23bと、を有している。ただし、スプライサ23の代わりにディスク式スプライサを設けてもよい。
【0038】
巻取装置7は、糸YをパッケージPに巻き取る装置であり、クレードルアーム24、巻取ドラム25及びトラバース装置26を有している。クレードルアーム24は、パッケージPを回転可能に支持しつつ、パッケージPの表面を巻取ドラム25の表面に適切な圧力で接触させる。巻取ドラム25は、クレードルアーム24によって接触させられたパッケージPを回転させる。トラバース装置26は、巻取ドラム25によって回転させられているパッケージPに対して糸Yを所定幅で綾振りする。なお、パッケージPの形状は、円柱形状に限定されず、コーン形状等、他の形状であってもよい。
【0039】
第1実施形態の糸監視装置50について、より詳細に説明する。
図2に示されるように、糸監視装置50は、検出モジュール51、制御基板52及び筐体53を有している。制御基板52は、その実装面52sが糸Yの走行方向に垂直となるように配置されている。筐体53は、検出モジュール51及び制御基板52を収容している。
【0040】
図3、
図4及び
図5に示されるように、検出モジュール51は、ホルダ(支持体)54を備えている。ホルダ54には、糸Yを走行させるための走行領域R1、及び外部から走行領域R1に糸Yを導入させるための導入領域R2が設けられている。走行領域R1は、糸Yの走行経路に沿って延在する空間である。導入領域R2は、走行領域R1に対して前側(糸Yの切断時に、サクションマウス22によって巻取装置7側の糸Yの糸端が案内される側)に開口する空間である。走行領域R1と導入領域R2とは、一続きとなっている。
【0041】
ホルダ54は、第1側壁部55及び第2側壁部56並びに奥壁部57を有している。第1側壁部55及び第2側壁部56は、走行領域R1を挟んで対向している。奥壁部57は、第1側壁部55と第2側壁部56とを連結し、走行領域R1を挟んで導入領域R2に対向している。第1側壁部55及び第2側壁部56並びに奥壁部57は、例えば樹脂により一体的に形成されている。なお、第1側壁部55、第2側壁部56及び奥壁部57のそれぞれの形状は、平板状には限定されず、その他の形状であってもよい。
【0042】
図3及び
図4に示されるように、ホルダ54は、糸Yの走行方向における上流側の部分54aにおいて、LED等の発光素子61及びPD等の受光素子62,63,64を支持している。発光素子61及び受光素子62,63,64のそれぞれは、走行領域R1を走行する糸Yの状態を検出するために、糸Yの走行方向から見た場合に、走行領域R1の周囲の異なる位置に配置されている。
【0043】
発光素子61が発光させられて、走行領域R1を走行する糸Yに光が照射されると、当該光のうち糸Yで反射された反射光が受光素子62及び受光素子64で受光され、当該光のうち糸Yを透過した透過光が受光素子63で受光される。糸監視装置50においては、受光素子62及び受光素子64での反射光の受光量に基づいて、糸Yに異物が含まれていた場合に、当該異物を検出することができる。例えば、発光素子61が青色の光を発光する場合、糸Yよりも明るい色(白色、透明等)の異物を検出することができる。また、受光素子63での透過光の受光量に基づいて、糸Yの走行方向に垂直な一方向から見た場合の糸Yの太さを検出することができる。
【0044】
発光素子61は、一対のリードピン(端子)61aを有している。一対のリードピン61aは、走行領域R1とは反対側に延在しており、糸Yの走行方向に沿って並ぶように配置されている。受光素子62は、一対のリードピン(端子)62aを有している。同様に、受光素子63は、一対のリードピン63aを有しており、受光素子64は、一対のリードピン64aを有している。一対のリードピン62aの先端部は、折り曲げられることにより、走行領域R1とは反対側に延在しており、糸Yの走行方向に沿って並ぶように配置されている。このことは、一対のリードピン63a及び一対のリードピン64aについても同様である。
【0045】
図3及び
図5に示されるように、ホルダ54は、糸Yの走行方向における下流側の部分54bにおいて、LED等の発光素子65,66及びPD等の受光素子67,68を支持している。発光素子65,66及び受光素子67,68のそれぞれは、走行領域R1を走行する糸Yの状態を検出するために、糸Yの走行方向から見た場合に、走行領域R1の周囲の異なる位置に配置されている。
【0046】
発光素子61及び受光素子62,63,64の組は、各素子の光軸が糸Yの走行方向に垂直な同一平面上に位置するように配置されている。また、発光素子65,66及び受光素子67,68の組は、各素子の光軸が糸Yの走行方向に垂直な別の同一平面上に位置するように配置されている。つまり、発光素子65,66及び受光素子67,68の組は、糸Yの走行方向に垂直な方向から見た場合に、発光素子61及び受光素子62,63,64の組とは異なる位置に配置されている。このように、発光素子61及び受光素子62,63,64の組と、発光素子65,66及び受光素子67,68の組とは、糸Yの走行方向に垂直な方向から見た場合に、異なる2つの位置に配置されている。
【0047】
発光素子65と発光素子66とは、交互に発光させられる。発光素子65が発光させられて、走行領域R1を走行する糸Yに光が照射されると、当該光のうち糸Yで反射された反射光が受光素子67で受光され、当該光のうち糸Yを透過した透過光が受光素子68で受光される。一方、発光素子66が発光させられて、走行領域R1を走行する糸Yに光が照射されると、当該光のうち糸Yで反射された反射光が受光素子68で受光され、当該光のうち糸Yを透過した透過光が受光素子67で受光される。糸監視装置50においては、受光素子67及び受光素子68での反射光の受光量に基づいて、糸Yに異物が含まれていた場合に、当該異物を検出することができる。例えば、発光素子65及び発光素子66が黄色の光を発光する場合、糸Yよりも暗い色(黒色等)の異物を検出することができる。また、受光素子67及び受光素子68での透過光の受光量に基づいて、糸Yの走行方向に垂直な二方向から見た場合の糸Yの太さを検出することができる。
【0048】
発光素子65は、一対のリードピン(端子)65aを有しており、発光素子66は、一対のリードピン66aを有している。一対のリードピン65aは、走行領域R1とは反対側に延在しており、糸Yの走行方向に沿って並ぶように配置されている。このことは、一対のリードピン66aについても同様である。受光素子67は、一対のリードピン(端子)67aを有しており、受光素子68は、一対のリードピン68aを有している。一対のリードピン67aの先端部は、折り曲げられることにより、走行領域R1とは反対側に延在しており、糸Yの走行方向に並ぶように配置されている。このことは、一対のリードピン68aについても同様である。
【0049】
図3、
図4及び
図5に示されるように、検出モジュール51は、回路基板70を備えている。回路基板70は、糸Yの走行方向から見た場合に、導入領域R2を開口させた状態で、第1側壁部55及び第2側壁部56並びに奥壁部57を包囲するように配置されている。なお、第1側壁部55及び第2側壁部56のそれぞれにおける少なくとも導入領域R2側の一部は、回路基板70に包囲されていなくてもよい。このように、回路基板70は、糸Yの走行方向から見た場合に、必ずしも走行領域R1の全領域を包囲することを要しない。また、回路基板70は、糸Yの走行方向に垂直な方向から見た場合に、必ずしも走行領域R1の全領域を包囲することを要しない。
【0050】
図3及び
図4に示されるように、ホルダ54における上流側の部分54aには、回路基板70の実装部71,72,73,74がネジ止等によって固定されている。実装部(第1実装部)71には、発光素子(第1電子部品)61の一対のリードピン61aが半田付け等によって接続されている。実装部(第2実装部)72には、受光素子(第2電子部品)62の一対のリードピン62aが半田付け等によって接続されている。実装部73には、受光素子63の一対のリードピン63aが半田付け等によって接続されている。実装部74には、受光素子64の一対のリードピン64aが半田付け等によって接続されている。このように、発光素子61及び受光素子62,63,64は、それぞれ、実装部71,72,73,74に実装されている。
【0051】
実装部71と実装部72とは、配線部(第1配線部)81によって電気的に接続されている。実装部71と実装部74とは、配線部82によって電気的に接続されている。実装部74と実装部73とは、配線部83によって電気的に接続されている。
【0052】
図3及び
図5に示されるように、ホルダ54における下流側の部分54bには、回路基板70の実装部75,76,77,78がネジ止等によって固定されている。実装部(第3実装部)75には、発光素子(第3電子部品)65の一対のリードピン65aが半田付け等によって接続されている。実装部76には、発光素子66の一対のリードピン66aが半田付け等によって接続されている。実装部(第4実装部)77には、受光素子(第4電子部品)67の一対のリードピン67aが半田付け等によって接続されている。実装部78には、受光素子68の一対のリードピン68aが半田付け等によって接続されている。このように、発光素子65,66及び受光素子67,68は、それぞれ、実装部75,76,77,78に実装されている。
【0053】
実装部75と実装部77とは、配線部(第2配線部)84によって電気的に接続されている。実装部75と実装部76とは、配線部85によって電気的に接続されている。実装部76と実装部78とは、配線部86によって電気的に接続されている。
【0054】
図3、
図4及び
図5に示されるように、実装部72,73,74,76,77,78は、それぞれ別個のリジッド基板(リジッド部)となっている。実装部71と実装部75とは、糸Yの走行方向に沿って並んでおり、糸Yの走行方向に平行な同一平面上に配置されている。実装部71と実装部75とは、その状態で、共通のリジッド基板(リジッド部)である共通基板79に設けられている。共通基板79の実装面79sは、制御基板52の実装面52sと略垂直となっている(
図2参照)。配線部81,82,83,84,85,86は、それぞれ別個のフレキシブル基板(フレキシブル部)となっている。このように、回路基板70は、糸Yの走行方向における共通基板79の上流側の部分に、フレキシブル基板を介してリジッド基板が接続されると共に、糸Yの走行方向における共通基板79の下流側の部分に、フレキシブル基板を介してリジッド基板が接続されることにより、構成されている。
【0055】
回路基板70としては、いわゆるリジッドフレキシブル基板を用いることができる。リジッドフレキシブル基板とは、配線パターン及びスルーホール等が設けられたリジッド基板と、配線パターン等が設けられたフレキシブル基板とが一体化された基板である。リジッド基板には、ガラスエポキシ等の剛性の高い材料が用いられる。フレキシブル基板には、ポリイミド等の可撓性及び屈曲性の高い材料が用いられる。ただし、リジッド基板とフレキシブル基板とに同一の材料を用い、層数を増やすなどして、リジッド基板の厚さをフレキシブル基板の厚さよりも厚くしてもよい。要は、フレキシブル基板の可撓性及び屈曲性がリジッド基板の可撓性及び屈曲性よりも高くなればよい。
【0056】
回路基板70のうち走行領域R1を包囲する部分(実装部71,72,73,74,75,76,77,78及び配線部81,82,83,84,85,86)は、糸Yの走行方向に平行となるように配置されている。ここで、「糸Yの走行方向に平行」とは、配線部81,82,83,84,85,86のように湾曲している場合には、その湾曲面に接する平面が糸Yの走行方向に平行であることを意味する。
【0057】
図2に示されるように、回路基板70は、共通基板79と制御基板52とを電気的に接続する配線部(第3配線部)87及び中継基板88を有している。配線部87は、共通基板79の一縁部(第1実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)及び配線部82の一部(共通基板79側の端部)の一縁部(第1実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)に接続されている。中継基板88は、配線部87の制御基板52側の端部に接続されている。回路基板70と制御基板52とは、中継基板88に設けられたコネクタ部88aと制御基板52に設けられたコネクタ部52aとが結合されることにより、電気的に接続されている。これにより、制御基板52は、回路基板70を介して、発光素子61及び受光素子62,63,64の組、並びに、発光素子65,66及び受光素子67,68の組に対して電気信号の入出力を行うと共に、当該電気信号の処理を行う。なお、中継基板88には、コネクタ部88aのみが実装されていてもよいし、或いは、コネクタ部88a及び抵抗部のみが実装されていてもよい。また、配線部87は、共通基板79の一縁部(第1実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)のみに接続されていてもよい。
【0058】
参考として、以上のように構成された検出モジュール51は、次のように組み立てられる。まず、例えば、ホルダ54に設けられた凹部及び/又は孔に複数の素子61〜68を嵌め込むことにより、ホルダ54に複数の素子61〜68を取り付ける。続いて、ホルダ54の周囲に回路基板70を配置し、各実装部71〜78に設けられた一対の孔に対し、素子61〜68がそれぞれ有する一対のリードピン61a〜68aを挿通させる。その状態で、ネジ止め等によって各実装部71〜78をホルダ54に固定する。このとき、各実装部71〜78に設けられた一対の孔を、糸Yの走行方向に垂直な方向(回路基板70が走行領域R1を包囲する周方向)に沿って延在する長孔としておけば、各実装部71〜78に設けられた一対の孔に対し、素子61〜68がそれぞれ有する一対のリードピン61a〜68aを容易に挿通させることができる。また、ホルダ54に回り止め用の突起を設けておき、当該突起が嵌め合わされる孔及び/又は切欠きを各実装部71〜78に設けておけば、ネジ止め等によって各実装部71〜78をホルダ54に固定する際に、各実装部71〜78が共回りするのを防止することができる。最後に、素子61〜68がそれぞれ有する一対のリードピン61a〜68aを各実装部71〜78の配線パターンに半田付け等によって接続する。
【0059】
以上説明したように、第1実施形態の糸監視装置50では、発光素子61及び受光素子62,63,64が、それぞれ、回路基板70の実装部71,72,73,74に実装されている。同様に、発光素子65,66及び受光素子67,68が、それぞれ、回路基板70の実装部75,76,77,78に実装されている。そのため、各素子の一対のリードピンに配線ケーブルを半田付けし、各素子の一対のリードピンと配線ケーブルとの接続部を熱収縮チューブ等の絶縁性部材で被覆することが不要となる。更に、各素子の一対のリードピンと配線ケーブルとの接続部にストレスが掛かるような事態も回避される。よって、糸監視装置50によれば、組付け性及び耐久性の向上が図られることになる。
【0060】
このように、第1実施形態の糸監視装置50によれば、異なる平面上に位置する複数の素子61〜68の設置及び配線を効率良く実施することができる。また、複数の素子61〜68、回路基板70及びホルダ54がモジュール化された検出モジュール51を制御基板52に対して容易に着脱することができ、当該検出モジュール51の検査及び/又は交換を容易に実施することができる。
【0061】
第1実施形態の糸監視装置50では、回路基板70のうち走行領域R1を包囲する部分(実装部71,72,73,74,75,76,77,78及び配線部81,82,83,84,85,86)が、糸Yの走行方向に平行となるように配置されている。これにより、回路基板70が捩れて回路基板70に歪み等が生じるのを防止することができる。
【0062】
第1実施形態の糸監視装置50では、ホルダ54における上流側の部分54aに設けられた発光素子61及び受光素子62,63,64の組と、ホルダ54における下流側の部分54bに設けられた発光素子65,66及び受光素子67,68の組とで、複数種の糸Yの状態を適切に検出することができる。また、発光素子61が実装された実装部71と発光素子65が実装された実装部75とが共通基板79に設けられているため、部品点数を減少させることができる。更に、実装部71と実装部75とが、糸Yの走行方向に平行な同一平面上に配置されているため、歪み等が生じるのを防止しつつ実装部71及び実装部75を共通基板79に設けることができる。
【0063】
第1実施形態の糸監視装置50では、回路基板70が、共通基板79と制御基板52とを電気的に接続する配線部87を有している。これにより、実装面積が比較的大きくなる共通基板79に配線パターンを集中させて、回路基板70と制御基板52との電気的な接続を効率良く実現することができる。
【0064】
第1実施形態の糸監視装置50では、共通基板79と制御基板52とを電気的に接続する配線部87が、共通基板79の一縁部のみに接続されている。これにより、共通基板79と配線部87との接続部が共通基板79に占める割合を最小限に抑えることができるので、共通基板79に実装部71,75を効率良く設けることができる。
【0065】
第1実施形態の糸監視装置50では、回路基板70と制御基板52とが、コネクタ部88aとコネクタ部52aとが結合されることにより、電気的に接続されている。これにより、回路基板70と制御基板52との電気的な接続及び当該接続の解除を容易に実施することができる。
【0066】
第1実施形態の糸監視装置50では、共通基板79の実装面79sと制御基板52の実装面52sとが、略垂直となっている。これにより、制御基板52の配置の最適化を図ることができる。
【0067】
第1実施形態の糸監視装置50では、発光素子61及び受光素子62,63,64、並びに、発光素子65,66及び受光素子67,68が、ホルダ54によって支持されている。これにより、各素子61〜68の位置決めが容易となり、更に、各素子61〜68の相互の位置関係が適切に維持されることになる。
【0068】
第1実施形態の糸監視装置50では、回路基板70が、糸Yの走行方向から見た場合に、導入領域R2を開口させた状態で、第1側壁部55及び第2側壁部56並びに奥壁部57を包囲するように配置されている。これにより、回路基板70に阻害されることなく、導入領域R2を介して外部から走行領域R1に糸Yを導入させることができる。
【0069】
第1実施形態の糸監視装置50では、各実装部71〜78がリジッド部となっており、各配線部81〜86がフレキシブル部となっている。これにより、走行領域R1に対して適切な位置及び向きに各素子61〜68を設置することができるので、十分な感度且つ高い精度で検出結果を得ることができる。
【0070】
第1実施形態の糸監視装置50では、糸Yの走行方向に沿って並んだ実装部71及び実装部75に、それぞれ、発光素子61及び発光素子65が実装されている。これにより、走行領域R1に加えて導入領域R2をホルダ54に設けつつも、各素子61〜68をホルダ54に効率良く配置することができる。また、発光素子61及び発光素子65が共通基板79に実装されるため、発光素子61,65がそれぞれ有する一対のリードピン61a,65aと共通基板79との接続(半田付け等)を実施し易くなる。
【0071】
第1実施形態の糸監視装置50では、発光素子61が有する一対のリードピン61aの少なくとも先端部が、走行領域R1とは反対側に延在している。このことは、他の素子62〜68がそれぞれ有する一対のリードピン62a〜68aについても同様である。これにより、一対のリードピン61a〜68aのそれぞれと各実装部71〜78との接続(半田付け等)を実施し易くなる。
【0072】
第1実施形態の糸監視装置50では、発光素子61が有する一対のリードピン61aの少なくとも先端部が、糸Yの走行方向に沿って並ぶように配置されている。このことは、他の素子62〜68がそれぞれ有する一対のリードピン62a〜68aについても同様である。これにより、走行領域R1の周囲に各素子61〜68が配置された状態(すなわち、各素子61〜68がホルダ54に支持された状態)で、走行領域R1の周囲に回路基板70を配置するときに、各実装部71〜78に設けられた一対の孔に対し、素子61〜68がそれぞれ有する一対のリードピン61a〜68aを挿通させ易くなる。
【0073】
第1実施形態の糸巻取機である紡績機10を構成する紡績ユニット1は、上述した第1実施形態の糸監視装置50を備えている。そのため、紡績ユニット1において、高品質のパッケージPを形成することができる。
[第2実施形態]
【0074】
第2実施形態の糸監視装置50は、検出モジュール51の構成において、上述した第1実施形態の糸監視装置50と主に相違している。
図6に示されるように、第2実施形態の検出モジュール51では、ホルダ54における上流側の部分54a及び下流側の部分54bの両方の構成が、上述した第1実施形態の検出モジュール51の構成のうち、ホルダ54における下流側の部分54bの構成(すなわち、発光素子65,66及び受光素子67,68、並びに、回路基板70の実装部75,76,77,78及び配線部84,85,86を含む構成)となっている。上流側の部分54aの構成において、発光素子65,66及び受光素子67,68の組は、各素子の光軸が糸Yの走行方向に垂直な同一平面上に位置するように配置されている。また、下流側の部分54bの構成において、発光素子65,66及び受光素子67,68の組は、各素子の光軸が糸Yの走行方向に垂直な別の同一平面上に位置するように配置されている。このように、第2実施形態の糸監視装置50では、発光素子65,66及び受光素子67,68の組と、発光素子65,66及び受光素子67,68の組とが、糸Yの走行方向に垂直な方向から見た場合に、異なる2つの位置に配置されている。なお、ホルダ54において、上流側の部分54aと下流側の部分54bとは、別体となっている。
【0075】
回路基板70は、第1回路部分70A及び第2回路部分70Bを有している。第1回路部分70Aは、ホルダ54における上流側の部分54aに設けられた実装部75,76,77,78及び配線部84,85,86を含んでいる。第2回路部分70Bは、ホルダ54における下流側の部分54bに設けられた実装部75,76,77,78及び配線部(第4配線部)84,85,86を含んでいる。糸Yの走行方向に沿って並んだ一対の実装部75は、それぞれ別個のリジッド基板(リジッド部)となっている。これにより、第1回路部分70Aと第2回路部分70Bとは、電気的且つ物理的に分離されている。
【0076】
第1回路部分70Aは、実装部75と第1制御基板52Aとを電気的に接続する配線部87及び中継基板(第1中継基板)88を有している。配線部87は、実装部75の一縁部(第2実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)及び配線部85の一部(実装部75側の端部)の一縁部(第2実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)に接続されている。中継基板88は、配線部87の第1制御基板52A側の端部に接続されている。第1回路部分70Aと第1制御基板52Aとは、中継基板88に設けられたコネクタ部88aと第1制御基板52Aに設けられたコネクタ部52aとが結合されることにより、電気的に接続されている。これにより、第1制御基板52Aは、第1回路部分70Aを介して、ホルダ54における上流側の部分54aに設けられた発光素子65,66及び受光素子67,68の組に対して電気信号の入出力を行うと共に、当該電気信号の処理を行う。なお、配線部87は、実装部75の一縁部(第2実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)のみに接続されていてもよい。
【0077】
第2回路部分70Bは、実装部75と第2制御基板52Bとを電気的に接続する配線部87及び中継基板(第2中継基板)88を有している。配線部87は、実装部75の一縁部(第2実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)及び配線部85の一部(実装部75側の端部)の一縁部(第2実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)に接続されている。中継基板88は、配線部87の第2制御基板52B側の端部に接続されている。第2回路部分70Bと第2制御基板52Bとは、中継基板88に設けられたコネクタ部88aと第2制御基板52Bに設けられたコネクタ部52aとが結合されることにより、電気的に接続されている。これにより、第2制御基板52Bは、第2回路部分70Bを介して、ホルダ54における下流側の部分54aに設けられた発光素子65,66及び受光素子67,68の組に対して電気信号の入出力を行うと共に、当該電気信号の処理を行う。なお、配線部87は、実装部75の一縁部(第2実施形態では、糸Yの走行方向における上流側の縁部)のみに接続されていてもよい。
【0078】
第1制御基板52Aと第2制御基板52Bとは、糸Yの走行方向から見た場合に、重なるように配置されており、その状態で、第1制御基板52Aの実装面52s及び第2制御基板52Bの実装面52sが糸Yの走行方向における下流側に向いている。ただし、第1制御基板52Aの実装面52sが糸Yの走行方向における下流側に向き、第2制御基板52Bの実装面52sが糸Yの走行方向における上流側に向いていてもよいし、又は、第1制御基板52Aの実装面52sが糸Yの走行方向における上流側に向き、第2制御基板52Bの実装面52sが糸Yの走行方向における下流側に向いていてもよい。或いは、第1制御基板52Aの実装面52s及び第2制御基板52Bの実装面52sの両方が糸Yの走行方向における上流側に向いていてもよい。
【0079】
以上説明したように、第2実施形態の糸監視装置50では、発光素子61及び受光素子62,63,64が、それぞれ、回路基板70の実装部71,72,73,74に実装されている。同様に、発光素子65,66及び受光素子67,68が、それぞれ、回路基板70の実装部75,76,77,78に実装されている。そのため、各素子の一対のリードピンに配線ケーブルを半田付けし、各素子の一対のリードピンと配線ケーブルとの接続部を熱収縮チューブ等の絶縁性部材で被覆することが不要となる。更に、各素子の一対のリードピンと配線ケーブルとの接続部にストレスが掛かるような事態も回避される。よって、糸監視装置50によれば、組付け性及び耐久性の向上が図られることになる。
【0080】
第2実施形態の糸監視装置50では、ホルダ54における上流側の部分54aに設けられた発光素子61及び受光素子62,63,64の組と、ホルダ54における下流側の部分54bに設けられた発光素子65,66及び受光素子67,68の組とで、複数種の糸Yの状態を検出することができる。更に、第1回路部分70Aと第2回路部分70Bとが電気的且つ物理的に分離されているため、発光素子61及び受光素子62,63,64の組、並びに、発光素子65,66及び受光素子67,68の組の配置の自由度を高くすることができる。
【0081】
第2実施形態の糸監視装置50では、第1回路部分70Aと第1制御基板52Aとが、コネクタ部88aとコネクタ部52aとが結合されることにより、電気的に接続されている。同様に、第2回路部分70Bと第2制御基板52Bとが、コネクタ部88aとコネクタ部52aとが結合されることにより、電気的に接続されている。これにより、第1回路部分70Aと第1制御基板52Aとの電気的な接続及び当該接続の解除、並びに、第2回路部分70Bと第2制御基板52Bとの電気的な接続及び当該接続の解除を容易に実施することができる。
【0082】
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上記第1及び第2実施形態に限定されるものではない。例えば、走行領域を走行する糸の状態を検出するための発光素子及び受光素子の組は、糸の走行方向に垂直な方向から見た場合に、異なる2つの位置に配置されている場合に限定されず、異なる3つ以上の位置に配置されていてもよいし、或いは、1つの位置のみに配置されていてもよい。また、糸の走行方向に垂直な方向から見た場合に1つの位置に配置される発光素子及び受光素子の組を構成する素子数は、4つに限定されず、5つ以上であってもよいし、或いは、2つ又は3つであってもよい。
図7に示される検出モジュール51は、走行領域R1を挟んで対向する一対のみの発光素子61及び受光素子62の組が、糸Yの走行方向に垂直な方向から見た場合に1つの位置のみに配置された例である。
【0083】
走行領域を走行する糸の状態を検出するための電子部品は、発光素子及び受光素子等の光学式の電子部品に限定されず、走行領域を挟んで対向する一対の電極等の静電容量式の電子部品であってもよい。また、走行領域を走行する糸の状態を検出するための電子部品は、端子としてリードピンを有するリード部品に限定されず、端子として電極パッド等を有する表面実装部品であってもよい。
【0084】
上記第1及び第2実施形態のように、回路基板の1つのリジッド基板(リジッド部)に1つの電子部品が実装されている形態に限定されず、回路基板の1つのリジッド基板(リジッド部)に複数の電子部品が実装されていてもよい。また、電子部品が実装される実装部は、リジッド基板(リジッド部)となっている場合に限定されず、フレキシブル基板(フレキシブル部)となっていてもよい。また、回路基板と制御基板との電気的な接続は、中継基板を介して間接的に実現される場合に限定されず、例えば、配線部87にコネクタ部88aを設けて、配線部87を制御基板52に接続することにより、直接的に実現されてもよい。
【0085】
本発明の糸巻取機は、複数の紡績ユニットによって構成される紡績機に限定されず、例えば複数のワインダユニットによって構成される自動ワインダ等であってもよい。