特開2015-81444(P2015-81444A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-81444(P2015-81444A)
(43)【公開日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】チュービング装置
(51)【国際特許分類】
   E21B 7/20 20060101AFI20150331BHJP
【FI】
   E21B7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-219978(P2013-219978)
(22)【出願日】2013年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】栗本 真司
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA00
2D129BA13
2D129BB03
2D129CA06
2D129CA13
2D129CA26
2D129CA27
2D129DA18
2D129DC16
2D129DC26
2D129DC52
2D129EB29
2D129EB34
(57)【要約】
【課題】ケーシングチューブを掴み換える際の把持力の低下を防止するための油圧回路及び電気回路を備えたチュービング装置を提供する。
【解決手段】チャック開き側シーケンスバルブ33,35にチャックシリンダ把持回路31,32の圧力を伝達する開き側パイロット経路33a,35aに、開き側パイロットソレノイドバルブ44,45を設ける。開き側パイロットソレノイドバルブは、ソレノイド44a,45aが非通電状態のときにはチャックシリンダ把持回路の圧力をチャック開き側シーケンスバルブに伝達可能な状態となり、ソレノイドが通電状態のときには、チャックシリンダ把持回路の圧力がチャック開き側シーケンスバルブに伝達されることを遮断する状態となる。ケーシングチューブを掴み換える際には、開き側のソレノイドを非通電状態とする開きスイッチ75,76を手動で操作する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に据え付けられるベースフレームの上方に、昇降シリンダによって昇降する回転体を設け、該回転体にメインチャックを設けるとともに、前記ベースフレームにサブチャックを設け、メインチャック及びサブチャックのいずれか一方がケーシングチューブを把持した状態とする油圧回路と、該油圧回路を作動させるための電気回路と、前記油圧回路及び電気回路を作動させるためのリモコンとを備えたチュービング装置において、前記油圧回路は、油圧ポンプからの作動油を、前記メインチャックがケーシングチューブを把持する方向にメインチャックシリンダを作動させるメインチャックシリンダ把持回路と前記サブチャックがケーシングチューブを把持する方向にサブチャックシリンダを作動させるサブチャックシリンダ把持回路とのいずれかに切り替えるチャック用コントロールバルブと、前記メインチャックシリンダ把持回路からサブチャック開き側シーケンスバルブを介して分岐し、前記サブチャックがケーシングチューブを開放する方向に前記サブチャックシリンダを作動させるサブチャックシリンダ開放回路と、前記サブチャックシリンダ把持回路からメインチャック開き側シーケンスバルブを介して分岐し、前記メインチャックがケーシングチューブを開放する方向に前記メインチャックシリンダを作動させるメインチャックシリンダ開放回路とを備え、前記サブチャック開き側シーケンスバルブにメインチャックシリンダ把持回路の圧力を伝達するサブチャック開き側パイロット経路には、サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブが設けられ、該サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブは、該サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブに設けられたサブ側ソレノイドが非通電状態のときには、メインチャックシリンダ把持回路の圧力をサブチャック開き側シーケンスバルブに伝達可能な状態となり、前記サブ側ソレノイドが通電状態のときには、メインチャックシリンダ把持回路の圧力がサブチャック開き側シーケンスバルブに伝達されることを遮断する状態となり、前記メインチャック開き側シーケンスバルブにサブチャックシリンダ把持回路の圧力を伝達するメインチャック開き側パイロット経路には、メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブが設けられ、該メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブは、該メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブに設けられたメイン側ソレノイドが非通電状態のときには、サブチャックシリンダ把持回路の圧力をメインチャック開き側シーケンスバルブに伝達可能な状態となり、前記メイン側ソレノイドが通電状態のときには、サブチャックシリンダ把持回路の圧力がメインチャック開き側シーケンスバルブに伝達されることを遮断する状態となり、前記リモコンは、前記サブ側ソレノイド及び前記メイン側ソレノイドに接続したリモコン接続端子に着脱可能に接続される接続端子を備えるとともに、前記サブ側ソレノイドへの通電状態をオンオフするサブチャック開き側スイッチと、前記メイン側ソレノイドへの通電状態をオンオフするメインチャック開き側スイッチとを備え、前記サブチャック開き側スイッチ及びメインチャック開き側スイッチは、サブ側ソレノイド及びメイン側ソレノイドを通電状態とするON位置が定常状態に設定されていることを特徴とするチュービング装置。
【請求項2】
前記メインチャックシリンダ把持回路に、該メインチャックシリンダ把持回路の圧力があらかじめ設定されたメインチャック把持圧力に上昇したときに通電状態となるメインチャック側油圧スイッチを設け、前記サブチャックシリンダ把持回路に、該サブチャックシリンダ把持回路の圧力があらかじめ設定されたサブチャック把持圧力に上昇したときに通電状態となるサブチャック側油圧スイッチを設けるとともに、前記リモコンに、前記メインチャック側油圧スイッチが通電状態になったときに点灯するメインチャック把持表示灯と、前記サブチャック側油圧スイッチが通電状態になったときに点灯するサブチャック把持表示灯とを備えていることを特徴とする請求項1記載のチュービング装置。
【請求項3】
前記リモコンは、前記メインチャック側油圧スイッチ及び前記サブチャック側油圧スイッチが共に通電状態になったときに、前記回転体の回転操作及び前記昇降シリンダの伸縮操作を規制する操作規制電気回路を備えていることを特徴とする請求項2記載のチュービング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チュービング装置に関し、詳しくは、ケーシングチューブをチャックフレームとサブチャックとで掴み換えながら、ケーシングチューブを地中に圧入したり、地中から引き抜いたりするチュービング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オールケーシング工法においてケーシングチューブを地中に圧入したり、地中から引き抜いたりするチュービング装置は、ケーシングチューブが落下したりすることを防止するため、昇降シリンダによって昇降する回転体にメインチャックを設けるとともに、地上に据え付けられるベースフレームにサブチャックを設け、メインチャック及びサブチャックのいずれか一方が必ずケーシングチューブを把持した状態になるようにしている。このため、メインチャックを開閉するメインチャックシリンダ及びサブチャックを開閉するサブチャックシリンダに作動油を供給する油圧回路には、メインチャックを開放する際には、サブチャックがケーシングチューブを把持した状態になってからメインチャックを開方向に作動させ、サブチャックを開放する際には、メインチャックがケーシングチューブを把持した状態になってからサブチャックを開方向に作動させるためのシーケンスバルブが組み込まれている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−330655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記シーケンスバルブを開く圧力は、各チャックシリンダが各チャックを把持する最大圧力より低い圧力に設定されているため、メインチャックからサブチャックへ、あるいは、サブチャックからメインチャックへとケーシングチューブを掴み換える際には、一時的に各チャックの把持力が最大把持力よりも低くなる。このため、ケーシングチューブの重量が各チャックの最大把持力で把持可能な重量に極めて近い場合には、ケーシングチューブの表面の状態などの影響によってケーシングチューブが滑り落ちたりするおそれがあった。
【0005】
そこで本発明は、ケーシングチューブを掴み換える際に、各チャックの最大把持力が発揮でき、メインチャックからサブチャックへ、あるいは、サブチャックからメインチャックへと確実にケーシングチューブの掴み換えを行うことができる油圧回路及び電気回路を備えたチュービング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のチュービング装置は、地上に据え付けられるベースフレームの上方に、昇降シリンダによって昇降する回転体を設け、該回転体にメインチャックを設けるとともに、前記ベースフレームにサブチャックを設け、メインチャック及びサブチャックのいずれか一方がケーシングチューブを把持した状態とする油圧回路と、該油圧回路を作動させるための電気回路と、前記油圧回路及び電気回路を作動させるためのリモコンとを備えたチュービング装置において、前記油圧回路は、油圧ポンプからの作動油を、前記メインチャックがケーシングチューブを把持する方向にメインチャックシリンダを作動させるメインチャックシリンダ把持回路と前記サブチャックがケーシングチューブを把持する方向にサブチャックシリンダを作動させるサブチャックシリンダ把持回路とのいずれかに切り替えるチャック用コントロールバルブと、前記メインチャックシリンダ把持回路からサブチャック開き側シーケンスバルブを介して分岐し、前記サブチャックがケーシングチューブを開放する方向に前記サブチャックシリンダを作動させるサブチャックシリンダ開放回路と、前記サブチャックシリンダ把持回路からメインチャック開き側シーケンスバルブを介して分岐し、前記メインチャックがケーシングチューブを開放する方向に前記メインチャックシリンダを作動させるメインチャックシリンダ開放回路とを備え、前記サブチャック開き側シーケンスバルブにメインチャックシリンダ把持回路の圧力を伝達するサブチャック開き側パイロット経路には、サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブが設けられ、該サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブは、該サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブに設けられたサブ側ソレノイドが非通電状態のときには、メインチャックシリンダ把持回路の圧力をサブチャック開き側シーケンスバルブに伝達可能な状態となり、前記サブ側ソレノイドが通電状態のときには、メインチャックシリンダ把持回路の圧力がサブチャック開き側シーケンスバルブに伝達されることを遮断する状態となり、前記メインチャック開き側シーケンスバルブにサブチャックシリンダ把持回路の圧力を伝達するメインチャック開き側パイロット経路には、メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブが設けられ、該メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブは、該メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブに設けられたメイン側ソレノイドが非通電状態のときには、サブチャックシリンダ把持回路の圧力をメインチャック開き側シーケンスバルブに伝達可能な状態となり、前記メイン側ソレノイドが通電状態のときには、サブチャックシリンダ把持回路の圧力がメインチャック開き側シーケンスバルブに伝達されることを遮断する状態となり、前記リモコンは、前記サブ側ソレノイド及び前記メイン側ソレノイドに接続したリモコン接続端子に着脱可能に接続される接続端子を備えるとともに、前記サブ側ソレノイドへの通電状態をオンオフするサブチャック開き側スイッチと、前記メイン側ソレノイドへの通電状態をオンオフするメインチャック開き側スイッチとを備え、前記サブチャック開き側スイッチ及びメインチャック開き側スイッチは、サブ側ソレノイド及びメイン側ソレノイドを通電状態とするON位置が定常状態に設定されていることを特徴としている。
【0007】
さらに、本発明のチュービング装置は、前記メインチャックシリンダ把持回路に、該メインチャックシリンダ把持回路の圧力があらかじめ設定されたメインチャック把持圧力に上昇したときに通電状態となるメインチャック側油圧スイッチを設け、前記サブチャックシリンダ把持回路に、該サブチャックシリンダ把持回路の圧力があらかじめ設定されたサブチャック把持圧力に上昇したときに通電状態となるサブチャック側油圧スイッチを設けるとともに、前記リモコンに、前記メインチャック側油圧スイッチが通電状態になったときに点灯するメインチャック把持表示灯と、前記サブチャック側油圧スイッチが通電状態になったときに点灯するサブチャック把持表示灯とを備えていること、また、前記リモコンは、前記メインチャック側油圧スイッチ及び前記サブチャック側油圧スイッチが共に通電状態になったときに、前記回転体の回転操作及び前記昇降シリンダの伸縮操作を規制する操作規制電気回路を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のチュービング装置によれば、リモコンを接続した状態で、ケーシングチューブの把持をメインチャックからサブチャックに切り替えるときには、リモコンのメインチャック開き側スイッチを操作しなければメインチャックが開くことはなく、同様に、サブチャックからメインチャックに把持を切り替えるときには、リモコンのサブチャック開き側スイッチを操作しなければサブチャックが開くことはない。したがって、オペレータが目視によって把持状態を確認したり、圧力検出手段の圧力表示を確認したりしてから所定の開き側スイッチを操作することにより、所定のチャックを開くことができるので、メインチャックとサブチャックとを独立して操作するのと同等の安全性を確保できる。これにより、ケーシングチューブを掴み換える際に、各チャックの最大把持力が発揮でき、メインチャックからサブチャックへ、あるいは、サブチャックからメインチャックへと確実にケーシングチューブの掴み換えを行うことができる
【0009】
さらに、それぞれの把持表示灯を設けることによって把持状態を容易に確認することができる。また、操作規制電気回路を設けることにより、両チャックが把持状態のときに、回転体の回転操作や昇降シリンダの伸縮操作を行ってしまうことによる事故の発生や機器の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のチュービング装置の第1形態例を示すもので、チャック開き用のリモコンを接続したときの油圧回路及び電気回路を示す回路図である。
図2】同じくリモコンを接続していないときの油圧回路及び電気回路を示す回路図である。
図3】本発明のチュービング装置の第2形態例を示すもので、チャック開き用のリモコンを接続したときの油圧回路及び電気回路を示す回路図である。
図4】本発明のチュービング装置の第3形態例を示すもので、チャック開き用のリモコンを接続したときの油圧回路及び電気回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、図1及び図2に示す第1形態例おいて、本形態例に示すチュービング装置は、チュービング装置本体部10と油圧ユニット50とリモコン70とを有するもので、チュービング装置本体部10と油圧ユニット50とは3本の油圧ホース10a,10b、10cで連結され、油圧ユニット50とリモコン70とは油圧ユニット側接続ケーブル70aで接続され、チュービング装置本体部10とリモコン70とは着脱可能な本体側接続ケーブル70bで接続可能となっている。
【0012】
チュービング装置本体部10は、地上に据え付けられるベースフレーム11と、該ベースフレーム11の上方に昇降シリンダ12を介して昇降可能に設けられたドライブフレーム13及びチャックフレーム14とを備えており、ベースフレーム11、ドライブフレーム13及びチャックフレーム14の各中央部には、ケーシングチューブ15を鉛直方向に挿通するための挿通孔16が同一軸線上に設けられている。
【0013】
ドライブフレーム13及びチャックフレーム14の挿通孔16の周囲には、ベアリング17を介して回転体18がそれぞれ設けられており、各回転体18の内周には、互いに接近することによってケーシングチューブ15を把持するように形成された楔状のメインチャック19が設けられるとともに、ドライブフレーム13とチャックフレーム14との間には、ドライブフレーム13とチャックフレーム14とを近接させてメインチャック19を把持状態(閉じ状態)にしたり、ドライブフレーム13とチャックフレーム14とを離間させてメインチャック19を開放状態(開き状態)にしたりするためのメインチャックシリンダ20が設けられている。
【0014】
また、ドライブフレーム13には、メインチャック19で把持したケーシングチューブ15を回転させるためのケーシングチューブ回転用油圧モータ21が設けられている。さらに、ベースフレーム11には、ケーシングチューブ15の外周を締め付けて把持するサブチャック22が設けられるとともに、該サブチャック22を開閉させるサブチャックシリンダ23が設けられている。
【0015】
前記メインチャックシリンダ20及びサブチャックシリンダ23を作動させるチュービング装置本体部10の油圧回路は、油圧ホース10aを介して前記油圧ユニット50から供給される所定圧力の作動油によって前記メインチャック19がケーシングチューブ15を把持する方向にメインチャックシリンダ20を作動させるメインチャックシリンダ把持回路31と、油圧ホース10bを介して前記油圧ユニット50から供給される所定圧力の作動油によって前記サブチャック22がケーシングチューブ15を把持する方向にサブチャックシリンダ23を作動させるサブチャックシリンダ把持回路32と、前記メインチャックシリンダ把持回路31からサブチャック開き側シーケンスバルブ33を介して分岐し、前記サブチャック22がケーシングチューブ15を開放する方向に前記サブチャックシリンダ23を作動させるサブチャックシリンダ開放回路34と、前記サブチャックシリンダ把持回路32からメインチャック開き側シーケンスバルブ35を介して分岐し、前記メインチャック19がケーシングチューブ15を開放する方向に前記メインチャックシリンダ20を作動させるメインチャックシリンダ開放回路36とを備えている。
【0016】
メインチャックシリンダ把持回路31及びメインチャックシリンダ開放回路36におけるメインチャックシリンダ20の近傍には、メインチャックシリンダ20の圧力を維持するためのパイロット操作ダブルチェックバルブ37が設けられるとともに、該パイロット操作ダブルチェックバルブ37とメインチャックシリンダ20との間には、メインチャック19における把持状態の圧力を保持するためのメインチャック側アキュムレータ38と、メインチャックシリンダ20に作用しているメインチャックシリンダ把持回路31の圧力があらかじめ設定された把持圧力に上昇したときにONとなるメインチャック側油圧スイッチ39とが設けられている。
【0017】
また、サブチャックシリンダ把持回路32には、サブチャックシリンダ23の作動を制御する手動のストップバルブ40と、サブチャックシリンダ23における把持状態の圧力を維持するためのパイロットチェックバルブ41とが設けられるとともに、パイロットチェックバルブ41とサブチャックシリンダ23との間には、サブチャック22における把持状態の圧力を保持するためのサブチャック側アキュムレータ42と、サブチャックシリンダ23に作用しているサブチャックシリンダ把持回路32の圧力があらかじめ設定された把持圧力に上昇したときにONとなるサブチャック側油圧スイッチ43とが設けられている。
【0018】
そして、前記サブチャック開き側シーケンスバルブ33にメインチャックシリンダ把持回路31の圧力を伝達するサブチャック開き側パイロット経路33aには、サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44が設けられるとともに、メインチャック開き側シーケンスバルブ35にサブチャックシリンダ把持回路32の圧力を伝達するメインチャック開き側パイロット経路35aには、メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45が設けられている。
【0019】
両パイロットソレノイドバルブ44,45は、各ソレノイド44a,45aが通電状態のときに各パイロット経路33a,35aを遮断した状態とし、各ソレノイドが非通電状態のときには、スプリングの作用で各パイロット経路33a,35aを開通した状態にするように形成されている。したがって、各ソレノイド44a,45aに通電することにより、各シーケンスバルブ33,35の作動を停止させて閉じ状態に保持することができる。
【0020】
各ソレノイド44a,45a及び各油圧スイッチ39,43の電気回路は、リモコン70の本体側接続ケーブル70bを着脱可能に接続するリモコン接続端子46にまとめられている。また、両シーケンスバルブ33,35及び両パイロットソレノイドバルブ44,45には、ドレンを油圧ホース10cを介して油圧ユニット50に戻すドレン回路47がそれぞれ設けられている。
【0021】
前記油圧ユニット50には、油圧ポンプ51で昇圧した作動油の流れ方向を、前記メインチャックシリンダ把持回路31と前記サブチャックシリンダ把持回路32とのいずれかに切り替えるスプリングセンタ式3ポジションダブルソレノイドバルブからなるチャック用コントロールバルブ52と、前記昇降シリンダ12を伸縮作動させる昇降用コントロールバルブ53と、前記ケーシングチューブ回転用油圧モータ21を回転作動させる回転用コントロールバルブ54と、所定の位置に設けられたリリーフバルブ55とを備えている。
【0022】
油圧ユニット50を電気的に制御するリモコン70は、チャック用コントロールバルブ52を操作するメイン・サブ切替スイッチ71及びメイン掴み換え開始スイッチ72と、昇降用コントロールバルブ53を操作する昇降切替スイッチ73と、回転用コントロールバルブ54を操作する回転方向切替スイッチ74とを備えるとともに、前記サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44のソレノイド44aへの通電を制御するサブチャック開きスイッチ75と、前記メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45のソレノイド45aへの通電を制御するメインチャック開きスイッチ76と、前記メインチャック側油圧スイッチ39がONになったときに点灯するメインチャック把持確認ランプ77及びメインチャック把持スイッチ部78aをONにするメインチャック把持リレー78と、前記サブチャック側油圧スイッチ43がONになったときに点灯するサブチャック把持確認ランプ79及びサブチャック把持スイッチ部80aをONにするサブチャック把持リレー80と、メインチャック把持リレー78及びサブチャック把持リレー80の両把持スイッチ部78a,80aが同時にONになったときに、前記昇降切替スイッチ73及び前記回転方向切替スイッチ74への通電を遮断する操作規制電気回路となる操作規制スイッチ部81aを作動させる操作規制リレー81とを備えている。
【0023】
ケーシングチューブ15を地中から引き抜く場合、昇降シリンダ12を短縮させてメインチャック19でケーシングチューブ15を把持した状態で、ケーシングチューブ回転用油圧モータ21を適宜作動させてケーシングチューブ15を回転させながら昇降シリンダ12を伸長させることによりケーシングチューブ15を地中から引き抜いていく。昇降シリンダ12が伸長状態になったとき、昇降シリンダ12及びケーシングチューブ回転用油圧モータ21を停止させた後、ケーシングチューブ15の把持を、メインチャック19からサブチャック22に切り替える掴み換え操作を行う。
【0024】
メインチャック19からサブチャック22に切り替える掴み換え操作の具体例を、チュービング装置本体部10のリモコン接続端子46に本体側接続ケーブル70bを介してリモコン70を接続した状態におけるリモコン70の操作と、電気回路の電流の流れ及び油圧回路の作動油の流れとを、図1を参照しながら以下に説明する。なお、電流の流れは、プラス側の流れを説明し、マイナス側(アース側)の説明は省略する。
【0025】
この掴み換え操作開始時における状態は、リモコン70のメイン・サブ切替スイッチ71,昇降切替スイッチ73及び回転方向切替スイッチ74は、いずれも中立のOFFとなっており、チャック用コントロールバルブ52,昇降用コントロールバルブ53及び回転用コントロールバルブ54は、各ソレノイドに電流が流れていないため、すべて中立位置にあり、各コントロールバルブ52,53,54内の流路は、すべてタンク56に解放された状態になっている。一方、メインチャック19は、パイロット操作ダブルチェックバルブ37の作用により、所定の圧力でケーシングチューブ15を把持した状態となっており、メインチャックシリンダ20に作用しているメインチャックシリンダ把持回路31の圧力は、あらかじめ設定された把持圧力になっている。
【0026】
したがって、メインチャック側油圧スイッチ39がONとなっていることから、電源91からの電流が、配線91a、油圧ユニット側接続ケーブル70a、配線92,92a、本体側接続ケーブル70b,配線93a,メインチャック側油圧スイッチ39,配線93b,本体側接続ケーブル70b,配線92bに流れ、メインチャック把持確認ランプ77が点灯し、メインチャック把持リレー78が作動してメインチャック把持スイッチ部78aがONの状態となっている。
【0027】
また、サブチャック開きスイッチ75及びメインチャック開きスイッチ76は、いずれもON状態が定常状態になっていることから、前記配線92からサブチャック開きスイッチ75,本体側接続ケーブル70b,配線93cを通ってサブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44のソレノイド44aに電流が流れるので、サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44は、サブチャック開き側パイロット経路33aを遮断した状態になっている。 同様に、前記配線92からメインチャック開きスイッチ76,本体側接続ケーブル70b,配線93dを通ってメインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45のソレノイド45aに電流が流れるので、メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45は、メインチャック開き側パイロット経路35aを遮断した状態になっている。
【0028】
メインチャック19からサブチャック22への掴み換え操作は、まず、メイン・サブ切替スイッチ71を、サブチャック閉じ側(メインチャック開き側)接点71aに切り替えた後、メイン掴み換え開始スイッチ72をONにする。これにより、電源91からの電流が、配線91a、油圧ユニット側接続ケーブル70a、配線92,92c、メイン・サブ切替スイッチ71の前記接点71a、配線92d,メイン掴み換え開始スイッチ72、油圧ユニット側接続ケーブル70a、配線91bを通り、チャック用コントロールバルブ52のサブチャック閉じ側ソレノイド52aに流れ、チャック用コントロールバルブ52のスプールを、図1において左方のサブチャック閉じ側に移動させる。
【0029】
前記チャック用コントロールバルブ52のスプールがサブチャック閉じ側に移動すると、油圧ポンプ51で昇圧した作動油は、チャック用コントロールバルブ52からサブチャック閉じ側回路57を経て油圧ホース10bを通り、チュービング装置本体部10のサブチャックシリンダ把持回路32に供給される。
【0030】
サブチャックシリンダ把持回路32に供給された作動油は、メインチャック開き側シーケンスバルブ35がスプリングの作用で閉じ状態にあることから、メインチャックシリンダ開放回路36の方向には流れず、ストップバルブ40、パイロットチェックバルブ41を通ってサブチャックシリンダ23の閉じ側に供給される。これにより、サブチャック22が閉じてケーシングチューブ15を把持するとともに、サブチャック側アキュムレータ42内に所定圧力で作動油が保持される。
【0031】
このとき、サブチャックシリンダ23の開き側からは、シリンダ内の作動油がサブチャックシリンダ開放回路34に押し出され、サブチャック開き側シーケンスバルブ33のチェックバルブ33bを通過し、メインチャックシリンダ把持回路31、油圧ホース10a、メインチャック閉じ側回路58、チャック用コントロールバルブ52を通ってタンク56に戻る。
【0032】
そして、サブチャックシリンダ把持回路32内の圧力があらかじめ設定された把持圧力(最大圧力)、例えば25MPaに上昇してサブチャック22がケーシングチューブ15を確実に把持した状態になると、サブチャック側油圧スイッチ43がONとなり、リモコン70内の配線92,92a,本体側接続ケーブル70b,配線93e,サブチャック側油圧スイッチ43,配線93f,本体側接続ケーブル70b,配線92eに流れ、サブチャック把持確認ランプ79が点灯し、サブチャック把持リレー80が作動してサブチャック把持スイッチ部80aがONになる。
【0033】
この状態は、メインチャック19とサブチャック22とが、あらかじめ設定された把持力(最大把持力)でケーシングチューブ15をそれぞれ把持した状態であり、メインチャック把持確認ランプ77及びサブチャック把持確認ランプ79が同時に点灯するとともに、メインチャック把持リレー78のメインチャック把持スイッチ部78a及びサブチャック把持リレー80のサブチャック把持スイッチ部80aが同時にONとなっている。
【0034】
両把持スイッチ部78a,80aがONとなっていることから、前記配線92から両把持スイッチ部78a,80aを通って操作規制リレー81に電流が流れ、操作規制スイッチ部81aがOFFとなり、昇降切替スイッチ73及び回転方向切替スイッチ74への通電を遮断する。これにより、昇降切替スイッチ73や回転方向切替スイッチ74を操作しても、昇降用コントロールバルブ53や回転用コントロールバルブ54のソレノイドに電流が流れることはなく、両コントロールバルブ53,54は中立状態を保持する。したがって、メインチャック19及びサブチャック22の両方でケーシングチューブ15を把持しているときに、昇降シリンダ12を伸縮させたり、ケーシングチューブ回転用油圧モータ21を回転させたりする動作を規制することができる。
【0035】
このように、サブチャック把持確認ランプ79の点灯で、サブチャック22がケーシングチューブ15を所定の圧力で把持したことを確認した後、あるいは、適宜な位置に設けた圧力計でサブチャックシリンダ把持回路32などの圧力を確認したりした後、メインチャック開きスイッチ76をOFFにすると、配線92から本体側接続ケーブル70bを介して配線93dに至る電気回路が遮断され、メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45のソレノイド45aが非通電状態になるので、スプリングの作用により、メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45がメインチャック開き側パイロット経路35aを開通させた状態になる。
【0036】
メインチャック開き側パイロット経路35aが開通することにより、サブチャックシリンダ把持回路32の圧力がメインチャック開き側シーケンスバルブ35に作用してメインチャック開き側シーケンスバルブ35を開くので、サブチャックシリンダ把持回路32内の作動油がメインチャック開き側シーケンスバルブ35を通ってメインチャックシリンダ開放回路36に流れ込み、パイロット操作ダブルチェックバルブ37の開き側を通ってメインチャックシリンダ20の開き側(伸長側)に供給される。このとき、サブチャックシリンダ把持回路32内の作動油がメインチャックシリンダ開放回路36に流れることによってサブチャックシリンダ把持回路32内の圧力が一時的に低下するが、パイロットチェックバルブ41が自動的に閉じ状態になるため、サブチャックシリンダ23の閉じ側から作動油が流出することはなく、サブチャック側アキュムレータ42の作用で、サブチャックシリンダ23の閉じ側は、所定の把持圧力に保持される。
【0037】
また、作動油の流入によってメインチャックシリンダ開放回路36の圧力が上昇すると、パイロット操作ダブルチェックバルブ37の閉じ側が開き、メインチャックシリンダ20の閉じ側からメインチャックシリンダ把持回路31に作動油が押し出され、メインチャック側アキュムレータ38内の作動油と共に、パイロット操作ダブルチェックバルブ37の閉じ側を通り、メインチャックシリンダ把持回路31から油圧ホース10a、メインチャック閉じ側回路58、チャック用コントロールバルブ52を経てタンク56に戻る。これにより、メインチャックシリンダ20が伸長してドライブフレーム13とチャックフレーム14とが離間することより、メインチャック19が開き状態になり、パイロット操作ダブルチェックバルブ37の作用でメインチャックシリンダ20の開き側の圧力が保たれることでメインチャック19が開き状態に保持される。
【0038】
同時に、メインチャックシリンダ把持回路31の圧力が低下することによってメインチャック側油圧スイッチ39がOFFとなり、メインチャック把持確認ランプ77が消灯するとともに、メインチャック把持リレー78が非通電状態になってメインチャック把持スイッチ部78aがOFFとなる。さらに、メインチャック把持スイッチ部78aがOFFとなることによって操作規制リレー81も非通電状態となるので、操作規制スイッチ部81aがONになって昇降切替スイッチ73及び回転方向切替スイッチ74が操作可能な状態となる。また、メイン・サブ切替スイッチ71を中立位置に戻すことにより、チャック用コントロールバルブ52も、スプリングの作用で中立位置に戻る。
【0039】
メインチャック19が開いたことを、ドライブフレーム13とチャックフレーム14との距離などによって確認し、メインチャック開きスイッチ76をOFFとした後、昇降切替スイッチ73を操作して昇降シリンダ12を短縮させてからケーシングチューブ15の把持をサブチャック22からメインチャック19に切り替えてケーシングチューブ15の引抜作業を再開する。
【0040】
ケーシングチューブ15の把持を、サブチャック22からメインチャック19に切り替える掴み換えは、ソレノイド44aへの通電によってサブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44がサブチャック開き側パイロット経路33aを遮断してサブチャック開き側シーケンスバルブ33が閉じている状態で、メイン・サブ切替スイッチ71をメインチャック閉じ側(サブチャック開き側)接点71bに切り替え、チャック用コントロールバルブ52のメインチャック閉じ側ソレノイド52bに通電し、スプールをメインチャック閉じ側に移動させることにより、メインチャックシリンダ把持回路31の圧力を設定されている圧力に上昇させ、メインチャック把持確認ランプ77が点灯したことを確認してからサブチャック開きスイッチ75をOFFとし、ソレノイド44aへの通電を断ってサブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44がサブチャック開き側パイロット経路33aを開通させた状態とすることによってサブチャック開き側シーケンスバルブ33を開き、メインチャックシリンダ把持回路31からサブチャックシリンダ開放回路34へ作動油を流入させることによって行うことができる。
【0041】
一方、図2に示すように、チュービング装置本体部10とリモコン70とを、本体側接続ケーブル70bで接続しない状態では、配線93c、93dから各ソレノイド44a,45aへの電流供給が行われないため、サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44及びメインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45は、サブチャック開き側パイロット経路33a及びメインチャック開き側パイロット経路35aは開通状態となっている。
【0042】
すなわち、ケーシングチューブ15の把持を、メインチャック19からサブチャック22に切り替えるときには、サブチャックシリンダ把持回路32の圧力が、メインチャック開き側シーケンスバルブ35に設定されている圧力、例えば20MPaになると、メインチャック開き側シーケンスバルブ35が開くので、サブチャックシリンダ把持回路32内の作動油がメインチャックシリンダ開放回路36に流れ込み、メインチャックシリンダ20の開き側に作動油が供給されることにより、メインチャック19が開く。その後、サブチャックシリンダ把持回路32の圧力は、所定の圧力、例えば25MPaに上昇して所定の把持状態となる。サブチャック22からメインチャック19に切り替える場合も、メインチャックシリンダ把持回路31の圧力がサブチャック開き側シーケンスバルブ33の設定圧力になると、サブチャック開き側シーケンスバルブ33が開いてサブチャックシリンダ開放回路34に作動油が流れ、サブチャックシリンダ23を開き側に作動させてサブチャック22によるケーシングチューブ15の把持を解除する。
【0043】
したがって、本体側接続ケーブル70bでチュービング装置本体部10とリモコン70とを接続していないときには、メイン・サブ切替スイッチ71の操作でケーシングチューブ15の掴み換えが自動的に進行する。掴み換えの際に、一時的にケーシングチューブ15の把持圧力が20MPaに低下するが、通常の一般的な施工の際には問題になることはなく、通常は、本体側接続ケーブル70bを使用せずに、掴み換えを自動的に行うようにすればよい。一方、ケーシングチューブ15が厚肉であったり、施工深度が深かったりするなど、ケーシングチューブ15の重量が極めて重い場合には、本体側接続ケーブル70bでチュービング装置本体部10とリモコン70とを接続し、メインチャック19及びサブチャック22の両方があらかじめ設定された把持力でケーシングチューブ15を確実に把持した状態になったことを確認してから、開き側のチャックの開き操作を行うことにより、掴み換えの際に把持圧力が低下してケーシングチューブ15が滑り落ちたりするような事故の発生を防止することができる。
【0044】
さらに、メインチャック19やサブチャック22があらかじめ設定された把持圧力でケーシングチューブ15を把持した状態になったときに点灯する把持確認ランプ77,79を設けることにより、各チャック19,22の状態を容易かつ確実に確認することができる。また、両チャック19,22が把持状態になったときに、回転体の回転操作及び昇降シリンダの伸縮操作を規制する操作規制電気回路となるメインチャック把持リレー78,サブチャック把持リレー80及び操作規制リレー81を設けることにより、メインチャック19及びサブチャック22の両者でケーシングチューブ15を把持しているときに、ケーシングチューブ回転用油圧モータ21を作動させてケーシングチューブ15を回転させたり、昇降シリンダ12を伸縮させてケーシングチューブ15を昇降させたりする動作を規制することができるので、各チャック部に大きな負荷が発生することを回避でき、特に、サブチャック22が破損することを確実に防止できる。
【0045】
また、サブチャック開き側パイロット経路33a及びメインチャック開き側パイロット経路35aにソレノイドバルブ44,45を追加するとともに、簡単な開きスイッチ75,76を備えた電気回路を追加するだけでよいことから、油圧回路や電気回路を大幅に変更する必要がなく、現行のチュービング装置にも簡単に適用することができる。
【0046】
図3は、本発明の第2形態例を示すもので、本形態例は、前記第1形態例に示したリモコン70を、メインリモコン701と、チャック開きリモコン702とに分割し、メインリモコン701とチャック開きリモコン702とを着脱可能なリモコン接続ケーブル70cで接続して使用するように形成している。なお、以下の説明において、前記第1形態例に示したチュービング装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
メインリモコン701には、自動掴み換えを含む通常の作業に必要なスイッチ、すなわち、チャック用コントロールバルブ52を操作するメイン・サブ切替スイッチ71及びメイン掴み換え開始スイッチ72と、昇降用コントロールバルブ53を操作する昇降切替スイッチ73と、回転用コントロールバルブ54を操作する回転方向切替スイッチ74とが組み込まれるとともに、操作規制電気回路である操作規制リレー81が組み込まれている。
【0048】
また、チャック開きリモコン702には、手動で掴み換えを行う際に使用するスイッチとして、前記サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ44のソレノイド44aへの通電を制御するサブチャック開きスイッチ75と、前記メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ45のソレノイドへの通電を制御するメインチャック開きスイッチ76とが組み込まれるとともに、前記メインチャック側油圧スイッチ39がONになったときに点灯するメインチャック把持確認ランプ77及びメインチャック把持スイッチ部78aをONにするメインチャック把持リレー78と、前記サブチャック側油圧スイッチ43がONになったときに点灯するサブチャック把持確認ランプ79及びサブチャック把持スイッチ部80aをONにするサブチャック把持リレー80とが組み込まれている。
【0049】
このように、通常の作業で使用するメインリモコン701と、手動で掴み換えを行う際に使用するチャック開きリモコン702とを分割することにより、通常の作業で使用するメインリモコン701の小型軽量化を図ることができ、操作性の向上を図ることができる。また、ケーシングチューブの重量が極めて重い場合など、必要に応じてチャック開きリモコン702を接続して使用することにより、前記第1形態例と同様に、掴み換えの際にケーシングチューブ15が滑り落ちたりするような事故の発生を防止することができる。
【0050】
また、把持確認ランプ77,79を設けているので、各チャック19,22の状態を容易かつ確実に確認することができる。さらに、チャック開きリモコン702に、把持確認ランプ77,79の点灯と同時に作動するチャック把持リレー78,80を設けるとともに、メインリモコン701に、チャック把持リレー78,80によって作動する操作規制リレー81を設けているので、両チャック19,22でケーシングチューブ15を把持しているときに、ケーシングチューブ15を回転させたり、昇降させたりする操作を規制することができる。
【0051】
図4は、本発明の第3形態例を示すもので、本形態例は、前記第1形態例に示したリモコン70を、メインリモコン703と、チャック開きリモコン704とに分割し、メインリモコン703とチャック開きリモコン704とを着脱可能なリモコン接続ケーブル70dで接続して使用するように形成している。
【0052】
本形態例では、把持確認ランプ77,79、チャック把持リレー78,80及び操作規制リレー81を設けずに、メインリモコン703には、メイン・サブ切替スイッチ71及びメイン掴み換え開始スイッチ72、昇降切替スイッチ73、回転方向切替スイッチ74を設け、チャック開きリモコン704には、サブチャック開きスイッチ75及びメインチャック開きスイッチ76だけを設けている。
【0053】
本形態例の場合、掴み換え操作開始後に、メインチャック19からサブチャック22に切り替える際には、油圧ポンプ51からチャック用コントロールバルブ52,サブチャック閉じ側回路57,油圧ホース10b,サブチャックシリンダ把持回路32を経てサブチャックシリンダ23の閉じ側までの油圧経路のいずれかの位置の圧力、サブチャック22からメインチャック19に切り替える際には、油圧ポンプ51からチャック用コントロールバルブ52,メインチャック閉じ側回路58,油圧ホース10a,メインチャックシリンダ把持回路31を経てサブチャック22の閉じ側までの油圧経路のいずれかの位置の圧力を目視で確認してからサブチャック開きスイッチ75又はメインチャック開きスイッチ76をOFFにすればよい。
【0054】
このように、形成することにより、基本的なケーシングチューブ15の落下防止機能を損なうことなく、リモコンなどの構成を更に簡略化することができ、チュービング装置本体部10の油圧回路や電気回路の変更、追加を最小限とすることができ、現行製品の改造も容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0055】
10…チュービング装置本体部、10a,10b、10c…油圧ホース、11…ベースフレーム、12…昇降シリンダ、13…ドライブフレーム、14…チャックフレーム、15…ケーシングチューブ、16…挿通孔、17…ベアリング、18…回転体、19…メインチャック、20…メインチャックシリンダ、21…ケーシングチューブ回転用油圧モータ、22…サブチャック、23…サブチャックシリンダ、31…メインチャックシリンダ把持回路、32…サブチャックシリンダ把持回路、33…サブチャック開き側シーケンスバルブ、33a…サブチャック開き側パイロット経路、33b…チェックバルブ、34…サブチャックシリンダ開放回路、35…メインチャック開き側シーケンスバルブ、35a…メインチャック開き側パイロット経路、36…メインチャックシリンダ開放回路、37…パイロット操作ダブルチェックバルブ、38…メインチャック側アキュムレータ、39…メインチャック側油圧スイッチ、40…ストップバルブ、41…パイロットチェックバルブ、42…サブチャック側アキュムレータ、43…サブチャック側油圧スイッチ、44…サブチャック開き側パイロットソレノイドバルブ、44a…ソレノイド、45…メインチャック開き側パイロットソレノイドバルブ、45a…ソレノイド、46…リモコン接続端子、47…ドレン回路、50…油圧ユニット、51…油圧ポンプ、52…チャック用コントロールバルブ、52a…サブチャック閉じ側ソレノイド、52b…メインチャック閉じ側ソレノイド、53…昇降用コントロールバルブ、54…回転用コントロールバルブ、55…リリーフバルブ、56…タンク、57…サブチャック閉じ側回路、58…メインチャック閉じ側回路、70…リモコン、701,703…メインリモコン、702,704…チャック開きリモコン、70a…油圧ユニット側接続ケーブル、70b…本体側接続ケーブル、70c,70d…リモコン接続ケーブル、71…メイン・サブ切替スイッチ、71a…サブチャック閉じ側(メインチャック開き側)接点、71b…メインチャック閉じ側(サブチャック開き側)接点、72…メイン掴み換え開始スイッチ、73…昇降切替スイッチ、74…回転方向切替スイッチ、75…サブチャック開きスイッチ、76…メインチャック開きスイッチ、77…メインチャック把持確認ランプ、78…メインチャック把持リレー、78a…メインチャック把持スイッチ部、79…サブチャック把持確認ランプ、80…サブチャック把持リレー、80a…サブチャック把持スイッチ部、81…操作規制リレー、81a…操作規制スイッチ部、91…電源
図1
図2
図3
図4