【実施例1】
【0021】
情報抽出装置101は、図示しないが、CPU等の制御部とRAMやROM等の記憶部等を備えたコンピュータである。
図1は、本実施例における情報抽出装置101の内部構成を示したブロック図である。
その具体的な内部構成は、抽出対象となる情報を特定する対象情報特定部201、抽出対象となる情報からスタート構成要素を特定するスタート構成要素特定部202、情報テーブルのスタート構成要素等と連想構成要素のマッピング情報に基づいてスタート構成要素等にマッピングされている連想構成要素を抽出する連想構成要素抽出部203、情報テーブルの連想構成要素とゴール構成要素のマッピング情報に基づいて連想構成要素にマッピングされているゴール構成要素を抽出するゴール構成要素抽出部204、ゴール構成要素と抽出結果のマッピング情報に基づいてゴール構成要素とマッピングされている抽出結果及びその抽出結果が導かれるに至った理由を抽出する結果及び理由抽出部205、抽出結果やその抽出結果が導き出されるに至った理由等を画面表示や印刷等により出力する出力部206、スタート構成要素と連想構成要素、及び連想構成要素とゴール構成要素が各々マッピングされて観点毎に用意されている情報テーブル、並びにゴール構成要素と抽出結果のマッピングに関する情報等を管理する情報テーブル等管理部207、から構成されている。
【0022】
次に、本発明における情報抽出装置101が有する機能について詳しく説明する。
図2は、本実施例における情報抽出装置101において抽出結果及びその抽出結果が導き出されるに至った理由を出力する処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS101)、対象情報特定部201により抽出対象となる情報を特定する(ステップS102)。
スタート構成要素特定部202により、抽出対象となる情報からスタート構成要素を特定する(ステップS103)。
次に、情報テーブル等管理部207で管理されている情報テーブルの内、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされて観点毎に用意されている情報テーブルを検索して、ステップS103で特定したスタート構成要素がヒットするどうかを判断する(ステップS104)。
もし、スタート構成要素がヒットしなかった場合は、判断結果は「No」となり、ステップS109へ進み、終了となる。
一方、スタート構成要素がヒットした場合には、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされて観点毎に用意されている情報テーブルにおいて、該スタート構成要素にマッピングされている連想構成要素を連想構成要素抽出部203により抽出する(ステップS105)。
次に、情報テーブル等管理部207で管理されている情報テーブルの内、連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされて観点毎に用意されている情報テーブルにおいて、該連想構成要素にマッピングされているゴール構成要素をゴール構成要素抽出部204により抽出する(ステップS106)。
結果及び理由抽出部205により、情報テーブル等管理部207で管理されているゴール構成要素と抽出結果のマッピング情報に基づいて、ゴール構成要素にマッピングされている抽出結果を抽出すると共に、マッピングされたスタート構成要素、連想構成要素及びゴール構成要素の一連の連想の流れや観点を理由として抽出する(ステップS107)。なお、スタート構成要素、連想構成要素、ゴール構成要素、及び観点を全て理由とする場合に限られるものではなく、その一部を理由として抽出しても良い。例えば、連想構成要素のみ、連想構成要素及び観点のみ、を理由として抽出しても良い。
そして、抽出結果及びその抽出結果が導かれるに至った理由を出力部206により出力し(ステップS108)、終了となる(ステップS109)。
【0023】
このように、本実施例では、対象情報特定部201によって抽出対象となる情報を特定した後、スタート構成要素特定部202でスタート構成要素を特定し、特定されたスタート構成要素から抽出結果までのマッピングを行って、抽出結果及びその抽出結果が導き出されるに至った理由を結果及び理由抽出部205によって抽出し、出力部206によって出力する。
なお、スタート構成要素から抽出結果までのマッピングは、連想構成要素抽出部203、ゴール構成要素抽出部204、結果及び理由抽出部205によって行われる。
【0024】
図3は、スタート構成要素から抽出結果が導き出されるに至った理由までの構成要素等のマッピングを示した説明図である。
図3におけるスタート構成要素はA1、A3、D1、D3の4つである。観点はイ、ロの2つである。観点イにおける情報テーブルはAB及びBCの2つ、観点ロにおける情報テーブルはDE、EF及びFGの3つである。そして、情報テーブルAB内は、A1から連想されるB1、A2から連想されるB2及びB3、A3から連想されるB3、A4から連想されるB4、がそれぞれマッピングされている。
スタート構成要素A1の例で説明すると、A1は情報テーブルAB内に含まれているので、まず情報テーブルABと結びつく、情報テーブルAB内のA1は、A1から連想されるB1とマッピングされており、B1は情報テーブルBC内において、B1から連想されるC1とマッピングされている。ここで、B1は連想構成要素、C1はゴール構成要素である。このように、スタート構成要素A1、連想構成要素B1、及びゴール構成要素C1がマッピングされて一連の連想の流れとなっている。そして、C1は抽出結果であるXとマッピングされているので、抽出結果としてはX、その抽出結果Xが導かれるに至った理由として、C1関連のものとしては観点イと連想構成要素B1が抽出される。ただし、抽出結果Xの理由としては、
図3に示されているように、他にC3及びG1関連のものも含まれる。
【0025】
<抽出対象情報及びスタート構成要素の特定>
まず、新聞記事、自然言語の文章、写真、質問に対する回答等の抽出対象情報となるコンテンツを準備する。このコンテンツの内容は限定されないが、最終的にスタート構成要素となるタグに落とせるものでなければならない。
対象情報特定部201による抽出対象情報の特定には、様々な方法を用いることができる。例えば、利用者に対して質問して、「映画を見たい」と答えたら、予め用意したサンプルから見たいと思う映画を選ばせる、あるいは好きな映画のタイトルを入れてもらう、等が可能である。
次に、スタート構成要素特定部202により、抽出対象となる情報からスタート構成要素を特定する。例えば、抽出対象となる情報が新聞記事であれば、該新聞記事をテキスト解析することによりタグを抽出して、スタート構成要素として特定しても良い。
さらには、情報テーブル等管理部207で管理されている、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされている情報テーブルに含まれているスタート構成要素をいくつか提示して、直接、スタート構成要素を利用者に選んでもらって特定しても良い。
ここで、スタート構成要素の特定とは、抽出対象情報に付属するメタ情報より、テキストデータの要素に分解することを指す。なお、スタート構成要素は、抽出対象情報であるコンテンツのメタ情報を定義するタグによって構成されている。
【0026】
<スタート構成要素と連想構成要素のマッピング>
先ず、場所・風景・アトラクション・レストラン等のような観点毎に用意されている、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされている情報テーブル(情報テーブルAB・情報テーブルDE)を検索して、スタート構成要素A1・A3・D1・D3があるかどうかを判断する。
そして、スタート構成要素がヒットした場合には、該スタート構成要素にマッピングされる連想構成要素を抽出することになる。例えば、スタート構成要素A1の場合であれば、情報テーブルABにスタート構成要素A1が存在しているので、情報テーブルABにおいてA1にマッピングされているB1を連想構成要素として抽出する。
このように、観点毎に用意されている、情報テーブル等管理部207で管理されているスタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされている情報テーブルの情報に基づいて、連想構成要素抽出部203が、スタート構成要素特定部202によって特定されたスタート構成要素にマッピングされている連想構成要素を抽出する。
【0027】
なお、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされている情報テーブル内において、スタート構成要素と連想構成要素とは1:1にマッピングされている場合だけでなく、1:Nにマッピングされていても良い。例えば、
図3の情報テーブルABにおいて、A2に対してはB2及びB3がマッピングされている。A2が雰囲気が良いお店であれば、観点毎に用意されている情報テーブルの内、観点イが雰囲気であれば情報テーブルABにおいて、例えばB2の夜景のきれいなお店、B3の静かに食事ができるお店、の2つにマッピングされていても良い。
ただし、観点を超えてマッピングされることはなく、複数の連想構成要素にマッピングされるとしても同じ観点内、即ちスタート構成要素と連想構成要素がマッピングされている情報テーブルは同じ観点内には一つしか存在していないので同じ情報テーブル内、でマッピングされる。例えば、観点イに含まれている情報テーブルAB内のA2に対して、観点が異なる観点ロに含まれている情報テーブルDE内のE1〜E4のいずれかがマッピングされるということはない。
【0028】
また、ある観点に存在している情報テーブルは、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされている情報テーブル、及び連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされている情報テーブルの2つに限られない。観点ロの場合のように、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされている情報テーブルDE及び連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされている情報テーブルFGの間に、連想構成要素から連想される他の連想構成要素がマッピングされている情報テーブルEFが存在していても良い。D1の場合であれば、情報テーブルDEにおいてE1とマッピングされているが、その後、E1は中間の情報テーブルEFにおいてF1とマッピングされ、さらにF1は情報テーブルFGにおいてG1とマッピングされている。例えば、D1がデートしたい、E1が雰囲気が良い、F1が夜景がきれい、G1が高層階にあるレストランのような場合である。この場合、G1が選ばれた理由を構成する連想構成要素は、1つの連想構成要素ではなく、E1及びF1の複数の連想構成要素のセットとなる。
なお、連想構成要素から連想される他の連想構成要素がマッピングされている情報テーブル内において、連想構成要素と他の連想構成要素とは、1:1にマッピングされている場合だけでなく、1:Nにマッピングされていても良い。情報テーブルEF内のE2に対しては、F2及びF3がマッピングされている。
このように、情報テーブル等管理部207で管理されている連想構成要素の抽出に用いられる情報テーブルは、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされているものの他に、該連想構成要素から連想される他の連想構成要素がマッピングされているものが同一の観点でさらに少なくとも1以上用意されていても良い。この場合、連想構成要素抽出部203はスタート構成要素特定部202によって特定されたスタート構成要素にマッピングされている連想構成要素を抽出した後に、該連想構成要素から連想される他の連想構成要素がマッピングされている情報テーブルを用いてさらにマッピングされた連想構成要素を抽出し、ゴール構成要素抽出部204は連想構成要素抽出部203によって最終的に抽出された連想構成要素にマッピングされているゴール構成要素を抽出する。
【0029】
<連想構成要素とゴール構成要素のマッピング>
観点毎に用意されている、情報テーブル等管理部207で管理されている連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされている情報テーブルの情報に基づいて、ゴール構成要素抽出部204が、連想構成要素抽出部203によって抽出された連想構成要素にマッピングされているゴール構成要素を抽出する。
なお、連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされている情報テーブル内において、連想構成要素とゴール連想構成要素とは、1:1にマッピングされている場合だけでなく、1:Nにマッピングされていても良い。情報テーブルBC内のB2に対しては、C1及びC2がマッピングされている。例えば、焼肉に対して、カルビ及びロースがマッピングされているような場合である。
ただし、観点を超えてマッピングされることはなく、複数のゴール構成要素にマッピングされるとしても同じ観点内、即ち連想構成要素とゴール連想構成要素がマッピングされている情報テーブルは同じ観点内には一つしか存在していないので同じ情報テーブル内、でマッピングされる。
【0030】
<ゴール構成要素と抽出結果のマッピング>
ゴール構成要素抽出部204によって抽出されたゴール構成要素にマッピングされている抽出結果を、結果及び理由抽出部205によって抽出する。より詳しくは、ゴール構成要素とテキストデータの要素に分解されたコンテンツに付属するメタ情報が一致する場合に、該コンテンツを抽出結果として出力する。 ただし、抽出結果となるコンテンツと該コンテンツに付属するメタ情報とのマッピング情報を予め情報テーブル等管理部207に記憶保存しておき、ゴール構成要素をキーワードに該マッピング情報を検索してヒットしたコンテンツを抽出結果として出力しても良い。
なお、抽出結果はゴール構成要素とマッピングされ、スタート構成要素や連想構成要素と直接にマッピングされることはない。
また、ゴール連想構成要素と抽出結果は、1:1にマッピングされている場合に限られない。
図3の場合で説明すると、ゴール構成要素C3は抽出結果XだけでなくYにもマッピングされており、また抽出結果Xはゴール構成要素C3だけでなくC1やG1ともマッピングされている。
【0031】
<出力>
スタート構成要素特定部202によって特定されたスタート構成要素から抽出結果までのマッピングを行い、その抽出結果だけでなく、スタート構成要素から抽出結果がマッピングされるに至った理由を結果及び理由抽出部205によって抽出し、出力部206によって出力する。例えば、利用者の好きなラーメン屋の情報を元にお勧めのラーメン屋を抽出する場合であれば、Xというラーメン屋を抽出結果として抽出すると同時に、抽出結果としてXが導き出されるに至ったのは、Xの店主が利用者の好きなラーメン屋の店主と同じ店で昔修行していたからである、といった理由も併せて抽出して出力する。
本発明では、数ある中から抽出結果を探し出して来たことより、その抽出結果を探し出して来たことに対する理由付け、言い換えると情報テーブル間の結び付きが重要である。そして、
図3の観点ロの場合のように同じ観点内の情報テーブルが3以上だった場合、情報テーブルDEと情報テーブルEFを結び付ける連想構成要素だけでなく、情報テーブルEFと情報テーブルFGを結び付ける連想構成要素も理由として出力される。
出力内容としては、抽出結果及びその抽出結果が導き出されるに至った理由が含まれているものであればよく、様々な出力が可能である。
図3の場合であれば、抽出結果としてX、Y、Zの3つを出力している。そして、Xの理由としては観点イ及び連想構成要素B1、観点イ及び連想構成要素B3、並びに観点ロ及び連想構成要素E1・F1の3つを出力し、Yの理由としては観点イ及び連想構成要素B3、並びに観点ロ及び連想構成要素E1・F1の2つを出力し、Zの理由としては観点ロ及び連想構成要素E3・F3、の1つを出力している。
このように、出力される理由には、観点や連想構成要素等が含まれる。また、観点、連想構成要素等を単に並べて示す場合だけに限られるものではなく、これらを含む文章を生成して理由として出力しても良い。
また、出力される抽出結果は、テキストに限られるものではなく、新聞記事、写真、映像、音楽等のコンテンツであっても良い。また、抽出結果であるコンテンツの他に、該コンテンツに関連するコンテンツも併せて出力しても良い。
【0032】
<情報テーブル>
スタート構成要素と連想構成要素、及び連想構成要素とゴール構成要素が各々マッピングされて、観点毎に用意されている情報テーブルについて説明する。本発明における情報テーブルとは、ある語とその語から連想される連想語がマッピングされて登録されているテーブルである。
情報テーブルは1又は複数の観点毎に存在する。そして、観点毎にスタート構成要素から連想される連想構成要素、連想構成要素から連想されるゴール構成要素が各々マッピングされている少なくとも2つの情報テーブルが、情報テーブル等管理部207によって管理されている。
ただし、観点毎の情報テーブルは、この2つに限られるものではなく、この2つの情報テーブルの間に連想構成要素から連想される他の連想構成要素がマッピングされている情報テーブルが、1または複数入っていても良い。例えば
図3に示した例のように、観点イの情報テーブルは2つであるが、観点ロの情報テーブルは3つである。
【0033】
なお、
図3の観点ロの情報テーブルは、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされている情報テーブルDE、連想構成要素から連想される他の連想構成要素がマッピングされている情報テーブルEF、連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされている情報テーブルFGの3つであるが、ゴール構成要素は連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされている情報テーブルFGからのみ抽出される。つまり、あるゴール構成要素は情報テーブルFGから抽出されるが、別のゴール構成要素は中間の情報テーブルEFから抽出されるということはない。観点によっては、
図3の観点ロのように、スタート構成要素から連想される連想構成要素、連想構成要素から連想されるゴール構成要素が各々マッピングされている2つの情報テーブルの他に、連想構成要素から連想される他の連想構成要素がマッピングされている情報テーブルが間に入っている場合はあるものの、ゴール構成要素は抽出結果のメタ情報を定義するタグであるので、抽出結果はゴール構成要素とのみ結び付き、中間の連想構成要素と直接結び付くということはない。
また、情報テーブル等管理部207で管理されている情報テーブルは、情報抽出装置101の内部に記憶保存されている場合に限られるものではなく、該情報テーブルのマッピング情報自体は情報抽出装置101の外部に存在していても良い。
【実施例2】
【0034】
本実施例は、利用者の志向性をも反映して抽出結果や理由が出力される点、設定された重み付けに基づいて理由等の優先度を集計して出力順位を決定する点、利用者端末103と通信を行う点等が追加されているのが、実施例1の場合と異なる。他の部分は、実施例1と同様なので適宜説明を省略する。
図4は、本実施例における全体のシステム構成を示した説明図である。
本願の情報抽出装置は、
図4に示すように、利用者側に設置された利用者端末103が、通信ネットワーク102を介して情報抽出装置101と接続されている。なお、
図4に示したシステム構成において、情報抽出装置101は1台、利用者端末103は2台として示されているが、これらは各々それ以上の台数があってもよい。
【0035】
通信ネットワーク102は、インターネット、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)等、種々のネットワークを利用することが可能である。
【0036】
情報抽出装置101は、図示しないが、CPU等の制御部とRAMやROM等の記憶部等を備えたコンピュータである。
そして、利用者端末103は、図示しないが、CPU等の制御部とRAMやROM等の記憶部と液晶画面等の表示部やキーボード等の入力部、インターネット等との通信を制御する通信部等を備えた情報処理機器であり、この中にはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PHS、PDA、専用端末等が含まれる。
【0037】
図5は、本実施例における情報抽出装置101の内部構成を示したブロック図である。
その具体的な内部構成は、抽出対象となる情報を特定する対象情報特定部301、抽出対象となる情報からスタート構成要素を特定するスタート構成要素特定部302、情報テーブルのスタート構成要素等と連想構成要素のマッピング情報に基づいてスタート構成要素等にマッピングされている連想構成要素を抽出する連想構成要素抽出部303、情報テーブルの連想構成要素とゴール構成要素のマッピング情報に基づいて連想構成要素にマッピングされているゴール構成要素を抽出するゴール構成要素抽出部304、ゴール構成要素と抽出結果のマッピング情報に基づいてゴール構成要素とマッピングされている抽出結果及びその抽出結果が導かれるに至った理由を抽出する結果及び理由抽出部305、観点間、スタート構成要素間、連想構成要素間、または抽出結果間等の重み付けに基づいて抽出結果や理由の優先度を集計する優先度集計部306、集計された優先度の高い順に出力順位を決定する出力順位決定部307、決定された出力順位に従って抽出結果やその抽出結果が導き出されるに至った理由等を画面表示や印刷等により出力する出力部308、スタート構成要素と連想構成要素、及び連想構成要素とゴール構成要素が各々マッピングされて観点毎に用意されている情報テーブル、並びにゴール構成要素と抽出結果のマッピングに関する情報等を管理する情報テーブル等管理部309、利用者の抽出動機や利用者の属性を含む利用者の志向性に関する情報を記憶保存したり特定したりする利用者情報管理部310、観点間、スタート構成要素間、連想構成要素間、または抽出結果間等の重み付けを設定する重み付け設定部311、通信ネットワーク102を介して利用者端末103との送受信を行う通信部312、から構成されている。
【0038】
次に、情報抽出装置101が有する機能について詳しく説明する。
図6は、本実施例における情報抽出装置101において抽出結果及びその抽出結果が導き出されるに至った理由を出力する処理手順を示したフローチャート図である。
実施の開始後(ステップS201)、対象情報特定部301により抽出対象となる情報を特定する(ステップS202)。
次に、対象情報特定部301によって特定された抽出対象情報や利用者情報管理部310に記憶保存されている利用者の属性に関する情報等から、利用者情報管理部310によって利用者の志向性を特定する(ステップS203)。また、通信部312によって情報抽出装置101と利用者端末103の間で送受信を行い、情報抽出装置101からネットワーク102を介して利用者端末103に送信した質問に対して利用者が入力した回答情報を受信することにより、例えば、利用者の志向性を複数提示して利用者に選択入力してもらうなどして、利用者の志向性を特定しても良い。なお、本実施例における利用者の志向性とは、情報を抽出しようとする利用者の意識が向けられている方向性の意味であり、より具体的には、利用者の抽出動機、利用者の属性等を指す。
そして、利用者の志向性に基づき、重み付け設定部311において、観点毎に変動する重み付けを設定する(ステップS204)。ただし、重み付けは、観点間だけに限られるものではなく、スタート構成要素間、連想構成要素間、または抽出結果間等で設定されていても良い。例えば、利用者にスタート構成要素の内、どれを重要視するのかの質問を行ってスタート構成要素間の重み付けを行っても良い。また、重み付けは、利用者の属性等によって変動しても良い。
そして、対象情報特定部301によって特定された抽出対象情報から、スタート構成要素特定部302によりスタート構成要素を特定する(ステップS205)。
次に、情報テーブル等管理部309で管理されている情報テーブルの内、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされて観点毎に用意されている情報テーブルを検索して、ステップS205で特定したスタート構成要素がヒットするどうかを判断する(ステップS206)。
もし、スタート構成要素がヒットしなかった場合は、判断結果は「No」となり、ステップS211へ進み、終了となる。
一方、スタート構成要素がヒットした場合には、スタート構成要素から連想される連想構成要素がマッピングされて観点毎に用意されている情報テーブルにおいて、該スタート構成要素にマッピングされている連想構成要素を連想構成要素抽出部303により抽出する。次に、情報テーブル等管理部309で管理されている情報テーブルの内、連想構成要素から連想されるゴール構成要素がマッピングされて観点毎に用意されている情報テーブルにおいて、該連想構成要素にマッピングされているゴール構成要素をゴール構成要素抽出部304により抽出する。更に、情報テーブル等管理部309で管理されているゴール構成要素と抽出結果のマッピング情報に基づいて、ゴール構成要素にマッピングされている抽出結果と共に、マッピングされたスタート構成要素、連想構成要素及びゴール構成要素の一連の連想の流れや観点を理由として、結果及び理由抽出部305により抽出する(ステップS207)。なお、スタート構成要素、連想構成要素、ゴール構成要素、及び観点を全て理由とする場合に限られるものではなく、その一部を理由として抽出しても良い。例えば、連想構成要素のみ、連想構成要素及び観点のみ、を理由として抽出しても良い。
次に、観点間、スタート構成要素間、連想構成要素間、または抽出結果間等の重み付けに基づいて、優先度集計部306により抽出結果や理由の優先度を集計する(ステップS208)。
集計された優先度の高い順に、出力順位決定部307により抽出結果や理由の出力順位を決定する(ステップS209)。
そして、決定された出力順位に従って、抽出結果及びその抽出結果が導き出されるに至った理由を出力部308により出力し(ステップS210)、終了となる(ステップS211)。
【0039】
本実施例では実施例1の場合とは異なり、情報抽出装置101に、利用者の抽出動機や利用者の属性を含む利用者の志向性に関する情報を記憶保存したり特定したりする利用者情報管理部310と、観点毎に所定の重み付けが設定される重み付け設定部311と、重み付け設定部311によって設定された重み付けを反映した上で抽出結果や理由の優先度を集計する優先度集計部306と、優先度集計部306によって集計された優先度の高い順に抽出結果や理由の出力順位を決定する出力順位決定部307等がさらに備えられ、出力部308は理由を抽出結果毎に出力し、該抽出結果毎に出力される理由は出力順位決定部307によって決定された出力順位に従って出力される。
なお、出力部308によって出力される抽出結果は、出力順位決定部307によって決定された出力順位に従って出力される。
また、優先度集計部306による優先度の集計は、重み付け設定部311によって設定される観点間の重み付け等に基づいて一種のポイント計算によって行われる。該重み付けは、利用者により動的に変動しても良く、さらには利用者の利用状況により情報抽出装置101が学習して変動させても良い。
【0040】
図7は、本実施例2における抽出結果及びその抽出結果が導き出されるに至った理由の出力例を示したものである。
抽出対象が「レストランを探したい。」、利用者の志向性が「ダイエット中の彼女とデートするため。二人共、残業の多い職場で働き、場所は異なるが東海道線沿線に住んでいる。」の場合である。
この場合、抽出結果としてA店とB店を出力し、更にそれらの抽出結果が導き出されるに至った理由を、A店については「ロケーション」「雰囲気」「同伴者」の観点から、B店については「ロケーション」「雰囲気」の観点から、出力している例である。A店が抽出された理由としては3つの観点から出力されているが、観点毎の重み付けを反映して、「同伴者」「ロケーション」「雰囲気」の順となっている。より具体的には、この場合はレストランを探す目的が「彼女とデートするため」であるので、「同伴者」の観点が一番重くなっている。次に、「二人共、残業の多い職場で働き、場所は異なるが東海道線沿線に住んでいる。」ので、「ロケーション」の観点が次に重くなっている。
【0041】
他の出力例としては、例えば、ある企業がWEBサイトを作りたいが、そのWEBサイトに掲載する写真としてどういう写真を使って良いかがわからないという場合、情報抽出装置101が利用者である当該企業に対し、どのような対象にどのような目的で何を伝えたいのかという利用者の志向性等を質問して行き、その回答を基に抽出結果として写真家の名前を出力し、その理由として、この写真家の写真を使えば30代の男女にロジカルに環境問題の重要性を伝えることができるので、この写真家の写真を採用してはどうか、等と出力することが可能である。
なお、抽出結果として写真家の名前を出力すると共に、その写真家が撮影した写真を併せて出力しても良い。
【0042】
従来の検索システムでは、利用者の志向性に基づいた結果は提示されず、利用者の志向性と全く無関係の判断基準によって検索結果が提示されていた。しかし、本実施例では、利用者の志向性に応じて観点間等の重み付けをすることにより、抽出結果や理由の優先度を柔軟に変化させて対応し、利用者の志向性に基づいた抽出結果や理由を提示する。つまり、利用者の志向性に応じて自動で観点を変えて出力したりすることができる。
本実施例によれば、抽出結果を得るまでの過程が人間の思考に近く、出力された結果に対する利用者の納得性がより向上するという効果がある。抽出結果に至るまでの思考の一連の連想の流れを、言わば一つのストーリーとして利用者に提示することができるのである。
【0043】
なお、本発明の目的は、上記の実施例1及び2の機能を実現するソフトウェアのプログラムをシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータが記憶媒体に記録されたソフトウェアのプログラムを読出し実行することによっても達成される。
【0044】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、当該プログラムやそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0045】
ソフトウェアのプログラムを記録するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード,ROM等を用いることができる。
【0046】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、システム又は装置のコンピュータに挿入された機能拡張用のボードやコンピュータに接続された機能拡張用のユニットに備えられたメモリに書込まれた後、当該プログラムの指示に基づき、その機能拡張用のボードやユニットに備えられたCPU等が実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって上記の機能が実現される場合も含まれるものとする。