(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-8037(P2015-8037A)
(43)【公開日】2015年1月15日
(54)【発明の名称】机上照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 6/00 20060101AFI20141212BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20141212BHJP
【FI】
F21S6/00 100
F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-131865(P2013-131865)
(22)【出願日】2013年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】505455978
【氏名又は名称】コイズミファニテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(72)【発明者】
【氏名】坂口 勝
【テーマコード(参考)】
3K243
【Fターム(参考)】
3K243MA01
(57)【要約】
【課題】机の天板上を均等に照明することのできる机上照明装置を提供すること。
【解決手段】シェード12内に備えられた光源ユニット23、24とを含む机上照明装置10である。光源ユニット23、24は、シェード12内において、左右方向中央部15に対して左右両側にそれぞれ設けられている。各光源ユニット23、24は、左右方向に長手の基板25、26と、当該基板に配列された複数個のLEDランプ27とを有する。シェード12内の左側に設けられた光源ユニット23は、基板25の右端の後辺位置から基板25の左端の前辺位置へ向かって斜め直線状に複数個のLEDランプ27が等間隔に配列されている。シェード12内の右側に設けられた光源ユニット24は、基板26の左端の後辺位置から基板26の右端の前辺位置へ向かって斜め直線状に複数個のLEDランプ27が等間隔に配列されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
机の天板の奥側上方に配置されるシェードと、シェード内に備えられた光源ユニットとを含む机上照明装置であって、
前記光源ユニットは、シェード内において、左右方向中央部に対して左右両側にそれぞれ設けられており、
各光源ユニットは、左右方向に長手の基板と、当該基板に配列された複数個のLEDランプとを有し、
シェード内の左側に設けられた光源ユニットは、基板の右端の後辺位置から基板の左端の前辺位置へ向かって斜め直線状に複数個のLEDランプが等間隔に配列されており、
シェード内の右側に設けられた光源ユニットは、基板の左端の後辺位置から基板の右端の前辺位置へ向かって斜め直線状に複数個のLEDランプが等間隔に配列されていることを特徴とする、机上照明装置。
【請求項2】
前記LEDランプは、前後方向に見て、前方側と後方側の2列の斜め直線状の配列をなすように配置されていることを特徴とする、請求項1記載の机上照明装置。
【請求項3】
前記斜め直線状に配列された複数個のLEDランプは、配置位置によって色の異なるLEDランプが用いられており、
左右の光源ユニットにおいて、LEDランプの色は、左右対称となるように配列されていることを特徴とする、請求項1または2記載の机上照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、机の上(机の天板の上)を照明するための机上照明装置に関する。特にこの発明は、学習机に好適な机上照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に「電気スタンド」と称される机上照明装置は、従来、蛍光灯によって照明を行う構成が主流であった(たとえば、特許文献1に、蛍光灯を光源とする電気スタンドの一例が示されている。)。
ところが、最近は、LEDが普及し、LEDランプを光源として用いるLEDスタンドが種々提案されている(たとえば特許文献2に、LEDスタンドの一例が開示されている。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−244929号公報
【特許文献2】特開2010−182660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年提案されている種々のLEDスタンドは、照明装置としては優れたものが多いが、机上照明装置として捉えた場合、改善すべき余地が少なからず存在する。
まず、机上照明装置の場合、机の天板の奥側上方に配置された照明装置が、机の上(机の天板上)を万遍なく均等に照明することが望まれる。
しかし、従来のLEDスタンドでは、机の上を均等に照明するという意味では、十分な結果が得られていないという課題があった。
【0005】
この発明は、このような背景のもとになされたもので、机の天板上を均等に照明することのできる机上照明装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、机の天板の奥側上方に配置されるシェードと、シェード内に備えられた光源ユニットとを含む机上照明装置であって、前記光源ユニットは、シェード内において、左右方向中央部に対して左右両側にそれぞれ設けられており、各光源ユニットは、左右方向に長手の基板と、当該基板に配列された複数個のLEDランプとを有し、シェード内の左側に設けられた光源ユニットは、基板の右端の後辺位置から基板の左端の前辺位置へ向かって斜め直線状に複数個のLEDランプが等間隔に配列されており、シェード内の右側に設けられた光源ユニットは、基板の左端の後辺位置から基板の右端の前辺位置へ向かって斜め直線状に複数個のLEDランプが等間隔に配列されていることを特徴とする、机上照明装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記LEDランプは、前後方向に見て、前方側と後方側の2列の斜め直線状の配列をなすように配置されていることを特徴とする、請求項1記載の机上照明装置である。
請求項3記載の発明は、前記斜め直線状に配列された複数個のLEDランプは、配置位置によって色の異なるLEDランプが用いられており、左右の光源ユニットにおいて、LEDランプの色は、左右対称となるように配列されていることを特徴とする、請求項1または2記載の机上照明装置である。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、机の天板上を均等に、万遍なく照明する優れた机上照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置が学習机に取り付けられた状態を、学習机の正面側から見た概要図である。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置のシェード部分の上面図である。
【
図3】
図3は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置のシェード部分の下面図である。
【
図4】
図4は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置のシェード内に設けられた左光源ユニットの下面図である。
【
図5】
図5は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置のシェード内に設けられた右光源ユニットの下面図である。
【
図6】
図6は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置のシェード部分の中央部および右ウイング部の内部構成を示す図である。
【
図7】
図7は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置の照明分布図であり、(A)はこの発明の一実施形態に係る机上照明装置による照明分布特性、(B)はこの発明の一実施形態と比較して測定した従来の直線型デスクスタンドによる照明分布特性である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下には、図面を参照して、この発明の一実施形態について具体的に説明をする。
図1は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10が、学習机1に取り付けられた状態を、学習机1の正面側から見た概要図である。学習机1は、天板2の奥側に取り付けられた本棚3を有している。机上照明装置10は、本棚3の左右方向中央部奥側に、支柱11を用いて固定されている。
【0011】
机上照明装置10のシェード12は、左右方向に長手の直線状をしており、左右両端部は後方に向かって湾曲する形状とされている。(
図2を参照)
シェード12の左右方向中央部の後方には連結部13が設けられ、連結部13を介してシェード12は支柱11と連結されている。また、シェード12の左右方向中央部前方側には、取っ手(把手)14がシェード12と一体的に形成されている。取っ手14に手を掛けて操作することにより、シェード12は机1の天板2に対して水平に前後方向へスライド移動可能にされている。そして、天板2に対し、シェード12を前後方向所定の位置に配置することができる。
【0012】
図2は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10のシェード12部分の上面図であり、シェード12内に配置された内部構成の一部が破線で示されている。
図3は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10のシェード12部分の下面図であり、その内部に備えられた構成の一部が破線で表わされている。
図2および
図3を参照して、シェード12は、左右方向に延びる長手一直線状の形状で、左右方向中央部に中央ケース15を有する。そして、中央ケース15から左右両側へ、左ウイング16および右ウイング17がそれぞれ延び出ている。中央ケース15、左ウイング16および右ウイング17は、樹脂製の一体成形品で構成されている。
【0013】
中央ケース15の前方側には、前述した取っ手14が形成されている。中央ケース15の後方側には、連結部13が連結されていて、支柱11の上方水平部に対して矢印A1で示す前後方向に摺動可能に連結されている。
中央ケース15内には電源基板18が設けられている。左ウイング16内には左LED基板19が設けられ、右ウイング17内には右LED基板20が設けられている。
【0014】
シェード12は、その下面側が開放されており、下面側から電源基板18、左LED基板19および右LED基板20が、たとえばビス等によってシェード12内に取り付けられる。
そして、シェード12の下面側は、たとえば透光性のある乳白のカバー部材21で覆われる。
【0015】
なお、カバー部材21は、中央ケース15の下面に取り付けるカバー部材と、左ウイング16および右ウイング17の下面に取り付けるカバー部材とが、それぞれ別部材で構成されていてもよいし、これらのカバー部材が一体成形品であってもよい。
図6は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10のシェード12の中央ケース15および右ウイング17を下面側から見た図であり、カバー部材21が取り外された状態で示されている。この
図6から、机上照明装置10のシェード12の内部構成を明確に理解することができる。
【0016】
なお、
図6において、22は電源基板18と右LED基板20とを電気的に接続している配線である。
図4は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10のシェード12の左ウイング16内に設けられる左光源ユニット23の下面図である。また、
図5は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10のシェード12の右ウイング17内に設けられる右光源ユニット24の下面図である。
【0017】
図4および
図5を参照して説明すると、左光源ユニット23および右光源ユニット24は、それぞれ、基板25、26と、基板25、26に配列された複数個のLEDランプ27とを有している。
左光源ユニット23は、左ウイング16内に設けられ、左右方向に長手の基板25と、基板25に配列された複数個のLEDランプ27とを有する。複数個のLEDランプ27は、基板25の右端の後辺位置から基板25の左端の前辺位置へ向かって、斜め直線状に等間隔に配列されている。LEDランプ27の斜め直線状の配列ラインは、第1の配列ラインLL1および第2の配列ラインLL2の2ラインとなっていて、これら2つの配列ラインLL1およびLL2は、互いに平行で、一定の間隔Xを隔てており、かつ、左右方向に延びるラインに対して傾き角θ:θ=15〜20°の傾斜を有するラインとされている。
【0018】
なお、左電源ユニット23の基板25は、シェード12に設けられた電源スイッチ(オン/オフスイッチ)28との干渉を避けるために、下面視において、右手前側隅部に、小さな切欠29が形成されている。
図5は、右光源ユニット24の下面図である。右光源ユニット24は、シェード12の右ウイング17内に設けられる。右光源ユニット24は、 左右方向に長手の長方形状の基板26と、当該基板26に配列された複数個のLEDランプ27とを有する。複数個のLEDランプ27は、基板26の左端の後辺位置から基板26の右端の前辺位置へ向かって斜め直線状に延びる2本の傾斜ラインRL1、RL2上に等間隔に配列されている。2本の傾斜ラインRL1およびRL2は、間隔Xをあけて平行に延びており、左右方向に延びるラインに対して傾き角θ:θ=15〜20°の傾斜ラインとされている。
【0019】
左光源ユニット23および右光源ユニット24は、シェード12内において、中央ケース15を中心に左右対称のLEDランプ27の配列構造を有している。すなわち、机上照明装置10全体としてみると、光源としての複数個のLEDランプ27は、中央ケース15を中心に左右対称に配置されていて、中央部寄りでは後方側(奥行側)にLEDランプ27が配置され、左右両側へ向かうに従ってLEDランプ27が前方側(手前側)に配置されるように、左右対称をなす斜め直線状の配置構造がとられている。
【0020】
なお、この実施形態では、LEDランプ27の各配列ラインにおいて、LEDランプ27はそれぞれ9個配列され、左右の光源ユニット23、24においてそれぞれ2列のラインが構成されている例を説明した。
しかし、この構成に限定されるものではなく、左右のラインは、1列であってもよいし、3列以上であってもよい。
【0021】
また、各ラインにおけるLEDランプ27の配列個数は、ライン毎に異なっていてもよい。要は、左右対称形状にLEDランプ27が配列されており、かつ、中央部から左右両側へ向かって、後方側(奥行側)から前方側(手前側)へとLEDランプ27が斜め方向に配列された構成であればよい。また、用いられる複数個のLEDランプ27は、互いに同色のLEDランプ(たとえば白色LEDランプ)であってもよいし、一部のランプが異なる色のLEDランプであってもよい。LEDランプ27の色を異ならせることにより、より学習に適した照明を行う机上照明装置10とすることができる。
【0022】
図7は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10の作用効果を説明するための照明分布図である。
図7(A)は、この発明の一実施形態に係る机上照明装置10による照明分布特性を示しており、
図7(B)は、従来の直線型デスクスタンドによる照明分布特性を示している。
図7における(A)と(B)の照明分布特性の対比から明らかなように、この発明の一実施例に係る机上照明装置10を用いると、天板2の隅々まで、特に天板2の前方側左右両隅部にまで照明光が行き渡っていることが理解できる。
【0023】
また、天板2の中央部において、広範な範囲で十分な照明光が与えられており、学習に適した机上照明装置10を提供できることが理解できる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 学習机
2 天板
3 本棚
10 机上照明装置
11 支柱
12 シェード
13 連結部
14 取っ手(把手)
15 中央ケース
16 左ウイング
17 右ウイング
18 電源基板
19 左LED基板
20 右LED基板
21 カバー部材
23 左電源ユニット
24 右電源ユニット
25、26 基板
27 LEDランプ