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特開2015-79475フィルム状ハプティックデバイス、ハプティックフィードバック電子装置及びハプティックキーボード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-79475(P2015-79475A)
(43)【公開日】2015年4月23日
(54)【発明の名称】フィルム状ハプティックデバイス、ハプティックフィードバック電子装置及びハプティックキーボード
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20150327BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20150327BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20150327BHJP
【FI】
   G06F3/01 310A
   G06F3/041 350D
   G06F3/02 310A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-252156(P2013-252156)
(22)【出願日】2013年12月5日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0122199
(32)【優先日】2013年10月14日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チュン、イル クォン
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ビョン スン
(72)【発明者】
【氏名】リム、ヒュン ホ
【テーマコード(参考)】
5B020
5B068
5E555
【Fターム(参考)】
5B020DD02
5B020GG01
5B068AA05
5B068AA32
5E555AA76
5E555AA77
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC01
5E555CA12
5E555CA18
5E555DA24
5E555FA30
(57)【要約】
【課題】本発明は、フィルム状ハプティックデバイス、ハプティックフィードバック電子装置及びハプティックキーボードに関する。
【解決手段】本発明によると、プレート状のベースプレートと、上記ベースプレートの上面の端部に備えられる少なくとも一つのスペーサーと、上記スペーサーの上部に位置して上記スペーサーにより支持され、フィルム状のポリマー層及び上記ポリマー層の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極を有するアクチュエーターと、上記アクチュエーターの上面に接着される弾性板と、を含むフィルム状ハプティックデバイスが提供され、振動にかかる消費電力を最小化し、ユーザーがタッチ入力に対する触感をより明確に感じるようにすることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート状のベースプレートと、
前記ベースプレートの上面の端部に備えられる少なくとも一つのスペーサーと、
前記スペーサーの上部に位置して前記スペーサーにより支持され、フィルム状のポリマー層及び前記ポリマー層の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極を有するアクチュエーターと、
前記アクチュエーターの上面に接着される弾性板と、を含むフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項2】
前記ポリマー層は、電歪ポリマー(Electrostrictive polymer)または圧電ポリマー(Piezoelectric polymer)からなる、請求項1に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項3】
前記ベースプレートは四角形の形状を有し、
前記スペーサーは、前記ベースプレートの対向する両辺に沿って一対が備えられる、請求項1または2に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項4】
前記ベースプレートは四角形の形状を有し、
前記スペーサーは、前記ベースプレートの4つの頂点の位置にそれぞれ備えられる、請求項1または2に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項5】
前記スペーサーはゴム材質からなる、請求項1から4のいずれか1項に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項6】
前記弾性板は透明材質のカバーガラスである、請求項1から5のいずれか1項に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項7】
前記ベースプレートは、電子装置の内部空間に配置されて映像を提供するディスプレイパネルである、請求項1から6のいずれか1項に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項8】
前記弾性板は、ユーザーのタッチを検知するタッチパネルである、請求項1から5のいずれか1項に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項9】
前記ポリマー層及び第1、2電極は全て透明材質からなる、請求項1から8のいずれか1項に記載のフィルム状ハプティックデバイス。
【請求項10】
内部空間が形成されるケースと、
前記ケース内に収容されるプレート状のベースプレートと、
前記ベースプレートの上面の端部に備えられる少なくとも一つのスペーサーと、
前記スペーサーの上部に位置して前記スペーサーにより支持され、フィルム状のポリマー層及び前記ポリマー層の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極を有するアクチュエーターと、
前記アクチュエーターの上面に接着される弾性板と、を含むハプティックフィードバック電子装置。
【請求項11】
プレート状のベースプレートと、
前記ベースプレートの上面の端部に備えられる少なくとも一つのスペーサーと、
前記スペーサーの上部に位置して前記スペーサーにより支持され、フィルム状のポリマー層及び前記ポリマー層の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極を有するアクチュエーターと、
前記アクチュエーターの上面に接着され、ユーザーのキー入力を検知することができるキー入力検知用モジュールと、
前記キー入力検知用モジュールの上面に備えられ、上面に入力キーの位置が表示されるキーボードカバーと、を含むハプティックキーボード。
【請求項12】
前記キー入力検知用モジュールは、ユーザーのタッチを検知するタッチパネルである、請求項11に記載のハプティックキーボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム状ハプティックデバイス及びそれを含む電子装置、並びにハプティックキーボードに関し、より詳細には、フィルム状アクチュエーターを備えるフィルム状ハプティックデバイス及びそれを含む電子装置、並びにハプティックキーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子装置を簡単かつ便利に使用しようとするユーザーの要求に応じて、電子製品をタッチして入力するタッチ方式のデバイスの使用が一般化しつつある。
【0003】
現在、ハプティックフィードバックデバイスには、タッチして入力する概念の他に、インタフェースにユーザーの直観的な経験を反映し、タッチに対するフィードバックをより多様化する概念が含まれる。
【0004】
この際、ハプティックフィードバックデバイスは、空間節約が可能で、操作性及び簡便性に優れるとともに、仕様変更が簡単で、ユーザーの認識が高まるという点の他にも、IT機器との連動が容易であるなど、多くの長所を有する。
【0005】
このような長所により、ハプティックフィードバックデバイスは、コンピューター、交通、サービス、医療、モバイルなどで用いられる電子装置に幅広く利用されている。
【0006】
近年では、ハプティック機能を具現するためのアクチュエーターとしてピエゾ(piezo)方式のアクチュエーターが用いられており、主に、バー(bar)状に形成されるアクチュエーターが用いられている。
【0007】
このようなバー状のアクチュエーターは、電子装置に多数個設けられて電子装置全体を振動させるため、消費電力が多い。また、ユーザーの指が接触したディスプレイの部分のみが振動するのではなく、電子機器全体が振動するため、ユーザーが感じる感覚に満足できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するためのものであって、ユーザーの指が接触する部分のみを振動させるフィルム状ハプティックデバイス、ハプティックフィードバック電子装置、及びハプティックキーボードを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスは、プレート状のベースプレートと、上記ベースプレートの上面の端部に備えられる少なくとも一つのスペーサーと、上記スペーサーの上部に位置して上記スペーサーにより支持され、フィルム状のポリマー層及び上記ポリマー層の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極を有するアクチュエーターと、上記アクチュエーターの上面に接着される弾性板と、を含むことができる。
【0010】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記ポリマー層は、電歪ポリマー(Electrostrictive polymer)または圧電ポリマー(Piezoelectric polymer)からなることができる。
【0011】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記ベースプレートは四角形の形状を有し、上記スペーサーは、上記ベースプレートの対向する両辺に沿って一対が備えられることができる。
【0012】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記ベースプレートは四角形の形状を有し、上記スペーサーは、上記ベースプレートの4つの頂点の位置にそれぞれ備えられることができる。
【0013】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記スペーサーはゴム材質からなることができる。
【0014】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記弾性板は透明材質のカバーガラスであることができる。
【0015】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記ベースプレートは、電子装置の内部空間に配置されて映像を提供するディスプレイパネルであることができる。
【0016】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記弾性板は、ユーザーのタッチを検知するタッチパネルであることができる。
【0017】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイスにおいて、上記ポリマー層及び第1、2電極は全て透明材質からなることができる。
【0018】
本発明によるハプティックフィードバック電子装置は、内部空間が形成されるケースと、上記ケース内に収容されるプレート状のベースプレートと、上記ベースプレートの上面の端部に備えられる少なくとも一つのスペーサーと、上記スペーサーの上部に位置して上記スペーサーにより支持され、フィルム状のポリマー層及び上記ポリマー層の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極を有するアクチュエーターと、上記アクチュエーターの上面に接着される弾性板と、を含むことができる。
【0019】
本発明によるハプティックキーボードは、プレート状のベースプレートと、上記ベースプレートの上面の端部に備えられる少なくとも一つのスペーサーと、上記スペーサーの上部に位置して上記スペーサーにより支持され、フィルム状のポリマー層及び上記ポリマー層の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極を有するアクチュエーターと、上記アクチュエーターの上面に接着され、ユーザーのキー入力を検知することができるキー入力検知用モジュールと、上記キー入力検知用モジュールの上面に備えられ、上面に入力キーの位置が表示されるキーボードカバーと、を含むことができる。
【0020】
本発明によるハプティックキーボードにおいて、上記キー入力検知用モジュールは、ユーザーのタッチを検知するタッチパネルであることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイス、ハプティックフィードバック電子装置及びハプティックキーボードによると、ユーザーの指が接触する部分のみを振動させるため、消費電力を低下させることができるとともに、ユーザーがタッチ入力に対する触感をより明確に感じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例によるハプティックフィードバック電子装置の概略分解斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるハプティックフィードバック電子装置の概略的な内部断面図である。
図3】本発明の一実施例によるフィルム状ハプティックデバイス100の概略分解斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるフィルム状ハプティックデバイス100の概略的な内部断面図である。
図5】電圧が印加された圧電体の概念図である。
図6】本発明によるフィルム状ハプティックデバイスの作動原理を説明するための概念図である。
図7】本発明の一実施例によるハプティックキーボードの概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0024】
ハプティックデバイス及びハプティックフィードバック電子装置
以下、本発明の一実施例によるフィルム状ハプティックデバイス100及びハプティックフィードバック電子装置200について詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施例によるハプティックフィードバック電子装置200の概略分解斜視図であり、図2は本発明の一実施例によるハプティックフィードバック電子装置200の概略的な内部断面図であり、図3は本発明の一実施例によるフィルム状ハプティックデバイス100の概略分解斜視図であり、図4は本発明の一実施例によるフィルム状ハプティックデバイス100の概略的な内部断面図である。
【0026】
図1から図4を参照すると、本発明の一実施例によるハプティックフィードバック電子装置200は、内部空間が形成されるケース210と、上記内部空間に位置するフィルム状ハプティックデバイス100と、を含むことができる。
【0027】
また、上記フィルム状ハプティックデバイス100は、上記ケース210内に収容されるプレート状のベースプレート110と、上記ベースプレート110の上面に備えられる少なくとも一つのスペーサー120と、上記スペーサー120により支持されるフィルム状のアクチュエーター130と、上記アクチュエーター130の上面に接着される弾性板140と、を含むことができる。
【0028】
上記ケース210は、上部ケース210a及び下部ケース210bからなることができ、上記上部ケース210aと上記下部ケース210bとが結合されて内部空間が形成されることができる。
【0029】
上記内部空間にはフィルム状ハプティックデバイス100が配置されることができる。
【0030】
ここで、フィルム状ハプティックデバイス100は、振動を要する機構物であって、外部の接触圧力に応じて反応することが求められる上記ハプティックフィードバック電子装置200の内部構成物である。
【0031】
上記ベースプレート110は、四角形の形状を有し、電子装置の内部空間に配置されて映像を提供するディスプレイパネル110であることができる。以下、説明の便宜のために、上記ベースプレート及び上記ディスプレイパネルの図面符号を同様に110とする。
【0032】
ここで、上記ディスプレイパネル110としては、LCDパネル、LEDパネル、PDPパネルなどが適用されることができる。しかし、これに限定されず、当業者が適用できる多様な形態のディスプレイパネルが適用されることができる。
【0033】
上記スペーサー120、120´は、ゴム材質からなることができ、上記ベースプレート110の上面の端部に少なくとも一つが備えられることができる。
【0034】
また、上記スペーサー120は、図1に図示されたように、上記ベースプレート110の対向する両辺に沿って一対が備えられることができる。
【0035】
さらに、上記スペーサー120´は、図3に図示されたように、上記ベースプレート110の4つの頂点の位置にそれぞれ備えられることができる。
【0036】
一方、ここで、上記スペーサー120、120´は、上記ベースプレート110と上記アクチュエーター130との間の間隙を確保して、上記アクチュエーター130の上下振動のための空間を確保するためのものである。
【0037】
上記アクチュエーター130は、フィルム状のポリマー層131と、上記ポリマー層131の両面全体にそれぞれ密着して覆うように備えられる第1、2電極132a、132bと、を備えることができる。
【0038】
上記ポリマー層131は、電圧が印加されると垂直、水平方向に変形される電歪ポリマー(Electrostrictive polymer)または圧電ポリマー(Piezoelectric polymer)からなることができる。しかし、これに限定されず、イオン性ポリマー(Ionic polymer)や誘電性エラストマー(Dielectric elastomer)などの多様な素材からなることができる。
【0039】
また、上記アクチュエーター130は、上記ディスプレイパネル110に表示される画面をユーザーが見られるように、上記ポリマー層131及び第1、2電極132a、132bが透明材質で製作されることができる。
【0040】
一方、上記第1、2電極132a、132bは、銅(Cu)、銀(Ag)、ITO(Indium Tin Oxide)及び伝導性高分子などからなることができる。しかし、これに限定されず、上記ポリマー層131に電圧を印加することができるものであれば、当業者に公知の多様な素材が用いられることができる。
【0041】
上記第1、2電極132a、132bにはそれぞれバス電極(Bus electrode、不図示)が連結されることができ、これを介して電圧が印加されることができる。
【0042】
上記弾性板140は、上記アクチュエーター130の上面、即ち、上記第1電極132aの上面に接着されることができる。
【0043】
これにより、上記第1、2電極132a、132bを介して上記ポリマー層131に電圧が印加され、図6の(a)及び(b)に図示したように、上記ポリマー層131が収縮または膨張する。この際、上記弾性板140は電圧が印加されても収縮または膨張しないため、上記アクチュエーター130と上記弾性板140との接合体が上下に変位することになる。これを活用してハプティックフィードバックをユーザーに伝達することができる。
【0044】
また、これにより、ハプティックフィードバック電子装置200やハプティックデバイス100全体が振動するのではなく、上記アクチュエーター130と上記弾性板140との接合体のみが振動するため、消費電力を最小化することができる。
【0045】
さらに、ユーザーの指などが直接接触する弾性板140が振動するため、感覚をより直接的に伝達することができるという利点がある。
【0046】
一方、上記弾性板140は、透明材質のカバーガラスまたはユーザーのタッチを検知するタッチパネルであることができる。
【0047】
以下、本発明の一実施例によるフィルム状ハプティックデバイス100の作動原理について詳細に説明する。
【0048】
図5の(a)及び(b)は電圧が印加された圧電体Pの概念図であり、図6の(a)及び(b)は本発明によるフィルム状ハプティックデバイス100の作動原理を説明するための概念図である。
【0049】
図5の(a)及び(b)を参照すると、電歪ポリマーまたは圧電ポリマーからなる圧電体Pは、上下方向に電圧が印加されると、分極方向と同じ方向、即ち垂直方向に変位するようになる。したがって、電圧を所定周波数のパルス形態で印加すると、垂直方向への収縮及び膨張を繰り返して、これにより振動を発生させる。
【0050】
一方、このような圧電体Pは、分極方向と同じ方向、即ち、圧電体Pに対して垂直方向に変位するが、これと同時に、分極方向に垂直な方向、即ち、圧電体Pに対して水平方向にも変位する。しかし、この水平方向の変位は垂直方向の変位に比べ非常に小さいため、ハプティックフィードバックの振動に活用するには足りない。
【0051】
しかし、本発明によるフィルム状ハプティックデバイス100は、このような水平方向の変位をハプティックフィードバックの振動に活用できるようにする。
【0052】
図6の(a)及び(b)を参照すると、本発明によるフィルム状ハプティックデバイス100は、アクチュエーター130の上面に弾性板140が接着されており、図6の(a)のようにポリマー層131が収縮するときには、収縮しようとしない上記弾性板140との相互作用により上側に屈曲が発生し、図6の(b)のように、ポリマー層131が膨張するときには、膨張しようとしない上記弾性板140との相互作用により下側に屈曲が発生することになる。
【0053】
本発明によるフィルム状ハプティックデバイス100によると、上記ポリマー層131がフィルム状に備えられるため、このような屈曲変位を利用して十分な振動を得ることができる。したがって、これをハプティックフィードバックのための振動に活用することができる。
【0054】
換言すれば、上記ポリマー層131に電圧を所定の周波数を有するパルス形態で印加すると、垂直方向の振動が得られ、これをハプティックフィードバックのための振動に活用することができる。
【0055】
ハプティックキーボード
以下、図面を参照して本発明の一実施例によるハプティックキーボード300について説明する。但し、上記で説明した構成要素と同一の構成要素については、上記で用いた図面符号を用いて図面に図示し、詳細な説明は省略する。
【0056】
図7は本発明の一実施例によるハプティックキーボード300の概略分解斜視図である。
【0057】
図7を参照すると、本発明の一実施例によるハプティックキーボード300は、プレート状のベースプレート110と、上記ベースプレート110の上面に備えられる少なくとも一つのスペーサー120と、上記スペーサー120により支持されるフィルム状のアクチュエーター130と、上記アクチュエーター130の上面に接着されるキー入力検知用モジュール340と、上記キー入力検知用モジュール340の上面に備えられるキーボードカバー310と、を含むことができる。
【0058】
上記キー入力検知用モジュール340は、上記アクチュエーター130の上面、即ち、上記第1電極132aの上面に接着されることができる。
【0059】
これにより、上記第1、2電極132a、132bを介して上記ポリマー層131に電圧が印加されると、図6の(a)及び(b)に図示したように、上記ポリマー層131が収縮または膨張する。この際、上記キー入力検知用モジュール340は電圧が印加されても収縮または膨張しないため、上記アクチュエーター130と上記キー入力検知用モジュール340との接合体が上下に変位することになる。これを活用してハプティックフィードバックをユーザーに伝達することができる。
【0060】
また、これによると、ハプティックキーボード300全体が振動するのではなく、上記アクチュエーター130と上記キー入力検知用モジュール340及び上記キーボードカバー310の接合体のみが振動するため、消費電力を最小化することができる。
【0061】
さらに、ユーザーの指などが直接接触するキーボードカバー310が振動するため、感覚をより直接的に伝達することができるという利点がある。
【0062】
一方、上記キー入力検知用モジュール340は、ユーザーのタッチを検知するタッチパネルであることができる。また、上記キー入力検知用モジュール340は、静電方式や圧電低抗体を活用した方式などによりユーザーのキー入力の位置を検知する装置であることができる。しかし、これに限定されず、当業者に公知の多様な方法により具現されることができる。
【0063】
上記キーボードカバー310は、上記キー入力検知用モジュール340の上面に付着されることができ、その上面には入力キーの位置が表示されることができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0065】
100 フィルム状ハプティックデバイス
110 ベースプレート
120 スペーサー
130 アクチュエーター
140 弾性板
200 ハプティックフィードバック電子装置
210 ケース
300 ハプティックキーボード
310 キーボードカバー
340 キー入力検知用モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7