支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層が、電子受容性顕色剤として特定のウレア系化合物及びジフェニルスルホン架橋型化合物を含有することを特徴とする感熱記録体。感熱記録層に、更にカルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂とポリアミン/ポリアミド系樹脂とを含有する、あるいは感熱記録層上に保護層を設けることが好ましい。
前記感熱記録層が、更にカルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の感熱記録体は、支持体上に、無色ないし淡色のロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層が、顕色剤として前記化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び前記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含有することを特徴としている。
【0013】
本発明の感熱記録層が顕色剤として前記化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び前記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含有すると、感熱記録層中に2種類のフェニルスルホン系化合物が共存することで、いずれか一方のみを含有した時よりもロイコ染料との反応効率が高まるため、電子移動錯体が生成しやすくなり、かつ逆反応が起こりにくく安定性が高くなるため、得られる感熱記録体の発色性能、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性に優れるものと推測される。
さらに、感熱記録体上に保護層を設けた場合、すなわち、サーマルヘッドなどから与えられた熱エネルギーの一部を保護層が吸収してしまい、熱エネルギーが少ない場合においても、顕色剤とロイコ染料との反応生成物である電子移動錯体の安定性が十分に高くなるため、得られる感熱記録体の発色性能が良好であると推測される。
【0014】
次に、本発明の感熱記録体の感熱記録層で使用される各種材料を例示するが、バインダー、架橋剤、顔料などは上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて設けられた各塗工層にも使用することが可能である。
【0015】
本発明では、顕色剤として下記化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び下記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を使用する。
【0017】
【化2】
ここで、R
3は、それぞれ同じであっても異なってもよいが、好ましくは同一であり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基またはアルケニル基、好ましくは
水素原子を表す。
このアルキル基またはアルケニル基は、炭素数が1〜6のアルキル基またはアルケニル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソへキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素を表す。
oは、それぞれ同じであっても異なってもよく、0〜4、好ましくは0を表す。
OH基及び−OR
4O−基は、SO
2基に対して、パラ位にあることが好ましい。
pは1〜11である。この化合物はpが1〜11の混合物であることが好ましい。
【0018】
R
4は、それぞれ同じであっても異なってもよいが、好ましくは同一である。
R
4としては、エーテル結合を有してもよい炭素数1〜12、好ましくは3〜7の飽和若しくは不飽和の、好ましくは飽和の、直鎖若しくは分枝の、好ましくは直鎖の炭化水素基であってもよい。このような炭化水素としては、ポリアルキレンオキシド鎖やアルキレン基、好ましくはポリアルキレンオキシド鎖が好ましい。ポリアルキレンオキシド鎖(−OR
4O−)としては、−O−(C
nH
2nO)
1〜3−(n=2〜4、好ましくは2〜3、より好ましくは2)が挙げられる。アルキレン基としては、−C
mH
2m−が挙げられる。
【0020】
【化3】
(式中、R
5はメチレン基またはエチレン基を表す。R
5は互いにパラ位にあることが好ましい。)で表される置換フェニレン基であってもよい。
【0022】
【化4】
(式中、R
6は水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基、好ましくは水素原子を表す。)で表される2価基を表す。)であってもよい。
R
4としては、これらの中で、上記のエーテル結合を有してもよい炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝の炭化水素基が好ましい。
【0023】
一般式(化2)のジフェニルスルホン架橋型化合物において、R
4で表される基を具体的に示すと以下のものが挙げられる。メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、メチルエチレン基、メチレンエチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチル−4−メチル−テトラメチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、2−ブテニレン基、エチニレン基、2−ブチニレン基、1−ビニルエチレン基、エチレンオキシエチレン基、テトラメチレンオキシテトラメチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基、エチレンオキシメチレンオキシエチレン基、1,3−ジオキサン−5,5−ビスメチレン基、1,2−キシリル基、1,3−キシリル基、1,4−キシリル基、2−ヒドロキシトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−エチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−イソプロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−ブチルトリメチレン基等が挙げられる。
【0024】
一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、置換基(R
3)および/またはpの数が違う数種類のものを混合して使用してもよく、その含有比率は任意である。また混合する方法も粉体での混合、水等に分散した分散液の状態による混合、製造条件により複数の種類のジフェニルスルホン架橋型化合物を同時に生成含有させる方法など特に制限はない。
【0025】
一般式(化2)で表される化合物としては、例えば、4,4’−ビス〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−トランス−ブテニルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕−4’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕−4’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕−4’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−5−ペンチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−6−ヘキシルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−トランス−ブテニルオキシ〕−4’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ〕−4’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−トランス−ブテニルオキシ〕−4’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 1,4−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−シス−2−ブテン; 1,4−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−トランス−2−ブテン; 4,4’−ビス〔4−〔4−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 2,2’−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕ジエチルエーテル; α,α’−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−p−キシレン; α,α’−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−m−キシレン; α,α’−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−o−キシレン; 2,4’−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 2,4’−ビス〔4−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 1,3−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−2−ヒドロキシプロパンが挙げられる。
【0026】
また、一般式(化2)で表される数種類のジフェニルスルホン架橋型化合物を混合して使用する場合に特に好ましい組成物は、R
3が同一で、pの値のみが異なる2種以上を含有するものである。このような化合物であれば製法も簡便であり、原料の反応比率を変更することによりpの値の異なる化合物を、任意の含有比率で一度に合成することができる。これらのうち、特にp=1で表される化合物としては、例えば、1,3−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−ヒドロキシプロパン; 1,1−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕メタン 1,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕エタン; 1,3−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕プロパン; 1,4−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ブタン; 1,5−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ペンタン; 1,6−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ヘキサン; α,α’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−p−キシレン; α,α’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−m−キシレン; α,α’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−o−キシレン; 2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル; 4,4’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジブチルエーテル; 1,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕エチレン; 1,4−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−ブテンが挙げられる(例えば、特開平7−149713号、国際公開WO93/06074、WO95/33714号等参照)。
このような化合物は、例えば、日本曹達社製D90(下式)として入手可能である。
【0028】
本発明では、前記化学式(化1)で表されるウレア系化合物1重量部に対し、前記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物0.1〜5.0重量部の割合で使用することが好ましく、0.5〜3.0重量部の割合で使用することがより好ましい。化学式(化1)で表されるウレア系化合物1重量部に対し一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物が0.1重量部未満であると、得られる感熱記録体の発色性能が低下する傾向がみられる。一方、5.0重量部を超えると、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性が十分でないことがある。
【0029】
本発明で使用する前記化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び前記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物以外の顕色剤としては、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタン、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、またN,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタンは、例えば、株式会社エーピーアイコーポレーション製商品名JKY−214として入手可能であり、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物は、例えば、株式会社エーピーアイコーポレーション製商品名JKY−224として入手可能である。また、WO02/081229号等に記載の化合物は、日本曹達(株)製商品名NKK−395、D−100として入手可能である。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
【0030】
本発明の感熱記録層が、前記化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び前記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物以外の顕色剤を含有する場合、前記化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び前記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を合計した含有量は、該感熱記録層中に含有させる全顕色剤(前記化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び前記一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含む)の50重量%以上が好ましく、より好ましくは90重量%以上である。
【0031】
本発明で使用するロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系化合物、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
【0032】
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
【0033】
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
【0034】
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕、3,6,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕
【0035】
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0036】
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2’,2’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
【0037】
本発明で使用する増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ビス−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4’−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドなどを例示することができる。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
【0038】
本発明で使用する顔料としては、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ等が挙げられ、要求品質に応じて併用することもできる。
【0039】
本発明で使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂などを例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することもできる。
【0040】
また、本発明では架橋剤を併用することもできる。架橋剤としては、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂等のエピクロロヒドリン系樹脂、ポリアミド尿素系樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、又はポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂等のポリアミン/ポリアミド系樹脂、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
【0041】
本発明において、感熱記録層にバインダーとしてカルボキシル基含有樹脂を、架橋剤としてエピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂を、それぞれ含有させると、耐水性が特に良好となるため好ましい。
本発明において、感熱記録層にバインダーとしてカルボキシル基含有樹脂を、架橋剤としてエピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂を、それぞれ含有させると、耐水性が特に良好となる理由は、次のように推測される。
【0042】
カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基と、架橋剤であるエピクロロヒドリン系樹脂のアミン部分あるいはアミド部分との間で架橋反応(第1の耐水化)が起こる。次に、カルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂で形成された親水性の架橋部位とポリアミン/ポリアミド系樹脂の親水性部位とが引き合うため、この架橋部位はポリアミン/ポリアミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態、つまり親水性のある架橋部位が疎水性基で水から保護された状態(第2の耐水化)となる。そのため、カルボキシル基含有樹脂と架橋剤との反応部位に極めて高い疎水性が付与され、耐水性が特に良好となるものと推測される。
【0043】
本発明の感熱記録層で使用するカルボキシル基含有樹脂は、主にカルボキシル基を有するものであればいずれでもよく、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフリフリルなどのカルボキシル基を有する一官能性アクリルモノマーを含むアクリル系樹脂、酸化澱粉、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコールにカルボキシル基を導入したカルボキシ変性ポリビニルアルコールなどを例示することが可能である。
特に、カルボキシル基含有樹脂がカルボキシ変性ポリビニルアルコールである場合、画像部の耐可塑剤性及び白紙部の耐熱性が更に良好になるため好ましい。これは、前述の架橋反応に加え、更にポリアミン/ポリアミド系樹脂のカチオン性部位が、カルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基と架橋反応するためと推測される。
【0044】
本発明の感熱記録層で使用するカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水メリト酸、無水イタコン酸などの多価カルボン酸との反応物、又はこれらの反応物のエステル化物、さらに酢酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸との共重合物の鹸化物として得られる。具体的には、特開昭53−91995号公報の実施例1もしくは4に例示されている製造方法等が挙げられる。カルボキシ変性ポリビニルアルコールの鹸化度は72〜100mol%であることが好ましく、重合度は500〜2400であることが好ましく、1000〜2000であることがより好ましい。
【0045】
本発明の感熱記録層で使用するエピクロロヒドリン系樹脂は、分子中にエポキシ基を含有していることを特徴とする樹脂であり、前述のポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂等を挙げることができる。
エピクロロヒドリン系樹脂の主鎖に存在するアミンとしては第1級から第4級までのものを使用することができ、特に制限はない。さらに、カチオン化度及び分子量は、耐水性が良好なことから、カチオン化度は5meq/g・Solid以下(pH7での測定値)、分子量は50万以上が好ましい。これらのエピクロロヒドリン系樹脂は、単独又は2種類以上を使用することも可能である。
本発明の感熱記録層で使用するエピクロロヒドリン系樹脂の具体例としては、スミレーズレジン650(30)、スミレーズレジン675A、スミレーズレジン6615(以上、住友化学社製)、WS4002、WS4020、WS4024、WS4030、WS4046、WS4010、CP8970(以上、星光PMC社製)などが挙げられる。
【0046】
本発明の感熱記録層で使用するポリアミン/ポリアミド系樹脂は、分子中にエポキシ基を有していないことを特徴とする樹脂であり、前述のポリアミド尿素樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂等を挙げることができる。
これらのポリアミン/ポリアミド系樹脂の中では、特に耐水性が良好となるためポリアミン系樹脂(ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアミンポリ尿素樹脂、変性ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹等)を使用することが好ましい。これらのポリアミン/ポリアミド系樹脂は、単独又は2種類以上を使用することも可能である。
本発明の感熱記録層で使用するポリアミン/ポリアミド系樹脂の具体例としては、スミレーズレジン302(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン712(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン703(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン636(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジンSPI−100(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−102A(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−106N(住友化学社製:変性ポリアミド樹脂)、スミレーズレジンSPI−203(50)(住友化学社製)、スミレーズレジンSPI−198(住友化学社製)、プリンティブA−700(旭化成社製)、プリンティブA−600(旭化成社製)、PA6500、PA6504、PA6634、PA6638、PA6640、PA6644、PA6646、PA6654、PA6702、PA6704(以上、星光PMC社製:ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂)などが挙げられる。
【0047】
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
【0048】
本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、画像部の耐油性等を向上させる安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等を添加することもできる。このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
【0049】
本発明の感熱記録層で使用するロイコ染料、顕色剤、増感剤、その他の各種成分の種類及び量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、ロイコ染料1重量部に対して顕色剤0.5〜10重量部、増感剤0.1〜10重量部、顔料0.5〜20重量部、安定化剤0.01〜10重量部、その他の成分0.01〜10重量部程度を使用する。バインダーは感熱記録層固形分中5〜25重量%程度が適当である。
【0050】
本発明において、ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗工液とする。この塗工液に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
【0051】
本発明の感熱記録体においては、感熱記録層上に更に保護層を設けることもできる。
保護層は、顔料と樹脂を主成分とすることが多く、感熱記録層に使用できる材料として例示したバインダー、顔料、架橋剤などを用いることができる。本発明における保護層としては、以下に示す保護層1乃至3の構成が好ましい。
【0052】
[保護層1]
保護層にカルボキシル基含有樹脂、特にカルボキシ変性ポリビニルアルコールと共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂を含有させる。
本発明の保護層が保護層1の構成、即ち、カルボキシル基含有樹脂と共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂を含有させる構成であると、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性が良好であるため好ましい。
カルボキシル基含有樹脂と共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂のいずれか一方のみを使用した場合、或いは、カルボキシル基含有樹脂と共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂のいずれか一方のみを使用し、更にその他一般的な架橋剤を併用した場合、例えば、エピクロロヒドリン系樹脂とグリオキザールを併用した場合においても前記効果は発現するが、保護層1の構成であると前記効果が顕著に発現するため好ましい。この理由は、次のように推測される。
【0053】
カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基と、架橋剤であるエピクロロヒドリン系樹脂のアミン部分あるいはアミド部分との間で架橋反応(第1の耐水化)が起こる。次に、カルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂で形成された親水性の架橋部位とポリアミン/ポリアミド系樹脂の親水性部位とが引き合うため、この架橋部位はポリアミン/ポリアミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態、つまり親水性のある架橋部位が疎水性基で水から保護された状態(第2の耐水化)となる。そのため、カルボキシル基含有樹脂と架橋剤との反応部位に極めて高い疎水性が付与され、耐水性が特に良好となるものと推測される。
【0054】
特に、カルボキシル基含有樹脂がカルボキシ変性ポリビニルアルコールである場合、前述の架橋反応に加え、更にポリアミン/ポリアミド系樹脂のカチオン性部位が、カルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基と架橋反応するため、画像部の耐可塑剤性及び白紙部の耐熱性が更に良好になるものと推測される。
【0055】
保護層1の構成で使用するカルボキシル基含有樹脂は、主にカルボキシル基を有するものであればいずれでもよく、前述の感熱記録層で使用するカルボキシル基含有樹脂から適宜選択して使用可能である。
【0056】
保護層1の構成で使用するエピクロロヒドリン系樹脂は、分子中にエポキシ基を含有していることを特徴とする樹脂であり、前述の感熱記録層で使用するエピクロロヒドリン系樹脂から適宜選択して使用可能である。
【0057】
保護層1の構成で使用するポリアミン/ポリアミド系樹脂は、分子中にエポキシ基を有していないことを特徴とする樹脂であり、前述の感熱記録層で使用するポリアミン/ポリアミド系樹脂から適宜選択して使用可能である。発色感度の点から、ポリアミン系樹脂(ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアミンポリ尿素樹脂、変性ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹等)を使用することが好ましい。
【0058】
[保護層2]
保護層にアクリル系樹脂を含有させる。
本発明の保護層が保護層2の構成、即ち、アクリル系樹脂を含有させる構成であると、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性が良好であるため好ましい。
【0059】
保護層2の構成で使用するアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分を含み、(メタ)アクリル酸がアクリル系樹脂100重量部中1〜10重量部であることが好ましい。(メタ)アクリル酸は、アルカリ可溶性であり、中和剤の添加によりアクリル系樹脂を水溶性樹脂にする特性を有している。アクリル系樹脂を水溶性樹脂に変化させることによって、特に保護層中に顔料を含有する場合、顔料への結合性が著しく向上し、多量の顔料含有下でも優れた強度を有する保護層を形成することができる。(メタ)アクリル酸と共重合可能な成分としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性された上記アクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルを例示できるが、特に(メタ)アクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチルを配合することが好ましい。(メタ)アクリロニトリルはアクリル系樹脂100部中15〜70部配合することが好ましい。また、メタクリル酸メチルはアクリル系樹脂100部中20〜80部含むことが好ましい。(メタ)アクリロニトリル及びメタクリル酸メチルを含む場合、(メタ)アクリロニトリルをアクリル系樹脂100部中15〜18部、メタクリル酸メチルをアクリル系樹脂100部中20〜80部配合することが好ましい。
【0060】
保護層2の構成で使用するアクリル系樹脂は、ガラス転移点(Tg)が30℃より高いことが好ましく、30℃より高く130℃以下であることがより好ましく、Tgが50℃より高く95℃以下であることが更に好ましい。Tgが30℃以下であると、耐水性は十分であるが、耐熱性が十分でないことがある。一方、Tgが高いと印字走行性(耐スティック性)や耐擦過性は向上する傾向であるが、Tgが130℃より高いと保護層が脆くなり、耐水性、耐可塑剤性や耐溶剤性が十分ではなくなるなど、目的とする効果が得られない場合がある。なお、アクリル系樹脂のTgは示差走査熱量測定(DSC)によって測定する。
【0061】
保護層2の構成で使用するアクリル系樹脂は、非コアシェル型であることが好ましい。一般に、コアシェル型アクリル系樹脂は、非コアシェル型アクリル系樹脂に比べて耐熱性が優れており、塗工層に用いた場合に耐スティック性に優れるため多用されている。しかし、コアシェル型アクリル系樹脂のシェル部は通常熱伝導性が低いため、発色感度が悪いという欠点も併せ持っている。一方、通常の非コアシェル型アクリル系樹脂は耐熱性が低く、スティックやヘッドカスなどが発生しやすい欠点を持っていたが、本願発明で使用するTgが30℃より高く130℃以下である非コアシェル型アクリル系樹脂は、耐熱性に優れているため、発色感度が良好であるとともに、印字走行性(耐ヘッドカス性、耐スティッキング性)が良好であるという利点がある。
なお、アクリル系樹脂のTgは示差走査熱量測定(DSC)によって測定する。
【0062】
[保護層3]
保護層にアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有させる。
本発明の保護層が保護層3の構成、即ち、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有させる構成であると、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性が良好であるため好ましい。
【0063】
本発明の保護層が保護層2の構成、もしくは保護層3の構成である場合、該保護層には、所望の効果を阻害しない範囲で必要に応じて前記感熱記録層に使用する各種架橋剤を併用しても良い。
【0064】
また、本発明の保護層には、更に顔料を含有させることが好ましい。保護層に顔料を含有させることにより、特に良好な印字走行性(耐ヘッドカス性、耐スティッキング性)を得ることができる。
本発明の保護層で使用する顔料としては、カオリン、焼成カオリン、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、タルク、酸化チタンなどの無機又は有機充填剤などが挙げられる。サーマルヘッドの摩耗性などを考慮した場合、カオリン、焼成カオリン、水酸化アルミニウムが好ましい。
【0065】
特に、本発明の保護層が保護層1の構成であり、且つカルボキシル基含有樹脂がカルボキシ変性ポリビニルアルコールである場合、即ち、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂を含有させる構成である場合、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂との間での架橋反応により、保護層が3次元的な構造を有する。ここに更にカオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等のアニオン性の顔料を含有させると、カチオン性であるポリアミン/ポリアミド系樹脂がアニオン性の顔料に対して分散効果を発現するため、保護層が特にポーラスな状態になると考えられる。そのため、感熱記録層中の耐熱性の低い材料の溶融物が保護層中の空隙に吸着され、感熱記録体の表面にまで溶出せず、極めて優れた印字走行性(耐ヘッドカス性、耐スティッキング性)が発現する。
【0066】
本発明の保護層で使用する顔料は、アスペクト比が30以上であることが好ましい。特にアスペクト比が30以上のカオリンであると、より優れた品質の感熱記録体を得ることができるため好ましい。
本発明において、顔料のアスペクト比とは、粉体を電子顕微鏡で撮影し、ランダムに抽出した粒子100個について、計算式(アスペクト比=直径/厚さ)を用いて算出し平均を求めた値であり、アスペクト比の値が大きい程、顔料の扁平度合いが大きいことになる。
【0067】
本発明の保護層で使用するアスペクト比が30以上のカオリンは、一般的に製紙材料として使用されている顔料に比べて非常に扁平であり、アスペクト比がより小さな顔料を使用した場合に比べて同面積を被覆するのに必要なカオリンの使用量は少なくなる。つまり、保護層を薄くできるため、感熱記録層への熱伝導率の低下を抑えられ、優れた発色性能及び画質が得られると考えられる。アスペクト比が30以上のカオリンは、特殊粉砕することによりデラミネーションしたカオリンを分級するなどして得ることができる。
【0068】
本発明において、保護層で使用するカオリンの好ましいアスペクト比は30〜100であり、より好ましくは30〜75である。アスペクト比が100より大きくなると、塗工液の保水性が下がり、塗工適性が著しく低下すると共に、保護層が局所的に密になり発色感度ムラなどの問題が生じることがある。またこのカオリンは、平均直径が4μm以下であることが望ましい。アスペクト比が30以上のカオリンの平均直径が4μmより大きくなると、保護層の表面平滑性が低下するため、印字画質の低下などの問題が発生することがある。
【0069】
本発明の保護層で使用するアスペクト比が30以上のカオリンは、通常、吸油量が50〜80ml/100g、BET比表面積が10〜30m
2/gである。これに対して、アスペクト比が100以上であるマイカ(雲母)は、吸油量が10〜30ml/100g程度、BET比表面積が2〜10m
2/g程度と水や溶剤を吸収する能力が低い。本発明の保護層でアスペクト比が30以上のカオリンを使用した場合、マイカを使用した場合にくらべて感熱記録体の耐水性、耐溶剤性、印字走行性(耐ヘッドカス性、耐スティッキング性)が優れる。
【0070】
本発明において、保護層中のバインダー、顔料、架橋剤等の含有量は要求される性能および記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、顔料100重量部に対してバインダーは固形分で30〜300重量部程度、バインダーの固形分100重量部に対して架橋剤は固形分で1〜100重量部程度を使用することが好ましい。
また、本発明の保護層が保護層1の構成である場合、保護層1の構成で使用するカルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂の含有量(固形分)は特に限定されるものではないが、全保護層(固形分)100重量部中、それぞれが1重量部以上であることが望ましい。いずれかが1重量部未満であると下層に位置する感熱記録層を保護するための十分な皮膜ができず、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性が十分に得られないことがある。
また、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂の含有量は、カルボキシル基含有樹脂の固形分100重量部に対してそれぞれ固形分で1〜100重量部であることが好ましく、5〜50重量部であることがより好ましい。それぞれ1重量部以上、より好ましくはそれぞれ5重量部以上含有させると、特に画質および発色性能が良好である。また、それぞれ100重量部以下、より好ましくはそれぞれ50重量部以下含有させると、塗液の粘度増加やゲル化が起こりにくく操業性が良好である。また、エピクロロヒドリン系樹脂はpH 6.0以上で架橋反応するため、保護層塗工液のpHを6.0以上に調整することが好ましい。
【0071】
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱記録層を有するが、支持体と感熱記録層の間に下塗り層を設けることができる。
【0072】
この下塗り層は、主としてバインダーと顔料とから成る。
下塗り層に用いるバインダーとしては、一般的に使用されている水溶性高分子あるいは疎水性高分子のエマルジョン等が適宜使用可能である。具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、等のセルロース誘導体、デンプンとその誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の疎水性高分子のエマルジョンを用いることができる。これらのバインダーは1種又は2種以上用いてもよい。
【0073】
下塗り層に用いる顔料としては、従来一般的に使用されている公知の顔料、具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、焼成カオリン、クレー、タルク等の無機顔料などを使用することができる。これらの顔料は1種又は2種以上用いてもよい。
下塗り層中の顔料は、全固形分100重量部に対して、通常50〜95重量部、好ましくは70〜90重量部である。
下塗り層の塗工液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調整剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
【0074】
本発明において、感熱記録層及び感熱記録層以外の塗工層、即ち保護層、下塗り層などを塗工する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができる。例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。
感熱記録層及び感熱記録層以外の塗工層の塗工量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、感熱記録層の一般的な塗工量は固形分で2〜12g/m
2程度であり、保護層の塗工量は固形分で0.5〜5.0g/m
2が好ましい。
また、各塗工層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
【実施例】
【0075】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。なお、各実施例及び比較例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。各種分散液、あるいは塗工液を以下のように調製した。
【0076】
[実施例1]
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、下塗り層塗工液を調製した。
<下塗り層塗工液>
焼成カオリン(BASF社製、商品名:アンシレックス90) 90.0部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製、
商品名:ST5526、固形分48%) 10.0部
水 50.0部
【0077】
次いで、下塗り層塗工液を支持体(坪量47g/m
2の上質紙)の片面に、塗工量が固形分で10.0g/m
2となるようにベントブレード法で塗工した後、乾燥を行ない、下塗り層塗工紙を得た。
【0078】
下記配合の第一顕色剤分散液1〜3(A1液〜A3液)、第二顕色剤分散液(B液)、ロイコ染料分散液(C液)及び増感剤分散液(D液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
【0079】
第一顕色剤分散液(A1液)
化学式(化1)で表されるウレア系化合物(日本曹達社製、
商品名NKK1304) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 5.0部
水 1.5部
第一顕色剤分散液2(A2液)
2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学社製、
商品名:BPS−24C) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 5.0部
水 1.5部
第一顕色剤分散液3(A3液)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン
(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:NY−DS) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 5.0部
水 1.5部
【0080】
第二顕色剤分散液(B液)
一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物
(日本曹達社製、商品名:D90) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 5.0部
水 1.5部
【0081】
ロイコ染料分散液(C液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製、
商品名:ODB−2) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 5.0部
水 1.5部
【0082】
増感剤分散液(D液)
シュウ酸−ビスパラメチルベンジル(大日本インキ化学工業社製、
商品名:HS3520) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 5.0部
水 1.5部
【0083】
次いで、下記の割合で各分散液を混合して感熱記録層塗工液を調製した。
<感熱記録層塗工液1>
第一顕色剤分散液(A1液) 18.0部
第二顕色剤分散液(B液) 18.0部
ロイコ染料分散液(C液) 18.0部
増感剤分散液(D液) 36.0部
シリカ分散液(水澤化学社製、商品名:ミズカシルP−537、固形分25%)
17.5部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 25.0部
【0084】
次いで、前記下塗り層塗工紙の下塗り層上に、感熱記録層塗工液1を塗工量が固形分で6.0g/m
2となるようにロッドブレード法で塗工した後、乾燥を行い、スーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して感熱記録体を得た。
【0085】
[実施例2]
感熱記録層塗工液1中の第一顕色剤分散液1(A1液)を9.0部、第二顕色剤分散液(B液)を27.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例3]
感熱記録層塗工液1中の第一顕色剤分散液1(A1液)を27.0部、第二顕色剤分散液(B液)を9.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
【0086】
[実施例4]
下記の割合で各分散液を混合して感熱記録層塗工液を調製した。
<感熱記録層塗工液2>
第一顕色剤分散液(A1液) 18.0部
第二顕色剤分散液(B液) 18.0部
ロイコ染料分散液(C液) 18.0部
増感剤分散液(D液) 36.0部
シリカ分散液(水澤化学社製、商品名:ミズカシルP−537、固形分25%)
17.5部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:KL318、
重合度:約1700、鹸化度:95〜99mol%、固形分10%)21.0部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4030、
カチオン化度:2.7、分子量:220万、4級アミン、
固形分25%) 0.8部
変性ポリアミン樹脂(住友化学社製、商品名:スミレーズレジンSPI−102A、
固形分45%) 0.5部
【0087】
次いで、前記下塗り層塗工紙の下塗り層上に、感熱記録層塗工液2を塗工量が固形分で6.0g/m
2となるようにロッドブレード法で塗工した後、乾燥を行い、スーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して感熱記録体を得た。
【0088】
[実施例5]
下記の割合で各分散液を混合して感熱記録層塗工液を調製した。
<感熱記録層塗工液3>
第一顕色剤分散液(A1液) 18.0部
第二顕色剤分散液(B液) 18.0部
ロイコ染料分散液(C液) 18.0部
増感剤分散液(D液) 36.0部
シリカ分散液(水澤化学社製、商品名:ミズカシルP−537、固形分25%)
7.5部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 25.0部
【0089】
次いで、前記下塗り層塗工紙の下塗り層上に、感熱記録層塗工液3を塗工量が固形分で6.0g/m
2となるようにロッドブレード法で塗工した後、乾燥を行い、スーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して感熱記録層塗工紙を得た。
【0090】
次いで、下記割合からなる配合物を混合して保護層塗工液を調製した。
<保護層塗工液1>
水酸化アルミニウム分散液(マーティンスベルグ社製、
商品名:マーティフィンOL、固形分50%) 9.0部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:KL318、
重合度:約1700、鹸化度:95〜99mol%、固形分10%)30.0部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4030、
固形分25%) 4.0部
変性ポリアミン樹脂(住友化学社製、商品名:スミレーズレジンSPI−102A、
固形分45%) 2.2部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30、
固形分30%) 2.0部
水 22.8部
【0091】
次いで、前記感熱記録層塗工紙の感熱記録層上に、保護層塗工液1を塗工量が固形分で3.0g/m
2となるように、ロッドブレード法で塗工した後、乾燥を行ない、スーパーカレンダーで平滑度が1500〜2000秒になるように処理して感熱記録体を作製した。
【0092】
[実施例6]
保護層塗工液1に代えて下記割合からなる配合物を混合した保護層塗工液2を使用した以外は、実施例5と同様にして感熱記録体を作製した。
<保護層塗工液2>
水酸化アルミニウム分散液(マーティンスベルグ社製、
商品名:マーティフィンOL、固形分50%) 4.0部
非コアシェル型アクリル系樹脂(三井化学社製、商品名:ASN1004K、
Tg55℃、固形分18%) 30.0部
水 15.0部
【0093】
[実施例7]
保護層塗工液1に代えて下記割合からなる配合物を混合した保護層塗工液3を使用した以外は、実施例5と同様にして感熱記録体を作製した。
<保護層塗工液3>
水酸化アルミニウム分散液(マーティンスベルグ社製、
商品名:マーティフィンOL、固形分50%) 9.0部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール水溶液(日本合成社製、
商品名:ゴーセネックスZ−300、重合度:300、
鹸化度:99mol%、固形分10%) 30.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30、
固形分30%) 2.0部
水 13.0部
【0094】
[比較例1]
感熱記録層塗工液1中の第一顕色剤分散液1(A1液)を36.0部、第二顕色剤分散液(B液)を0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例2]
感熱記録層塗工液1中の第一顕色剤分散液1(A1液)を0部、第二顕色剤分散液(B液)を36.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
【0095】
[比較例3]
感熱記録層塗工液1を下記感熱記録層塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
<感熱記録層塗工液4>
第一顕色剤分散液2(A2液) 36.0部
ロイコ染料分散液(C液) 18.0部
増感剤分散液(D液) 36.0部
シリカ分散液(水澤化学社製、商品名:ミズカシルP−537、固形分25%)
17.5部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 25.0部
【0096】
[比較例4]
感熱記録層塗工液1を下記感熱記録層塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
<感熱記録層塗工液5>
第一顕色剤分散液3(A3液) 36.0部
ロイコ染料分散液(C液) 18.0部
増感剤分散液(D液) 36.0部
シリカ分散液(水澤化学社製、商品名:ミズカシルP−537、固形分25%)
17.5部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 25.0部
【0097】
[比較例5]
感熱記録層塗工液2を下記感熱記録層塗工液に代えた以外は、実施例5と同様にして感熱記録体を作製した。
<感熱記録層塗工液6>
第一顕色剤分散液3(A3液) 36.0部
ロイコ染料分散液(C液) 18.0部
増感剤分散液(D液) 36.0部
シリカ分散液(水澤化学社製、商品名:ミズカシルP−537、固形分25%)
7.5部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:PVA117、
固形分10%) 25.0部
【0098】
作製した感熱記録体について、下記評価を行った。
【0099】
<発色性能(印字濃度)>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.35mJ/dot、印字速度50mm/secで市松模様を印字した。印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、発色性能を評価した。
【0100】
<耐水性(ブロッキング性)>
作製した感熱記録体について、1枚の感熱記録体の感熱記録層表面に10mlの水道水を滴下し、その上にもう1枚の感熱記録体の感熱記録層表面を重ねた。10g/cm
2の荷重を掛けて23℃、50%RHの環境下で24時間処理した後、2枚の感熱記録体を剥がし、水を滴下した部分の感熱記録層の剥がれを目視にて観察し、耐水性を評価した。
○:感熱記録層の剥がれが全くない
△:感熱記録層の表面が僅かに剥がれるが、実用上支障はない程度
×:感熱記録層全体が剥がれ、実用上支障がある
【0101】
<耐水性(画像保存性)>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.41mJ/dotでベタ印字した。23℃の水に24時間浸漬処理した後、風乾した。印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値から残存率を算出し、耐水性を評価した。
残存率(%)=(処理後の印字部の印字濃度/処理前の印字部の印字濃度)×100
◎:残存率が90%以上
○:残存率が75%以上90%未満
△:残存率が50%以上75%未満
×:残存率が50%未満
【0102】
<耐可塑剤性(画像部)>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、
京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.35mJ/dot、印字
速度50mm/secで市松模様を印字した。
紙管に塩化ビニルラップ(三井東圧社製、ハイラップKMA)を1重に巻き付け、その上に印字部が外面となるように前記感熱記録体を置き、更にその上に前記塩化ビニルラップを3重に巻き付けて固定した。23℃、50%RHの環境下で24時間処理した後、印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値から残存率を算出し、下記の基準で評価した。
残存率(%)=(処理後の印字部の印字濃度/処理前の印字部の印字濃度)×100
◎:残存率が90%以上
○:残存率が75%以上90%未満
△:残存率が50%以上75%未満
×:残存率が50%未満
【0103】
<耐熱性(白紙部)>
作製した感熱記録体について、80℃の環境下で24時間処理した後、23℃、50%RH環境下に3時間静置し、非印字部(白紙部)の濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値の差から地色発色値を算出し、非印字部(白紙部)の耐熱性を下記の基準で評価した。
地色発色値=(処理後の非印字部の濃度)−(処理前の非印字部の濃度)
◎:地色発色値が0.1未満
○:地色発色値が0.1以上0.3未満
△:地色発色値が0.3以上0.5未満
×:地色発色値が0.5以上
【0104】
評価結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
表1から、感熱記録層に顕色剤として化学式(化1)で表されるウレア系化合物及び一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含有させた場合には、発色性能、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性に優れていることがわかる。
さらに、感熱記録層にカルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂とポリアミン/ポリアミド系樹脂とを含有する、あるいは感熱記録層上に保護層を設けることにより、耐水性、画像部の耐可塑剤性、白紙部の耐熱性が特に優れると共に、発色性能が良好である。