【課題】通信によって計測装置からの計測データを取得する情報収集システムであって、有線通信手段を有するデータ取得装置と、有線通信手段を有する計測装置との間の通信経路を、既存のネットワーク構成を大幅に変更することなく、無線化できる情報収集システム及びその方法を提供することを課題とする。
【解決手段】有線通信手段26を有する計測装置7と、有線通信手段42を有し且つ該有線通信手段42を介して上記計測装置7からの計測データを取得するデータ取得装置11と、計測装置7側に配置された計測側無線装置8と、データ取得装置11側に配置された取得側無線装置9とを備え、計測側無線装置8は計測装置7の有線通信手段26と有線接続させる有線通信手段31を有し、取得側無線装置9はデータ取得装置11の有線通信手段42と有線接続される有線通信手段41を有し、計測側無線装置8と取得側無線装置9とを無線通信可能に接続する。
前記データ取得装置の有線通信手段及び計測側無線装置の有線通信手段をマスターとするとともに、前記各計測装置の有線通信手段及び取得側無線装置の有線通信手段をスレーブとした
請求項2に記載の情報収集システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献の情報収集システム及びその方法では、計測装置(同文献では「電力計5」)と、データ取得装置(同文献では、「太陽光発電システム発電量予想装置1C」)との間の通信が有線通信である場合、その通信経路を無線化するには、計測装置及びデータ取得装置も含めて既存のネットワーク構成を大幅に変更する必要がある。
【0005】
本発明は、通信によって計測装置からの計測データを取得する情報収集システムであって、有線通信手段を有するデータ取得装置と、有線通信手段を有する計測装置との間の通信経路を、既存のネットワーク構成を大幅に変更することなく、無線化できる情報収集システム及びその方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報収集システムは、計測された計測データを通信によって取得する情報収集システムであって、有線通信手段を有する計測装置と、有線通信手段を有し且つ該有線通信手段を介して上記計測装置からの計測データを取得するデータ取得装置と、計測装置側に配置された無線装置である計測側無線装置と、データ取得装置側に配置された無線装置である取得側無線装置とを備え、上記計測側無線装置は計測装置の有線通信手段と有線接続させる有線通信手段を有し、上記取得側無線装置はデータ取得装置の有線通信手段と有線接続される有線通信手段を有し、計測側無線装置と取得側無線装置とが無線通信ネットワークを介して通信可能に接続されたことを特徴とする。
【0007】
上記構成とすることで、有線通信手段を有する2つの無線装置を設けることにより、計測装置及びデータ取得装置の各有線通信手段をそのまま利用して、計測装置とデータ取得装置の間の通信経路を、既存のネットワーク構成を大幅に変更することなく、無線化できる。
【0008】
有線通信可能に接続される一対の有線通信手段の一方が複数の有線通信手段と接続可能なマスターであるとともに、他方が1つのマスターと有線通信可能なスレーブであるものとしてもよい。
【0009】
前記データ取得装置の有線通信手段及び計測側無線装置の有線通信手段をマスターとするとともに、前記各計測装置の有線通信手段及び取得側無線装置の有線通信手段をスレーブとしたものとしてもよい。
【0010】
計測側無線装置を複数設け、計測側無線装置毎に、複数の前記計測装置を、該計測側無線装置と有線通信可能に設けたものとしてもよい。
【0011】
計測データが太陽電池で発電される電力であるものとしてもよい。
【0012】
無線通信ネットワークがアドホックネットワークであるものとしてもよい。
【0013】
本発明の情報収集方法は、計測された計測データを通信によって取得する情報収集方法であって、計測を行う計測装置が、計測データを、有線通信手段を介して送信する工程と、計測装置側に配置された計測側無線装置が、上記送信された計測データを、有線通信手段を介して受信する工程と、該計測側無線装置が、上記受信した計測データを、無線通信ネットワークを介して送信する工程と、計測データの取得を行うデータ取得装置側に配置された取得側無線装置が、上記送信された計測データを、無線通信ネットワークを介して受信する工程と、該取得側無線装置が、上記受信した計測データを、有線通信手段を介して送信する工程と、前記データ取得装置が、上記送信された計測データを、有線通信手段を介して受信する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
有線通信手段を有する2つの無線装置を設けることにより、計測装置及びデータ取得装置の各有線通信手段をそのまま利用して、計測装置とデータ取得装置の間の通信経路を、既存のネットワーク構成を大幅に変更することなく、無線化できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明を適用した情報収集システムの概念図である。同図に示す情報収集システム1は、複数の太陽電池をユニット化してなる太陽電池ユニットである太陽電池ストリング2(
図3参照)を、さらに複数集めて必要な電力量を発電可能とした太陽電池アレイ3に、設置された計測ユニット4と、該計測ユニット4からの各種計測データを収集するデータ収集ユニット6とを備えている。ちなみに、太陽電池アレイ3は、複数設置されている。
【0017】
上記計測ユニット4は、太陽電池アレイ3毎に1つ設けられている。複数の各計測ユニット4は、太陽電池の発電量を計測する計測装置7と、該計測装置7と有線通信可能な計測側無線装置(無線装置)8と、これらの計測装置7及び計測側無線装置8を収容する制御ボックス(図示しない)とを備えている。
【0018】
上記データ収集ユニット6は、計測側無線装置8と無線通信可能な取得側無線装置(無線装置)9と、該取得側無線装置9と通信可能に有線接続され且つ各種データを取得して記憶するデータ取得サーバ(データ取得装置)11とを備えている。
【0019】
上記2種類の無線装置8,9は、それぞれアンテナ8a,9aを備え、無線通信ネットワーク(さらに具体的には、アドホックネットワーク)12(
図2参照)を介して相互に通信可能である。
【0020】
図2は、無線通信ネットワークの構成を示す概念図である。各無線装置8,9は、アドホック無線通信をサポートし、2つの無線装置8,9の間で無線通信を行うにあたり、この2つの無線装置8,9同士が直接情報のやり取りを行ってもよいが、この2つの無線装置8,9とは別の一又は複数の無線装置8を中継させて該2つの無線装置8,9同士が通信を行っても良い。
【0021】
このため、基地局が不要であり、無線装置8,9が発信する電波の到達範囲同士が互いに重なり合って上述のアドホックネットワーク12を形成し、このアドホックネットワーク12を介して、無線装置8,9同士が情報のやり取りを行う。ちなみに、これらの無線装置8,9には、ZigBee(登録商標)とよばれる無線通信モジュールを用いる。
【0022】
図3は、計測ユニットの電力系の配線図である。複数の太陽電池ストリング2は、互いに並列接続されて電力供給対象13に送電される。具体的には、複数の各太陽電池ストリング2のP型半導体に接続される端子であるプラス端子2aから配線される高電圧側導線14は、全て単一の高電圧側送電線16に接続される一方で、複数の各太陽電池ストリング2のN型半導体に接続される端子であるマイナス端子2bから配線される低電圧側導線17は、全て単一の低電圧側送電線18に接続される。この2本の送電線16,18によって、発電した電力が電力供給対象13に送電出力される。
【0023】
各高電圧側導線14の中途部には、逆流防止用のダイオード19が配置され、このダイオード19によって、高電圧側導線14を介したプラス端子2aから高電圧側送電線16への電流のみが許容され、これと逆方向への電流は規制(具体的には禁止)される。
【0024】
各低電圧側導線16の中途部には、電流検知用のシャント抵抗21が配置され、このシャント抵抗21に電流計22が設置される。一方、各組の高電圧側送電線14と低電圧送電線17との間には、電圧計23が設置される。具体的には、高電圧側送電線14におけるダイオード19のアノード側(陽極側)と、低電圧側送電線17におけるシャント抵抗21よりもマイナス端子2b寄り部分との間に、電圧計23が介設される。
【0025】
電圧計23を、ダイオード19のアノード側に配置したことにより、各太陽電池ストリング2の両端子2a,2b間の電圧を計測可能になる。ちなみに、ダイオード19のカソード側に電圧計23を配置した場合、検出される電圧が、全ての太陽電池ストリング2で同一になるため、太陽電池ストリング2の状態を個別に検出することはできないが、上述した通りに配線することにより、個別の検出が可能になる。
【0026】
また、計測側無線装置8の電源は、上記2つの送電線16,18から供給させてもよいし、或いは、
図3に仮想線で示す通り、何れかの太陽電池ストリング2の一対の導線14,17から供給させてもよい。
【0027】
図4は、計測ユニットの構成を示すブロック図である。複数の各計測装置7は、マイコン及びRAM等からなる制御部24と、上述した電圧計23及び電流計22と、計測側無線装置8と有線接続される有線通信手段26とを、基板上に実装することにより構成されている。
【0028】
電圧計23及び電流計22からの検出値(計測データ)は、デジタル信号が電圧値等として入力されるデジタル信号ポート(IOポート)又はアナログ信号が電圧値等として入力されるアナログ信号入力ポート(ADポート)からなる入力ポートを介して、上記制御部24に入力される。
【0029】
すなわち、電力検出手段として機能する電圧計23及び電流計22からの測定データが入力されると、制御部24は、この測定データを、有線通信手段26を介して、該有線通信手段26と有線接続された計測側無線装置8に送信する。ちなみに、これらの電圧計23及び電流計22の測定データから、各太陽電池ストリング2の発電量と、太陽電池アレイ3の発電量とが計算可能である。
【0030】
計測側無線装置8は、マイコン及びRAM等からなる制御部27と、制御ボックス内の温度を検知する温度センサ(温度検出手段)28及び制御ボックス内の湿度を検知する湿度センサ(湿度検出手段)29と、自己が収容された制御ボックス内の各計測装置7の有線通信手段26と有線通信可能に有線接続される有線通信手段31と、上述したアドホックネットワーク12を介した無線通信をサポートする無線通信手段32とを、基板上に実装することにより構成されている。
【0031】
温度センサ28及び湿度センサ29によって検出された検出値(計測データ)は、デジタル信号が電圧値等として入力されるデジタル信号ポート(IOポート)又はアナログ信号が電圧値等として入力されるアナログ信号入力ポート(ADポート)からなる入力ポートを介して、上記制御部27に入力される。
【0032】
また、この制御部27の入力ポート(具体的にはADポート)には、制御ボックスの外部で且つ該計測ユニット7が設置された太陽電池アレイ3の周囲の気温を計測する気温計(気温検出手段)33と、日射量を計測する日射計(日射量検出手段)34とがそれぞれ接続されている。
【0033】
さらに、制御部27は、有線通信手段31を介して、同一制御ボックス内の複数の計測装置7とそれぞれ有線通信を行う。このため、同一制御ボックス内の複数の計測装置7からの送信されてくる計測データは、一括して、計測側無線装置8に集められる。
【0034】
そして、この制御部27は、上記のようにして複数の計測装置7からの集められた計測データと、温度センサ28、湿度センサ29、気温計33及び日射計34によって検出された検出値である計測データとを、無線通信手段22により、アドホックネットワーク12を介して取得側無線装置9に送信する処理を、実行する。
【0035】
なお、制御ボックス内の湿度や温度の測定データによって、計測装置7または計測側無線装置8が正常動作する環境であるか否かを随時監視できる他、外部の太陽電池アレイ3の周辺の気温や日射量の測定データによって、発電状況を、間接的に把握できる。また、制御ボックス内に、図示しない除湿素子を配置すれば、内部の湿度を最適に保持させることが容易になる。
【0036】
図5は、計測ユニットの有線通信のための配線図である。
図4及び
図5に示す通り、同一制御ボックス配置された複数の計測ユニット7と、計測側無線装置8との間の有線通信は、多対一の通信によって行われ、一方がマスター、他方がスレーブとなる。
【0037】
具体的には、RS485のシリアル通信であり、複数の計測装置7が1つの計測側無線装置8にマルチドロップ接続される。このため、計測側無線装置8の有線通信手段26からの各信号線36に、計測装置の有線通信手段からの対応する各信号線37が接続される。そして、計測側無線装置8の有線通信手段31がマスター、計測装置7の有線通信手段26がスレーブとなり、1つの計測側無線装置8と、複数の計測装置7との間で、一対多の有線通信が実現される。
【0038】
この際、各有線通信手段26,31には、互いを認識するアドレスが必要である他、互いの送信信号が干渉しないように、マスター31から複数のスレーブ26の何れか一に送信要求の信号を送信し、この送信要求の信号を受信したスレーブ26は、マスター31に対して、計測データの送信を行い、この計測データを受信したマスター31は、まだ送信要求をしていない別のスレーブ26に対して同様の処理を行い、以下この処理を繰返すことにより、互いの送受信が干渉しない状態で、一対多の有線通信を行う。
【0039】
図示する例では、4線式の信号線36,37を用いているが、2線式であってもよい。ちなみに、このようなマルチドロップ接続では、必要に応じて、図示しない終端抵抗を設ける必要がある他、通信プロトコルは、任意に定めることが可能である。なお、1つの計測側無線装置8と、複数の計測装置7との間で、一対多の有線通信が実現可能であり且つマスター26とスレーブ31の関係が成立すれば、上述したRS485のシリアル通信には、限定されず、例えば、I2Cバス通信等を用いもよい。
【0040】
図6は、データ収集ユニットの構成を示すブロック図である。取得側無線装置9は、マイコン及びRAM等からなる制御部38と、計測側無線装置8とアドホックネットワーク12を介した無線通信を行う無線通信手段39と、データ取得サーバ11に有線接続される有線通信手段41とを、基板上に実装することにより構成されている。
【0041】
上記無線通信手段39は、制御部27に接続され、複数の計測ユニット4(さらに具体的には、計測側無線装置8)の無線通信手段32から送られてくる計測データを受信する。この無線通信手段39は、計測側無線通信8の無線通信手段32と同一の通信プロトコルを実装し、アドホックネットワーク12を介した無線通信サポートしている。
【0042】
上記制御部38は、無線通信手段39で受信した計測データを、有線通信手段41を介して、データ取得サーバ11に送信する。
【0043】
上記データ取得サーバ11は、取得側無線装置9の有線通信手段41と有線通信可能に接続される有線通信手段42と、マイコン及びRAM等からなる制御部43と、HDDやSSD等からなる記憶装置44とを備えたコンピュータである。
【0044】
取得側無線装置9の有線通信手段41と、データ取得サーバ11の有線通信手段42との間の有線接続も、上述した例の通り、RS485やI2Cバス等によって実現されるマスター/スレーブの有線通信である。具体的には、取得側無線装置9の有線通信手段41がスレーブになり、データ取得サーバ11の有線通信手段42がマスターになる。
【0045】
次に、
図7乃至10に基づき、本情報収集システムを利用した情報収集方法について説明する。
【0046】
図7は、計測装置の処理フロー図である。計測装置7は、ステップS1から処理を開始する。ステップS1では、上述した送信要求があるか否かをチェックし、送信要求があれば、ステップS2に進み、送信要求がなければ、ステップS1に処理を戻す。ステップS2では、上述した各種計測データを取得し、ステップS3に進む。ステップS3では、送信要求元に計測データを有線送信して、ステップS1に処理を戻す。
【0047】
図8は、計測側無線装置の処理フロー図である。計測側無線装置8は、ステップS11から処理を開始する。ステップS1では、管理している計測装置7から送信されてくる予定の計測データ中で、まだ未取得の計測データがあるか否かを確認し、未取得の計測データがあれば、ステップS12に進む。ちなみに、管理している各計測装置7からの計測データを、所定間隔毎に取得できるように送信要求のタイミングがスケジューリングされている。
【0048】
ステップS12では、未取得の計測データがあるとされた計測装置7に対して、送信要求を行い、ステップS13に進む。ステップS13では、直前のステップS12で送信要求を行った計測装置7からの計測データが受信されたか否かをチェックし、受信されていなければステップS13の処理を再び行い、受信されていればステップS14に進む。
【0049】
ステップS14では、ステップS13において受信が確認された計測データを、取得して、ステップS15に進む。また、ステップS11において、その時点での未取得データが無い場合にも、ステップS15に進む。
【0050】
ステップS15では、自身に蓄積させた計測データを、無線通信手段32によって取得側無線装置9の無線通信手段39に送信(無線送信)するタイミングであるか否かを確認する。計測データを有線通信手段31で受信する度に、アドホックネットワーク12を介した無線送信を行ってもよいが、これでは、送信効率が悪いため、複数の計測データを、まとめて無線送信を行う。
【0051】
具体的には、複数の計測データが蓄積されていると予想される所定時間毎に、アドホックネットワーク12を介した無線送信を行ってもよいし、或いは、未送信の計測データが所定容量や所定数に達した場合に、上記無線送信を行ってもよい。
【0052】
ステップS15において、無線送信を行うタイミングである場合には、ステップS16に進み、そうでない場合には、ステップS11に処理を戻す。ステップS16では、記無線通信の処理を行い、複数の計測データを、まとめて取得側無線装置9に送る。
【0053】
図9は、取得側無線装置の処理フロー図である。取得側無線装置9は、ステップS21から処理を開始する。ステップS21では、上述した無線送信の処理により、アドホックネットワーク12を介して送られてくる送信データが、受信されたか否かを確認し、受信されていれば、ステップS22に進み、受信されていなければ、ステップS23に進む。
【0054】
ステップS22では、受信されたデータを取得してステップS23に進む。ちなみに、このステップS22での処理によりも後に受信されたデータがステップS21での受信データとして扱われる。
【0055】
ステップS23では、データ取得サーバ11からの送信要求があるか否かをチェックして、送信要求があれば、ステップS24に処理を進める一方で、送信要求がなければ、ステップS21に処理を戻す。
【0056】
ステップS24では、ステップS22で確保されたデータから、計測データを取得して、ステップS25に進む。ステップS25では、ステップS24で取得された計測データを、データ取得サーバ11側に送信して、処理をステップS21に戻す。
【0057】
図10は、データ取得サーバの処理フロー図である。データ取得サーバ11は、ステップS31から処理を開始する。ステップS31では、上述したステップS11と同一のアルゴリズムにより、未取得の計測データの有無を確認し、未取得の計測データが有ればステップS32に進み、無ければステップS31の処理を繰返す。
【0058】
ステップS32では、未取得データを取得する目的で送信要求を行い、ステップS33に進む。ステップS33では、送信要求に基づいて送られてくる未取得の計測データが受信されたか否かを確認し、受信されていれば、ステップS34に進み、受信されていなければ、このステップS33の処理を繰返す。ステップS34では、受信された計測データを取得して、処理をステップS31に戻す。
【0059】
このように構成される情報収集システム及びその方法によれば、
図6に仮想線で示す通り、データ取得サーバ11のマスター42に、複数の計測装置7のスレーブ26がまとめて有線接続されているような場合、計測装置7側及びデータ取得サーバ11側のそれぞれに無線装置8,9を配置すれば、既存の設備を殆どそのまま利用して、計測装置7とデータ取得サーバ11との間の通信経路の一部を無線化できる。
【0060】
また、処理内容も略同一とすることが可能である。具体的には、
図7に示す計測装置7の処理内容と、
図10に示すデータ取得サーバ11の処理内容とは、無線化する前と後で、同一であり、実行プログラムの変更も殆ど必要ない。
【0061】
なお、
図8におけるステップS11〜ステップS14の処理内容は、
図10におけるステップS31〜ステップS34の処理内容とほぼ同一であるため、計測装置7側から見て、計測側無線装置8が、無線化する前のデータ取得サーバ11と同一とみなすことが可能であるとともに、
図9におけるステップS23〜ステップS25の処理内容は、
図7におけるステップS1〜S3の処理内容とほぼ同一であるため、データ取得サーバ11側から見て、取得側無線装置9が、無線化する前の計測装置7と同一とみなすことが可能である。
【0062】
このため、計測装置7及びデータ取得サーバ11の処理内容を、無線化する前の従来の処理内容とほぼ同一とすることが可能である。
【0063】
このため、この情報収集システム1を、既存の設備に適用することが容易になり、利便性や、適用の範囲が大幅に拡大する。
【0064】
また、計測データは、計測装置7→計測側無線装置8→取得側無線装置9→データ取得サーバ11の順に送られるが、検出された値をそのままデータ取得サーバ11まで送った後、データ取得サーバ11の制御部43で、単位が付された所定の物理量に変換してもよいし、或いは、計測装置7、計測側無線装置8又は取得側無線装置9の何れかを経由するタイミングで、上記変換処理を行ってもよい。
【0065】
また、このデータ管理サーバ11は、このようにして取得した各種の計測データを、記憶装置44に記憶してデータベース化する他、この計測データを利用して、各太陽電池アレイ3のモニタリングを行う。
【0066】
例えば、計測装置7からの計測データによって、太陽電池(具体的には、各太陽電池ストリング2及び各太陽電池アレイ3)のその時点での発電量を検知し、必要な電力量に達しているか否かを確認する他、気温計33及び日射計34の計測データから、発電されるべき電力量を算出し、実際に発電されている電力量との比較等を行ってもよい。
【0067】
さらに、計測側無線装置8の温度センサ28や湿度センサ29の測定データに基づいて、結露による短絡等が生じる危険性があるか否か等の判断を行う。
【0068】
なお、計測側無線装置8のアナログ信号入力ポートに、気温計33及び日射計34が接続されているため、別途、気温計33及び日射計34を接続する装置を用意する必要がなくなり、構成がシンプルになる。
【0069】
また、1つの計測側無線装置8が、複数の計測装置7の計測データを一括して、データ収集ユニット6側に送信するため、効率的なデータ送信を行うことが可能になる。